JP3561223B2 - ガススプリングのガス圧測定装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガススプリングのガス圧の設定及びガス圧の測定をデジタル値で行うことのできるガススプリングのガス圧測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ガススプリングは例えば自動車の車体をプレス加工するプレス機のクッション等として用いられ、コイルスプリング等と同様、衝撃力をガス圧を利用して和らげたり、ワークを押さえるために使用されている。ここでは、自動車の車体をプレス加工するプレス機のクッション材として用いる場合を例にとって説明する。このようなガススプリングには、窒素等のガスが封入されているが、何らかの原因で封入されているガスが抜けた場合、ガス圧が低下して十分な押圧力を得られなかったりクッション材としての機能を発揮することができなくなり、不良品を発生させたり、ガス圧の低下が著しい場合にはプレス機の型を破損することがある。このため、プレス機を保護する上からガススプリングのガス圧を常時測定し適正なガス圧に維持されているか否かを監視する必要がある。
このようなガススプリングのガス圧の測定に、従来、アナログ式のガス圧測定装置が用いられていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このようなアナログ式のガス圧測定装置は、監視者が測定装置に表示されている目盛りからガス圧を読み取る方式であるため、監視者が目盛りを見る角度によって読み取り誤差が生じ、特に目盛りが細かくないような場合、読み取り誤差が大きくなって、正しいガス圧を読み取れない状態がある。このためガススプリングのガス圧が異常ではないのに異常と判断してしまったり、ガススプリングのガス圧が異常であるのに異常ではないと判断してしまう場合がある。さらに、アナログ式だとガススプリングのガス圧の測定そのものを正確に行うことが難しいことからも、正確性に欠ける。したがって、ガス圧が異常であるか否かの判断がしっかりと行われない恐れがあった。
【0004】
また、プレス機は、ガススプリングのガス圧の測定装置とは連動しているわけではないので、ガス圧が異常であってもプレス機は停止することなく稼働し続け、これが不良品を生産しつづける原因やプレス機の型の破損を招く原因となっている。
【0005】
また、プレス機の型を洗浄する際には、型全体に洗浄液を掛けて洗浄するため、プレス機の型の近傍に設けられているガススプリングのガス圧測定装置に洗浄液が掛かることが多い。ガス圧測定装置に洗浄液が掛かるとガス圧測定装置内に洗浄液が侵入する事があり、故障の原因となっている。
【0006】
本発明の1つの目的は、正確にガススプリングのガス圧を測定することができ、測定ガス圧が許容下限値を下回った場合には、警告を発し、プレス機等の装置の稼動を停止することのできるガススプリングのガス圧測定装置を提供することにある。
【0007】
本発明の他の目的は、プレス機の型を洗浄する際に型全体に洗浄液を掛けて洗浄しても耐水性を保つことのできるデジタル式ガス圧測定装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記本願の1つの目的を達成するために、請求項1に記載のガススプリングのガス圧測定装置は、ガススプリングのガス圧を検出し、該ガス圧値を表示するガススプリングのガス圧測定装置であって、ガススプリングの最適なガス圧の設定最適圧力値とガススプリングのガス圧の許容下限値とをデジタル入力する入力手段と、ガススプリングのガス圧を導入し、ガス圧に相当する電気信号を出力する圧力センサと、入力手段から入力されたガス圧の許容下限値と、圧力センサからガス圧に対応した圧力値をデジタル表示する表示手段と、圧力センサによって検出されたガス圧検出値と設定した許容下限値とを比較し、圧力センサによって検出されたガス圧検出値が設定した許容下限値を下回ったときにガススプリングのガス圧が異常であると判断して警告を発する警告手段と、ガススプリングのガス圧の異常時にガススプリングの使用されている装置の稼働を停止する制御装置とを設けて構成したものである。
このように構成することにより請求項1に記載の発明によると、正確にガススプリングのガス圧を測定することができ、測定ガス圧が許容下限値を下回った場合には、警告を発し、プレス機等の装置の稼動を停止することができる。
【0009】
上記本願の1つの目的を達成するために、請求項2に記載のガススプリングのガス圧測定装置は、許容下限値を、設定最適圧力値から演算するようにしたものである。
【0010】
このように構成することにより請求項2に記載の発明によると、正確にガススプリングのガス圧を測定することができ、測定ガス圧が許容下限値を下回った場合には、警告を発し、プレス機等の装置の稼動を停止することができる。
【0011】
上記本願の1つの目的を達成するために、請求項3に記載のガススプリングのガス圧測定装置は、制御装置を、ガススプリングのガス圧の異常が所定時間毎に3回検出されたとき駆動するようにしたものである。
このように構成することにより請求項3に記載の発明によると、ガススプリングのガス圧が異常でないのに何らかの原因で一時的に検出値が異常値を示すことがあり、このような場合、直ちにプレス機等の装置の稼動を停止させず、ガススプリングのガス圧の検出値の異常が一時的であるかないかを判断し、ガススプリングのガス圧が異常でないのに何らかの原因で一時的に検出値が異常値になった場合にプレス機等の装置の稼動を停止させないで済むためプレス機等の装置の稼働効率を向上させることができる。
【0012】
上記本願の1つの目的を達成するために、請求項4に記載のガススプリングのガス圧測定装置は、制御装置を、ガススプリングのガス圧の異常が所定時間継続して検出された場合に駆動するようにしたものである。
このように構成することにより請求項4に記載の発明によると、ガススプリングのガス圧が異常でないのに何らかの原因で一時的に検出値が異常値を示すことがあり、このような場合、直ちにプレス機等の装置の稼動を停止させず、ガススプリングのガス圧の検出値の異常が一時的であるかないかを判断し、ガススプリングのガス圧が異常でないのに何らかの原因で一時的に検出値が異常値になった場合にプレス機等の装置の稼動を停止させないで済むためプレス機等の装置の稼働効率を向上させることができる。
【0013】
上記本願の1つの目的を達成するために、請求項5に記載のガススプリングのガス圧測定装置は、ガススプリングのガス圧測定装置にガススプリングに封入するガスを充填するための充填口を設け、ガススプリングにガスを充填できるようにすると共に、このガススプリングへのガス充填中に表示手段で充填ガス圧を表示できるように構成したものである。
このように構成することにより請求項5に記載の発明によると、常時、ガススプリングに充填されているガス圧を一定に保つことができる。
【0014】
上記本願の他の目的を達成するために、請求項6に記載のガススプリングのガス圧測定装置は、箱形に形成される筐体と該筐体に被せる蓋体とによって構成され、前記筐体と前記蓋体との間に防水部材を備えた容器内にガススプリングのガス圧測定装置を収納して構成したものである。
このように構成することにより請求項6に記載の発明によると、プレス機の型を洗浄する際に型全体に洗浄液を掛けて洗浄しても耐水性を保つことができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るガススプリングのガス圧測定装置の実施の形態について説明する。
なお、以下において、設定最適圧力値とは、ガススプリングの最適なガス圧の値であり、許容下限値とは、その値を下回った場合にガススプリングのガス圧が異常と認められるガス圧の値である。
【0016】
図1には、本発明に係るガススプリングのガス圧測定装置の第1の実施の形態が示されている。このガススプリングのガス圧測定装置1には、ガスの流路であるパイプ2を介してアナログ式のガス圧測定装置3が接続されており、このアナログ式のガス圧測定装置3には、パイプ4を介してガススプリング5が接続されている。また、このアナログ式のガス圧測定装置3には、ガススプリング5にガスを充填するときに使用する充填口6が設けられている。
【0017】
図2、図3には、図1に図示のガススプリングのガス圧測定装置1の詳細が示されている。すなわち、ガススプリングのガス圧測定装置1は、箱形形状をしており、筐体11と蓋体12とによって構成されており、蓋体12は、図2に示す如く、その四隅において筐体11にネジ13A〜13Dで螺着されている。また、この筐体11には、ガスの流路であるパイプ2が接続されている。このパイプ2は、ガススプリングのガス圧測定装置1を構成する後述の圧力センサにつながっていて、ガススプリング5のガス圧がパイプ2を通じて圧力センサに伝わるようになっている。
【0018】
なお、パイプ2の接続箇所と同一面のパイプ2の接続箇所の近傍には電源ケーブル14が接続されている。蓋体12には、窓部15が設けられており、この窓部15は、透明部材で形成されている。この窓部15から警告ランプ16(正常ランプ16a、異常ランプ16b、強制ランプ16c)と、表示手段17を見ることができるようになっている。また、蓋体12の表面には使用箇所によって決定されるガススプリング5のガス圧の設定最適圧力値(図中の初期指定圧)と許容下限値(図中の圧力モニター作動圧)およびガススプリング5に充填することができる最大のガス圧である最大充填圧の値を作業者が記載することができるようになっている。したがって、ガススプリング5を使用するそれぞれの箇所に応じた設定最適圧力値、許容下限値、最大充填圧の値を記載することにより、作業者がその場所でのそれぞれの数値を知ることができるようになっている。
【0019】
図3は、上記ガススプリングのガス圧測定装置1の蓋体12を開けた状態を示す図である。同図においては、ガススプリングのガス圧測定装置1の一部をなす警告ランプ16(正常ランプ16a、異常ランプ16b、強制ランプ16c)と表示手段17と入力手段18を形成するボタン18Aとボタン18Bとが示されている。
【0020】
図4に上記ガススプリングのガス圧測定装置1のブロック図を示す。同図において、ガススプリングのガス圧測定装置1は、入力手段18と、圧力センサ20と、表示手段17と、警告ランプ16と、制御装置21とを備えてなっている。なお、警告ランプ16と制御装置21とで請求項にいう警告手段を形成している。また、その他に、AC/DCコンバータ24と、充電式バッテリー25と、電源コンセント28と、交流電源から電力を得るか充電式バッテリーから電源を得るかを切り替える切り替えスイッチ26とを備えている。なお、後述のように、入力手段18によって許容下限値を設定するか許容上限値を設定するかを切り替えるスイッチ27を設けてもよい。
【0021】
制御装置21は、入出力装置51とCPU52とROM53とRAM54とを備えてなっている。
この制御装置21は、ガススプリング5のガス圧の異常時に該ガススプリング5の使用されているプレス機等の装置の稼動を停止させる制御を行うものである。詳細については後述する。なお、制御装置21を構成するCPU52には、ガススプリング5のガス圧の異常が検出された場合に直ちにプレス機等の装置の稼動を停止させるのではなく、ガススプリング5のガス圧の異常が検出されてから所定時間経過した後に制御装置21が駆動してプレス機等の装置を停止させるよう、タイマーを設けてもよい。また、ガススプリング5のガス圧の異常が検出された場合に直ちにプレス機等の装置の稼動を停止させるのではなく、ガススプリング5のガス圧の異常が所定時間毎に3回検出されたときに制御装置21が駆動してプレス機等の装置の稼動をを停止させるよう、CPU52に、タイマーに加えてカウンタを設けてもよい。なお、ここにいう所定時間とは、プレス機等の装置における一回一回のプレスの間の時間であればどのような長さの時間であってもよい。
【0022】
CPU52には、入出力装置51と表示手段17とROM53とRAM54とがバスライン55(a〜d)で接続されており、交流電源から電力を得るか直流の充電式バッテリー25から電力を得るかを切り替える切り替えスイッチ26がリード線56aで接続されている。切り替えスイッチ26にはAC/DCコンバータ24と充電式バッテリー25がそれぞれリード線56bとリード線56cとで接続されている。さらにAC/DCコンバータ24には電源コンセント28が接続されている。
【0023】
CPU52に接続されている入出力装置51には、入力手段18と圧力センサ20と警告ランプ16がそれぞれリード線56dとリード線56eとリード線56fで接続されている。さらに入出力装置51には、スイッチ27と、プレス機等の装置に設けられプレス機等の装置を稼動させたり停止させたりするメインスイッチ28がそれぞれリード線56gとリード線56hとで接続されている。
【0024】
入力手段18は、図2および図3に示すようにボタン18Aとボタン18Bとを備えており、これらのボタンを用いて設定最適圧力値と許容下限値とをデジタル入力するようになっている。設定方法については後述する。
【0025】
圧力センサ20にはガスの流路となっているパイプ2がつながれ、ガススプリング5のガス圧を導入することができるようになっている。そして導入された圧力を電気信号として入出力装置51に出力するようになっている。
【0026】
表示手段17は液晶表示となっており、許容下限値とガススプリング5の圧力値がデジタル表示されるようになっている。この表示手段17はバックライト付きとなっているので、夜間でも圧力値を認識することができるようになっている。なお、図2または図3に示すように表示手段17のすぐ横には上下に並列して「SET」と「DIFF」の文字が書かれている。
【0027】
警告ランプ16は、図2および図3に示すように、正常ランプ16aと異常ランプ16bと強制ランプ16cとを備えている。正常ランプ16aと異常ランプ16bと強制ランプ16cは、図3で左側から順に一列に並んでいる。正常ランプ16aはガス圧が正常であるときに点灯するものであり、本実施の形態においては、緑色に点灯する。異常ランプ16bはガス圧が許容下限値を下回った場合に点灯するものであり、本実施の形態においては赤色に点灯する。ただし、この異常ランプ16bは、後述するようにガススプリング5のガス圧が上昇した場合に異常を検出するようにした場合は、ガス圧の値が後述する許容上限値を上回った場合に点灯する。
【0028】
なお、強制ランプ16cは、図3で強制ランプ16cの右横側に設けられた強制スイッチ19をONにすることにより橙色に点灯するものである。この強制スイッチ19は、ガススプリング5のガス圧が正常であるのにもかかわらず、何らかの原因でガス圧が異常であると判断され後述のように制御装置21がプレス機等の装置の稼動を停止させてしまった場合に、スイッチをONにすることにより、引き続いて稼動することができるようにするためのものである。
【0029】
なお、警告ランプ16は正常ランプ16aと異常ランプ16bと強制ランプ16cのほかに警戒ランプを備えてもよい。この警戒ランプは異常と認められる許容下限値にはいたっていないが、その値に近づいたときに点灯するものである。
【0030】
本発明にかかるガススプリングのガス圧測定装置1は、交流電源から電源コンセント28で電力を得ることができるが、充電式バッテリー25からも電力を得ることができるようになっている。切り替えスイッチ26は交流電源から電力を得るか充電式バッテリー25から電力を得るかを切り替えるものである。なお、ガススプリングのガス圧測定装置1は直流で作動するため、交流電源から電源コンセント28によって電力を得る場合は、AC/DCコンバータ24により交流を直流に変える。
【0031】
次に、以上のように構成されるガススプリングのガス圧測定装置1の設定最適圧力値と許容下限値の設定方法について説明する。なお、設定に際しては、蓋体11を筐体12からはずす。
設定最適圧力値の入力は以下のようにして行う。まずボタン18Aを数秒間押し続け、ディスプレイに「SET」の文字が点滅表示されたらボタン18Aをはなす。するとカーソルが表示手段17の横にかかれたSETにおいて点滅するとともに三桁の数字が表示される。次にもう一度ボタン18Aを押すと一桁目(百の位)の数字が点滅する。ボタン18Bを押すことにより数値を入力する。一桁目の数値の入力を終えると、ボタン18Aを押して次の桁(十の位)に点滅を移動させ、ボタン18Bを押して数値を入力する。数値の入力を終えると、ボタン18Aを押して次の桁(一の位)に点滅を移動させ、ボタン18Bを押して数値を入力する。数値の入力を終えるとボタン18Aを押して、設定最適圧力値の入力を終了し、次に許容下限値の設定に移る。許容下限値は設定最適圧力値との差すなわち差圧値を入力することにより設定する。例えば、許容下限値を80kgf/cm2に設定したい場合、設定最適圧力値を90と入力し、差圧値として10を入力する。具体的な差圧値の設定方法であるが、まずボタン18Bを押すと設定最適圧力値の入力を終了した時点でSETにおいて点滅していたカーソルがその下のDIFFに移動する。次にボタン18Aを押して設定最適圧力値と同様の方法により数値を入力する。差圧値の入力を終了すると、ボタン18Aを数秒押し続けディスプレイに「prs」と表示されたらボタン18Aをはなす。以上で設定が完了するが、設定完了後は再び蓋体12を筐体11に取り付ける。なお、本実施の形態では、ガス圧が下がる場合を想定して、異常と認められるガス圧として許容下限値のみを設定するようにしているが、必ずしもこのような場合に限られるものではなく、ガス圧が上昇した場合に異常を検出すべく許容上限値を設定することができるようにしてもよい。ここで許容上限値とは、その値以上にガス圧が上昇した場合に異常と認められるガス圧の値をいう。さらに、許容下限値と許容上限値を両方設定するようにしてもよい。この場合はガススプリング5のガス圧が下がったときと上がったときの両方のガス圧の異常を検出することができる。また許容上限値と許容下限値を両方設定することができるようにした場合であってもガススプリング5のガス圧が許容下限値を下回ったときのみまたは許容上限値を上回ったときのみのいずれか一方の場合に異常を検出するようにしてもよい。この場合にはスイッチ27によりいずれの異常を検出するかを切り替える。
【0032】
また、設定最適圧力値のみを入力するようにしてもよい。この場合には、許容下限値および許容上限値は、入力された設定最適圧力値から演算することにより求められる。例えば、設定最適圧力値から20パーセント減少した値を許容下限値とし、20パーセント増加した値を許容上限値とするようプログラムされている場合、設定最適圧力値を100に設定した場合は、許容下限値は80となり、許容上限値は120となる。
【0033】
このようにして入力された許容下限値および許容上限値は電気信号として入出力装置51を介してCPU52に入力される。そして、ROM53で演算され、演算の結果得られた数値はCPU52を介してRAM54に記憶される。
【0034】
次に、ガススプリングのガス圧測定装置1のガス圧の異常検出時の動作について説明する。
まず圧力センサ20によってガス圧に比例した電気信号が入出力装置51を介してCPU52に出力される。CPU52は、入力された電気信号をROM53に演算させ、演算の結果得られたガス圧の値を表示手段17に表示するとともに、RAM54に記憶された許容下限値と比較することによりガス圧が異常であるか否かを判断する。CPU52は、ガス圧が許容下限値を上回っている場合は正常ランプ16aを点灯させる電気信号を入出力装置51を介して正常ランプ16aに出力し、正常ランプ16aを点灯させる。一方、ガス圧が許容下限値を下回った場合は、異常ランプ16bを点灯させる電気信号を入出力装置51を介して異常ランプ16bに出力して異常ランプ16bを点灯させるとともに、入出力装置51を介してメインスイッチ28に停止信号を出力しプレス機等の装置の稼動を停止させる。
【0035】
なお、許容下限値ではなく許容上限値を設定するようにした場合は、CPU52は、圧力センサ20から入出力装置51を介して入力された電気信号をROM53に演算させることにより得られたガス圧の値とRAM54に記憶された許容上限値とを比較し、ガス圧が許容上限値を下回っている場合には正常ランプ16aを点灯させる電気信号を入出力装置51を介して正常ランプ16aに出力して正常ランプ16aを点灯させる。一方、ガス圧が許容上限値を上回った場合には異常ランプ16bを点灯させる電気信号を入出力装置51を介して異常ランプ16bに出力して異常ランプ16bを点灯させるにとともにメインスイッチ28に入出力装置51を介してプレス機等の停止信号を出力し、プレス機等の装置の稼動を停止させる。
【0036】
また、許容下限値と許容上限値を両方設定するようにした場合であって、ガススプリング5のガス圧が許容下限値を下回った場合と許容上限値を上回った場合の両方の異常の検出を行うようにした場合は、CPU52は圧力センサ20から入出力装置51を介して入力された電気信号をROM53に演算させることにより得られたガス圧の値とRAM54に記憶された許容下限値および許容上限値とを比較する。ガス圧が、許容下限値を上回っており、かつ、許容上限値を下回っている場合には、CPU52は正常ランプ16aを点灯させる電気信号を入出力装置51を介して正常ランプ16aに出力し、正常ランプ16aを点灯させる。一方、ガス圧の値が許容下限値を下回った場合または許容上限値を上回った場合には、CPU52は異常ランプ16bを点灯させる電気信号を入出力装置51を介して異常ランプ16bに出力して異常ランプ16bを点灯させるとともに、入出力装置51を介してメインスイッチ28にプレス機等の装置の停止信号を出力してプレス機等の装置の稼動を停止させる。
【0037】
また、許容下限値と許容上限値を両方設定するようにした場合であっても、許容下限値を下回った場合か、許容上限値を上回った場合のいずれか一方の異常の検出を行うようにした場合の異常検出の動作は、許容下限値のみまたは許容上限値のみを設定するようにした場合と同様である。
【0038】
なお、上述のようにガススプリングのガス圧が許容下限値を下回った場合または許容上限値を上回った場合すなわちガススプリング5のガス圧に異常が生じた場合に、異常な状態が所定時間継続した場合にプレス機等の装置の稼動を停止させるようにしてもよい。この場合、CPU52はガススプリング5のガス圧の異常が検出された場合に直ちにプレス機等の装置の停止信号を出力するのではなく、CPU52に設けられたタイマーがあらかじめプログラムされた所定の時間を計測し、その時間の間異常なガス圧の状態が継続した場合にCPU52が入出力装置51を介してメインスイッチ28にプレス機等の装置の停止信号を出力する。
【0039】
また、ガススプリング5の異常が検出された場合に直ちにプレス機等の装置の稼動を停止させるのではなく、所定時間毎に3回ガススプリング5の異常が検出された場合にプレス機等の装置の稼動を停止させるようにしてもよい。この場合にはCPU52に設けられているタイマーがあらかじめプログラムされた所定時間を計測し、CPU52はその所定時間毎にガス圧の値と圧力下限値および圧力上限値を比較し、ガス圧の異常が3回検出された場合(圧力下限値を下回った場合、圧力上限値を上回った場合)に入出力装置51を介してメインスイッチ28にプレス機等の装置の停止信号を出力する。
【0040】
以上のように本発明にかかるガススプリングのガス圧測定装置1はガススプリング5のガス圧をデジタル方式で測定するので、正確にガス圧を測定しガス圧の異常を検出することができる。また、ガス圧が表示手段17にデジタル表示されるとともに警告ランプ16の正常ランプ16aと異常ランプ16bのそれぞれのランプの色を違う色としたので一目でガススプリング5のガス圧が正常であるか異常であるかが分かる。さらに、異常なガス圧となった場合には制御装置21がプレス機等の装置の稼動を停止させるので不良品の発生やプレス機の型の破損を招くこともない。
【0041】
また、ガススプリング5のガス圧の異常が検出されたときに直ちに制御装置21を駆動させてプレス機等の装置の稼動を停止させるのではなく、所定時間毎に3回検出されたときに駆動するようにした場合や、ガス圧の異常が検出されてから所定時間経過した後に駆動するようにした場合は、ガススプリング5のガス圧の検出値の異常が一時的であるかないかを判断し、ガススプリング5のガス圧が異常でないのに何らかの原因で一時的に検出値が異常値になったような場合にプレス機等の装置の稼動を停止させないで済むため、プレス機等の装置の稼働効率を向上させることができる。
【0042】
また、ガススプリングのガス圧測定装置1には充電式バッテリー25が備えられているので、電源がない場所であってもこの充電式バッテリーを用いてガススプリングのガス圧測定装置1によってガス圧を測定することができる。
【0043】
なお、表示手段17として警戒ランプを備えた場合には、ガススプリング5のガス圧が許容下限値になる前にこれを察知することができ、異常なガス圧の状態になる前にプレス機等の装置の運転を停止することができ、不良品の発生やプレス機の型の破損を招く恐れが少なくなる。
【0044】
図5に本発明にかかるガススプリングのガス圧測定装置の第2の実施の形態の外観を示す。この第2の実施の形態のガススプリングのガス圧測定装置30は、第1の実施の形態のガススプリングのガス圧測定装置1に、アナログ式のガス圧測定装置3に設けられているガスの充填口6を設けたものである。なお、図6は蓋体12を開けた状態を示す図である。
【0045】
このガススプリングのガス圧測定装置30は、パイプを介してガススプリング5に接続されている。図7はかかる接続状態を示す図である。
【0046】
以下、図5、図6を参照して上記充填口6について説明する。充填口6は筒状の形状となっており、ガスの流路であるパイプ2の軸方向と直交するようにパイプ2に接続されている。この充填口6からパイプ2を介してガススプリング5にガスを充填することができるようになっている。そして、充填口6からのガススプリング5へのガス充填中に、表示手段17に充填ガス圧を表示することができるようになっている。
【0047】
このようにガススプリングのガス圧測定装置30自体にガスの充填口6を設けたので、該充填口6からガスを充填することができ、ガススプリング5に充填されているガス圧を一定に保つことができるとともに充填口6が設けられているアナログ式ガス圧測定装置3は不要となる。また、この充填口6からガスを充填しても通常よりも早くガス圧が減少して許容下限値を下回って異常が発生した場合は、例えばいずれかの箇所に亀裂が発生している等の故障が生じている可能性が高く、直ちに点検して異常箇所を発見することができ、不良品の発生やプレス機の型の破損を招くこともない。
【0048】
次に、図8を参照して本発明にかかるガススプリングのガス圧測定装置の第3の実施の形態について説明する。
図8は、図3に図示のガス圧測定装置1にパッキン31を設けたガススプリングのガス圧測定装置32を示す図である。このパッキン31は、ゴム製であり、ガススプリングのガス圧測定装置32の筐体11の周壁部の上面に設けられ、蓋体12との間をシールするようになっている。なお、パッキン31はゴム製には限らない。また、図示されていないが、図6に図示のガススプリングのガス圧測定装置30にパッキン31を設けてもよい。
【0049】
このように防水部材としてパッキン31を設けたので、プレス機の型を洗浄する際にガススプリングのガス圧測定装置32に洗浄液がかかっても、耐水性を保つことができる。
【0050】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したように構成されているので、以下に記載されるような効果を奏する。
【0051】
請求項1に記載の発明によれば、正確にガススプリングのガス圧を測定することができ、測定ガス圧が許容下限値を下回った場合には、警告を発し、プレス機等の装置の稼動を停止することができる。
【0052】
請求項2に記載の発明によれば、正確にガススプリングのガス圧を測定することができ、測定ガス圧が許容下限値を下回った場合には、警告を発し、プレス機等の装置の稼動を停止することができる。
【0053】
請求項3に記載の発明によれば、ガススプリングのガス圧が異常でないのに何らかの原因で一時的に検出値が異常値を示すことがあり、このような場合、直ちにプレス機等の装置の稼動を停止させず、ガススプリングのガス圧の検出値の異常が一時的であるかないかを判断し、ガススプリングのガス圧が異常でないのに何らかの原因で一時的に検出値が異常値になった場合にプレス機等の装置の稼動を停止させないで済むためプレス機等の装置の稼働効率を向上させることができる。
【0054】
請求項4に記載の発明によれば、ガススプリングのガス圧が異常でないのに何らかの原因で一時的に検出値が異常値を示すことがあり、このような場合、直ちにプレス機等の装置の稼動を停止させず、ガススプリングのガス圧の検出値の異常が一時的であるかないかを判断し、ガススプリングのガス圧が異常でないのに何らかの原因で一時的に検出値が異常値になった場合にプレス機等の装置の稼動を停止させないで済むためプレス機等の装置の稼働効率を向上させることができる。
【0055】
請求項5に記載の発明によれば、常時、ガススプリングに充填されているガス圧を一定に保つことができる。
【0056】
請求項6に記載の発明によれば、プレス機の型を洗浄する際に型全体に洗浄液を掛けて洗浄しても耐水性を保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるガススプリングのガス圧測定装置の外観を示す図である。
【図2】本発明にかかるガススプリングのガス圧測定装置の蓋体を取った状態を示す図である。
【図3】本発明にかかるガススプリングのガス圧測定装置がどのように接続されているかを示した図である。
【図4】本発明にかかるガススプリングのガス圧測定装置のブロック図である。
【図5】本発明にかかるガススプリングのガス圧測定装置の他の実施の形態を示す図である。
【図6】本発明にかかるガススプリングのガス圧測定装置の他の実施の形態において蓋体を取った状態を示す図である。
【図7】本発明にかかるガススプリングのガス圧測定装置の他の実施の形態とガススプリングとの接続を示す図である。
【図8】図6の一部切り欠き側面図である。
【符号の説明】
1………………………ガススプリングのガス圧測定装置
5………………………ガススプリング
6………………………充填口
11………………………筐体
12………………………蓋体
16………………………警告ランプ
17………………………表示手段
18………………………入力手段
20………………………圧力センサ
21………………………制御装置
31………………………パッキン
Claims (6)
- ガススプリングのガス圧を検出し、該ガス圧値を表示するガススプリングのガス圧測定装置であって、
前記ガススプリングの最適なガス圧の設定最適圧力値と、前記ガススプリングのガス圧の許容下限値とをデジタル入力する入力手段と、
前記ガススプリングのガス圧を導入し、該ガス圧に相当する電気信号を出力する圧力センサと、
前記入力手段から入力された前記ガス圧の許容下限値と、前記圧力センサからガス圧に対応した圧力値をデジタル表示する表示手段と、
前記圧力センサによって検出されたガス圧検出値と前記設定した許容下限値とを比較し、前記圧力センサによって検出されたガス圧検出値が前記設定した許容下限値を下回ったときにガススプリングのガス圧が異常であると判断して警告を発する警告手段と、
前記ガススプリングのガス圧の異常時に該ガススプリングの使用されている装置の稼働を停止する制御装置と、
を設けたことを特徴とするガススプリングのガス圧測定装置。 - 前記許容下限値は、前記設定最適圧力値から演算するようにしたことを特徴とする請求項1に記載のガススプリングのガス圧測定装置。
- 前記制御装置は、ガススプリングのガス圧の異常が所定時間毎に3回検出されたとき駆動するものである請求項1に記載のガススプリングのガス圧測定装置。
- 前記制御装置は、ガススプリングのガス圧の異常が所定時間継続して検出された場合に駆動するものである請求項1に記載のガススプリングのガス圧測定装置。
- 前記ガススプリングのガス圧測定装置は、前記ガススプリングに封入するガスを充填するための充填口を設け、該ガススプリングにガスを充填できるようにすると共に、前記ガススプリングへのガス充填中に前記表示手段で充填ガス圧を表示できるようにしたものである請求項1、2又は3に記載のガススプリングのガス圧測定装置。
- 前記ガススプリングのガス圧測定装置は、箱形に形成される筐体と該筐体に被せる蓋体とによって構成され、前記筐体と前記蓋体との間に防水部材を備えた容器内に収納したものである請求項1、2、3又は4に記載のガススプリングのガス圧測定装置。
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