JP2000296130A - 機械走査式超音波プローブ - Google Patents

機械走査式超音波プローブ

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JP2000296130A
JP2000296130A JP11105855A JP10585599A JP2000296130A JP 2000296130 A JP2000296130 A JP 2000296130A JP 11105855 A JP11105855 A JP 11105855A JP 10585599 A JP10585599 A JP 10585599A JP 2000296130 A JP2000296130 A JP 2000296130A
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JP
Japan
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ultrasonic
drive shaft
space
vibrator
ultrasonic probe
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JP11105855A
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English (en)
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Shinichi Tsutaki
新一 蔦木
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Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Optical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】先端部の空間部内に充填されている超音波伝達
媒体内に発生した気泡の影響を受けることなく、良好な
超音波観察を行える機械走査式超音波プローブを提供す
ること。 【解決手段】第2駆動軸15bの先端部に固設された超
音波振動子部21には2つの超音波振動子21a,21
bが配設されており、これら超音波振動子21a,21
bから信号線37が第2駆動軸15bの貫通孔内及び第
1駆動軸15aの貫通穴内を挿通して把持部4まで延出
している。超音波振動子部21の基端後方側の第2駆動
軸15b上には、先端部空間2a内に注入されている超
音波伝達媒体10中に発生した気泡10aを取り込むた
めの気泡トラップ空間38aを形成した、気泡除去手段
である略立方体箱体形状の回転体38が一体的に固設さ
れている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、機械的に回転駆動
される超音波振動子部を有する機械走査式超音波プロー
ブに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、超音波振動子から対象物体内
に超音波パルスを繰り返し送信し、対象物体から反射さ
れる超音波パルスのエコーを、同一あるいは別体に設け
た超音波振動子で受信して、この超音波パルスを送受信
する方向を徐々にずらすことによって、観察部位の複数
の方向から収集した情報を可視像の超音波断層画像(超
音波画像)として表示する超音波画像診断装置が種々提
案されている。
【0003】医療分野においては、挿入部先端部内に超
音波振動子を配設した超音波プローブ等が用いられてい
る。この超音波プローブには、例えば超音波振動子を機
械的に回転させて超音波を走査し、超音波画像を得るよ
うにしたものがある。
【0004】この超音波振動子を機械的に走査して超音
波画像を得る超音波プローブでは、超音波振動子近傍の
先端部外周部を音響特性に優れた部材で形成した音響窓
で覆い、この音響窓で覆われた先端部空間部内に超音波
伝達媒体を充填させる構造になっていた。
【0005】この構造においては、伝播経路上に空気が
存在すると、超音波振動子から発生した超音波ビームが
減衰されて、目的観察部位まで到達できなくなり、超音
波断層像が著しく劣化して良好な観察画像を得られない
ためである。
【0006】このため、先端部空間部内に超音波伝達媒
体を充填させるときには媒体内に気泡が残らないよう
に、空間部に連通する媒体排出口を設け、この空間部に
連通する一方の媒体注入口から超音波伝達媒体を注入し
て、前記媒体排出口から空間内の空気を排除しながら慎
重に空間部内に超音波伝達媒体を充填していた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たように先端部空間内の空気を排除しながら超音波伝達
媒体を先端部空間内に充填して気泡が残らないようにし
た場合でも、超音波振動子を回転させて検査を行ってい
ると、構造体中に存在する微小な空隙に残っていた空気
が極小の気泡として超音波伝達媒体中に表れ、この極小
な気泡が時間の経過とともに、超音波ビームを減衰させ
るに十分な大きさの気泡に成長して超音波観察に支障を
来していた。
【0008】本発明は上記事情に鑑みてなされたもので
あり、先端部の空間部内に充填されている超音波伝達媒
体内に発生した気泡の影響を受けることなく、良好な超
音波観察を行える機械走査式超音波プローブを提供する
ことを目的にしている。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の機械走査式超音
波プローブは、回転力を発生する回転駆動力発生手段
と、この回転駆動力発生手段の回転力を伝達する駆動軸
と、この駆動軸を介して伝達される回転力によって機械
的に回転走査される超音波振動子部が配置され、この超
音波振動子部から発生される超音波ビームを伝播する超
音波伝達媒体が充填される空間部とを具備する機械走査
式超音波プローブであって、前記空間部内に、前記駆動
軸で伝達される回転力によって回転し、超音波観察中、
超音波伝達媒体中に発生した気泡を取り込む気泡トラッ
プ空間部を有する気泡除去手段を設けている。
【0010】この構成によれば、機械走査式超音波プロ
ーブの空間部内に充填されている超音波伝達媒体内に発
生した気泡は、観察中、回転している気泡除去手段の気
泡トラップ部に取り込まれるので、超音波ビームが気泡
によって減衰されることなく良好な観察画像を得られ
る。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を説明する。図1ないし図4は本発明の第1実
施形態に係り、図1は超音波プローブを含むシステムの
概略構成を説明する図、図2は超音波プローブの把持部
内の構成を説明する図、図3は超音波プローブの先端部
の構成を説明する図、図4は気泡除去手段である回転体
の構成及び作用を説明する図である。なお、図4(a)
は図3のA−A線断面図、図4(b)は図4(a)のB
−B線断面図である。
【0012】図1に示すように本実施形態の機械走査式
体腔内超音波プローブ(以下超音波プローブとも記載す
る)1は、体腔内に挿入され後述するように挿入軸方向
に対して直交する側部側を超音波走査する所謂ラジアル
スキャンタイプの超音波振動子部(後述する図3の符号
21参照)を、ポリエチレンやポリメチルペンテン等の
超音波透過性材部材で形成した音響窓20を配設した先
端部2の空間部内に内蔵した細長の挿入部3と、この挿
入部3の基端部に設けられ、前記超音波振動子部を回転
させる回転力を発生させる回転駆動力発生手段を内蔵し
た把持部4と、この把持部4の後端から延出する超音波
コード5とで構成されている。
【0013】前記超音波コード5の基端には、超音波パ
ルスを発生させる駆動信号を生成するとともに、受信し
た超音波エコーに対する信号処理等を行って映像信号を
生成する超音波観測装置6に着脱自在な超音波コネクタ
5aが設けられている。そして、前記超音波観測装置6
で生成された映像信号はモニタ7に出力され、このモニ
タ7の画面7a上に超音波画像が表示されるようになっ
ている。
【0014】図2に示すように前記把持部4を構成する
樹脂製の把持部本体4aの内周面に電磁遮蔽板11を配
置し、この電磁遮蔽板11の内部に回転力を発生させる
回転駆動力発生手段である例えばDCモータ12と、回
転角度検出手段であるエンコーダ13と、受信した超音
波エコーを増幅する受信信号増幅回路14等が配置され
ている。
【0015】そして、図に示すように前記DCモータ1
2から出力された回転駆動力は、例えば樹脂製の第1カ
ップリング16aを介して挿入部3内に挿通配置されて
いる後述する駆動軸15を構成する第1駆動軸15aに
伝達され、先端部2内に配置されている超音波振動子
(後述する図3の符号21a参照)を配設した超音波振
動子部(以下振動子部と略記する)21を所定の方向に
回転させるようになっている。
【0016】前記エンコーダ13は、前記DCモータ1
2と第2カップリング16bを介して連結されている。
また、ロータリートランスやスリップリング等を介して
信号伝達部19が配設されている。
【0017】なお、前記把持部4の側面には基準面とし
ての上面を示すUP指標4b(図1参照)が設けられて
いる。また、前記DCモータ12と前記エンコーダ13
とを別体で配置する代わりに、例えばDCモータ12と
エンコーダ13とを一体にして構成したエンコーダ付き
モータを使用するようにしてもよい。
【0018】図3に示すように先端部2は、前記挿入部
3の先端部分を構成する略円柱形状の先端支持体30が
配置される凹部23aを備え、前記把持部4内に設けら
れているDCモータ12の回転力を振動子部21まで伝
達する駆動軸15を構成する略パイプ形状の第1の駆動
軸15aが挿通される透孔23bを形成したPEEK,
POM等の樹脂部材で略パイプ形状に形成した挿入管2
3と、この挿入管23の先端部に内嵌固定され、流動パ
ラフィン、水、カルボキシメチルセルロース水溶液等の
超音波伝達媒体10が充填される先端部2の空間部(先
端部空間とも記載する)2aを構成する略筒形状の音響
窓20とで主に構成されている。
【0019】前記先端支持体30の中心軸上には前記第
1の駆動軸15aに一体的に連結固定される前記振動子
部21を先端部に固設した略パイプ形状の第2の駆動軸
15bが挿通配置される貫通孔31が形成されている。
【0020】また、この先端支持体30の側部には前記
先端部空間2a内に超音波伝達媒体10を注入するため
の注入口32aを形成した注入路32と、前記先端部空
間2a内に注入された超音波伝達媒体10とともに、こ
の先端部空間2a内に存在している空気を外部に排出す
るための排出口33aを形成した排出路33が形成され
ている。
【0021】前記貫通孔31に挿通される第2の駆動軸
15bは、この貫通孔31の太径孔部31aに配置され
たベアリング機構部34により回転自在に保持されてい
る。また、この第2駆動軸15bには前記貫通孔31の
細径孔31bと前記第2駆動軸15bとの間の液密を保
持するためのOリング35が配設されている。
【0022】また、前記注入口32a及び排出口33a
は、それぞれ封止ネジ36によって液密を保持するよう
に閉塞されており、これら注入口32a及び排出口33
aに対応する前記挿入管23の側面部には前記封止ネジ
36を開閉操作するための作業穴23cが形成されてい
る。なお、これら作業穴23cは封止樹脂によって封止
されるようになっている。
【0023】前記第2駆動軸15bの先端部に固設され
た振動子部21には例えば周波数の異なる2つの超音波
振動子21a,21bが配設されており、これら超音波
振動子21a,21bから前記受信信号増幅回路14に
向かって信号線37が延出していおり、この信号線37
は、前記第2駆動軸15bの貫通孔内及び第1駆動軸1
5aの貫通穴内を挿通して前記把持部4の受信信号増幅
回路14にスリップリングを介して電気的に接続されて
いる。
【0024】前記振動子部21の基端後方側の前記第2
駆動軸15b上には、先端部空間2a内に注入されてい
る超音波伝達媒体10中に発生した気泡10aを取り込
むための気泡トラップ空間38aを形成した、気泡除去
手段である略立方体で中空な中空回転体(以下回転体と
略記する)38が一体的に固設されている。
【0025】図3及び図4(a),(b)に示すように
前記回転体38の対向する側周面には前記気泡トラップ
空間38aに連通する導通孔38bが形成されており、
基端面の第2駆動軸15bの周囲には超音波観察に支障
を来す大きさに成長した気泡10aの内径に比べて細径
な複数の貫通孔38cが形成されている。
【0026】前記超音波伝達媒体10が充填されている
先端部空間2a内で、前記第2駆動軸15bを矢印C方
向に回転させると、この第2駆動軸15bに一体的に固
設されている回転体38も前記矢印Cと同方向に回転す
る。
【0027】すると、先端部空間2a内の超音波伝達媒
体10が前記導通孔38bより気泡トラップ空間38a
内に侵入する一方、前記気泡トラップ空間38a内の超
音波伝達媒体10が前記貫通孔38cより先端部空間2
a側に排出するような超音波伝達媒体10中に流れ(矢
印D)が生じ、超音波伝達媒体10中に発生した気泡1
0aがこの超音波伝達媒体10の流れにのって矢印Eに
示すように導通孔38bより気泡トラップ空間38a内
に取り込まれていく。
【0028】そして、前記気泡トラップ空間38a内に
取り込まれた気泡10aは、前記第2駆動軸15bが回
転している間、この気泡トラップ空間38a内に確保さ
れる。
【0029】このように、振動子部を配置した駆動軸
に、気泡トラップ空間を形成した回転体を一体に固設し
たことによって、振動子部の回転とともに回転体が同方
向に回転し、先端部空間内に充満されている超音波伝達
媒体中に存在している気泡を気泡トラップ空間内に取り
込む流れを発生させ、この流れで超音波伝播経路中に存
在する気泡を気泡トラップ空間内に取り込むことができ
る。
【0030】このことによって、観察中、超音波伝達媒
体中に発生した気泡を気泡トラップ空間内に取り込んだ
状態にして、振動子部に設けられている超音波振動子か
ら観察部位に向かって送信される超音波パルス及び観察
部位から超音波振動子に反射してくる超音波エコーが超
音波伝達媒体中に存在する気泡によって減衰することが
防止されるので、良好な超音波画像がモニタ画面上に表
示されて観察及び処置をスムーズに行える。
【0031】なお、図5に示すように前記回転体38の
対向する側周面に形成する気泡トラップ空間38aに連
通する導通孔38bに傾斜面等の加工部38dを形成す
ることにより、超音波伝達媒体10に存在する気泡10
aを気泡トラップ空間38aにさらに容易に取り込む流
れを発生させることができる。
【0032】また、前記基端面の第2駆動軸15bの周
囲に形成する複数の貫通孔38cの配置形状は同心円上
に限定されるものではない。
【0033】さらに、前記回転体の形状は略立方体箱体
形状に限定されるものではなく、略直方体箱体形状や円
柱箱体形状などであってもよい。
【0034】図6は本発明の第2実施形態に係る超音波
プローブの先端部の構成を説明する図である。図に示す
ように本実施形態においては前記第1実施形態で前記第
2駆動軸15bの先端部に振動子部21を固設し、この
振動子部21の基端後方側に回転体38を固設した構成
の代わりに、前記第2駆動軸15bの先端部に気泡トラ
ップ空間38a及びこの気泡トラップ空間38aに連通
する導通孔38bを形成した回転体38を固設し、この
回転体38の導通孔38bが形成されていない側周面に
2つの超音波振動子21aを配設して振動子部21Aを
構成している。
【0035】このとき、前記側周面に配置した超音波振
動子21aから延出する図示しない信号線は、前記回転
体38に形成される配線溝(不図示)に配置され、この
配線溝から前記第2駆動軸15bの貫通孔内及び第1駆
動軸15aの貫通穴内を挿通してスリップリングやロー
タリートランスを介して前記受信信号増幅回路14に接
続されている。その他の構成及び作用は前記第1実施形
態と同様であり、同部材には同符合を付して説明を省略
する。
【0036】このように、気泡トラップ空間及び導通孔
を備えた回転体の、前記導通孔が形成されていない側周
面に超音波振動子を配設し、気泡トラップ空間付き振動
子部を構成することによって、先端支持体の先端面から
突出する第2駆動軸の長さ寸法を短くして先端部の小型
化を図ることができる。
【0037】また、導通孔が形成されていない側周面に
超音波振動子を配設したことにより、気泡トラップ空間
付き振動子部が回転したとき、超音波伝達媒体中に発生
した気泡を導通孔を介して気泡トラップ空間内に取り込
む流れを容易に発生させることができる。その他の効果
は前記第1実施形態と同様である。
【0038】図7ないし図9は本発明の第3実施形態に
係り、図7は超音波プローブの先端部の構成を説明する
図、図8は振動子部の構成を説明する断面図、図9は超
音波プローブの把持部内の概略構成を説明する図であ
る。
【0039】図7に示すように本実施形態の体腔内超音
波プローブ1は、体腔内に挿入され、挿入軸方向前方を
超音波走査する振動子部21Bを備えた所謂セクタスキ
ャンタイプの超音波プローブである。
【0040】図7に示すように前記振動子部21Bは、
溝39aを形成して先端側に突出した一対の切欠突部3
9を設けた先端支持体30Aの先端部側に配置されてお
り、この振動子部21Bは前記第2駆動軸15bの回転
駆動力を伝達する後述する一方の切欠突部39側に主に
配置されている回転力伝達機構40によって回転自在な
構成になっている。なお、前記切欠突部39の形成位置
は、前記UP指標4bに直交した位置になっている。
【0041】前記先端支持体30Aに形成されている貫
通孔31に挿通配置されている中実な第2駆動軸15b
の先端部には前記回転力伝達機構40を構成する第1の
傘歯車41が一体的に固設されている。
【0042】前記第1の傘歯車41は、前記切欠突部3
9に回転自在に軸支されている第3駆動軸43に固設さ
れている前記第1の傘歯車41に対して従動側の歯車で
ある第2の傘歯車42に噛合しており、この第2の傘歯
車42が回転されることによってこの第2の傘歯車42
に外嵌して一体的に固定された第1の平歯車46が回転
する構成になっている。
【0043】前記第1平歯車46は、前記切欠突部39
に回転自在に軸支されている第4駆動軸44に固設され
ている中間歯車47に噛合しており、この中間歯車47
は前記振動子部21Bを構成する金属製で一端部に凸部
51aを有し、略パイプ形状の回転体であるロータ51
の他端部に形成されている伝達部を構成する第2の平歯
車51bに噛合している。そして、前記第1平歯車46
を軸支している第4駆動軸44の先端部には気泡トラッ
プ空間38a及びこの気泡トラップ空間38aに連通す
る導通孔38bを形成した回転体38が固設されてい
る。このため、前記中間歯車47が前記第1平歯車46
によって回転させられることによって、前記振動子部2
1B及び回転体38が所定の方向に回転するようになっ
ている。
【0044】つまり、前記回転力伝達機構40は、第2
駆動軸15bに設けられている第1の傘歯車41と、第
3駆動軸43に固設されている第2の傘歯車42と、こ
の第2の傘歯車42に一体的に固定されている第1の平
歯車46と、第4駆動軸44に固設されている中間歯車
47と、前記振動子部21Bを構成するロータ51に形
成した第2の平歯車51bとで構成されている。
【0045】なお、前記傘歯車41,42の代わりには
すば歯車や山歯歯車を使用する構成であてもよい。ま
た、前記中間歯車47のかわりにベルトプーリー、歯付
きペルト或いは歯付きプーリーを使用する構成であって
もよい。
【0046】図9に示すように前記把持部4を構成する
例えば樹脂製の把持部本体4aの内周面には電磁遮蔽板
11が配置されており、この電磁遮蔽板11の内部には
回転力を発生させる回転駆動力発生手段である例えば低
トルクの小型モータであるDCモータ12と、回転角度
検出手段であるエンコーダ13と、受信した超音波エコ
ーを増幅する受信信号増幅回路14等が配置されてい
る。
【0047】そして、図に示すように前記DCモータ1
2から出力された回転駆動力は、例えば樹脂製の第1カ
ップリング16aを介して挿入部3内に挿通配置されて
いる後述する駆動軸15を構成する第1駆動軸15aに
伝達され、先端部2内に配置されている超音波振動子2
1a,21bを配設した振動子部21Bを回転力伝達機
構40を介して所定の方向に回転させるようになってい
る。
【0048】ここで、振動子部21Bの具体的な構成を
説明する。図7及び図8に示すように前記振動子部21
Bは、例えば周波数の異なる2つの超音波振動子21
a,21bを外周面の対向する位置に配設したロータ5
1と、このロータ51の内孔に配置され、前記超音波振
動子21a,21bに電気信号を伝達する電気信号伝達
手段であるスリップリング52及びこのスリップリング
52を保持する一方、前記ロータ51の支持部となる略
パイプ形状の軸部材53と、前記スリップリング52の
電気的接点に電気的に接触するブラシ54aを備え、前
記ロータ51に一体的に固定されたベアリング機構部5
4とで構成されている。
【0049】前記スリップリング52には信号線58が
電気的に接続されており、この信号線58は軸部材53
の中空部を挿通して滑り軸受け57側に導出されてい
る。そして、前記信号線58が導出される中空部開口
を、封止樹脂53aによって液密に封止している。
【0050】なお、前記軸部材53の貫通孔である中空
部53bと前記スリップリング等の設置空間である内部
空間とは連通している。また、前記スリップリング52
の代わりにロータリートランスを用いる構成であっても
よい。
【0051】前記ロータ51と軸部材53との間にはロ
ータ内部空間の液密を確保するOリングなどの弾性体5
9が配設されている。一方、前記軸部材53の滑り軸受
け57とは反対側の中空部53bの他端部開口には前記
切欠突部39に形成した長孔39b内を移動自在に配置
される軸部固定ネジである第1ネジ55によって一体的
に螺合固定されるようになっている。
【0052】前記第1ネジ55の側周面にはOリング等
の弾性体55aが配置されており、前記第1ネジ55を
螺合して固定したとき前記弾性体55aが変形して、前
記スリップリング52等が配置される前記軸部材53の
中空部53b及びこの中空部53bに連通するロータ内
部空間を液密に保持するようになっている。このことに
より、水やカルボキシルメチルセルロース水溶液等の導
電性を有するが減衰の少ない超音波伝達媒体を使用する
ことを可能にしている。
【0053】なお、前記第1ネジ55を回転体の軸部材
53の螺合する前に前記他端部開口に送気用チューブを
連結し、この状態で振動子部21Bを液体中に沈めたと
き、この前記振動子部21Bから発生する気泡の有無に
よって液密構造が確保されているか否かを組み上げ前に
検査する。このことにより、液密構造が確保されている
ことを確認した振動子部21Bを第1ネジ55を用いて
螺合配置させることによって、液密構造の振動子部21
Bを備えた先端部の構成を確実に行える。
【0054】一方、前記ロータ51の凸部51aは、前
記切欠突部39の先端部に軸受固定ネジである第2ネジ
56によって螺合固定される樹脂部材で形成された滑り
軸受57の軸受孔57a内に回転自在に配置されてい
る。なお、前記ロータ51の両端部に設けた凸部51a
には前記弾性体59の軸方向移動による脱落を防止する
脱落防止部59aが設けてある。
【0055】前記第2駆動軸15bにDCモータ12の
駆動力が伝達されて回転することによって、この回転力
が第2駆動軸15bに設けられている第1の傘歯車4
1、第3駆動軸43に固設されている第2の傘歯車4
2、この第2の傘歯車42に一体的に固定されている第
1の平歯車46、第4駆動軸44に固設されている中間
歯車47を介してロータ51に形成されている第2の平
歯車51bに伝達される。このことによって、振動子部
21Bが回転して挿入方向に対して前方方向の超音波走
査を行う一方、前記第4駆動軸44に固設されている回
転体38が回転して超音波伝達媒体10中に発生した気
泡10aがこの超音波伝達媒体10の流れにのって導通
孔38bより気泡トラップ空間38a内に取り込まれ
る。
【0056】なお、前記第1の傘歯車41,第2の傘歯
車42,第1の平歯車46は振動の低減及び騒音の低減
の目的のため、滑り性に優れたポリアセタール等の樹脂
部材で形成されている。また、前記ロータ51は導電接
着剤によって超音波振動子のシグナルGNDと導電状態
になっている。さらに、超音波振動子21aの超音波伝
達媒体10に接する外表面には耐性を向上させるための
コーティングとしてパリレンコーティングが施されてい
る。
【0057】このように、第2駆動軸に固設された第1
傘歯車に噛合して回転する第2傘歯車に固設された第1
平歯車に噛合して回転する中間歯車の第4駆動軸に回転
体を設けるとともに、前記中間歯車に噛合して回転する
ロータに超音波振動子を配置して振動子部を構成したこ
とによって、DCモータ12の駆動力が第1同軸軸及び
第2駆動軸及び回転力伝達機構を介して振動子部及び回
転体を回転させて、挿入軸前方の超音波走査を行うこと
ができるとともに、導通孔を介して気泡トラップ空間内
に気泡を取り込む流れを発生させて、気泡トラップ空間
内に気泡を取り込むことができる。
【0058】また、前記第1ネジを長孔に配置して、前
記軸部材を突部に一体的に固定する構成であるため、こ
の軸部材の長手軸方向に対する取付け位置を適宜調整す
ることによって、前記第2平歯車と第1の平歯車との噛
み合わせ(歯当たり)を最良の状態に調整することがで
きる。
【0059】なお、図10に示すように前記第2駆動軸
15bを前記第1傘歯車41から突出させて構成し、こ
の突出した第2駆動軸15bの先端部に気泡トラップ空
間38a及びこの気泡トラップ空間38aに連通する導
通孔38bを形成した回転体38を固設することによっ
て、前記第3実施形態と同様の作用及び効果を得ること
ができる。このとき、前記第4駆動軸44の先端面は、
中間歯車47の平面と面一致又はやや突出する長さに設
定されて、前記回転体38との干渉が防止されている。
【0060】また、図11に示すように第2駆動軸15
bの先端部にラジアルタイプの振動子部21を配置する
構成にして、前記振動子部21Bの代わりに切欠突部3
9の先端部に気泡トラップ空間38a及びこの気泡トラ
ップ空間38aに連通する導通孔38bを形成した回転
体38を回動自在に配置する構成であってもよい。この
とき、前記回転体38の一端部に、前記軸受孔57aに
回転自在に配置される突部38eを設け、他端部に前記
中間歯車47に噛合する前記第2の平歯車51bと同様
の平歯車38fを設けている。このことによって、前記
第3実施形態と同様の作用及び効果を得ることができ
る。
【0061】さらに、図12に示すように先端部空間2
a内に気泡トラップ空間38a及びこの気泡トラップ空
間38aに連通する導通孔38bを形成した回転体38
を配設するする代わりに、前記溝39aの基端側に構成
した凹部を塞ぐように配置される気泡トラップ部材29
を先端支持体30Bに設ける構成であってもよい。
【0062】図に示すように前記気泡トラップ部材29
は、前記凹部の底面と先端面との間に所定の間隔が形成
されるように長さ寸法が設定された、断面形状が略凸字
形状で軸方向に貫通する、前記先端支持体30Bの凹部
及び前記封止ネジ36が螺合する下穴とで注入路32及
び排出路33を形成する、透孔29a,29bを有し、
前記気泡トラップ部材29の細径部の先端部には外側方
向に突出した気泡保持部29cが形成されている。
【0063】つまり、本実施形態においては、超音波伝
達媒体10中に発生した気泡10aは、前記ロータ51
が回転することに発生する流体の流れによって、前記透
孔29a,29bを通って凹部に気泡10aが収容され
ていく。そして、この気泡10aが前記気泡保持部29
cを次々に乗り越えていくことによってこれら気泡10
aが大きな径の気泡10bに成長して、前記気泡保持部
29cを乗り越えて再び前記透孔29a,29bを通っ
て点線に示す気泡10cのように先端部空間2a側に移
動しないように確保されるようになっている。このこと
によって、前記第3実施形態と同様の効果を得ることが
できる。
【0064】なお、回転力伝達機構40においては、中
間歯車47を設けることなく、前記ロータ51の第2の
平歯車51bを第1平歯車46によって回転させる構成
にしている。
【0065】図13を参照して本実施形態の把持部4の
構成を説明する。本実施形態においては小型モータとエ
ンコーダとを並列に設置することによって把持部が大型
化することを防止するため、把持部4内を以下のように
構成している。
【0066】図に示すように把持部4内にはDCモータ
12が配置されており、このDCモータ12の基端側に
回転角度検出手段として出力パルス数M(例えばM=1
6とする)のオプティカルエンコーダ13aを配置し、
前記DCモータ12の先端側に例えば1/N(このとき
のNを例えばN=16とする)の減速比の遊星歯車機構
や平歯車列で構成した減速機構17を配置している。つ
まり、前記オプティカルエンコーダ13a,DCモータ
12及び減速機構17を直列に配置して把持部4の太径
化を防止している。
【0067】そして、前記減速機構17の先端側には原
点検出手段としてホール素子又はフォトインタラプタ等
を配置した検出部18が設けている。また、第1駆動軸
15aの基端部には駆動信号や画像信号を伝達するため
の電気信号伝達手段である例えばロータリートランスや
スリップリング等からなる信号伝達部19を設けてい
る。この信号伝達部19は、超音波観測装置6内の送受
信回路6aに接続されている。
【0068】前記オプティカルエンコーダ13aから出
力される角度信号は、変換回路6bを経て制御回路6c
に入力され、この制御回路6cには前記検出部18から
の原点検出信号も入力されるようになっている。前記送
受信回路6aと制御回路6cとは電気的に接続されてい
る。
【0069】このことにより、超音波振動子からの超音
波走査線数を例えば256本としたとき、この超音波走
査線数に等しいパルス数を出力することができるように
なっている。
【0070】ここで、図14ないし図17を参照して前
記振動子部21Bから延出する信号線の配線状態につい
て説明する。図14は先端部における信号線の配線状態
を説明する図、図15は挿入部における信号線の配線状
態を説明する図、図16は図15のF―F線断面図、図
17は信号ケーブル保持板の外観図である。なお、図1
4(a)は先端部を正面方向から見たときの図、図14
(b)は先端部を上方向から見たときの図である。
【0071】図14(a),(b)及び図15に示すよ
うに前記ロータ51の液密な内部空間に配置されたスリ
ップリング52を介して超音波振動子21aに電気的に
接続されて電気信号の送受を行う信号線58は、前記軸
部材53の中空部53b及び、前記滑り軸受57、切欠
突部39の外周側に形成されている信号線配置溝61及
び先端支持体30Aの正面側部に形成されている信号線
挿通孔62を介して、図15に示す挿入管23の透孔2
3b内に導かれ、この透孔23bを通過して前記受信信
号増幅回路14に接続されている。
【0072】図16に示すように前記挿入管23の透孔
23b内には前記信号線58の他に把持部4に配置した
DCモータ12の駆動力を伝達する第1の駆動軸15a
が挿通している。このため、前記透孔23b内には前記
第1の駆動軸15aが配置される駆動軸側空間63と、
前記信号線58が挿通され信号線側空間64とに2分割
する信号ケーブル保持板65が配置されている。
【0073】図17に示すように前記信号ケーブル保持
板65は、両端部側部を折り返して外側方向に開くよう
に形成した板ばね状の押圧支持部66a,66bと、こ
の押圧支持部66aと押圧支持部66bとの間に位置し
て凹部形状に折り返し形成した信号線58が挿通配置さ
れる信号線用凹部67とを備えて構成されており、この
信号線用凹部67に配置されて押圧支持部66b上に位
置する信号線58を固定紐68等によって信号ケーブル
保持板65に一体的に固定されている。
【0074】前記信号ケーブル保持板65は、挿入管2
3の両側端部に形成した固定用凹部23dに、前記押圧
支持部66a,66bを配置することによって、押圧支
持部66a,66bの付勢力が働いて前記透孔23b内
の所定位置に配置される。
【0075】つまり、前記信号ケーブル保持板65を前
記挿入管23の一端開口側から挿入し、押圧支持部66
a,66bをそれぞれに対応する固定用凹部23dに配
置させることによって、信号線58が配置される信号線
側空間64と第1の駆動軸15aが配置される駆動軸側
空間63とがそれぞれ構成されて、信号線58が第1の
駆動軸15aに絡まることが防止される。
【0076】次に、図18を参照して前記振動子部21
Bを構成するロータ51内の液密状態をチェックする振
動子部液密状態チェック手段について説明する。前記ス
リップリング52等が配置されているロータ51の液密
空間内に、万一水などの導電性を有する超音波伝達媒体
10が侵入すると、電気信号伝達手段及びこれら電気信
号伝達手段に電気的に接続された電気回路が破損される
おそれがある。
【0077】このため、本実施形態においては図に示す
ようにロータ51の液密空間内に水などが侵入したこと
を術者に知らしめるとともに、水などの侵入を検出した
際、瞬時に電気信号の送受を停止させる振動子部液密状
態チェック手段である振動子部気密状態チェック回路7
0を設けている。
【0078】前記振動子部気密状態チェック回路70
は、スリップリング52に接続され、液密な内部空間内
に水が侵入することによって変化するインピーダンス変
化を検知するインピーダンス検出回路6dと、このイン
ピーダンス検出回路6dでの検知結果が伝送されて、送
受信回路6a及び告知回路6eを制御する制御回路6c
とで構成されている。
【0079】したがって、前記インピーダンス検出回路
6dでインピーダンスの変化を検知した場合には、この
検知結果は制御回路6cに出力され、この制御回路6c
において送受信回路6aから超音波振動子21a,21
bへの送受信を停止させる制御を行う一方、告知回路6
eを通じてモニタ7の画面7a上に電気信号の送受を停
止させたことを術者に知らしめる文字やイラスト等を表
示する制御を行う。
【0080】このことによって、伝導性を有する超音波
伝達媒体がロータ内の液密空間内に侵入して発生する、
電気信号伝達手段及びこれら電気信号伝達手段に電気的
に接続された電気回路の破損が防止される。
【0081】図19及び図20は本発明の第4実施形態
に係り、図19は振動子部の別の構成を説明する図、図
20は図19に示した振動子部及び回転力伝達機構を備
えた先端部の構成を示す図である。なお、図19(a)
は振動時部の開口の形状を説明する図、図19(b)は
振動子部の作用を説明する図である。
【0082】図19(a)に示すように本実施形態にお
いてはロータ51の側周面にこのロータ51の内孔に連
通する貫通孔を設けている。つまり、前記ロータ51の
内孔を気泡トラップ空間38aとし、前記貫通孔を導通
孔38bとして振動子部21Cを構成している。
【0083】しかし、この構成の場合、前記ロータ51
の内孔である気泡トラップ空間38a内には超音波伝達
媒体10が侵入する。したがって、導電性を有する超音
波伝達媒体10がスリップリング52等に接触して発生
する電気的不具合を解消する必要があるので、本実施形
態においては超音波伝達媒体10を流動パラフィン等の
電気絶縁性媒体としている。
【0084】また、本実施形態の回転力伝達機構40に
おいては、図20に示すように第3駆動軸43aに軸支
されて第2傘歯車42に一体な第1平歯車46とロータ
51に形成した第2平歯車51bとを噛合させている。
なお、前記ロータ51に第2平歯車51bを一体に形成
したことにより、別体に設ける場合に比べて先端部を細
径化することが可能になっている。
【0085】つまり、前記第3実施形態で配置した中間
歯車47を設けることなく、前記ロータ51を第1平歯
車46によって回転させる構成になっている。このこと
によって、先端部2の小型化を図るとともに、前記切欠
凸部39の突出長を減少させて、前記ロータ51を回転
させたときの軸ぶれを大幅に減少させている。
【0086】さらに、前記第1平歯車46を一体に固設
した第2傘歯車42を軸支する第3駆動軸43aは、段
付形状をしており、一方側に位置する切欠突部39から
他方側に位置する切欠突部39に配置して螺合によって
配置固定される。そして、前記第1平歯車46を一体に
固設した第2傘歯車42は、前記第3駆動軸43aの細
径部に配置されるベアリング機構部71を介して回動自
在に配置されている。
【0087】又、前記切欠突部39の内面と第2の傘歯
車42の下端面との間に位置する第3駆動軸43の細径
部には弾性部材であるOリング49が配設されている。
したがって、前記第3駆動軸43aを締めたり、緩めた
りすることよって弾性部材の変形量が変化することによ
り、前記傘歯車42の軸方向の位置が変化して傘歯車4
1,42同士の歯当たりが調整されるので振動や騒音の
発生が防止される。
【0088】上述のように振動子部21C及び回転力伝
達機構40を構成したことによって、DCモータ12の
駆動力によって、第2駆動軸15bが回転させられるこ
とによって、この回転力が第2駆動軸15bに設けられ
ている第1の傘歯車41、第3駆動軸43aに軸支され
ている第2の傘歯車42、この第2の傘歯車42に一体
的に固定されている第1の平歯車46、ロータ51に形
成されている第2の平歯車51bに伝達されて、図19
(b)に示すように振動子部21Cが矢印方向に回転し
て超音波伝達媒体10中に発生した気泡10aを導通孔
38bより気泡トラップ空間38a内に取り込むととも
に、挿入方向に対して前方方向の超音波走査を行う。
【0089】なお、前記第3駆動軸43aの先端面には
例えばマイナスドライバの先端が配置可能なマイナス溝
が形成されており、この第3駆動軸43aを配置後、マ
イナスドライバを前記マイナス溝に配置して第3駆動軸
43aの調整を行えるようになっている。その他の構成
及び作用は前記第3実施形態と同様であり、同部材には
同符合を付して説明を省略する。
【0090】このように、振動子部を構成する回転体で
あるロータの内孔を気泡トラップ空間として構成するこ
とによって、回転体と振動子部とを一体に構成して先端
部の小型化を図ることができる。その他の効果は前記第
3実施形態と同様である。
【0091】なお、前記導通孔38bである貫通孔の開
口形状は、前記図19(a),(b)に示した形状に限
定されるものではなく、図21(a),(b)に示すよ
うに矢印に示す回転方向に対して傾斜した傾斜面等の加
工部72を形成することにより、超音波伝達媒体10に
存在する気泡10aを気泡トラップ空間38aにさらに
容易に取り込むことができる。
【0092】ところで、経直腸・経膣プローブ等では穿
刺針を描出させることを可能にするため前方走査が主流
になっていた。しかし、表示画像が2次元であるため、
診断対象臓器の形態を正確に把握することが困難であっ
た。このため、プローブ内の超音波振動子の位置を手動
で調整することを可能にして3次元表示可能にした超音
波プローブも提案されているが、振動子を手動で回転運
動させるため表示画像の精度が劣化するという問題があ
った。
【0093】また、特公平6−98128号公報には小
型で広角度の扇形走査及び全周走査の2方向の超音波断
層像を得るため、少なくとも1つの超音波探触子が設け
られた支持体を第1の軸中心に回転可能に支持するとと
もに、この支持体を第1の軸と直交する第2の軸中心に
対しても回転可能に支持した機械式走査型超音波探触子
が示されている。しかし、この特公平6−98128号
公報に示されている機械式走査型超音波探触子ではクラ
ッチ機構を設けているため同時に2方向の走査を行うこ
とができず、また2つのモータを設けて2方向の走査を
行うものでは把持部が太径になって操作性が低下すると
いう問題があった。
【0094】このため、診断能の向上を目的として3次
元前方走査が可能で操作性の良好な超音波プローブが望
まれていた。
【0095】図22に示すように本実施形態の3次元前
方走査の可能な超音波プローブ1Aは、振動子部21D
を内蔵した先端部2と、後述する駆動軸が配置される細
長の挿入部3と、この挿入部3の基端部に設けられ、前
記振動子部21Dを回転させる回転力を発生させる回転
駆動力発生手段を内蔵した把持部4とで主に構成されて
いる。
【0096】前記把持部4には回転駆動力発生手段とし
て例えば小型モータ75と、回転角度検出手段であるエ
ンコーダ76と、前記小型モータ75の回転駆動力を伝
達する第1の駆動軸81と、この第1の駆動軸81の回
転力が伝達されて回転する第2の駆動軸82とが配置さ
れている。
【0097】そして、前記小型モータ75の回転力は、
カップリング77を介して前記第1の駆動軸81に伝達
され、この第1の駆動軸81の回転力は回転力分岐手段
を構成する例えば第1平歯車91及び第2平歯車92を
介して第2の駆動軸82に伝達されるようになってい
る。
【0098】前記挿入部3内には、前記先端部2の超音
波伝達媒体10が充填される先端部空間2a内に回転自
在に配置される先端支持体78の基端部を構成する第3
駆動軸83がベアリング機構部79によって回転自在に
軸支されている。
【0099】また、前記第3駆動軸83の基端部には回
転力分岐手段を構成する例えば第3平歯車93が形成さ
れており、この第3平歯車93に前記第2駆動軸82の
他端部側に固設された回転力分岐手段を構成する第4平
歯車94が噛合するようになっている。なお、前記第3
駆動軸83の中心軸上には前記第1の駆動軸81が挿通
する図示しない透孔が形成されている。
【0100】前記先端部2の先端部空間2a内に配置さ
れた先端支持体78の先端側には一対の切欠突部80が
凸設しており、この切欠突部80の先端側には前記第3
駆動軸83の延長軸線に対して直交するよう配置された
第4駆動軸84が設けられている。そして、この第4駆
動軸84には超音波振動子21aの中心軸を前記第3駆
動軸83の中心軸延長線上に配置して振動子部21Dを
構成する回転体87が回転自在に配置されている。
【0101】前記先端支持体78に形成した透孔内を通
じて先端部空間2a内に位置する第1駆動軸81の先端
部には回転力分岐手段を構成する第1傘歯車88が固設
されており、この第1傘歯車88には第5駆動軸85に
軸支された従動歯車であり、第5平歯車95を一体に固
設した回転力分岐手段を構成する第2傘歯車89が噛合
している。
【0102】そして、前記第5平歯車95は、前記回転
体87の一端部に形成した第6平歯車96に噛合するよ
うに構成されている。
【0103】なお、前記第1平歯車91と第2平歯車9
2とのギア比は1:Nであり、第3平歯車93と第4平
歯車94とのギア比及び第1傘歯車88と第2傘歯車8
9、第5平歯車95と第6平歯車96とのギア比はそれ
ぞれ1:1である。したがって、第1駆動軸81の回転
数をRとしたときの先端支持体78の回転数はR/Nに
なる。
【0104】このことより、前記モータ75を回転させ
ることによって、このモータ75の回転力が第1駆動軸
81及び第2駆動軸82等を介して先端支持体78及び
回転体87に伝達されて、この先端支持体78及び回転
体87が回転して3次元スキャンを行う。
【0105】このとき、前記回転体87の回転数は、先
端支持体78に対する第1傘歯車88の相対回転数と同
一であり、以下の式で算出される。
【0106】R−R/N=R(1−1/N)…(1) そして、前記(1)式の算出結果とエンコーダ76の出
力パルスとの関係を用いて、回転体87の1回転当たり
の前方スキャン像を構築するとともに、先端支持体78
の回転角を前記エンコーダ76の出力パルスより検出し
て三次元画像が構築される。
【0107】なお、前記第1駆動軸81の回転力を第2
駆動軸82に伝達する手段及び第2の駆動軸82の回転
力を第3駆動軸83に伝達する手段を、平歯車91,9
2及び平歯車94,93で構成する代わりに、タイミン
グベルトやプーリーで構成するようにしてもよい。
【0108】このように、1つのモータから出力される
回転力によって、回転体を回転させとともに、回転支持
体を回転させることによって、回転精度を大幅に向上さ
せて3次元の内視鏡画像を得ることができる。また、把
持部にはモータ及びエンコーダが1つずつしか配置され
ないので、把持部が太径になることを防止される。
【0109】なお、図23に示すように、前記図10に
示した先端部空間2a内の構成において、前記第2駆動
軸15bの先端に気泡トラップ空間38a及びこの気泡
トラップ空間38aに連通する導通孔38bを形成した
回転体38を固設する代わりにラジアルタイプの振動子
部21を固設することによって、前方走査及び全周走査
を行うことができる。
【0110】そして、前記先端部空間2a内に走査方向
の異なる2つの振動子部21,21Bを設けた場合に
は、前記図2に示した構成の把持部4が設けられてお
り、振動子部21又は振動子部21Bから超音波観測装
置6に出力される信号のうち、どちらか一方の信号を適
宜選択することによって、モニタ7の画面7a上に、前
方走査による超音波画像又は全周装置による超音波画像
を表示させることができる。なお、この構成においては
前記気泡トラップ手段を前方走査、ラジアル走査の両方
若しくは一方に設けられていてもよいことは当然であ
る。
【0111】ところで、肛門・直腸適用の超音波プロー
ブでは検査の目的によって、挿入部を体腔内に挿入する
際の挿入量が異なっていた。このため、挿入部の長さ寸
法を変化させることが可能な超音波プローブが望まれて
いた。
【0112】図24ないし図28は、挿入部の長さ寸法
を可変させることが可能な超音波プローブの実施形態に
係り、図24は超音波プローブの構成を説明する図、図
25は超音波プローブの先端部及び超音波コネクタの構
成を説明する図、図26は把持部の構成を説明する図、
図27は位置決めピンと位置決め孔との関係を説明する
図、図28は挿入部の長さの異なる超音波プローブを示
す図である。なお、図25(a)は先端部の構成を説明
する図、図25(b)は超音波コネクタの構成を説明す
る図、図26(a)は把持部の分割構成を説明する図、
図26(b)は把持部材と挿入部基端部との関係を説明
する図、図28(a)は位置決めピンを先端から3番目
の位置決め穴に係入配置して挿入部長を最も長く設定し
た超音波プローブを示す図、図28(b)は位置決めピ
ンを先端から2番目の位置決め穴に係入配置して挿入部
長を中間長さに設定した超音波プローブを示す図、図2
8(c)は位置決めピンを先端から1番目の位置決め穴
に係入配置して挿入部長を最も短く設定した超音波プロ
ーブを示す図である。
【0113】図24に示すように本実施形態の体腔内超
音波プローブ100は、体腔内に挿入され挿入軸方向に
対して直交する側部側を超音波走査する所謂ラジアルス
キャンタイプの振動子部を、音響窓101を配設した先
端部102内に内蔵した細長の挿入部103と、この挿
入部103の基端部に設けられた把持部104と、この
把持部104の後端から延出する可撓性を有し、回転駆
動力を伝達するフレキシブルシャフトや信号線が挿通す
る細長で柔軟な超音波コード105と、この超音波コー
ド105の基端に設けられ、超音波を発生させる駆動信
号を生成するとともに、受信した超音波エコーに対する
信号処理等を行って映像信号を生成する図示しない超音
波観測装置に着脱自在な超音波コネクタ105aとで構
成されている。符号105bは図示しない超音波観測装
置のコネクタ部に接続されるプラグ部であり、符号12
7は後述する媒体封止ネジである。
【0114】図25(a)に示すように超音波プローブ
100の細長でパイプ形状の挿入部103を構成する挿
入管121の先端側には長手軸方向の断面形状が略凸字
状で中心軸上に透孔を形成した先端支持体122が螺合
固定されている。この先端支持体122の先端側にはポ
リメチルペンテンやポリエチレン等で形成された音響窓
101が糸巻き接着によって固設されて、先端部102
を構成している。
【0115】前記挿入管121の貫通穴内にはフレキシ
ブルシャフト107が挿通配置されており、このフレキ
シブルシャフト107の先端側には前記音響窓101内
に配置される超音波振動子123を先端部に固設したパ
イプ形状の駆動軸124が一体的に固定されている。
【0116】前記駆動軸124は、前記先端支持体12
2の透孔内に配置されているベアリング機構部125に
よって回動自在に軸支されており、この駆動軸124と
先端支持体122との間には液密を確保する複数のOリ
ングや固定配置部材で構成した液密構成部126を配置
して前記挿入管121側に超音波伝達媒体130が漏れ
出ないように液密状態を保持している。
【0117】符号128は前記先端支持体122の透孔
に連通する潤滑油注入口であり、この潤滑油注入口は封
止ネジ129によって液密状態を保持して封止される。
【0118】なお、本実施形態においては超音波伝達媒
体130は、音響窓101に形成されている先端開口1
01aから注入されるようになっており、この先端開口
101aは先端を半球状に形成した媒体封止ネジ127
を螺合固定することによって液密を保持するようになっ
ている。媒体封止ネジに127は、肛門への挿入性を向
上させるために半球状になっている。また、音響窓にも
テーパがついているのは挿入性を向上させるためであ
る。
【0119】また、超音波振動子123に接続された信
号線123aは駆動軸124内及びフレキシブルシャフ
ト107内を挿通して図25(b)に示すように超音波
コネクタ105aのプラグ部105bまで延出してい
る。
【0120】さらに、図示しない超音波観測装置内には
前記フレキシブルシャフト107を回転駆動させる駆動
源となるモータが配設されている。
【0121】前記図24に示すように前記把持部104
の両端部にはそれぞれOリング等の弾性体106が着脱
自在に設けられている。図26(a)に示すように前記
把持部104のそれぞれの端部から弾性体106を取り
外すことによって、前記把持部104は第1把持部材1
11と第2把持部材112とに分割されて、挿入部10
3の基端部から取り外ずせる構成になっている。
【0122】同図(b)に示すように前記把持部材11
1,112の分割面側にはそれぞれ前記挿入部103の
基端部分が配置される断面形状が半円形状の挿入部配置
凹部113が形成されており、例えば第2把持部材11
2の挿入部配置凹部113の中途部には1つの位置決め
ピン114が突出して設けられている。
【0123】一方、前記挿入部103の基端部には前記
挿入部配置凹部113に設けた位置決めピン114が係
入配置される位置決め穴115が寸法Pの等間隔で例え
ば3つ、一直線上に配置形成されている。
【0124】なお、符号116は前記弾性体106が配
置される弾性体配置溝である。また、符号117は把持
部材111,112を挿入部基端部に配置したとき発生
するがたつきを防止する弾性体であり、本実施形態にお
いてはこの弾性体はOリングであり、このOリングを挿
入部103の基端部に配置している。
【0125】図27に示すように前記第2把持部材11
2に設けられている位置決めピン114は、3つの位置
決め穴115のいずれにも係入配置可能であり、前記位
置決めピン114を例えば先端側から2番目の位置決め
穴115に係入配置させた後、この第2把持部材112
に前記第1把持部材111を一体にして弾性体106を
弾性体配置溝116に配置することによって、図28
(b)に示すように挿入部長さ寸法をLに設定した挿入
部103を備える体腔内超音波プローブ100が構成さ
れる。
【0126】そして、前記図27において前記位置決め
ピン114を先端から1番目の位置決め穴115に係入
配置した場合には、図28(c)に示すように挿入部長
さ寸法を(L−P)にした挿入部103を備える体腔内
超音波プローブ100が構成され、前記位置決めピン1
14を先端から3番目の位置決め穴115に係入配置し
た場合には、図28(a)に示すように挿入部長さ寸法
を(L+P)にした挿入部103を備える体腔内超音波
プローブ100が構成される。
【0127】このように、把持部を第1把持部材と第2
把持部材とで分割可能で、かつ挿入部の基端部に対して
着脱自在に構成する一方、前記把持部材又は挿入部の一
方に1つの位置決めピン又はこの位置決めピンが係入配
置される複数の位置決め穴を設けることによって、挿入
部長さ寸法を使用目的に応じて最適な長さに調節するこ
とができる。
【0128】なお、上述したようにフレキシブルシャフ
トを備えて構成されたラジアルスキャンタイプの体腔内
超音波プローブを、前方スキャンタイプの体腔内超音波
プローブとして構成することができる。
【0129】この場合、図29に示すように超音波振動
子131の超音波ビーム発信面132を挿入軸に対して
平行になるように先端支持体122に固定する一方、前
記超音波振動子131の超音波ビーム発信面132に対
して対向する傾斜面133を備えた反射体134を回転
自在に配置している。
【0130】前記反射体134は、フレキシブルシャフ
ト107で伝達される回転力を、第1傘歯車135及び
第2傘歯車136で構成した回転力伝達機構を介して回
転するようになっている。
【0131】また、本実施形態においては前記超音波振
動子131に接続される信号線137は前記フレキシブ
ルシャフト107に絡まることを防止した構成であり、
図30に示すように超音波コネクタ105a内に配置さ
れたスリップリング105cを介してプラグ部105b
に接続されている。
【0132】このため、図31に示すように超音波コネ
クタ105aのプラグ部105bを超音波観測装置14
0に設けられている図示しないコネクタに接続すること
によって、前記プラグ部105bが超音波観測装置14
0内の駆動部141を構成するスリップリング142に
接続されて、モータ143からの駆動力の伝達と、電気
信号の伝達が可能な状態になる。なお、符号143は回
転角度検出手段としてのエンコーダである。前記駆動部
141は別体で超音波観測装置に接続されてもよい。
【0133】ところで、前記図24ないし図28で示し
た体腔内超音波プローブ100を用いて経直腸的検査を
行う場合、先端部102が例えば隆起病変部150に密
着してしまうことによって、この病変部150を潰し
て、正確な診断を行えなくなる不具合が生じることがあ
った。
【0134】このため、プローブに注水機構を設けて直
腸内に脱気水等を注入して検査を行えるようにしたもの
があるが、挿入部に注水口を設けることによって、プロ
ーブが汚物等によって汚染され易い構造になり、使用後
の洗滌作業性が煩わしくなるという問題があった。そこ
で、洗滌性を損なうことなく、隆起病変部を潰すことな
く超音波検査を行える超音波プローブ装置が望まれてい
た。
【0135】図32に示すよう本実施形態の超音波プロ
ーブ装置151は、超音波プローブ100と直腸挿入用
アダプタ152とで構成されている。
【0136】前記直腸挿入用アダプタ152は、長手方
向断面形状が略凸字形状のパイプ部材で構成されてお
り、肛門に配置される細径挿入部153及び超音波プロ
ーブ100の挿入部103が挿通される挿入口154a
を備えた太径部154を有するアダプタ本体155と、
前記太径部154の内周側面基端側に配置され、前記挿
入部103の外周面に密着する細径挿入部153側に湾
曲して形作られた挿入部密着部材156とで主に構成さ
れている。前記直腸挿入用アダプタ152はディスポー
ザブルであってもよい。
【0137】前記挿入部密着部材156は、この直腸挿
入用アダプタ152の中心軸に対して放射状に複数形成
され液密部材配置穴159に摺動自在に配置される摺動
部157と、この摺動部157を中心軸方向に付勢する
波型付勢部材158とで構成されている。なお、前記液
密部材配置穴159及び波型付勢部材158は全周つな
がっていてもよい。
【0138】前記太径部154の外周側面略中央部には
シリンジや注水装置から延出する送水チューブ160が
着脱自在なチューブ接続口161が形成されており、こ
の送水チューブ160及びチューブ接続口154bを介
して脱気水が直腸内に注入されるようになっている。
【0139】上述のように構成した超音波プローブ装置
の作用を説明する。直腸挿入用アダプタ152の細径挿
入部153を肛門に挿入配置した状態で、太径部154
の挿入口154aから超音波プローブ100の挿入部1
03を挿入配置していくことによって、前記挿入部10
3の外周面に挿入部密着部材156が密着した状態にな
る。
【0140】この状態で、前記チューブ接続口154b
に取り付けられている送水チューブ160を介して脱気
水を注水する。すると、直腸内に水が貯溜された状態に
なって病変部150を含む直腸内の超音波観察を行うこ
とができる。
【0141】なお、前記挿入部密着部材156を摺動部
157で保持する一方、この摺動部157が前記液密部
材配置穴159内で摺動自在であるため、この摺動部1
57が波型付勢部材158によって常時中心軸方向に付
勢された状態になる。このことによって、超音波プロー
ブ100の挿入部103の外径寸法に関わらず、挿入部
密着部材156を挿入部103に密着させることができ
るようになっている。
【0142】また、前記液密部材配置穴159を設け、
その液密部材配置穴159に前記摺動部157を配置す
る構成の代わりに、図33に示すように前記挿入部密着
部材156の周囲に波型付勢部材158を一体的に構成
して、この波型付勢部材158を太径部154の内周面
に配置する構成であってもよい。
【0143】なお、本発明は、以上述べた実施形態のみ
に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範
囲で種々変形実施可能である。
【0144】[付記]以上詳述したような本発明の上記
実施形態によれば、以下の如き構成を得ることができ
る。
【0145】(1)回転力を発生する回転駆動力発生手
段と、この回転駆動力発生手段の回転力を伝達する駆動
軸と、この駆動軸を介して伝達される回転力によって機
械的に回転走査される超音波振動子部が配置され、この
超音波振動子部から発生される超音波ビームを伝播する
超音波伝達媒体が充填される空間部とを具備する機械走
査式超音波プローブにおいて、前記空間部内に、前記駆
動軸で伝達される回転力によって回転し、超音波観察
中、超音波伝達媒体中に発生した気泡を取り込む気泡ト
ラップ空間部を有する気泡除去手段を設けた機械走査式
超音波プローブ。
【0146】(2)前記気泡除去手段は中空回転体であ
り、この中空回転体は、中空回転体の内部空間である気
泡トラップ空間部と外部とを連通する導通孔開口を有す
る付記1記載の機械走査式超音波プローブ。
【0147】(3)前記回転体と超音波振動子部とが別
体である付記1記載の機械走査式機械走査式超音波プロ
ーブ。
【0148】(4)前記回転体と超音波振動子部とが一
体である付記1記載の機械走査式機械走査式超音波プロ
ーブ。
【0149】(5)前記回転体は、さらに前記超音波振
動子に電気信号を伝達する電気信号伝達手段を有する付
記4記載の機械走査式超音波プローブ。
【0150】(6)前記回転体は、前記駆動軸を介して
直接的に伝達される回転力によって回転する付記1ない
し付記4のいずれか1つに記載の機械走査式超音波プロ
ーブ。
【0151】(7)前記回転体は、前記駆動軸を介して
伝達される回転力を伝達する回転力伝達機構を介して回
転する付記1ないし付記4のいずれか1つに記載の機械
走査式超音波プローブ。
【0152】(8)前記回転力伝達機構は、少なくとも
回転体に一体的に形成された伝達部を備える付記7記載
の機械走査式超音波プローブ。
【0153】(9)前記電気信号伝達手段は、回転体内
の内部空間に外部に対して露出して配置される付記5記
載の機械走査式超音波プローブ。
【0154】(10)前記超音波伝達媒体が電気絶縁油
である付記9記載の機械走査式超音波プローブ。
【0155】(11)回転力を発生する回転駆動力発生
手段と、この回転駆動力発生手段の回転力を伝達する駆
動軸と、この駆動軸を介して伝達される回転力によって
機械的に回転走査される超音波振動子部が配置され、こ
の超音波振動子部から発生される超音波ビームを伝播す
る超音波伝達媒体が充填される空間部とを具備する機械
走査式超音波プローブにおいて、前記超音波振動子部
は、前記駆動軸で伝達される回転力によって回転し、こ
の超音波振動子部を構成する内部空間に少なくとも1つ
の超音波振動子及びこの超音波振動子に電気信号を伝達
する電気信号伝達手段を備え、この電気信号伝達手段と
前記超音波振動子との電気的接続部を、前記回転体の液
密な内部空間に設けた機械走査式超音波プローブ。
【0156】(12)前記超音波振動子部の内部空間
は、弾性体又は封止樹脂によって液密に保持される付記
11記載の機械走査式超音波プローブ。
【0157】(13)前記電気信号伝達手段は、インピ
ーダンス変化を検知して前記超音波振動子部の内部空間
の液密状態をチェックする振動子部液密状態チェック手
段を有する付記11記載の機械走査式超音波プローブ。
【0158】(14)前記液密状態チェック手段は、液
密な内部空間内に導電性媒体が侵入した際に生じるイン
ピーダンスの変化を検知したとき、超音波振動子に対す
る電気信号の送受が停止される付記13記載の機械走査
式超音波プローブ。
【0159】(15)前記液密状態チェック手段は、超
音波振動子に対する電気信号の送受が停止したことを告
知する告知回路を具備する付記13記載の機械走査式超
音波プローブ。
【0160】(16)前記機械走査式超音波プローブ
は、さらに、前記気泡除去手段又は前記空間部の超音波
伝達媒体中に発生した気泡を取り込む気泡トラップ部材
を有する付記11記載の機械走査式超音波プローブ。
【0161】(17)把持部内に回転駆動力発生手段
と、回転角度検出手段と、減速機構と備える超音波プロ
ーブにおいて、前記回転駆動力発生手段、回転角度検出
手段及び減速機構を略同軸的に配置接続した超音波プロ
ーブ。
【0162】(18)前記減速機構の減速比を1/N、
前記回転駆動力発生手段の一回転当たりのパルス信号の
出力数をMとしたとき、(N×M)×R(R:自然数)
=超音波走査線数とした付記17記載の機械走査式超音
波プローブ。
【0163】(19)1つの回転駆動力発生手段と、こ
の回転駆動力発生手段の回転力を伝達する駆動軸と、こ
の駆動軸の回転力を伝達する回転力伝達機構と、前記駆
動軸の回転力によって回転走査を行う第1の超音波振動
子部と、前記回転力伝達機構によって伝達される回転力
によって前記第1の超音波振動子部が走査する方向に対
して直交する方向の回転走査を行う第2の超音波振動子
部と、を具備する機械走査式超音波プローブ。
【0164】(20)前記第1の超音波振動子部及び前
記第2の超音波振動子部を配設した空間部に導電性の超
音波伝達媒体が充填されるとき、前記第2の超音波振動
子部の有する少なくとも1つの超音波振動子と、この超
音波振動子に電気信号を伝達する電気信号伝達手段との
電気的接続部を、前記回転体の液密な内部空間に設けた
付記19記載の機械走査式超音波プローブ。
【0165】(21)1つの回転駆動力発生手段と、超
音波振動子を配置した1つの超音波振動子部と、この超
音波振動子部を回転自在に軸支して、一方向に回転可能
な先端支持体と、この先端支持体に軸支された超音波振
動子部を回転させる回転力伝達機構と、前記回転駆動力
発生手段によって発生する回転力を前記回転力伝達機構
及び先端支持体に伝達する回転力分岐手段と、を具備す
る機械走査式超音波プローブ。
【0166】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、先
端部の空間部内に充填されている超音波伝達媒体内に発
生した気泡の影響を受けることなく、良好な超音波観察
を行える機械走査式超音波プローブを提供することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1ないし図4は本発明の一実施形態に係り、
図1は機械走査式超音波プローブの概略構成を説明する
外観図
【図2】機械走査式超音波プローブの把持部内の概略構
成を説明する図
【図3】機械走査式超音波プローブの先端部の構成を説
明する図
【図4】回転体の構成及び回転体が回転することに発生
する流体の流れと気泡の関係を説明する図
【図5】回転体の他の構成例を説明する図
【図6】本発明の第2実施形態に係る超音波プローブの
先端部の構成を説明する図
【図7】図7ないし図9は本発明の第3実施形態に係
り、図7は超音波プローブの先端部の構成を説明する図
【図8】超音波振動子部の構成を説明する断面図
【図9】機械走査式超音波プローブの把持部内の概略構
成を説明する図
【図10】超音波プローブの先端部の他の構成例を説明
する図
【図11】超音波プローブの先端部の別の構成例を説明
する図
【図12】超音波プローブの先端部のまた他の構成例を
説明する図
【図13】第3実施形態の超音波プローブの把持部の構
成を示す図
【図14】図14ないし図17は超音波振動子部から延
出する信号線の配線状態を説明する図であり、図14は
先端部における信号線の配線状態を説明する図
【図15】挿入部における信号線の配線状態を説明する
【図16】図15のF―F線断面図
【図17】信号ケーブル保持板の外観図
【図18】液密なロータ内の液密状態をチェックする振
動子部液密状態チェック手段を説明する図
【図19】図19及び図20は本発明の第4実施形態に
係り、図19は超音波振動子部の別の構成を説明する図
【図20】図19に示した超音波振動子部及び回転力伝
達機構を備えた先端部の構成を示す図
【図21】超音波振動子部のまた別の構成を説明する図
【図22】3次元機械走査式超音波プローブの構成例を
示す図
【図23】3次元機械走査式超音波プローブの他の構成
例を示す図
【図24】図24ないし図28は、挿入部の長さ寸法を
可変させることが可能な超音波プローブの実施形態に係
り、図24は超音波プローブの構成を説明する図
【図25】超音波プローブの先端部及び超音波コネクタ
の構成を説明する図
【図26】把持部の構成を説明する図
【図27】位置決めピンと位置決め孔との関係を説明す
る図
【図28】挿入部の長さの異なる超音波プローブを示す
【図29】フレキシブルシャフトを備えた前方スキャン
タイプの超音波プローブの構成例を示す図
【図30】超音波コネクタの構成を説明する図
【図31】超音波コネクタの他の構成を説明する図
【図32】超音波プローブと直腸挿入用アダプタとで構
成される超音波プローブ装置を説明する図
【図33】直腸挿入用アダプタの他の構成を説明する図
【符号の説明】
10…超音波伝達媒体 10a…気泡 15a…第1の駆動軸 15b…第2の駆動軸 20…音響窓 21…超音波振動子部 21a,21b…超音波振動子 38…回転体 38a…気泡トラップ空間 38b…導通孔

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転力を発生する回転駆動力発生手段
    と、 この回転駆動力発生手段の回転力を伝達する駆動軸と、 この駆動軸を介して伝達される回転力によって機械的に
    回転走査される超音波振動子部が配置され、この超音波
    振動子部から発生される超音波ビームを伝播する超音波
    伝達媒体が充填される空間部とを具備する機械走査式超
    音波プローブにおいて、 前記空間部内に、前記駆動軸で伝達される回転力によっ
    て回転し、超音波観察中、超音波伝達媒体中に発生した
    気泡を取り込む気泡トラップ空間部を有する気泡除去手
    段を設けたことを特徴とする機械走査式超音波プロー
    ブ。
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