JP3561863B2 - 写真原稿収容方法及び写真原稿収容装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、写真原稿収容方法及び写真原稿収容装置に関する発明である。
【0002】
【従来の技術】
従来の写真原稿収容容器は、顧客に返却するためにカートリッジやネガシートなどに収容するものが一般的である。
【0003】
そして、写真処理業者が様々な装置の間で写真原稿を取り扱うときには、写真原稿を多数スプライスして、ロール状に巻き取って取り扱うことが、大規模ラボでは一般的であり、また、裸のまま取り扱うことが、ミニラボでは一般的であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、写真原稿を多数スプライスして、ロール状に巻き取って取り扱うのには、写真原稿を多数スプライスする工程だけでなく、スプライスされた多数の写真原稿を一本一本に分解する工程が必要であり、その分、作業量が多く、出荷までの最短時間が長くなり、また、その間、単にロール状に巻き取られているだけなので、埃や傷などが付きやすいという問題がある。また、裸のまま取り扱うと、埃や傷などが付きやすいだけでなく、多量に取り扱うと、どの写真原稿がどの注文の写真原稿か把握できなくなりやすいという問題がある。
【0005】
また、写真原稿どうしを直接接触するように収容すると、写真原稿どうしが擦れあい傷が付きやすいという写真原稿特有の問題がある。
【0006】
そこで、第一ローラと、前記第一ローラに一方の端部が保持された帯状物と、前記帯状物の他方を蓄積する蓄積部と、を有する写真原稿収容容器に、前記第一ローラにより巻き取られた前記帯状物の最外周と前記第一ローラにより巻き取られる前記帯状物とにより写真原稿を挟み込んで、前記第一ローラにより前記帯状物を巻き取ることにより、前記写真原稿を巻き取り収容することにより、写真原稿どうしが直接接触しにくく、写真原稿をスプライスする必要なく、多数の写真原稿を順に収容でき、その順が狂うことなく取り出せるようにすることを考えた。
【0007】
しかし、上述の第一ローラと、前記第一ローラに一方の端部が保持された帯状物と、前記帯状物の他方を蓄積する蓄積部と、を有する写真原稿収容容器に、前記第一ローラにより巻き取られた前記帯状物の最外周と前記第一ローラにより巻き取られる前記帯状物とにより写真原稿を挟み込んで、前記第一ローラにより前記帯状物を巻き取ることにより、前記写真原稿を巻き取り収容する場合において、単に、帯状物を巻き取る際の定常状態の前記第一ローラの回転角速度が一定の回転角速度であると、最悪、収容された写真原稿を傷付けたり、変形させたりする場合があることが判った。
【0008】
そこで、この原因を探ると、単に、帯状物を巻き取る際の定常状態の前記第一ローラの回転角速度が一定の回転角速度であると、帯状物を巻き取るに従って、写真原稿の間隔が徐々に広がって収容されるようになり、第一ローラに巻き取られた帯状物の外周が凸凹した形状になりやすく、その上に収容された写真原稿を傷付けたり、変形させたりすることが判った。
【0009】
本発明の目的は、上述の第一ローラと、前記第一ローラに一方の端部が保持された帯状物と、前記帯状物の他方を蓄積する蓄積部と、を有する写真原稿収容容器に、前記第一ローラにより巻き取られた前記帯状物の最外周と前記第一ローラにより巻き取られる前記帯状物とにより写真原稿を挟み込んで、前記第一ローラにより前記帯状物を巻き取ることにより、前記写真原稿を巻き取り収容する場合において、同じ写真原稿収容容器を用いても、写真原稿の間隔の広がりを少なくして、より多くの写真原稿を収容できるようにし、かつ、写真原稿を傷付けたり、変形させたりすることを防ぎ、安定的に収容できるようにすることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の目的は以下に示す特許請求の範囲の各請求項により達成される。以下、各請求項について説明する。但し、引用項と重複する説明は省略する。
【0011】
〔請求項1の説明〕『第一ローラと、前記第一ローラに一方の端部が保持された帯状物と、前記帯状物の他方を蓄積する蓄積部と、を有する写真原稿収容容器に、前記第一ローラにより巻き取られた前記帯状物の最外周と前記第一ローラにより巻き取られる前記帯状物とにより写真原稿を挟み込んで、前記第一ローラにより前記帯状物を巻き取ることにより、前記写真原稿を巻き取り収容する写真原稿収容方法において、
前記第一ローラに巻き取られる前記帯状物の有効長さの始めに前記第一ローラに巻き取られる側の半分を前半側帯状物と呼び、
前記第一ローラに巻き取られる前記帯状物の有効長さのその後に前記第一ローラに巻き取られる側の半分を後半側帯状物と呼ぶと、
前記前半側帯状物を巻き取る際の定常状態の前記第一ローラの回転角速度の平均が、前記後半側帯状物を巻き取る際の定常状態の前記第一ローラの回転角速度の平均よりも速いことを特徴とする写真原稿収容方法。』
により、第一ローラが後半側帯状物を巻き取る際の写真原稿の間隔が広がるのを防げるので、同じ写真原稿収容容器を用いてもより多くの写真原稿を収容でき、かつ、第一ローラに巻き取られた帯状物の外周が凸凹した形状になりにくく、写真原稿を傷付けたり、変形させたりすることを防げ、安定的に収容できる。
【0012】
〔請求項2の説明〕『第一ローラと、前記第一ローラに一方の端部が保持された帯状物と、前記帯状物の他方を蓄積する蓄積部と、を有する写真原稿収容容器に、前記第一ローラにより巻き取られた前記帯状物の最外周と前記第一ローラにより巻き取られる前記帯状物とにより写真原稿を挟み込んで、前記第一ローラにより前記帯状物を巻き取ることにより、前記写真原稿を複数巻き取り収容する写真原稿収容方法において、
前記写真原稿を巻き取る際の定常状態の前記第一ローラの回転角速度が、巻き取る写真原稿の順に遅くなることを特徴とする写真原稿収容方法。』
により、第一ローラが帯状物を巻き取るに従って写真原稿の間隔が広がる傾向を、減少させることができるので、同じ写真原稿収容容器を用いてもより多くの写真原稿を収容でき、かつ、第一ローラに巻き取られた帯状物の外周が凸凹した形状になりにくく、写真原稿を傷付けたり、変形させたりすることを防げ、安定的に収容できる。
【0013】
〔請求項3の説明〕『第一ローラと、前記第一ローラに一方の端部が保持された帯状物と、前記帯状物の他方を蓄積する蓄積部と、を有する写真原稿収容容器に、前記第一ローラにより巻き取られた前記帯状物の最外周と前記第一ローラにより巻き取られる前記帯状物とにより写真原稿を挟み込んで、前記第一ローラにより前記帯状物を巻き取ることにより、前記写真原稿を複数巻き取り収容する写真原稿収容方法において、
前記写真原稿を巻き取る際の前記第一ローラによる前記帯状物の定常状態の巻取速度が、略一定であることを特徴とする写真原稿収容方法。』
により、第一ローラによる帯状物の巻取量に関係なく、第一ローラに巻き取られる写真原稿の間隔が略一定になるので、同じ写真原稿収容容器を用いてもより多くの写真原稿を収容でき、かつ、第一ローラに巻き取られた帯状物の外周が凸凹した形状になりにくく、写真原稿を傷付けたり、変形させたりすることを防げ、安定的に収容できる。
【0014】
〔請求項4の説明〕『前記帯状物の長手方向と前記第一ローラの軸方向とが垂直で、前記帯状物の幅方向と前記第一ローラの軸方向とが水平となるように、前記第一ローラが前記帯状物の一方の端部を保持するものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の写真原稿収容方法。』
により、第一ローラに巻き取られる帯状物の筍巻きを防止し、写真原稿が整然と収容される。
【0015】
〔請求項5の説明〕『前記写真原稿収容容器が、前記蓄積部が、前記帯状物の他方の端部を保持する第二ローラを有し、前記第二ローラにより巻き取ることにより前記帯状物の他方を蓄積するものであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の写真原稿収容方法。』
により、第一ローラに帯状物を巻き取る際に、蓄積部から安定的に帯状物が供給され、また、小さいスペースの蓄積部に帯状物を収容できる。
【0016】
〔請求項6の説明〕『前記写真原稿収容容器が、前記第一ローラの軸方向とその軸方向が平行になるように設けられた第三ローラを有し、
前記帯状物が前記第三ローラにより通過自在に支持されており、
前記第一ローラは、前記第三ローラとSの字状に、前記帯状物の一方を巻き取るものであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の写真原稿収容方法。』
により、より安定的に第一ローラが帯状物を巻き取ることができる。
【0017】
〔請求項7の説明〕『第一ローラと、前記第一ローラに一方の端部が保持された帯状物と、前記帯状物の他方を蓄積する蓄積部と、を有する写真原稿収容容器に、前記第一ローラにより巻き取られた前記帯状物の最外周と前記第一ローラにより巻き取られる前記帯状物とにより写真原稿を挟み込んで、前記第一ローラにより前記帯状物を巻き取ることにより、前記写真原稿を巻き取り収容させる写真原稿収容装置において、
前記写真原稿収容容器を所定位置に保持する保持手段と、
前記保持手段により保持された前記写真原稿収容容器の前記第一ローラを回転させる回転駆動手段と、を有し、
前記第一ローラに巻き取られる前記帯状物の有効長さの始めに前記第一ローラに巻き取られる側の半分を前半側帯状物と呼び、
前記第一ローラに巻き取られる前記帯状物の有効長さのその後に前記第一ローラに巻き取られる側の半分を後半側帯状物と呼ぶと、
前記回転駆動手段が、前記前半側帯状物を巻き取る際の定常状態の前記第一ローラの回転角速度の平均が、前記後半側帯状物を巻き取る際の定常状態の前記第一ローラの回転角速度の平均よりも遅くなるように、前記第一ローラを回転させることを特徴とする写真原稿収容装置。』
により、第一ローラが後半側帯状物を巻き取る際の写真原稿の間隔が広がるのを防げるので、同じ写真原稿収容容器を用いてもより多くの写真原稿を収容でき、かつ、第一ローラに巻き取られた帯状物の外周が凸凹した形状になりにくく、写真原稿を傷付けたり、変形させたりすることを防げ、安定的に収容できる。
【0018】
〔請求項8の説明〕『前記回転駆動手段の回転角速度と前記第一ローラの回転角速度とが比例関係になるように、前記回転駆動手段が前記第一ローラと連結するものであり、
前記前半側帯状物を巻き取る際の定常状態の前記回転駆動手段の回転角速度の平均が、前記後半側帯状物を巻き取る際の定常状態の前記回転駆動手段の回転角速度の平均よりも遅くすることを特徴とする請求項7に記載の写真原稿収容装置。』
により、簡単な構造の写真原稿収容装置で、簡単な制御で、後半側帯状物を巻き取る際の写真原稿の間隔が広がることを防げ、同じ写真原稿収容容器を用いてもより多くの写真原稿を収容でき、かつ、第一ローラに巻き取られた帯状物の外周が凸凹した形状になりにくく、写真原稿を傷付けたり、変形させたりすることを防げ、安定的に収容できる。
【0019】
〔請求項9の説明〕『第一ローラと、前記第一ローラに一方の端部が保持された帯状物と、前記帯状物の他方を蓄積する蓄積部と、を有する写真原稿収容容器に、前記第一ローラにより巻き取られた前記帯状物の最外周と前記第一ローラにより巻き取られる前記帯状物とにより写真原稿を挟み込んで、前記第一ローラにより前記帯状物を巻き取ることにより、前記写真原稿を複数巻き取り収容させる写真原稿収容装置において、
前記写真原稿収容容器を所定位置に保持する保持手段と、
前記保持手段により保持された前記写真原稿収容容器の前記第一ローラを回転させる回転駆動手段と、を有し、
前記回転駆動手段が、前記写真原稿を巻き取る際の定常状態の前記第一ローラの回転角速度が、巻き取る写真原稿の順に遅くなるように、前記第一ローラを回転させることを特徴とする写真原稿収容装置。』
により、第一ローラが帯状物を巻き取るに従って写真原稿の間隔が広がる傾向を、減少させることができるので、同じ写真原稿収容容器を用いてもより多くの写真原稿を収容でき、かつ、第一ローラに巻き取られた帯状物の外周が凸凹した形状になりにくく、写真原稿を傷付けたり、変形させたりすることを防げ、安定的に収容できる。
【0020】
〔請求項10の説明〕『前記回転駆動手段の回転角速度と前記第一ローラの回転角速度とが比例関係になるように、前記回転駆動手段が前記第一ローラと連結するものであり、
前記写真原稿を巻き取る際の定常状態の前記回転駆動手段の回転角速度を巻き取る写真原稿の順に遅くすることを特徴とする請求項9に記載の写真原稿収容装置。』
により、簡単な構造の写真原稿収容装置で、簡単な制御で、第一ローラが帯状物を巻き取るに従って写真原稿の間隔が広がる傾向を、減少させることができ、同じ写真原稿収容容器を用いてもより多くの写真原稿を収容でき、かつ、第一ローラに巻き取られた帯状物の外周が凸凹した形状になりにくく、写真原稿を傷付けたり、変形させたりすることを防げ、安定的に収容できる。
【0021】
〔請求項11の説明〕『第一ローラと、前記第一ローラに一方の端部が保持された帯状物と、前記帯状物の他方を蓄積する蓄積部と、を有する写真原稿収容容器に、前記第一ローラにより巻き取られた前記帯状物の最外周と前記第一ローラにより巻き取られる前記帯状物とにより写真原稿を挟み込んで、前記第一ローラにより前記帯状物を巻き取ることにより、前記写真原稿を複数巻き取り収容させる写真原稿収容装置において、
前記写真原稿収容容器を所定位置に保持する保持手段と、
前記保持手段により保持された前記写真原稿収容容器の前記第一ローラを回転させる回転駆動手段と、を有し、
前記回転駆動手段が、前記写真原稿を巻き取る際の前記第一ローラによる前記帯状物の定常状態の巻取速度が略一定になるように、前記第一ローラを回転させることを特徴とする写真原稿収容装置。』
により、第一ローラによる帯状物の巻取量に関係なく、第一ローラに巻き取られる写真原稿の間隔が略一定になるので、同じ写真原稿収容容器を用いてもより多くの写真原稿を収容でき、かつ、第一ローラに巻き取られた帯状物の外周が凸凹した形状になりにくく、写真原稿を傷付けたり、変形させたりすることを防げ、安定的に収容できる。
【0022】
〔請求項12の説明〕『前記回転駆動手段の回転角速度と前記第一ローラの回転角速度とが比例関係になるように、前記回転駆動手段が前記第一ローラと連結するものであり、
前記写真原稿を巻き取る際の定常状態の前記回転駆動手段の回転角速度を、前記第一ローラによる前記帯状物の巻取量に応じて遅くすることを特徴とする請求項11に記載の写真原稿収容装置。』
により、簡単な構造の写真原稿収容装置で、簡単な制御で、第一ローラによる帯状物の巻取量に関係なく、第一ローラに巻き取られる写真原稿の間隔が略一定にでき、同じ写真原稿収容容器を用いてもより多くの写真原稿を収容でき、かつ、第一ローラに巻き取られた帯状物の外周が凸凹した形状になりにくく、写真原稿を傷付けたり、変形させたりすることを防げ、安定的に収容できる。
【0023】
〔用語の説明〕
写真原稿は、原稿となる写真原画(駒)が記録されたものであり、透過型写真原稿と反射型写真原稿などが挙げられる。透過型写真原稿には、撮影済のハロゲン化銀写真フィルムや写真感板を現像処理して得られた写真フィルムや写真感板や、感熱昇華型プリンタで形成された写真フィルムや、画像を転写された転写受像フィルムなどが挙げられる。また、写真原稿には、複数の画像駒が記録されているものと、1つの画像駒を記録されているものとがある。そして、複数の画像駒が記録されているものには、複数の画像駒が2次元的に配列されて記録されているものと、一列に並べて記録されているものがあるが、本発明においては、一列に並べて記録されている写真原稿を収容するものであることが好ましい。
【0024】
複数の画像駒を一列に並べて記録されている写真原稿としては、135規格の写真フィルム、110規格の写真フィルム、120規格又は220規格の写真フィルム、IX240規格(APS)の写真フィルムなどをそれぞれ現像処理して得られた写真原稿が代表的なものとして挙げられる。
【0025】
また、写真原稿には、1つの写真容器(例えば、135規格のパトローネ、120規格、220規格又はIX240規格(APS)のカートリッジ)に収容されていたものから得られた1本の写真原稿である長尺状写真原稿や、この長尺状写真原稿を4駒毎や6駒毎など複数に分割して得られた短尺状写真原稿などが挙げられる。以下の実施形態で示される写真原稿収容容器は短尺状写真原稿も長尺状写真原稿も同時に1つの容器に収容できるものである。また、短尺状写真原稿も長尺状写真原稿も同時に1つの容器に収容できてもよいが、1つの容器には短尺状写真原稿のみ又は長尺状写真原稿のみを収容する方が好ましい。
【0026】
定常状態とは、過渡状態を経た後の安定な定常的になった状態のことである。例えば、定常状態の第一ローラの回転角速度とは、第一ローラの回転開始時や回転停止時などの回転角速度が不安定な過渡状態ではなく、第一ローラの回転角速度が安定した状態になったときの、第一ローラの回転角速度のことである。そして、定常状態の第一ローラの回転角速度の平均は、写真原稿を収容する毎に定常状態の第一ローラの回転角速度を計測し、計測した回転角速度を平均することにより求めることができる。また、第一ローラによる帯状物の定常状態の巻取速度とは、第一ローラの回転開始時や回転停止時などの巻取速度が不安定な過渡状態ではなく、第一ローラの回転角速度が安定した状態になったときの、第一ローラによる帯状物の巻取速度のことである。そして、この第一ローラによる帯状物の巻取速度は、第一ローラにより巻き取れる帯状物の速さを計測することにより求めることができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下に本発明に関する具体例の一例を実施形態として示すが、本発明はこれらに限定されない。また、実施形態には、用語等に対する断定的な表現があるが、本発明の好ましい例を示すもので、本発明の用語の意義や技術的範囲を限定するものではない。
【0028】
実施形態
本実施形態の写真原稿収容装置を含む写真システムの概略構成図を図1に示す。以下、図1に基づいて説明する。本実施形態の写真原稿収容装置は、写真原稿として、JIS135規格の撮影済の未現像のハロゲン化銀カラーネガ写真感光フィルム(以下、未現像フィルムと略す。)を現像処理して得られた写真フィルム(以下、写真フィルムと略す。)を写真原稿収容容器に収容する写真原稿収容装置である。この写真原稿収容容器は後述するように、長尺状写真フィルムであろうが、短尺状写真フィルムであろうが、写真フィルムを複数のオーダ分収容できる容器である。なお、本実施形態の記載から、当業者であれば、IX240(APS)規格の写真フィルムやJIS120規格やJIS220規格の写真フィルムや110規格の写真フィルムなどの他の写真フィルムに応用して実施できるであろう。
【0029】
本実施形態の写真システムは、JIS135規格のパトローネに収容されていた撮影済の長尺状の未現像フィルムを現像処理して写真原稿収容容器1に収容させる現像処理システムA,Bと、ネガシートに記入されている再プリント情報を入力し、ネガシートから短尺状写真フィルムを取り出して写真原稿収容容器1に収容させるリオーダステーションCと、これら現像処理システム又はリオーダステーションで写真フィルムを収容された写真原稿収容容器1から写真フィルムを取り出して、印画紙に焼き付け、焼き付けた印画紙を現像処理する写真フィルム利用システムD,Eと、からなる。
【0030】
現像処理システムA,Bは、JIS135規格のパトローネに収容されていた撮影済の長尺状の未現像フィルムを現像処理する自動現像機2A,2Bと、自動現像機2A,2Bで現像処理された長尺状写真フィルムFを、セット位置8にセットされた写真原稿収容容器1に収容させる写真フィルム収容装置5A,5Bとを有する。
【0031】
リオーダステーションCは、ネガシートに記入されている再プリント情報を入力し、ネガシートから短尺状写真フィルムFを取り出す再プリント受付装置3と、再プリント受付装置3で取り出された写真フィルムFを、セット位置8にセットされた写真原稿収容容器1に収容させる写真フィルム収容装置5Cとを有する。
【0032】
写真フィルム利用システムD,Eは、これら現像処理システムA,B又はリオーダステーションCで写真フィルムを収容され、セット位置8にセットされた写真原稿収容容器1から写真フィルムFを取り出す写真フィルム供給装置6D,6Eと、この写真フィルム供給装置6D,6Eから供給された写真フィルムFを用いて、印画紙に焼き付け、焼き付けた印画紙を現像処理するプリンタプロセッサ4D,4Eとを有する。
【0033】
次に、写真フィルム収容装置5A,5B,5Cと写真原稿収容容器1との概略断面図である図2に基づいて、写真フィルム収容装置5A,5B,5Cと写真原稿収容容器1について説明する。
【0034】
写真原稿収容容器1には、写真フィルム出入口19を除いて直方体の外形を有する外枠10と、外枠10の底面外側に設けられ、当該写真原稿収容容器1のID情報を記録するID記録部7を有する。そして、写真原稿収容容器1には、外枠10に回転自在に保持される、第一ローラ11と、第二ローラ12と、第三ローラ13と、第四ローラ14とが、その軸方向が全て平行に設けられている。そして、長尺状マットシート15が、一端が第一ローラ11に固定され、他端が第二ローラ12に固定され、第三ローラ13と、第四ローラ14とに掛け渡されていて、通過自在に支持されている。そして、残りの長尺状マットシート15の一方が、第一ローラ11に巻き取られている。そして、残りの長尺状マットシート15の他方が、第二ローラ12に巻き取られ蓄積されている。また、写真原稿収容容器1には、外枠10に軸が固定されている可変ガイド18が、第一ローラ11に巻き取られている長尺状マットシート15のスクロール17と第一ローラ11との間に掛け渡されている長尺状マットシート15に、図2の矢印に示すように押圧するように設けられている。
【0035】
なお、写真原稿収容容器1の長尺状マットシート15の長手方向と第一ローラ11の軸方向とが垂直で、長尺状マットシート15の幅方向と第一ローラ11の軸方向とが平行となるように、第一ローラ11に長尺状マットシート15の一方の端部が保持されている。また、長尺状マットシート15が、第一ローラ11と第三ローラ13との間でSの字状になるように掛け渡されている。
【0036】
そして、写真フィルム収容装置5A,5B,5Cには、写真フィルム搬送ローラ51、52とガイド53が設けられている。そして、写真フィルム搬送ローラ51、52とガイド53により、図2に示すように、写真フィルムFを写真原稿収容容器1の写真フィルム出入口19から、可変ガイド18に向けて搬送する。写真フィルム搬送ローラ51、52により搬送された写真フィルムFを、可変ガイド18が、第二ローラ12に巻き取られている長尺状マットシート15のスクロール17と第二ローラ12との間にS字状に掛け渡されている長尺状マットシート15に導く。そして、長尺状マットシート15を第二ローラ12が巻き取ることにより、長尺状マットシート15のスクロール17と第二ローラ12に巻き取られる長尺状マットシート15との間に、導かれた写真フィルムFを巻き取る。このようにして、写真原稿収容容器1が、写真フィルムFを送られた順に巻き取って収容する。従って、写真原稿収容容器1は、写真フィルムFを収容した順番を維持して収容することになる。
【0037】
また、写真フィルム収容装置5A,5B,5Cは、所定のセット位置8に写真原稿収容容器1をセットできる保持部を有するものである。そして、このセット位置8にセットされることにより保持部で保持された写真原稿収容容器1の第一ローラ11と連結して、第一ローラを回転させる回転駆動部材(図示せず)を有する。この回転駆動部材は、第一ローラ11のギア(図示せず)と連結する連結ギアと、連結ギアを回転駆動させる回転駆動モータとからなる。従って、この回転駆動モータの回転角速度と第一ローラ11の回転角速度とが比例関係になる。
【0038】
そして、本実施形態の第一例の写真フィルムを巻き取る際の時間に対する回転駆動モータの回転角速度(第一ローラの回転角速度はこの回転駆動モータの回転角速度に比例する。)の変化を示すグラフである図4に示すように、写真フィルムを巻き取る際の定常状態の時間T1、・・・、Tn、Tn+1、・・・Tfの回転駆動モータの回転角速度ω1、・・・、ωn、ωn+1、・・・ωfを巻き取る写真原稿の順に遅くする。これにより、写真フィルムを巻き取る際の定常状態の第一ローラ11の回転角速度が、巻き取る写真フィルムの順に遅くなる。
【0039】
そして、写真フィルムを巻き取る際の定常状態の時間T1、・・・、Tn、Tn+1、・・・Tfの回転駆動モータの回転角速度ω1、・・・、ωn、ωn+1、・・・ωfを巻き取る写真原稿の順に遅くすることにより、本実施形態の写真フィルムを巻き取る際の第一例の時間に対する長尺状マットシートの巻取速度の変化を示すグラフである図5に示すように、写真フィルムを巻き取る際の定常状態の時間T1、・・・、Tn、Tn+1、・・・Tfの長尺状マットシートの平均の巻取速度V1、・・・、Vn、Vn+1、・・・Vfの全てが、所定の最大巻取速度Vmax以下であり、所定の最小巻取速度Vmin以上となり、写真フィルムを巻き取る際の定常状態の時間T1、・・・、Tn、Tn+1、・・・Tfの長尺状マットシートの平均の巻取速度が略一定の速度となる。なお、所定の最大巻取速度Vmaxと所定の最小巻取速度Vminとは、下記の式を満たす。
【0040】
Vmin < Vmax ≦ 1.5×Vmin
そして、特に、図5に示すように、下記の式を満たすことが好ましい。
【0041】
Vmin < Vmax ≦ 1.2×Vmin
また、図4に示すように、写真フィルムを巻き取る際の各々の定常状態の時間T1、・・・、Tn、Tn+1、・・・Tfの回転駆動モータの回転角速度ω1、・・・、ωn、ωn+1、・・・ωfが一定であると、図5に示すように、写真フィルムを巻き取る際の各々の定常状態の時間T1、・・・、Tn、Tn+1、・・・Tfの長尺状マットシートの巻取速度は各々V1sからV1fへ、・・・、VnsからVnfへ、Vn+1sからVn+1fへ、・・・VfsからVffへと減少するが、これらのV1s、V1f、・・・、Vns、Vnf、Vn+1s、Vn+1f、・・・Vfs、Vffが全てが、所定の最大巻取速度Vmax以下であり、所定の最小巻取速度Vmin以上となることが好ましい。
【0042】
次に、本実施形態の写真フィルムを巻き取る際の時間に対する回転駆動モータの回転角速度(第一ローラの回転角速度はこの回転駆動モータの回転角速度に比例する。)の変化の第二例について説明する。
【0043】
本実施形態の第二例の写真フィルムを巻き取る際の時間に対する回転駆動モータの回転角速度(第一ローラの回転角速度はこの回転駆動モータの回転角速度に比例する。)の変化を示すグラフである図6に示すように、写真フィルムを巻き取る際の定常状態の時間T1、・・・、Tn、Tn+1、・・・Tfの回転駆動モータの回転角速度ω1sからω1f、・・・、ωnsからωnf、ωn+1sからωn+1f、・・・ωfsからωffをこの順に遅くする。これにより、写真フィルムを巻き取る際の定常状態の第一ローラ11の回転角速度が順に遅くなる。
【0044】
従って、写真フィルムを巻き取る際の定常状態の時間T1、・・・、Tn、Tn+1、・・・Tfの回転駆動モータの回転角速度の平均速度ω1、・・・、ωn、ωn+1、・・・ωfを巻き取る写真原稿の順に遅くする。これにより、写真フィルムを巻き取る際の定常状態の第一ローラ11の回転角速度が、巻き取る写真フィルムの順に遅くなる。
【0045】
そして、図6に示すように、写真フィルムを巻き取る際の定常状態の時間T1、・・・、Tn、Tn+1、・・・Tfの回転駆動モータの回転角速度ω1sからω1f、・・・、ωnsからωnf、ωn+1sからωn+1f、・・・ωfsからωffをこの順に遅くすることにより、本実施形態の写真フィルムを巻き取る際の第二例の時間に対する長尺状マットシートの巻取速度の変化を示すグラフである図7に示すように、写真フィルムを巻き取る際の定常状態の時間T1、・・・、Tn、Tn+1、・・・Tfの長尺状マットシートの巻取速度V1、・・・、Vn、Vn+1、・・・Vfの全てが、所定の最大巻取速度Vmax以下であり、所定の最小巻取速度Vmin以上となり、写真フィルムを巻き取る際の定常状態の時間T1、・・・、Tn、Tn+1、・・・Tfの長尺状マットシートの巻取速度V1、・・・、Vn、Vn+1、・・・Vfの全てが略一定の速度となる。なお、所定の最大巻取速度Vmaxと所定の最小巻取速度Vminとは、下記の式を満たす。
【0046】
Vmin < Vmax ≦ 1.5×Vmin
そして、特に、図7に示すように、下記の式を満たすことが好ましい。
【0047】
Vmin < Vmax ≦ 1.2×Vmin
さらに、図7に示すように、写真フィルムを巻き取る際の各々の定常状態の時間T1、・・・、Tn、Tn+1、・・・Tfの間の長尺状マットシートの巻取速度は各々V1、・・・、Vn、Vn+1、・・・Vfで一定であることが好ましい。
【0048】
以上のようにすることにより、長尺状マットシート15の前半側帯状物を巻き取る際の定常状態の回転駆動モータの回転角速度の平均が、長尺状マットシート15の後半側帯状物を巻き取る際の定常状態の回転駆動モータの回転角速度の平均よりも速くなる。従って、長尺状マットシート15の前半側帯状物を巻き取る際の定常状態の第一ローラ11の回転角速度の平均が、長尺状マットシート15の後半側帯状物を巻き取る際の定常状態の第一ローラ11の回転角速度の平均よりも速くなる。
【0049】
なお、定常状態になる前の過渡状態の速度の変化は、第一例のようにオーバーシュートがないものでも、第二例のようにオーバーシュートがあるものでもよく、いずれの場合も定常状態の速度で評価すればよい。
【0050】
また、写真フィルム収容装置5A,5B,5Cは、所定のセット位置8にセットされた写真原稿収容容器1のID記録部7に記録されているID情報を読み取るID記録部リーダ9を有する。そして、写真フィルム収容装置5A,5B,5Cが、写真原稿収容容器1を写真フィルム収容装置5A,5B,5Cのセット位置8から取り外す前に、セット位置8にセットされた写真原稿収容容器1に収容された写真フィルムFに関する写真フィルム利用情報を、各オーダ毎に、当該写真原稿収容容器1のID記録部7に記録されているID情報とともに記憶する。
【0051】
なお、この写真原稿収容容器1に収容された写真フィルムFの写真フィルム利用情報は、写真原稿収容容器1に収容された順番に記憶される。従って、写真フィルム利用システムでは、写真原稿収容容器1に収容された順番と逆の順番で写真フィルム利用情報を用いることになる。すなわち、記憶されて順番と逆の順番で写真フィルム利用情報を用いることになる。
【0052】
なお、写真フィルム利用情報は、写真フィルムをどのように用いるかを特定する情報である。そして、本実施形態では、プリンタプロセッサ4D,4Eで利用するので、写真フィルム利用情報は、どのような面質のプリントを得るのか特定するプリント面質情報、及び、どんなサイズのプリントを得るのか特定するプリントサイズ情報を1つの情報で示したプリントサイズ・面質情報と、同時プリントか再プリントかを示す同プリ・再プリ情報と、同時プリントの場合の各駒毎に何枚焼き付けるか特定するプリント枚数特定情報であるプリント枚数情報又は再プリントの場合の写真フィルムのどの駒番号の駒から何枚再プリントを得るかという焼付駒焼付枚数特定情報とが、含まれている。
【0053】
そして、写真フィルム供給装置6D,6Eは、所定のセット位置8に写真原稿収容容器1をセットできるもので、所定のセット位置8にセットされた写真原稿収容容器1のID記録部7に記録されたID情報を読み取ることができるID記録部リーダ9を有する。そして、写真フィルム供給装置6D,6Eが、写真原稿収容容器1から写真フィルムFをプリンタプロセッサ4D,4Eに供給する前に、セット位置8にセットされた写真原稿収容容器1に収容された写真フィルムFに関するID情報を読み取り、読み取ったID情報に基づいて、写真フィルム利用情報を読み出し、当該プリンタプロセッサ4D,4Eで処理できるものであるか否か判断する。そして、処理できないものの場合は、写真原稿収容容器1から写真フィルムFを取り出さず、写真原稿収容容器1を自動的に取り外す。また、処理できるものの場合は、写真原稿収容容器1から写真フィルムFを取り出す。そして、プリンタプロセッサ4D,4Eは、読み出した写真フィルム利用情報に応じて、写真原稿収容容器1から取り出した写真フィルムFから印画紙に焼き付ける。
【0054】
次に、写真フィルム供給装置6D,6Eと写真原稿収容容器1との概略断面図である図3に基づいて、写真フィルム供給装置6D,6Eについて説明する。
【0055】
写真フィルム供給装置6D,6Eには、写真フィルム搬送ローラ61、62とガイド63が設けられている。そして、長尺状マットシート15を第一ローラ11から第二ローラ12が巻き取ることにより、長尺状マットシート15のスクロール17と第一ローラ11に巻き取られる長尺状マットシート15との間から、巻き取られていた写真フィルムFが送り出される。そして、送り出された写真フィルムFが、第一ローラ11に巻き取られている長尺状マットシート15のスクロール17と第一ローラ11との間に掛け渡されている長尺状マットシート15と可変ガイド18によって、写真フィルムFを写真原稿収容容器1の写真フィルム出入口19から外に導く。写真フィルム出入口19から外に導かれた写真フィルムFは、図3に示すように、ガイド63によって又は直接写真フィルム搬送ローラ61、62に導かれる。そして、写真フィルム搬送ローラ61、62は、導かれた写真フィルムFを、プリンタプロセッサに供給する。このようにして、写真原稿収容容器1から、写真フィルムFを第二ローラ12の外側に巻き取られている写真フィルムから順に送り出す。
【0056】
また、写真フィルム供給装置6D,6Eは、所定のセット位置8に写真原稿収容容器1をセットできるもので、所定のセット位置8にセットされた写真原稿収容容器1のID記録部7に記録されたID情報を読み取りできるID記録部リーダ9を有する。そして、写真フィルム供給装置6D,6Eは、原則として、写真原稿収容容器1から写真フィルムを全て取り出すまで、セット位置8から写真原稿収容容器1を取り外すことができないように固定的に保持する。
【0057】
【発明の効果】
本発明により、帯状物を巻き取るに従って、写真原稿の間隔が広がる傾向を減少させることができ、巻き取られた帯状物の最外周が凸凹した形状になりにくく、より多くの写真原稿を安定的に収容できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態の写真システムの概略構成図。
【図2】実施形態の写真原稿収容容器と写真原稿収容装置との概略断面図。
【図3】実施形態の写真原稿収容容器と写真原稿供給装置との概略断面図。
【図4】実施形態の写真フィルムを巻き取る際の第一例の時間に対する第一ローラの回転角速度の変化を示すグラフ。
【図5】実施形態の写真フィルムを巻き取る際の第一例の時間に対する長尺状マットシートの巻取速度の変化を示すグラフ。
【図6】実施形態の写真フィルムを巻き取る際の第二例の時間に対する第一ローラの回転角速度の変化を示すグラフ。
【図7】実施形態の写真フィルムを巻き取る際の第二例の時間に対する長尺状マットシートの巻取速度の変化を示すグラフ。
【符号の説明】
F 写真フィルム(写真原稿)
1 写真原稿収容容器
2 自動現像機
3 再プリント受付装置
4 プリンタプロセッサ(写真原稿利用装置)
5 写真フィルム収容装置(写真原稿収容装置)
6 写真フィルム供給装置(写真原稿供給装置)
7 ID記録部(記憶手段)
8 セット位置
9 ID記録部リーダ(書込手段)
【発明の属する技術分野】
本発明は、写真原稿収容方法及び写真原稿収容装置に関する発明である。
【0002】
【従来の技術】
従来の写真原稿収容容器は、顧客に返却するためにカートリッジやネガシートなどに収容するものが一般的である。
【0003】
そして、写真処理業者が様々な装置の間で写真原稿を取り扱うときには、写真原稿を多数スプライスして、ロール状に巻き取って取り扱うことが、大規模ラボでは一般的であり、また、裸のまま取り扱うことが、ミニラボでは一般的であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、写真原稿を多数スプライスして、ロール状に巻き取って取り扱うのには、写真原稿を多数スプライスする工程だけでなく、スプライスされた多数の写真原稿を一本一本に分解する工程が必要であり、その分、作業量が多く、出荷までの最短時間が長くなり、また、その間、単にロール状に巻き取られているだけなので、埃や傷などが付きやすいという問題がある。また、裸のまま取り扱うと、埃や傷などが付きやすいだけでなく、多量に取り扱うと、どの写真原稿がどの注文の写真原稿か把握できなくなりやすいという問題がある。
【0005】
また、写真原稿どうしを直接接触するように収容すると、写真原稿どうしが擦れあい傷が付きやすいという写真原稿特有の問題がある。
【0006】
そこで、第一ローラと、前記第一ローラに一方の端部が保持された帯状物と、前記帯状物の他方を蓄積する蓄積部と、を有する写真原稿収容容器に、前記第一ローラにより巻き取られた前記帯状物の最外周と前記第一ローラにより巻き取られる前記帯状物とにより写真原稿を挟み込んで、前記第一ローラにより前記帯状物を巻き取ることにより、前記写真原稿を巻き取り収容することにより、写真原稿どうしが直接接触しにくく、写真原稿をスプライスする必要なく、多数の写真原稿を順に収容でき、その順が狂うことなく取り出せるようにすることを考えた。
【0007】
しかし、上述の第一ローラと、前記第一ローラに一方の端部が保持された帯状物と、前記帯状物の他方を蓄積する蓄積部と、を有する写真原稿収容容器に、前記第一ローラにより巻き取られた前記帯状物の最外周と前記第一ローラにより巻き取られる前記帯状物とにより写真原稿を挟み込んで、前記第一ローラにより前記帯状物を巻き取ることにより、前記写真原稿を巻き取り収容する場合において、単に、帯状物を巻き取る際の定常状態の前記第一ローラの回転角速度が一定の回転角速度であると、最悪、収容された写真原稿を傷付けたり、変形させたりする場合があることが判った。
【0008】
そこで、この原因を探ると、単に、帯状物を巻き取る際の定常状態の前記第一ローラの回転角速度が一定の回転角速度であると、帯状物を巻き取るに従って、写真原稿の間隔が徐々に広がって収容されるようになり、第一ローラに巻き取られた帯状物の外周が凸凹した形状になりやすく、その上に収容された写真原稿を傷付けたり、変形させたりすることが判った。
【0009】
本発明の目的は、上述の第一ローラと、前記第一ローラに一方の端部が保持された帯状物と、前記帯状物の他方を蓄積する蓄積部と、を有する写真原稿収容容器に、前記第一ローラにより巻き取られた前記帯状物の最外周と前記第一ローラにより巻き取られる前記帯状物とにより写真原稿を挟み込んで、前記第一ローラにより前記帯状物を巻き取ることにより、前記写真原稿を巻き取り収容する場合において、同じ写真原稿収容容器を用いても、写真原稿の間隔の広がりを少なくして、より多くの写真原稿を収容できるようにし、かつ、写真原稿を傷付けたり、変形させたりすることを防ぎ、安定的に収容できるようにすることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の目的は以下に示す特許請求の範囲の各請求項により達成される。以下、各請求項について説明する。但し、引用項と重複する説明は省略する。
【0011】
〔請求項1の説明〕『第一ローラと、前記第一ローラに一方の端部が保持された帯状物と、前記帯状物の他方を蓄積する蓄積部と、を有する写真原稿収容容器に、前記第一ローラにより巻き取られた前記帯状物の最外周と前記第一ローラにより巻き取られる前記帯状物とにより写真原稿を挟み込んで、前記第一ローラにより前記帯状物を巻き取ることにより、前記写真原稿を巻き取り収容する写真原稿収容方法において、
前記第一ローラに巻き取られる前記帯状物の有効長さの始めに前記第一ローラに巻き取られる側の半分を前半側帯状物と呼び、
前記第一ローラに巻き取られる前記帯状物の有効長さのその後に前記第一ローラに巻き取られる側の半分を後半側帯状物と呼ぶと、
前記前半側帯状物を巻き取る際の定常状態の前記第一ローラの回転角速度の平均が、前記後半側帯状物を巻き取る際の定常状態の前記第一ローラの回転角速度の平均よりも速いことを特徴とする写真原稿収容方法。』
により、第一ローラが後半側帯状物を巻き取る際の写真原稿の間隔が広がるのを防げるので、同じ写真原稿収容容器を用いてもより多くの写真原稿を収容でき、かつ、第一ローラに巻き取られた帯状物の外周が凸凹した形状になりにくく、写真原稿を傷付けたり、変形させたりすることを防げ、安定的に収容できる。
【0012】
〔請求項2の説明〕『第一ローラと、前記第一ローラに一方の端部が保持された帯状物と、前記帯状物の他方を蓄積する蓄積部と、を有する写真原稿収容容器に、前記第一ローラにより巻き取られた前記帯状物の最外周と前記第一ローラにより巻き取られる前記帯状物とにより写真原稿を挟み込んで、前記第一ローラにより前記帯状物を巻き取ることにより、前記写真原稿を複数巻き取り収容する写真原稿収容方法において、
前記写真原稿を巻き取る際の定常状態の前記第一ローラの回転角速度が、巻き取る写真原稿の順に遅くなることを特徴とする写真原稿収容方法。』
により、第一ローラが帯状物を巻き取るに従って写真原稿の間隔が広がる傾向を、減少させることができるので、同じ写真原稿収容容器を用いてもより多くの写真原稿を収容でき、かつ、第一ローラに巻き取られた帯状物の外周が凸凹した形状になりにくく、写真原稿を傷付けたり、変形させたりすることを防げ、安定的に収容できる。
【0013】
〔請求項3の説明〕『第一ローラと、前記第一ローラに一方の端部が保持された帯状物と、前記帯状物の他方を蓄積する蓄積部と、を有する写真原稿収容容器に、前記第一ローラにより巻き取られた前記帯状物の最外周と前記第一ローラにより巻き取られる前記帯状物とにより写真原稿を挟み込んで、前記第一ローラにより前記帯状物を巻き取ることにより、前記写真原稿を複数巻き取り収容する写真原稿収容方法において、
前記写真原稿を巻き取る際の前記第一ローラによる前記帯状物の定常状態の巻取速度が、略一定であることを特徴とする写真原稿収容方法。』
により、第一ローラによる帯状物の巻取量に関係なく、第一ローラに巻き取られる写真原稿の間隔が略一定になるので、同じ写真原稿収容容器を用いてもより多くの写真原稿を収容でき、かつ、第一ローラに巻き取られた帯状物の外周が凸凹した形状になりにくく、写真原稿を傷付けたり、変形させたりすることを防げ、安定的に収容できる。
【0014】
〔請求項4の説明〕『前記帯状物の長手方向と前記第一ローラの軸方向とが垂直で、前記帯状物の幅方向と前記第一ローラの軸方向とが水平となるように、前記第一ローラが前記帯状物の一方の端部を保持するものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の写真原稿収容方法。』
により、第一ローラに巻き取られる帯状物の筍巻きを防止し、写真原稿が整然と収容される。
【0015】
〔請求項5の説明〕『前記写真原稿収容容器が、前記蓄積部が、前記帯状物の他方の端部を保持する第二ローラを有し、前記第二ローラにより巻き取ることにより前記帯状物の他方を蓄積するものであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の写真原稿収容方法。』
により、第一ローラに帯状物を巻き取る際に、蓄積部から安定的に帯状物が供給され、また、小さいスペースの蓄積部に帯状物を収容できる。
【0016】
〔請求項6の説明〕『前記写真原稿収容容器が、前記第一ローラの軸方向とその軸方向が平行になるように設けられた第三ローラを有し、
前記帯状物が前記第三ローラにより通過自在に支持されており、
前記第一ローラは、前記第三ローラとSの字状に、前記帯状物の一方を巻き取るものであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の写真原稿収容方法。』
により、より安定的に第一ローラが帯状物を巻き取ることができる。
【0017】
〔請求項7の説明〕『第一ローラと、前記第一ローラに一方の端部が保持された帯状物と、前記帯状物の他方を蓄積する蓄積部と、を有する写真原稿収容容器に、前記第一ローラにより巻き取られた前記帯状物の最外周と前記第一ローラにより巻き取られる前記帯状物とにより写真原稿を挟み込んで、前記第一ローラにより前記帯状物を巻き取ることにより、前記写真原稿を巻き取り収容させる写真原稿収容装置において、
前記写真原稿収容容器を所定位置に保持する保持手段と、
前記保持手段により保持された前記写真原稿収容容器の前記第一ローラを回転させる回転駆動手段と、を有し、
前記第一ローラに巻き取られる前記帯状物の有効長さの始めに前記第一ローラに巻き取られる側の半分を前半側帯状物と呼び、
前記第一ローラに巻き取られる前記帯状物の有効長さのその後に前記第一ローラに巻き取られる側の半分を後半側帯状物と呼ぶと、
前記回転駆動手段が、前記前半側帯状物を巻き取る際の定常状態の前記第一ローラの回転角速度の平均が、前記後半側帯状物を巻き取る際の定常状態の前記第一ローラの回転角速度の平均よりも遅くなるように、前記第一ローラを回転させることを特徴とする写真原稿収容装置。』
により、第一ローラが後半側帯状物を巻き取る際の写真原稿の間隔が広がるのを防げるので、同じ写真原稿収容容器を用いてもより多くの写真原稿を収容でき、かつ、第一ローラに巻き取られた帯状物の外周が凸凹した形状になりにくく、写真原稿を傷付けたり、変形させたりすることを防げ、安定的に収容できる。
【0018】
〔請求項8の説明〕『前記回転駆動手段の回転角速度と前記第一ローラの回転角速度とが比例関係になるように、前記回転駆動手段が前記第一ローラと連結するものであり、
前記前半側帯状物を巻き取る際の定常状態の前記回転駆動手段の回転角速度の平均が、前記後半側帯状物を巻き取る際の定常状態の前記回転駆動手段の回転角速度の平均よりも遅くすることを特徴とする請求項7に記載の写真原稿収容装置。』
により、簡単な構造の写真原稿収容装置で、簡単な制御で、後半側帯状物を巻き取る際の写真原稿の間隔が広がることを防げ、同じ写真原稿収容容器を用いてもより多くの写真原稿を収容でき、かつ、第一ローラに巻き取られた帯状物の外周が凸凹した形状になりにくく、写真原稿を傷付けたり、変形させたりすることを防げ、安定的に収容できる。
【0019】
〔請求項9の説明〕『第一ローラと、前記第一ローラに一方の端部が保持された帯状物と、前記帯状物の他方を蓄積する蓄積部と、を有する写真原稿収容容器に、前記第一ローラにより巻き取られた前記帯状物の最外周と前記第一ローラにより巻き取られる前記帯状物とにより写真原稿を挟み込んで、前記第一ローラにより前記帯状物を巻き取ることにより、前記写真原稿を複数巻き取り収容させる写真原稿収容装置において、
前記写真原稿収容容器を所定位置に保持する保持手段と、
前記保持手段により保持された前記写真原稿収容容器の前記第一ローラを回転させる回転駆動手段と、を有し、
前記回転駆動手段が、前記写真原稿を巻き取る際の定常状態の前記第一ローラの回転角速度が、巻き取る写真原稿の順に遅くなるように、前記第一ローラを回転させることを特徴とする写真原稿収容装置。』
により、第一ローラが帯状物を巻き取るに従って写真原稿の間隔が広がる傾向を、減少させることができるので、同じ写真原稿収容容器を用いてもより多くの写真原稿を収容でき、かつ、第一ローラに巻き取られた帯状物の外周が凸凹した形状になりにくく、写真原稿を傷付けたり、変形させたりすることを防げ、安定的に収容できる。
【0020】
〔請求項10の説明〕『前記回転駆動手段の回転角速度と前記第一ローラの回転角速度とが比例関係になるように、前記回転駆動手段が前記第一ローラと連結するものであり、
前記写真原稿を巻き取る際の定常状態の前記回転駆動手段の回転角速度を巻き取る写真原稿の順に遅くすることを特徴とする請求項9に記載の写真原稿収容装置。』
により、簡単な構造の写真原稿収容装置で、簡単な制御で、第一ローラが帯状物を巻き取るに従って写真原稿の間隔が広がる傾向を、減少させることができ、同じ写真原稿収容容器を用いてもより多くの写真原稿を収容でき、かつ、第一ローラに巻き取られた帯状物の外周が凸凹した形状になりにくく、写真原稿を傷付けたり、変形させたりすることを防げ、安定的に収容できる。
【0021】
〔請求項11の説明〕『第一ローラと、前記第一ローラに一方の端部が保持された帯状物と、前記帯状物の他方を蓄積する蓄積部と、を有する写真原稿収容容器に、前記第一ローラにより巻き取られた前記帯状物の最外周と前記第一ローラにより巻き取られる前記帯状物とにより写真原稿を挟み込んで、前記第一ローラにより前記帯状物を巻き取ることにより、前記写真原稿を複数巻き取り収容させる写真原稿収容装置において、
前記写真原稿収容容器を所定位置に保持する保持手段と、
前記保持手段により保持された前記写真原稿収容容器の前記第一ローラを回転させる回転駆動手段と、を有し、
前記回転駆動手段が、前記写真原稿を巻き取る際の前記第一ローラによる前記帯状物の定常状態の巻取速度が略一定になるように、前記第一ローラを回転させることを特徴とする写真原稿収容装置。』
により、第一ローラによる帯状物の巻取量に関係なく、第一ローラに巻き取られる写真原稿の間隔が略一定になるので、同じ写真原稿収容容器を用いてもより多くの写真原稿を収容でき、かつ、第一ローラに巻き取られた帯状物の外周が凸凹した形状になりにくく、写真原稿を傷付けたり、変形させたりすることを防げ、安定的に収容できる。
【0022】
〔請求項12の説明〕『前記回転駆動手段の回転角速度と前記第一ローラの回転角速度とが比例関係になるように、前記回転駆動手段が前記第一ローラと連結するものであり、
前記写真原稿を巻き取る際の定常状態の前記回転駆動手段の回転角速度を、前記第一ローラによる前記帯状物の巻取量に応じて遅くすることを特徴とする請求項11に記載の写真原稿収容装置。』
により、簡単な構造の写真原稿収容装置で、簡単な制御で、第一ローラによる帯状物の巻取量に関係なく、第一ローラに巻き取られる写真原稿の間隔が略一定にでき、同じ写真原稿収容容器を用いてもより多くの写真原稿を収容でき、かつ、第一ローラに巻き取られた帯状物の外周が凸凹した形状になりにくく、写真原稿を傷付けたり、変形させたりすることを防げ、安定的に収容できる。
【0023】
〔用語の説明〕
写真原稿は、原稿となる写真原画(駒)が記録されたものであり、透過型写真原稿と反射型写真原稿などが挙げられる。透過型写真原稿には、撮影済のハロゲン化銀写真フィルムや写真感板を現像処理して得られた写真フィルムや写真感板や、感熱昇華型プリンタで形成された写真フィルムや、画像を転写された転写受像フィルムなどが挙げられる。また、写真原稿には、複数の画像駒が記録されているものと、1つの画像駒を記録されているものとがある。そして、複数の画像駒が記録されているものには、複数の画像駒が2次元的に配列されて記録されているものと、一列に並べて記録されているものがあるが、本発明においては、一列に並べて記録されている写真原稿を収容するものであることが好ましい。
【0024】
複数の画像駒を一列に並べて記録されている写真原稿としては、135規格の写真フィルム、110規格の写真フィルム、120規格又は220規格の写真フィルム、IX240規格(APS)の写真フィルムなどをそれぞれ現像処理して得られた写真原稿が代表的なものとして挙げられる。
【0025】
また、写真原稿には、1つの写真容器(例えば、135規格のパトローネ、120規格、220規格又はIX240規格(APS)のカートリッジ)に収容されていたものから得られた1本の写真原稿である長尺状写真原稿や、この長尺状写真原稿を4駒毎や6駒毎など複数に分割して得られた短尺状写真原稿などが挙げられる。以下の実施形態で示される写真原稿収容容器は短尺状写真原稿も長尺状写真原稿も同時に1つの容器に収容できるものである。また、短尺状写真原稿も長尺状写真原稿も同時に1つの容器に収容できてもよいが、1つの容器には短尺状写真原稿のみ又は長尺状写真原稿のみを収容する方が好ましい。
【0026】
定常状態とは、過渡状態を経た後の安定な定常的になった状態のことである。例えば、定常状態の第一ローラの回転角速度とは、第一ローラの回転開始時や回転停止時などの回転角速度が不安定な過渡状態ではなく、第一ローラの回転角速度が安定した状態になったときの、第一ローラの回転角速度のことである。そして、定常状態の第一ローラの回転角速度の平均は、写真原稿を収容する毎に定常状態の第一ローラの回転角速度を計測し、計測した回転角速度を平均することにより求めることができる。また、第一ローラによる帯状物の定常状態の巻取速度とは、第一ローラの回転開始時や回転停止時などの巻取速度が不安定な過渡状態ではなく、第一ローラの回転角速度が安定した状態になったときの、第一ローラによる帯状物の巻取速度のことである。そして、この第一ローラによる帯状物の巻取速度は、第一ローラにより巻き取れる帯状物の速さを計測することにより求めることができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下に本発明に関する具体例の一例を実施形態として示すが、本発明はこれらに限定されない。また、実施形態には、用語等に対する断定的な表現があるが、本発明の好ましい例を示すもので、本発明の用語の意義や技術的範囲を限定するものではない。
【0028】
実施形態
本実施形態の写真原稿収容装置を含む写真システムの概略構成図を図1に示す。以下、図1に基づいて説明する。本実施形態の写真原稿収容装置は、写真原稿として、JIS135規格の撮影済の未現像のハロゲン化銀カラーネガ写真感光フィルム(以下、未現像フィルムと略す。)を現像処理して得られた写真フィルム(以下、写真フィルムと略す。)を写真原稿収容容器に収容する写真原稿収容装置である。この写真原稿収容容器は後述するように、長尺状写真フィルムであろうが、短尺状写真フィルムであろうが、写真フィルムを複数のオーダ分収容できる容器である。なお、本実施形態の記載から、当業者であれば、IX240(APS)規格の写真フィルムやJIS120規格やJIS220規格の写真フィルムや110規格の写真フィルムなどの他の写真フィルムに応用して実施できるであろう。
【0029】
本実施形態の写真システムは、JIS135規格のパトローネに収容されていた撮影済の長尺状の未現像フィルムを現像処理して写真原稿収容容器1に収容させる現像処理システムA,Bと、ネガシートに記入されている再プリント情報を入力し、ネガシートから短尺状写真フィルムを取り出して写真原稿収容容器1に収容させるリオーダステーションCと、これら現像処理システム又はリオーダステーションで写真フィルムを収容された写真原稿収容容器1から写真フィルムを取り出して、印画紙に焼き付け、焼き付けた印画紙を現像処理する写真フィルム利用システムD,Eと、からなる。
【0030】
現像処理システムA,Bは、JIS135規格のパトローネに収容されていた撮影済の長尺状の未現像フィルムを現像処理する自動現像機2A,2Bと、自動現像機2A,2Bで現像処理された長尺状写真フィルムFを、セット位置8にセットされた写真原稿収容容器1に収容させる写真フィルム収容装置5A,5Bとを有する。
【0031】
リオーダステーションCは、ネガシートに記入されている再プリント情報を入力し、ネガシートから短尺状写真フィルムFを取り出す再プリント受付装置3と、再プリント受付装置3で取り出された写真フィルムFを、セット位置8にセットされた写真原稿収容容器1に収容させる写真フィルム収容装置5Cとを有する。
【0032】
写真フィルム利用システムD,Eは、これら現像処理システムA,B又はリオーダステーションCで写真フィルムを収容され、セット位置8にセットされた写真原稿収容容器1から写真フィルムFを取り出す写真フィルム供給装置6D,6Eと、この写真フィルム供給装置6D,6Eから供給された写真フィルムFを用いて、印画紙に焼き付け、焼き付けた印画紙を現像処理するプリンタプロセッサ4D,4Eとを有する。
【0033】
次に、写真フィルム収容装置5A,5B,5Cと写真原稿収容容器1との概略断面図である図2に基づいて、写真フィルム収容装置5A,5B,5Cと写真原稿収容容器1について説明する。
【0034】
写真原稿収容容器1には、写真フィルム出入口19を除いて直方体の外形を有する外枠10と、外枠10の底面外側に設けられ、当該写真原稿収容容器1のID情報を記録するID記録部7を有する。そして、写真原稿収容容器1には、外枠10に回転自在に保持される、第一ローラ11と、第二ローラ12と、第三ローラ13と、第四ローラ14とが、その軸方向が全て平行に設けられている。そして、長尺状マットシート15が、一端が第一ローラ11に固定され、他端が第二ローラ12に固定され、第三ローラ13と、第四ローラ14とに掛け渡されていて、通過自在に支持されている。そして、残りの長尺状マットシート15の一方が、第一ローラ11に巻き取られている。そして、残りの長尺状マットシート15の他方が、第二ローラ12に巻き取られ蓄積されている。また、写真原稿収容容器1には、外枠10に軸が固定されている可変ガイド18が、第一ローラ11に巻き取られている長尺状マットシート15のスクロール17と第一ローラ11との間に掛け渡されている長尺状マットシート15に、図2の矢印に示すように押圧するように設けられている。
【0035】
なお、写真原稿収容容器1の長尺状マットシート15の長手方向と第一ローラ11の軸方向とが垂直で、長尺状マットシート15の幅方向と第一ローラ11の軸方向とが平行となるように、第一ローラ11に長尺状マットシート15の一方の端部が保持されている。また、長尺状マットシート15が、第一ローラ11と第三ローラ13との間でSの字状になるように掛け渡されている。
【0036】
そして、写真フィルム収容装置5A,5B,5Cには、写真フィルム搬送ローラ51、52とガイド53が設けられている。そして、写真フィルム搬送ローラ51、52とガイド53により、図2に示すように、写真フィルムFを写真原稿収容容器1の写真フィルム出入口19から、可変ガイド18に向けて搬送する。写真フィルム搬送ローラ51、52により搬送された写真フィルムFを、可変ガイド18が、第二ローラ12に巻き取られている長尺状マットシート15のスクロール17と第二ローラ12との間にS字状に掛け渡されている長尺状マットシート15に導く。そして、長尺状マットシート15を第二ローラ12が巻き取ることにより、長尺状マットシート15のスクロール17と第二ローラ12に巻き取られる長尺状マットシート15との間に、導かれた写真フィルムFを巻き取る。このようにして、写真原稿収容容器1が、写真フィルムFを送られた順に巻き取って収容する。従って、写真原稿収容容器1は、写真フィルムFを収容した順番を維持して収容することになる。
【0037】
また、写真フィルム収容装置5A,5B,5Cは、所定のセット位置8に写真原稿収容容器1をセットできる保持部を有するものである。そして、このセット位置8にセットされることにより保持部で保持された写真原稿収容容器1の第一ローラ11と連結して、第一ローラを回転させる回転駆動部材(図示せず)を有する。この回転駆動部材は、第一ローラ11のギア(図示せず)と連結する連結ギアと、連結ギアを回転駆動させる回転駆動モータとからなる。従って、この回転駆動モータの回転角速度と第一ローラ11の回転角速度とが比例関係になる。
【0038】
そして、本実施形態の第一例の写真フィルムを巻き取る際の時間に対する回転駆動モータの回転角速度(第一ローラの回転角速度はこの回転駆動モータの回転角速度に比例する。)の変化を示すグラフである図4に示すように、写真フィルムを巻き取る際の定常状態の時間T1、・・・、Tn、Tn+1、・・・Tfの回転駆動モータの回転角速度ω1、・・・、ωn、ωn+1、・・・ωfを巻き取る写真原稿の順に遅くする。これにより、写真フィルムを巻き取る際の定常状態の第一ローラ11の回転角速度が、巻き取る写真フィルムの順に遅くなる。
【0039】
そして、写真フィルムを巻き取る際の定常状態の時間T1、・・・、Tn、Tn+1、・・・Tfの回転駆動モータの回転角速度ω1、・・・、ωn、ωn+1、・・・ωfを巻き取る写真原稿の順に遅くすることにより、本実施形態の写真フィルムを巻き取る際の第一例の時間に対する長尺状マットシートの巻取速度の変化を示すグラフである図5に示すように、写真フィルムを巻き取る際の定常状態の時間T1、・・・、Tn、Tn+1、・・・Tfの長尺状マットシートの平均の巻取速度V1、・・・、Vn、Vn+1、・・・Vfの全てが、所定の最大巻取速度Vmax以下であり、所定の最小巻取速度Vmin以上となり、写真フィルムを巻き取る際の定常状態の時間T1、・・・、Tn、Tn+1、・・・Tfの長尺状マットシートの平均の巻取速度が略一定の速度となる。なお、所定の最大巻取速度Vmaxと所定の最小巻取速度Vminとは、下記の式を満たす。
【0040】
Vmin < Vmax ≦ 1.5×Vmin
そして、特に、図5に示すように、下記の式を満たすことが好ましい。
【0041】
Vmin < Vmax ≦ 1.2×Vmin
また、図4に示すように、写真フィルムを巻き取る際の各々の定常状態の時間T1、・・・、Tn、Tn+1、・・・Tfの回転駆動モータの回転角速度ω1、・・・、ωn、ωn+1、・・・ωfが一定であると、図5に示すように、写真フィルムを巻き取る際の各々の定常状態の時間T1、・・・、Tn、Tn+1、・・・Tfの長尺状マットシートの巻取速度は各々V1sからV1fへ、・・・、VnsからVnfへ、Vn+1sからVn+1fへ、・・・VfsからVffへと減少するが、これらのV1s、V1f、・・・、Vns、Vnf、Vn+1s、Vn+1f、・・・Vfs、Vffが全てが、所定の最大巻取速度Vmax以下であり、所定の最小巻取速度Vmin以上となることが好ましい。
【0042】
次に、本実施形態の写真フィルムを巻き取る際の時間に対する回転駆動モータの回転角速度(第一ローラの回転角速度はこの回転駆動モータの回転角速度に比例する。)の変化の第二例について説明する。
【0043】
本実施形態の第二例の写真フィルムを巻き取る際の時間に対する回転駆動モータの回転角速度(第一ローラの回転角速度はこの回転駆動モータの回転角速度に比例する。)の変化を示すグラフである図6に示すように、写真フィルムを巻き取る際の定常状態の時間T1、・・・、Tn、Tn+1、・・・Tfの回転駆動モータの回転角速度ω1sからω1f、・・・、ωnsからωnf、ωn+1sからωn+1f、・・・ωfsからωffをこの順に遅くする。これにより、写真フィルムを巻き取る際の定常状態の第一ローラ11の回転角速度が順に遅くなる。
【0044】
従って、写真フィルムを巻き取る際の定常状態の時間T1、・・・、Tn、Tn+1、・・・Tfの回転駆動モータの回転角速度の平均速度ω1、・・・、ωn、ωn+1、・・・ωfを巻き取る写真原稿の順に遅くする。これにより、写真フィルムを巻き取る際の定常状態の第一ローラ11の回転角速度が、巻き取る写真フィルムの順に遅くなる。
【0045】
そして、図6に示すように、写真フィルムを巻き取る際の定常状態の時間T1、・・・、Tn、Tn+1、・・・Tfの回転駆動モータの回転角速度ω1sからω1f、・・・、ωnsからωnf、ωn+1sからωn+1f、・・・ωfsからωffをこの順に遅くすることにより、本実施形態の写真フィルムを巻き取る際の第二例の時間に対する長尺状マットシートの巻取速度の変化を示すグラフである図7に示すように、写真フィルムを巻き取る際の定常状態の時間T1、・・・、Tn、Tn+1、・・・Tfの長尺状マットシートの巻取速度V1、・・・、Vn、Vn+1、・・・Vfの全てが、所定の最大巻取速度Vmax以下であり、所定の最小巻取速度Vmin以上となり、写真フィルムを巻き取る際の定常状態の時間T1、・・・、Tn、Tn+1、・・・Tfの長尺状マットシートの巻取速度V1、・・・、Vn、Vn+1、・・・Vfの全てが略一定の速度となる。なお、所定の最大巻取速度Vmaxと所定の最小巻取速度Vminとは、下記の式を満たす。
【0046】
Vmin < Vmax ≦ 1.5×Vmin
そして、特に、図7に示すように、下記の式を満たすことが好ましい。
【0047】
Vmin < Vmax ≦ 1.2×Vmin
さらに、図7に示すように、写真フィルムを巻き取る際の各々の定常状態の時間T1、・・・、Tn、Tn+1、・・・Tfの間の長尺状マットシートの巻取速度は各々V1、・・・、Vn、Vn+1、・・・Vfで一定であることが好ましい。
【0048】
以上のようにすることにより、長尺状マットシート15の前半側帯状物を巻き取る際の定常状態の回転駆動モータの回転角速度の平均が、長尺状マットシート15の後半側帯状物を巻き取る際の定常状態の回転駆動モータの回転角速度の平均よりも速くなる。従って、長尺状マットシート15の前半側帯状物を巻き取る際の定常状態の第一ローラ11の回転角速度の平均が、長尺状マットシート15の後半側帯状物を巻き取る際の定常状態の第一ローラ11の回転角速度の平均よりも速くなる。
【0049】
なお、定常状態になる前の過渡状態の速度の変化は、第一例のようにオーバーシュートがないものでも、第二例のようにオーバーシュートがあるものでもよく、いずれの場合も定常状態の速度で評価すればよい。
【0050】
また、写真フィルム収容装置5A,5B,5Cは、所定のセット位置8にセットされた写真原稿収容容器1のID記録部7に記録されているID情報を読み取るID記録部リーダ9を有する。そして、写真フィルム収容装置5A,5B,5Cが、写真原稿収容容器1を写真フィルム収容装置5A,5B,5Cのセット位置8から取り外す前に、セット位置8にセットされた写真原稿収容容器1に収容された写真フィルムFに関する写真フィルム利用情報を、各オーダ毎に、当該写真原稿収容容器1のID記録部7に記録されているID情報とともに記憶する。
【0051】
なお、この写真原稿収容容器1に収容された写真フィルムFの写真フィルム利用情報は、写真原稿収容容器1に収容された順番に記憶される。従って、写真フィルム利用システムでは、写真原稿収容容器1に収容された順番と逆の順番で写真フィルム利用情報を用いることになる。すなわち、記憶されて順番と逆の順番で写真フィルム利用情報を用いることになる。
【0052】
なお、写真フィルム利用情報は、写真フィルムをどのように用いるかを特定する情報である。そして、本実施形態では、プリンタプロセッサ4D,4Eで利用するので、写真フィルム利用情報は、どのような面質のプリントを得るのか特定するプリント面質情報、及び、どんなサイズのプリントを得るのか特定するプリントサイズ情報を1つの情報で示したプリントサイズ・面質情報と、同時プリントか再プリントかを示す同プリ・再プリ情報と、同時プリントの場合の各駒毎に何枚焼き付けるか特定するプリント枚数特定情報であるプリント枚数情報又は再プリントの場合の写真フィルムのどの駒番号の駒から何枚再プリントを得るかという焼付駒焼付枚数特定情報とが、含まれている。
【0053】
そして、写真フィルム供給装置6D,6Eは、所定のセット位置8に写真原稿収容容器1をセットできるもので、所定のセット位置8にセットされた写真原稿収容容器1のID記録部7に記録されたID情報を読み取ることができるID記録部リーダ9を有する。そして、写真フィルム供給装置6D,6Eが、写真原稿収容容器1から写真フィルムFをプリンタプロセッサ4D,4Eに供給する前に、セット位置8にセットされた写真原稿収容容器1に収容された写真フィルムFに関するID情報を読み取り、読み取ったID情報に基づいて、写真フィルム利用情報を読み出し、当該プリンタプロセッサ4D,4Eで処理できるものであるか否か判断する。そして、処理できないものの場合は、写真原稿収容容器1から写真フィルムFを取り出さず、写真原稿収容容器1を自動的に取り外す。また、処理できるものの場合は、写真原稿収容容器1から写真フィルムFを取り出す。そして、プリンタプロセッサ4D,4Eは、読み出した写真フィルム利用情報に応じて、写真原稿収容容器1から取り出した写真フィルムFから印画紙に焼き付ける。
【0054】
次に、写真フィルム供給装置6D,6Eと写真原稿収容容器1との概略断面図である図3に基づいて、写真フィルム供給装置6D,6Eについて説明する。
【0055】
写真フィルム供給装置6D,6Eには、写真フィルム搬送ローラ61、62とガイド63が設けられている。そして、長尺状マットシート15を第一ローラ11から第二ローラ12が巻き取ることにより、長尺状マットシート15のスクロール17と第一ローラ11に巻き取られる長尺状マットシート15との間から、巻き取られていた写真フィルムFが送り出される。そして、送り出された写真フィルムFが、第一ローラ11に巻き取られている長尺状マットシート15のスクロール17と第一ローラ11との間に掛け渡されている長尺状マットシート15と可変ガイド18によって、写真フィルムFを写真原稿収容容器1の写真フィルム出入口19から外に導く。写真フィルム出入口19から外に導かれた写真フィルムFは、図3に示すように、ガイド63によって又は直接写真フィルム搬送ローラ61、62に導かれる。そして、写真フィルム搬送ローラ61、62は、導かれた写真フィルムFを、プリンタプロセッサに供給する。このようにして、写真原稿収容容器1から、写真フィルムFを第二ローラ12の外側に巻き取られている写真フィルムから順に送り出す。
【0056】
また、写真フィルム供給装置6D,6Eは、所定のセット位置8に写真原稿収容容器1をセットできるもので、所定のセット位置8にセットされた写真原稿収容容器1のID記録部7に記録されたID情報を読み取りできるID記録部リーダ9を有する。そして、写真フィルム供給装置6D,6Eは、原則として、写真原稿収容容器1から写真フィルムを全て取り出すまで、セット位置8から写真原稿収容容器1を取り外すことができないように固定的に保持する。
【0057】
【発明の効果】
本発明により、帯状物を巻き取るに従って、写真原稿の間隔が広がる傾向を減少させることができ、巻き取られた帯状物の最外周が凸凹した形状になりにくく、より多くの写真原稿を安定的に収容できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態の写真システムの概略構成図。
【図2】実施形態の写真原稿収容容器と写真原稿収容装置との概略断面図。
【図3】実施形態の写真原稿収容容器と写真原稿供給装置との概略断面図。
【図4】実施形態の写真フィルムを巻き取る際の第一例の時間に対する第一ローラの回転角速度の変化を示すグラフ。
【図5】実施形態の写真フィルムを巻き取る際の第一例の時間に対する長尺状マットシートの巻取速度の変化を示すグラフ。
【図6】実施形態の写真フィルムを巻き取る際の第二例の時間に対する第一ローラの回転角速度の変化を示すグラフ。
【図7】実施形態の写真フィルムを巻き取る際の第二例の時間に対する長尺状マットシートの巻取速度の変化を示すグラフ。
【符号の説明】
F 写真フィルム(写真原稿)
1 写真原稿収容容器
2 自動現像機
3 再プリント受付装置
4 プリンタプロセッサ(写真原稿利用装置)
5 写真フィルム収容装置(写真原稿収容装置)
6 写真フィルム供給装置(写真原稿供給装置)
7 ID記録部(記憶手段)
8 セット位置
9 ID記録部リーダ(書込手段)
Claims (12)
- 第一ローラと、前記第一ローラに一方の端部が保持された帯状物と、前記帯状物の他方を蓄積する蓄積部と、を有する写真原稿収容容器に、前記第一ローラにより巻き取られた前記帯状物の最外周と前記第一ローラにより巻き取られる前記帯状物とにより写真原稿を挟み込んで、前記第一ローラにより前記帯状物を巻き取ることにより、前記写真原稿を巻き取り収容する写真原稿収容方法において、
前記第一ローラに巻き取られる前記帯状物の有効長さの始めに前記第一ローラに巻き取られる側の半分を前半側帯状物と呼び、
前記第一ローラに巻き取られる前記帯状物の有効長さのその後に前記第一ローラに巻き取られる側の半分を後半側帯状物と呼ぶと、
前記前半側帯状物を巻き取る際の定常状態の前記第一ローラの回転角速度の平均が、前記後半側帯状物を巻き取る際の定常状態の前記第一ローラの回転角速度の平均よりも速いことを特徴とする写真原稿収容方法。 - 第一ローラと、前記第一ローラに一方の端部が保持された帯状物と、前記帯状物の他方を蓄積する蓄積部と、を有する写真原稿収容容器に、前記第一ローラにより巻き取られた前記帯状物の最外周と前記第一ローラにより巻き取られる前記帯状物とにより写真原稿を挟み込んで、前記第一ローラにより前記帯状物を巻き取ることにより、前記写真原稿を複数巻き取り収容する写真原稿収容方法において、
前記写真原稿を巻き取る際の定常状態の前記第一ローラの回転角速度が、巻き取る写真原稿の順に遅くなることを特徴とする写真原稿収容方法。 - 第一ローラと、前記第一ローラに一方の端部が保持された帯状物と、前記帯状物の他方を蓄積する蓄積部と、を有する写真原稿収容容器に、前記第一ローラにより巻き取られた前記帯状物の最外周と前記第一ローラにより巻き取られる前記帯状物とにより写真原稿を挟み込んで、前記第一ローラにより前記帯状物を巻き取ることにより、前記写真原稿を複数巻き取り収容する写真原稿収容方法において、
前記写真原稿を巻き取る際の前記第一ローラによる前記帯状物の定常状態の巻取速度が、略一定であることを特徴とする写真原稿収容方法。 - 前記帯状物の長手方向と前記第一ローラの軸方向とが垂直で、前記帯状物の幅方向と前記第一ローラの軸方向とが水平となるように、前記第一ローラが前記帯状物の一方の端部を保持するものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の写真原稿収容方法。
- 前記写真原稿収容容器が、前記蓄積部が、前記帯状物の他方の端部を保持する第二ローラを有し、前記第二ローラにより巻き取ることにより前記帯状物の他方を蓄積するものであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の写真原稿収容方法。
- 前記写真原稿収容容器が、前記第一ローラの軸方向とその軸方向が平行になるように設けられた第三ローラを有し、
前記帯状物が前記第三ローラにより通過自在に支持されており、
前記第一ローラは、前記第三ローラとSの字状に、前記帯状物の一方を巻き取るものであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の写真原稿収容方法。 - 第一ローラと、前記第一ローラに一方の端部が保持された帯状物と、前記帯状物の他方を蓄積する蓄積部と、を有する写真原稿収容容器に、前記第一ローラにより巻き取られた前記帯状物の最外周と前記第一ローラにより巻き取られる前記帯状物とにより写真原稿を挟み込んで、前記第一ローラにより前記帯状物を巻き取ることにより、前記写真原稿を巻き取り収容させる写真原稿収容装置において、
前記写真原稿収容容器を所定位置に保持する保持手段と、
前記保持手段により保持された前記写真原稿収容容器の前記第一ローラを回転させる回転駆動手段と、を有し、
前記第一ローラに巻き取られる前記帯状物の有効長さの始めに前記第一ローラに巻き取られる側の半分を前半側帯状物と呼び、
前記第一ローラに巻き取られる前記帯状物の有効長さのその後に前記第一ローラに巻き取られる側の半分を後半側帯状物と呼ぶと、
前記回転駆動手段が、前記前半側帯状物を巻き取る際の定常状態の前記第一ローラの回転角速度の平均が、前記後半側帯状物を巻き取る際の定常状態の前記第一ローラの回転角速度の平均よりも速くなるように、前記第一ローラを回転させることを特徴とする写真原稿収容装置。 - 前記回転駆動手段の回転角速度と前記第一ローラの回転角速度とが比例関係になるように、前記回転駆動手段が前記第一ローラと連結するものであり、
前記前半側帯状物を巻き取る際の定常状態の前記回転駆動手段の回転角速度の平均が、前記後半側帯状物を巻き取る際の定常状態の前記回転駆動手段の回転角速度の平均よりも速くすることを特徴とする請求項7に記載の写真原稿収容装置。 - 第一ローラと、前記第一ローラに一方の端部が保持された帯状物と、前記帯状物の他方を蓄積する蓄積部と、を有する写真原稿収容容器に、前記第一ローラにより巻き取られた前記帯状物の最外周と前記第一ローラにより巻き取られる前記帯状物とにより写真原稿を挟み込んで、前記第一ローラにより前記帯状物を巻き取ることにより、前記写真原稿を複数巻き取り収容させる写真原稿収容装置において、
前記写真原稿収容容器を所定位置に保持する保持手段と、
前記保持手段により保持された前記写真原稿収容容器の前記第一ローラを回転させる回転駆動手段と、を有し、
前記回転駆動手段が、前記写真原稿を巻き取る際の定常状態の前記第一ローラの回転角速度が、巻き取る写真原稿の順に遅くなるように、前記第一ローラを回転させることを特徴とする写真原稿収容装置。 - 前記回転駆動手段の回転角速度と前記第一ローラの回転角速度とが比例関係になるように、前記回転駆動手段が前記第一ローラと連結するものであり、
前記写真原稿を巻き取る際の定常状態の前記回転駆動手段の回転角速度を巻き取る写真原稿の順に遅くすることを特徴とする請求項9に記載の写真原稿収容装置。 - 第一ローラと、前記第一ローラに一方の端部が保持された帯状物と、前記帯状物の他方を蓄積する蓄積部と、を有する写真原稿収容容器に、前記第一ローラにより巻き取られた前記帯状物の最外周と前記第一ローラにより巻き取られる前記帯状物とにより写真原稿を挟み込んで、前記第一ローラにより前記帯状物を巻き取ることにより、前記写真原稿を複数巻き取り収容させる写真原稿収容装置において、
前記写真原稿収容容器を所定位置に保持する保持手段と、
前記保持手段により保持された前記写真原稿収容容器の前記第一ローラを回転させる回転駆動手段と、を有し、
前記回転駆動手段が、前記写真原稿を巻き取る際の前記第一ローラによる前記帯状物の定常状態の巻取速度が略一定になるように、前記第一ローラを回転させることを特徴とする写真原稿収容装置。 - 前記回転駆動手段の回転角速度と前記第一ローラの回転角速度とが比例関係になるように、前記回転駆動手段が前記第一ローラと連結するものであり、
前記写真原稿を巻き取る際の定常状態の前記回転駆動手段の回転角速度を、前記第一ローラによる前記帯状物の巻取量に応じて遅くすることを特徴とする請求項11に記載の写真原稿収容装置。
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