JP3560725B2 - 体腔内超音波診断装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、超音波を送受信する超音波探触子と、前記超音波探触子を収納する保護キャップとを挿入部先端に有し、前記保護キャップの外側にバルーンを装着し、前記バルーン内におよび前記保護キャップ内に超音波伝達媒体を充填することにより超音波画像を描出し得るようにした体腔内超音波診断装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に体腔内超音波診断装置は、挿入部先端に超音波探触子が設けられるとともに、この超音波探触子を保護する保護キャップが設けられている。この保護キャップ内には超音波伝達媒体が液密に保たれており、超音波の送受はこれら超音波媒体および保護キャップ越しに行われる。さらに、この保護キャップの先端側および保護キャップが取り付けられた先端構成部にはバルーンを装着するための溝が設けられており、先端構成部の溝より先端側に開口しているバルーン内送水管路およびバルーン内吸引管路を介して水を供給、吸引することで、バルーンを膨らませるようになっている。
また、体腔内超音波診断装置の従来例としては、例えば特開平7−136168号公報に示すような、保護キャップを網状としたものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、一般の体腔内超音波診断装置では、保護キャップ内の超音波伝達媒体に経時変化により気泡が混入することがあった。このため、超音波探触子表面にこの気泡が入り込んだ場合には超音波の送受がうまくいかず、良好な超音波画像が得られないという不具合が生じる。
一方、上記特開平7−136168号公報の従来例では、使用する度にバルーンを装着しなければならないため、バルーンを保護キャップに装着する際にバルーンを破ってしまうおそれがある。
【0004】
本発明は上記問題に着目してなされたものであり、常に良好な超音波画像が得られ、かつバルーンを装着し易い体腔内超音波診断装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この目的のため、本発明の請求項1に係る体腔内超音波診断装置は、超音波を送受信する超音波探触子と、前記超音波探触子を収納する保護キャップと、前記保護キャップが取り付けられる先端構成部とを挿入部先端に有し、前記保護キャップの外側にバルーンを装着し、前記バルーン内および前記保護キャップ内に超音波伝達媒体を充填することにより超音波画像を描出し得るようにした体腔内超音波診断装置において、前記保護キャップに、その一部もしくは全体に亘って保護キャップ内外を連通する開口部を少なくとも1個所設け、前記保護キャップの一端に雄ねじを設けるとともに、前記雄ねじに対応する前記先端構成部の先端側に雌ねじを設け、前記保護キャップをその外側にバルーンを一体に装着したバルーン付き保護キャップとして前記先端構成部に着脱自在にするとともに、前記保護キャップ内に超音波伝達媒体充填用管路を開口させたことを特徴とする。
【0006】
本発明の請求項1の体腔内超音波診断装置によれば、上記構成とすることにより、保管中に保護キャップ内に気泡が混入することが防止されるとともに、保護キャップの体腔内超音波診断装置への装着時にバルーンが破損することが防止される。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づき詳細に説明する。図1(a),(b)は夫々、本発明の第1実施形態の体腔内超音波診断装置の先端構成部および保護キャップの構成を示す図であり、これらの図は保護キャップを体腔内超音波診断装置の先端部に組み付ける前の状態を表わしている。本実施形態は、常に良好な超音波画像が得られ、かつバルーンを破損することなく保護キャップを容易に装着し得る体腔内超音波診断装置を提供することを目的としている。
【0008】
体腔内超音波診断装置の挿入部の先端には、図1(a)に示すように先端構成部1が設けられており、この先端構成部1の先端側には超音波探触子2が挿入軸方向に対し回転自在に取り付けられている。
この超音波探触子2には耐湿耐水性のコーティングが施されており、このコーティングは、例えばポリパラキシリレン系の耐湿耐水性のあるものとし、蒸着またはスパッタリングにより均一に施されるようにする。このコーティングの厚さは20〜25μmとし、音響整合層として機能しないようにしておく(音響整合層となる厚さは一般にλ/4と言われており、ポリパラキシリレン系の場合、30μmである)。
【0009】
一方、この超音波探触子2を覆う保護キャップ3の一端には、図1(b)に示すように雄ねじ4が設けられ、これに対応して図1(a)の先端構成部1の先端側には雌ねじ5が設けられている。これら雄ねじ4および雌ねじ5は螺合するようになっている。また、上記保護キャップ3には、保護キャップ内外を連通する開口部である窓6が設けられている。この窓6は、1つ以上ならばいくつ設けてもよく、また、大きさに関しても保護キャップ3が容易に変形しない程度であればどのような大きさでもよい。さらに、この保護キャップ3には、バルーン7が一体にかつ水密に組み付けられている。
なお、この保護キャップ3は、ポリオレフィン系材料の、例えばポリエチレンやポリメチルペンテン等で形成するものとする。
【0010】
さらに、先端構成部1には、保護キャップ3の組み付け後の体腔内超音波診断装置の先端部の状態を表わす図2に示すように、保護キャップ3内へ超音波伝達媒体を供給する媒体供給管路(超音波伝達媒体充填用管路)8およびキャップ内から超音波伝達媒体を吸引する媒体吸引管路(超音波伝達媒体充填用管路)9が設けられている。これら媒体供給管路8および媒体吸引管路9は夫々、図2に示すように、保護キャップ3が先端構成部1へ装着されたときに、保護キャップ3内へ連通する位置に開口している。
【0011】
次に、本実施形態の作用を説明する。
まず、先端構成部1の雌ねじ5に保護キャップ3の雄ねじ4を螺合することにより保護キャップ3が先端構成部1に取り付けられる。この保護キャップ3の取り付け後に、ここでは図示しない操作部側から超音波伝達媒体を媒体供給管路8を介して保護キャップ3内へ送り込む。これにより、保護キャップ3内は超音波伝達媒体で満たされる。その際、気泡が入り込むことがあるが、その場合には、媒体吸引管路9を介して保護キャップ3内の媒体と一緒に気泡を吸引し、新たに超音波伝達媒体を供給するという作業を繰り返すことによって気泡を容易に除去することができる。
さらに、バルーン7を膨らませる際は、媒体供給管路8を介して保護キャップ3内に超音波伝達媒体を供給し続けることで膨らませることができる。また、膨らんだバルーン7は媒体吸引管路9を介して保護キャップ3内の超音波伝達媒体を吸引し続けることにより萎ませることができる。
【0012】
一方、超音波探触子2は、ここでは図示しない操作部側に設けられた駆動部により回転させられながら超音波を送受信する。このとき、保護キャップ3内には超音波伝達媒体が充填されているので、超音波探触子2より発せられた超音波信号は超音波伝達媒体、保護キャップ3およびバルーン7を経て伝達される。
なお、使用後は保護キャップ3内の超音波伝達媒体を媒体吸引管路9を介して吸引した後に保護キャップ3を取り外すものとする。
【0013】
本実施形態によれば、バルーンを付けた保護キャップを脱着自在に設け、使用時に保護キャップを取り付けるようにしているため、保管時に保護キャップ内に気泡が発生することがない。また、保護キャップ内へ超音波伝達媒体を供給したり、保護キャップ内から超音波伝達媒体を吸引することができるので、気泡が混入した場合であってもその気泡を容易に除去することができる。これらのことから、常に良好な超音波画像が得られる。
【0014】
さらに、バルーンを一体に組み付けた保護キャップを先端構成部に螺合させることにより、バルーンを破損させることなく容易にバルーンを装着することができる。
また、保護キャップの材質をポリメチルペンテンとし、超音波伝達媒体を水溶性の媒体とした場合には、両者の媒質内の音速が近いものとなる。よって、超音波伝達媒体および保護キャップ間での音響損失が少なくなるので、保護キャップの窓の支柱になる部分での感度低下や多重エコーはより少なくなる。したがって、より良好な超音波画像を得ることができる。
【0015】
図3(a),(b)は夫々、本発明の第2実施形態の体腔内超音波診断装置の先端構成部および保護キャップの構成を示す図であり、これらの図は保護キャップを体腔内超音波診断装置の先端部に組み付ける前の状態を表わしている。本実施形態は、常に良好な超音波画像が得られ、かつバルーンを破損することなく保護キャップを容易に装着し得る体腔内超音波診断装置であって、保護キャップを先端構成部へ装着し易くするとともに先端部の洗浄を簡略化することのできる体腔内超音波診断装置を提供することを目的としている。
【0016】
本実施形態では、上記第1実施形態の先端構成部1の雌ねじ5に代えて、図3(a)に示すように突起12を設けている。また、上記第1実施形態の保護キャップ3の雄ねじ4に代えて、図3(b)に示すように終端側が細くなるようにテーパを付けた突起11を設けている。なお、それ以外の部分は上記第1実施形態と同様に構成する。
【0017】
本実施形態の作用は上記第1実施形態とほぼ同様であるが、以下の点が相違している。すなわち、保護キャップ3はただ押し込むだけで先端構成部1へ取り付けることができ、雄ねじおよび雌ねじを螺合する第1実施形態よりも取り付け作業が容易である。また、保護キャップ3を取り外す際には、保護キャップを壊して取り外すことになる。
【0018】
本実施形態によれば、上記第1実施形態の効果に加えて、より容易に保護キャップを先端構成部へ取り付けることができる効果が得られる。また、使用後に保護キャップを壊して取り外すようにすることにより、保護キャップの再使用を確実に防止することができる。これにより、衛生面の安全性がさらに向上するという効果が得られる。
【0019】
図4は本発明の第3実施形態の体腔内超音波診断装置の先端構成部の構成を示す図であり、この図4は保護キャップを体腔内超音波診断装置の先端部に組み付けた状態を表わしている。本実施形態は、常に良好な超音波画像が得られ、かつバルーンを破損することなく保護キャップを容易に装着し得る体腔内超音波診断装置であって、患者に対し苦痛を与えないようにすることのできる体腔内超音波診断装置を提供することを目的としている。
【0020】
本実施形態では、上記第1実施形態の保護キャップ3に代えて、図4に示すように、先端側の形状をほぼ球形とすることによりバルーン7の先端側の固定部を省略した保護キャップ13を用いている。なお、それ以外の部分は上記第1実施形態と同様に構成する。
【0021】
本実施形態の作用は上記第1実施形態とほぼ同様であるが、以下の点が相違している。すなわち、保護キャップ13の先端をほぼ球形としたことに伴い先端の長さが短くなるため、挿入時に体腔内壁へ引っかかる可能性が少なくなる。
【0022】
本実施形態によれば、上記第1実施形態の効果に加えて、保護キャップ先端をほぼ球形とし、バルーンへの媒体供給管路および媒体吸引管路の開口部をなくして先端の硬質部長を短くすることにより、体腔内壁へ引っかかる可能性を少なくしたため、患者に対し苦痛を与えないようにするという効果が得られる。
【0023】
図5は本発明の第4実施形態の体腔内超音波診断装置の先端構成部の構成を示す図であり、この図5は保護キャップを体腔内超音波診断装置の先端部に組み付けた状態を表わしている。本実施形態は、常に良好な超音波画像が得られ、かつバルーンを破損することなく保護キャップを容易に装着し得る体腔内超音波診断装置であって、より良好な超音波画像を得ることのできる体腔内超音波診断装置を提供することを目的としている。
【0024】
本実施形態では、保護キャップ3に設ける窓6の形状を上記第1実施形態の形状から図5に示す形状に変更しており、それ以外の部分は上記第1実施形態と同様に構成している。すなわち、本実施形態の窓6は、軸方向においてほぼ長方形となるように超音波走査面内に設けられている。
なお、図5には窓6の形状を変更した本実施形態の構成を第1実施形態に適用した例を示したが、上記構成を第2実施形態または第3実施形態に適用することも可能である。
【0025】
本実施形態の作用は上記第1実施形態とほぼ同様であるが、以下の点が相違している。すなわち、超音波伝達媒体を保護キャップ3およびバルーン7内に充填し、超音波送受信を行ったとき、超音波探触子2から発せられた超音波は、超音波走査面のほぼ全周にわたって超音波伝達媒体からバルーン6のみを介して体腔内壁へ伝達されることになる。
【0026】
本実施形態によれば、上記第1実施形態の効果に加えて、超音波がほぼ全周に亘って保護キャップを経ずに体腔内壁へ直接伝達されることにより保護キャップの窓の支柱になる部分での超音波の反射が少なくなるため、感度低下や多重エコーが少なくなり、より良好な超音波画像が得られるという効果が得られる。
【0027】
図6(a)は本発明の第5実施形態の体腔内超音波診断装置のバルーン付き保護キャップの収納ケースを示す図であり、(b)はその収納ケースの保護キャップ収納部分の断面図である。本実施形態は、体腔内超音波診断装置の先端に装着し易いバルーン付き保護キャップおよびその収納ケースを提供することを目的としている。
【0028】
本実施形態では、図6(a)に示すように、収納ケース15にはバルーン付き保護キャップ16を収納するための収納穴17が複数個(図6(a)では20個)空けられている。この収納ケース15の材質は、発泡ウレタン等の柔軟性があり、かつバルーン表面を傷つけないものであればどのようなものでもよい。
この収納ケース15の収納穴17の外径Bは、図6(b)に示すようにバルーン付き保護キャップ16の外径Aより若干小さくなっており、収納穴17の深さはバルーン付き保護キャップ16の収納時にバルーン付き保護キャップ16の体腔内超音波診断装置の先端構成部1への螺旋状の嵌合部18が露出する深さとなっている。
【0029】
次に、本実施形態の作用を説明する。
バルーン付き保護キャップ16は収納ケース15の収納穴17に押し込むようにして収納されている。このとき、バルーン付き保護キャップ16は、収納穴17の径よりも外径が大きいので、収納状態では収納ケース15をどのような向きにしても脱落することはない。
【0030】
一方、バルーン付き保護キャップ16を体腔内超音波診断装置へ装着する際には、収納ケース15に収納された状態で装着を行う。まず、収納ケース15を持ち、装着しようとするバルーン付き保護キャップ16を図6(a)に示すように先端構成部1へ突き当て、収納ケースを回転させることにより取り付ける(なお、嵌合部が第2実施形態に示すようなはめ込み式の場合には、そのまま押し込んで取り付ける)。取り付け後は、そのまま収納ケース15を引き抜くことにより、バルーン付き保護キャップ16を収納穴17より外すことができる。
【0031】
本実施形態によれば、バルーン付き保護キャップを保存用の収納ケースに配列して収納しているため、体腔内超音波診断装置の先端に直接装着することができ、装着し易くなるという効果が得られる。これに加えて、保存時にバルーン付き保護キャップがバラバラにならないという効果も得られる。
さらに、バルーンに直接手を触れることなく装着することができるので、バルーンを指で傷つけることがないという効果も得られる。
【0032】
図7は本発明の第6実施形態の体腔内超音波診断装置のバルーン付き保護キャップの収納ケースを示す図であり、図8は第6実施形態においてバルーン付き保護キャップを収納ケースに収納した状態を示す図である。本実施形態は、体腔内超音波診断装置の先端に装着し易いバルーン付き保護キャップおよび、その保護キャップの装着時に保持し易い収納ケースを提供することを目的としている。
【0033】
本実施形態では、収納ケース21は、図7に示すように、バルーン付き保護キャップ16の先端部収納部22と、バルーン付き保護キャップ16の嵌合部保持部23とから成る。先端部収納部22の内周壁には、発泡ウレタン等の柔軟性があり、かつバルーン表面を傷つけないような保護部材24が全周に亘って張り付けられている。この先端部収納部22の内径Cは、バルーン付き保護キャップ16の外径Dよりも若干小さくなっている。
一方、嵌合部保持部23の内周壁には、嵌合部18が螺合するような雌ねじ25が設けられている。
【0034】
次に、本実施形態の作用を説明する。
図8に示すように、バルーン付き保護キャップ16の先端を収納ケース21の先端部収納部22に押し込むようにして収納する。このとき、もう1つのバルーン付き保護キャップ16の嵌合部を同一の収納ケース21の嵌合部保持部23に螺合する。これを繰り返すことにより、バルーン付き保護部材16を収納ケース21により複数個(5〜10個程度)連結する。
【0035】
一方、バルーン付き保護キャップ16を体腔内超音波診断装置の先端構成部1に取り付ける際には、収納ケース21によって連結されたバルーン付き保護キャップ16をそのまま先端構成部へ付き当てる。その後、取り付けようとするバルーン付き保護キャップ16を収納している収納ケース21を保持し、回転させて螺合させることにより取り付ける。取り付け後は、取り付けたバルーン付き保護キャップ16が収納されている収納ケース21を持って引き抜くことにより、バルーン付き保護キャップ16を収納ケース21より外すことができる。
【0036】
本実施形態によれば、上記第5実施形態の効果に加えて、バルーン付き保護キャップを連鎖的に棒状に連結して収納するため、体腔内超音波診断装置の先端に装着する際に保持し易いという効果が得られる。
【0037】
なお、本発明は上述した例のみに限定されず、種々の変更または変形を加えることができる。
例えば、上記特開平7−136168号公報の従来例では、使用時にバルーンを装着するための溝ならびにバルーン内への給水管路および吸引管路を開口させる必要があるので、先端の硬質部長が長くなり、さらに、保護キャップ内への媒体補給用の蓋を設ける都合上、先端をほぼ球形にできないので、体腔内への挿入時に体腔内壁へ引っかかることがあり、患者へ苦痛を与えるおそれがあった。
この対策として、超音波を送受信する超音波探触子と、前記超音波探触子を収納する保護キャップとを挿入部先端に有し、前記保護キャップの外側にバルーンを装着し、前記バルーン内および前記保護キャップ内に超音波伝達媒体を充填することにより超音波画像を描出し得るようにした体腔内超音波診断装置において、前記保護キャップに、その一部もしくは全体に亘って保護キャップ内外を連通する開口部を少なくとも1個所設け、前記保護キャップをその外側にバルーンを一体に装着したバルーン付き保護キャップとして前記体腔内超音波診断装置の先端に着脱自在に設けるとともに、前記保護キャップ内に超音波伝達媒体充填用管路を開口させたことを特徴とする体腔内超音波診断装置(付記項1)において、前記バルーン付き保護キャップの先端形状をほぼ球形としたことを特徴とする体腔内超音波診断装置としてもよい。
上記のようにバルーン付き保護キャップの先端形状をほぼ球形とすると、挿入時に体腔内壁へ引っ掛かりにくくなって体腔内壁を傷つけにくくなるため、患者へ苦痛を与えにくくなる。
【0038】
また、上述した一般の体腔内超音波診断装置では、バルーンを装着した場合には保護キャップおよびバルーンを介して超音波を送受信するため、保護キャップやバルーンによる超音波の反射が生じ、感度低下および診断画像上への多重エコー乱入を引き起こし、超音波診断能の低下をきたすことがあった。
この対策として、上記付記項1または2において、前記保護キャップ内外を連通する開口部を超音波受信面内に設けたことを特徴とする体腔内超音波診断装置装置としてもよい。
上記のようにバルーン付き保護キャップの内外を連通する開口部を超音波送受信面内に設けると、保護キャップでの超音波の感度低下や多重エコーの乱入が殆どなくなるので、より良好な超音波画像が得られ、超音波診断能が向上する。
【0039】
さらに、上記特開平7−136168号公報の従来例では、バルーンを体腔内超音波診断装置へ装着する際に、バルーンを一旦アプリケータに装着してから体腔内超音波診断装置へ装着するため、二度手間となり、作業が面倒であった。
この対策として、上記付記項1、2または3において、前記バルーン付き保護キャップを配列して収容し得る保存用ケースを設けたことを特徴とする体腔内超音波診断装置としてもよい。
上記のようにバルーン付き保護キャップを配列して収容し得る保存用ケースを設けると、体腔内超音波診断装置の先端へ直接バルーン付き保護キャップを装着できるので、バルーンの装着が容易になる。
【0040】
【発明の効果】
本発明の請求項1の体腔内超音波診断装置によれば、超音波を送受信する超音波探触子と、前記超音波探触子を収納する保護キャップと、前記保護キャップが取り付けられる先端構成部とを挿入部先端に有し、前記保護キャップの外側にバルーンを装着し、前記バルーン内および前記保護キャップ内に超音波伝達媒体を充填することにより超音波画像を描出し得るようにした体腔内超音波診断装置において、前記保護キャップに、その一部もしくは全体に亘って保護キャップ内外を連通する開口部を少なくとも1個所設け、前記保護キャップの一端に雄ねじを設けるとともに、前記雄ねじに対応する前記先端構成部の先端側に雌ねじを設け、前記保護キャップをその外側にバルーンを一体に装着したバルーン付き保護キャップとして前記先端構成部に着脱自在にするとともに、前記保護キャップ内に超音波伝達媒体充填用管路を開口させる構成としたため、保管中に保護キャップ内に気泡が混入しにくく、かつバルーンを破損することなく体腔内超音波診断装置へ保護キャップを装着することができるので、常に良好な超音波画像が得られ、かつ容易にバルーンを装着することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a),(b)は夫々、本発明の第1実施形態の体腔内超音波診断装置の先端構成部および保護キャップの構成を示す図である。
【図2】第1実施形態において保護キャップの組み付け後の体腔内超音波診断装置の先端部の状態を表わす図である。
【図3】(a),(b)は夫々、本発明の第2実施形態の体腔内超音波診断装置の先端構成部および保護キャップの構成を示す図である。
【図4】本発明の第3実施形態の体腔内超音波診断装置の先端構成部の構成を示す図である。
【図5】本発明の第4実施形態の体腔内超音波診断装置の先端構成部の構成を示す図である。
【図6】(a)は本発明の第5実施形態の体腔内超音波診断装置のバルーン付き保護キャップの収納ケースを示す図であり、(b)はその収納ケースの保護キャップ収納部分の断面図である。
【図7】本発明の第6実施形態の体腔内超音波診断装置のバルーン付き保護キャップの収納ケースを示す図である。
【図8】第6実施形態においてバルーン付き保護キャップを収納ケースに収納した状態を示す図である。
【符号の説明】
1 先端構成部
2 超音波探触子
3 保護キャップ
4 雄ねじ
5 雌ねじ
6 窓
7 バルーン
8 媒体供給管路(超音波伝達媒体充填用管路)
9 媒体吸引管路(超音波伝達媒体充填用管路)
11 突起
12 突起
13 保護キャップ
15 収納ケース
16 バルーン付き保護キャップ
17 収納穴
18 嵌合部
21 収納ケース
22 先端部収納部
23 嵌合部保持部
24 保護部材
25 雌ねじ
【発明の属する技術分野】
本発明は、超音波を送受信する超音波探触子と、前記超音波探触子を収納する保護キャップとを挿入部先端に有し、前記保護キャップの外側にバルーンを装着し、前記バルーン内におよび前記保護キャップ内に超音波伝達媒体を充填することにより超音波画像を描出し得るようにした体腔内超音波診断装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に体腔内超音波診断装置は、挿入部先端に超音波探触子が設けられるとともに、この超音波探触子を保護する保護キャップが設けられている。この保護キャップ内には超音波伝達媒体が液密に保たれており、超音波の送受はこれら超音波媒体および保護キャップ越しに行われる。さらに、この保護キャップの先端側および保護キャップが取り付けられた先端構成部にはバルーンを装着するための溝が設けられており、先端構成部の溝より先端側に開口しているバルーン内送水管路およびバルーン内吸引管路を介して水を供給、吸引することで、バルーンを膨らませるようになっている。
また、体腔内超音波診断装置の従来例としては、例えば特開平7−136168号公報に示すような、保護キャップを網状としたものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、一般の体腔内超音波診断装置では、保護キャップ内の超音波伝達媒体に経時変化により気泡が混入することがあった。このため、超音波探触子表面にこの気泡が入り込んだ場合には超音波の送受がうまくいかず、良好な超音波画像が得られないという不具合が生じる。
一方、上記特開平7−136168号公報の従来例では、使用する度にバルーンを装着しなければならないため、バルーンを保護キャップに装着する際にバルーンを破ってしまうおそれがある。
【0004】
本発明は上記問題に着目してなされたものであり、常に良好な超音波画像が得られ、かつバルーンを装着し易い体腔内超音波診断装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この目的のため、本発明の請求項1に係る体腔内超音波診断装置は、超音波を送受信する超音波探触子と、前記超音波探触子を収納する保護キャップと、前記保護キャップが取り付けられる先端構成部とを挿入部先端に有し、前記保護キャップの外側にバルーンを装着し、前記バルーン内および前記保護キャップ内に超音波伝達媒体を充填することにより超音波画像を描出し得るようにした体腔内超音波診断装置において、前記保護キャップに、その一部もしくは全体に亘って保護キャップ内外を連通する開口部を少なくとも1個所設け、前記保護キャップの一端に雄ねじを設けるとともに、前記雄ねじに対応する前記先端構成部の先端側に雌ねじを設け、前記保護キャップをその外側にバルーンを一体に装着したバルーン付き保護キャップとして前記先端構成部に着脱自在にするとともに、前記保護キャップ内に超音波伝達媒体充填用管路を開口させたことを特徴とする。
【0006】
本発明の請求項1の体腔内超音波診断装置によれば、上記構成とすることにより、保管中に保護キャップ内に気泡が混入することが防止されるとともに、保護キャップの体腔内超音波診断装置への装着時にバルーンが破損することが防止される。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づき詳細に説明する。図1(a),(b)は夫々、本発明の第1実施形態の体腔内超音波診断装置の先端構成部および保護キャップの構成を示す図であり、これらの図は保護キャップを体腔内超音波診断装置の先端部に組み付ける前の状態を表わしている。本実施形態は、常に良好な超音波画像が得られ、かつバルーンを破損することなく保護キャップを容易に装着し得る体腔内超音波診断装置を提供することを目的としている。
【0008】
体腔内超音波診断装置の挿入部の先端には、図1(a)に示すように先端構成部1が設けられており、この先端構成部1の先端側には超音波探触子2が挿入軸方向に対し回転自在に取り付けられている。
この超音波探触子2には耐湿耐水性のコーティングが施されており、このコーティングは、例えばポリパラキシリレン系の耐湿耐水性のあるものとし、蒸着またはスパッタリングにより均一に施されるようにする。このコーティングの厚さは20〜25μmとし、音響整合層として機能しないようにしておく(音響整合層となる厚さは一般にλ/4と言われており、ポリパラキシリレン系の場合、30μmである)。
【0009】
一方、この超音波探触子2を覆う保護キャップ3の一端には、図1(b)に示すように雄ねじ4が設けられ、これに対応して図1(a)の先端構成部1の先端側には雌ねじ5が設けられている。これら雄ねじ4および雌ねじ5は螺合するようになっている。また、上記保護キャップ3には、保護キャップ内外を連通する開口部である窓6が設けられている。この窓6は、1つ以上ならばいくつ設けてもよく、また、大きさに関しても保護キャップ3が容易に変形しない程度であればどのような大きさでもよい。さらに、この保護キャップ3には、バルーン7が一体にかつ水密に組み付けられている。
なお、この保護キャップ3は、ポリオレフィン系材料の、例えばポリエチレンやポリメチルペンテン等で形成するものとする。
【0010】
さらに、先端構成部1には、保護キャップ3の組み付け後の体腔内超音波診断装置の先端部の状態を表わす図2に示すように、保護キャップ3内へ超音波伝達媒体を供給する媒体供給管路(超音波伝達媒体充填用管路)8およびキャップ内から超音波伝達媒体を吸引する媒体吸引管路(超音波伝達媒体充填用管路)9が設けられている。これら媒体供給管路8および媒体吸引管路9は夫々、図2に示すように、保護キャップ3が先端構成部1へ装着されたときに、保護キャップ3内へ連通する位置に開口している。
【0011】
次に、本実施形態の作用を説明する。
まず、先端構成部1の雌ねじ5に保護キャップ3の雄ねじ4を螺合することにより保護キャップ3が先端構成部1に取り付けられる。この保護キャップ3の取り付け後に、ここでは図示しない操作部側から超音波伝達媒体を媒体供給管路8を介して保護キャップ3内へ送り込む。これにより、保護キャップ3内は超音波伝達媒体で満たされる。その際、気泡が入り込むことがあるが、その場合には、媒体吸引管路9を介して保護キャップ3内の媒体と一緒に気泡を吸引し、新たに超音波伝達媒体を供給するという作業を繰り返すことによって気泡を容易に除去することができる。
さらに、バルーン7を膨らませる際は、媒体供給管路8を介して保護キャップ3内に超音波伝達媒体を供給し続けることで膨らませることができる。また、膨らんだバルーン7は媒体吸引管路9を介して保護キャップ3内の超音波伝達媒体を吸引し続けることにより萎ませることができる。
【0012】
一方、超音波探触子2は、ここでは図示しない操作部側に設けられた駆動部により回転させられながら超音波を送受信する。このとき、保護キャップ3内には超音波伝達媒体が充填されているので、超音波探触子2より発せられた超音波信号は超音波伝達媒体、保護キャップ3およびバルーン7を経て伝達される。
なお、使用後は保護キャップ3内の超音波伝達媒体を媒体吸引管路9を介して吸引した後に保護キャップ3を取り外すものとする。
【0013】
本実施形態によれば、バルーンを付けた保護キャップを脱着自在に設け、使用時に保護キャップを取り付けるようにしているため、保管時に保護キャップ内に気泡が発生することがない。また、保護キャップ内へ超音波伝達媒体を供給したり、保護キャップ内から超音波伝達媒体を吸引することができるので、気泡が混入した場合であってもその気泡を容易に除去することができる。これらのことから、常に良好な超音波画像が得られる。
【0014】
さらに、バルーンを一体に組み付けた保護キャップを先端構成部に螺合させることにより、バルーンを破損させることなく容易にバルーンを装着することができる。
また、保護キャップの材質をポリメチルペンテンとし、超音波伝達媒体を水溶性の媒体とした場合には、両者の媒質内の音速が近いものとなる。よって、超音波伝達媒体および保護キャップ間での音響損失が少なくなるので、保護キャップの窓の支柱になる部分での感度低下や多重エコーはより少なくなる。したがって、より良好な超音波画像を得ることができる。
【0015】
図3(a),(b)は夫々、本発明の第2実施形態の体腔内超音波診断装置の先端構成部および保護キャップの構成を示す図であり、これらの図は保護キャップを体腔内超音波診断装置の先端部に組み付ける前の状態を表わしている。本実施形態は、常に良好な超音波画像が得られ、かつバルーンを破損することなく保護キャップを容易に装着し得る体腔内超音波診断装置であって、保護キャップを先端構成部へ装着し易くするとともに先端部の洗浄を簡略化することのできる体腔内超音波診断装置を提供することを目的としている。
【0016】
本実施形態では、上記第1実施形態の先端構成部1の雌ねじ5に代えて、図3(a)に示すように突起12を設けている。また、上記第1実施形態の保護キャップ3の雄ねじ4に代えて、図3(b)に示すように終端側が細くなるようにテーパを付けた突起11を設けている。なお、それ以外の部分は上記第1実施形態と同様に構成する。
【0017】
本実施形態の作用は上記第1実施形態とほぼ同様であるが、以下の点が相違している。すなわち、保護キャップ3はただ押し込むだけで先端構成部1へ取り付けることができ、雄ねじおよび雌ねじを螺合する第1実施形態よりも取り付け作業が容易である。また、保護キャップ3を取り外す際には、保護キャップを壊して取り外すことになる。
【0018】
本実施形態によれば、上記第1実施形態の効果に加えて、より容易に保護キャップを先端構成部へ取り付けることができる効果が得られる。また、使用後に保護キャップを壊して取り外すようにすることにより、保護キャップの再使用を確実に防止することができる。これにより、衛生面の安全性がさらに向上するという効果が得られる。
【0019】
図4は本発明の第3実施形態の体腔内超音波診断装置の先端構成部の構成を示す図であり、この図4は保護キャップを体腔内超音波診断装置の先端部に組み付けた状態を表わしている。本実施形態は、常に良好な超音波画像が得られ、かつバルーンを破損することなく保護キャップを容易に装着し得る体腔内超音波診断装置であって、患者に対し苦痛を与えないようにすることのできる体腔内超音波診断装置を提供することを目的としている。
【0020】
本実施形態では、上記第1実施形態の保護キャップ3に代えて、図4に示すように、先端側の形状をほぼ球形とすることによりバルーン7の先端側の固定部を省略した保護キャップ13を用いている。なお、それ以外の部分は上記第1実施形態と同様に構成する。
【0021】
本実施形態の作用は上記第1実施形態とほぼ同様であるが、以下の点が相違している。すなわち、保護キャップ13の先端をほぼ球形としたことに伴い先端の長さが短くなるため、挿入時に体腔内壁へ引っかかる可能性が少なくなる。
【0022】
本実施形態によれば、上記第1実施形態の効果に加えて、保護キャップ先端をほぼ球形とし、バルーンへの媒体供給管路および媒体吸引管路の開口部をなくして先端の硬質部長を短くすることにより、体腔内壁へ引っかかる可能性を少なくしたため、患者に対し苦痛を与えないようにするという効果が得られる。
【0023】
図5は本発明の第4実施形態の体腔内超音波診断装置の先端構成部の構成を示す図であり、この図5は保護キャップを体腔内超音波診断装置の先端部に組み付けた状態を表わしている。本実施形態は、常に良好な超音波画像が得られ、かつバルーンを破損することなく保護キャップを容易に装着し得る体腔内超音波診断装置であって、より良好な超音波画像を得ることのできる体腔内超音波診断装置を提供することを目的としている。
【0024】
本実施形態では、保護キャップ3に設ける窓6の形状を上記第1実施形態の形状から図5に示す形状に変更しており、それ以外の部分は上記第1実施形態と同様に構成している。すなわち、本実施形態の窓6は、軸方向においてほぼ長方形となるように超音波走査面内に設けられている。
なお、図5には窓6の形状を変更した本実施形態の構成を第1実施形態に適用した例を示したが、上記構成を第2実施形態または第3実施形態に適用することも可能である。
【0025】
本実施形態の作用は上記第1実施形態とほぼ同様であるが、以下の点が相違している。すなわち、超音波伝達媒体を保護キャップ3およびバルーン7内に充填し、超音波送受信を行ったとき、超音波探触子2から発せられた超音波は、超音波走査面のほぼ全周にわたって超音波伝達媒体からバルーン6のみを介して体腔内壁へ伝達されることになる。
【0026】
本実施形態によれば、上記第1実施形態の効果に加えて、超音波がほぼ全周に亘って保護キャップを経ずに体腔内壁へ直接伝達されることにより保護キャップの窓の支柱になる部分での超音波の反射が少なくなるため、感度低下や多重エコーが少なくなり、より良好な超音波画像が得られるという効果が得られる。
【0027】
図6(a)は本発明の第5実施形態の体腔内超音波診断装置のバルーン付き保護キャップの収納ケースを示す図であり、(b)はその収納ケースの保護キャップ収納部分の断面図である。本実施形態は、体腔内超音波診断装置の先端に装着し易いバルーン付き保護キャップおよびその収納ケースを提供することを目的としている。
【0028】
本実施形態では、図6(a)に示すように、収納ケース15にはバルーン付き保護キャップ16を収納するための収納穴17が複数個(図6(a)では20個)空けられている。この収納ケース15の材質は、発泡ウレタン等の柔軟性があり、かつバルーン表面を傷つけないものであればどのようなものでもよい。
この収納ケース15の収納穴17の外径Bは、図6(b)に示すようにバルーン付き保護キャップ16の外径Aより若干小さくなっており、収納穴17の深さはバルーン付き保護キャップ16の収納時にバルーン付き保護キャップ16の体腔内超音波診断装置の先端構成部1への螺旋状の嵌合部18が露出する深さとなっている。
【0029】
次に、本実施形態の作用を説明する。
バルーン付き保護キャップ16は収納ケース15の収納穴17に押し込むようにして収納されている。このとき、バルーン付き保護キャップ16は、収納穴17の径よりも外径が大きいので、収納状態では収納ケース15をどのような向きにしても脱落することはない。
【0030】
一方、バルーン付き保護キャップ16を体腔内超音波診断装置へ装着する際には、収納ケース15に収納された状態で装着を行う。まず、収納ケース15を持ち、装着しようとするバルーン付き保護キャップ16を図6(a)に示すように先端構成部1へ突き当て、収納ケースを回転させることにより取り付ける(なお、嵌合部が第2実施形態に示すようなはめ込み式の場合には、そのまま押し込んで取り付ける)。取り付け後は、そのまま収納ケース15を引き抜くことにより、バルーン付き保護キャップ16を収納穴17より外すことができる。
【0031】
本実施形態によれば、バルーン付き保護キャップを保存用の収納ケースに配列して収納しているため、体腔内超音波診断装置の先端に直接装着することができ、装着し易くなるという効果が得られる。これに加えて、保存時にバルーン付き保護キャップがバラバラにならないという効果も得られる。
さらに、バルーンに直接手を触れることなく装着することができるので、バルーンを指で傷つけることがないという効果も得られる。
【0032】
図7は本発明の第6実施形態の体腔内超音波診断装置のバルーン付き保護キャップの収納ケースを示す図であり、図8は第6実施形態においてバルーン付き保護キャップを収納ケースに収納した状態を示す図である。本実施形態は、体腔内超音波診断装置の先端に装着し易いバルーン付き保護キャップおよび、その保護キャップの装着時に保持し易い収納ケースを提供することを目的としている。
【0033】
本実施形態では、収納ケース21は、図7に示すように、バルーン付き保護キャップ16の先端部収納部22と、バルーン付き保護キャップ16の嵌合部保持部23とから成る。先端部収納部22の内周壁には、発泡ウレタン等の柔軟性があり、かつバルーン表面を傷つけないような保護部材24が全周に亘って張り付けられている。この先端部収納部22の内径Cは、バルーン付き保護キャップ16の外径Dよりも若干小さくなっている。
一方、嵌合部保持部23の内周壁には、嵌合部18が螺合するような雌ねじ25が設けられている。
【0034】
次に、本実施形態の作用を説明する。
図8に示すように、バルーン付き保護キャップ16の先端を収納ケース21の先端部収納部22に押し込むようにして収納する。このとき、もう1つのバルーン付き保護キャップ16の嵌合部を同一の収納ケース21の嵌合部保持部23に螺合する。これを繰り返すことにより、バルーン付き保護部材16を収納ケース21により複数個(5〜10個程度)連結する。
【0035】
一方、バルーン付き保護キャップ16を体腔内超音波診断装置の先端構成部1に取り付ける際には、収納ケース21によって連結されたバルーン付き保護キャップ16をそのまま先端構成部へ付き当てる。その後、取り付けようとするバルーン付き保護キャップ16を収納している収納ケース21を保持し、回転させて螺合させることにより取り付ける。取り付け後は、取り付けたバルーン付き保護キャップ16が収納されている収納ケース21を持って引き抜くことにより、バルーン付き保護キャップ16を収納ケース21より外すことができる。
【0036】
本実施形態によれば、上記第5実施形態の効果に加えて、バルーン付き保護キャップを連鎖的に棒状に連結して収納するため、体腔内超音波診断装置の先端に装着する際に保持し易いという効果が得られる。
【0037】
なお、本発明は上述した例のみに限定されず、種々の変更または変形を加えることができる。
例えば、上記特開平7−136168号公報の従来例では、使用時にバルーンを装着するための溝ならびにバルーン内への給水管路および吸引管路を開口させる必要があるので、先端の硬質部長が長くなり、さらに、保護キャップ内への媒体補給用の蓋を設ける都合上、先端をほぼ球形にできないので、体腔内への挿入時に体腔内壁へ引っかかることがあり、患者へ苦痛を与えるおそれがあった。
この対策として、超音波を送受信する超音波探触子と、前記超音波探触子を収納する保護キャップとを挿入部先端に有し、前記保護キャップの外側にバルーンを装着し、前記バルーン内および前記保護キャップ内に超音波伝達媒体を充填することにより超音波画像を描出し得るようにした体腔内超音波診断装置において、前記保護キャップに、その一部もしくは全体に亘って保護キャップ内外を連通する開口部を少なくとも1個所設け、前記保護キャップをその外側にバルーンを一体に装着したバルーン付き保護キャップとして前記体腔内超音波診断装置の先端に着脱自在に設けるとともに、前記保護キャップ内に超音波伝達媒体充填用管路を開口させたことを特徴とする体腔内超音波診断装置(付記項1)において、前記バルーン付き保護キャップの先端形状をほぼ球形としたことを特徴とする体腔内超音波診断装置としてもよい。
上記のようにバルーン付き保護キャップの先端形状をほぼ球形とすると、挿入時に体腔内壁へ引っ掛かりにくくなって体腔内壁を傷つけにくくなるため、患者へ苦痛を与えにくくなる。
【0038】
また、上述した一般の体腔内超音波診断装置では、バルーンを装着した場合には保護キャップおよびバルーンを介して超音波を送受信するため、保護キャップやバルーンによる超音波の反射が生じ、感度低下および診断画像上への多重エコー乱入を引き起こし、超音波診断能の低下をきたすことがあった。
この対策として、上記付記項1または2において、前記保護キャップ内外を連通する開口部を超音波受信面内に設けたことを特徴とする体腔内超音波診断装置装置としてもよい。
上記のようにバルーン付き保護キャップの内外を連通する開口部を超音波送受信面内に設けると、保護キャップでの超音波の感度低下や多重エコーの乱入が殆どなくなるので、より良好な超音波画像が得られ、超音波診断能が向上する。
【0039】
さらに、上記特開平7−136168号公報の従来例では、バルーンを体腔内超音波診断装置へ装着する際に、バルーンを一旦アプリケータに装着してから体腔内超音波診断装置へ装着するため、二度手間となり、作業が面倒であった。
この対策として、上記付記項1、2または3において、前記バルーン付き保護キャップを配列して収容し得る保存用ケースを設けたことを特徴とする体腔内超音波診断装置としてもよい。
上記のようにバルーン付き保護キャップを配列して収容し得る保存用ケースを設けると、体腔内超音波診断装置の先端へ直接バルーン付き保護キャップを装着できるので、バルーンの装着が容易になる。
【0040】
【発明の効果】
本発明の請求項1の体腔内超音波診断装置によれば、超音波を送受信する超音波探触子と、前記超音波探触子を収納する保護キャップと、前記保護キャップが取り付けられる先端構成部とを挿入部先端に有し、前記保護キャップの外側にバルーンを装着し、前記バルーン内および前記保護キャップ内に超音波伝達媒体を充填することにより超音波画像を描出し得るようにした体腔内超音波診断装置において、前記保護キャップに、その一部もしくは全体に亘って保護キャップ内外を連通する開口部を少なくとも1個所設け、前記保護キャップの一端に雄ねじを設けるとともに、前記雄ねじに対応する前記先端構成部の先端側に雌ねじを設け、前記保護キャップをその外側にバルーンを一体に装着したバルーン付き保護キャップとして前記先端構成部に着脱自在にするとともに、前記保護キャップ内に超音波伝達媒体充填用管路を開口させる構成としたため、保管中に保護キャップ内に気泡が混入しにくく、かつバルーンを破損することなく体腔内超音波診断装置へ保護キャップを装着することができるので、常に良好な超音波画像が得られ、かつ容易にバルーンを装着することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a),(b)は夫々、本発明の第1実施形態の体腔内超音波診断装置の先端構成部および保護キャップの構成を示す図である。
【図2】第1実施形態において保護キャップの組み付け後の体腔内超音波診断装置の先端部の状態を表わす図である。
【図3】(a),(b)は夫々、本発明の第2実施形態の体腔内超音波診断装置の先端構成部および保護キャップの構成を示す図である。
【図4】本発明の第3実施形態の体腔内超音波診断装置の先端構成部の構成を示す図である。
【図5】本発明の第4実施形態の体腔内超音波診断装置の先端構成部の構成を示す図である。
【図6】(a)は本発明の第5実施形態の体腔内超音波診断装置のバルーン付き保護キャップの収納ケースを示す図であり、(b)はその収納ケースの保護キャップ収納部分の断面図である。
【図7】本発明の第6実施形態の体腔内超音波診断装置のバルーン付き保護キャップの収納ケースを示す図である。
【図8】第6実施形態においてバルーン付き保護キャップを収納ケースに収納した状態を示す図である。
【符号の説明】
1 先端構成部
2 超音波探触子
3 保護キャップ
4 雄ねじ
5 雌ねじ
6 窓
7 バルーン
8 媒体供給管路(超音波伝達媒体充填用管路)
9 媒体吸引管路(超音波伝達媒体充填用管路)
11 突起
12 突起
13 保護キャップ
15 収納ケース
16 バルーン付き保護キャップ
17 収納穴
18 嵌合部
21 収納ケース
22 先端部収納部
23 嵌合部保持部
24 保護部材
25 雌ねじ
Claims (1)
- 超音波を送受信する超音波探触子と、前記超音波探触子を収納する保護キャップと、前記保護キャップが取り付けられる先端構成部とを挿入部先端に有し、前記保護キャップの外側にバルーンを装着し、前記バルーン内および前記保護キャップ内に超音波伝達媒体を充填することにより超音波画像を描出し得るようにした体腔内超音波診断装置において、
前記保護キャップに、その一部もしくは全体に亘って保護キャップ内外を連通する開口部を少なくとも1個所設け、
前記保護キャップの一端に雄ねじを設けるとともに、前記雄ねじに対応する前記先端構成部の先端側に雌ねじを設け、
前記保護キャップをその外側にバルーンを一体に装着したバルーン付き保護キャップとして前記先端構成部に着脱自在にするとともに、前記保護キャップ内に超音波伝達媒体充填用管路を開口させたことを特徴とする体腔内超音波診断装置。
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