JP2894174B2 - 連続式加熱炉の燃焼制御方法 - Google Patents

連続式加熱炉の燃焼制御方法

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JP2894174B2 JP24540893A JP24540893A JP2894174B2 JP 2894174 B2 JP2894174 B2 JP 2894174B2 JP 24540893 A JP24540893 A JP 24540893A JP 24540893 A JP24540893 A JP 24540893A JP 2894174 B2 JP2894174 B2 JP 2894174B2
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宗浩 石岡
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、連続式加熱炉におい
て、被加熱材の寸法が炉幅に比して小さいときにも被加
熱材を均一に加熱できる連続式加熱炉の燃焼制御方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】鋼材を加熱炉で加熱するに際しては、各
燃焼帯域での炉内温度が一定温度に保たれることが重要
なことである。両側壁からの燃焼を主体とした加熱炉に
おいて、炉幅に近い長さの鋼材を連続的に加熱するとき
に、炉内温度を一定に保つことは問題ないが、炉幅より
も極端に短い長さの鋼材が混在する加熱のときには、短
尺鋼材を炉幅方向中心部に装入すると、炉側壁に設けた
燃焼バーナーで燃焼した燃焼ガスが鋼材にとどかず、燃
焼ガスの保有する熱エネルギーが十分に鋼材に伝達され
ないため、炉内温度が上昇するという問題がある。
【0003】そこで、炉の両側壁から対向して燃焼させ
るようにした1対以上の燃焼バーナーによる加熱を主体
とした連続式加熱炉において、炉幅に比較して短い長さ
の鋼材を加熱するときには、鋼材を炉の一方の側壁に寄
せ、この側壁に設けた燃焼バーナーのみで加熱し、他方
の側壁に設けた燃焼バーナーは燃焼を停止するという加
熱方法を採用している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、炉の両
側壁から対向して燃焼させるようにした従来の連続式加
熱炉で、短尺材を片側の炉壁に寄せて加熱する場合、発
生した燃焼排ガスが予熱帯を通って炉尻の煙突から大気
中に放散される構造となっているため、燃焼排ガスが常
に炉内を流れており、図3に示すように、燃焼バーナー
21で生成された火炎22が炉23の下流側に流されて
しまい、鋼材24の炉幅方向の温度制御が困難であると
いう問題点があった。
【0005】この発明は、従来技術の上述のような問題
点を解消するためになされたものであり、連続式加熱炉
において短尺の被加熱材を加熱する場合に、被加熱材の
炉幅方向の温度分布が均一となるような連続式加熱炉の
燃焼制御方法を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明に係る連続式加
熱炉の燃焼制御方法は、炉の両側壁に設けられた1対以
上の燃焼バーナーにより被加熱体を加熱し、かつ区分さ
れた燃焼帯域毎に燃焼排ガスを炉外に排出するように構
成した連続式加熱炉において、炉幅に対して小さな寸法
の被加熱材を加熱する際、当該被加熱材を加熱炉の幅方
向片側に寄せて配置し、対向する燃焼バーナーのうち、
被加熱材に近いほうの燃焼バーナーの燃焼量を他方のバ
ーナーの燃焼量より多くして燃焼させることを特徴とす
る。
【0007】
【作用】この発明に係る連続式加熱炉の燃焼制御方法に
おいては、被加熱材を加熱するに際して発生した燃焼排
ガスを、区分された燃焼帯域毎に炉外に排出するように
しているので、他の燃焼帯域の燃焼排ガスが流れてきて
火炎が吹き流されることがない。従って、短尺の被加熱
材を炉の片側の側壁に片寄せて、側壁に設けたバーナー
で加熱する場合、短尺の被加熱材の炉幅方向の温度分布
が均一になるように加熱することができる。さらには、
両側壁に設けたバーナーの燃焼量を、短尺の被加熱材を
片寄せてた側のバーナーの燃焼量を多くし、他方のバー
ナーの燃焼量を少なくするという燃焼制御を行うことに
より、短尺の被加熱材の炉幅方向の温度分布の均一性を
より一層高めることができる。
【0008】
【実施例】本発明の実施例の連続式加熱炉の燃焼制御方
法を図1により説明する。図1は短尺の鋼片1を連続式
加熱炉2の片側の炉壁2aに片寄せて、この炉壁に設け
たバーナー3a、3bおよびもう一方の炉壁2bに設け
たバーナー3c、3dにより加熱する状況を示す平面図
である。この連続式加熱炉2の炉幅は4500mmの長
さの鋼片が装入できるように設計されているが、この炉
2で厚さ200mm、幅1000mm,長さ2000m
mの短尺の鋼片1を、炉壁2aに片寄せて加熱するに際
して、炉壁2a側のバーナー3aまたは3bの燃焼量
は、長さ4500mmの長さの鋼片を加熱するときの燃
焼量Vに対して、(2000/4500)×V≒0.4
4×V、すなわち最大時の44%の燃焼量で燃焼させ、
もう一方の炉壁2bに設けたバーナー3cまたは3dの
燃焼量は試行の結果、鋼片の無い部分の長さの5分の1
を加熱する分量、{(4500−2000)/450
0}×(1/5)×V≒0.11×V、すなわち最大時
の11%の燃焼量で燃焼させた。
【0009】すなわち、図2に示すように、炉壁2a側
のバーナー3aの火炎4aは長く、炉壁2b側のバーナ
ー3cの火炎4cは短くなるように燃焼させる。その結
果、従来の方法で燃焼させたときには、鋼片1の炉壁2
a側の温度と鋼片1の炉幅中央よりの端部の温度との温
度差が27℃あったものを、6ないし8℃の温度差に収
めることができた。そして、鋼片1の無い側のバーナー
3cまたは3dの燃焼量をこれよりも少なくすると、鋼
片1の炉幅中央よりの端部の温度が低下し、反対にこれ
よりも燃焼量を多くすると、鋼片1の炉幅中央よりの端
部の温度が上昇し、鋼片1の炉幅方向の温度分布が均一
にならないことが確認できた。
【0010】上述したように、鋼片1を片側の炉壁に片
寄せて加熱するときには、片寄せた側のバーナーの燃焼
量と反対側のバーナーの燃焼量との比率を適宜変えて加
熱することが肝要であるが、この比率は鋼片の厚さ、加
熱処理量、鋼片の搬送手段等の影響を受けるため、対象
とする加熱炉、鋼片の種類等も考慮して最適値を決定す
る必要がある。
【0011】なお、蓄熱式バーナーを交番燃焼させて加
熱する場合には、炉壁2a側のバーナー3aで多量燃焼
し、その燃焼排ガスを同じ炉壁2a側のバーナー3bの
蓄熱体を通して蓄熱するとともに、炉壁2b側のバーナ
ー3dで少量燃焼し、その燃焼排ガスを同じ炉壁2b側
のバーナー3cの蓄熱体を通して蓄熱するという方法を
採ってもいいし、燃焼排ガスを反対側の炉壁の蓄熱式バ
ーナーの蓄熱体を通して蓄熱してもよい。
【0012】
【発明の効果】この発明により、加熱する鋼材の炉幅方
向の温度分布を均一にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の連続式加熱炉の燃焼制御方法
を示す平面図である。
【図2】本発明の実施例の連続式加熱炉の燃焼制御方法
で交番燃焼させる場合の説明図である。
【図3】従来の燃焼方式を示す説明図である。
【符号の説明】 1 鋼片 2 連続式加熱炉 2a 炉壁 2b 炉壁 3a、3b、3c、3d バーナー 4a、4c 火炎
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C21D 1/52,9/00,11/00 F27D 7/02

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炉の両側壁に設けられた1対以上の燃焼
    バーナーにより被加熱体を加熱し、かつ区分された燃焼
    帯域毎に燃焼排ガスを炉外に排出するように構成した連
    続式加熱炉において、炉幅に対して小さな寸法の被加熱
    材を加熱する際、当該被加熱材を加熱炉の幅方向片側に
    寄せて配置し、対向する燃焼バーナーのうち、被加熱材
    に近いほうの燃焼バーナーの燃焼量を他方のバーナーの
    燃焼量より多くして燃焼させることを特徴とする連続式
    加熱炉の燃焼制御方法。
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