JPH0644906B2 - 超音波内視鏡 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ａ．技術分野 本発明は、体腔内に挿入して使用される超音波内視鏡の
先端に着脱自在に取に付けられる超音波送受信走査部の
改良に関する。

ｂ．従来技術及びその問題点 従来、超音波内視鏡の先端に超音波送受信走査部を取り
付ける場合には、第４図に示すように、超音波送受信走
査部２′の後端部を内視鏡３′の先端に接着剤を介して
嵌合させ、該嵌合部外周に糸を幾重にも巻回することに
より、両者の固定を行なっており、該接着と糸巻により
超音波送受信走査部２′内の液密をも兼ねている。

しかしながら、このような固定方法では、信頼性の面か
ら見て必ずしも万全とはいえない。

例えば、超音波送受信走査部２′の後端部と内視鏡部
３′の先端との接着が弱いと、たとえ糸巻を行なってい
ても嵌合部が外れる危険性があるし、巻回した糸も使っ
ていくうちにほつれなどが起り、体腔壁に悪影響を及ぼ
すことも考えられる。

改良案としては、内視鏡部３′の先端外周に環状の凹部
を設け、超音波送受信走査部２′の後端部に該凹部と嵌
合する凸部を設けて両者を嵌合させ、更に、接着・糸巻
することにより抜け止め防止を行なう方法などが考えら
れるが、この方法でも糸巻部が外表面に露呈しているの
で糸がほつれる危険性は残る。

また、種々の機能を備えた内視鏡部３′の先端に超音波
送受信走査部２′の後端部を嵌合させるときには、かな
りの力で押し込まなければならず、作業に困難をともな
うとともに、糸巻きという繁雑な作業を必要としてい
る。

また、これらの従来例においては、超音波振動子等の故
障が起きた場合、超音波送受信走査部の取り外しが簡単
にできないという欠点を持っている。

ｃ．発明の目的 本発明は、超音波送受信走査部を内視鏡の体内挿入部先
端に簡単な構造で着脱固定でき、超音波送受信走査部の
液密性を確実に保持でき、かつ超音波送受信走査部内の
超音波振動子の方向を自由に設定することができる超音
波内視鏡を得ることを目的とする。

ｄ．発明の概要 本発明の超音波内視鏡は、内視鏡の体腔内挿入部の先端
部にねじを設け、この体内挿入部側ねじに螺合されるね
じを一体に備えた円筒状の超音波窓部を有する超音波送
受信部を設け、この超音波窓部内にシール部材によって
液密部分を構成するとともに、この超音波窓部の液密部
分内に超音波振動子を配置し、この超音波振動子を、シ
ール部材を液密に貫通した、超音波窓部の螺合構造と同
軸の中空回転軸に支持させたものであって、さらにこの
中空回転軸は、体腔部挿入部側に設けられた駆動軸に係
合し、かつ、超音波振動子の信号線を、この中空回転軸
を通して、内視鏡の体腔内挿入部側に導いたことを特徴
としている。

ｅ．発明の実施例 以下、図面に基いて本発明の一実施例を説明する。

第３図は、本超音波内視鏡の全体図であり、この超音波
内視鏡４４は、長尺の管状の体腔内挿入部４３と、該挿
入部４３の基端に順次連設された幅操作部３０、主操作
部３１及び接眼部３３並びに長尺な管状のライトガイド
ケーブル部３８及び電気ケーブル部３９とから成り、該
ライトガイドケーブル部３８と電気ケーブル部３９の基
端は一まとめにされて主操作部３１の側面に接続されて
いる。ライトケーブル部３８の先端には、図示しない光
源装置に接続するためにコネクタ４０が設けられてお
り、電気ケーブル部３９の先端には、図示しない電源装
置に接続するためのコネクタ４１が設けられている。

前記挿入部４３は、その基端から順に、軟性部２９，主
操作部３１に設けられた湾曲操作ノブ３２によって湾曲
操作される湾曲部２８及び先端部１とから成り、該先端
部１は、第１図に示すように、光ファイバー束等を介し
て被検体部位を観察するための内視鏡部３と、該内視鏡
部３に連結部材５によって螺子結合された超音波送受信
走査部２とから成る。

内視鏡部３の側面には、被検部位を観察するための観察
窓部２０が配置されており、該観察窓部２０内には、観
察に必要な対物レンズ系２１が装備されていて該対物レ
ンズ系２１には、光ファイバー束等を使用したイメージ
ガイド２４の入射端が対向させてあり、このイメージガ
イド２４は挿入部２３，副操作部３０及び主操作部３１
を通って、その出射端は接眼部３３に導かれている。

一方、図示しない照明窓も観察窓部２０近辺に設置さ
れ、該照明窓内には照明光学系が配備され、該照明光学
系には、光ファイバー等を使用したライトガイドの出射
端が臨んでおり、該ライトガイドは、、挿入部２３，副
操作部３０，主操作部３１及びライトガイドケーブル部
３８を通ってライトガイドケーブル部３８の先端に設け
られたコネクタ４０にその入射端が接続されている。

ノズル端が、上記観察窓部２０に臨み、該観察窓部２０
の曇り等を防止するための送気ノズル２２は、送気チュ
ーブ２３に接続されており、該送気チューブ２３は、挿
入部５３，副操作部３０，主操作部３１及びライトガイ
ドケーブル部３８を介してライトガイドケーブル部３８
のコネクタ４０に設けられた接続口４２に連結されてい
る。

また、観察窓部２０に付着する汚物等を洗浄するための
送水ノズル（図示せず）も、送気ノズルと同様に図示し
ない送水チューブを介して上記接続口４２に連結されて
おり、上記送気及び送水ノズルからは、主操作部３１に
設けられた送気送水切換操作部３５の切換操作により空
気又は水が噴射するように構成されている。

また、上記観察窓部２０の近傍には、吸引口１９が設け
られており、該吸引口１９には、吸引チューブ２５が接
続され、該吸引チューブ２５は、挿入部４３，副操作部
３０を通って主操作部３１の吸引操作部３４を介して主
操作部３１に連結されたニップル（図示せず）に接続さ
れており、該ニップルに吸引装置を連結させて吸引操作
部３４を手許操作することにより、吸引口１９から被検
体内に溜った不要な液体等を吸引する。

更に、内視鏡部３と超音波送受信走査部２との間には第
１図，第２図に示す如く２条の環状の溝１４，１５形成
されており、該環状の溝１４と１５の間の凸部は、第２
図に示す如く一部が切欠され、環状溝１４と１５とを繋
ぐ連通路２７が形成されている。

また、上記環状溝１５には、脱気水等の超音波伝播媒体
液をバルーン４５に供給、排出するための供給口１７及
び排出口１８が開口しており、供給口１７は供給管２６
に接続され、該供給管２６は、挿入部４３を通って副操
作部３０に設けられた送液口３６に連通し、この送液口
３６には、図示せぬ送液機構として例えば送液シリンダ
ーが接続される。

一方、排出口１８も、供給口１７と同様に図示しない排
出管に接続され、該排出管は、副操作部３０の吸引切換
装置３７を介して前記吸引チューブ２５と一体となって
前記主操作部３１のニップルに連結され、吸引切換装置
３７及び吸引操作部３４の操作により吸引装置の吸引力
を吸引口１９から排出口１８へ切り換え、このとき、連
通路２７を介して吸引装置からの吸引力が、上記２つの
環状溝１４，１５に分散し、効果的にバルーン内の空気
を抜くようになっている。

上記機構を備えた内視鏡部３の先端側に螺子結合される
超音波送受信走査部２は、合成樹脂等から成る超音波窓
部４、該超音波窓部４に螺子結合された注液栓５８、該
超音波窓部４内に収容される超音波振動子１０及び該超
音波窓部４と上記内視鏡部３とを螺子結合させる連結部
材５とから成り、超音波窓部４と連結部材５とは、該超
音波窓部４の外周に設けられた環状の凹部６と連結部材
５の内周に設けられた環状の凸部とが圧入嵌合すること
により一体化され、嵌合部の隙間は接着剤によりシール
されており、また、内視鏡部３の先端と連結部材５とが
螺子結合された連結部８には、シールを兼ねた接着剤が
充填され液密が保たれている。

超音波窓部４内には、超音波を送信及び受信する超音波
振動子１０支持した振動子支持体１１が配置され、この
振動子支持体１１は、中空の回転軸４６に固定されてい
る。この中空回転軸４６は、円筒状の超音波窓部４と同
軸に位置し、該窓部４内に設けたシール部材１６を液密
に貫通して、副走査部３０に設けられた駆動軸１３と連
結される。この回転軸４６と駆動軸１３は、超音波送受
信走査部２を内視鏡部３先端から取り外すとき、両者の
連結を外すための機構を備えている。この機構は、例え
ば、第５図乃至第７図に示すように、駆動軸１３の先端
に連結軸４７を設け、該連結軸４７の一端に平行面部４
８を形成し、回転軸４６と同一軸芯上に位置するため回
転軸４６の中空部６０に嵌入される円筒体５９を該平行
面部４８に連設すると共に、回転軸４６には、該平行面
部４８と嵌合する切欠部６１を設け、該平行面部４８と
切欠部６１とを嵌合させるという手段を採ることによっ
て、駆動軸１３の回転も回転軸４６を介して固定部１１
に伝わるし、超音波送受信走査部２を内視鏡部３先端か
ら取り外す場合にも、スラスト方向に引っ張れば容易に
平行面部４８と切欠部６１との嵌合が外れ、超音波送受
信走査部２のみを取り外すことができる。

尚、駆動軸１３と回転軸４６の連結手段は、上記のもの
に限定されるものではなく、要は、超音波送受信走査部
を取り外す時に、容易にその連結が解除されるものであ
れば、他のいかなる手段でも構わない。

また、超音波振動子１０には、信号線１２，１２′が接
続され、一方の信号線１２は、回転軸４６の中空部６０
を通り、回転軸４６に圧入固定された回転板４９の信号
面（図示せず）に連結されている。この回転板４９の信
号面に接触するのが接点５０で、該接点５０は接点台５
１に固定され、該接点台５１はビス５２で絶縁板５３に
固定されている。接点台５１はばね材を使用し、このば
ね力によって回転板４９に接点５０を押し当てる。この
接点５０から得られる信号は接点台５１を通り信号線５
４によって電気ケーブル部３９のコネクタ４１へ送ら
れ、そこから外部の超音波診断装置へ伝達される。

他方の信号線１２′は駆動軸１３と連結される回転軸４
６にアースされる。

更に、上記回転板４９には、図示しない反射面が設けら
れており、該反射面に対応した位置に角度検出用光学系
（発光・受光）５５が絶縁板５３に固定され角度検出が
行われる。

超音波窓部４内には、油等から成る超音波媒体が注液栓
５８から充填されて、該超音波窓部４と注液栓５８との
螺子結合には接着剤等が充填され、円盤状のシール部材
１６により超音波媒体が内視鏡部３内に流入するのを防
ぐと共に、超音波窓部４が内方向へ縮むのを防止してお
り、連結部材５との嵌合性の強化をも図っている。ま
た、シール部材１６と回転軸４６との間には磁性シール
が施されている。符号５６はシール部材１６に設けられ
たＯリングである。

更に、上記超音波送受信走査部２は着脱自在に装着され
るバルーン４５で覆われており、該バルーン４５はゴム
などの伸縮する弾性材により両端が開放した筒状に形成
され、両方の開放端周縁にはリング状のシール部５７が
形成され、該シール部５７は超音波窓部４の先端及び環
状溝１５の隣りに形成された環状のバルーン取付溝９に
水密に嵌合している。

尚、上記実施例では、連結部材５と超音波窓部４とを圧
入嵌合し接着剤でシールしたが、連結部材５と超音波窓
部４とを一体成形しても良いことは無論である。

以上の構成を有する本超音波内視鏡は、内視鏡部３の先
端の連結部８に、超音波窓部４と一体にされている連結
部材５を螺合させて、超音波送受信走査部２を内視鏡の
体内挿入部先端に取り付ける。このときには同時に、内
視鏡部３側の駆動軸１３に、超音波窓部４側の中空回転
軸４６が連結される。この連結状態では、駆動軸１３の
回転により、超音波振動子１０を回転させて所望の方向
に向けることができる。振動子１０の信号線１２と１
２′は、超音波窓部４の螺合構造と同軸の中空回転軸４
６内を通っているため、この振動子１０の回動動作には
何の支障もない。また、振動子１０はシール部材１６に
よって液密にされた部分に配置されているため、内視鏡
部３の先端の連結部８と、超音波窓部４の連結部材５と
はねじ結合されているため、シール性を容易に高めるこ
とができ、かつ、超音波送受信走査部２は内視鏡先端部
に対して任意の方向（螺合位置）とすることができ、方
向性がないので、接続及び使用上有利である。

ｆ．発明の効果 以上のように、本発明の超音波内視鏡は、超音波送受信
走査部の超音波窓部が内視鏡の先端部に螺合される構造
であるので、着脱が容易である。超音波振動子を配置す
る部分の液密は、超音波窓部内のシール部材によって確
保されているので、超音波窓部の螺合構造は、超音波振
動子の液密構造に影響を与えない。また、超音波振動子
は、螺合構造と同軸でシール部材を貫通する中空回転軸
に支持されているので、内視鏡側の駆動軸を介してこの
中空回転軸を回転させることにより、観察中において自
由にその方向を所望の方向に向けることができる。振動
子の信号線は、中空回転軸を通って内視鏡側に導かれて
いるので、超音波振動子が回転しても、確実に信号を伝
達することができる。さらに、超音波送受信部の超音波
窓部は、内視鏡先端部のねじに螺合されるので、シール
性を容易に高めることができるとともに、任意の方向
（螺合位置）とすることができ、方向性がないので、接
続及び使用上有利である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示す超音波内視鏡の先端部
を示す断面図、第２図は第１図の外観図、第３図は超音
波内視鏡の全体図、第４図は従来例を示す超音波内視鏡
の先端部を示す断面図、第５図は駆動軸１３の先端の拡
大図、第６図は回転軸４６の一端の拡大図、第７図は駆
動軸１３と回転軸４６との連結状態を示す拡大図であ
る。 １……先端部、２……超音波送受信走査部、 ３……内視鏡部、５……連結部材、 １３……駆動軸、４３……挿入部、 ４４……超音波内視鏡、４６……回転軸、 １０……超音波振動子、１１……振動子支持体

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】内視鏡の体腔内挿入部の先端部に設けられ
   たねじ； この体内挿入部側ねじに螺合されるねじを一体に備えた
   円筒状の超音波窓部を有する超音波送受信部； この超音波窓部内に液密部分を構成するシール部材； この超音波窓部の液密部分内に配置された超音波振動
   子； この超音波振動子を支持し、上記シール部材を液密に貫
   通した、超音波窓部の螺合構造と同軸の中空回転軸； この中空回転軸は、体腔部挿入部側に設けられた駆動軸
   に係合すること；及び、 この中空回転軸を通って、内視鏡の上記体腔内挿入部側
   に導かれた、上記超音波振動子の信号線； を備えたことを特徴とする超音波内視鏡。