JP3561380B2 - 無線通信装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、無線通信技術さらには比較的広範囲にわたって無線チャンネルの使用が許可された無線通信系において全二重(同時送受話)若しくは複数チャンネル半複信(プレストーク)通信または無線中継を行う無線通信装置に関し、移動局と相互に無線通信を行う基地局同士の混信防止に適用して有効な技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
図7は一般的な無線通信システムの模式図である。移動通信システムでは、無線電話サービス等を享受できるサービスエリアは複数の無線ゾーン1A,1B,…により構成されている。各無線ゾーン1A,1B,…には、それぞれ基地局10A,10B,…が設けられている。移動局2は、一つの基地局に対して複数存在する。
【0003】
そして、サービスエリア内での無線通信用に割り当てられた周波数帯においてできるだけ多くの移動局が同時に無線チャンネルを使用することができるようにするため、複数の無線ゾーンで同一周波数のチャンネルが使用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記通信システムにあっては、同一周波数のチャンネルを複数の無線ゾーンで使用しているため、次のような不具合があった。すなわち、基地局に設立されたアンテナ高が高いため、基地局のアンテナから放射された電波は遠方まで届き易い。そのため、例えば図7に示す無線ゾーン1A,1Bのように各ゾーン間の距離が離れていても、それら無線ゾーン1A,1Bで同じチャンネルを使っている場合に、基地局10Aまたは基地局10Bから放射された電波が基地局10Bまたは基地局10Aに到達してしまい、基地局10A,10Bの間で混信が生じるという不具合である。
【0005】
なお、移動局2については、一般にアンテナ高が低いため、移動局2から放射された電波が遠方の無線ゾーンに届くことはないので、混信は生じない。
【0006】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたもので、新たな周波数帯を使わずに従来より割り当てられていた周波数帯のみを使用して、無線チャンネル数を増やすことができ、かつ複数の無線ゾーンの各基地局間で干渉が起こらないようにされた無線通信装置を得ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載した発明は、相互に接続された送信機及び送信アンテナ並びに相互に接続された受信機及び受信アンテナを具備し、全二重若しくは複数チャンネル半複信通信または無線中継を行う無線通信装置において、前記受信機は、前記送信機が送信可能な複数の送信チャンネル間のそれぞれのチャンネルセパレーションに該当する周波数帯のうちそれぞれ一部の周波数帯を受信チャンネルとして使用するように構成されているものである。
【0008】
従って、請求項1記載の発明では、基地局の送信機が送信チャンネルとして既設のチャンネルを使用し、一方、基地局の受信機は隣り合う既設のチャンネル間のチャンネルセパレーションの周波数帯を受信チャンネルとして使用する。
【0009】
請求項2に記載した発明は、請求項1記載の発明において、前記送信機が使用する送信チャンネルの周波数と前記受信機が使用する受信チャンネルの周波数との組合わせが、概ね1チャンネル以上離れるようにされているものである。
【0010】
従って、請求項2記載の発明では、送信機が使用する送信チャンネルの周波数と受信機が使用する受信チャンネルの周波数とは1チャンネル以上離れる。
【0011】
請求項3に記載した発明は、請求項1または2記載の発明において、前記送信アンテナと前記受信アンテナとが近接して配置されているとともに、前記送信機と前記送信アンテナとを結ぶ伝送路を介して前記送信機から前記送信アンテナへ伝送される送信波の一部を該伝送路から導出し、その導出された送信波に基づいて、前記送信アンテナから放射されて自らの受信アンテナに回りこんで希望波とともに受信機へ送られ得る妨害波を打ち消す打ち消し波信号を生成し、その生成された打ち消し波信号を前記受信機と前記受信アンテナとを結ぶ伝送路に供給することにより前記妨害波を相殺除去し得る妨害波除去装置を備えてなるものである。
【0012】
従って、請求項3記載の発明では、送信アンテナと受信アンテナとが近接して配置されており、妨害波除去装置が、送信機と送信アンテナとの間から送信波の一部を導出し、その導出された送信波に基づいて妨害波の打ち消し波信号を生成して受信機と受信アンテナとを結ぶ伝送路に供給することによって、送信アンテナから放射され回り込んで自局の受信アンテナを介して受信機に送られる妨害波を相殺除去する。
【0013】
請求項4に記載した発明は、請求項3記載の発明において、前記妨害波除去装置は、前記送信機と前記送信アンテナとを結ぶ伝送路から送信波の一部を分岐して導出する高周波分岐手段と、該高周波分岐手段により分岐された送信波の位相及び信号レベルのうちの少なくとも一方を調整して打ち消し波信号を生成し、その生成された打ち消し波信号を前記受信機と前記受信アンテナとを結ぶ伝送路に供給することにより、前記送信アンテナから放射されて自らの受信アンテナに捉えられて前記受信機に送られ得る妨害波を相殺除去する相殺除去手段と、該相殺除去手段により相殺済みの妨害波の信号レベルを監視するモニタ受信手段より検出された妨害波信号レベルが小さくなるように前記高周波分岐手段により分岐された送信波の位相及び振幅のうちの一方または両方を調整する信号調整手段とを備えたものである。
【0014】
従って、請求項4記載の発明では、請求項3記載の妨害波除去装置において、高周波分岐手段により、送信機と送信アンテナとの間から送信波の一部を分岐させて導出し、相殺除去手段により、導出された送信波の位相及び信号振幅のうちの少なくとも一方を調整して打ち消し波信号を生成し、その打ち消し波信号を受信機と受信アンテナとを結ぶ伝送路に供給することによって、送信アンテナから放射され回り込んで自局の受信アンテナを介して受信機に送られる妨害波を相殺除去する。また、モニタ受信手段により、相殺除去後の妨害波の信号レベルを監視して、妨害波の信号レベルが小さくなるように分岐された送信波の位相及び振幅のうちの一方または両方を調整することにより、前記妨害波を高精度に相殺除去する。
【0015】
請求項5に記載した発明は、請求項1〜4のいづれか一つに記載の発明に係る無線通信装置が、複数の無線ゾーンにわたって移動自在な移動局と各無線ゾーン毎に設定された基地局との間で送受信が行われる移動体通信システムにおける基地局に設置される送受信機であることを特徴とするものである。
【0016】
従って、請求項5記載の発明では、移動体通信システムの基地局は、送信チャンネルとして既設のチャンネルを使用し、かつ隣り合う既設のチャンネル間のチャンネルセパレーションの周波数帯を受信チャンネルとして使用するようにされた送信機及び受信機を備えており、基地局から移動局への送信は既設のチャンネルを使用し、移動局から基地局への送信は既設チャンネル間のチャンネルセパレーション中のチャンネルを使用する。また、この基地局において、送信アンテナと受信アンテナとが近接して配置されていて妨害波の影響がある場合には、妨害波除去得装置を設ける。その場合には、妨害波除去装置が、送信機と送信アンテナとの間から送信波の一部を導出し、その導出された送信波に基づいて妨害波の打ち消し波信号を生成して受信機と受信アンテナとを結ぶ伝送路に供給することによって、送信アンテナから放射され回り込んで自局の受信アンテナを介して受信機に送られる妨害波を相殺除去する。
【0017】
請求項6に記載した発明は、請求項5記載の発明において、複数の無線ゾーンで使用される同一周波数のチャンネルを、それぞれの基地局の送信機が使用する送信チャンネルに割り当てたことを特徴とするものである。
【0018】
従って、請求項6記載の発明では、複数の無線ゾーンで使用される同一周波数のチャンネルは、それぞれの基地局の送信チャンネルに割り当てられる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明に係る無線通信装置の実施の形態について図1〜図6を参照して詳細に説明する。
【0020】
本発明の特徴の一つを述べる。従来は図1の上段に示すように、同時送受話用既設チャンネルT1,T2,T3,…,R1,R2,…(T及びRはそれぞれ送信チャンネル及び受信チャンネルを表す)となっていたが、本方法では従来受信チャンネルR1,R2,…として使用されていたチャンネルを図1下段に示すように送信チャンネルTn−1,Tn,…として使用するようにした点である。また、本発明のもう一つの特徴は、図1下段に示すように、各送信チャンネルT1,T2,T3,…,Tn−1,Tn,…の隣接するチャンネル間のチャンネルセパレーションの周波数帯に新たにチャンネル(以下、インターリーブチャンネルと称する)を設け、そのインターリーブチャンネルを受信チャンネルR1,R2,…,Rn−1,Rn,…に割り当てるようにした点である。
【0021】
さらに、図1の中段に示すようにプレストーク用既設チャンネルT1,T2,T3,…,Tn−1,Tn,…では、各送信チャンネル周波数Tnに対応する受信チャンネルR1,R2,…,Rn−1,Rn,…のチャンネル周波数を図1の下段に示すようにインターリーブチャンネルを受信チャンネルR1,R2,…,Rn−1,Rn,…に割り当てるようにした点である。
【0022】
そのような構成としたことにより、送信チャンネル数が増え、かつ送信チャンネル数に対応した受信チャンネル数が確保されるので、従来より割り当てられていた周波数帯内に使用可能なチャンネル数が増える。
【0023】
なお、後者のプレストーク用既設チャンネルの例では、チャンネル数は不変であるが送受信が同時に行われるので、実質的に使用可能なチャンネル数が増えたことになる。
【0024】
インターリーブチャンネルは、例えば20KHz幅のチャンネルセパレーションに対して10KHz程度の周波数幅で設けられる。
【0025】
そして、送信チャンネル(既設チャンネル)の周波数と受信チャンネル(インターリーブチャンネル)の周波数を組み合わせる。図2には、送信チャンネルと受信チャンネルとの周波数配置の組合わせの一例が示されている。図2の例では、例えば○印を付した送信チャンネルT1と○印を付した受信チャンネルR2とを組み合わせ、△印を付した送信チャンネルT2と△印を付した受信チャンネルR3とを組み合わせ、□印を付した送信チャンネルT3と□印を付した受信チャンネルR4とを組み合わせている。
【0026】
送信チャンネルの周波数と受信チャンネルの周波数とが既設チャンネル間隔の1.5倍以上離れるような組合わせであれば、無線通信装置に使用される送受信機は狭帯域化の処理が不要となる。ただし、送信機の送信周波数及び受信機の受信周波数の設定をそれぞれ変更する必要がある。
【0027】
送信チャンネルの周波数と受信チャンネルの周波数は近接したものとなる。従って、上述した妨害波除去装置3を備える必要がある。
【0028】
図3に示すように、送信機11と送信アンテナ13とを結ぶ信号の伝送路、すなわちケーブルから送信波の一部を分岐させ、その分岐された送信波に基づいて送信電波による妨害波と逆の特性を有する打ち消し波信号を生成し、その打ち消し波信号を受信アンテナ14と受信機12とを結ぶ信号の伝送路(ケーブル)に供給することにより、受信アンテナ14から受信機12ヘ送られる妨害波信号を相殺し、妨害波の影響を除去する妨害波除去装置3を設ける。
【0029】
図4には、妨害波とそれを打ち消し得る打ち消し波の一例が模式的に示されている。打ち消し波は、妨害波のスペクトル及び位相を反転させたスペクトル及び位相を有している。従って、希望波の信号と妨害波の信号とを含む受信信号に打ち消し波信号が重畳されることによって、妨害波の信号が打ち消し波信号により相殺されて希望波の信号のみが残る。
【0030】
図5には、妨害波除去装置3の実施の形態が示されている。妨害波除去装置3は、送信機11と送信アンテナとを結ぶケーブル(以下、送信ケーブル40とする)から送信波の一部を分岐させて導出する第1方向性結合器30と、その第1方向性結合器30により導出された送信波の位相及び振幅をそれぞれ調整可能な可変位相器31及び可変減衰器32と、可変位相器31及び可変減衰器32を経て生成された打ち消し波信号を受信アンテナ14と受信機12とを結ぶケーブル(以下、受信ケーブル41とする)に供給する第2方向性結合器33とを備えている。
【0031】
この第2方向性結合器33を介して受信ケーブル41に打ち消し波信号が供給されることにより、受信ケーブル41を介して伝送される妨害波の信号に打ち消し波信号が重畳され、それによって妨害波の信号が相殺され、除去されたことになる。なお、第1方向性結合器30は高周波分岐手段としての機能を有している。また、可変位相器31、可変減衰器32及び第2方向性結合器33は相殺除去手段としての機能を有している。
【0032】
また、妨害波除去装置3は、第2方向性結合器33と受信機12との間に介設されて第2方向性結合器33から受信機12へ伝送される受信信号の一部を分岐させて導出する第3方向性結合器34と、第3方向性結合器34により導出された受信信号のレベルを監視するモニタ受信機35と、モニタ受信機35の出力信号(アナログ信号)をデジタル信号に変換するA/D(アナログ/デジタル)変換器36と、A/D変換器36の出力信号に基づいて前記可変位相器31及び可変減衰器32の各制御信号を生成する打ち消し制御マイクロプロセッサ(以下、単にマイクロプロセッサとする)37と、該マイクロプロセッサ37で生成された可変位相器31及び可変減衰器32の各制御信号をそれぞれアナログ信号に変換して可変位相器31及び可変減衰器32に供給する2つのD/A(デジタル/アナログ)変換器38,39とを有している。
【0033】
第3方向性結合器34及びモニタ受信機35は、モニタ受信手段としての機能を有し、A/D変換器36、マイクロプロセッサ37及びD/A変換器38,39は、信号調整手段としての機能をそれぞれ有している。
【0034】
ここで、第2方向性結合器33から受信機12へ伝送される受信信号は、受信アンテナ14により捉えられた希望波及び妨害波の信号に、可変位相器31及び可変減衰器32により生成された打ち消し波信号が重畳されたもの、すなわち妨害波の影響が相殺除去された信号である。従って、モニタ受信機35に供給される信号は、妨害波の影響が相殺除去された受信信号の一部である。また、その妨害波の影響が相殺除去された受信信号は殆ど減衰することなく受信機12に供給される。
【0035】
モニタ受信機35は、対数応答特性をもった対数増幅器(図示省略)を有しており、数10dB〜100dB程度の広い受信入力信号に対応してその入力信号を検波してレベル検出を行い得るようになっている。そして、モニタ受信機35は、入力する受信信号レベルに対数的に対応した直流電圧信号をA/D変換器36に出力する。
【0036】
マイクロプロセッサ37は、第3方向性結合器34、モニタ受信機35及びA/D変換器36を介して入力される妨害波の強度を検出する。そして、マイクロプロセッサ37は、入力された妨害波の信号レベルが小さくなるように、送信ケーブル40から導出された送信波の位相及び振幅を調整する調整値の演算を行う。
【0037】
マイクロプロセッサ37は、その演算の結果得られた調整値に基づいて可変位相器31及び可変減衰器32の各制御信号を生成し、出力する。すなわち、この妨害波除去装置3は、モニタ受信機35により、常時、打ち消し波信号の重畳による妨害波の影響の除去結果をモニタし、それをフィードバックして高精度に妨害波の影響を除去するようになっている。
【0038】
以上のように構成された妨害波除去装置3の作用について説明する。送信機11と送信アンテナ13との間に配置された第1方向性結合器30により送信波の一部を取り出す。そして、可変位相器31及び可変減衰器32により、その取り出された信号の位相及び振幅(信号強度)の調整を行い、打ち消し波信号を生成する。その打ち消し波信号を、第2方向性結合器33を介して受信ケーブル41に供給することによって、受信アンテナ14で捉えた妨害波(送信電波の一部)と希望波とが混合された受信信号に加算する。ここで、打ち消し波信号と妨害波の振幅、すなわち信号レベルが同ーで、かつ位相関係が逆であれば、第2方向性結合器33の出力には妨害波の影響が殆ど無くなる。
【0039】
そこで、図5に示す装置では、妨害波の揺らぎ等による除去能力の低下を防ぐために、打ち消し漏れの妨害波を含む受信信号の一部を第3方向性結合器34により抽出し、それを常時モニタ受信機34により監視し、マイクロプロセッサ37により打ち消し漏れの妨害波の影響が最小になるように可変位相器31及び可変減衰器32を自動制御してしている。それによって、この実施の形態の妨害波除去装置3では、環境条件の変化や経時変動に対して、最良の妨害波除去特性が得られる。
【0040】
ところで、図5に示す無線通信装置において、送信機11にマイク15を接続するとともに、受信機16にスピーカ16を接続し、そのスピーカ16からマイク15ヘ復調信号を直結するようにすれば、中継装置が得られる。すなわち、本発明は無線中継装置にも適用可能である。
【0041】
図6には、複数のチャンネルを使用可能な無線通信装置において、妨害波除去装置を設けた例が示されている。例えば、2つの周波数の異なる送信チャンネルTn−1,Tnを使用可能な無線通信装置の場合には、図6に示すように、第1送信機11A、第2送信機11B及び受信機12に跨って妨害波除去ユニット300を設ける。妨害波除去ユニット300内には図5に示す装置と同様に構成された2つの妨害波除去装置3A,3Bが設けられている。
【0042】
第1妨害波除去装置3Aは、第1送信機11Aと受信機12との間に設けられており、第1送信機11Aに接続された送信アンテナ13Aから放射される送信電波の回り込み波(妨害波)の影響を除去する。
【0043】
すなわち、第1妨害波除去装置3Aは、送信機11Aと送信アンテナ13Aとを結ぶ送信ケーブル40から送信波(周波数:f(Tn−1))の一部を導出し、その導出した送信波に基づいて妨害波と逆の特性を有する打ち消し波信号(周波数:f’(Tn−1))を生成し、その打ち消し波信号を受信アンテナ14と受信機12とを結ぶ受信ケーブル41に供給することにより、受信アンテナ14から受信機12ヘ送られる周波数f(Tn−1)の妨害波信号を相殺除去するようになっている。
【0044】
第2妨害波除去装置3Bは、第2送信機11Bと受信機12との間に設けられており、第2送信機11Bに接続された送信アンテナ13Bから放射される妨害波の影響を除去する。すなわち、第2妨害波除去装置3Bは、送信機11Bと送信アンテナ13Bとを結ぶ送信ケーブル40から送信波(周波数:f(Tn))の一部を導出し、その導出した送信波に基づいて妨害波と逆の特性を有する打ち消し波信号(周波数:f’(Tn))を生成し、その打ち消し波信号を受信アンテナ14と受信機12とを結ぶ受信ケーブル41に供給することにより、受信アンテナ14から受信機12ヘ送られる周波数f(Tn)の妨害波信号を相殺除去するようになっている。
【0045】
なお、第2妨害波除去装置3Bにおいて、図示省略した打ち消し制御マイクロプロセッサを上記第1妨害波除去装置3Aの打ち消し制御マイクロプロセッサ(図示省略)と共用するようにしてもよい。
【0046】
以上説明した無線通信装置の好適な実施の形態として、移動体通信システムにおける基地局に使用することが挙げられる。この場合には、複数の無線ゾーン(図7参照)において使用される同一周波数の既設チャンネルを各基地局の送信チャンネルに割り当てる。
【0047】
また、新たに設けたインターリーブチャンネルを基地局の受信チャンネルに割り当てる。移動局については、基地局と逆の周波数配置、すなわち既設チャンネルを移動局の受信チャンネルにするとともに、インターリーブチャンネルを移動局の送信チャンネルとする。
【0048】
このようにすれば、複数の基地局間において、他の無線ゾーンの基地局から送信されてきた同一チャンネルの電波は自局の送信チャンネルの周波数であり、自局の受信周波数とは異なっているので、受信機による受信処理は行なわれない。従って、複数の無線ゾーンにおいて同一周波数のチャンネルを使用することにより従来引き起こされていた混信等の受信障害は回避される。
【0049】
また、図5に示すように、基地局の無線通信装置に妨害波除去装置3を設けてもよい。そうすれば、周波数が接近したチャンネルを使用するような基地局においても多チャンネルのプレストークまたは同時送受話方式の通信を行うことができる。
【0050】
上記実施の形態によれば、既設チャンネルのうち従来受信用に使用されていたチャンネルを送信チャンネルの一部として割り当てるとともに、各既設チャンネルの間に新たにインターリーブチャンネルを設け、そのインターリーブチャンネルを受信用のチャンネルに割り当てるようにしたため、新たな周波数帯を使わずに従来より割り当てられていた周波数帯のみを使用して、全二重または複数チャンネルの半複信または中継を行う際に使用可能な無線チャンネル数を増やすことができる。
【0051】
また、送信機11と受信機12との間に妨害波除去装置3を設けたことにより、送信アンテナ13から放射され回り込んで自局の受信アンテナ14を介して受信機12に送られる妨害波を相殺除去することができるので、受信機12の感度抑圧及び送信機雑音の低減を図ることができる。
【0052】
さらに、移動体通信システムの基地局に実施した場合には、新たな周波数帯を使わずに従来より割り当てられていた周波数帯のみを使用して、無線チャンネル数すなわち移動局の数を増やすことができるとともに、複数の無線ゾーンの基地局間で受信障害が起こるのが回避される。
【0053】
さらにまた、送信アンテナ13から放射され自局の受信アンテナ14に回り込む妨害波の変調スペクトルと妨害波除去装置3により生成された打ち消し波の変調スペクトルとは同じであるため、この妨害波除去装置3は、アナログやデジタルなど変調方式に依存せず動作可能であるため、いかなる変調に対しても適用可能である。従って、本発明は、種々の通信システムに適用することができる。
【0054】
なお、本発明は上記実施形態の構成に限らず、種々設計変更可能であるのは勿論である。
【0055】
また、本発明を中継装置に適用した場合には、復調信号は音声信号(ベースバンド)に限らず、復調信号が中間周波信号あるいは高周波信号であっても中継可能であることはいうまでもない。
【0056】
【発明の効果】
以上、説明したとおり、請求項1記載の発明によれば、無線通信装置の送信機が送信チャンネルとして既設のチャンネルを使用し、一方、受信機は隣り合う既設のチャンネル間のチャンネルセパレーションの周波数帯を受信チャンネルとして使用するようになっているため、従来受信チャンネルとして使用していたチャンネルを新たに送信チャンネルとして使用することができるとともに、受信チャンネルを既設チャンネル間のチャンネルセパレーション中に確保することができるので、この無線通信装置を用いれば、新たな周波数帯を使わずに従来より割り当てられていた周波数帯のみを使用して、全二重または複数チャンネルの半複信または中継を行う際に使用可能な無線チャンネル数を増やすことができる。
【0057】
また、請求項2記載の発明によれば、無線通信装置の送信機が使用する送信チャンネルの周波数と受信機が使用する受信チャンネルの周波数とが次隣接チャンネル以上離れているため、それら送信機及び受信機は狭帯域化の処理が不要である。
【0058】
また、請求項3記載の発明によれば、送信アンテナと受信アンテナとが近接して配置されており、妨害波除去装置が、送信機と送信アンテナとの間から送信波の一部を導出し、その導出された送信波に基づいて妨害波の打ち消し波信号を生成して受信機と受信アンテナとを結ぶ伝送路に供給することによって、送信アンテナから放射され回り込んで自局の受信アンテナを介して受信機に送られる妨害波を相殺除去するようになっているため、この無線通信装置を用いれば、受信機の感度抑圧及び送信機雑音の低減を図ることができるので、送信及び受信に周波数が接近したチャンネルを利用した場合にも多チャンネル半複信若しくは全二重の通信または中継を行うことができる。
【0059】
また、請求項4記載の発明によれば、請求項3記載の妨害波除去装置において、高周波分岐手段により、送信機と送信アンテナとの間から送信波の一部を分岐させて導出し、相殺除去手段により、導出された送信波の周波数信号の位相及び信号レベルのうちの少なくとも一方を調整して打ち消し波信号を生成し、その打ち消し波信号を受信機と受信アンテナとを結ぶ伝送路に供給することによって、送信アンテナから放射され回り込んで自局の受信アンテナを介して受信機に送られる妨害波を相殺除去する。また、モニタ受信手段により、相殺除去後の妨害波の信号レベルを監視して信号調整手段により、妨害波の信号レベルが小さくなるように分岐された送信波の位相及び振幅のうちの一方または両方を調整することにより、前記妨害波を高精度に相殺除去するようになっているため、より一層高精度に受信機の感度抑圧及び送信機雑音の低減を図ることができる。
【0060】
また、請求項5記載の発明によれば、移動体通信システムの基地局は、送信チャンネルとして既設のチャンネルを使用し、かつ隣り合う既設のチャンネル間のチャンネルセパレーションの周波数帯を受信チャンネルとして使用するようにされた送信機及び受信機を備えており、基地局から移動局への送信(すなわち移動局側の受信)は既設のチャンネルを使用し、移動局から基地局への送信(すなわち基地局側の受信)は既設チャンネル間のチャンネルセパレーション中のチャンネルを使用するようになっているため、移動体通信システムにおいて、基地局が従来受信チャンネルとして使用していたチャンネルを新たに送信チャンネルとして使用することができるとともに、受信チャンネルを既設チャンネル間のチャンネルセパレーション中に確保することができるので、この無線通信装置を基地局に用いるとともに、基地局の周波数配置と逆の周波数配置の移動局を用いれば、新たな周波数帯を使わずに従来より割り当てられていた周波数帯のみを使用して、全二重または複数チャンネルの半複信または中継を行う際に使用可能な無線チャンネル数を増やすことができる。
【0061】
さらに、請求項5記載の発明によれば、基地局の送信アンテナと受信アンテナとが近接して配置されていて妨害波の影響がある場合には、妨害波除去得装置を設けるようにし、その妨害波除去装置が、送信機と送信アンテナとの間から送信波の一部を導出し、その導出された送信波に基づいて妨害波の打ち消し波信号を生成して受信機と受信アンテナとを結ぶ伝送路に供給することによって、送信アンテナから放射され回り込んで自局の受信アンテナを介して受信機に送られる妨害波を相殺除去するようになっていることにより、基地局において、受信機の感度抑圧及び送信機雑音の低減を図ることができるので、送信及び受信に周波数が接近したチャンネルを利用した場合にも多チャンネル半複信若しくは全二重の通信または中継を行うことができる。
【0062】
また、請求項6記載の発明によれば、複数の無線ゾーンで使用される同一周波数のチャンネルは、それぞれの基地局の送信チャンネルに割り当てられるため、他の無線ゾーンの基地局から送信されてきた同一チャンネルの電波は自局の送信チャンネルの周波数であり、自局の受信周波数と異なっているので、受信処理が行なわれず、従って受信障害の起こることが無い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る無線通信装置の周波数配置の一例を示す周波数配置図である。
【図2】本発明に係る無線通信装置の周波数配置の組合わせの一例を示す周波数配置図である。
【図3】本発明に係る無線通信装置の一例を示す概略図である。
【図4】本発明に係る無線通信装置において生成される打ち消し波スペクトルの一例を示すスペクトル図である。
【図5】本発明に係る無線通信装置の妨害波除去装置の一例を示すブロック図である。
【図6】本発明に係る無線通信装置において複数チャンネルを使用する装置の一例を示す概略図である。
【図7】一般的な移動体通信システムの概念を示す説明図である。
【符号の説明】
11,11A,11B 送信機
12 受信機
13,13A,13B 送信アンテナ
14 受信アンテナ
40 送信ケーブル(伝送路)
41 受信ケーブル(伝送路)
3,3A,3B 妨害波除去手段
30 方向性結合器(高周波分岐手段)
31 可変位相器(相殺除去手段)
32 可変減衰器(相殺除去手段)
33 方向性結合器(相殺除去手段)
34 方向性結合器(モニタ受信手段)
35 モニタ受信機(モニタ受信手段)
36 A/D変換器(周波数信号調整手段)
37 打ち消し制御マイクロプロセッサ(周波数信号調整手段)
38 D/A変換器(周波数信号調整手段)
39 D/A変換器(周波数信号調整手段)
Claims (6)
- 相互に接続された送信機及び送信アンテナ並びに相互に接続された受信機及び受信アンテナを具備し、全二重若しくは複数チャンネル半複信通信または無線中継を行う無線通信装置において、
前記受信機は、前記送信機が送信可能な複数の送信チャンネル間のそれぞれのチャンネルセパレーションに該当する周波数帯のうちそれぞれ一部の周波数帯を受信チャンネルとして使用するように構成されていることを特徴とする無線通信装置。 - 前記送信機が使用する送信チャンネルの周波数と前記受信機が使用する受信チャンネルの周波数との組合わせが、チャンネル間隔の概ね1.5倍以上離れるようにされていることを特徴とする請求項1に記載の無線通信装置。
- 前記送信アンテナと前記受信アンテナとが近接して配置されているとともに、前記送信機と前記送信アンテナとを結ぶ伝送路を介して前記送信機から前記送信アンテナへ伝送される送信波の一部を該伝送路から導出し、その導出された送信波に基づいて、前記送信アンテナから放射されて自らの受信アンテナに回りこんで希望波とともに受信機へ送られ得る妨害波を打ち消す打ち消し波信号を生成し、その生成された打ち消し波信号を前記受信機と前記受信アンテナとを結ぶ伝送路に供給することにより前記妨害波を相殺除去し得る妨害波除去装置を備えてなることを特徴とする請求項1または2に記載の無線通信装置。
- 前記妨害波除去装置は、
前記送信機と前記送信アンテナとを結ぶ伝送路から送信波の一部を分岐して導出する高周波分岐手段と、
該高周波分岐手段により分岐された送信波の位相及び信号レベルのうちの少なくとも一方を調整して打ち消し波信号を生成し、その生成された打ち消し波信号を前記受信機と前記受信アンテナとを結ぶ伝送路に供給することにより、前記送信アンテナから放射されて自らの受信アンテナに捉えられて前記受信機に送られ得る妨害波を相殺除去する相殺除去手段と、
該相殺除去手段により相殺済みの妨害波の信号レベルを監視するモニタ受信手段によって妨害波の変調成分及び妨害波の信号レベルが小さくなるように前記高周波分岐手段により分岐された送信波の周波数信号の位相及び振幅のうちの一方または両方を調整する信号調整手段を備えたことを特徴とする請求項3に記載の無線通信装置。 - 複数の無線ゾーンにおいて移動自在な移動局と各無線ゾーン毎に設定された基地局との間で送受信が行われる移動体通信システムにおける基地局に設置される送受信機であることを特徴とする請求項1〜4のいづれか一つに記載の無線通信装置。
- 複数の無線ゾーンで使用される同一周波数のチャンネルを、それぞれの基地局の送信機が使用する送信チャンネルに割り当てたことを特徴とする請求項5に記載の無線通信装置。
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JP25210996A JP3561380B2 (ja) | 1996-09-24 | 1996-09-24 | 無線通信装置 |
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JPH1098399A JPH1098399A (ja) | 1998-04-14 |
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GB2498561A (en) * | 2012-01-20 | 2013-07-24 | Renesas Mobile Corp | Allocating part of the frequency domain for full duplex communication and part for half duplex communication between a Node B and UEs |
-
1996
- 1996-09-24 JP JP25210996A patent/JP3561380B2/ja not_active Expired - Fee Related
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