JP3561906B2 - 操舵角検出装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、操舵ハンドルの操舵角を検出する操舵角検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
操舵ハンドルの操舵角を検出する操舵角検出装置としては、例えば特開平6−219308号に開示されているように、インクリメント型の操舵角検出装置が用いられている。この操舵角検出装置の構成及び検出機構は概ね次のようになっている。操舵ハンドルに連動して回転するスリット板には、所定の角度ピッチで開口するスリットを所定間隔で円周上に形成し、このスリットを挟むように、発光素子及び受光素子で構成するフォトインタラプタを2組配置している。そして、操舵ハンドルの回転操作に連動してスリット板が回転すると、フォトインタラプタが光の透過時と遮蔽時に対応してオン状態、オフ状態と変化するため、この状態変化によって形成されるパルス数をカウントすることで、操舵ハンドルの回転角となる操舵角を検出している。なお、2組のフォトインタラプタには位相差が設けられており、各フォトインタラプタからの出力推移を検出することで、操舵ハンドルの回転方向も把握できる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このようなインクリメント型の操舵角検出装置では、検出される操舵角がステップ状(階段状)に変化することになり、このようにステップ状に変化する操舵角をもとに操舵制御を実施すると、設定される制御量もステップ状に変化する状態となるため、制御対象の動作にも影響し、スムーズな動作制御が困難であった。
【0004】
なお、このようなインクリメント型の操舵角検出装置の分解能は、スリットの開口長及びスリットの間隔に依存し、スリットの開口長及びスリットの間隔を短く設定することで、検出角度の分解能が向上し、よりスムーズに制御対象の動作制御を行い得る。しかし、従来から検出角度の信頼性や耐久性を考慮して、スリットの開口長などが設定されているため、従来の構造に変更を加えることは困難である。
【0005】
本発明はこのような課題を解決すべくなされたものであり、その目的は、従来の操舵角検出装置に構造上の変更を加えることなく、操舵角の変化をより細かく把握することができる操舵角検出装置を提供することにある。
【0006】
そこで請求項1にかかる操舵角検出装置は、操舵ハンドルの操舵角を検出する操舵角検出装置であって、所定の角度ピッチで操舵角を検出する操舵角検出手段と、前記操舵角検出手段によって操舵角の変化が検出された時点で、次に操舵角が検出されるまでの間に推移する操舵角の変化状態を推定し、その推定結果をもとに下記(5)式に基づいて任意時点での操舵角を推定操舵角として設定する操舵角推定手段と、前記操舵角推定手段で検出される操舵角の増減変化が反転した場合、次に操舵角が検出されるまでの間、前記操舵角推定手段による推定操舵角の設定処理を中止すると共に、下記(8)式に基づいて操舵角を推定し、推定した操舵角を前記推定操舵角として設定する推定制限手段とを備え、前記操舵角推定手段は、下記(6)式に基づいて推定した操舵角速度の下で前記推定操舵角を設定し、前記推定制限手段は、下記(9)式に基づいて推定した操舵角速度の下で前記推定操舵角を設定することを特徴とする操舵角検出装置。
θhh=θh+Δθ・ { (Δt/ΔT)−1 } ・・・(5)
θhhv=Θ/ΔT ・・・(6)
θhh=θh+Δθ・{(Δt/ΔTa)−1} ・・・(8)
θhhv=Θ/ΔTa ・・・(9)
但し、θhh:推定操舵角
θh:操舵角検出手段で検出された操舵角
Δθ:今回検出された操舵角と前回検出された操舵角との差
Δt:推定操舵角が前回設定されてから今回設定されるまでの間の経過時間
ΔT:前回の操舵角から今回の操舵角までの舵角変化に要した時間
θhhv:推定操舵角速度
Θ:検出可能な操舵角の角度ピッチ
ΔTa:反転時用として予め規定した時間
【0007】
操舵角推定手段では、次に操舵角が検出されるまでの間に推移する操舵角を推定するので、検出可能な角度ピッチとしての操舵角検出手段の分解能に制約されずに、任意時点での推定操舵角を設定することが可能となる。この推定操舵角に基づいて操舵制御を実施することで、制御対象をスムーズに動作させることが可能なる。
また、操舵ハンドルの切り返し操作を行った場合などには、操舵角の増減変化が反転する状況となる。特に、車両の直進時などには、操舵角の中立位置付近においてこの反転が頻繁に発生する。そこで、操舵角の増減変化が反転した場合に操舵角推定手段による推定処理を中止し、推定制限手段によって下記(8)式に基づいて操舵角を推定する。また、(9)式に基づいて操舵角速度を推定する。
θhh=θh+Δθ・{(Δt/ΔTa)−1} ・・・(8)
θhhv=Θ/ΔTa ・・・(9)
但し、θhh:推定操舵角
θh:操舵角検出手段で検出された操舵角
Δθ:今回検出された操舵角と前回検出された操舵角との差
Δt:推定操舵角が前回設定されてから今回設定されるまでの間の経過時間
ΔTa:反転時用として予め規定した時間
Θ:検出可能な操舵角の角度ピッチ
このように、予め規定した時間ΔTaを基準として、反転後の操舵角θhに移行するように推定操舵角θhhを設定することにより、操舵角θhが変化した直後に操舵ハンドルが切り返された場合でも、推定操舵角速度θhhvが極めて大きな値になることを防止することができる。
【0008】
請求項2にかかる操舵角検出装置は、操舵ハンドルの操舵角を検出する操舵角検出装置であって、所定の角度ピッチで操舵角を検出する操舵角検出手段と、操舵角検出手段によって操舵角の変化が検出された時点で、次に操舵角が検出されるまでの間に推移する操舵角の変化状態を推定し、その推定結果をもとに任意時点での操舵角を推定操舵角として設定する操舵角推定手段とを有し、操舵角推定手段は、操舵角検出手段で検出された操舵角が変化した際、推定操舵角を、推定操舵角検出手段で検出された操舵角の前回値から今回値に経時的に徐々に変化させるフィルタ部を備え、フィルタ部は、そのカットオフ周波数を、操舵角速度が増加するに連れてより高い周波数になるように変化させる。
【0009】
このようなフィルタ部を備えることで、操舵角が所定の角度ピッチで変化した場合にも、操舵角を経時的に徐々に変化させることができる。さらに、フィルタ部を介して得られる操舵角の変化状態を、操舵角速度に応じて変更することで、緩操舵時には推定操舵角の変化状態も緩やかになり、急操舵時は推定操舵角の変化状態も速まって推定誤差の増大を抑制することができる。
【0020】
請求項3にかかる操舵角検出装置は、操舵ハンドルの操舵角を検出する操舵角検出装置であって、所定の角度ピッチで操舵角を検出する操舵角検出手段と、操舵角検出手段によって操舵角の変化が検出された時点で、次に操舵角が検出されるまでの間に推移する操舵角の変化状態を推定し、その推定結果をもとに任意時点での操舵角を推定操舵角として設定する操舵角推定手段とを有し、操舵角推定手段は、操舵角検出手段で検出された操舵角が変化した際、推定操舵角を、推定操舵角検出手段で検出された操舵角の前回値から今回値に経時的に徐々に変化させるフィルタ部を備え、フィルタ部は、そのカットオフ周波数を、車速が増加するに連れてより高い周波数になるように変化させる。
【0021】
このようなフィルタ部を備えることで、操舵角が所定の角度ピッチで変化した場合にも、操舵角を経時的に徐々に変化させることができる。さらに、フィルタ部を介して得られる操舵角の変化状態を、車速に応じて変更することで、緩操舵時には推定操舵角の変化状態も緩やかになり、急操舵時は推定操舵角の変化状態も速まって推定誤差の増大を抑制することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の各実施形態につき、添付図面を参照して説明する。
【0023】
図1に第1の実施形態にかかる伝達比可変機構を備えた操舵制御装置の構成を示す。
【0024】
入力軸20と出力軸40とは伝達比可変機構30を介して連結されており、入力軸20には操舵ハンドル10が連結されている。出力軸40は、ラックアンドピニオン式のギヤ装置50を介してラック軸51に連結されており、ラック軸51の両側には転舵輪FW1、FW2が連結されている。
【0025】
また、入力軸20には操舵ハンドル10の操舵角θhを検出すると共に、後述する推定操舵角θhhなどを設定する操舵角検出ユニット60を設けている。操舵角検出ユニット60は、図2に示すように、所定の間隔で開口するスリット61aを形成したスリット板61を有し、またスリット板61を挟むように、発光素子及び受光素子で構成するフォトインタラプタ62aを2組配置しており、フォトインタラプタ62aによってスリット61aを検出する。また、スリット板61には、スリット板61の基準位置を示すスリット61bを有し、このスリット61bを検出するフォトインタラプタ62bを備えている。
【0026】
入力軸20とともにスリット板61が回転すると、図3に示すようにスリット61aの有無に応じたパルス信号(2値信号)SS1、SS2と、スリット61bの有無に応じたパルス信号SS3とが、対応するフォトインタラプタ62a、62bから出力され、舵角カウント部63に与えられる。舵角カウント部63では、パルス信号SS1、SS2の位相差をもとに操舵ハンドル10の回転方向を検知するとともに、パルス数をカウントすることで操舵角θhをカウントする。この段階で検出される操舵角θhは、このような検出機構から得られる分解能に応じた角度ピッチΘで検出されることになる。
【0027】
舵角カウント部63で検出された操舵角θhは推定処理部64に与えられる。推定処理部64では後に説明するように、このように角度ピッチΘ毎に検出される操舵角θhをもとに、次に操舵角θhが変化するまでの間に推移する操舵角θh及び操舵角速度θhvの推定処理を実行し、各処理タイミングで推定される操舵角θh及び操舵角速度θhvを、推定操舵角θhh及び推定操舵角速度θhhvとして設定し、その結果を操舵制御装置70に与える。
【0028】
伝達比可変機構30は、操舵ハンドル10の操作に対する転舵輪FW1,FW2の転舵動作を制御する機構部となっており、入力軸20に対して出力軸40を相対的に回転駆動するアクチュエータ31と、入力軸20に対するアクチュエータ31の回転角(入力軸20に対する差動角)θmを検出する回転角センサ32とを備えている。ここで出力軸40の回転角を出力角θpとすると、操舵角θh、回転角θm、出力角θpの関係は(1)式で示す関係となり、操舵角θh、出力角θp、伝達比Gの関係は(2)式で規定されるため、(1)式及び(2)式より、アクチュエータ31の回転角θmは(3)式で示すことができる。
【0029】
θp=θh+θm …(1)
θp=G・θh …(2)
θm=(G―1)・θh …(3)
従って(3)式に基づいて、設定された伝達比Gをもとに操舵角θhに応じてアクチュエータ31の回転角θmを制御することで、入力軸20−出力軸40間の伝達比制御を行うことができる。なお、出力角θpは、ラック軸51のストローク位置に対応し、さらにラック軸51のストローク位置は転舵輪FW1、FW2の転舵角に対応するため、操舵角θh及び回転角θmを検出することで(1)式より出力角θpを検知することができ、この検知した出力角θpをもとに転舵輪FW1、FW2の転舵角が検知可能となっている。
【0030】
このような伝達比可変機構30の駆動制御は操舵制御装置70によって実施され、操舵制御装置70は、操舵角検出ユニット60における推定結果の他、回転角センサ32及び車速センサ71の各検出結果をもとに、アクチュエータ31に対して制御信号Isを出力することで、伝達比可変機構30の駆動制御を実施している。
【0031】
ここで、操舵制御装置70で実施される処理について、図4のフローチャートに沿って説明する。
【0032】
このフローチャートはイグニションスイッチのオン操作によって起動する。まず、ステップ(以下、ステップを「S」と記す。)102に進み、回転角センサ32で検出されたアクチュエータ31の回転角θm、車速センサ71で検出された車速Vをそれぞれ読み込む。
【0033】
続くS103では、操舵角検出ユニット60の推定処理部64で推定された推定操舵角θhh、推定操舵角速度θhhvを読み込む。なお、具体的な推定処理は後に詳述する。
【0034】
続くS104では、図5に示す車速Vと伝達比Gとの関係を示すマップから、S102で読み込んだ車速Vをもとにマップ検索し、車速Vに応じた伝達比Gを設定する。
【0035】
続くS106では、S103で読み込んだ推定操舵角θhh及び推定操舵角速度θhhv及びS104で設定した伝達比Gを用い、下記(4)式をもとにアクチュエータ31の目標回転角θmmを設定する。なお、(4)式ではいわゆる微分ステア制御を採用しており、前出の(3)式における操舵角θhに対し操舵角速度の項が加わった式となっており、「k」は所定の操舵角速度係数を示す。
【0036】
θmm=(G−1)・(θhh+k・θhhv) …(4)続くS108では、S106で設定された目標回転角θmmと、S102で読み込まれた回転角θmとの角度偏差eを、e=θmm−θmとして設定する。
【0037】
続くS110では、オーバーシュートすることなく偏差eを0にするように、アクチュエータ31を制御する制御信号Isを決定する。この処理の一例としては、Is=C(s)・eの演算式に基づいて、PID制御のパラメータを適切に設定することにより制御信号Isを決定することができる。なお、式中の(s)はラプラス演算子である。
【0038】
続くS112では、S110で決定された制御信号Isをアクチュエータ31に出力し、制御信号Isに応じてアクチュエータ31を駆動する。
【0039】
この後、S114に進み、イグニションスイッチ(IG)がオフ操作されたかを判断し、「No」の場合にはS102に戻り、S114で「Yes」と判断されるまで、前述したS102以降の処理が繰り返し実行される。
【0040】
ここで、推定処理部64で実施する推定操舵角θhh、推定操舵角速度θhhvの設定処理について、図7を参照しつつ、図6に示すフローチャートに沿って説明する。
【0041】
まずS202に進み、舵角カウント部63でカウントされる操舵角θhを読み込み、操舵角θhが変化したかを判断する。例えば図7に示すように、今回検出時間t2で操舵角θhが変化した方向が、前回検出時間t1で操舵角θhが変化した方向と同じ方向、すなわち操舵角θhの増減状態に変化が無い場合を想定すると、S202で「Yes」、S204で「No」と判断されてS206に進む。
【0042】
S206では、反転フラグRを0にセットして操舵角θhの増減状態が反転していないことを示す。また、経過時間を計時するタイマのカウント値TsをΔTとして記憶すると共に、カウント値Tsをリセットする。このタイマは、検出結果となる操舵角θhに変化が生じた時点でリセットされ、再び計時を開始するタイマであるため、このS206で記憶したΔTは、舵角変化に要した時間、すなわち前回検出時間t1から今回検出時間t2の間の経過時間を示す。
【0043】
続くS208では、Δθ=θh−θhholdを演算し、検出された(S202で読み込まれた)操舵角θhと前回のルーチンで推定した推定操舵角θhholdとの間の角度偏差Δθを設定する。
【0044】
続くS210では、S208で設定した角度偏差Δθを用いて、下記(5)式、をもとに推定操舵角θhhを設定すると共に、(6)式をもとに推定操舵角速度θhhvを設定する。なお、「Θ」は、前述したように検出可能な操舵角θhの角度ピッチである。
【0045】
θhh=θh+Δθ・{(Δt/ΔT)−1} …(5)
θhhv=Θ/ΔT …(6)
(5)式の右辺第2項で演算される量を図7に示しておく。(5)式中のΔtは推定操舵角θhhが前回設定されてから今回設定されるまでの間の設定間隔(経過時間)を示しており、Δtとして予め規定した固定値を用いるか、或いはS206でリセットされた後に計時が開始されたタイマのカウント値Tsを用いても良い。
【0046】
また、推定操舵角速度θhhvは、(6)式に示したように、前回の舵角変化に要した時間ΔTを基準とし、この時間ΔTの間に角度ピッチΘ分だけ推移する操舵角速度として、推定操舵角速度θhhvを設定する。
【0047】
続くS212では、S210で設定された推定操舵角θhh、推定操舵角速度θhhvを、それぞれθhhold、θhhvoldとして記憶し、このルーチンを終了する。
【0048】
操舵角θhに変化が無い場合を想定すると、S202で「No」と判断されてS214に進み、タイマのカウント値Tsを読み込む。
【0049】
続くS216では、S214で読み込んだカウント値Tsが前回の舵角変化に要した時間ΔTを超えたかを判断する。説明の便宜上、Ts≦ΔTとすると、S216で「No」と判断されてS218へ進み、反転フラグRが1にセットされているかを判断する。前回のルーチンでR=0に設定されており、「No」と判断されてS220に進む。
【0050】
S220では下記(7)式をもとに推定操舵角θhhを設定すると共に、操舵角θhに変化があった時点で推定した操舵角速度、すなわちS210で設定しS212で記憶したθhhvoldを、推定操舵角速度θhhvとして再び設定する。
【0051】
θhh=θh+Δθ・{(Ts/ΔT)−1} …(7)
この(7)式は、先の(5)式における「Δt」を「Ts」に置き換えた式であり、カウント値Tsが増加するに連れて、右辺第2項で設定される量が次第に減少するように推移する。
【0052】
そしてS212に進み、前述したように今回設定した各推定値をそれぞれ記憶する。
【0053】
このような処理は、操舵角θに変化が生じるまで繰り返されることになるが、操舵角θhが推定操舵角速度θhhvよりも遅く推移した場合には、ΔT時間が経過しても操舵角θhに変化がなく、同一条件で操舵角θhの推定処理を続けると、図8の一点鎖線で示すように、現在検出されている操舵角θhを超えて推定操舵角θhh’が変化してしまう。そこで、S216でタイマのカウント値Tsが、前回の舵角変化に要した時間ΔTを超えると(S216で「Yes」)、S222へ進み、前回のルーチンで設定され推定操舵角θhholdを再び推定操舵角θhhとして設定する。この処理により、推定操舵角θhhは、ΔT以降、図8の点線で示すように一定値として推移する。
【0054】
またS222では、操舵角θhが推定操舵角速度θhhvよりも遅く推移していることに対応して、現時点でのタイマのカウント値Tsと、操舵角θhの変化量としての検出可能な角度ピッチΘとを用いて、推定操舵角速度θhhvの値を修正する。すなわち、推定操舵角速度θhhvの値を、θhhv=Θ/Tsとして設定し、前回のルーチンで設定されていた推定操舵角速度θhhvの値を更新する。これにより推定操舵角速度θhhvの値はより小さな値に修正される。
【0055】
このS222に至る処理は、以降、次ぎに操舵角θhが変化するまで継続され、操舵角θhが変化すると、S202、S204と進み、操舵角θhの増減状態に変化がない場合には、先に説明したS206〜S212の処理が実施される。
【0056】
一方、操舵角θhの増減状態が反転した場合には、次ぎに操舵角θhが変化するまでの間、反転時用の処理を実施する。すなわち、S202で「Yes」、S204で「Yes」と判断されて、S226に進む。
【0057】
S226では、反転フラグRを1にセットして操舵角θhの増減状態が反転したことを示すと共に、タイマのカウント値Tsをリセットしてタイマによる計時を開始する。
【0058】
続く228では、Δθ=θh−θhholdを演算し、検出された(S202で読み込まれた)操舵角θhと前回のルーチンで推定した推定操舵角θhholdとの間の角度偏差Δθを設定する。
【0059】
続くS230では、前出の(5)式、(6)式で用いたΔTに代えて、反転時用として予め規定した時間ΔTaを用いて、下記(8)式、(9)式をもとに推定操舵角θhh、推定操舵角速度θhhvを設定する。
【0060】
θhh=θh+Δθ・{(Δt/ΔTa)−1} …(8)
θhhv=Θ/ΔTa …(9)
なお、(8)式、(9)式は、S226でタイマのカウント値TsをΔTとして記憶することで、(5)式、(6)式をそのまま用いることも可能ではあるが、操舵角θhが変化した直後に操舵ハンドル10が切り返され、時間ΔTが極短時間となると、その影響で推定操舵角速度θhhvが極めて大きな値に設定される場合も生じ得る。そこで、これを防止するため、予め規定した時間ΔTaを基準として、反転後の操舵角θhに移行するように推定操舵角速度θhhvを設定する(図9)。従って、角度ピッチΘも固定値として扱っているため、反転時の推定操舵角速度θhhvは予め規定した値に設定されることになる。
【0061】
そしてS212を経てこのルーチンを終了し、次回のルーチンでは、S202、S214、S216を経てS218に進み、先のS226で反転フラグRが1に設定されているため、S218で「Yes」と判断されてS232に進む。
【0062】
S232では下記(10)式をもとに推定操舵角θhhを設定すると共に、先のS212で設定した推定操舵角度θhhvoldを、そのまま推定操舵角速度θhhvとして設定する。なお、(10)式中のΔTbは予め規定した時間を示し、(8)式におけるΔTaと同一の値に設定しても良い。
【0063】
θhh=θh+Δθ・{(Ts/ΔTb)−1} …(10)
このS232の処理は、S216で「No」、すなわちタイマのカウント値TsがΔTa時間以下となる間は繰り返し実施され、この間、推定操舵角θhhは予め規定した推定操舵角速度θhhvで変化する。そして、S216で「Yes」、すなわちタイマのカウント値TsがΔTa時間を超えると、先に説明したS222の処理に移行して、推定操舵角θhhを一定値として設定すると共に、推定操舵角速度θhhvの値を修正する。
【0064】
そして、操舵角θhに変化がない間はこの処理が繰り返され、操舵角θhに変化が生じると、再びS204以降の処理が実施され、次ぎに操舵角θhが変化するまでの間における推定操舵角速度θhhvなどの設定処理が実施される。
【0065】
このような処理を繰り返し実施することで、推定操舵角θhh、推定操舵角速度θhhvの設定処理が実施される。なお、図17に、検出される操舵角θhと推定操舵角θhhとの推移例を示しておく。図中に実線で示すように操舵角θhが推移した場合、推定処理部64で設定される推定操舵角θhhは点線で示すように推移することになる。
【0066】
以上説明した図4のフローチャートでは、操舵角θhの増減状態が反転した場合に、推定操舵角速度θhhvを予め規定した値として設定したが(S230)、例えば、推定操舵角速度θhhv=0に設定し、推定操舵角θhhは前回の推定操舵角θhholdを維持するような処理を繰り返して実施しても良い。このように操舵角θhの増減状態が反転する状況は、特に直進状態で頻繁に発生するため、推定操舵角速度θhhvをゼロ或いは所定の小さな値に設定することで、直進時における操舵角θhの振動的な変化を抑制することが可能となる。これにより直進時には、検出される操舵角θhの変化に対する制御信号Isの変化が抑制され、直進状態における伝達比可変機構の不要な駆動を抑制することができる。
【0067】
次に、第2の実施形態について説明する。
【0068】
操舵角検出ユニット60における検出結果のばらつき、或いは推定操舵角θhhなどの計算タイミングのばらつきなどの影響で、推定操舵角θhh、推定操舵角速度θhhvが想定した範囲を超えて大きく変化する場合も生じ得る。このため、推定操舵角θhh、推定操舵角速度θhhvが所定の変化率の範囲内で推移するように、設定される推定操舵角θhh、推定操舵角速度θhhvに対して制限処理を実施することも可能である。具体的には、図10に示すように、S210,S220,S230、S232とS212との間で制限処理S300を実施する。
【0069】
この制限処理の例を図11のフローチャートに示す。
【0070】
まず、S310では、S210などの前段のステップで設定された推定操舵角θhhと前回設定した推定操舵角θhholdとの偏差と、推定操舵角がθhholdからθhhに変化するまでの経過時間ΔTnとをもとに、下記(11)式をもとに推定操舵角の変化率δを求める。
【0071】
δ=(θhh−θhhold)/ΔTn …(11)
続くS312では、S310で求めた変化率δの絶対値が、予め規定した下限値δより小であるかを判断する。その判断結果が「Yes」の場合にはS314に進み、下記(12)式より推定操舵角θhhを設定し、このルーチンを終了する。(12)式をもとに推定操舵角θhhを設定することで、推定操舵角θhholdからの変化率が下限値δで制限された推定操舵角θhhが設定されることになる。
【0072】
θhh=θhhold+δ・ΔTn …(12)
一方、S312で「No」と判断された場合には、S316に進み、S310で求めた変化率δの絶対値が、予め規定した上限値δより大であるかを判断する。その判断結果が「Yes」の場合にはS318に進み、下記(13)式より推定操舵角θhhを設定し、このルーチンを終了する。(13)式をもとに推定操舵角θhhを設定することで、推定操舵角θhholdからの変化率が上限値δで制限された推定操舵角θhhが設定されることになる。
【0073】
θhh=θhhold+δ・ΔTn …(13)
そして、S316で「No」、すなわち変化率δが|δ|≦|δ|≦|δ|の場合には、推定操舵角θhhを変更することなく、このルーチンを終了するため、S210などの前段のステップで設定された推定操舵角θhhがそのまま設定されることになる。
【0074】
また、推定操舵角速度θhhvについても同様な制限処理を実施するが、前回設定した推定操舵角速度をθhhvold、推定操舵角速度θhhvの変化率をδv、変化率の下限値をδv、変化率の上限値をδvとすると、フローチャートは図12に示すようになる。この図12におけるS320〜S328は、図11におけるS310〜S318と同様な処理であり説明は省略する。なお、上限値δ、下限値δ、変化率の上限値δv及び変化率の下限値δvは、固定値に限定するものではなく、例えば操舵角速度に応じて設定することも可能である。
【0075】
次に、第3の実施形態について説明する。
【0076】
図13では、操舵角検出ユニット60の他の構成例を示しており、図3の推定処理部64に代えてフィルタ部65を備えており、フィルタ部65を介して得られる操舵角θhを、推定操舵角θhhとして操舵制御装置70へ与える。
【0077】
フィルタ部65はローパスフィルタを備えて構成している。舵角カウント部63で検出される操舵角が前回値(θhold)から今回値(θh)にステップ状に変化すると、このステップ状に変化する操舵角がフィルタ部65に与えられ、ローパスフィルタを介することで、推定結果となる操舵角が前回値(θhhold)から今回値(θhh)に経時的に徐々に変化するように推移する。
【0078】
そしてフィルタ部65におけるローパスフィルタは、そのカットオフ周波数を、図14に示すように操舵角速度が増加するに連れてより高い周波数になるように変化させている。このようにカットオフ周波数を操舵角速度に応じて設定することで、操舵角速度が速い状況下では、図15に点線で示すように、推定操舵角θhhの変化が速められるため、推定操舵角θhhに基づく操舵制御の応答遅れを抑制することができる。これに対し、操舵角速度が遅い状況下では、図15に一点鎖線で示すように、推定操舵角θhhの変化が緩やかになり、推定操舵角θhhに基づく操舵制御も緩やかに行われるため、滑らかな操舵感を得ることができる。
【0079】
また、フィルタ部65におけるカットオフ周波数は、図16に示すように車速Vが高いほどより高い周波数となるように、車速Vに応じて設定することも可能である。これにより、低車速時には推定誤差を許容して推定操舵角θhhを滑らかに変化させることを優先させ、高車速時には推定誤差を抑制し、高い精度で推定操舵角θhhを設定することが可能となる。
【0080】
また、角速度センサによって操舵角速度を検出する場合にも、同様に適用することが可能であり、検出された角速度をフィルタ部65に与え、ローパスフィルタを介して得られる角速度を推定操舵角速度θhhvとして設定する。なお、この場合も、図14或いは図16で示したように、ローパスフィルタのカットオフ周波数を操舵角速度や車速に応じて変化させることで同様な効果が得られる。
【0081】
第3の実施形態では、推定結果となる操舵角を前回値(θhhold)から今回値(θhh)に経時的に徐々に変化させる手法として、ローパスフィルタを備えたフィルタ部65を例示したが、この例に限定するものではない。例えば、検出される操舵角が前回値(θhold)から今回値(θh)に変化した場合に、補間係数γ(0≦γ≦1)を用いて、推定操舵角θhhを下記(14)式で設定するフィルタリング処理を、フィルタ部65において実施することもできる。
【0082】
θhh=γ・θh+(1−γ)・θhold …(14)
この場合、補間係数γをγ=0から経時的に増加させることで、推定操舵角θhhがθholdからθhへ徐々に移行するように設定することができる。そして、補間係数γの変化分を操舵角速度や車速Vに応じて変更することで、前述した効果が発揮される。
【0083】
次に、第4の実施形態について説明する。
【0084】
第1の実施形態などでは、操舵角検出ユニット60の舵角カウント部63が、操舵角θhを一定の角度ピッチΘ毎で検出するものとして説明した。しかし、スリット板61に形成したスリット61a、61bの幅にばらつきがある場合や、或いはフォトインタラプタ62a、62bの取り付け位置にばらつきがある場合には、検出される操舵角の角度ピッチΘもばらつくことになる。一定速度で操舵ハンドル10が操作された場合には、操舵角θhの変化が検出される時間間隔が一定となるはずであるが、検出される角度ピッチΘにばらつきがあると、図18に示すように、操舵角θhの変化が検出される時間間隔t10〜t15がばらつくことになり、角度ピッチΘを一定として求めた各推定操舵角速度θhhvもばらつきを示す。このように、検出される角度ピッチΘの1つ1つの精度が、推定操舵角等の演算結果に直接影響を及ぼすため、角度ピッチΘにばらつきが存在する場合には、このばらつきを考慮して前述した各推定処理を行うことが必要となる。
【0085】
先の図2で図示したように、スリット板61には角度検出用のスリット61aと、スリット板61の基準位置を示すスリット61bとを備えているので、スリット61bが検出されたタイミングを基準とすることで、操舵角θhの変化が検出された際に、スリット板61に形成されたいずれのスリット61aを検出したのかを把握することができる。すなわち、スリット板61の各スリット61a毎の角度ピッチΘは、実測等によって予め把握することが可能であり、周方向に沿った順に配列すると、Θ1、Θ2…Θn−1、Θnとして各スリット61aに対応した角度ピッチを特定することができる。そして、実際の検出時には、図19に示すように、「…−Θn−1−Θn−Θ1−Θ2−…」と操舵方向に応じて角度ピッチΘが循環する状態となり、変化前の角度ピッチΘがΘ1とすると、次に操舵角θhの変化が検出された際の角度ピッチは、「Θn」と「Θ2」のいずれかであり、これはその際の操舵方向に応じて容易に特定できる。このような処理を、操舵角θhの変化が検出される毎に実施することで、角度ピッチΘの値を正確に設定することができる。
【0086】
この一連の処理を図20のフローチャートに示す。
【0087】
この処理は、例えば操舵角検出ユニット60の舵角カウント部63で行う。まずS402では、操舵角θhが変化したかを判断し、「No」の場合にはこのルーチンを終了する。
【0088】
操舵角θhに変化があると(S402で「Yes」)、S404に進み、スリット板61の回転方向を判断する。例えば右方向の操舵で操舵角θhのカウント値が増加するものとすると、このカウント値の増減でスリット板61の回転方向が判断できる。
【0089】
続くS406では、図19の角度ピッチマップをもとに、現在設定されている角度ピッチと、S404で判断されたスリット板61の回転方向とをもとに、該当する角度ピッチを特定し、その値を角度ピッチΘとして設定する。
【0090】
続くS408では、変化前の操舵角θholdと、S406で設定した角度ピッチΘとをもとに、今回検出された操舵角θhをθh=θhold+Θとして設定する。
【0091】
そしてS410では、S408で設定したθhをθholdとして記憶させ、このルーチンを終了する。
【0092】
図20で示した一連の処理をS400とすると、図6のフローチャートでは、S202の前段でS400を実行して操舵角θh及び角度ピッチΘを設定する。これにより、S202以降の処理では、S400で設定した操舵角θh及び角度ピッチΘを用いて各種演算処理を実行できることになり、推定処理部64では角度ピッチΘのばらつきを考慮した推定操舵角θhh及び推定操舵角速度θhhvを設定することができる。
【0093】
また、図19の角度ピッチマップは、予め設定したマップを用いる場合を例に説明したが、実際の走行中に角度ピッチマップを作成することも可能である。具体的には、操舵角速度θhvが一定であると判断した場合に、操舵角θhがカウントとされる時間間隔を計測することで、スリット板61の各スリット61a毎の角度ピッチΘが把握できる。
【0094】
ここで操舵角速度が一定であることの判断手法について説明する。図21にスリット板61のスリット61aを例に、スリット61aを凹部として模式的に示す。スリット61aの幅にばらつきが生じる場合には、凹部と凸部の割合がばらつくが、凹部と凸部とを1組としこの凹凸を1周期としてみると、その1周期の長さは略一定となる。これはスリットの製造工程に起因して生じる現象である。従って、この一周期の速度、換言すればスリット板61が1周期分変位する経過時間が、連続して一定となった際に、操舵角速度θhvが一定であると判断することができる。
【0095】
このときの操舵角速度をθhv0、操舵角θhの変化が検出されるまでの経過時間をtsとすると、このときの角度ピッチΘはΘ=θhv0・tsとして求めることができる。このような処理を、操舵角速度が一定である期間、各スリット毎に実施し、その結果をマップ化すればよい。このようなマップ作成処理は、一定期間毎に定期的に実施するか、或いは常時実施しても良い。また、角度ピッチΘの設定に際しては、作成した最新のマップを用いるか、或いは過去の結果を平均化したマップを用いるなど、適宜選択することができる。
【0096】
なお、1周期の特定には、図22に示すように、検出センサとなる2つのフォトインタラプタ62aの設置間隔を1周期とみなして、同様に操舵角速度θhvが一定である状況を判断することもできる。
【0097】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1にかかる操舵角検出装置によれば、操舵角の変化状態を推定して任意時点での操舵角を推定操舵角として設定する操舵角推定手段を備えるので、操舵角検出手段で検出される角度ピッチに制約されずに、任意時点での推定操舵角を設定することができ、この推定操舵角に基づいて操舵制御を実施することで、制御対象をスムーズに動作させることが可能となる。また、操舵角推定手段は、操舵角を経時的に徐々に変化させると共に、操舵角速度が速い状況下では遅い状況下に比べて操舵角がより速く変化するように操舵角の変化状態を変更する徐変手段を備えるので、緩操舵時には推定操舵角の変化状態も緩やかになり推定操舵角に基づく操舵制御も緩やかに実施され、また、急操舵時は推定操舵角の変化状態も速まって推定誤差の増大を抑制することができる。
【0098】
請求項2における操舵角検出装置によれば、操舵角の変化状態を推定して任意時点での操舵角を推定操舵角として設定する操舵角推定手段を備えるので、操舵角検出手段で検出される角度ピッチに制約されずに、任意時点での推定操舵角を設定することができ、この推定操舵角に基づいて操舵制御を実施することで、制御対象をスムーズに動作させることが可能となる。また、操舵角推定手段は、操舵角を経時的に徐々に変化させると共に、車速が高い状況下では低い状況下に比べて、操舵角がより速く変化するように、操舵角の変化状態を変更する徐変手段を備えるので、低車速時には推定誤差を許容して操舵角を滑らかに変化させることが優先させ、高車速時には推定誤差が抑制され高い精度で操舵角を推定することができる。
【0104】
請求項3にかかる操舵角検出装置は、請求項1または請求項2における操舵角検出装置において、指標部が検出された際に指標部を特定すると共に、特定した指標部に対応する実際の角度ピッチをもとに、操舵角の検出値を設定する設定手段を備えるので、操舵角推定手段では、このようにして把握した実際の角度ピッチをもとに操舵角の推定処理を実施することで、推定処理をより正確に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】伝達比可変機構を備えた操舵制御装置の構成を示すブロック図である。
【図2】スリット板とフィトインタラプタを概略的に示す斜視図である。
【図3】操舵角検出ユニットの構成を概略的に示すブロック図である。
【図4】操舵制御装置で実施する処理を示すフローチャートである。
【図5】車速と伝達比との関係を規定したマップである。
【図6】図4の推定処理部で実施する処理を示すフローチャートである。
【図7】各記号の示す部位や範囲、及び演算式が示す範囲を図示した説明図である。
【図8】推定操舵角θhhの推移を示す説明図である。
【図9】反転時における推定操舵角θhhの推移を示す説明図である。
【図10】他の実施形態を示すフローチャートである。
【図11】図10のS300で実施する推定操舵角の制限処理を示すフローチャートである。
【図12】図10のS300で実施する推定操舵角速度の制限処理を示すフローチャートである。
【図13】操舵角検出ユニットの他の構成例を示すブロック図である。
【図14】操舵角速度とカットオフ周波数との関係を規定したマップである。
【図15】カットオフ周波数が変化した場合における推定操舵角θhhの推移を示す説明図である。
【図16】車速とカットオフ周波数との関係を規定したマップである。
【図17】操舵角θhと推定操舵角θhhとの推移例を示すグラフである。
【図18】検出される角度ピッチΘにばらつきがある場合に、一定の速度で操舵ハンドルを操作した際に操舵角変化を検出する時間間隔、操舵角θh、推定操舵角速度θhhvを示す説明図である。
【図19】各スリットに対応した角度ピッチを示す角度ピッチマップである。
【図20】角度ピッチΘ及び操舵角θhの設定処理を示すフローチャートである。
【図21】スリット幅のばらつき状態を示すと共に、1周期の特定例を示す説明図である。
【図22】1周期の特定例を示す説明図である。
【符号の説明】
30…伝達比可変機構、31…アクチュエータ、60…操舵角検出ユニット、
61…スリット板、62a、62b…フォトインタラプタ、
63…舵角カウント部、64…推定処理部、65…フィルタ部、
70…操舵制御装置。

Claims (3)

  1. 操舵ハンドルの操舵角を検出する操舵角検出装置であって、
    所定の角度ピッチで操舵角を検出する操舵角検出手段と、
    前記操舵角検出手段によって操舵角の変化が検出された時点で、次に操舵角が検出されるまでの間に推移する操舵角の変化状態を推定し、その推定結果をもとに下記(5)式に基づいて任意時点での操舵角を推定操舵角として設定する操舵角推定手段と、
    前記操舵角推定手段で検出される操舵角の増減変化が反転した場合、次に操舵角が検出されるまでの間、前記操舵角推定手段による推定操舵角の設定処理を中止すると共に、下記(8)式に基づいて操舵角を推定し、推定した操舵角を前記推定操舵角として設定する推定制限手段とを備え
    前記操舵角推定手段は、下記(6)式に基づいて推定した操舵角速度の下で前記推定操舵角を設定し、
    前記推定制限手段は、下記(9)式に基づいて推定した操舵角速度の下で前記推定操舵角を設定することを特徴とする操舵角検出装置。
    θhh=θh+Δθ・ { (Δt/ΔT)−1 } ・・・(5)
    θhhv=Θ/ΔT ・・・(6)
    θhh=θh+Δθ・{(Δt/ΔTa)−1} ・・・(8)
    θhhv=Θ/ΔTa ・・・(9)
    但し、θhh:推定操舵角
    θh:操舵角検出手段で検出された操舵角
    Δθ:今回検出された操舵角と前回検出された操舵角との差
    Δt:推定操舵角が前回設定されてから今回設定されるまでの間の経過時間
    ΔT:前回の操舵角から今回の操舵角までの舵角変化に要した時間
    θhhv:推定操舵角速度
    Θ:検出可能な操舵角の角度ピッチ
    ΔTa:反転時用として予め規定した時間
  2. 操舵ハンドルの操舵角を検出する操舵角検出装置であって、
    所定の角度ピッチで操舵角を検出する操舵角検出手段と、
    前記操舵角検出手段によって操舵角の変化が検出された時点で、次に操舵角が検出されるまでの間に推移する操舵角の変化状態を推定し、その推定結果をもとに任意時点での操舵角を推定操舵角として設定する操舵角推定手段とを有し、
    前記操舵角推定手段は、前記操舵角検出手段で検出された操舵角が変化した際、前記推定操舵角を、前記推定操舵角検出手段で検出された操舵角の前回値から今回値に経時的に徐々に変化させるフィルタ部を備え、
    前記フィルタ部は、そのカットオフ周波数を、操舵角速度が増加するに連れてより高い周波数になるように変化させることを特徴とする操舵角検出装置。
  3. 操舵ハンドルの操舵角を検出する操舵角検出装置であって、
    所定の角度ピッチで操舵角を検出する操舵角検出手段と、
    前記操舵角検出手段によって操舵角の変化が検出された時点で、次に操舵角が検出されるまでの間に推移する操舵角の変化状態を推定し、その推定結果をもとに任意時点での操舵角を推定操舵角として設定する操舵角推定手段とを有し、
    前記操舵角推定手段は、前記操舵角検出手段で検出された操舵角が変化した際、前記推定操舵角を、前記推定操舵角検出手段で検出された操舵角の前回値から今回値に経時的に徐々に変化させるフィルタ部を備え、
    前記フィルタ部は、そのカットオフ周波数を、車速が増加するに連れてより高い周波数になるように変化させることを特徴とする操舵角検出装置。
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