JP3254337B2 - 低NOxバーナ - Google Patents

低NOxバーナ

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JP3254337B2
JP3254337B2 JP25456794A JP25456794A JP3254337B2 JP 3254337 B2 JP3254337 B2 JP 3254337B2 JP 25456794 A JP25456794 A JP 25456794A JP 25456794 A JP25456794 A JP 25456794A JP 3254337 B2 JP3254337 B2 JP 3254337B2
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E20/00Combustion technologies with mitigation potential
    • Y02E20/34Indirect CO2mitigation, i.e. by acting on non CO2directly related matters of the process, e.g. pre-heating or heat recovery

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は低NOxバーナに関す
る。更に詳述すると、本発明は、蓄熱体を介した燃焼排
ガスと燃焼用空気との間の熱交換で得た高温予熱空気を
用いる蓄熱燃焼において高温域ばかりでなく従来困難で
あった中温域でのNOx低減にも効果的な低NOxバー
ナに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、バーナにおいてNOxの低減を図
るには、例えば図5に示すような燃料二段燃焼法などが
採用されている。この燃料二段燃焼法は、バーナスロー
ト101内を流れる燃焼用空気Aに対して燃料を一次ノ
ズル102と二次ノズル103とで二段に分けて供給
し、一次燃料と全量の燃焼用空気とで一次火炎を形成す
ると共に二次燃料と一次火炎の高温燃焼ガスとの反応に
よって二次火炎を形成するようにしたものである。二次
燃料ノズル付近は酸素濃度が低いため還元反応によって
一次火炎のNOxが低減される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この燃
料二段燃焼法によるバーナでは、主要火炎を形成する二
次燃料の噴射方向を燃焼用空気の流れとほぼ平行なもの
としているので低温時の二次火炎の安定性が悪く、10
00℃程度以上の高温に燃焼用空気を予熱しなければ火
炎が安定しない。そこで、低温時の二次火炎の安定性を
あげるため燃料の噴射方向を燃焼用空気の流れと垂直な
方向に近づけると、火炎は安定するものの、局部燃焼が
起こって局部的に温度が高くなりNOxが増大する。斯
様に、火炎の安定性と低NOx化とは両立し難いもので
あった。
【0004】したがって、700〜800℃程度の比較
的低温の中温域で定格操業するアルミ溶解炉、例えばウ
ェル式反射型溶解保持炉の熱源として使用するような場
合、あるいはその炉の立ち上げ時などの低温時には、火
炎の安定性が悪くなり、従来の燃料二段燃焼法を実施す
ることは困難である。
【0005】また、一次燃料と二次燃料とを2つのステ
ージに分けて噴射するための配管が複雑となる等、設備
が複雑となりその施工作業も煩雑となると共に設備コス
トが高くなりかつ場所をとる問題を有している。
【0006】本発明は、コンパクトでかつ高効率な低N
Oxバーナを提供することを目的とする。更に、本発明
は、高温の予熱空気を用いた燃焼において高温域ばかり
でなく従来困難であった中温域でのNOx低減にも効果
的でかつ火炎の安定性が良い低NOxバーナを提供する
ことを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
め、本発明は、燃焼排ガスと燃焼用空気とを交互に蓄熱
体に通過させることによって得られる高温の燃焼用空気
を用いて燃焼させる蓄熱燃焼型のバーナシステムにおい
て、燃焼用空気を燃料よりもはるかに高速で噴射する
ノズルと燃料を噴射する燃料ノズルとを耐火材で囲繞
して平行に配置し、燃料ノズルの噴射口が形成された
火材の端面と空気ノズルの噴射口が形成された耐火材の
端面との間に段差を設けて空気ノズルの噴射軸に沿った
面を形成すると共に燃料ノズル側の耐火材の端面を空気
ノズル側の耐火材の端面よりも突出させている。ここ
で、燃料ノズルがパイロットバーナを兼用することが好
ましい。
【0008】また、本発明の低NOxバーナは、燃料ノ
ズルの噴射口の空気ノズル寄りの部分が曲面あるいは斜
面から成る拡径部で形成され、噴射する燃料の一部が空
気ノズル側へ流れ出るようにしている。
【0009】また、本発明の低NOxバーナは、燃料ノ
ズルの噴射口が形成された耐火材の端面と空気ノズルの
噴射口が形成された耐火材の端面との間の段差部分
気ノズルの軸方向に沿う面が空気ノズルの噴射口に対し
外接させてあるいは噴射口の前方において噴射口を塞ぐ
ことなく部分的に包み込むように交差させるようにして
いる。
【0010】
【作用】請求項1記載の発明の低NOxバーナの場合、
燃焼用空気が噴出する空気ノズルを囲繞する耐火材の
面と燃料が噴出する燃料ノズルを囲繞する耐火材の端面
との段差部分の面に沿って流れる燃焼用空気の一部が、
燃料が噴出する耐火材の端面の段差寄りの付近において
燃焼用空気の流れとは逆流する渦を安定的に形成し、燃
料ガスの一部を巻き込んで種火となる火炎を形成する。
また、段差部分では負圧が生じて強力な排ガス再循環が
起こり、燃焼用空気が燃料ガスと混合する前に排ガスを
巻き込んで酸素濃度を低減させている。そして、燃料が
噴射される耐火材の端面より下流においては燃焼用空気
の流れに燃料が誘引されて随伴混合される。
【0011】ここで、約700〜800℃あるいはそれ
以上の高温に予熱された燃焼用空気は、常温時に比べて
体積が膨張しているため、空気ノズルを細く設定するこ
とによって、あるいは低温時に適切な流速となるように
設定された細いノズルを採用することによって、常温の
燃料および空気に比べてかなりの高速度で噴出される。
例えば、20〜30m/sの流速で噴出される燃料に比
べて高温予熱空気は100m/s以上の極めて速い流速
で噴出される。このため、高速の燃焼用空気の流れによ
って燃焼排ガスが強力に巻き込まれ、酸素濃度(分圧)
を低下させる一方、燃焼用空気の流れに燃料が誘引され
て強力に随伴混合する。しかし、燃焼用空気は燃料の流
れに比べてはるかに高速であり、また燃料が噴射される
耐火材の端面に達するまでに排ガスを大量に巻き込んで
いることから、燃焼反応は急激に起こらず、燃焼用空気
と燃料とが接触する表面層が燃焼する緩慢燃焼を起こ
す。しかも、燃焼用空気が高流速でも、燃料噴流と空気
噴流との間に発生する空気の渦に起因する種火と一次火
炎によって失火せずに安定な火炎を維持できる。特に請
求項2の発明の場合、安定的な一次火炎が燃料噴流に沿
って形成され燃料と共に空気噴流側へ誘引されるため、
より安定な火炎を形成できる。更に、燃焼反応中も、燃
焼用空気の流れが速いため、排ガスを大量に巻き込みな
がら燃焼反応が継続され、より緩慢燃焼を促進する。し
たがって、高速で噴出される高温の燃焼用空気とこれに
誘引される比較的低速の燃料ガスとが互いに接触する表
面層で混合する緩慢燃焼を起こしながら指向性の強い火
炎及び燃焼ガス流を形成する。
【0012】また、炉の立ち上げ時などのように燃焼用
空気が低温の場合には、燃焼用空気の流速が遅くなり排
ガスの巻き込み量が減少するが、燃焼用空気の温度が低
いためもともと発生するNOxが少ない。逆に酸素濃度
が高めになるため燃料ノズルの噴射口の近くの燃料噴流
と燃焼用空気噴流との間に安定的な種火が吹き消えるこ
となく形成され火炎が安定する。
【0013】依って、高温時には低NOxでありなが
ら、かつ低温時の火炎の安定性にも優れるバーナとな
る。
【0014】また、請求項3記載の発明の場合、燃料が
空気側に流れ易くなり、空気の流れに随伴される燃料ガ
スの量および段差部分寄りの燃料噴射口付近に起こる種
火への燃料補給量が増加する。
【0015】更に、請求項4記載の発明は、燃焼用空気
の噴射口の周りあるいは噴射口に沿って段差部分が形成
されているため、この段差部分がガイドとなって燃焼用
空気の噴射方向を強制し、指向性の強い燃焼用空気の流
れを形成できる。このため、より遠くまで燃料を随伴さ
せて指向性の強い火炎及び燃焼ガス流を形成できる。ま
た、段差部分では負圧が生じて強力な炉内排ガス再循環
を一層強力なものとできる。
【0016】
【実施例】以下、本発明の構成を図面に示す実施例に基
づいて詳細に説明する。
【0017】図1に本発明の低NOxバーナの一実施例
を示す。この低NOxバーナは、蓄熱体と燃焼排ガスと
を利用して高温に予熱された燃焼用空気の流れと平行に
燃料たるガスを噴射するバーナであって、高温に予熱さ
れた燃焼用空気を燃料よりもはるかに高速で噴出させる
空気ノズル1と燃料(ガス)ノズル2とが耐火材のブロ
ック3を貫通するように形成され、耐火材のブロック3
の段差がつけられた2つの端面4,5に各ノズルの噴射
口6,7が穿孔されている。ここで、燃料ノズル2の周
りには一次空気を供給する流路を構成する配管8が埋設
され、燃料ノズル2の周りに二次空気の約10%程度の
一次空気が流されている。燃料ノズル2の先端部分には
主たる噴射口7の他に周りの一次空気流路に向かって燃
料の一部を噴射する噴射口9が開口され、燃料の一部を
パイロット燃料として配管8の周壁に衝突させて一次空
気の流路内に広がらせて良好な混合状態を得るように設
けられている。そこに、図示していないイグナイタが設
置されており、燃焼中は安定的な一次火炎12が形成で
きるように設けられている。配管系は二次空気として使
用される大部分の燃焼用空気を流す主配管・空気ノズル
1と、燃料及び一次空気を流す燃料配管(一次空気配管
8と燃料ノズル2)のみで構成され、非常にコンパクト
なシステムである。
【0018】また、燃料噴射口7と空気噴射口6とは同
一平面に形成されず、段差がつけられた異なる面に設け
られかつ空気噴射口6よりも下流側に燃料噴射口7が配
置されている。即ち、燃料噴出口7は空気噴射口6を設
けた耐火材のブロックの端面(以下、基準面という)4
から突出させた端面(以下、保炎面と呼ぶ)5に設置さ
れる。この保炎面5の燃料噴出口7より安定的な一次火
炎12及び燃料Fが噴出される。燃焼用空気は耐火材ブ
ロック3の中央より高速で噴出される。この時、保炎面
5の段差部分の近傍において燃焼用空気の流れに対し逆
流する渦11が安定的に形成でき、燃料・ガスの一部と
急速混合して保炎領域を形成する。したがって、高温時
はいうまでもなく、低温時も安定的な種火が吹き消える
ことなく形成できる。空気ノズル1と燃料ノズル2を平
行に配置して保持する耐火材のブロック3は、本実施例
の場合、一体に成形した単一ブロックで構成されている
が、場合によっては空気ノズル1を保持する部分と燃料
ノズル2を保持する部分とを別々に成形したものを組み
合わせて使用するようにしても良い。また、本実施例の
場合、空気ノズル1は配管によって構成されておらず、
耐火材ブロック3にあけられた孔及び耐火材ブロック3
を内装するバーナボディによって構成されている。勿
論、空気ノズル1は配管によって構成しても良い。
【0019】更に、上述の構造を採る場合、耐火材ブロ
ック3には強度上の問題で空気ノズル1と燃料ノズル2
との間にある程度の距離を必要とする。このため、噴射
直後の領域では燃料が高速の空気流に誘引され難い傾向
がある。そこで、燃料噴射口7の空気ノズル1寄りの部
分13の形状を、図1に示すように、空気ノズル1側へ
向かう曲面形状にすることが好ましい。このことによっ
て、燃料が燃焼用空気の流れ側に流れ出易くなる。この
ため、より燃料の随伴混合能力が高まり、COやHCな
どの遊離未燃分の発生を防止することができる。また、
燃焼用空気の逆流する渦11への燃料の供給も良好とな
って一層安定な種火が形成できる。この形状に関して
は、曲面に限定されず、このような機能を満たす構造で
あればよい。例えば斜面でも良い。
【0020】また、空気ノズル1は保炎面5と基準面4
との境界の段差部分に設置されている。そして、保炎面
5寄りの部分には燃料を随伴混合させる機能を持たせ、
基準面4寄りの部分には排ガスを再循環させる機能をも
たせている。即ち、図1の(B)に示すように、保炎面
5と基準面4との段差部分の空気ノズル1の軸に沿う
10が空気ノズル1の噴射口6の中央で交差し噴射口6
を半割にするように噴射口の中央を横切るように配置
され噴射口6の前方において噴射口6を塞ぐことなく部
分的に包み込む場合、随伴混合機能と再循環機能との双
方を両立させ得る。一方、図2の(A)に示すように、
空気ノズル1の噴射口に段差部分の面10が外接する
ように配置する場合には、図1の(B)に示す場合に比
べて排ガスを巻き込む面積が広くなるため、燃焼用空気
の酸素濃度を低下させる機能に優れることとなる。ま
た、図2の(B)に示すように段差部分の面10が噴射
口6の前方において噴射口6を塞ぐことなく交差して噴
射口のほとんどを包み込むようにする場合には、噴射
された空気が耐火材ブロック3で保炎面5まで拘束され
ている部分が多いため、より指向性の強い燃焼用空気の
流れが保炎面5より噴出され、燃焼ガスの随伴混合能力
に優れることとなる。尚、図2には2つの例を示してい
るが、これに限ったものでない。また、図中の符号14
は噴射口6の延長線上に形成された溝である。
【0021】尚、燃焼用空気は、燃焼排ガスを利用して
例えば700〜800℃あるいはそれ以上の高温に予熱
されたものが噴射される。例えば、燃焼排ガスと燃焼用
空気とを交互に蓄熱体に通過させる直接熱交換によっ
て、ほぼ燃焼排ガス程度に近い温度にまで予熱される。
ここで、蓄熱体は図示していないが、バーナボディある
いはそれに接続されたダクトに内装されたり、若しくは
配管によって接続されている。
【0022】このように構成された図1に示す低NOx
バーナによると、燃焼用空気が高温かつ高流速で噴出し
た場合、保炎面5から噴出する高流速で指向性のある燃
焼用空気は比較的低速で平行に噴射される燃料を早期に
強力に誘引して随伴させ、混合しながら遠くまで飛ぶ。
しかし、燃焼用空気流速は燃料流速に比べてはるかに高
速、例えば100m/s以上と非常に高速であることか
ら、また保炎面5に達するまでに排ガスを大量に巻き込
んでいることから、燃焼反応は急激には起こらず、緩慢
に燃焼反応は進行する。更に、空気流速が速いため、燃
焼反応中にも排ガスを大量に巻き込みながら燃焼反応が
行われるため、より緩慢燃焼を促進する。このことは、
図4に示す燃焼用空気の流速とN0xの発生量との関係
を求めた実験結果よりも明らかであるが、燃焼用空気の
噴射速度が高くなる程NOxの量が低下しかつその効果
も燃焼量が大きくなるほど(高温となるほど)顕著なも
のとなった。したがって、本実施例のバーナによると、
比較的均一でかつ長いヒートフラックスが形成できかつ
低NOx化が実現できる。しかも、保炎面5の段差部分
寄りの領域に起こる燃焼用空気の逆流に燃料の一部が誘
引されて拡散混合し、種火となるような安定した火炎を
形成するため高温時は勿論のこと、低温時から安定に火
炎が形成される。
【0023】以上のように構成された本発明の低NOx
バーナは、非鉄金属溶湯保持炉の熱源例えば反射炉の熱
源として利用することができる。
【0024】低NOxバーナは、本実施例の場合、交互
に燃焼する2基のバーナ21,22を1組として1つの
蓄熱燃焼型のバーナシステム20が構成している。蓄熱
型バーナシステム20は、反射炉の加熱室のアルミ溶湯
の液面より上の空間部分に向けて火炎・燃焼ガスを形成
するように炉壁に配置されている。尚、本実施例では1
システムの蓄熱型バーナシステム20を設けているが、
2以上のシステムを装備しても良い。
【0025】蓄熱燃焼型バーナシステム20はその構造
及び燃焼方式に特に限定を受けるものではないが、本実
施例では図3に示すように蓄熱体23をバーナボディ
に内蔵して各バーナ21,22と蓄熱体23,23を
一体化したものを2基組合せ、交互に燃焼させる一方、
燃焼させていない停止中のバーナ及び蓄熱体を通して燃
焼排ガスを排出し得るように設けられている。2基のバ
ーナ21,22には、燃焼用空気を供給する給気系24
と燃焼ガスを排出する排気系25とが四方弁26の介在
によって選択的に接続可能とされ、一方のバーナ21
(あるいは22)には蓄熱体23を通して燃焼用空気の
供給を図る一方、他方のバーナ22(あるいは21)か
らは蓄熱体23を通して燃焼ガスの排気を図るように設
けられている。燃焼用空気は例えば図示していない押し
込みファン等によって供給され、燃焼排ガスは例えば図
示していない誘引ファンなどの排気手段によって炉内か
ら吸引され大気中に排出される。また、燃焼用空気の一
部は蓄熱体23を通過させずに一次空気として燃料と共
に配管8,2から噴射される。また、燃料供給系は、図
示していないが例えば三方弁を介して選択的にいずれか
一方のバーナ21,22に交互に接続され燃料を供給す
る。
【0026】ここで、蓄熱体23,23としては比較的
圧力損失が低い割に熱容量が大きく耐久性の高い材料、
例えばコージライトやムライトなどのセラミックスで成
形されたハニカム形状のセル孔を多数有する筒体の使用
が好ましい。この場合、燃焼排ガスから熱を回収する際
に排ガスが酸露点温度以下に低下してもセラミックス内
に燃料中のイオウ分やその化学変化物質が捕捉され、下
流の排気系のダクトなどを低温腐食させることがない。
勿論、特にこれに限定されるものではなくセラミックボ
ールやナゲットなどの他の蓄熱体を使用しても良い。
【0027】以上のように構成されたウェル式反射型溶
解保持炉によれば、700〜800℃程度の中温域で操
業されるが、段差面10の付近の保炎面5に燃焼用空気
の逆流に起因する種火として安定な火炎が形成されると
共に燃焼用空気の高速な流れによって巻き込まれる排ガ
スによって酸素濃度が低減されつつ燃焼用空気に誘引さ
れる燃料が徐々に混合されて緩慢燃焼を起こす。このた
め、火炎も安定するしNOxも増えない。
【0028】一方、停止中のバーナからは燃焼排ガスが
空気ノズル1および蓄熱体23を通排気系25を通っ
て排気される。即ち、一対のバーナ21,22は四方弁
26の切替えによって排気系25と給気系24とに交互
に接続され、燃焼していない時には燃焼排ガスの排出路
として利用される。アルミ溶湯は火炎及び燃焼ガスの輻
射熱によって加熱される。ここで、バーナ21,22に
供給される燃焼用空気は蓄熱体23との短時間の直接接
触によって予熱されてから供給されるため排ガス温度に
近い高温である。したがって、少ない燃料でも安定燃焼
し高温の燃焼ガスが得られる。しかも、燃焼量の増減に
伴って燃焼用空気の温度も即座に変化するので湯温の温
度調整の応答性が良い。
【0029】尚、燃焼と排気の切替えは例えば10秒〜
2分間隔、好ましくは約1分以内、最も好ましくは10
〜40秒程度の極めて短い間隔で行われる。この場合、
高い温度効率で熱交換される。また、蓄熱体23を経由
して排出される燃焼ガスが所定の温度例えば200℃程
度となったときに切替は行われるようにしても良い。こ
の場合、火炎位置が頻繁に移り変わるために燃焼室内で
のヒートパターンをより均一化でき、加熱むらや保温む
らが少なくなる。このバーナの効果及び非定在火炎の効
果から、炉内温度の均一化が容易に達成できる。よっ
て、炉内温度設定を上げることが可能となり、輻射伝熱
量が大幅に向上する。したがって、熱効率が向上し、燃
費低減にも結びつく。
【0030】本実施例のバーナによると、蓄熱体23,
23、耐火材ブロック3とがバーナボディ27に組み込
まれて一体となっており、かつ配管の数も少ないため、
従来に比べてコンパクトになり、アプリケーション自由
度が向上し、製作施工上のコストメリットが大きくな
る。したがって、大規模新設熱設備はいうまでもなく、
従来投資回収が困難とされてきた小規模な熱設備の省エ
ネ改造においても投資回収の問題を回避できる。
【0031】尚、上述の実施例は本発明の好適な実施の
一例ではあるがこれに限定されるものではなく本発明の
要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能であ
る。例えば、本実施例では本発明の低NOxバーナを反
射炉に適用した場合について主に説明したが、これに特
に限定されず、直接加熱、間接加熱を問わず熱設備全般
に応用できる。また、本実施例では高温の燃焼用空気を
バーナに連結ないし内装した蓄熱体を利用した交番燃焼
によって得る場合について主に説明したがこれに特に限
定されるものではなく、例えば燃焼用空気供給系と排気
系に対し蓄熱体を相対的に回転させることによって、あ
るいは流路切替手段を用いて蓄熱体に対する流体の流れ
方向を切り替えることなどによって、高温の燃焼排ガス
の排熱を利用して燃焼用空気を高温に予熱したものを単
一のバーナに連続的に供給し、連続燃焼させるようにし
ても良い。また、本実施例では燃料ノズル2の周りに一
次空気を流す配管8を設けて噴射口付近にパイロットバ
ーナを形成しているが、これに特に限定されず、場合に
よっては燃料ノズルとは別個に燃料ノズルの噴射口近傍
にパイロットバーナを設置するようにしても良い。更
に、本実施例ではガス燃料を用いる場合について主に説
明したがこれに特に限定されず、例えばオイルなどの液
体燃料を使用することも可能である。
【0032】
【発明の効果】以上の説明より明らかなように、請求項
1記載の低NOxバーナの場合、燃焼用空気が噴出する
耐火材の端面と燃料が噴出する耐火材の端面との段差部
分の空気ノズルの軸に沿う面に沿って流れる燃焼用空気
の一部が、燃料が噴出する耐火材の端面の段差寄りの付
近において燃焼用空気の流れとは逆流する渦を安定的に
形成し、燃料ガスの一部を巻き込んで種火となる火炎を
形成する一方、段差部分では負圧が生じて強力な排ガス
再循環が起こり、燃焼用空気が燃料ガスと混合する前に
排ガスを巻き込んで酸素濃度を低減させ、更に燃料が噴
射される耐火材の端面より下流においては燃焼用空気の
流れに燃料が誘引されて随伴混合されるので、安定的に
緩慢燃焼を起こしながら指向性の強い火炎及び燃焼ガス
流を形成する。このため、高温の燃焼用空気を使用した
場合には、火炎の安定性が高いのは勿論のこと、NOx
の発生を抑制しつつ指向性の強い火炎及び燃焼ガス流を
形成できるので、広い空間で均一なヒートフラックスで
燃焼させることができる。しかも、炉の立ち上げ時など
のように燃焼用空気が低温の場合においても、燃焼用空
気の流速が遅くなることによって燃焼排ガスの巻き込み
量が減少するが、燃焼用空気の温度が低いためもともと
発生するNOxが少ないし、逆に酸素濃度が高めになる
ことによって燃料噴流と燃焼用空気噴流との間に安定的
な種火が吹き消えることなく形成されて火炎が安定す
る。更に、請求項2の発明の場合、パイロットバーナを
燃料ノズルに兼用させる簡単な構造によって安定な一次
火炎を形成しこれを燃料と共に燃焼用空気の流れ側へ誘
引させ得るので、燃焼用空気と燃料とを離して噴射させ
ても安定な火炎形成が可能となり、燃焼排ガス巻き込み
量を増やしてより低NOx化できる。
【0033】これは、比較的高温例えば1000℃以上
で操業する鉄系加熱炉などでの昇温過程における低NO
x化にも有効ではあるが、特に従来困難とされていた比
較的低温で操業する非鉄金属溶解炉などでの低NOx化
と火炎の安定に有効である。
【0034】また、請求項3記載の発明の場合、燃料が
空気側に流れ易くなり、空気の流れに随伴される燃料ガ
スの量および段差部分寄りの燃料噴射口付近に起こる種
火への燃料補給量が増加する。このため、より完全燃焼
を促進してCOやHC等の遊離未燃分の発生を防止でき
ると共に段差部分に形成される種火が安定して一層火炎
安定性を高め得る。
【0035】更に、請求項4記載の発明の場合、空気ノ
ズルの軸方向に沿う段差部分の面が燃焼用空気の噴射口
の周りあるいは噴射口に沿って噴射口を塞ぐことなく噴
射口の前方において噴射口を部分的に包み込む段差部分
が形成されているため、この段差部分がガイドとなって
燃焼用空気の噴射方向を強制して指向性の強い燃焼用空
気の流れを形成できると共に段差部分に負圧を発生させ
て排ガス再循環を起こさせる。このため、より遠くまで
燃料を随伴させて指向性の強い火炎及び燃焼ガス流を形
成できると共に段差部分では負圧が生じて強力な炉内排
ガス再循環を一層強力なものとできる。そして、段差
分の面が空気ノズルの噴射口に対し外接する場合には、
排ガス巻き込む面積が広いため、燃焼用空気の酸素濃度
を低下させる機能に優れ、また段差部分の面が空気ノズ
ルの噴射口をほとんど包むように交差する場合には空気
ノズルが耐火材ブロックで保炎面先端まで拘束されてい
る部分が多くなりより指向性の強い空気噴流が保炎面
より噴出されるので、燃焼ガスの随伴混合能力に優れ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の低NOxバーナの概略構造と燃焼状況
を説明する原理図で、(A)は縦断面図、(B)は底面
図である。
【図2】本発明の低NOxバーナの他の実施例を示す底
面図である。
【図3】本発明の低NOxバーナを用いた一実施例を示
す概略図である。
【図4】本発明の低NOxバーナにおける燃焼用空気の
流速とNOxとの関係を測定した結果を示すグラフであ
る。
【図5】従来の低NOxバーナとして一般的な燃料二段
燃焼バーナの原理図である。
【符号の説明】
1 空気ノズル 2 燃料ノズル 3 耐火材のブロック 4 空気ノズルの噴射口が形成される耐火材ブロックの
端面(基準面) 5 燃料ノズルの噴射口が形成される耐火材ブロックの
端面(保炎面) 6 空気噴射口 7 燃料噴射口 10 段差部分の面 11 燃焼用空気の保炎面での渦 12 一次火炎
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 良一 神奈川県横浜市鶴見区尻手2丁目1番53 号 日本ファーネス工業株式会社内 (56)参考文献 特開 平6−193823(JP,A) 特開 平5−126316(JP,A) 特開 平5−106842(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F23C 11/00 F23D 14/22 F23D 14/66 F23L 15/02

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃焼排ガスと燃焼用空気とを交互に蓄熱
    体に通過させることによって得られる高温の燃焼用空気
    を用いて燃焼させる蓄熱燃焼型のバーナシステムにおい
    て、前記燃焼用空気を燃料よりもはるかに高速で噴射す
    空気ノズルと燃料を噴射する燃料ノズルとを耐火材で
    囲繞して平行に配置し、前記燃料ノズルの噴射口が形成
    された前記耐火材の端面と前記空気ノズルの噴射口が形
    成された前記耐火材の端面との間に段差を設けて前記空
    気ノズルの軸方向に沿う面を形成すると共に前記燃料ノ
    ズル側の前記耐火材の端面を前記空気ノズル側の前記耐
    火材の端面よりも突出させたことを特徴とすることを特
    徴とする低NOxバーナ。
  2. 【請求項2】 前記燃料ノズルはパイロットバーナ兼用
    であることを特徴とする請求項1記載の低NOxバー
    ナ。
  3. 【請求項3】 前記燃料ノズルの噴射口の空気ノズル寄
    りの部分が曲面あるいは斜面から成る拡径部で形成さ
    れ、噴射する燃料の一部が空気ノズル側へ流れ出ること
    を特徴とする請求項1または2記載の低NOxバーナ。
  4. 【請求項4】 前記燃料ノズルの噴射口が形成された耐
    火材の端面と空気ノズルの噴射口が形成された耐火材の
    端面との間の前記段差部分の前記空気ノズルの軸方向に
    沿う面が前記空気ノズルの噴射口に対し外接させてある
    いは前記噴射口の前方において前記噴射口を塞ぐことな
    く部分的に包み込むように交差させていることを特徴と
    する請求項1から3のいずれかに記載の低NOxバー
    ナ。
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