JP3561961B2 - 調光装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、舞台等の演出照明に用いる調光装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図8は調光装置の基本的な構成を示しており、この調光装置では、調光操作卓1と、複数の調光器31 …を内蔵した調光器盤2と、各調光器31 …に接続されて調光制御される照明負荷41 …とで構成され、調光器31 …とこれに接続される照明負荷41 …とからなる単位を一つのチャンネルとし、このチャンネル毎に調光操作卓1で調光ベル設定を行って各演出シーンを作成するとともに各演出シーンの調光レベルを記憶し、また調光レベル等のデータを各チャンネルの調光器31 …に伝送線5を介して送ることができるようになっている。
【0003】
従来の調光操作卓1での各チャンネルでの調光レベルの設定はキーボード(テンキー)等からなる入力部を用いて行ない、例えば設定したいチャンネルと設定したい調光レベルとを指定して入力するのである。
この設定時の操作方法は、調光操作卓1のキーボードを用いて例えば、
〔CH〕1+4 ←〔LEVEL〕80 〔入力〕
というような形でおこなう。このように入力された調光レベルにより夫々のチャンネルの調光レベルは図9の(a)から(b)に示すように変更されることになる。図10はチャンネル”1”における調光器31 による照明負荷41 の調光レベルの変化を示しており、設定処理前は調光レベルが20(%)であったのが、設定処理後は調光レベルが80(%)に変更されている。
【0004】
しかし調光レベルを設定する場合、例えば白熱ランプのような照明負荷4が点灯していない状態から急に100%点灯するような設定変更が為されると、照明負荷4にはラッシュ電流が流れてランプ寿命を短くするという問題がある。
そこで調光レベルを設定するオペレータはレベル設定操作時にロータリエンコーダを使用したホイールでのレベル設定を行なう場合が多く、この場合の操作方法は、
〔CH〕1+4 ←〔ホイール〕+80 〔入力〕
という形となる。ホイールを操作することにより、例えば1チャンネルの調光器31 に対応して設定される調光レベルは1レベルずつプラス又はマイナスされ、所定の調光レベルへと変化させる。
【0005】
この操作にて、調光操作卓1から調光器31 に与えれる調光レベルも1レベルずつプラス又はマイナスされ、所定の調光レベルへと変化させる。従って照明負荷4にラッシュ電流が流れず、その対策ができ、また本番中のレベル変更でも、観客に分からないようなゆっくりしたレベル修正を可能とする。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし上述のようにホイール操作を行なう場合、設定したい調光レベルにてホイール操作を停止させることが難しいため、複数回、チャンネルの調光レベル設定や、レベル修正を行なう場合、非常に苦労するという問題がある。
図11(a)(b)はホイール操作により入力される夫々のチャンネルの調光レベルの変更前と、変更後を示し、図12はチャンネル”1”における調光器31 による照明負荷41 の調光レベルの変化を示しており、設定処理前は調光レベルが20であったのに対してホーイル操作により徐々に調光レベルが変更されて最終的に前のレベル20(%)に80(%)を加えた100%に変更されている。
【0007】
ところで、従来調光操作卓1から調光器盤2内の調光器31 …に調光レベルのデータを伝送する場合には、図13に示すように時分割多重によりチャンネル”1”の調光器31 から最終チャンネル(例えばNチャンネル)の調光器3N までの現在の調光レベルデータからなるデータD1 …DN をチャンネル順に伝送し、例えば上記のように調光レベルが変化する場合には、調光操作卓1では時々刻々変化する調光レベルを計算してそのデータを調光器31 …に伝送して与え、調光器31 …ではこの調光レベルに基づいて照明負荷41 …の調光制御を行なっている。各調光レベルデータは1バイト(8ビット)データによって構成され、256段階の調光レベルを設定できるようになっている。そして伝送データの1フレームは、チャンネル”1”の調光器31 から最終チャンネル(例えばNチャンネル)の調光器3N までの調光レベルデータからなるデータD1 …群より構成し、時々刻々変化する調光レベルデータを逐次伝送するようになっている。尚1フレームの判断用に同期信号/同期データを伝送する場合もある。
【0008】
伝送方式としては、調光レベルを512チャンネル分伝送できるDMX512(USITT規格)という伝送方式があるが、512回路分のデータを伝送するには20ms以上必要になる。(DMX512の伝送は、250KBPSの伝送速度にて、1本の伝送線5にて、同期信号と512回路分の調光レベルデータにて513バイトを伝送するために、1チャンネルの調光器3から512チャンネルの調光器3までのデータを伝送するに約20msが必要になる。)
しかし、交流電源電圧を位相制御することで調光制御を行なう場合、調光レベルをスムーズに変化させるには、電源電圧の半サイクル毎に位相角を制御することが必要であるが、50Hzの交流電源では半サイクルが10msであり、調光レベの変化を半サイクル毎に行なうことは本伝送方式では対応できない。そのため1本の伝送線5での伝送量を削減するか、伝送速度を高くする必要がある。
【0009】
また調光操作卓1での調光レベルの計算もチャンネル数が多くなると1回の計算に必要な処理量も増加するため、半サイクル毎に調光演算処理を行なうためには多くのCPU(マイクロコンピュータ)を使用しなければならないという問題もある。
また調光操作卓1から伝送される調光レベルデータは、時々刻々変化する調光レベルデータを伝送する必要があるため、高速伝送にて行なう必要がある。例えばDMX512の伝送速度は250KBPSとなっているため、伝送処理に対するCPUによる処理量が増大する。
【0010】
本発明は上記問題点に鑑みて為されたもので、その目的とするところは、スムースな制御が行なえ、且つ調光操作卓での処理量を削減することができる調光装置を提供するにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1の発明では、照明負荷と、照明負荷を調光制御する調光器とからなる単位で構成される複数のチャンネルと、各チャンネル毎に調光レベルを設定して該調光レベルデータを夫々のチャンネルの調光器に与える調光操作卓とからなる調光装置において、調光操作卓には演出シーンの転換時に、次の演出シーンの照明負荷の最終調光レベルデータと予め設定した演出シーンの転換に対応するフェード時間のデータとを各チャンネルの調光器に与える手段を備え、調光器には与えられたフェード時間のデータより、現在の調光レベルから次の演出シーンの最終調光レベルに変化させるまでのフェード時の調光レベルを算出して調光制御を行なう手段とを備えたことを特徴とする。
【0014】
請求項2の発明では、照明負荷と、照明負荷を調光制御する調光器とからなる調光単位で構成される複数のチャンネルと、各チャンネル毎に調光レベル設定を行って各演出シーンを作成して、各演出シーンの調光レベルを記憶する調光操作卓とからなる調光装置において、調光操作卓には演出シーンの転換前に、次の演出シーンの照明負荷の最終調光レベルデータと予め設定した演出シーンの転換に対応するフェード時間データとを各チャンネルの調光器に与え、演出シーンの転換開始時に演出シーン転換開始信号を各チャンネルの調光器に与える手段を備え、調光器には与えられた最終調光レベルデータとフェード時間のデータとに基づいて現在の調光レベルから次の演出シーンの最終調光レベルに変化させるまでのフェード時の調光レベルを予め算出しておき、演出シーン転換開始信号が与えられると既に算出してある調光レベルに基づいて調光制御を行なう手段とを備えたことを特徴とする。
【0015】
請求項3の発明では、照明負荷と、照明負荷を調光制御する調光器とからなる調光単位で構成される複数のチャンネルと、各チャンネル毎に調光レベル設定を行って各演出シーンを作成して、各演出シーンの調光レベルを記憶する調光操作卓とからなる調光装置において、調光操作卓には演出シーンの転換前に、次の演出シーンの照明負荷の最終調光レベルデータと予め設定した演出シーンの転換に対応するフェード時間のデータと演出シーンの転換開始時刻のデータとを各チャンネルの調光器に与える手段を備え、調光器には与えられた最終調光レベルデータとフェード時間のデータとに基づいて現在の調光レベルから次の演出シーンの最終調光レベルに変化させるまでのフェード時の調光レベルを予め算出しておき、演出シーンの転換開始時刻になると既に算出してある調光レベルに基づいて調光制御を行なう手段を備えたことを特徴とする。
【0019】
【作用】
請求項1の発明によれば、調光操作卓には演出シーンの転換時に、次の演出シーンの照明負荷の最終調光レベルデータと予め設定した演出シーンの転換に対応するフェード時間のデータとを各チャンネルの調光器に与え手段を備え、調光器には与えられたフェード時間のデータより、現在の調光レベルから次の演出シーンの最終調光レベルに変化させるまでのフェード時の調光レベルを算出して調光制御を行なう手段とを備えたので、調光操作卓から演出シーンの転換時のみデータ伝送を行なえば、次の演出シーンの転換までデータ伝送を行なう必要がなくなるため、スムーズな調光制御が可能となり、また調光器側でシーン変化に対応する調光レベルを求めて制御処理を行なうため、調光操作卓では調光計算する必要がなくなってデータ処理量を格段に削減できる。
【0020】
請求項2の発明によれば、調光操作卓には演出シーンの転換前に次の演出シーンの照明負荷の最終調光レベルデータと予め設定した演出シーンの転換に対応するフェード時間データとを演出シーンの転換開始前に各チャンネルの調光器に与え、演出シーンの転換開始時に演出シーン転換開始信号を各チャンネルの調光器に与える手段を備え、調光器には与えられた最終調光レベルデータとフェード時間のデータとに基づいて現在の調光レベルから次の演出シーンの最終調光レベルに変化させるまでのフェード時の調光レベルを予め算出しておき、演出シーン転換開始信号が与えられると既に算出してある調光レベルに基づいて調光制御を行なう手段とを備えたので、調光器が演出シーン転換処理を開始するまでの応答が早くなるとともに、次の演出シーンへの転換が開始される際の伝送データが、演出シーン転換開始信号のみとなって伝送データ数が少なくなり、そのため演出シーンの転換開始の遅れを少なくでき、また調光操作卓から演出シーン転換時や演出シーンが変更されていない時に次の演出シーンのデータを伝送しておくことができ、更に演出シーンの転換開始時には演出シーン転換開始信号を伝送するだけとなるため、演出シーン転換開始時の処理量が格段に削減できる、そのため演出シーン開始時の応答に影響するデータ量が少なくなってデータを低速で伝送することも可能となる。
【0021】
請求項3の発明によれば、調光操作卓には演出シーンの転換前に次の演出シーンの照明負荷の最終調光レベルデータと予め設定した演出シーンの転換に対応するフェード時間のデータと演出シーンの転換開始時刻のデータとを各チャンネルの調光器に与える手段を備え、調光器には与えられた最終調光レベルデータとフェード時間のデータとに基づいて現在の調光レベルから次の演出シーンの最終調光レベルに変化させるまでのフェード時の調光レベルを予め算出しておき、演出シーンの転換開始時刻になると既に算出してある調光レベルに基づいて調光制御を行なう手段を備えたので、調光器が演出シーン転換開始時刻までにフェードさせる調光レベルデータを計算して整理を行なうことができ、その結果演出シーン転換処理を開始するまでの応答が早くなるとともに、調光操作卓から演出シーン転換開始を調光器に知らせるデータ、信号の伝送が必要ないため、演出シーンの転換開始の遅れを一層少なくでき、また調光操作卓では演出シーン転換時や演出シーンが変更されていない時に次の演出シーンのデータを伝送するだけで良いため演出シーン転換開始時の処理量が格段に削減でき、そのため演出シーン開始時の応答に影響するデータ量が少なくなるため、データを低速で伝送することも可能となる。
【0022】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図面を参照して説明する。
(基本例1)
図1(a)は基本例1及び後述する基本例2,3及び実施例1乃至3に共通に用いる調光操作卓1の回路構成を示しており、調光レベル及びフェード時間(レベル変化時間)を各チャンネル毎に設定する入力部10と、この入力部10で設定された調光レベルを記憶する記憶部11と、記憶部11の記憶内容に基づいて図13に示すように各チャンネルの調光器31 …に対応するデータD1 …を出力部12から伝送線5を通じて調光盤2の各調光器31 …へ伝送する伝送データを作成する制御部13とで構成される。一方調光器3は図1(b)に示すように調光操作卓1からのデータを処理する演算処理機能と位相制御信号を作成する機能とを合わせ持つ演算処理部20、位相制御信号により交流電源電圧を位相制御して照明負荷4を調光する位相制御部21より構成される。そして調光装置全体の構成は図8の構成に準ずる。尚以後の基本例及び実施例においても図1(a)(b)に示す調光操作卓1及び調光器3の構成を用いるので、各基本例及び実施例の説明においてハードウェアの構成の説明は省略する。
【0023】
而して本基本例では入力部10のキーボード(テンキー)を用いて予め調光レベルが設定変更された場合に、現在の調光レベルから変更された調光レベルまで変化するフェード時間を入力設定しておく。つまりこのフェード時間は記憶部11に記憶される。ここで〔フェード時間〕=1秒とする。そして従来例と同様に調光操作卓1の入力部10で、例えば、 〔CH〕1+4 ←〔LEVEL〕80 〔入力〕 と入力すると、制御部13は入力された調光レベルにより夫々のチャンネルの記憶部11に記憶されている調光レベルを図2の(a)から(b)に示すように変更する。そして設定されているフェード時間(1秒)をかけて現在の調光レベルから変更後の調光レベルへ変化させるように時々刻々調光レベルデータを作成し、出力部12を通じて調光盤2の当該チャンネルの調光器31 …へ伝送するのである。
【0024】
各調光器31 …の演算処理部20は自己のチャンネルに対応するデータD1 …の調光レベルデータに基づいた位相制御信号を作成して位相制御部21に与え、位相制御部21は位相制御信号に基づいて交流電源電圧を位相制御して照明負荷41 …を調光する。この際調光レベルが刻々変化することにより照明負荷41 …の明るさがフェードすることになる。
【0025】
図3はチャンネル1に対応した調光レベルの変化を示しており、調光レベルを設定変更前の20(%)の調光レベルが設定処理後は1秒のフェード時間をかけて80(%)に変更されたことが判る。本基本例の変更処理を式で表すと、
〔レベル〕=L1+(L2−L1)×T1/T2
となる。但しL1は設定変更前の調光レベル、L2は設定変更した調光レベル、T1は設定処理開始からの経過時間、T2はフェード時間を示す。
【0026】
尚本基本例において、予め設定するフェード時間をチャンネル毎に設定することにより、調光器31 …に接続される照明負荷41 …の容量に応じてソフトスタート時間を設定することも可能である。
(基本例2)
上記基本例1ではフェード時間をレベル設定変更前に予め設定する方法を用いていたが、本基本例ではレベル設定変更時にフェード時間も設定するようにしたものである。 まず本基本例では入力部10のキーボードにより設定変更したいチャンネルと、設定変更したい調光レベルと、レベル変化させたいフェード時間とを例えば、
〔CH〕1+4←〔LEVEL〕80 〔レベル時間〕1秒 〔入力〕
と入力すると、制御部13は入力データを記憶部11に記憶させるともに、これらデータに基づいてレベル設定変更の処理を行なうのである。
【0027】
この場合の動作は基本例1と同じであり、記憶部11に記憶している夫々のチェンネルの調光レベルを図2と同様に変更し、例えばチャンネル1に対応した調光レベルを図3に示すように1秒のフェード時間をかけて変化させるのである。
(基本例3)
上記基本例1、2はフェード時間を設定するようになっているが、本基本例は単位時間当たりの変化レベルを設定する方法を採用しており、例えば
〔変化レベル〕=2レベル/25msというように設定する。
【0028】
この場合25ms毎に2レベル加算或いは減算するように調光レベルを変化させる。そして基本例1と同様に調光操作卓1の入力部10により、設定変更したいチャンネルと設定したい調光レベルとを、例えば 〔CH〕1+4 ←〔LEVEL〕80 〔入力〕 というように入力する。
【0029】
制御部13は設定処理に入ると、上記のように予め設定され記憶部11に記憶してある単位時間当たりの変化レベルに基づいて、25ms毎に調光レベルを2レベルずつ増加させるように調光レベルデータを作成して出力部12を通じて調光盤2の各チャンネルの調光器31 …へ伝送する。例えばチャンネル1の調光レベルは最初20(%)のレベルであったが、図4に示すように25ms毎に2ベルずつ調光レベルを増加させることにより、0.75秒後には変更設定後の調光レベルの80(%)に達することになる。また最初0(%)のレベルであったチャネル4の調光レベルは1秒後には80(%)のレベルに達することになる。
【0030】
この変化を式で示すと、
〔レベル〕=L1+L2×N
となる。但しL1はレベル設定前のレベル、L2は単位時間毎に変化させる設定レベル、Nは設定処理からのレベル変化の回数
勿論制御部13は設定変更された調光レベルに達した時点で、調光レベルの変化処理を終了させる。
【0031】
ところで調光操作卓1では入力部10を用いて各チャンネル毎に調光レベル設定を行い、予め各演出シーンを作成して記憶部11に記憶し、各演出シーンの転換を予め設定したフェード時間にて転換させて演出を行なう役割を持つが、上述した基本例1乃至3のように調光操作卓1から調光器31 …にフェード時間に併せて時々刻々変化させた調光レベルデータを送っていた。しかし電源電圧を位相制御することによって調光制御を行なう場合で調光レベルをスムーズに変化させるためには調光レベルの変化を交流電源周波数の半サイクル毎に行なう必要があるが、上記のような形で調光レベルデータを伝送する方式では出力部12から伝送するデータ量を削減するか、伝送速度を高くする必要がある。
【0032】
そこでデータ量を削減したり、伝送速度を高くすることなく調光レベルをスムーズに変化させることができ、しかも調光操作卓1の制御部13の処理負担を軽減した実施例を以下に述べる。
(実施例1)
本実施例では調光操作卓1の入力部10により各チャンネル毎に最終的に設定される調光レベルとシーン転換時のフェード時間とを各演出シーン毎に予め設定して記憶部11に記憶させておき、現在の演出シーンを次の演出シーンに転換するときに調光操作卓1の制御部13が記憶部11に記憶させている次の演出シーンにおける各調光器31 …の最終調光レベルのデータとフェード時間のデータとを読み出してこれらデータを各調光器31 …へ送るデータD1 …として調光器3へ伝送するのである。
【0033】
本実施例の場合、図5(a)に示すように1チャンネルから最終チャンネル(例えばNチャンネル)までの調光器31 …の1回のデータを1フレームとして出力部12より調光器31 …へ伝送する。
ここで調光レベルデータは1バイト(8ビット)で構成し256段階の調光レベルのデータを伝送することができるようになっている。またフェード時間のデータは2バイト(16ビット)にて構成してある。また1フレームの判断用に同期信号/同期データを伝送するようにしても良い。
【0034】
さて上記各チャンネルの各調光器31 …の演算処理部20は自己に対応する調光レベルデータ及びフェード時間のデータを受け取ると、現在の調光レベルから次の演出シーンの調光レベルまで与えられたフェード時間で調光レベルを変化させる演算処理を行なって位相制御信号を作成し、位相制御部21に与える。ここで演算処理部20では出力すべき調光レベルを次のように演算する。
【0035】
出力レベル=現在調光レベル×〔100%−(経過時間/フェード時間)〕+次の演算シーンの最終調光レベル×(経過時間/フェード時間)
経過時間は商用電源周波数の半サイクル毎に位相制御を行なうため50Hzでは10ms、60Hzでは60msずつ増加する。また経過時間は転換開始時を0とし、半サイクル毎に半サイクル期間の時間を増加して計算する。
【0036】
以上のように本実施例では、調光操作卓1からフェード時間に応じて変化させる調光データを時々刻々伝送しなければならなかったのを、演出シーンの転換時のみデータ伝送を行なえば、次の演出シーンの転換までデータ伝送を行なう必要がない。
また調光器31 …側でシーン変化に対応する調光レベルを求めて制御処理を行なうため、調光操作卓1では調光計算する必要がなくなり、その結果データ処理量が格段に削減でき、例えば調光操作卓1の処理量においてシーン転換時の計算処理が半分以上占めていたのを半減することが可能となった。
【0037】
尚図5(a)の場合フェード時間のデータは各調光器31 …の調光レベルのデータと組み合わせて各調光器31 …のデータD1 …としていたが、図5(b)に示すように各チャンネルの調光器31 …の調光レベルデータ(1バイト)とは別に独立してフェード時間のデータ(2バイト)DT を設け、各チャンネルの調光器31 …の調光レベルデータからなるデータD1 …とフェード時間のデータDT までを1フレームとして演出シーンの転換時に1回伝送するようにしても良い。
【0038】
(実施例2)
上記実施例1では演出シーンの転換時に調光データ及びフェード時間のデータを送り、これらデータを受け取った時から当該調光器3において調光レベルをフェード時間にて変化させる処理を開始していたが、本実施例では調光操作卓1より演出シーンの転換開始前に、次の演出シーンで最終的に設定される各チャンネルの調光器31 …の調光レベルデータ(1バイト)と、フェード時間のデータ(2バイト)とからなる図6(a)に示すフレームのデータを伝送しておき、その後演出シーンの転換時に調光操作卓1より図6(b)に示す演出シーン転換開始信号SDを伝送するようにしたものである。
【0039】
各調光器31 …の演算処理部20は調光レベルデータからなるデータD1 …及びフェード時間のデータDT を受け取ると、これらデータに基づいてフェードさせる調光レベルデータを計算して整理しておく。
そして演出シーン転換時に、調光操作卓1から演出シーン転換開始信号SDが伝送されると、各調光器31 …の演算処理部20では既に計算整理してあるフェード時の調光レベルデータに基づいて位相制御信号を作成して位相制御部21に与え、照明負荷41 …を調光する。
【0040】
つまり本実施例では調光器3が調光操作卓1からの演出シーン転換開始信号を受信し、演出シーン転換処理を開始するまでの応答が早くなるとともに、次の演出シーンへの転換が開始される際の伝送データが、演出シーン転換開始信号のみとなって伝送データ数が少なくなり、演出シーンの転換開始の遅れを少なくできるのである。
【0041】
また調光操作卓1でも演出シーン転換時や演出シーンが変更されていない時に次の演出シーンのデータを伝送しておき、演出シーンの転換開始時には演出シーン転換開始信号を伝送するだけとなるため、演出シーン転換開始時の処理量が格段に少なくなる。また演出シーン開始時の応答に影響するデータ量が少なくなるため、データを低速で伝送することも可能となる。
【0042】
(実施例3)
上記実施例1、実施例2では演出シーンの転換開始時に調光操作卓1よりデータ伝送或いは演出シーン転換開始信号を伝送して調光器3に演出シーン転換処理の開始を知らせる形をとっているが、本実施例は、調光操作卓1から演出シーンが転換される前に、予め各チャンネルの調光器31 …における次の演出シーンの最終的調光レベルのデータ(1バイト)と、フェード時間のデータ(2バイト)と、演出シーン転換開始時刻データ(1バイト)STとを図7に示すように1フレームとして1回データ伝送するようにしたものである。
【0043】
つまり調光器31 …の演算処理部20では調光レベルデータからなるデータD1 …及びフェード時間のデータDT を受け取ると、これらデータに基づいてフェードさせる調光レベルデータを計算して整理を行なうとともに、現在時刻と演出シーン転換開始時刻との比較を開始する。そして現在時刻が演出シーン転換開始時刻になると、各調光器31 …の演算処理部20では既に計算整理してあるフェード時の調光レベルデータに基づいて位相制御信号を作成して位相制御部21に与え、照明負荷41 …を調光する。
【0044】
以上のように本実施例では、調光器3…が演出シーン転換開始時刻までにフェードさせる調光レベルデータを計算して整理を行なっているため、演出シーン転換処理を開始するまでの応答が早くなるとともに、調光操作卓1から演出シーン転換開始を調光器31 …に知らせるデータ、信号の伝送が必要ないため、演出シーンの転換開始の遅れを一層少なくできるのである。
【0045】
また調光操作卓1でも演出シーン転換時や演出シーンが変更されていない時に次の演出シーンのデータを伝送するだけで良いため、演出シーン転換開始時の処理量が格段に削減できる。また演出シーン開始時の応答に影響するデータ量が少なくなるため、データを低速で伝送することも可能となる。
尚上記各実施例において、調光器31 …の演算処理部20は、各調光器31 …毎に設けてあるが。複数の調光器31 …に対応させるようにしても良い。勿論各調光器31 …に演算処理部20を設ければ調光レベルデータの変化処理を交流電源周波数の半サイクル毎に行なうことが容易となる。また調光器数が多い場合や、複数の調光操作卓を連動させるような場合にはデータの設定等の作業に多大な労力を要求されることになるため、調光操作卓1としては多くの調光器31 …に対応した処理が行なえるものを使用することが望ましい。
【0049】
【発明の効果】
請求項1の発明は、調光操作卓には演出シーンの転換時に、次の演出シーンの照明負荷の最終調光レベルデータと予め設定した演出シーンの転換に対応するフェード時間のデータとを各チャンネルの調光器に与える手段を備え、調光器には与えられたフェード時間のデータより、現在の調光レベルから次の演出シーンの最終調光レベルに変化させるまでのフェード時の調光レベルを算出して調光制御を行なう手段とを備えたので、調光操作卓から演出シーンの転換時のみデータ伝送を行なえば、次の演出シーンの転換までデータ伝送を行なう必要がなくなるため、スムーズな調光制御が可能となり、また調光器側でシーン変化に対応する調光レベルを求めて制御処理を行なうため、調光操作卓では調光計算する必要がなくなってデータ処理量を格段に削減できるという効果がある。
【0050】
請求項2の発明は、調光操作卓には演出シーンの転換前に、次の演出シーンの照明負荷の最終調光レベルデータと予め設定した演出シーンの転換に対応するフェード時間データとを各チャンネルの調光器に与え、演出シーンの転換開始時に演出シーン転換開始信号を各チャンネルの調光器に与える手段を備え、調光器には与えられた最終調光レベルデータとフェード時間のデータとに基づいて現在の調光レベルから次の演出シーンの最終調光レベルに変化させるまでのフェード時の調光レベルを予め算出しておき、演出シーン転換開始信号が与えられると既に算出してある調光レベルに基づいて調光制御を行なう手段とを備えたので、調光器が演出シーン転換処理を開始するまでの応答が早くなるとともに、次の演出シーンへの転換が開始される際の伝送データが、演出シーン転換開始信号のみとなって伝送データ数が少なくなり、そのため演出シーンの転換開始の遅れを少なくでき、また調光操作卓から演出シーン転換時や演出シーンが変更されていない時に次の演出シーンのデータを伝送しておくことができ、更に演出シーンの転換開始時には演出シーン転換開始信号を伝送するだけとなるため、演出シーン転換開始時の処理量が格段に削減できる、そのため演出シーン開始時の応答に影響するデータ量が少なくなってデータを低速で伝送することも可能となるという効果がある。
【0051】
請求項3の発明は、調光操作卓には演出シーンの転換前に、次の演出シーンの照明負荷の最終調光レベルデータと予め設定した演出シーンの転換に対応するフェード時間のデータと演出シーンの転換開始時刻のデータとを各チャンネルの調光器に与える手段を備え、調光器には与えられた最終調光レベルデータとフェード時間のデータとに基づいて現在の調光レベルから次の演出シーンの最終調光レベルに変化させるまでのフェード時の調光レベルを予め算出しておき、演出シーンの転換開始時刻になると既に算出してある調光レベルに基づいて調光制御を行なう手段を備えたので、調光器が演出シーン転換開始時刻までにフェードさせる調光レベルデータを計算して整理を行なうことができ、その結果演出シーン転換処理を開始するまでの応答が早くなるとともに、調光操作卓から演出シーン転換開始を調光器に知らせるデータ、信号の伝送が必要ないため、演出シーンの転換開始の遅れを一層少なくでき、また調光操作卓では演出シーン転換時や演出シーンが変更されていない時に次の演出シーンのデータを伝送するだけで良いため演出シーン転換開始時の処理量が格段に削減でき、そのため演出シーン開始時の応答に影響するデータ量が少なくなるため、データを低速で伝送することも可能となるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明に用いる調光操作卓の概略構成図である。
(b)は本発明に用いる調光器の概略構成図である。
【図2】基本例1の調光レベル設定変更説明図である。
【図3】同上のフェード時の調光レベルの変化例図である。
【図4】基本例3のフェード時の調光レベルの変化例図である。
【図5】(a)は実施例1の伝送データの構成説明図である。
(b)は実施例1の別の伝送データの構成説明図である。
【図6】(a)は実施例2の伝送データの構成説明図である。
(b)は実施例2の演出シーン転換開始信号の構成説明図である。
【図7】実施例3の伝送データの構成説明図である。
【図8】調光装置の全体構成図である。
【図9】従来例の調光レベル設定変更説明図である。
【図10】同上のフェード時の調光レベルの変化例図である。
【図11】別の従来例の調光レベル設定変更説明図である。
【図12】同上のフェード時の調光レベルの変化例図である。
【図13】従来の伝送データの構成説明図である。
【符号の説明】
1 調光操作卓
3 調光器
4 照明負荷
5 伝送線
10 入力部
11 記憶部
12 出力部
13 制御部
20 演算処理部
21 位相制御部
【産業上の利用分野】
本発明は、舞台等の演出照明に用いる調光装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図8は調光装置の基本的な構成を示しており、この調光装置では、調光操作卓1と、複数の調光器31 …を内蔵した調光器盤2と、各調光器31 …に接続されて調光制御される照明負荷41 …とで構成され、調光器31 …とこれに接続される照明負荷41 …とからなる単位を一つのチャンネルとし、このチャンネル毎に調光操作卓1で調光ベル設定を行って各演出シーンを作成するとともに各演出シーンの調光レベルを記憶し、また調光レベル等のデータを各チャンネルの調光器31 …に伝送線5を介して送ることができるようになっている。
【0003】
従来の調光操作卓1での各チャンネルでの調光レベルの設定はキーボード(テンキー)等からなる入力部を用いて行ない、例えば設定したいチャンネルと設定したい調光レベルとを指定して入力するのである。
この設定時の操作方法は、調光操作卓1のキーボードを用いて例えば、
〔CH〕1+4 ←〔LEVEL〕80 〔入力〕
というような形でおこなう。このように入力された調光レベルにより夫々のチャンネルの調光レベルは図9の(a)から(b)に示すように変更されることになる。図10はチャンネル”1”における調光器31 による照明負荷41 の調光レベルの変化を示しており、設定処理前は調光レベルが20(%)であったのが、設定処理後は調光レベルが80(%)に変更されている。
【0004】
しかし調光レベルを設定する場合、例えば白熱ランプのような照明負荷4が点灯していない状態から急に100%点灯するような設定変更が為されると、照明負荷4にはラッシュ電流が流れてランプ寿命を短くするという問題がある。
そこで調光レベルを設定するオペレータはレベル設定操作時にロータリエンコーダを使用したホイールでのレベル設定を行なう場合が多く、この場合の操作方法は、
〔CH〕1+4 ←〔ホイール〕+80 〔入力〕
という形となる。ホイールを操作することにより、例えば1チャンネルの調光器31 に対応して設定される調光レベルは1レベルずつプラス又はマイナスされ、所定の調光レベルへと変化させる。
【0005】
この操作にて、調光操作卓1から調光器31 に与えれる調光レベルも1レベルずつプラス又はマイナスされ、所定の調光レベルへと変化させる。従って照明負荷4にラッシュ電流が流れず、その対策ができ、また本番中のレベル変更でも、観客に分からないようなゆっくりしたレベル修正を可能とする。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし上述のようにホイール操作を行なう場合、設定したい調光レベルにてホイール操作を停止させることが難しいため、複数回、チャンネルの調光レベル設定や、レベル修正を行なう場合、非常に苦労するという問題がある。
図11(a)(b)はホイール操作により入力される夫々のチャンネルの調光レベルの変更前と、変更後を示し、図12はチャンネル”1”における調光器31 による照明負荷41 の調光レベルの変化を示しており、設定処理前は調光レベルが20であったのに対してホーイル操作により徐々に調光レベルが変更されて最終的に前のレベル20(%)に80(%)を加えた100%に変更されている。
【0007】
ところで、従来調光操作卓1から調光器盤2内の調光器31 …に調光レベルのデータを伝送する場合には、図13に示すように時分割多重によりチャンネル”1”の調光器31 から最終チャンネル(例えばNチャンネル)の調光器3N までの現在の調光レベルデータからなるデータD1 …DN をチャンネル順に伝送し、例えば上記のように調光レベルが変化する場合には、調光操作卓1では時々刻々変化する調光レベルを計算してそのデータを調光器31 …に伝送して与え、調光器31 …ではこの調光レベルに基づいて照明負荷41 …の調光制御を行なっている。各調光レベルデータは1バイト(8ビット)データによって構成され、256段階の調光レベルを設定できるようになっている。そして伝送データの1フレームは、チャンネル”1”の調光器31 から最終チャンネル(例えばNチャンネル)の調光器3N までの調光レベルデータからなるデータD1 …群より構成し、時々刻々変化する調光レベルデータを逐次伝送するようになっている。尚1フレームの判断用に同期信号/同期データを伝送する場合もある。
【0008】
伝送方式としては、調光レベルを512チャンネル分伝送できるDMX512(USITT規格)という伝送方式があるが、512回路分のデータを伝送するには20ms以上必要になる。(DMX512の伝送は、250KBPSの伝送速度にて、1本の伝送線5にて、同期信号と512回路分の調光レベルデータにて513バイトを伝送するために、1チャンネルの調光器3から512チャンネルの調光器3までのデータを伝送するに約20msが必要になる。)
しかし、交流電源電圧を位相制御することで調光制御を行なう場合、調光レベルをスムーズに変化させるには、電源電圧の半サイクル毎に位相角を制御することが必要であるが、50Hzの交流電源では半サイクルが10msであり、調光レベの変化を半サイクル毎に行なうことは本伝送方式では対応できない。そのため1本の伝送線5での伝送量を削減するか、伝送速度を高くする必要がある。
【0009】
また調光操作卓1での調光レベルの計算もチャンネル数が多くなると1回の計算に必要な処理量も増加するため、半サイクル毎に調光演算処理を行なうためには多くのCPU(マイクロコンピュータ)を使用しなければならないという問題もある。
また調光操作卓1から伝送される調光レベルデータは、時々刻々変化する調光レベルデータを伝送する必要があるため、高速伝送にて行なう必要がある。例えばDMX512の伝送速度は250KBPSとなっているため、伝送処理に対するCPUによる処理量が増大する。
【0010】
本発明は上記問題点に鑑みて為されたもので、その目的とするところは、スムースな制御が行なえ、且つ調光操作卓での処理量を削減することができる調光装置を提供するにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1の発明では、照明負荷と、照明負荷を調光制御する調光器とからなる単位で構成される複数のチャンネルと、各チャンネル毎に調光レベルを設定して該調光レベルデータを夫々のチャンネルの調光器に与える調光操作卓とからなる調光装置において、調光操作卓には演出シーンの転換時に、次の演出シーンの照明負荷の最終調光レベルデータと予め設定した演出シーンの転換に対応するフェード時間のデータとを各チャンネルの調光器に与える手段を備え、調光器には与えられたフェード時間のデータより、現在の調光レベルから次の演出シーンの最終調光レベルに変化させるまでのフェード時の調光レベルを算出して調光制御を行なう手段とを備えたことを特徴とする。
【0014】
請求項2の発明では、照明負荷と、照明負荷を調光制御する調光器とからなる調光単位で構成される複数のチャンネルと、各チャンネル毎に調光レベル設定を行って各演出シーンを作成して、各演出シーンの調光レベルを記憶する調光操作卓とからなる調光装置において、調光操作卓には演出シーンの転換前に、次の演出シーンの照明負荷の最終調光レベルデータと予め設定した演出シーンの転換に対応するフェード時間データとを各チャンネルの調光器に与え、演出シーンの転換開始時に演出シーン転換開始信号を各チャンネルの調光器に与える手段を備え、調光器には与えられた最終調光レベルデータとフェード時間のデータとに基づいて現在の調光レベルから次の演出シーンの最終調光レベルに変化させるまでのフェード時の調光レベルを予め算出しておき、演出シーン転換開始信号が与えられると既に算出してある調光レベルに基づいて調光制御を行なう手段とを備えたことを特徴とする。
【0015】
請求項3の発明では、照明負荷と、照明負荷を調光制御する調光器とからなる調光単位で構成される複数のチャンネルと、各チャンネル毎に調光レベル設定を行って各演出シーンを作成して、各演出シーンの調光レベルを記憶する調光操作卓とからなる調光装置において、調光操作卓には演出シーンの転換前に、次の演出シーンの照明負荷の最終調光レベルデータと予め設定した演出シーンの転換に対応するフェード時間のデータと演出シーンの転換開始時刻のデータとを各チャンネルの調光器に与える手段を備え、調光器には与えられた最終調光レベルデータとフェード時間のデータとに基づいて現在の調光レベルから次の演出シーンの最終調光レベルに変化させるまでのフェード時の調光レベルを予め算出しておき、演出シーンの転換開始時刻になると既に算出してある調光レベルに基づいて調光制御を行なう手段を備えたことを特徴とする。
【0019】
【作用】
請求項1の発明によれば、調光操作卓には演出シーンの転換時に、次の演出シーンの照明負荷の最終調光レベルデータと予め設定した演出シーンの転換に対応するフェード時間のデータとを各チャンネルの調光器に与え手段を備え、調光器には与えられたフェード時間のデータより、現在の調光レベルから次の演出シーンの最終調光レベルに変化させるまでのフェード時の調光レベルを算出して調光制御を行なう手段とを備えたので、調光操作卓から演出シーンの転換時のみデータ伝送を行なえば、次の演出シーンの転換までデータ伝送を行なう必要がなくなるため、スムーズな調光制御が可能となり、また調光器側でシーン変化に対応する調光レベルを求めて制御処理を行なうため、調光操作卓では調光計算する必要がなくなってデータ処理量を格段に削減できる。
【0020】
請求項2の発明によれば、調光操作卓には演出シーンの転換前に次の演出シーンの照明負荷の最終調光レベルデータと予め設定した演出シーンの転換に対応するフェード時間データとを演出シーンの転換開始前に各チャンネルの調光器に与え、演出シーンの転換開始時に演出シーン転換開始信号を各チャンネルの調光器に与える手段を備え、調光器には与えられた最終調光レベルデータとフェード時間のデータとに基づいて現在の調光レベルから次の演出シーンの最終調光レベルに変化させるまでのフェード時の調光レベルを予め算出しておき、演出シーン転換開始信号が与えられると既に算出してある調光レベルに基づいて調光制御を行なう手段とを備えたので、調光器が演出シーン転換処理を開始するまでの応答が早くなるとともに、次の演出シーンへの転換が開始される際の伝送データが、演出シーン転換開始信号のみとなって伝送データ数が少なくなり、そのため演出シーンの転換開始の遅れを少なくでき、また調光操作卓から演出シーン転換時や演出シーンが変更されていない時に次の演出シーンのデータを伝送しておくことができ、更に演出シーンの転換開始時には演出シーン転換開始信号を伝送するだけとなるため、演出シーン転換開始時の処理量が格段に削減できる、そのため演出シーン開始時の応答に影響するデータ量が少なくなってデータを低速で伝送することも可能となる。
【0021】
請求項3の発明によれば、調光操作卓には演出シーンの転換前に次の演出シーンの照明負荷の最終調光レベルデータと予め設定した演出シーンの転換に対応するフェード時間のデータと演出シーンの転換開始時刻のデータとを各チャンネルの調光器に与える手段を備え、調光器には与えられた最終調光レベルデータとフェード時間のデータとに基づいて現在の調光レベルから次の演出シーンの最終調光レベルに変化させるまでのフェード時の調光レベルを予め算出しておき、演出シーンの転換開始時刻になると既に算出してある調光レベルに基づいて調光制御を行なう手段を備えたので、調光器が演出シーン転換開始時刻までにフェードさせる調光レベルデータを計算して整理を行なうことができ、その結果演出シーン転換処理を開始するまでの応答が早くなるとともに、調光操作卓から演出シーン転換開始を調光器に知らせるデータ、信号の伝送が必要ないため、演出シーンの転換開始の遅れを一層少なくでき、また調光操作卓では演出シーン転換時や演出シーンが変更されていない時に次の演出シーンのデータを伝送するだけで良いため演出シーン転換開始時の処理量が格段に削減でき、そのため演出シーン開始時の応答に影響するデータ量が少なくなるため、データを低速で伝送することも可能となる。
【0022】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図面を参照して説明する。
(基本例1)
図1(a)は基本例1及び後述する基本例2,3及び実施例1乃至3に共通に用いる調光操作卓1の回路構成を示しており、調光レベル及びフェード時間(レベル変化時間)を各チャンネル毎に設定する入力部10と、この入力部10で設定された調光レベルを記憶する記憶部11と、記憶部11の記憶内容に基づいて図13に示すように各チャンネルの調光器31 …に対応するデータD1 …を出力部12から伝送線5を通じて調光盤2の各調光器31 …へ伝送する伝送データを作成する制御部13とで構成される。一方調光器3は図1(b)に示すように調光操作卓1からのデータを処理する演算処理機能と位相制御信号を作成する機能とを合わせ持つ演算処理部20、位相制御信号により交流電源電圧を位相制御して照明負荷4を調光する位相制御部21より構成される。そして調光装置全体の構成は図8の構成に準ずる。尚以後の基本例及び実施例においても図1(a)(b)に示す調光操作卓1及び調光器3の構成を用いるので、各基本例及び実施例の説明においてハードウェアの構成の説明は省略する。
【0023】
而して本基本例では入力部10のキーボード(テンキー)を用いて予め調光レベルが設定変更された場合に、現在の調光レベルから変更された調光レベルまで変化するフェード時間を入力設定しておく。つまりこのフェード時間は記憶部11に記憶される。ここで〔フェード時間〕=1秒とする。そして従来例と同様に調光操作卓1の入力部10で、例えば、 〔CH〕1+4 ←〔LEVEL〕80 〔入力〕 と入力すると、制御部13は入力された調光レベルにより夫々のチャンネルの記憶部11に記憶されている調光レベルを図2の(a)から(b)に示すように変更する。そして設定されているフェード時間(1秒)をかけて現在の調光レベルから変更後の調光レベルへ変化させるように時々刻々調光レベルデータを作成し、出力部12を通じて調光盤2の当該チャンネルの調光器31 …へ伝送するのである。
【0024】
各調光器31 …の演算処理部20は自己のチャンネルに対応するデータD1 …の調光レベルデータに基づいた位相制御信号を作成して位相制御部21に与え、位相制御部21は位相制御信号に基づいて交流電源電圧を位相制御して照明負荷41 …を調光する。この際調光レベルが刻々変化することにより照明負荷41 …の明るさがフェードすることになる。
【0025】
図3はチャンネル1に対応した調光レベルの変化を示しており、調光レベルを設定変更前の20(%)の調光レベルが設定処理後は1秒のフェード時間をかけて80(%)に変更されたことが判る。本基本例の変更処理を式で表すと、
〔レベル〕=L1+(L2−L1)×T1/T2
となる。但しL1は設定変更前の調光レベル、L2は設定変更した調光レベル、T1は設定処理開始からの経過時間、T2はフェード時間を示す。
【0026】
尚本基本例において、予め設定するフェード時間をチャンネル毎に設定することにより、調光器31 …に接続される照明負荷41 …の容量に応じてソフトスタート時間を設定することも可能である。
(基本例2)
上記基本例1ではフェード時間をレベル設定変更前に予め設定する方法を用いていたが、本基本例ではレベル設定変更時にフェード時間も設定するようにしたものである。 まず本基本例では入力部10のキーボードにより設定変更したいチャンネルと、設定変更したい調光レベルと、レベル変化させたいフェード時間とを例えば、
〔CH〕1+4←〔LEVEL〕80 〔レベル時間〕1秒 〔入力〕
と入力すると、制御部13は入力データを記憶部11に記憶させるともに、これらデータに基づいてレベル設定変更の処理を行なうのである。
【0027】
この場合の動作は基本例1と同じであり、記憶部11に記憶している夫々のチェンネルの調光レベルを図2と同様に変更し、例えばチャンネル1に対応した調光レベルを図3に示すように1秒のフェード時間をかけて変化させるのである。
(基本例3)
上記基本例1、2はフェード時間を設定するようになっているが、本基本例は単位時間当たりの変化レベルを設定する方法を採用しており、例えば
〔変化レベル〕=2レベル/25msというように設定する。
【0028】
この場合25ms毎に2レベル加算或いは減算するように調光レベルを変化させる。そして基本例1と同様に調光操作卓1の入力部10により、設定変更したいチャンネルと設定したい調光レベルとを、例えば 〔CH〕1+4 ←〔LEVEL〕80 〔入力〕 というように入力する。
【0029】
制御部13は設定処理に入ると、上記のように予め設定され記憶部11に記憶してある単位時間当たりの変化レベルに基づいて、25ms毎に調光レベルを2レベルずつ増加させるように調光レベルデータを作成して出力部12を通じて調光盤2の各チャンネルの調光器31 …へ伝送する。例えばチャンネル1の調光レベルは最初20(%)のレベルであったが、図4に示すように25ms毎に2ベルずつ調光レベルを増加させることにより、0.75秒後には変更設定後の調光レベルの80(%)に達することになる。また最初0(%)のレベルであったチャネル4の調光レベルは1秒後には80(%)のレベルに達することになる。
【0030】
この変化を式で示すと、
〔レベル〕=L1+L2×N
となる。但しL1はレベル設定前のレベル、L2は単位時間毎に変化させる設定レベル、Nは設定処理からのレベル変化の回数
勿論制御部13は設定変更された調光レベルに達した時点で、調光レベルの変化処理を終了させる。
【0031】
ところで調光操作卓1では入力部10を用いて各チャンネル毎に調光レベル設定を行い、予め各演出シーンを作成して記憶部11に記憶し、各演出シーンの転換を予め設定したフェード時間にて転換させて演出を行なう役割を持つが、上述した基本例1乃至3のように調光操作卓1から調光器31 …にフェード時間に併せて時々刻々変化させた調光レベルデータを送っていた。しかし電源電圧を位相制御することによって調光制御を行なう場合で調光レベルをスムーズに変化させるためには調光レベルの変化を交流電源周波数の半サイクル毎に行なう必要があるが、上記のような形で調光レベルデータを伝送する方式では出力部12から伝送するデータ量を削減するか、伝送速度を高くする必要がある。
【0032】
そこでデータ量を削減したり、伝送速度を高くすることなく調光レベルをスムーズに変化させることができ、しかも調光操作卓1の制御部13の処理負担を軽減した実施例を以下に述べる。
(実施例1)
本実施例では調光操作卓1の入力部10により各チャンネル毎に最終的に設定される調光レベルとシーン転換時のフェード時間とを各演出シーン毎に予め設定して記憶部11に記憶させておき、現在の演出シーンを次の演出シーンに転換するときに調光操作卓1の制御部13が記憶部11に記憶させている次の演出シーンにおける各調光器31 …の最終調光レベルのデータとフェード時間のデータとを読み出してこれらデータを各調光器31 …へ送るデータD1 …として調光器3へ伝送するのである。
【0033】
本実施例の場合、図5(a)に示すように1チャンネルから最終チャンネル(例えばNチャンネル)までの調光器31 …の1回のデータを1フレームとして出力部12より調光器31 …へ伝送する。
ここで調光レベルデータは1バイト(8ビット)で構成し256段階の調光レベルのデータを伝送することができるようになっている。またフェード時間のデータは2バイト(16ビット)にて構成してある。また1フレームの判断用に同期信号/同期データを伝送するようにしても良い。
【0034】
さて上記各チャンネルの各調光器31 …の演算処理部20は自己に対応する調光レベルデータ及びフェード時間のデータを受け取ると、現在の調光レベルから次の演出シーンの調光レベルまで与えられたフェード時間で調光レベルを変化させる演算処理を行なって位相制御信号を作成し、位相制御部21に与える。ここで演算処理部20では出力すべき調光レベルを次のように演算する。
【0035】
出力レベル=現在調光レベル×〔100%−(経過時間/フェード時間)〕+次の演算シーンの最終調光レベル×(経過時間/フェード時間)
経過時間は商用電源周波数の半サイクル毎に位相制御を行なうため50Hzでは10ms、60Hzでは60msずつ増加する。また経過時間は転換開始時を0とし、半サイクル毎に半サイクル期間の時間を増加して計算する。
【0036】
以上のように本実施例では、調光操作卓1からフェード時間に応じて変化させる調光データを時々刻々伝送しなければならなかったのを、演出シーンの転換時のみデータ伝送を行なえば、次の演出シーンの転換までデータ伝送を行なう必要がない。
また調光器31 …側でシーン変化に対応する調光レベルを求めて制御処理を行なうため、調光操作卓1では調光計算する必要がなくなり、その結果データ処理量が格段に削減でき、例えば調光操作卓1の処理量においてシーン転換時の計算処理が半分以上占めていたのを半減することが可能となった。
【0037】
尚図5(a)の場合フェード時間のデータは各調光器31 …の調光レベルのデータと組み合わせて各調光器31 …のデータD1 …としていたが、図5(b)に示すように各チャンネルの調光器31 …の調光レベルデータ(1バイト)とは別に独立してフェード時間のデータ(2バイト)DT を設け、各チャンネルの調光器31 …の調光レベルデータからなるデータD1 …とフェード時間のデータDT までを1フレームとして演出シーンの転換時に1回伝送するようにしても良い。
【0038】
(実施例2)
上記実施例1では演出シーンの転換時に調光データ及びフェード時間のデータを送り、これらデータを受け取った時から当該調光器3において調光レベルをフェード時間にて変化させる処理を開始していたが、本実施例では調光操作卓1より演出シーンの転換開始前に、次の演出シーンで最終的に設定される各チャンネルの調光器31 …の調光レベルデータ(1バイト)と、フェード時間のデータ(2バイト)とからなる図6(a)に示すフレームのデータを伝送しておき、その後演出シーンの転換時に調光操作卓1より図6(b)に示す演出シーン転換開始信号SDを伝送するようにしたものである。
【0039】
各調光器31 …の演算処理部20は調光レベルデータからなるデータD1 …及びフェード時間のデータDT を受け取ると、これらデータに基づいてフェードさせる調光レベルデータを計算して整理しておく。
そして演出シーン転換時に、調光操作卓1から演出シーン転換開始信号SDが伝送されると、各調光器31 …の演算処理部20では既に計算整理してあるフェード時の調光レベルデータに基づいて位相制御信号を作成して位相制御部21に与え、照明負荷41 …を調光する。
【0040】
つまり本実施例では調光器3が調光操作卓1からの演出シーン転換開始信号を受信し、演出シーン転換処理を開始するまでの応答が早くなるとともに、次の演出シーンへの転換が開始される際の伝送データが、演出シーン転換開始信号のみとなって伝送データ数が少なくなり、演出シーンの転換開始の遅れを少なくできるのである。
【0041】
また調光操作卓1でも演出シーン転換時や演出シーンが変更されていない時に次の演出シーンのデータを伝送しておき、演出シーンの転換開始時には演出シーン転換開始信号を伝送するだけとなるため、演出シーン転換開始時の処理量が格段に少なくなる。また演出シーン開始時の応答に影響するデータ量が少なくなるため、データを低速で伝送することも可能となる。
【0042】
(実施例3)
上記実施例1、実施例2では演出シーンの転換開始時に調光操作卓1よりデータ伝送或いは演出シーン転換開始信号を伝送して調光器3に演出シーン転換処理の開始を知らせる形をとっているが、本実施例は、調光操作卓1から演出シーンが転換される前に、予め各チャンネルの調光器31 …における次の演出シーンの最終的調光レベルのデータ(1バイト)と、フェード時間のデータ(2バイト)と、演出シーン転換開始時刻データ(1バイト)STとを図7に示すように1フレームとして1回データ伝送するようにしたものである。
【0043】
つまり調光器31 …の演算処理部20では調光レベルデータからなるデータD1 …及びフェード時間のデータDT を受け取ると、これらデータに基づいてフェードさせる調光レベルデータを計算して整理を行なうとともに、現在時刻と演出シーン転換開始時刻との比較を開始する。そして現在時刻が演出シーン転換開始時刻になると、各調光器31 …の演算処理部20では既に計算整理してあるフェード時の調光レベルデータに基づいて位相制御信号を作成して位相制御部21に与え、照明負荷41 …を調光する。
【0044】
以上のように本実施例では、調光器3…が演出シーン転換開始時刻までにフェードさせる調光レベルデータを計算して整理を行なっているため、演出シーン転換処理を開始するまでの応答が早くなるとともに、調光操作卓1から演出シーン転換開始を調光器31 …に知らせるデータ、信号の伝送が必要ないため、演出シーンの転換開始の遅れを一層少なくできるのである。
【0045】
また調光操作卓1でも演出シーン転換時や演出シーンが変更されていない時に次の演出シーンのデータを伝送するだけで良いため、演出シーン転換開始時の処理量が格段に削減できる。また演出シーン開始時の応答に影響するデータ量が少なくなるため、データを低速で伝送することも可能となる。
尚上記各実施例において、調光器31 …の演算処理部20は、各調光器31 …毎に設けてあるが。複数の調光器31 …に対応させるようにしても良い。勿論各調光器31 …に演算処理部20を設ければ調光レベルデータの変化処理を交流電源周波数の半サイクル毎に行なうことが容易となる。また調光器数が多い場合や、複数の調光操作卓を連動させるような場合にはデータの設定等の作業に多大な労力を要求されることになるため、調光操作卓1としては多くの調光器31 …に対応した処理が行なえるものを使用することが望ましい。
【0049】
【発明の効果】
請求項1の発明は、調光操作卓には演出シーンの転換時に、次の演出シーンの照明負荷の最終調光レベルデータと予め設定した演出シーンの転換に対応するフェード時間のデータとを各チャンネルの調光器に与える手段を備え、調光器には与えられたフェード時間のデータより、現在の調光レベルから次の演出シーンの最終調光レベルに変化させるまでのフェード時の調光レベルを算出して調光制御を行なう手段とを備えたので、調光操作卓から演出シーンの転換時のみデータ伝送を行なえば、次の演出シーンの転換までデータ伝送を行なう必要がなくなるため、スムーズな調光制御が可能となり、また調光器側でシーン変化に対応する調光レベルを求めて制御処理を行なうため、調光操作卓では調光計算する必要がなくなってデータ処理量を格段に削減できるという効果がある。
【0050】
請求項2の発明は、調光操作卓には演出シーンの転換前に、次の演出シーンの照明負荷の最終調光レベルデータと予め設定した演出シーンの転換に対応するフェード時間データとを各チャンネルの調光器に与え、演出シーンの転換開始時に演出シーン転換開始信号を各チャンネルの調光器に与える手段を備え、調光器には与えられた最終調光レベルデータとフェード時間のデータとに基づいて現在の調光レベルから次の演出シーンの最終調光レベルに変化させるまでのフェード時の調光レベルを予め算出しておき、演出シーン転換開始信号が与えられると既に算出してある調光レベルに基づいて調光制御を行なう手段とを備えたので、調光器が演出シーン転換処理を開始するまでの応答が早くなるとともに、次の演出シーンへの転換が開始される際の伝送データが、演出シーン転換開始信号のみとなって伝送データ数が少なくなり、そのため演出シーンの転換開始の遅れを少なくでき、また調光操作卓から演出シーン転換時や演出シーンが変更されていない時に次の演出シーンのデータを伝送しておくことができ、更に演出シーンの転換開始時には演出シーン転換開始信号を伝送するだけとなるため、演出シーン転換開始時の処理量が格段に削減できる、そのため演出シーン開始時の応答に影響するデータ量が少なくなってデータを低速で伝送することも可能となるという効果がある。
【0051】
請求項3の発明は、調光操作卓には演出シーンの転換前に、次の演出シーンの照明負荷の最終調光レベルデータと予め設定した演出シーンの転換に対応するフェード時間のデータと演出シーンの転換開始時刻のデータとを各チャンネルの調光器に与える手段を備え、調光器には与えられた最終調光レベルデータとフェード時間のデータとに基づいて現在の調光レベルから次の演出シーンの最終調光レベルに変化させるまでのフェード時の調光レベルを予め算出しておき、演出シーンの転換開始時刻になると既に算出してある調光レベルに基づいて調光制御を行なう手段を備えたので、調光器が演出シーン転換開始時刻までにフェードさせる調光レベルデータを計算して整理を行なうことができ、その結果演出シーン転換処理を開始するまでの応答が早くなるとともに、調光操作卓から演出シーン転換開始を調光器に知らせるデータ、信号の伝送が必要ないため、演出シーンの転換開始の遅れを一層少なくでき、また調光操作卓では演出シーン転換時や演出シーンが変更されていない時に次の演出シーンのデータを伝送するだけで良いため演出シーン転換開始時の処理量が格段に削減でき、そのため演出シーン開始時の応答に影響するデータ量が少なくなるため、データを低速で伝送することも可能となるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明に用いる調光操作卓の概略構成図である。
(b)は本発明に用いる調光器の概略構成図である。
【図2】基本例1の調光レベル設定変更説明図である。
【図3】同上のフェード時の調光レベルの変化例図である。
【図4】基本例3のフェード時の調光レベルの変化例図である。
【図5】(a)は実施例1の伝送データの構成説明図である。
(b)は実施例1の別の伝送データの構成説明図である。
【図6】(a)は実施例2の伝送データの構成説明図である。
(b)は実施例2の演出シーン転換開始信号の構成説明図である。
【図7】実施例3の伝送データの構成説明図である。
【図8】調光装置の全体構成図である。
【図9】従来例の調光レベル設定変更説明図である。
【図10】同上のフェード時の調光レベルの変化例図である。
【図11】別の従来例の調光レベル設定変更説明図である。
【図12】同上のフェード時の調光レベルの変化例図である。
【図13】従来の伝送データの構成説明図である。
【符号の説明】
1 調光操作卓
3 調光器
4 照明負荷
5 伝送線
10 入力部
11 記憶部
12 出力部
13 制御部
20 演算処理部
21 位相制御部
Claims (3)
- 照明負荷と、照明負荷を調光制御する調光器とからなる調光単位で構成される複数のチャンネルと、各チャンネル毎に調光レベル設定を行って各演出シーンを作成して、各演出シーンの調光レベルを記憶する調光操作卓とからなる調光装置において、調光操作卓には演出シーンの転換時に、次の演出シーンの照明負荷の最終調光レベルデータと予め設定した演出シーンの転換に対応するフェード時間のデータとを各チャンネルの調光器に与える手段を備え、調光器には与えられたフェード時間のデータより、現在の調光レベルから次の演出シーンの最終調光レベルに変化させるまでのフェード時の調光レベルを算出して調光制御を行なう手段とを備えたことを特徴とする調光装置。
- 照明負荷と、照明負荷を調光制御する調光器とからなる調光単位で構成される複数のチャンネルと、各チャンネル毎に調光レベル設定を行って各演出シーンを作成して、各演出シーンの調光レベルを記憶する調光操作卓とからなる調光装置において、調光操作卓には演出シーンの転換前に、次の演出シーンの照明負荷の最終調光レベルデータと予め設定した演出シーンの転換に対応するフェード時間のデータとを各チャンネルの調光器に与え、演出シーンの転換開始時に演出シーン転換開始信号を各チャンネルの調光器に与える手段を備え、調光器には与えられた最終調光レベルデータとフェード時間のデータとに基づいて現在の調光レベルから次の演出シーンの最終調光レベルに変化させるまでのフェード時の調光レベルを予め算出しておき、演出シーン転換開始信号が与えられると既に算出してある調光レベルに基づいて調光制御を行なう手段とを備えたことを特徴とする調光装置。
- 照明負荷と、照明負荷を調光制御する調光器とからなる調光単位で構成される複数のチャンネルと、各チャンネル毎に調光レベル設定を行って各演出シーンを作成して、各演出シーンの調光レベルを記憶する調光操作卓とからなる調光装置において、調光操作卓には演出シーンの転換前に、次の演出シーンの照明負荷の最終調光レベルデータと予め設定した演出シーンの転換に対応するフェード時間のデータと演出シーンの転換開始時刻のデータとを各チャンネルの調光器に与える手段を備え、調光器には与えられた最終調光レベルデータとフェード時間のデータとに基づいて現在の調光レベルから次の演出シーンの最終調光レベルに変化させるまでのフェード時の調光レベルを予め算出しておき、演出シーンの転換開始時刻になると既に算出してある調光レベルに基づいて調光制御を行なう手段を備えたことを特徴とする調光装置。
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