JP3561364B2 - ろう付け炉 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明はろう付け炉に関する。更に詳述すると、本発明は、メッシュベルトに載せて処理品を連続して搬送する間にろう付けを行うろう付け炉に関する。
【0002】
【従来の技術】
ろう付けは、接合させる母材金属より融点の低い金属ろう材を加熱溶融させ、その流動性を利用して毛細管現象によって母材の接合面間隙に流入させ、凝固させて接合する方法である。ろう材としては銅ろう、銀ろう等が多く使用される。これらろう材は、酸化すると、被膜のため流れなくなり接合面間隙に侵入しなくなる。そこで、保護雰囲気ガス中例えば還元性ガスによる無酸化雰囲気下で炉温1150℃にて加熱保持して金属ろう材例えば銅ろうを溶かし、処理品へのろう付け加工を連続的に行うようにされている。
【0003】
ここで、熱源としては、通常、SiCヒータと呼ばれる高温用の電気ヒータが多くの場合使用されている。しかし、電気ヒータは、炉の長手方向に配置すると支持が難しい問題がある。また、処理品の搬入口寄りのゾーンでは冷たい処理品をろう付けに適した温度まで加熱昇温させるために熱量を多く必要とする反面、処理品搬出口寄りのゾーンでは温度を一定に保持するだけの熱量で足りる。このため、炉内における温度分布を炉内の長手方向(処理品の搬送方向)で異ならせる必要がある。
【0004】
そこで、従来のろう付け炉は、図6に示すように、メッシュベルト103の上方と下方とにそれぞれ多数のSiCヒータ102を炉体101を横切るように配置し、SiCヒータ102毎にあるいは各ゾーン毎のSiCヒータを独立して温度制御するように設けられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この従来のろう付け炉は、エネルギーコストの高い電気ヒータを熱源とするため、ろう付け処理のランニングコストが高くついてしまう問題がある。しかも、SiCヒータは中間での支持が難しく支持間隔を長くとることができないので、メッシュベルトの幅が狭く、処理品の大きさに制約を受け易い問題を有している。
【0006】
一方、ランニングコストの安いガスバーナを熱源に採用しようとしても、処理品の搬送方向に所定の温度分布を得るためには、間接ガス加熱用ラジアントチューブを搬送方向と直交する方向(横切る方向)にバーナを設置しなければならず、バーナ本数が多くなってイニシャルコスト増となり、ガス化が難しかった。
【0007】
本発明は、低ランニングコスト並びに低イニシャルコストのろう付け炉を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するため、本発明は、メッシュベルトで処理品を搬送する間に保護雰囲気ガス中で所定温度に加熱してろう付け処理を行うろう付け炉において、メッシュベルトの上方と下方に、排ガスと燃焼用空気とを交互に蓄熱体に通過させることによって得られる高温の燃焼用空気を用いて燃焼させる蓄熱型ラジアントチューブバーナが両端に備えられたストレートチューブを処理品の搬送方向にそれぞれ配置し、処理品の搬入側のバーナの燃焼量を処理品の搬出側のバーナよりも多くしかつ交互に燃焼させるようにしている。
【0009】
したがって、請求項1の発明の場合、炉体内に搬入された処理品及びろう材はメッシュベルトで搬送される間にラジアントチューブから放射されるふく射熱によって連続的に加熱され、ろう付けが行われる。しかも、蓄熱型ラジアントチューブバーナの燃焼は、処理品の搬入側と搬出側に切り換えられると共にそれと合わせて燃焼ガスの流れの方向が切り換えられるので、火炎位置が頻繁に移り変わる非定在火炎となりラジアントチューブの局部的な加熱むらが少なくなり炉内温度分布がより均一化できる。加えて、処理品の搬入側のバーナの燃焼量を搬出側のバーナの燃焼量よりも多くするので、搬入側寄りのゾーンの炉内温度の方が搬出側寄りのゾーンの炉内温度よりも高くなり、搬入直後の処理品により大きな熱流束を与える。更に、このラジアントチューブの一端のバーナで発生した燃焼ガスは、ラジアントチューブを加熱しながら他端側のバーナへ向けて流れ、他端側のバーナのエアースロート及び蓄熱体を経てから排気される。そして、燃焼ガスが排気される際に、その顕熱が蓄熱体に回収されてから、再び極めて高い熱効率で燃焼用空気の予熱に使われて炉内へ戻されるため、燃焼用空気の温度は蓄熱体へ流出する燃焼排ガスの温度に近い高温とでき、高い熱効率を維持できる。
【0010】
また、請求項2記載の本発明のろう付け炉は、炉内を処理品の搬送方向に加熱ゾーンと均熱ゾーンとに区画し、加熱ゾーンの炉内温度とそのゾーンの設定温度との偏差に基づいて処理品の搬入側のバーナの燃焼量を制御すると共に均熱ゾーンの炉内温度とそのゾーン内設定温度との偏差に基づいて搬出側のバーナの燃焼量を制御するようにしている。この場合、炉内に適切な炉内温度差の加熱ゾーンと均熱ゾーンとが形成される。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の構成を図面に示す最良の形態に基づいて詳細に説明する。
【0012】
図1及び図2に本発明のろう付け炉の一実施例を示す。このろう付け炉は、ろう付け処理を施そうとする処理品(図示省略)が通過できるように搬入口5と搬出口6とを長手方向の両端に設けた炉体1と、熱源となる蓄熱型ラジアントチューブバーナ2と、処理品を搬送するメッシュベルト3とから主に構成されている。
【0013】
炉体1は、その構造および材質等に特に限定を受けず、例えば鋼製のケーシングに耐火物の内張りを施したものによって構成され、メッシュベルト3よりも僅かに広くラジアントチューブ7を設置するだけの高さを有する炉内空間(炉内)4と処理品の搬入搬出に必要な最小限の広さの搬入口5および搬出口6とを設けている。この炉体1の長手方向(搬入口5と搬出口6とを結ぶ方向)には処理品を搬送するメッシュベルト3が貫通するように設けられ、メッシュベルト3に載置された処理品が炉内4を長手方向に通過するように設けられている。尚、メッシュベルト3は図示していないが、例えば炉外に設置された駆動ローラ及びアイドルローラに巻き掛けられてモータ駆動によって回転する。このメッシュベルト3は両端のローラの間の張り詰められた上部分が炉内4を通過し、下部分が炉外を通過するように掛けられている。
【0014】
蓄熱型ラジアントチューブバーナ2は、メッシュベルト3の上方と下方にそれぞれメッシュベルト3と平行に炉体1の長手方向即ち処理品の搬送方向に炉内4を貫通するように配置されたストレートラジアントチューブ7と、その両端の炉外に設置された部分に接続されて交互に燃焼するバーナ部8,8とによって構成されている。バーナ部8は、蓄熱体10を内装しあるいは外部に直に接続し、排ガスと燃焼用空気とを交互に蓄熱体10に通過させることによって得られる高温の燃焼用空気を用いてラジアントチューブ7内の密閉空間で燃焼させるものである。この蓄熱型ラジアントチューブバーナ2は、本実施例では処理品に対し表側と裏側からそれぞれ等しく加熱するためメッシュベルト3の上方と下方にそれぞれ2組ずつ合計4組が設置されているが、この本数並びに配置には特に限定されない。尚、ラジアントチューブ7としては特に限定されるものではないが、通常使用される耐熱鋳鋼などの金属の他、SiC等のセラミックスを使用する事もある。セラミックス製チューブの場合、酸化しないばかりか軽量で含有熱も小さい(比重が小さく薄肉にできるから)という利点がある。
【0015】
ここで、炉内4の搬入口5側寄りのゾーンでは炉外からの外気の侵入により炉内温度が低下する虞がある。しかも、搬入直後の処理品は冷たい。このため、搬入口5寄りのゾーンでは、搬出口6寄りのゾーンよりも大きな熱を必要とする。反面、搬出口6寄りのゾーンでは、処理品の接合面間隙に侵入したろう材の凝固を早めるために、ろう材が溶融して流動できる環境が実現できる最低の温度に保持できる均熱ゾーンが必要である。そこで、搬入口5側のバーナ部8の燃焼量は搬出口6側のバーナ部8よりも大きく設定され、搬入口5寄りのゾーン(加熱ゾーン)で大きな熱流束を得るように設けられている。これによって、炉内には、急速に処理品の温度が上昇する搬入口5寄りの加熱ゾーンと、加熱昇温された処理品の温度を維持する搬出口6寄りの均熱ゾーンとが実質的に構成される。各ゾーンにおける炉内温度の制御は、特に後述する手段に限定されるものではないが、例えば搬入口5寄りの加熱ゾーンと搬出口6よりの均熱ゾーンに設置されたサーモセンサ9,9によって各ゾーンの炉内温度が検出され、加熱ゾーンの炉内温度とそのゾーンの設定温度との偏差に基づいて処理品の搬入口5側のバーナ8の燃焼量を制御すると共に均熱ゾーンの炉内温度とそのゾーン内設定温度との偏差に基づいて搬出口6側のバーナ8の燃焼量を制御することによって行われる。これによって、最も熱を必要とする搬入口5寄りの加熱ゾーンの炉温を搬出口6寄りの均熱ゾーンよりも高くするよう炉温分布が設定される。尚、各バーナ部8,8の燃焼量をサーモセンサ9,9によって測定される炉内温度と設定温度との偏差に基づいて終始制御しても良いが、本実施例の場合にはある温度までは燃焼量を一定とし、それから設定温度までの温度差分を前述の偏差に基づいて燃焼を制御するようにしている。ここで、作動させるバーナの交換の周期は燃焼の有無に拘わらず一定時間とされている。例えば、30秒程度の短時間で周期的にバーナは切り替えられ、その間に必要な燃焼が行われるように設けられている。
【0016】
この蓄熱型ラジアントチューブバーナ2は、より具体的には図3及び図1に示すように、ストレート型ラジアントチューブ7と、このラジアントチューブ7の両端部に配置される一対のバーナ部8,8及びこれら一対のバーナ部8,8を交互に燃焼させるために燃焼用空気と燃料を選択的に供給する燃焼用空気供給系11と燃料供給系13並びに排気系12から構成されている。
【0017】
そして、ラジアントチューブ7の両端にはフランジ7aが設けられ、該フランジ7aと炉体1との間に断熱材製のスペーサ1bを介して炉体1に当該チューブ7が固定されている。ラジアントチューブ7の炉体1への固定は、図示していないが、通常、炉体1にあけられた大き目の穴にチューブに取り付けた断熱材製バングをはめ込んでその周りを断熱材のシール部材で気密に塞ぐことによって行われている。
【0018】
各バーナ部8,8は、バーナボディ16と、パイロットバーナ兼用の燃料ノズル17と、エアースロート18及びノズル支持体19等より構成されている。なお、ノズル支持体19はバッフルとして機能し、安定火炎を形成する。
【0019】
バーナボディ16は、本実施例の場合、L形の略円筒状を成しており、直角に折り曲げられた上側部分のフランジ16cを利用してラジアントチューブ7に取り付けられる。このバーナボディ16の上側部分には、燃料ノズル例えばパイロットバーナ兼用ノズル17が貫通するように取り付けられている。
【0020】
また、バーナボディ16が接続されるラジアントチューブ7の入口付近には蓄熱体10が収容されている。蓄熱体10は、例えば、通路断面積が一定でかつ直線的に流路が貫通しているハニカム形状のセラミックス例えばコージライトやムライト等の使用が好ましい。このハニカム形状のセラミックスは熱容量が大きく耐久性が高い割に比較的圧力損失が低い。しかも、排気と給気とが交互に淀みなく行われる。このため、排ガス中のダストなどは、蓄熱体10のハニカム形状の流路内に付着し難いし、付着しても逆洗されるため汚れることがない。更に、排ガスから熱を回収する際に排ガスが酸露点温度以下に低下してもセラミックスの表面に排ガス中のイオウ分やその化学変化物質が捕捉されて下流の排気系のダクトなどを低温腐食させることがない。
【0021】
なお、上下の蓄熱型ラジアントチューブバーナ2の各バーナ部8,8のバーナボディ16,16は、図1に示すように、ダクト15,15を介して同じ端部側のもの同士が流路切替手段14にそれぞれ接続され、一方のバーナ部8を給気系11に接続すると他方のバーナ部8が排気系12に接続されるように選択的に燃焼用空気供給系11と排気系12に連結される。バーナボディ16の下端にはフランジ16bが形成されており、ダクト15にねじなどで固定されている。
【0022】
パイロットバーナ兼用ノズル17は、図示していないが、燃料を噴射する内筒と、その周りに一次空気を流す一次エアースロートを構成する外筒とから成る二重管で構成されている。したがって、ノズルの構造は単純であり、比較的細く形成することができる。このパイロットバーナ兼用ノズル17によると、ノズル内の一次エアースロートにはパイロット燃焼に適した量の燃焼用空気、例えば二次空気としてエアースロート18に流される燃焼用空気の約10%程度の一次空気がバーナの作動状態とは無関係に常に流される。また、燃料を流す内筒の先端の主たる噴射口の他に一次エアースロートに向かって燃料の一部を噴射する噴射口が開口され、燃料の一部(パイロット火炎を維持するに十分な量の燃料)をパイロット燃料として一次エアースロート内に噴射し一次空気と良好に混合させて予混合気を得るように設けられている。パイロット燃料は主燃焼の有無にかかわらず常に流され、主燃焼時とパイロット燃焼時(主燃焼停止時)とで噴射燃料量が切り替えられ、同じ燃料ノズルで主燃焼とパイロット燃焼とが継続するように構成されている。ここで、パイロットバーナ兼用ノズル17内に形成されるパイロット火炎は燃焼にほとんど影響を与えない大きさのものである。また、パイロット燃料噴射口の近傍には図示していないがイグナイタが設置されており、燃料ノズルの噴射口の周りに保炎源を形成できるように設けられている。尚、パイロットバーナ兼用ノズル17の先端部では、周りの空間が高温に予熱された二次空気あるいは排ガスが流れるエアースロート18になる。しかし、パイロットバーナ兼用燃料ノズル17では、その内部の燃料ノズルの周りに常温の空気が一次空気として常に供給されており、また燃料も僅かながら流れているため、エアースロート18内を排ガスが流れてもその熱でコーキングを起こすことがない。
【0023】
また、パイロットバーナ兼用ノズル17の先端は、炉体1の内壁面の近傍位置にまで達し、バッフルの機能を兼ねるノズル支持体19で支持されている。ノズル支持体19は、例えば、ラジアントチューブ7内の炉内壁よりも内側の面に対応する位置に配置されている。通常、炉壁で囲われたバング部分は放熱できないので、炉内側に位置するチューブ内で火炎が形成されるように設けられている。このノズル支持体19は、バッフルプレートとして機能する円板部19aを有している。この円板部19a及び空気通路用チューブ19bの直径は、ラジアントチューブ7の内径と略同一値に設定され、ノズル支持体19をラジアントチューブ7内に装入することによって円板部19aでラジアントチューブ7内を閉塞しかつエアースロート18を形成する。この円板部19aには、図3及び図4に示すように、周縁の貫通孔19d及びパイロットバーナ兼用ノズル17側へ突出する円筒状のフランジ19eによって形成される燃料ノズル用貫通孔19cが設けられている。貫通孔19dは、円板部19aの周縁部分を、図4及び図5に示すように、半月状に切り欠くようにして空気通路用チューブ19bの一部にかけて穿たれた穴である。この貫通孔19dは、ラジアントチューブ7と共にエアースロート18の噴射口20を形成する。即ち、高温に予熱された燃焼用空気を二次空気として流すメインのエアースロート18の噴射口20は、ラジアントチューブ7の内周壁面に内接するように偏位して設けられている。これにより、蓄熱体10を通過して予熱された高温の燃焼用空気は、噴射口20から噴出されてラジアントチューブ7の内周壁面に沿って流れる。なお、本実施例における貫通孔19dは、必ずしもチューブ内周壁面に内接しなくともほぼそれに近い状態にまで接近していれば十分な効果が得られる。
【0024】
また、円板部19aの燃料ノズル貫通孔19cは、ラジアントチューブ7の中心あるいはチューブ内周壁面に内接しない範囲で噴射口20とは反対側に偏位している。燃料ノズル貫通孔19cの直径は、パイロットバーナ兼用ノズル17の先端の外径と略同一寸法値に設定されている。また、燃料ノズル貫通孔19cの周縁は、バーナボディ16に向けて延出し、フランジ19eを構成している。パイロットバーナ兼用ノズル17の先端は、このフランジ19e内に挿入されて支持される。したがって、パイロットバーナ兼用ノズル17は、図2に示すように、ラジアントチューブ7内空間の上側に、ラジアントチューブ7と略平行に配置され、その先端は空気噴射口20と離れて位置している。
【0025】
以上のように構成されたろう付け炉によれば、次のようにして処理品のろう付け処理を行うことができる。
【0026】
ろう付けを実施しようとする処理品は、設定温度に立ち上げられたろう付け炉内へ、搬入口5の外に突き出たメッシュベルト3を利用してろう材と共に搬入される。処理品はメッシュベルト3の駆動によって炉内4へ搬入され炉内を一定速度で通過する。この間、処理品は、メッシュベルト3に沿って搬送方向に縦長に配置されたラジアントチューブ7からのふく射熱によって加熱される。
【0027】
ここで、炉内4の搬入口5側寄りのゾーンでは炉外からの外気の侵入により炉内温度が低下する虞があり、尚かつ搬入直後の処理品は冷たい。しかしながら、処理品の搬入口5側のバーナ8の燃焼量が搬出口6側のバーナ8の燃焼量よりも大きく設定され、かつ短時間例えば30秒程度で交互に燃焼するようにされているので、ラジアントチューブは搬入口5寄りのゾーンでは炉温を高くし、搬出口6寄りのゾーンでは温度を一定に保持するだけの熱量を均一に放射する。このため、搬入口5寄りのゾーンでは、処理品を急速に加熱昇温し、搬出口6寄りのゾーンではろう材が溶融して流動できる環境が少なくとも実現できかつ接合面間隙に侵入したろう材を早く凝固させる最低温度が保持される。
【0028】
また、バーナの燃焼は、蓄熱体10を通過して高温例えば800℃以上に予熱された二次空気を使用して行われる。しかも、エアースロート18内へ導入された二次空気は、二次空気噴射口20から勢いよく、例えば60m/s以上、好ましくは100m/s程度の速度で噴出されてラジアントチューブ7の内周壁面寄りに偏在した高速の空気の流れを形成する。空気噴射口20は、ラジアントチューブ7の内周壁面と内接ないし接近するように偏位して設けられ、またパイロットバーナ兼用ノズル17の先端が挿入された貫通孔19eから離れて配置されている。このため、図5に示すように、二次空気としての高速の燃焼用空気流A2は燃料流Fから離れてラジアントチューブ7の内周壁面に沿って形成される。したがって、ラジアントチューブ7内の燃焼用空気流A2の反対側では負圧が生じて燃焼排ガスGが渦巻くように逆流し、燃料と混合されてから更に燃焼用空気流A2に巻き込まれ、またこの燃焼排ガスGの流れが高速の燃焼用空気流A2を包み込み、燃焼用空気に取り込まれながら流れる。即ち、燃料と燃焼用空気とは十分に燃焼排ガスを巻き込んだ状態で徐々に燃焼しながらラジアントチューブ7内に延びるいわゆる緩慢燃焼を行う。緩慢燃焼は火炎温度の低下および酸素濃度の低下によりNOx生成の抑制を図る。同時に、ラジアントチューブ内に起こる高温でかつ高流速の燃焼ガスの流れは、チューブ内における気流循環量をこれまでよりも格段に増加させ、チューブ内ガスの混合の促進や対流伝熱量の増加を起こしてチューブを均一に加熱し局部的な温度差を解消する。しかも、燃焼ガスの流れの方向が周期的に反転するため、チューブ全体として加熱むらがなく炉内温度がより均一化される。
【0029】
更に、蓄熱型ラジアントチューブバーナの燃焼によると、一方のバーナの燃焼で発生した燃焼ガスは、ラジアントチューブ7を加熱しながら他端側のバーナの蓄熱体10を経てから排気系12へ誘引され、所定の排気処理が施された後大気に排出される。このため、排ガスの熱は、蓄熱体10で回収される。そして、蓄熱体10に回収された熱は、バーナを燃焼させる際の燃焼用空気の予熱に使用され、再びチューブ内に戻される。これによって高い熱効率を維持できる。
【0030】
尚、上述の実施例は本発明の好適な実施の一例ではあるがこれに限定されるものではなく本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。例えば、本実施例では燃料ノズルとしてパイロットバーナ兼用ノズルを採用しているが、これに特に限定されず、場合によっては燃料ノズルとは別個に燃料ノズルの噴射口近傍にパイロットバーナを設置するようにしても良い。更に、本実施例ではガス燃料を用いる場合について主に説明したがこれに特に限定されず、例えばオイルなどの液体燃料を使用することも可能である。
【0031】
【発明の効果】
以上の説明より明らかなように、請求項1記載の本発明のろう付け炉は、メッシュベルトの上方と下方に、排ガスと燃焼用空気とを交互に蓄熱体に通過させることによって得られる高温の燃焼用空気を用いて燃焼させる蓄熱型ラジアントチューブバーナが両端に備えられたストレートチューブを処理品の搬送方向にそれぞれ配置し、処理品の搬入側の前記バーナの燃焼量を搬出側のバーナの燃焼量よりも多くしかつ交互に燃焼させるようにしたので、処理品の搬送方向に設置したラジアントチューブバーナでも所定の温度分布を設定できるため、バーナの設置数を少なくしてイニシャルコストを低減できる。しかも、熱源としてラジアントチューブバーナを使用するので、電気ヒータを熱源とする従来のろう付け炉よりもランニングコストを大幅に下げることができる。
【0032】
また、請求項2記載の本発明のろう付け炉の場合、炉内に適切な炉内温度分布を形成する加熱ゾーンと均熱ゾーンとを容易に構成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のろう付け炉の一実施例を示す縦断面図である。
【図2】図1のII−II線断面図である。
【図3】本発明のろう付け炉に使用する蓄熱型ラジアントチューブバーナの一実施例を示す縦断面図である。
【図4】図3のIV−IV線断面図である。
【図5】燃焼時の二次空気と燃料及び燃焼ガスの流れの説明図である。
【図6】従来のろう付け炉を概略的に示す平面図である。
【符号の説明】
1 炉体
2 ラジアントチューブバーナ
3 メッシュベルト
7 ラジアントチューブ
8 バーナ

Claims (2)

  1. メッシュベルトで処理品を搬送する間に保護雰囲気ガス中で所定温度に加熱してろう付け処理を行うろう付け炉において、前記メッシュベルトの上方と下方に、排ガスと燃焼用空気とを交互に蓄熱体に通過させることによって得られる高温の燃焼用空気を用いて燃焼させる蓄熱型ラジアントチューブバーナが両端に備えられたストレートチューブを前記処理品の搬送方向にそれぞれ配置し、前記処理品の搬入側の前記バーナの燃焼量を搬出側のバーナの燃焼量よりも多くしかつ交互に燃焼させることを特徴とするろう付け炉。
  2. 前記炉内を処理品の搬送方向に加熱ゾーンと均熱ゾーンとに区画し、加熱ゾーンの炉内温度とそのゾーンの設定温度との偏差に基づいて前記処理品の搬入側のバーナの燃焼量を制御すると共に均熱ゾーンの炉内温度とそのゾーン内設定温度との偏差に基づいて搬出側のバーナの燃焼量を制御することを特徴とする請求項1記載のろう付け炉。
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