JP4937875B2 - 無線通信装置、無線通信システムおよび無線通信方法 - Google Patents

無線通信装置、無線通信システムおよび無線通信方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4937875B2
JP4937875B2 JP2007265023A JP2007265023A JP4937875B2 JP 4937875 B2 JP4937875 B2 JP 4937875B2 JP 2007265023 A JP2007265023 A JP 2007265023A JP 2007265023 A JP2007265023 A JP 2007265023A JP 4937875 B2 JP4937875 B2 JP 4937875B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wireless communication
communication device
noise
transmission
transmission power
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2007265023A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009094907A (ja
Inventor
修司 久保田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ricoh Co Ltd filed Critical Ricoh Co Ltd
Priority to JP2007265023A priority Critical patent/JP4937875B2/ja
Publication of JP2009094907A publication Critical patent/JP2009094907A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4937875B2 publication Critical patent/JP4937875B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Small-Scale Networks (AREA)
  • Mobile Radio Communication Systems (AREA)

Description

本発明は、無線通信技術に関し、より詳細には、無線通信装置間のセキュリティ保護された通信を安全かつ容易に確立させることが可能な無線通信装置、無線通信システムおよび無線通信方法に関する。
近年、無線通信技術が発展し、遠隔的に設置されたパーソナル・コンピュータやデバイスといった装置間でのワイヤレスなデータ伝送が可能となり、さらに、大容量かつ高品質情報通信を可能にするためのブロードバンド化が進められている。このような無線通信ネットワークとしては、IEEE802.11規格の無線ローカル・エリア・ネットワーク(WLAN;Wireless Local Area Network)をはじめ、無線USB(WUSB:Certified Wireless Universal Serial Bus)やBluetoothといった無線パーソナル・エリア・ネットワーク(WPAN;Wireless Personal Area Network)など、種々の無線通信技術が提案されている。
上記種々の無線通信においては、共通に、データの機密性および完全性を確保し、通信内容の傍受や改竄を防止するために、予め事前に秘密鍵の共有を含む無線通信設定を行ない、セキュリティ保護された通信を確立可能にする必要がある。例えば無線LAN通信では、アドホック・モードまたはインフラストラクチャ・モードの選択、チャンネル、BSS−ID、WEPの設定キーの設定などが必要とされる。
しかしながら、上述の事前に行われる無線通信設定の際の操作は、一般のユーザにとってなじみが薄く、煩雑であるという問題点があった。また、無線通信装置の中には、設定操作のためのユーザ・インタフェースを備えていないデバイスもあるため、ユーザ・インタフェースを備える必要がなく、安全かつ容易に上記無線通信を設定可能な方法が望まれていた。
従来の無線通信の設定方法としては、初期設定の情報や秘密鍵の授受をケーブル接続を介して行なう有線方式や、これらの授受を、より近距離の通信距離スケールを有した近距離通信によりアウト・バンドで行なってセキュリティを確保する方式などによるものが提案されている。例えば、特開2002−359623号公報(特許文献1)は、無線通信が可能な第1通信部と該第1通信部と異なる第2通信部とを有する第1通信機器と第2通信機器が、それぞれの第2通信部を互いに接続する接続段階と、第1通信機器が第1通信部を利用して実行することが可能な通信形態に関する案内情報を、第2通信部を用いて第2通信機器に送信し、第2通信機器が案内情報を第2通信部を用いて受信する案内情報通信段階と、第2通信機器が、第1通信機器と第2通信機器が各々の前記第1通信部を利用して通信を行うための通信パラメータを、上記案内情報を用いて決定する通信パラメータ決定段階と、を備えることを特徴とする通信パラメータ設定方法を開示する。また、特許文献1は、上記第2通信部として、有線通信部または赤外線通信部を用いることができることを開示する。
その他、無線通信設定を行なう方法として、例えば、特開2004−80755号公報(特許文献2)は、無線電子装置を無線LANへ接続するように設定する、電子装置のネットワーク接続方法であって、無線電子装置から制御装置へ、制限されたアクセスを介して、無線LANへ接続される要求を含む、設定要求を送信するステップと、無線装置で、制御装置から、無線装置を無線LANに接続するために必要なネットワーク情報を含む、データパッケージを受信するステップと、無線LANのアクセス点へ最大アクセス無線接続を確立するために、無線装置で、ネットワーク情報を使用するステップとを有するネットワーク接続方法を開示し、上記設定要求を送信するステップにおいて、無線装置の最大の通信範囲よりも小さい予め定められた通信範囲に対応する低電力出力で、制御装置へ、無線設定要求を送信することを開示する。
特開2002−359623号公報 特開2004− 80755号公報
しかしながら、上記特許文献1に開示される従来技術では、無線通信の設定を行なうための有線通信部または赤外線通信部を、第1無線通信とは別に設ける必要があり、無線通信装置のコストアップとなるという問題点があった。赤外線通信部を設ける場合には、赤外通信の範囲外に情報が漏洩することは防がれるものの、依然としてその範囲内では、情報が漏洩してしまう可能性を有している。
また、上記特許文献2に開示される従来技術では、送信電力制御において課題が残されていた。具体的には、送信電力を抑える方法としては、BaseBandの送出電力を抑える方法、パワーアンプ出力電力を抑える方法や、アンテナ送出電力を抑える方法などがある。しかしながら、上記BaseBandの送出電力を抑える方法では、送出電力を抑えるとキャリア漏洩電力が規格値を満たさなくなるため、充分に送出電力を抑えることができないという問題点があった。また上記パワーアンプ出力電力を抑える方法では、通常パワーアンプは、固定ゲインのデバイスを用いるため、これらを切り換える制御機構を設けることが必要となり、またパワーアンプの増幅率が高々10dB〜20dB程度であるため、充分に送出電力を抑えることができないという問題点があった。また上記アンテナ送出電力を抑えるためには、通常のデータ通信で使用するアンテナと、設定用通信で使用するアンテナとを個別に用意し、またこれらを切り換える制御機構を設けることが必要となる。
また、送信電力を抑えて通信範囲を制限することにより、情報漏洩の可能性のある範囲を狭めることができるものの、この制限される通信範囲は、その装置の電力制御レベルに依存するため、充分に通信範囲を狭めることができない場合があるという点で不充分なものであった。加えて、依然として、通信範囲内にいる悪意の第3者には、情報が漏洩してしまう可能性が残されるという点で問題があった。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、別途通信部を設けることなく、また制御機構を複雑化することなく、セキュリティ保護された通信を確立可能にするための通信設定情報といったセキュリティ保護すべき情報を、インバンドで安全に送受信することを可能とし、もって無線通信装置間のセキュリティ保護された通信を、安全かつ容易に確立することが可能な無線通信装置、無線通信システムおよび通信方法を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するために、受信側の無線通信装置において、ノイズ信号を生成して、生成されたノイズ信号に従って第1アンテナからノイズを含む無線電波を送信出力するとともに、少なくともノイズを含む無線電波が送信出力されている間、第2アンテナにより外部からの無線電波を受信し、第2アンテナを介して入力された信号から、上記生成されたノイズ信号を参照して該ノイズ信号に起因するノイズ成分を除去し、ノイズ成分が除去された信号を復調し受信データを得るとの構成を採用する。
上記構成により、送信側の無線通信装置から送信されたデータは、受信側の無線通信装置により送信出力されたノイズを含む電波により妨害され、他の不特定の無線通信装置によって受信されることが好適に防止される。一方、ノイズを含む電波を送信出力している受信側の無線通信装置では、ノイズを含む電波の元となるノイズ信号を用いたノイズ除去により、無線通信装置から送信されたデータを受信可能であり、セキュリティ保護された通信が確立可能となる前であっても、セキュリティ保護すべきデータの安全な伝送が可能となる。これにより、無線通信装置間のセキュリティ保護された通信を、安全かつ容易に確立することが可能となる。
すなわち本発明によれば、外部無線通信装置と無線電波を利用して通信する無線通信装置であって、前記無線通信装置は、
ノイズ信号を生成するノイズ生成部と、
生成された前記ノイズ信号に従って、ノイズを含む無線電波を送信出力する第1アンテナと、
少なくとも前記ノイズを含む無線電波が送信出力されている間、外部からの無線電波を受信する第2アンテナと、
前記第2アンテナを介して入力された信号から、前記ノイズ信号を参照して該ノイズ信号に起因するノイズ成分を除去するノイズ除去部と、
前記ノイズ成分が除去された信号を復調し、受信データを得る受信処理部と
を含む無線通信装置が提供される。
前記無線通信装置は、さらに、前記受信データに含まれるセキュア通信設定情報を用いて、前記外部無線通信装置との間の通信設定を行ない、セキュリティ保護された通信を確立可能とするセキュア通信設定部と、前記通信設定に応じて送信データを暗号化する暗号化部と、前記暗号化された送信データを変調する送信処理部と、前記通信設定に応じて、前記受信処理部からの受信データを復号する復号部とを含むことができる。
前記無線通信装置は、前記外部無線通信装置からセキュリティ通信設定情報の送信開始の通知を受けた場合には、少なくとも前記セキュリティ通信設定情報が伝送される間は、前記ノイズ生成部にノイズ信号を生成させ、前記第1アンテナにノイズを含む無線電波を送信出力させることができる。また前記無線通信装置は、前記セキュリティ通信設定情報の送信が開始される前のタイミングで、前記第1アンテナに前記ノイズを含む無線電波を送信出力させつつ、前記ノイズ除去部に対し、前記第2アンテナを介してループバックされた信号からノイズ成分を除去させて学習させることができる。さらに前記無線通信装置は、前記外部無線通信装置から、前記ノイズを含む無線電波の送信出力の不足を示す送信電力差分の通知を受けて、前記第1アンテナからの送信電力を増大させる制御を実行することができる。
前記無線通信装置は、当該無線通信装置の最大送信電力に設定してなお、前記外部無線通信装置から送信電力の不足を示す前記送信電力差分の通知を受けた場合に、エラー通知を行なうための表示手段をさらに含むことができる。前記ノイズ除去部は、前記入力された信号から、参照の前記ノイズ信号と相関するノイズ成分が除去されるように、内部パラメータを調整する適応フィルタを含むことができる。
さらに本発明によれば、上記外部の無線通信装置と無線電波を利用して通信する無線通信装置であって、前記無線通信装置は、
セキュリティ通信設定情報の送信開始を前記外部の無線通信装置に通知し、当該無線通信装置が制御可能な最小の送信電力PTXminに送信電力を設定し、前記セキュリティ通信設定を送信する無線通信部を含む、無線通信装置が提供される。
前記無線通信部は、前記外部の無線通信装置から受信したノイズを含む無線電波の電力の計測値PNMと、前記送信電力PTXminと、送信時の変復調速度に応じて要求される信号雑音比SNRとを用い、下記式
Figure 0004937875
(ここで、αは、SNRに対するマージンである。)
の関係を満たす要求電力PNRから前記計測値PNMを引いた差として算出される電力差分ΔPが正の値である場合に、前記電力差分ΔPの値を、送信出力の不足を示す送信電力差分として、前記外部の無線通信装置に通知することができる。
さらに本発明によれば、受信側装置として上記の無線通信装置と、送信側装置として上記の無線通信装置とを含む無線通信システムが提供される。
さらにまた本発明によれば、送信側無線通信装置と受信側無線通信装置とが無線電波を利用して実行する無線通信方法であって、
前記送信側無線通信装置が、セキュリティ通信設定情報の送信開始の通知を送信するステップと、
前記受信側無線通信装置が、ノイズ生成部にノイズ信号を生成させ、第1アンテナに、ノイズを含む無線電波の送信出力を開始させるステップと、
前記送信側無線通信装置が、セキュリティ通信設定情報を送信するステップと、
前記受信側無線通信装置が、ノイズ除去部に対して、第2アンテナを介して入力された信号から、前記ノイズ生成部が生成するノイズ信号を参照して該ノイズ信号に起因するノイズ成分を除去させるステップと、
前記ノイズ成分が除去された信号を復調し受信データを得るステップと
を含む無線通信方法が提供される。
前記無線通信方法は、さらに、前記受信側無線通信装置が、得られた前記受信データに含まれるセキュア通信設定情報を用いて、前記送信側無線通信装置との間の通信設定を行ない、セキュリティ保護された通信を確立可能とするステップを含むことができる。また前記無線通信方法は、さらに、前記送信側無線通信装置が、前記送信開始の通知を送信するステップの後に、当該送信側無線通信装置が制御可能な最小の送信電力PTXminに送信電力を設定するステップと、前記送信側無線通信装置が、前記セキュリティ通信設定情報を送信するステップの前に、前記受信側無線通信装置から受信したノイズを含む無線電波の電力の計測値PNMと、前記送信電力PTXminと、送信時の変復調速度に応じて要求される信号雑音比SNRとを用い、下記式
Figure 0004937875
(ここで、αは、SNRに対するマージンである。)
の関係を満たす要求電力PNRから前記計測値PNMを差し引き、電力差分ΔPを算出するステップと、算出された前記電力差分ΔPが正の値である場合に、前記電力差分ΔPの値を、送信出力の不足を示す送信電力差分として前記受信側無線通信装置に通知するステップとを含むことができる。
以下、本発明の実施形態を説明するが、本発明の実施形態は、以下の実施形態に限定されるものではない。
図1は、無線通信システムの実施形態を示す概略図である。図1に示した無線通信システム10は、ノート型パーソナル・コンピュータ(以下、ノートPCとして参照する。)20と、レーザプリンタ30とを含んで構成され、ノートPC20とレーザプリンタ30とは、例えばIEEE802.11a/b/g/などの規格に準拠した無線通信プロトコル(以下、無線LANプロトコルとして参照する。)により、相互通信を行なっている。図1に示した無線通信システム10は、無線通信装置同士がピア・ツー・ピアで直接通信を行なうアドホック・モードによる通信形態を例示しているが、無線通信装置がアクセスポイント(図示せず)を介して相互通信を行なうインフラストラクチャ・モードによる通信形態としてもよい。これらの無線通信装置は、後述の無線通信の初期設定処理により、BSSID(Basic Service Set Identifier)またはESSID(Extended Service Set Identifier)といった識別子の通知や、WEP(Wired Equivalent Privacy)の設定キーの共有、その他モード指定などの通信設定が行なわれ、上記相互通信が確立される。
なお、本実施形態では、用いる無線通信の規格として、IEEE802.11規格を一例として説明するが、本無線通信の設定処理が適用可能な無線通信の規格は、特に限定されるものではなく、他の実施形態では、WUSB規格や、その他Bluetoothなどを無線通信規格として採用することもできる。以下、無線LANプロトコルによる無線通信を実行するレーザプリンタ30を、本無線通信装置の一例として、そのハードウェア構成を説明する。
図2は、本実施形態のレーザプリンタ30のハードウェア構成を示すブロック図である。図2に示したレーザプリンタ30は、各種演算を行なうCPU32と、各種制御プログラムを記憶するROM38と、CPU32の作業メモリ領域を提供するRAM36と、レーザプリンタ30のシステム構成や各種設定情報を格納する不揮発性メモリ(以下、NV−RAMとして参照する。)34と、無線LANのプロトコル制御を実行する無線通信部40と、プリント処理などを実行する画像形成処理部48と、エラー通知を行なうためのLED26とを含んで構成され、これらは適切なバス28を介して接続されている。本実施形態のレーザプリンタ30は、上記CPU32の制御のもと、ROM38やHDD(図示せず)やSDカード(図示せず)などの記憶装置に格納されたプログラム(図示せず)を、メモリ36のメモリ領域にロードすることによって、画像形成処理部48による画像形成処理や、無線通信部40による後述のデータ送受信処理および無線通信の設定処理を実現している。
無線通信部40は、より具体的には、高周波信号を処理する高周波処理部(以下、RF処理部として参照する。)42と、伝送データの変調処理および復調処理を実行するベースバンド処理部(以下、BB処理部として参照する。)44と、IEEE802.11規格のメディア・アクセス制御(MAC)層に相当する制御を行なうメディア・アクセス制御処理部(以下、MAC処理部として参照する。)46とを含んで構成される。上記RF処理部42とBB処理部44とは、IEEE802.11規格における物理層を構成する。
RF処理部42は、ダイレクト・コンバージョン方式やヘテロダイン方式といった所定の方式に従う回路構成とされ、高周波信号とベースバンドIQ信号との信号変換を実行する。BB処理部44は、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)方式やDSSS(Direct Sequence Spread Spectrum)方式、FHSS(Frequency Hopping Spread Spectrum)方式、PBCC(Packet Binary Convolution Code)方式などの所定の変復調方式に従う回路構成とされ、伝送データのディジタル変復調処理を実行する。またBB処理部44は、例えばOFDM変復調方式を用いるIEEE802.11a規格においては、さらに、QPSK(Quaternary Phase Shift Keying)方式、16−QAM(Quadrature Amplitude Modulation)方式、64−QAM方式などの所定の変調方式と、所定のコーディングレートとに従って、サブキャリアの信号の変復調処理を実行し、所定のデータ伝送速度による無線通信を実現している。
MAC処理部46は、MAC層のプロトコル制御を実行し、CSMA/CA(Carrier Sense Multiple Access with Collision Avoidance)によるアクセス制御および、RTS/CTS(Request to Send/Clear to Send)方式によるフレームの送受信制御を実行する。また本実施形態のMAC処理部46は、無線通信設定により送信側および受信側で共有されるWEPの設定キーを使用し、IV(Initialization Vector)を組み合わせて一時鍵を生成し、該一時鍵により伝送データに暗号化処理および復号化処理を施して、伝送データの機密性を確保している。なお、暗号化処理および復号処理は、ハードウェア・アクセラレータとして、MAC処理部46とは別に設けられてもよく、その構成は、特に限定されるものではない。また、IEEE802.11規格のMAC層の一部機能を、上記CPU32およびRAM36によるソフトウェア手段として構成することもできる。
以下、無線通信部40について、より詳細に説明する。図3は、本実施形態の無線通信部40の回路構成を示した図である。図3には、アンテナ50と、RF処理部42と、BB処理部44とが示されている。図3に示したRF処理部42は、ダイレクト・コンバージョン方式による回路構成を一例として示す。RF処理部42は、アンテナ50a,bに接続され、これらのアンテナ50a,bと送信経路および受信経路との間の接続を切り換えるスイッチ52と、水晶振動子64を基準振動とした電圧制御発信器(VCO)68からなるPLL(位相同期回路)70を含むシンセサイザ66とを含んで構成される。
RF処理部42は、受信経路には、バンド・パス・フィルタ(BPF)54と、高周波信号を低雑音で増幅する低雑音アンプ(LNA)56と、位相器79およびミキサ58a,bから構成される直交復調器と、ローパス・フィルタ(LPF)60a,bと、可変利得増幅器(VGA)62a,bとを含んで構成され、アンテナ50からの高周波信号が入力されて、I信号およびQ信号をBB処理部44へ出力する。さらにRF処理部42は、送信経路には、LPF76a,bと、位相器78およびミキサ74a,bから構成される直交変調器と、パワーアンプ(PA)72とを含み構成され、BB処理部44からI信号およびQ信号が入力され、アンテナ50に高周波信号を出力し、無線電波を放出させる。
本実施形態のBB処理部44は、RF処理部42から入力されるIQ信号を復調して受信データとしてMAC処理部46へ出力するBB受信処理部80と、MAC処理部46からの送信データを変調してIQ信号としてRF処理部42へ出力するBB送信処理部82と、ノイズ生成部84と、ノイズ除去部86とを含んで構成される。
上記ノイズ生成部84は、例えば擬似雑音(PN:Pseudo Noise)符号ジェネレータを含み構成され、特定の無線通信装置からセキュリティ保護されるべき伝送データを受信する際に、他の不特定の無線通信装置に対する妨害電波を出力するために、PN符号を用いてランダムノイズ信号を生成する。ノイズ生成部84において生成されたノイズ信号は、ベースバンドIQ信号としてRF処理部42に出力され、RF処理部42の送信経路を経て、いずれかのアンテナ50に入力され、妨害電波が送信出力されることとなる。なお、上記ノイズ妨害電波の出力は、消費電力の観点からは、セキュリティ保護すべきデータが伝送される時に必要充分の期間だけ出力されることが好ましい。また、ランダムノイズ信号は、各データ伝送毎に、PN符号の初期SEEDを変更して発生させることが好ましい。以下、説明の便宜上、アンテナ50aを送信用アンテナ50aとして、アンテナ50bを受信用アンテナ50bとして参照する。
上記ノイズ除去部86は、適応フィルタ88を含み構成され、適応フィルタ88に対し、ノイズ生成部84から入力されるノイズ信号を参照させながら、受信用アンテナ50bが受信した入力信号中、該ノイズ信号と相関するノイズ成分を除去するように内部パラメータを調節させ、該入力信号に実時間でノイズ除去処理を施し、BB受信処理部80に入力する。レーザプリンタ30自身が送信出力した妨害電波は、受信用アンテナ50bによりループバックされるが、そのノイズ成分がノイズ生成部84から適応フィルタ88に入力されるノイズ信号と相関しているため、本実施形態のノイズ除去部86は、自身が発生した妨害電電波に起因するノイズを好適に除去し、相手の無線通信装置から送信された伝送データを受信することができる。
また、レーザプリンタ30を取り巻く電波環境は、刻々と変化してゆくため、上記適応フィルタ88にノイズを効果的に除去させるためには、データ受信の前に、電波環境に即して内部パラメータを学習しておくことが好ましい。そのため本実施形態の無線通信部40は、データ受信の前に、CTStoSelf方式やRTS/CTS方式のフロー制御によって、他の無線通信装置に占有時間を通知して無線媒体を一時占有し、他の無線通信装置が電波を出力しないようにさせながらノイズ妨害電波を出力し、適応フィルタ88に電波環境を学習させる。
なお、アンテナ50a,50bは、無線通信の設定時には、一方を受信用に他方をノイズ妨害電波出力用に固定するように構成されるが、通常の無線通信時には、電波状況に応じて受信用のアンテナを切り換えるダイバーシティ動作するように構成することができる。図12は、スイッチ52によるアンテナ50の経路接続の切換の様態を示す図である。図12(A)および(B)は、ダイバーシティ動作によって切換られるアンテナの経路接続を示し、通常の無線通信時には、各アンテナ50a,bの電波状況に応じて、より好適な電波状況のものを受信用アンテナとして用いる構成とされている。図12(C)は、ノイズ妨害電波出力時のアンテナの経路接続を示し、無線通信の設定時には、一方のアンテナ50aを受信用とし、他方のアンテナ50bをノイズ妨害電波送信用として用いる構成とされている。
本実施形態の無線通信装置としてのレーザプリンタ30は、伝送データの暗号化が施されるセキュリティ保護された通信(以下、セキュア通信として参照する。)を確立する前に、所定の無線通信の設定処理を実行する。この無線通信の設定処理には、セキュア通信確立後において伝送データの暗号化のために使用される設定キーの授受が含まれるため、不特定の無線通信装置に情報漏洩しないよう安全にデータ交換しなければならない。本実施形態のレーザプリンタ30は、この安全なデータ交換を実現するために、特定の無線通信装置から伝送データを受信する時に、妨害電波を出力して、暗号化されずに送信されるデータが不特定の無線通信装置により取得されてしまうことを防止する。以下、本実施形態のレーザプリンタ30が実行する、妨害電波出力を含むデータ送受信処理について説明する。
図4は、送信側無線通信装置の送信可能範囲と、受信側無線通信装置から送信される妨害電波の妨害可能範囲とを模式的に示した図である。なお、図4においては、ノートPC20が送信側無線通信装置を、レーザプリンタ30が受信側無線通信装置を構成している。また図5は、典型的な周波数帯の無線電波の自由空間における伝搬損失を、伝搬距離に対してプロットしたグラフを示す。
図5に示すように、5GHz帯の無線電波の電力は、1m離れると約46dB減衰する。ここで例えば、受信側無線通信装置の入力レベルが−76dBmで、10%程度のパケット誤りが発生することを許容した場合、要求される信号雑音比(SNR)の値が26dBであるとする。また送信側無線通信装置の通常の出力レベルが+10dBmの場合、送信電力制御により40dB減衰させると、送信機の実質出力レベルは、−30dBmとなる。図5を参照すると、この条件において、−30dBmで出力された5GHz帯の無線電波は、1m離れた地点では46dB減衰するため、−76dBm以上の電力が確保される通信可能範囲は、1mまでに狭められたこととなる。この通信可能範囲を、図4においてA1として示す。しかしながら、このA1の範囲内には、他の無線通信装置である複合機22やPDA端末24が含まれることとなり、ノートPC20から送信されたデータは、複合機22およびPDA端末24においても受信可能となってしまう。
そこで、本実施形態のレーザプリンタ30は、妨害電波を送信出力し、送信側無線通信装置の通信可能範囲全体をカバーするように妨害範囲A2を規定する。上記条件では、送信側のノートPC20のアンテナ端における送信電力は、−30dBmである。ここで、ノートPC20とレーザプリンタ30とが50cm離間して設置されていると仮定すると、レーザプリンタ30から出力された妨害電波は、50cmで約40dB減衰するため、+10dBmの送信電力でレーザプリンタ30から出力された妨害電波は、ノートPC20のアンテナ端において、−30dBmにまで減衰する。従って、送信元のノートPC20のアンテナ端における送信データの送信電力と、妨害電波の電力とが等しくなるため、SNRの値が0dBとなり、SNRの値が26dB必要とする変調方式の場合、妨害範囲A2が通信可能範囲A1をカバーすることとなり、複合機22やPDA端末24を含む不特定の無線通信装置が、ノートPC20が送信するデータを受信してしまうことは不可能となる。
また、この場合には、26dBだけ妨害電波の電力に余剰があるため、図5から9.5m程度(40dB+26dB=66dBの伝搬損失となる距離)まで、装置同士を離間させることが可能であることがわかる。また、復調能力に10dB程度のマージンを想定しても、図5から3m程度(40dB+26dB−10dB=56dBの伝搬損失となる距離)まで装置同士を離間させることが可能であり、さらに消費電力を考慮して、受信側のレーザプリンタ30での妨害電波の送信電力を0dBmとした場合には、1m(40dB+26dB−10dB−10dB=26dBの伝搬損失となる距離)まで離間させることが可能となることがわかる。
本実施形態の無線通信の設定処理においては、セキュリティ保護すべき情報を送受信する際に、送信側無線通信装置は、送信電力制御により送信電力を低下させつつ、送信側の送信電力と、受信したノイズ妨害電波の電力と、要求されるSNRとを勘案して、ノイズ妨害電波の出力が充分であるか否かを判定し、不充分である場合に、受信側無線通信装置に対してその不足を通知する。また、受信側無線通信装置は、送信側無線通信装置からの通知を受けて、ノイズ妨害電波の出力を増大させる。以下、妨害電波出力を含むデータ送受信の一連のプロトコル制御について、詳細を説明する。
図6は、送信側無線通信装置と受信側無線通信装置との間でやりとりされるフレームのタイミングを示すタイミングチャートである。時間経過を矢印により示す。図6に示されるように、送信側無線通信装置は、セキュリティ保護すべきデータが含まれるセキュリティ情報フレームを送信する前に、セキュリティ情報の送信開始を通知するセキュリティ送信通知フレームを送信する。なお、このセキュリティ送信通知フレーム内のフィールドに、NAV(Network Allocation Vector)時間を指定し、一連のプロトコル制御が完了するまでの期間、無線媒体を占有することもできる。
セキュリティ送信通知フレームを受信できた受信側無線通信装置は、SIFS(Short Inter Frame Space)時間tSIFSの間をおいて、肯定的なアクノレッジ(ACK)フレームを返信する。続いて、受信側無線通信装置は、tSIFS間をおいて、電波環境を学習するためにノイズ妨害電波の出力を開始し、適応フィルタ88に電波環境を学習させる。受信側無線通信装置は、電波環境を学習させた後も引き続きノイズ妨害電波を出力し、一方、送信側無線通信装置は、このノイズ妨害電波が出力されている間に、セキュリティ保護すべき情報が含まれるセキュリティ情報フレームを送信する。セキュリティ情報フレームを受信できた受信側無線通信装置は、ノイズ妨害電波の出力を停止し、また、フレームのCRC(Cyclic Redundancy Check)をチェックし、結果誤りなく受信したと判断された場合には、tSIFS間をおいて、肯定的なACKフレームを返信する。なお、上述の各フレーム間のGAP時間は、適宜設定することができるが、通信効率の対する影響を最低限にする目的からは、各プロトコルの通信規定により定められる最短長とすることが好ましい。
図7は、送信側無線通信装置が実行する送信処理を示すフローチャートである。なお図7では、説明の便宜上、ACKの受信処理などの詳細処理は、省略してある。図7に示した処理は、例えばオペレータからの無線通信の設定処理の開始指示を受けるなど、セキュリティ保護すべきデータの送信要求が発生したことを受けて、ステップS100から開始される。ステップS101では、通常の送信電力にてセキュリティ送信通知フレームを送信する。ステップS102では、セキュリティ送信通知フレームを受信して受信側無線通信装置が開始させたノイズ妨害電波を受信し、そのノイズ電波の電力をRF処理部42にて計測し、ノイズ電波電力の計測値PNMを得る。続いてステップS103では、送信側無線通信装置の送信電力を、該装置が制御可能な最小値PTXminの送信電力に一時的に設定する。
続いてステップS104では、最小送信電力PTXminと、送信時の変復調速度に応じて要求される信号雑音比SNRとから、下記式
Figure 0004937875
(ここで、αは、SNRに対するマージンである。)
の関係を満たす最小要求ノイズ電波電力PNRを算出し、最小要求ノイズ電波電力PNRからノイズ電波電力PNMを差し引いた電力差分ΔPを算出する。なお、上記式においては、各パラメータの単位を、例えば[dB]として算出することができる。また、ここで所定マージンαは、受信側無線通信装置に想定される復調能力に応じて決定することができる。例えば、受信側無線通信装置の性能のばらつきにより、通常より弱い電力の信号でも復調可能なものが存在する場合があるが、所定マージンαを設定することにより、このような、通常より高い復調能力を有する無線通信装置が、送信データを傍受できてしまう蓋然性を好適に低減させることができる。
上記変復調速度に応じて要求されるSNRは、例えば、図8に示すような、変復調方式と必要とされるSNRとを対応付けるテーブルにより求めることができる。図8に示したテーブル200は、変復調方式が入力されるフィールド200aと、該変復調方式でのデータの伝送速度が入力されるフィールド200bと、必要とされるSNRが入力されるフィールド200cとを含んで構成され、変復調方式と、伝送速度と、必要SNRとを対応付ける。
再び図7を参照すると、ステップS105では、算出された電力差分ΔPが正であるか否かを判定し、正であると判定された場合(YES)には、この場合はノイズ電波電力が不充分であるので、処理をステップS106へ分岐させ、電力差分ΔPの値を、ノイズ妨害電波の電力の不足を示す電力差分通知フレームにより、受信側無線通信装置に通知する。一方、ステップS105で、正ではないと判定された場合(NO)には、処理をステップS107へ分岐させ、この場合はノイズ電波電力が充分であるので、ステップS107ではセキュリティ情報フレームの送信処理を呼び出し、送信処理を完了させ、ステップS108で処理を終了させる。この制御により、算出された電力差分ΔPが正である場合には、図6に示したセキュリティ情報フレームの代わりに、電力差分通知フレームが送信されることとなる。
図9は、送信側無線通信装置が実行するセキュリティ情報フレームの送信処理を示すフローチャートである。図9に示した処理は、図7に示したステップS107の処理により呼び出され、ステップS200から開始される。ステップS201では、ノイズ電波電力を計測し、ステップS202では、ノイズ電波電力の計測値PNMが、予め定められた規定値Pthr以上であるか否かを判定する。この規定値Pthrは、セキュリティ情報フレームの送信処理中に、受信側無線通信装置との距離が広がるなどにより、ノイズ電波電力が弱くなった場合でも許容する値とし、例えば、上記最小要求ノイズ電波電力PNRの値を採用することができる。
ステップS202で、ノイズ電波電力PNMが規定値Pthr以上であると判定された場合(YES)には、セキュリティ情報フレームの送信処理を継続させる。そして、ステップS204では、セキュリティ情報フレームの送信処理が完了したか否かを判定し、完了していないと判定された場合(NO)には、処理をステップS201へ分岐させ、送信処理が完了するまで繰り返させる。ステップS204で、完了したと判定された場合(YES)には、処理をステップS205へ分岐させ、当該処理を終了させる。一方、ステップS202で、ノイズ電波電力PNMが規定値Pthr未満であると判定された場合(NO)には、処理をステップS206へ分岐させ、セキュリティ情報フレームの送信処理を中断し、ステップS205で処理を終了させる。
上述した構成とすることにより、送信処理中にノイズ電波電力が低下して、妨害範囲が送信側無線通信装置の通信可能範囲をカバーしきれなくなってしまった場合にでも、セキュリティ保護すべき情報が漏洩してしまうことを好適に防止できる。
図10は、受信側無線通信装置が実行する受信処理を示すフローチャートである。図10に示した処理は、ステップS300から開始され、ステップS301で、送信側無線通信装置からのセキュリティ送信通知フレームを受信する。ステップS302では、適応フィルタ88の学習のため、ノイズ妨害電波の出力を開始させる。続いて、ステップS304では、送信側無線通信装置から送信されるフレームがセキュリティ情報フレームであるか否かを判定する。ステップS303で、セキュリティ情報フレームではないと判定された場合(NO)、つまり電力差分通知フレームを受信する場合には、処理をステップS304へ分岐させる。
ステップS304では、電力差分通知フレームを受信し、ステップS305では、現在の送信電力の設定値が、当該受信側無線通信装置が出力可能な最大値に設定されているか否かを判定する。ステップS305で送信電力が最大に達していないと判定された場合(NO)には、処理をステップS306へ分岐させる。ステップS306では、通知された電力差分ΔPに応じて、例えば、出力可能な最大値を上限として、通知された電力差分ΔPだけノイズ妨害電波の送信電力の設定値を増大させる。続いてステップS307では、ノイズ妨害電波の出力を停止させ、ステップS308で処理を終了させる。
一方、ステップS305で、送信電力の設定値がすでに最大であり、これ以上増大させることができないと判定された場合(NO)には、処理をステップS309へ分岐させる。ステップS309では、受信側無線通信装置が備えるLED26などを点灯させて、オペレータに送信電力不足であるため、装置間の距離をより近づけるようエラー通知を行ない、ステップS308で処理を終了させる。
一方、ステップS303で、セキュリティ情報フレームであると判定された場合(YES)には、処理をステップS310へ分岐させ、セキュリティ情報フレームを受信し、ステップS307では、ノイズ妨害電波の出力を停止させ、セキュリティ情報フレームのCRCチェックを行ない、エラーがなければ肯定的なACKフレームを返信し、ステップS308で処理を終了させる。
なお、上述した送信側および受信側における送信電力制御は、ベースバンドの送出電力を制御したり、パワーアンプのゲインを制御したり、アンテナ送出電力を制御したりすることによって実現させることができるが、特に限定されるものではない。また、上述の実施形態では、セキュリティ保護すべき情報の送受信の際に、変復調方式およびデータ伝送速度を変更しない構成として説明してきたが、要求SNRが変復調方式やデータ伝送速度に依存するため、他の実施形態では、例えば、データ伝送速度を高めて、より高いSNRの値が要求される設定に変更する構成として、セキュリティを向上させることができる。
上述のフロー制御により、暗号処理が含まれるセキュア通信が確立される前であっても、セキュリティ保護すべきデータを、不特定の無線通信装置に情報漏洩してしまう可能性を好適に低下させつつ、特定の無線通信装置間で、安全に送受信することが可能となる。
図11は、本実施形態の送受信処理を適用した無線通信の設定処理に関する機能ブロックを示す図である。本実施形態の無線通信システム10は、ノートPC20とレーザプリンタ30とを含んで構成され、各無線通信装置20,30は、セキュア通信の設定を行なうためのセキュア通信設定部90と、セキュア通信設定の際の設定パラメータを格納するためのNV−RAM34とを含んで構成される。セキュア通信設定部90a,90bは、採用する無線通信プロトコルにもよるが、例えば無線LAN通信である場合には、WEPやWPAの設定キーといったセキュア通信を確立可能とするために共有されるべき情報の交換の際に、図6〜10を参照して説明したデータ送受信処理を適用し、該共有されるべき情報を交換することによって、安全なセキュア通信の設定処理を実現する。
以上説明したように、本実施形態によれば、別途通信部を設けることなく、また制御機構を複雑化することなく、セキュリティ保護された通信を確立可能にするための通信設定情報といったセキュリティ保護すべき情報を、インバンドで安全に送受信することを可能とし、もって無線通信装置間のセキュリティ保護された通信を、安全かつ容易に確立することが可能な無線通信装置、無線通信システムおよび通信方法を提供することができる。
なお上述では、無線通信装置の一実施形態として、レーザプリンタおよびノートPCを例に説明してきた。しかしながら本発明の実施形態では、無線通信装置は、複合機、複写機、印刷機、インクジェット・プリンタやジェルジェットプリンタなどの画像形成装置、スキャナなどの画像読取装置、PCやサーバなどの情報処理装置、アクセスポイントやブロードバンドルータなどの通信装置、携帯電話やPDAなど携帯端末、デジタルカメラやデジタルビデオカメラなどの撮像装置、テレビジョンやHDDレコーダやオーディオセットなどの音声映像入出力装置、カーナビゲーションなどの車載電子装置、洗濯機や冷蔵庫や電子レンジなどの家電機器など、無線通信機能を有する装置として構成することもできる。
また上記機能は、アセンブラ、C、C++、C#、Java(登録商標)、などのレガシープログラミング言語やオブジェクト指向プログラミング言語などで記述されたコンピュータ実行可能なプログラムにより実現でき、ROM、EEPROM、EPROM、フラッシュメモリ、フレキシブルディスク、CD−ROM、CD−RW、DVD、SDカード、MOなど装置可読な記録媒体に格納して頒布することができる。
これまで本発明の実施形態について説明してきたが、本発明の実施形態は上述した実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態、追加、変更、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
無線通信システムの実施形態を示す概略図。 本実施形態のレーザプリンタのハードウェア構成を示すブロック図。 本実施形態の無線通信部の回路構成を示した図。 送信側無線通信装置の送信可能範囲および受信側無線通信装置から送信される妨害電波の妨害可能範囲を模式的に示した図。 典型的な周波数帯の無線電波の自由空間における伝搬損失を伝搬距離に対してプロットしたグラフ。 送信側無線通信装置と受信側無線通信装置との間でやりとりされるフレームのタイミングを示すタイミングチャート。 送信側無線通信装置が実行する送信処理を示すフローチャート。 変復調方式と必要とされるSNRとを対応付けるテーブルのデータ構造を示す図。 送信側無線通信装置が実行するセキュリティ情報フレームの送信処理を示すフローチャート。 受信側無線通信装置が実行する受信処理を示すフローチャート。 本実施形態の送受信処理を適用した無線通信の設定処理に関する機能ブロック図。 スイッチによるアンテナの経路接続の切換の様態を示す図。
符号の説明
10…無線通信システム、20…ノートPC、22…複合機、24…PDA、26…LED、28…バス、30…レーザプリンタ、32…CPU、34…NV−RAM、36…RAM、38…ROM、40…無線通信部、42…RF処理部、44…BB処理部、46…MAC処理部、48…画像形成処理部、50…アンテナ、52…スイッチ、54…BPF、56…LNA、58…ミキサ、60…LPF、62…VGA、64…水晶振動子、66…シンセサイザ、68…VCO、70…PLL、72…PA、74…ミキサ、76…LPF、78,79…位相器、80…BB受信処理部、82…BB送信処理部、84…ノイズ生成部、86…ノイズ除去部、88…適応フィルタ、90…セキュア通信設定部、200…テーブル

Claims (10)

  1. 外部無線通信装置と無線電波を利用して通信する無線通信装置であって、前記無線通信装置は、
    ノイズ信号を生成するノイズ生成部と、
    生成された前記ノイズ信号に従って、ノイズを含む無線電波を送信出力する第1アンテナと、
    少なくとも前記ノイズを含む無線電波が送信出力されている間、外部からの無線電波を受信する第2アンテナと、
    前記第2アンテナを介して入力された信号から、前記ノイズ信号を参照して該ノイズ信号に起因するノイズ成分を除去するノイズ除去部と、
    前記ノイズ成分が除去された信号を復調し、受信データを得る受信処理部と、
    前記受信データに含まれるセキュア通信設定情報を用いて、前記外部無線通信装置との間の通信設定を行ない、セキュリティ保護された通信を確立可能とするセキュア通信設定部と、
    前記通信設定に応じて送信データを暗号化する暗号化部と、
    前記暗号化された送信データを変調する送信処理部と、
    前記通信設定に応じて、前記受信処理部からの受信データを復号する復号部と
    を含み、
    前記外部無線通信装置から、前記ノイズを含む無線電波の送信電力の不足を示す送信電力差分の通知を受けて、前記第1アンテナからの送信電力を増大させる制御を実行する、無線通信装置。
  2. 前記無線通信装置は、前記外部無線通信装置から前記セキュア通信設定情報の送信開始の通知を受けた場合には、少なくとも前記セキュア通信設定情報が伝送される間は、前記ノイズ生成部にノイズ信号を生成させ、前記第1アンテナにノイズを含む無線電波を送信出力させる、請求項に記載の無線通信装置。
  3. 前記無線通信装置は、前記セキュア通信設定情報の送信が開始される前のタイミングで、前記第1アンテナに前記ノイズを含む無線電波を送信出力させつつ、前記ノイズ除去部に対し、前記第2アンテナを介してループバックされた信号からノイズ成分を除去させて学習させる、請求項1または2に記載の無線通信装置。
  4. 前記無線通信装置は、当該無線通信装置の最大送信電力に設定してなお、前記外部無線通信装置から送信電力の不足を示す前記送信電力差分の通知を受けた場合に、エラー通知を行なうための表示手段をさらに含む、請求項に記載の無線通信装置。
  5. 前記ノイズ除去部は、前記入力された信号から、参照の前記ノイズ信号と相関するノイズ成分が除去されるように、内部パラメータを調整する適応フィルタを含む、請求項1〜のいずれか1項に記載の無線通信装置。
  6. 請求項1〜のいずれか1項に記載の外部の無線通信装置と無線電波を利用して通信する無線通信装置であって、前記無線通信装置は、
    前記セキュア通信設定情報の送信開始を前記外部の無線通信装置に通知し、当該無線通信装置が制御可能な最小の送信電力PTXminに送信電力を設定し、前記セキュア通信設定情報を送信する無線通信部を含む、無線通信装置。
  7. 前記無線通信部は、前記外部の無線通信装置から受信したノイズを含む無線電波の電力の計測値PNMと、前記送信電力PTXminと、送信時の変復調速度に応じて要求される信号雑音比SNRとを用い、下記式
    Figure 0004937875
    (ここで、αは、SNRに対するマージンである。)
    の関係を満たす要求電力PNRから前記計測値PNMを引いた差として算出される電力差分ΔPが正の値である場合に、前記電力差分ΔPの値を、前記送信電力の不足を示す送信電力差分として、前記外部の無線通信装置に通知する、請求項に記載の無線通信装置。
  8. 受信側装置として請求項1〜のいずれか1項に記載の無線通信装置と、送信側装置として請求項6または7に記載の無線通信装置とを含む無線通信システム。
  9. 送信側無線通信装置と受信側無線通信装置とが無線電波を利用して実行する無線通信方法であって、
    前記送信側無線通信装置が、セキュア通信設定情報の送信開始の通知を送信するステップと、
    前記受信側無線通信装置が、ノイズ生成部にノイズ信号を生成させ、第1アンテナに、ノイズを含む無線電波の送信出力を開始させるステップと、
    前記送信側無線通信装置が、セキュア通信設定情報を送信するステップと、
    前記受信側無線通信装置が、ノイズ除去部に対して、第2アンテナを介して入力された信号から、前記ノイズ生成部が生成するノイズ信号を参照して該ノイズ信号に起因するノイズ成分を除去させるステップと、
    前記受信側無線通信装置が、前記ノイズ成分が除去された信号を復調し、前記セキュア通信設定情報を得るステップと、
    前記受信側無線通信装置が、得られた前記セキュア通信設定情報を用いて、前記送信側無線通信装置との間の通信設定を行ない、セキュリティ保護された通信を確立可能とするステップと
    含み、前記無線通信方法は、さらに、前記受信側無線通信装置が、前記送信側無線通信装置から、前記ノイズを含む無線電波の送信電力の不足を示す送信電力差分の通知を受けた場合に、前記第1アンテナからの送信電力を増大させるステップを含む、無線通信方法。
  10. 前記無線通信方法は、さらに、
    前記送信側無線通信装置が、前記送信開始の通知を送信するステップの後に、当該送信側無線通信装置が制御可能な最小の送信電力PTXminに送信電力を設定するステップと、
    前記送信側無線通信装置が、前記セキュア通信設定情報を送信するステップの前に、前記受信側無線通信装置から受信したノイズを含む無線電波の電力の計測値PNMと、前記送信電力PTXminと、送信時の変復調速度に応じて要求される信号雑音比SNRとを用い、下記式
    Figure 0004937875
    (ここで、αは、SNRに対するマージンである。)
    の関係を満たす要求電力PNRから前記計測値PNMを差し引き、電力差分ΔPを算出するステップと、
    算出された前記電力差分ΔPが正の値である場合に、前記電力差分ΔPの値を、前記送信電力の不足を示す送信電力差分として前記受信側無線通信装置に通知するステップとを含む、請求項に記載の無線通信方法。
JP2007265023A 2007-10-11 2007-10-11 無線通信装置、無線通信システムおよび無線通信方法 Expired - Fee Related JP4937875B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007265023A JP4937875B2 (ja) 2007-10-11 2007-10-11 無線通信装置、無線通信システムおよび無線通信方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007265023A JP4937875B2 (ja) 2007-10-11 2007-10-11 無線通信装置、無線通信システムおよび無線通信方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009094907A JP2009094907A (ja) 2009-04-30
JP4937875B2 true JP4937875B2 (ja) 2012-05-23

Family

ID=40666393

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007265023A Expired - Fee Related JP4937875B2 (ja) 2007-10-11 2007-10-11 無線通信装置、無線通信システムおよび無線通信方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4937875B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103686930A (zh) * 2012-09-17 2014-03-26 中国移动通信集团公司 Wlan中隐藏节点的检测方法、系统和设备

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6768279B2 (ja) * 2015-10-08 2020-10-14 キヤノン株式会社 印刷装置およびプログラム

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0771070B2 (ja) * 1987-10-09 1995-07-31 株式会社タツノ・メカトロニクス インタフェイス装置
JP3561380B2 (ja) * 1996-09-24 2004-09-02 東京電力株式会社 無線通信装置
JP2001094536A (ja) * 1999-09-27 2001-04-06 Nec Corp データ送受信システム及びデータ送受信装置
JP2005045305A (ja) * 2003-07-22 2005-02-17 Fuji Xerox Co Ltd 無線通信機器
JP2006019897A (ja) * 2004-06-30 2006-01-19 Nec Corp 無線通信システム及び無線通信システムにおける盗聴防止方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103686930A (zh) * 2012-09-17 2014-03-26 中国移动通信集团公司 Wlan中隐藏节点的检测方法、系统和设备

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009094907A (ja) 2009-04-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN110547031B (zh) 通信装置、基站装置、方法和记录介质
US8577293B2 (en) Communication system and communication device
US8433894B2 (en) Support of physical layer security in wireless local area networks
CN104170422B (zh) 在lte接入网中集成wifi无线电接口的安全性解决方法及装置
JP4572932B2 (ja) 無線通信システム、無線通信装置及び無線通信方法、並びにコンピュータ・プログラム
US11792170B2 (en) Encryption of management frames for securing long training field sequence generation and scheme for transmitting sounding signal indications
US20080170699A1 (en) Method and device for managing a wireless resource
US11277739B2 (en) Enhanced physical layer security
JP2018152720A (ja) 無線通信装置および無線通信方法
CN116056174A (zh) 一种无线保真Wi-Fi漫游切换方法和装置
JP4937875B2 (ja) 無線通信装置、無線通信システムおよび無線通信方法
JP4018449B2 (ja) 無線通信装置及び無線通信方法
Pierson et al. Closetalker: Secure, short-range ad hoc wireless communication
JP2009033585A (ja) 無線lan端末接続方法およびその方法を用いた無線lanシステム
Ghannadrezaii et al. Securing a janus-based flooding routing protocol for underwater acoustic networks
US7769012B2 (en) Wireless communication method and apparatus thereof
JP4914334B2 (ja) 無線通信システム
US20200120493A1 (en) Apparatus and method for communications
CN111989942A (zh) 用于无线通信中信息安全的装置和方法
JPWO2016147388A1 (ja) 無線通信装置
TWI760933B (zh) 無線通訊裝置及封包保護方法
Zou et al. Dynamic spectrum access‐based cryptosystem for cognitive radio networks
Steenkiste Introduction to Wireless Networking and Its Impact on Applications
Abubaker Channel Based Relay Attack Detection Protocol
JP4728801B2 (ja) 中継許可方法およびそれを用いた基地局装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100803

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20111206

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120123

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120214

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120222

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150302

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4937875

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees