JP3561483B2 - 過給機のタービンハウジング - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、排気タービン駆動式の過給機のタービンハウジングに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の過給機のタービンハウジングとしては、例えば図9〜図11に示した態様のものが知られており、このタービンハウジングを備えた過給機は、その過給圧をコントロールするために車両に装着されて用いられるようになっている。図9は従来技術に係るタービンハウジングを示す正面図である。図10は従来技術に係るタービンハウジングを示す背面図である。図11は従来技術に係るタービンハウジングを示す横断面図であって、図9のA−A線断面図である。
【0003】
図9〜図11に示すように、このタービンハウジング101は、渦巻き状の排気ガス流路を形成する金属製のスクロール部102と、該スクロール部102を隙間のある状態で被包した金属製のカバー部103と、スクロール部102及びカバー部103が取着される金属製のフランジ部104,105,106とを備えている。また、タービンハウジング101の内部には、図11中に二点鎖線で示したタービンブレード107を備えたタービン108が収容されるようになっている。
【0004】
スクロール部102とタービンブレード107との間には、タービン108の性能を高めるために微小なクリアランスが設定されている。カバー部103は、2分割された部材から形成されており、それらが溶接により接合されて一体化している。スクロール部102及びカバー部103の両端部は、溶接によってフランジ部105,106に固着されている。
【0005】
また、タービンハウジング101には、スクロール部102内へ排気ガスを導入する排気ガス導入口109と、スクロール部102内の余分な排気ガスをバイパスしてウェストゲートポート113から排出するバイパス流路110と、スクロール部102内を流通した排気ガスを排出する排気ガス排出口111と、タービン108を挿通するための挿通孔112とが形成されている。
【0006】
このタービンハウジング101においては、排気ガス導入口109側のフランジ部104には図示しないエキゾーストマニホルドが接続され、排気ガス排出口111及びウェストゲートポート113側のフランジ部105には図示しないエルボが接続されるようになっている。また、挿通孔112側のフランジ部106には図示しないセンターハウジングの一端部が接続され、該センターハウジングの他端部には図示しないコンプレッサーハウジングが接続されるようになっている。従来技術に係る過給機は、タービンハウジング101、タービン108、センターハウジング、コンプレッサーハウジング、ウェストゲートバルブ等を備えている。
【0007】
そして、エキゾーストマニホルドから排気ガス導入口109を介してスクロール部102内へ導入された排気ガスにおいては、余分な排気ガスはバイパス流路110を介してウェストゲートポート113からエルボ側へ排出調整され、排出調整されなかった(スクロール部102内を流通した)排気ガスはタービンブレード107に当たってタービン108を回転(駆動)させると同時に排気ガス排出口111を介してエルボ側へ排出されるように設定されている。
【0008】
ここで、ウェストゲートポート113は、スクロール部102内における排気ガスの流量が過剰な場合(過給機の過給圧が過剰な場合)、例えば車両のエンジンの回転数が高回転域(例えば4000rpm以上)の場合には、図示しないウェストゲートバルブによって開放されるようになっており、逆に排気ガスの流量が過剰でない場合(過給機の過給圧が過剰でない場合)、例えばエンジンの回転数が低回転域(例えば4000rpm未満)の場合には、ウェストゲートバルブによって閉塞されるように設定されている。このようなウェストゲートバルブの制御により、タービン108を必要以上に回転させること等を防止して、スクロール部102内を流通する排気ガスの流量を良好な状態で保持するようにしている。つまり、タービンハウジング101を備えた過給機の過給圧を良好な状態となるようにコントロールしている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来技術に係る過給機のタービンハウジング101では、ウェストゲートバルブ等を用いて制御しなければ、スクロール部102内を流通する排気ガスの流量を良好な状態で保持することができなかった。また、タービンハウジング101にウェストゲートバルブ及びウェストゲートポート113等を設ける必要があることから、タービンハウジング101、ひいては過給機の大型化及び重量増を招いていた。更に、従来技術に係るタービンハウジング101では、例えばタービン108の回転に起因した振動音等の騒音が発生してしまうおそれがあった。
【0010】
本発明は、上述した実情に鑑みてなされたものであり、その主な目的は、ウェストゲートバルブ等を用いなくてもスクロール部内を流通する排気ガスの流量を自動的に調整することができると共に、小型化及び軽量化を図ることの可能な過給機のタービンハウジングを提供することにある。また、他の目的は、振動音等の騒音を抑制することの可能な過給機のタービンハウジングを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、渦巻き状の排気ガス流路を形成する金属製のスクロール部と、該スクロール部を隙間のある状態で被包した金属製のカバー部と、前記スクロール部及び前記カバー部が取着される金属製のフランジ部とを備え、内部にタービンが収容される過給機のタービンハウジングにおいて、前記スクロール部を第1スクロール部と第2スクロール部とに分割形成し、その分割形成した第1スクロール部及び第2スクロール部の少なくとも一方を更に半割状となるように分割形成し、その半割状に分割形成したもの同士をスライド可能な状態で組み合わせて開閉可能とすると共に、第1スクロール部と第2スクロール部とをスライド可能な状態で嵌合させるようにしたことをその要旨としている。
【0012】
上記請求項1に記載の発明によれば、排気ガスが、渦巻き状の排気ガス流路を形成する金属製のスクロール部内に流通すると、その排気ガスの熱に起因してスクロール部がその外方へ向かって熱膨張すると共に、排気ガスが、タービンハウジングの内部に収容されるタービンのタービンブレードに当たってタービンを回転(駆動)させる。
【0013】
この場合、スクロール部は、第1スクロール部と第2スクロール部とに分割形成され、しかも第1スクロール部及び第2スクロール部の少なくとも一方が更に半割状となるように分割形成されており、その半割状に分割形成されたもの同士がスライド可能な状態で組み合わされて開閉可能となると共に、第1スクロール部と第2スクロール部とがスライド可能な状態で嵌合されている。そのため、スクロール部内を流通する排気ガスによって、半割状に分割形成されたもの同士を組み合わせた部分がスライドしたり、第1スクロール部と第2スクロール部との嵌合部分がスライドしたりすることが可能である。
【0014】
すなわち、本発明における過給機のタービンハウジングは、そのスクロール部に設けられたスライド構造により、スクロール部の容量が可変可能な構造となっており、タービンハウジングのスクロール部内を流通する排気ガスの流量に対応してスクロール部の容量も変化する。この場合、排気ガスの流量が多くなるのに伴い、スクロール部の容量は増大する傾向となり、逆に排気ガスの流量が少なくなるのに伴い、スクロール部の容量は減少する傾向となる。
【0015】
特に、半割状に分割形成されたもの同士を組み合わせた部分がスライドする場合には、その組み合わせた部分が開閉可能となっているため、スクロール部内を流通する排気ガスの流量に対応して前記組み合わせた部分の閉鎖状態と開放状態との切り替えが行われるようになる。
【0016】
より詳しく説明すると、閉鎖状態〔スクロール部内を流通する排気ガスの流量が過剰でない場合、すなわち車両のエンジンの回転数が低回転域(例えば4000rpm未満)の場合〕では、スクロール部内とカバー部内との連通状態が遮断されており、開放状態〔スクロール部内を流通する排気ガスの流量が過剰な場合、すなわち車両のエンジンの回転数が高回転域(例えば4000rpm以上)の場合〕では、スクロール部内とカバー部内とが連通状態となる。
【0017】
この開放状態(連通状態)において、スクロール部内とカバー部内とが連通状態になると、スクロール部の容量に加えてカバー部の容量も活用され、排気ガスの流通する部分の容量が大幅に増大する。換言すれば、開放状態(連通状態)になることで、余分な排気ガスがスクロール部内からカバー部内へ排出されて、スクロール部内を流通する排気ガスの流量が良好な状態で保持されるようになり、タービンを必要以上に回転させることが防止される。
【0018】
以上のように、本発明における過給機のタービンハウジングのスクロール部内を流通する排気ガスの流量に対応させて、タービンハウジング内の排気ガスの流通する部分の容量を可変可能となるように設定することで、従来技術のようにウェストゲートバルブ等を用いなくても、スクロール部内を流通する排気ガスの流量が自動的に調整されて良好な状態で保持されるようになる。
【0019】
また、上述したように、スクロール部内を流通する排気ガスの流量を自動的に調整することが可能となるため、従来技術で用いたウェストゲートバルブ及びウェストゲートポート等が不要となり、タービンハウジング、ひいては過給機の小型化及び軽量化が図られる。加えて、過給機のタービンハウジングにウェストゲートポート及びウェストゲートバルブ等を設けなくても済むことで、タービンハウジングの設計自由度も増す。
【0020】
更に、金属製のスクロール部と金属製のカバー部との間には隙間が形成されていると共に、スクロール部がカバー部で被包されているため、隙間が断熱層の役割を果たすと共に、カバー部が排気ガスの温度を保持する役目を果たすようになる。そのため、排気ガスの熱が外部に伝達されにくくなり(奪われにくくなり)、排気ガスの熱エネルギーの有効利用が図られることとなる。すなわち、排気ガスの熱エネルギーを利用することにより、車両のエンジンの始動直後において、タービンハウジングの下流側に配設される触媒の活性化温度に達するまでの時間の短縮を図ることが可能となる。
【0021】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の過給機のタービンハウジングにおいて、前記第1スクロール部と前記第2スクロール部とをスライド可能な状態で嵌合させる部分のうち、少なくとも一方に拡径部又は縮径部を形成したことをその要旨としている。
【0022】
上記請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の作用に加えて、第1スクロール部及び第2スクロール部の少なくとも一方に形成された拡径部又は縮径部により、第1スクロール部と第2スクロール部とをスライド可能な状態で嵌合させる際に、その嵌合作業が簡単、かつ、確実に行われるようになる。また、拡径部又は縮径部により、第1スクロール部と第2スクロール部との嵌合部分がスライドし易くなる。
【0023】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の過給機のタービンハウジングにおいて、前記第1スクロール部及び前記第2スクロール部の少なくとも一方と前記カバー部との間に金属メッシュを介在させたことをその要旨としている。ここで、「金属メッシュ」とは、金属線を編み込んで所定形状となるように形成したものをいう。
【0024】
上記請求項3に記載の発明によれば、請求項1,請求項2に記載の発明の作用に加えて、第1スクロール部及び第2スクロール部の少なくとも一方とカバー部との間に介在された金属メッシュにより、例えばタービンの回転に起因した振動音等の騒音が吸収・緩和されて抑制される。また、金属メッシュの介在により、第1スクロール部及び第2スクロール部の少なくとも一方とカバー部との間の隙間が確実に保持される。
【0025】
請求項4に記載の発明は、渦巻き状の排気ガス流路を形成する金属製のスクロール部と、該スクロール部を隙間のある状態で被包した金属製のカバー部と、前記スクロール部及び前記カバー部が取着される金属製のフランジ部とを備え、内部にタービンが収容される過給機のタービンハウジングにおいて、前記スクロール部を半割状となるように分割形成すると共に、その半割状に分割形成したもの同士をスライド可能な状態で組み合わせて開閉可能となるようにしたことをその要旨としている。
【0026】
上記請求項4に記載の発明と上記請求項1に記載の発明との相違点は、主にスクロール部を第1スクロール部と第2スクロール部とに分割形成して両者をスライド可能な状態で嵌合させたことであるため、請求項4に記載の発明によっても請求項1に記載の発明に準じた作用が奏される。
【0027】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)
以下、本発明を具体化した第1の実施の形態を図1〜図7に基づいて説明する。図1は本実施の形態におけるタービンハウジングを示す横断面図であって、図3のB−B線断面図である。図2はスクロール部及びカバー部の一部を拡大して示す断面図であって、第2スクロール部の開放状態を示す断面図である。図3は本実施の形態におけるタービンハウジングを示す正面図である。図4は本実施の形態におけるタービンハウジングを示す縦断面図であって、図5のC−C線断面図である。図5は本実施の形態におけるタービンハウジングを示す側面図である。図6は本実施の形態におけるタービンハウジングを示す背面図である。図7は本実施の形態におけるタービンハウジングを示す側面図である。
【0028】
図1〜図7に示すように、排気タービン駆動式の過給機のタービンハウジング11は、耐熱性及び耐食性に優れた熱容量の小さなステンレス鋼にて形成されたスクロール部12と、同じくステンレス鋼にて形成されたカバー部13と、スクロール部12に外嵌されたSUSメッシュ14と、フランジ部15,16,17とを備えている。また、タービンハウジング11の内部には、図1中に二点鎖線で示したタービンブレード18を備えたタービン19が収容されるようになっている。本実施の形態において、このタービンハウジング11は、内管に相当するスクロール部12と外管に相当するカバー部13との二重管構造を有しており、スクロール部12がカバー部13によって隙間のある状態で被包されている。
【0029】
また、本実施の形態のタービンハウジング11は、3つのフランジ部15,16,17を備えており、これらのフランジ部15,16,17に対してカバー部13及びスクロール部12が溶接で接合されている。フランジ部15,16,17は、耐熱性及び耐食性に優れたステンレス鋼鋳鋼にて形成された鋳物である。
【0030】
図1,図4に示すように、排気ガス流路を形成するためのスクロール部12は、渦巻状に形成されており、第1スクロール部12aと第2スクロール部12bとに分割形成されている。また、第2スクロール部12bは、更に半割状となるように分割形成されており、半割部12cと半割部12dとを備えている。第1スクロール部12a及び第2スクロール部12bの半割部12c,12dは、スピニング成形によって所定形状にそれぞれ形成されている。
【0031】
図4に示されるように、第1スクロール部12aは、フランジ部15に対して溶接で接合されている。図1に示されるように、第2スクロール部12bを半割状に分割形成した半割部12c,12d同士をスライド可能な状態で組み合わせることにより、第2スクロール部12bが形成され、半割部12cの一端部がフランジ部17に溶接で接合されると共に、半割部12dの一端部がフランジ部16に溶接で接合されている。
【0032】
また、半割部12cの他端部と半割部12dの他端部とを組み合わせた部分はスライド可能なスライド部20となっており、このスライド部20は第2スクロール部12b内を流通する排気ガスの流量に対応して開閉可能となっている。この場合、開放状態では、図2に示すように、第2スクロール部12b内とカバー部13内とが連通状態となると共に、閉鎖状態では、図1に示すように、該連通状態が遮断された状態となる。
【0033】
より詳しく説明すると、第2スクロール部12b内とカバー部13内とが連通状態の開放状態となるのは、スクロール部12内を流通する排気ガスの流量が過剰な場合、すなわち車両のエンジンの回転数が高回転域(例えば4000rpm以上)の場合であり、前記連通状態が遮断された閉鎖状態となるのは、スクロール部12内を流通する排気ガスの流量が過剰でない場合、すなわち車両のエンジンの回転数が低回転域(例えば4000rpm未満)の場合である。このようにスクロール部12内を流通する排気ガスの流量に対応して、第2スクロール部12bのスライド部20における開放状態と閉鎖状態との切り替えが自動的に行われるように設定されている。
【0034】
図4に示すように、本実施の形態では、半割部12c,12d同士をスライド可能な状態で組み合わせた第2スクロール部12bに対して第1スクロール部12aが嵌合されている。この場合、第2スクロール部12bの端部には、若干拡径した拡径部21が形成されており、その拡径部21に第1スクロール部12aの端部が嵌合されている。この嵌合状態により、第1スクロール部12a及び第2スクロール部12bの嵌合部分は、スライド可能な状態となるように設定されている。なお、第1スクロール部12a及び第2スクロール部12bの嵌合部分がスライドした場合でも、両者が離脱することはない。
【0035】
図1,図4に示すように、本実施の形態のタービンハウジング11においては、スクロール部12に設けられたスライド構造、すなわち、第2スクロール部12bの半割部12cと半割部12dとの組み合わせ部分のスライド部20と、第1スクロール部12aの端部と第2スクロール部12bの拡径部21との嵌合部分により、スクロール部12の容量が可変可能な構造となっている。
【0036】
つまり、タービンハウジング11のスクロール部12内を流通する排気ガスによって、第2スクロール部12bの半割部12cと半割部12dとの組み合わせ部分のスライド部20がスライドしたり、第1スクロール部12aの端部と第2スクロール部12bの拡径部21との嵌合部分がスライドしたりすることにより、スクロール部12内を流通する排気ガスの流量に対応してスクロール部12の容量も変化する。
【0037】
より詳しく説明すると、スクロール部12内を流通する排気ガスの流量が多くなるのに伴い、スクロール部12の容量は増大する傾向となり、排気ガスの流量が過剰になると、図1の状態から第2スクロール部12b内とカバー部13内とが連通状態となった図2の状態へ変化して、排気ガスの流通する部分の容量が大幅に増大することとなる。また、スクロール部12内を流通する排気ガスの流量が少なくなるのに伴い、スクロール部12の容量は減少する傾向となる。
【0038】
図4に示すように、第1スクロール部12aの端部における曲率半径の小さい側には、排気ガスの一部をガイドするタング部22が舌片状に形成されており、第1スクロール部12aの端部をスピニング成形で湾曲させることによって形成されている。ここで、舌片状とは、タング部22周辺に剥離境界層が発生しない又は発生しにくい状態で、排気ガスの流れが整流可能となるような形状のことである。そして、スクロール部12内を流通する排気ガスは、スクロール部12内面及びタング部22によって良好な状態でガイドされるようになっている。
【0039】
また、第1スクロール部12aには、排気ガスを導入する排気ガス導入口23が形成されており、第2スクロール部12bには、排気ガスを排出する排気ガス排出口24が形成されている。また、第1スクロール部12aとカバー部13との間には、スクロール部12とカバー部13との間の隙間を保持するためのSUSメッシュ25が介在されている。図1に示すように、タービンハウジング11には、図中二点鎖線で示したタービン19を挿通(収容)するための挿通孔26が形成されている。
【0040】
図1〜図7に示すように、カバー部13は、第1カバー部13aと第2カバー部13bとを備えており、それぞれ半割状となるように分割形成されている。第1カバー部13aは、フランジ部17に溶接で接合されており、第2カバー部13bは、フランジ部16及び第1カバー部13aに対して溶接で接合されている。この場合、第1カバー部13aの外側から第2カバー部13bの一部、すなわちシール部27が重合された状態で溶接されており、このシール部27によりカバー部13のシール性が確保されるようになっている。
【0041】
図1に示すように、本実施の形態のタービンハウジング11において、フランジ部17には突条部28が突出形成されており、突条部28と第1カバー部13aとの合わせ面が面一となるような状態で半割部12cの一端部(スライド部20とは反対側の端部)を介して溶接されている。フランジ部17に突条部28を形成することにより、溶接時に発生する熱が溶接部の周辺部分に悪影響を及ぼすことなく、第1カバー部13a、第2スクロール部12bの半割部12c及び突条部28の溶接が良好な状態で行われることとなる。
【0042】
また、第2スクロール部12bの半割部12dの一端部側(スライド部20の反対側)には、SUSメッシュ14が外嵌されると共に、その所定位置で溶接によって固着されている。換言すれば、SUSメッシュ14は、第2カバー部13bと半割部12dとの間に介在されており、図1の上下方向の移動が規制されるようになっている。このような構造を採用することにより、第2スクロール部12bの半割部12dの熱膨張時においても、タービンブレード18と半割部12dとの間には、タービン19の性能を高めるための微小なクリアランスが保持されることとなる。
【0043】
更に、第2スクロール部12bの半割部12dには、タービン19の軸方向へ延設されたスロート部29と、該スロート部29から徐々に縮径された傾斜部30とが形成されている。半割部12dのスロート部29は第2カバー部13bとフランジ部16との間に挟持され、半割部12dの傾斜部30はSUSメッシュ14とフランジ部16との間に介在されており、その状態で第2カバー部13b、スロート部29及びフランジ部16は溶接によって固着されている。
【0044】
本実施の形態では、図1に示されるように、タービン19の軸方向と直交する方向に沿って、図中一点鎖線で示した基準面31が設定されている。この位置に基準面31を設定することにより、タービンハウジング11に対してタービン19を組み付ける場合でも、精度良く組み付けることが可能となる。
【0045】
本実施の形態のタービンハウジング11では、図示しないエキゾーストマニホルドが排気ガス導入口23側のフランジ部15に接続されるようになっている。また、挿通孔26側のフランジ部17には図示しないセンターハウジングの一端部が接続され、該センターハウジングの他端部には図示しないコンプレッサーハウジングが接続されるようになっている。更に、排気ガス排出口24側のフランジ部16には、図示しないエルボが接続されるようになっている。従って、本実施の形態に係る過給機は、タービンハウジング11、タービン19、センターハウジング、コンプレッサーハウジング等を備えている。
【0046】
そして、エキゾーストマニホルドから導入された排気ガスは、タービンハウジング11のスクロール部12内へ導入されて流通し、スクロール部12内を流通した排気ガスは、タービンブレード18に当たってタービン19を回転(駆動)させると同時に、排気ガス排出口24を介してエルボ側へ排出されるように設定されている。
【0047】
ここで、本実施の形態のタービンハウジング11は、スクロール部12内における排気ガスの流量が過剰な場合(過給機の過給圧が過剰な場合)、すなわち車両のエンジンの回転数が高回転域(例えば4000rpm以上)の場合には、スライド部20が開放状態となって第2スクロール部12b内とカバー部13内とが連通状態となり、逆に排気ガスの流量が過剰でない場合(過給機の過給圧が過剰でない場合)、すなわちエンジンの回転数が低回転域(例えば4000rpm未満)の場合には、該連通状態が遮断された状態となる。
【0048】
上記開放状態(連通状態)において、第2スクロール部12b内とカバー部13内とが連通状態になると、スクロール部12の容量に加えてカバー部13の容量も活用され、排気ガスの流通する部分の容量が大幅に増大する。換言すれば、開放状態(連通状態)になることで、余分な排気ガスを第2スクロール部12b内からカバー部13内へ排出し、スクロール部12内を流通する排気ガスの流量を良好な状態となるように保持してタービン19を必要以上に回転させることを防止している。
【0049】
以上のように、本実施の形態におけるタービンハウジング11のスクロール部12に設けられたスライド構造により、スクロール部12内を流通する排気ガスの流量に対応させて、その排気ガスの流量を良好な状態で保持するようにしている。つまり、主に第2スクロール部12bのスライド部20により、本実施の形態のタービンハウジング11を備えた過給機の過給圧を良好な状態となるようにコントロールしている。
【0050】
以上詳述した本実施の形態によれば、以下に記す効果が得られるようになる。
【0051】
・本実施の形態によれば、スクロール部12にスライド構造が設けられているため、スクロール部12内を流通する排気ガスによって、スライド部20をスライドさせたり、第1スクロール部12aの端部と第2スクロール部12bの拡径部21との嵌合部分をスライドさせたりすることができる。
【0052】
・本実施の形態では、スクロール部12内を流通する排気ガスの流量に対応させて、第2スクロール部12bのスライド部20における開放状態と閉鎖状態との切り替えを自動的に行うことができる。
【0053】
・本実施の形態によれば、スライド部20における開放状態と閉鎖状態との切り替えを自動的に行うことができるため、従来技術で用いたウェストゲートバルブ等を用いなくても、スクロール部12内を流通する排気ガスの流量を調整して良好な状態で保持することができるようになる。
【0054】
・本実施の形態によれば、スクロール部12内を流通する排気ガスの流量を調整できるため、従来技術で用いたウェストゲートバルブ及びウェストゲートポート等が不要となり、タービンハウジング11、ひいては過給機の小型化及び軽量化を図ることができる。また、構造が簡素化するため、タービンハウジング11の生産性を向上させることもできるようになる。
【0055】
・本実施の形態によれば、過給機のタービンハウジング11にウェストゲートバルブ及びウェストゲートポート等を設けなくても済むことで、タービンハウジング11の設計自由度を増大できる。
【0056】
・本実施の形態によれば、スクロール部12内を流通する排気ガスの流量が過剰な場合でも、スライド部20を自動的に開放状態にすることで、タービン19を必要以上に回転させることを防止できる。
【0057】
・本実施の形態によれば、車両のエンジンの回転域に関係なく、スクロール部12内を流通する排気ガスの流量を良好な状態で保持することができる。
【0058】
・本実施の形態によれば、スクロール部12の容量(タービンハウジング11内の排気ガスの流通する部分の容量)を可変可能な構造とすることで、車両のエンジンの全回転域でタービン効率の低下を防止できる。
【0059】
・本実施の形態では、スクロール部12とカバー部13との間に隙間を形成すると共に、スクロール部12をカバー部13で被包することとした。このため、隙間が断熱層としての役割を果たすことができると共に、カバー部13がスクロール部12内を流通する排気ガスの温度を保持する役目を果たすことができるようになる。そのため、スクロール部12内を流通する排気ガスの熱が外部に伝達されにくくなり(奪われにくくなり)、排気ガスの熱エネルギーの有効利用を図ることができる。
【0060】
・本実施の形態によれば、排気ガスの熱エネルギーを利用することにより、車両のエンジンの始動直後において、タービンハウジング11の下流側に配設される触媒の活性化温度に達するまでの時間の短縮を図ることができる。
【0061】
・本実施の形態によれば、第2スクロール部12bの端部に拡径部21を形成して、該拡径部21に対して第1スクロール部12aの端部をスライド可能な状態で嵌合させることとした。この拡径部21により、第2スクロール部12bに対して第1スクロール部12aを嵌合させる際に、簡単、かつ、確実に嵌合させることができるようになる。
【0062】
・本実施の形態によれば、拡径部21により、第1スクロール部12aと第2スクロール部12bとの嵌合部分をスライドし易くできる。
【0063】
・本実施の形態によれば、第1スクロール部12aとカバー部13との間に介在されたSUSメッシュ25により、タービン19の回転に起因した振動音等の騒音を吸収・緩和して抑制することができる。
【0064】
・本実施の形態によれば、SUSメッシュ25の介在により、第1スクロール部12aとカバー部13との間の隙間を確実に保持できる。つまり、第1スクロール部12aとカバー部13との間の断熱層を確保することができる。
【0065】
・本実施の形態によれば、第2スクロール部12bの半割部12dの一端部側と第2カバー部13bとの間に介在されたSUSメッシュ14により、タービン19の回転に起因した振動音等の騒音を吸収・緩和して抑制することができる。
【0066】
・本実施の形態によれば、SUSメッシュ14の介在により、半割部12dと第2カバー部13bとの間の隙間を確実に保持できる。つまり、半割部12dと第2カバー部13bとの間の断熱層を確保することができる。
【0067】
・本実施の形態では、図1に示されるように、タービン19の軸方向と直交する方向に沿って基準面31を設定することとした。この基準面31により、タービンハウジング11に対してタービン19を組み付ける場合でも、精度良く組み付けることができる。
【0068】
・本実施の形態では、第2スクロール部12bの半割部12dの一端部側にSUSメッシュ14を外嵌することとした。このため、スクロール部12内を高温(例えば900℃)の排気ガスが流通する際でも、SUSメッシュ14により、タービンブレード18と近設する部分の第2スクロール部12bが外方へ向かって熱膨張することが第2スクロール部12bの外側から確実に抑制できる。そのため、タービンブレード18と第2スクロール部12bとの間のクリアランスを所定間隔で確実に保持することができて、タービン性能の低下を確実に防止できるようになる。
【0069】
・本実施の形態によれば、第2スクロール部12bのスロート部29が第2カバー部13bとフランジ部16との間に挟持されているため、第2スクロール部12bのスロート部29を第2カバー部13bとフランジ部16との間の所定位置に確実に固定することができる。
【0070】
・本実施の形態によれば、フランジ部17に突条部28が形成されているため、溶接時に発生する熱が溶接部の周辺部分に悪影響を及ぼすことなく、第1カバー部13a、半割部12c及び突条部28の溶接を良好な状態で行うことができる。
【0071】
・本実施の形態によれば、フランジ部17に突出形成された突条部28により、第1カバー部及び半割部12cの溶接時における位置決めを容易に行うことができる。
【0072】
・本実施の形態では、スクロール部12にスライド構造が設けられているため、スクロール部12内を流通する排気ガスの熱に起因してスクロール部12が熱膨張する場合でも、第1スクロール部12a及び第2スクロール部12bがスライドしてその応力を分散できるため、スクロール部12に応力が集中することを防止できる。そのため、タービンハウジング11の耐久性及び信頼性の低下を防止できるようになる。
【0073】
・本実施の形態によれば、スクロール部12に対する応力集中を防止できるため、タービンハウジング11の機能を安定した状態で長期に渡って維持することができる。
【0074】
・本実施の形態によれば、スクロール部12に応力が集中することを防止できるため、スクロール部12に亀裂や破損等が発生することを防止できる。
【0075】
・本実施の形態によれば、第1スクロール部12aの端部をスピニング成形で湾曲させるだけで、該端部における曲率半径の小さい側に舌片状をなすタング部22を容易に形成することができる。
【0076】
・本実施の形態では、タング部22を舌片状となるように形成することとした。このタング部22により、スクロール部12のタング部22に剥離境界層が発生しない又は発生しにくい状態で排気ガスをガイドできるため、スクロール部12内の排気ガスの流通を良好な状態にすることができる。
【0077】
・本実施の形態によれば、第1スクロール部12a及び第2スクロール部12bの半割部12c,12dをスピニング成形で形成しているため、高精度で安価に製造することが可能となる。
【0078】
・本実施の形態のタービンハウジング11を形成する材料は、耐熱性及び耐食性に優れたステンレス製であるため、タービンハウジング11の軽量化を図ることができる。また、排気ガスの熱等の影響を受けにくく、タービンハウジング11の耐久性及び信頼性の向上も図ることができる。
【0079】
・本実施の形態によれば、タービンハウジング11が耐熱性に優れたステンレス材料にて形成されているため、エンジンの排気ガス温度を高温域に設定することができる。
【0080】
(第2の実施の形態)
次に、本発明を具体化した第2の実施の形態を図8に基づいて説明する。但し、本実施の形態の構成等においては、上述した第1の実施の形態と同等である部分については同一の符号を付してその説明を省略する。そして、以下に第1の実施の形態との相違点を中心として説明することとする。図8は第2の実施の形態におけるタービンハウジングを示す横断面図である。
【0081】
図8に示すように、本実施の形態における過給機のタービンハウジング51では、第2スクロール部12b及びフランジ部52等の構成において、上記第1の実施の形態とは異なっている。
【0082】
すなわち、本実施の形態のタービンハウジング51では、第2スクロール部12bの半割部12c,12eとカバー部13との間の全周に渡ってSUSメッシュ53が介在されると共に、半割部12eの一端部が前記第1の実施の形態における半割部12d(図1参照)の一端部よりも短く形成されてスロート部29及び傾斜部30が省略されている。この場合、SUSメッシュ53は、半割部12eの他端部を挟持するようにして半割部12eに溶接で固着されており、半割部12eの他端部がスライドするのに連動して、SUSメッシュ53も同方向へスライドするようになっている。なお、半割部12cの他端部とSUSメッシュ53とは溶接で固着されておらず、半割部12cの他端部と半割部12eの他端部に固着されたSUSメッシュ53とを組み合わせた部分はスライド可能なスライド部20となっている。
【0083】
また、本実施の形態におけるSUSメッシュ53の肉厚(図8中の上下方向の肉厚)において、半割部12eの他端部とカバー部13との間の肉厚は、半割部12cの他端部と半割部12eの他端部との間の肉厚よりも大きく設定されている。ここで、SUSメッシュ53のスライド部20側の肉厚を薄肉としたのは、スライド部20の閉鎖状態において、排気ガスがSUSメッシュ53を介してカバー部13内へ漏洩することを抑制するためである。
【0084】
更に、本実施の形態では、上記第1の実施の形態におけるSUSメッシュ14(図1参照)に代えて、前記フランジ部16を更にタービンブレード18へ向かって延設したフランジ部52が採用されている。本実施の形態のフランジ部52には、タービンブレード18に近設するシュラウド部54と、第2カバー部13bを溶接するための突条部55とが形成されている。
【0085】
加えて、突条部55と第2カバー部13bとの合わせ面が面一となるような状態で相互に溶接されている。フランジ部52に突条部55を形成することにより、溶接時に発生する熱が溶接部周辺に悪影響を及ぼすことなく、突条部55及び第2カバー部13bの溶接が良好な状態で行われることとなる。シュラウド部54とタービンブレード18との間には、タービン19の性能を高めるために微小なクリアランスが設定されている。
【0086】
本実施の形態によれば、スクロール部12内を流通する排気ガスの流量が過剰な場合(過給機の過給圧が過剰な場合)、すなわち車両のエンジンの回転数が高回転域(例えば4000rpm以上)の場合には、半割部12cの他端部と半割部12eの他端部に固着されたSUSメッシュ53とが離間してスライド部20が開放状態となり、第2スクロール部内とカバー部内とが連通状態となる。逆に、スクロール部12内を流通する排気ガスの流量が過剰でない場合(過給機の過給圧が過剰でない場合)、すなわち車両のエンジンの回転数が低回転域(4000rpm未満)の場合には、スライド部20が閉鎖状態となって図8に示された態様となる。
【0087】
従って、本実施の形態によっても、前記第1の実施の形態における作用効果に準じた作用効果を奏することができる。特に、本実施の形態では、半割部12c,12eとカバー部13との間の全周に渡って介在されたSUSメッシュ53により、タービン19の回転に起因した振動音等の騒音を吸収・緩和して抑制することができる。また、SUSメッシュ53の介在により、第2スクロール部12bとカバー部13との間の隙間を確実に保持できるようになる。
【0088】
なお、前記各実施の形態を、次のように変更して実施することもできる。
【0089】
・前記第1の実施の形態と前記第2の実施の形態とを組み合わせる構成としてもよい。例えば、前記第1の実施の形態におけるタービンハウジング11において、半割部12dの他端部にSUSメッシュを固着するようにしてもよい。
【0090】
・前記各実施の形態では、第2スクロール部12bを半割状となるように分割形成して、半割部12c,12d,12eとしたが、第1スクロール部12aを半割状となるように分割形成してもよい。つまり、第1スクロール部12aのみを半割状となるように分割形成してもよいし、第1スクロール部12a及び第2スクロール部12bの両方を半割状となるように分割形成してもよい。
【0091】
・前記各実施の形態では、スクロール部12を第1スクロール部12aと第2スクロール部12bとに分割形成したが、第1スクロール部12aと第2スクロール部12bとに分割形成せずに、渦巻状のスクロール部12を単に半割状となるように分割形成してもよい。
【0092】
・前記各実施の形態では、第2スクロール部12bの端部に拡径部21を形成したが、拡径部21を省略してもよい。また、第1スクロール部12aの端部に縮径部を形成してもよいし、拡径部21に代えて第2スクロール部12bの端部に縮径部を形成したり、第1スクロール部12aの端部に拡径部を形成したりしてもよい。
【0093】
・前記第1の実施の形態におけるSUSメッシュ14,25を省略する構成としてもよい。また、前記第2の実施の形態におけるSUSメッシュ53を省略する構成としてもよい。
【0094】
・前記各実施の形態では、フランジ部17,52に突条部28,55を形成したが、突条部28,55を省略する構成としてもよい。
【0095】
・前記各実施の形態のタービンハウジング11,51では、耐熱性及び耐食性に優れたステンレス材料を用いるようにしたが、特にステンレス材料に限定されるものではない。
【0096】
他に、特許請求の範囲の各請求項に記載されないものであって、前記実施の形態等から把握される技術的思想について、以下にその効果と共に記載する。
【0097】
(a) 請求項4に記載の過給機のタービンハウジングにおいて、前記スクロール部と前記カバー部との間に金属メッシュを介在させたことを特徴とする過給機のタービンハウジング。
【0098】
上記(a)に記載の発明によれば、請求項4に記載の発明の効果に加えて、金属メッシュにより、例えばタービンの回転に起因した振動音等の騒音を吸収・緩和して抑制することができる。また、金属メッシュの介在により、スクロール部とカバー部との間の隙間を確実の保持できる。
【0099】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、ウェストゲートバルブ等を用いなくても、スクロール部内を流通する排気ガスの流量を自動的に調整して良好な状態を保持することができる。また、スクロール部内を流通する排気ガスの流量を調整することができるため、従来技術で用いたウェストゲートバルブ及びウェストゲートポート等が不要となり、タービンハウジング、ひいては過給機の小型化及び軽量化を図ることができる。加えて、過給機のタービンハウジングにウェストゲートバルブ及びウェストゲートポート等を設けなくても済むことで、タービンハウジングの設計自由度を増大できる。また、排気ガスの熱エネルギーを有効利用できるため、車両のエンジンの始動直後において、タービンハウジングの下流側に配設される触媒の活性化温度に達するまでの時間の短縮を図ることができる。
【0100】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の効果に加えて、第1スクロール部及び第2スクロール部の少なくとも一方に形成された拡径部又は縮径部により、第1スクロール部と第2スクロール部とをスライド可能な状態で嵌合させる際に、その嵌合作業を簡単、かつ、確実に行うことができるようになる。また、拡径部又は縮径部により、第1スクロール部と第2スクロール部との嵌合部分をスライドし易くできる。
【0101】
請求項3に記載の発明によれば、請求項1,請求項2に記載の発明の効果に加えて、第1スクロール部及び第2スクロール部の少なくとも一方とカバー部との間に介在された金属メッシュにより、例えばタービンの回転に起因した振動音等の騒音を吸収・緩和して抑制することができる。また、金属メッシュの介在により、第1スクロール部及び第2スクロール部の少なくとも一方とカバー部との間の隙間を確実に保持できる。
【0102】
請求項4に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の効果に準じた効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を具体化した第1の実施の形態におけるタービンハウジングを示す横断面図であって、図3のB−B線断面図。
【図2】スクロール部及びカバー部の一部を拡大して示す断面図。
【図3】第1の実施の形態におけるタービンハウジングを示す正面図。
【図4】第1の実施の形態におけるタービンハウジングを示す縦断面図であって、図5のC−C線断面図。
【図5】第1の実施の形態におけるタービンハウジングを示す側面図。
【図6】第1の実施の形態におけるタービンハウジングを示す背面図。
【図7】第1の実施の形態におけるタービンハウジングを示す側面図。
【図8】第2の実施の形態におけるタービンハウジングを示す横断面図。
【図9】従来技術に係るタービンハウジングを示す正面図。
【図10】従来技術に係るタービンハウジングを示す背面図。
【図11】従来技術に係るタービンハウジングを示す横断面図であって、図9のA−A線断面図。
【符号の説明】
11,51 タービンハウジング
12 スクロール部
12a 第1スクロール部
12b 第2スクロール部
12c,12d,12e 半割部
13 カバー部
13a 第1カバー部
13b 第2カバー部
14,25,53 SUSメッシュ
15,16,17,52 フランジ部
18 タービンブレード
19 タービン
20 スライド部
21 拡径部

Claims (4)

  1. 渦巻き状の排気ガス流路を形成する金属製のスクロール部と、該スクロール部を隙間のある状態で被包した金属製のカバー部と、前記スクロール部及び前記カバー部が取着される金属製のフランジ部とを備え、内部にタービンが収容される過給機のタービンハウジングにおいて、
    前記スクロール部を第1スクロール部と第2スクロール部とに分割形成し、その分割形成した第1スクロール部及び第2スクロール部の少なくとも一方を更に半割状となるように分割形成し、その半割状に分割形成したもの同士をスライド可能な状態で組み合わせて開閉可能とすると共に、第1スクロール部と第2スクロール部とをスライド可能な状態で嵌合させるようにしたことを特徴とする過給機のタービンハウジング。
  2. 前記第1スクロール部と前記第2スクロール部とをスライド可能な状態で嵌合させる部分のうち、少なくとも一方に拡径部又は縮径部を形成したことを特徴とする請求項1に記載の過給機のタービンハウジング。
  3. 前記第1スクロール部及び前記第2スクロール部の少なくとも一方と前記カバー部との間に金属メッシュを介在させたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の過給機のタービンハウジング。
  4. 渦巻き状の排気ガス流路を形成する金属製のスクロール部と、該スクロール部を隙間のある状態で被包した金属製のカバー部と、前記スクロール部及び前記カバー部が取着される金属製のフランジ部とを備え、内部にタービンが収容される過給機のタービンハウジングにおいて、
    前記スクロール部を半割状となるように分割形成すると共に、その半割状に分割形成したもの同士をスライド可能な状態で組み合わせて開閉可能となるようにしたことを特徴とする過給機のタービンハウジング。
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