JP3560620B2 - 農園芸用殺菌剤組成物 - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、公知の殺菌性カルボキサミド類又はその光学異性体と、公知の殺菌性化合物とからなる殺菌活性を有する新規殺菌剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
本発明に係わる殺菌性カルボキサミド類及びその光学異性体は、特開昭61−15867号、同62−201855号、及び特開平2−11550号に記載されている公知のものである。また同様に殺菌性化合物類は、The Pesticide Manual(ザ ペスティサイド マニュアル)第9版 1991年(The British Crop Protection Council発行)又は農薬ハンドブック(1989年 日植防編)に記載される公知のものである。
【0003】
水稲栽培は主に、稚苗移植機による機械移植が広く行なわれており、水田本田に於ける作物病の防除と共に、薬剤の育苗箱施用による作物病の防除並びに省力化が望まれている。
また、農薬使用量及び使用回数の低減が、安全性並びに環境保全の面から、強く望まれており、より一層の低薬量での使用が検討されている。
特に、稲栽培に於いて、重要な防除対象病害であるいもち病の防除、省力化及び一層の安全面での改善が期待されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記のように水稲栽培に於て、望まれている病害の防除、そしてより一層の低薬量での使用等を実現することにある。
【0005】
【課題を解決する手段】
本発明は、
式:
【化2】
式中、R1 は炭素数1〜4のアルキル基を示し、R2 は、水素原子又はメチル基を示し、R3 は、水素原子又はメチル基を示し、Zはハロゲン原子を示す、
そして*の不斉炭素がRの絶対配置を示す、
で表される殺菌性カルボキサミド類と、
5−エチル−5,8−ジヒドロ−8−オキソ〔1,3〕ジオキソロ〔4,5−g〕キノリン−7−カルボン酸とを有効成分として含有することから成る新規混合組成物が、優れた殺菌作用を示すことを発見した。
【0006】
本発明の殺菌剤組成物は、意外にも驚くべきことには、前記式(I)の殺菌性カルボキサミド類そして公知殺菌性化合物を夫々、単独で使用した場合に比較し、本発明による混合によって、全く意外にも相乗的協力効果を発現し、それにより一層の低い薬量で顕著な殺菌効果を引き出すことが可能となる。
そして、本発明の殺菌剤組成物は、特には稲いもち病、籾枯細菌病に対し、的確な防除効果を現わす。
【0007】
本発明の殺菌剤組成物に於けるカルボキサミド類に於て、好ましくは、
R1 はメチル、エチル又はイソプロピルを示し、
R2 は水素原子又はメチルを示し、
R3 は水素原子又はメチルを示し、そして
Zはクロルを示す。
【0008】
式(I)の化合物の具体例としては、例えば、
N−(R)−〔1−(4−クロロフェニル)−エチル〕−2,2−ジクロロ−1−エチル−3t−メチル−1r−シクロプロパンカルボキサミドのジアステレオマー類の混合物、
N−(R)−〔1−(4−クロロフェニル)−エチル〕−2,2−ジクロロ−1−イソプロピルシクロプロパンカルボキサミドのジアステレオマー類の混合物、
N−(R)−〔1−(4−クロロフェニル)−エチル〕−(1S)−2,2−ジクロロ−1−エチル−3t−メチル−1r−シクロプロパンカルボキサミド、及び
N−(R)−〔1−(4−クロロフェニル)−エチル〕−(1S)−2,2−ジクロロ−1−イソプロピルシクロプロパンカルボキサミド
を例示できる。
【0009】
本発明による活性物質組合せに於て活性物質の重量割合は比較的広い範囲内で変えることができる。一般に、式(I)の殺菌性カルボキサミド類の活性物質1重量部当り、前記の公知殺菌性化合物を約0.02〜約50重量部、好ましくは約0.1〜約10重量部使用される。
本発明の殺菌剤組成物は、強力な殺菌作用を示し、実際に、望ましからざる植物病原菌を防除するために使用することができる。
【0010】
本発明の活性化合物の組合せは、一般には、殺菌(カビ)剤として、プラスモディオホロミセテス(Plasmodiophoromycetes)、オーミセテス(Oomycetes)、キトリディオミセテス(Chytridiomycetes)、ジゴミセテス(Zygomycetes)、アスコミセテス(Ascomycetes)、バシジオミセテス(Basidiomycetes)及びドイテロミセテス(Deuteromycetes)による種々の植物病害に対し、使用でき、また殺菌(バクテリア)剤として、シュードモナス科(Pseudomonadaceae)、リゾビウム科(Rhizobiaceae)、エンテロバクテリア科(Enterobacteriaceae)、コリネバクテリウム科(Corynebacteriaceae)及びストレプトミセス科(Streptomycetaceae)による種々の植物病害に対し、使用できる。
特には、本発明による活性物質の組合せは、稲いもち病(Pyricularia oryzae)、籾枯細菌病(Pseudomonas glumae)に対し、優れた防除効果を現わす。
【0011】
本発明の活性化合物の組合せは、植物病原菌を防除するに必要な活性化合物の濃度において、植物体に対し、良好な和合性を示すため、使用に際しては、植物体の地上部に対しての薬剤処理、台木及び種子に対しての薬剤処理、並びに土壌処理を可能にしている。
また、本発明化合物の組合せは温血動物に対しても低毒性であって、安全に使用することができる。
本発明の活性化合物の組合せは、殺菌性カルボキサミド類と公知殺菌性化合物との混合組成物の形あるいはその場で混合するための各々単独の通常の製剤形態にすることができる。そして斯る形態としては、液剤、水和剤、エマルジョン、懸濁剤、粉剤、泡沫剤、ペースト、粒剤、錠剤、エアゾール、活性化合物浸潤−天然及び合成物、マイクロカプセル、種子用被覆剤、燃焼装置を備えた製剤(例えば燃焼装置としては、くん蒸及び煙霧カートリッジ、かん並びにコイル)、そしてULV〔コールドミスト(cold mist)、ウオームミスト(warm mist)〕を挙げることができる。
【0012】
これらの製剤は、公知の方法で製造することができる。斯る方法は、例えば、活性化合物を、展開剤、即ち、液体希釈剤;液化ガス希釈剤;固体希釈剤又は担体、場合によっては界面活性剤、即ち、乳化剤及び/又は分散剤及び/又は泡沫形成剤を用いて、混合することによって行なわれる。
展開剤として水を用いる場合には、例えば、有機溶媒はまた補助溶媒として使用されることができる。
【0013】
液体希釈剤又は担体としては、概して、芳香族炭化水素類(例えば、キシレン、トルエン、アルキルナフタレン等)、クロル化芳香族又はクロル化脂肪族炭化水素類(例えば、クロロベンゼン類、塩化エチレン類、塩化メチレン等)、脂肪族炭化水素類〔例えば、シクロヘキサン等、パラフィン類(例えば鉱油留分等)〕、アルコール類(例えば、ブタノール、グリコール及びそれらのエーテル、エステル等)、ケトン類(例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン又はシクロヘキサノン等)、強極性溶媒(例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等)そして水も挙げることができる。
液化ガス希釈剤又は担体は、常温常圧でガスであり、その例としては、例えば、ブタン、プロパン、窒素ガス、二酸化炭素、そしてハロゲン化炭化水素類のようなエアゾール噴射剤を挙げることができる。
固体希釈剤としては、土壌天然鉱物(例えば、カオリン、クレー、タルク、チョーク、石英、アタパルガイド、モンモリロナイト又は珪藻土等)、土壌合成鉱物(例えば、高分散ケイ酸、アルミナ、ケイ酸塩等)を挙げることができる。
【0014】
粒剤のための固体担体としては、粉砕且つ分別された岩石(例えば、方解石、大理石、軽石、海泡石、白雲石等)、無機及び有機物粉の合成粒、そして有機物質(例えば、おがくず、ココやしの実のから、とうもろこしの穂軸そしてタバコの茎等)の細粒体を挙げることができる。
乳化剤及び/又は泡沫剤としては、非イオン及び陰イオン乳化剤〔例えば、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸アルコールエーテル(例えば、アルキルアリールポリグリコールエーテル、アルキルスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、アリールスルホン酸塩等)〕、アルブミン加水分解生成物を挙げることができる。
分散剤としては、例えば、リグニンサルファイト廃液、そしてメチルセルロースを包含する。
【0015】
固着剤も、製剤(粉剤、粒剤、乳剤)に使用することができ、斯る固着剤としては、カルボキシメチルセルロースそして天然及び合成ポリマー(例えば、アラビアゴム、ポリビニルアルコールそしてポリビニルアセテート等)を挙げることができる。
着色剤を使用することもでき、斯る着色剤としては、無機顔料(例えば酸化鉄、酸化チタンそしてプルシアンブルー)、そしてアリザリン染料、アゾ染料又は金属フタロシアニン染料のような有機染料そして更に、鉄、マンガン、ボロン、銅、コバルト、モリブデン、亜鉛のそれらの塩のような微量要素を挙げることができる。
該製剤は、一般には、前記活性成分を0.1〜95重量%、好ましくは0.5〜90重量%含有することができる。
【0016】
本発明の活性化合物は上記製剤又はさまざまな使用形態において、他の公知活性化合物、例えば殺虫剤、殺ダニ剤、殺センチュウ剤、除草剤、鳥類忌避剤、生長調整剤、肥料及び/又は土壌改良剤を共存させることもできる。
本発明の活性化合物を使用する場合、そのまま直接使用するか、又は散布用調製液、乳剤、懸濁剤、粉剤、ペーストそして粒剤のような製剤形態で使用するか、又は更に希釈して調製された使用形態で使用することができる。そして活性化合物は通常の方法、例えば、液剤散布(watering)、浸漬、噴霧(spraying,atomising,misting)、くん蒸(vaporing)、灌注、懸濁形成、塗布、散粉、散布、粉衣、湿衣、湿潤被覆、糊状被覆又は羽衣被覆で使用することができる。
【0017】
植物体の各部分への処理に際しては、実際の使用形態における活性化合物の濃度は、実質の範囲内で変えることができる。そして一般には0.0001〜1重量%、好ましくは、0.001〜0.5重量%である。
種子処理に際しては、活性化合物を種子1kg当り、0.001〜50g、好ましくは0.01〜10g一般に、使用することができる。
土壌処理に際しては、作用点に対し、0.00001〜0.1重量%、特には0.0001〜0.02重量%の濃度の活性化合物を一般に使用することができる。
次に実施例により、本発明の内容を具体的に説明するが、本発明はこれのみに限定されるべきものではない。
【0018】
【実施例】
生物試験:
供試化合物
(I)−a: N−(R)−〔1−(4−クロロフェニル)−エチル〕−2,2−ジクロロ−1−エチル−3t−メチル−1r−シクロプロパンカルボキサミドのジアステレオマー類の混合物、
(I)−b: N−(R)−〔1−(4−クロロフェニル)−エチル〕−2,2−ジクロロ−1−イソプロピルシクロプロパンカルボキサミドのジアステレオマー類の混合物、
(I)−c: N−(R)−〔1−(4−クロロフェニル)−エチル〕−(1S)−2,2−ジクロロ−1−エチル−3t−メチル−1r−シクロプロパンカルボキサミド、
E: 5−エチル−5,8−ジヒドロ−8−オキソ〔1,3〕ジオキソロ〔4,5−g〕キノリン−7−カルボン酸
【0019】
試験例1 イネいもち病に対する効力試験
供試化合物の調製
各活性化合物:25〜50重量部
担 体:珪藻土とカオリンとの混合物(1:5)45〜70重量部
乳化剤:ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル5重量部
上述した量の活性化合物、担体及び乳化剤を粉砕混合して水和剤とし、その所定薬量を水で希釈して混合して調製する。
【0020】
試験方法
(イ) イネいもち病に対する予防効力試験
(ポット試験)
水稲(品種:クサブエ)を直径12cmのポットに栽培し、稲の分けつ期に、本発明の混合活性化合物及び各々の単独成分を散布した。散布方法は、調整された水和剤を、水で所定濃度に希釈し、ノズルからの薬剤吐出に連動するターンテーブル上にポットをおき、薬液で葉が充分濡れるように、1.5kg/cm2 の圧力で3ポット当り50mlの薬液を散布した。
薬剤散布した水稲はその2日後、25℃、相対湿度100%の湿室に保ち、人工培養したいもち病菌胞子の懸濁液(50,000〜100,000胞子/ml)を2回噴霧接種した。接種7日後、鉢当りの罹病程度を下記の基準により評価し、防除価(%)を求めた。
【0021】
罹病度 病斑面積歩合(%)
0 0
0.5 2以下
1 3〜5
2 6〜10
3 11〜20
4 21〜40
5 41以上
【数1】
本試験は1区3鉢の結果である。その結果を第1表に示す。
【0022】
【表1】
【0023】
試験例2 籾枯細菌病に対する試験
試験方法
通常の方法に従って、育苗箱で生育させたイネ稚苗(品種:日本晴)を本田に移植し、出穂7日前及び2日前に(移植後、約80日で出穂、出穂率50%)、夫々PPG培地で培養させた籾枯細菌病菌(Pseudomonas glumae)の懸濁液(109 個/ml)を100リットル/10aの割合で夕刻散布し、接種後、籾枯細菌病を多発させるため人工的に散水した。最終接種2日後及び9日後に、試験例1と同様に調製された所定濃度の水希釈液を150リットル/10aの割合で、全自動肩掛散布器を用いて散布処理を行なった。
その結果を第2表に示す。
【0024】
【表2】
【0025】
【発明の効果】
本発明の殺菌剤組成物は、上記実施例で示される通り、病害に対し優れた防除作用を示すと共に、単独の薬量使用の際の濃度よりも、複合組成物に於てはより低い濃度で相乗的協力効果により、有効な防除作用を示す。
【産業上の利用分野】
本発明は、公知の殺菌性カルボキサミド類又はその光学異性体と、公知の殺菌性化合物とからなる殺菌活性を有する新規殺菌剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
本発明に係わる殺菌性カルボキサミド類及びその光学異性体は、特開昭61−15867号、同62−201855号、及び特開平2−11550号に記載されている公知のものである。また同様に殺菌性化合物類は、The Pesticide Manual(ザ ペスティサイド マニュアル)第9版 1991年(The British Crop Protection Council発行)又は農薬ハンドブック(1989年 日植防編)に記載される公知のものである。
【0003】
水稲栽培は主に、稚苗移植機による機械移植が広く行なわれており、水田本田に於ける作物病の防除と共に、薬剤の育苗箱施用による作物病の防除並びに省力化が望まれている。
また、農薬使用量及び使用回数の低減が、安全性並びに環境保全の面から、強く望まれており、より一層の低薬量での使用が検討されている。
特に、稲栽培に於いて、重要な防除対象病害であるいもち病の防除、省力化及び一層の安全面での改善が期待されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記のように水稲栽培に於て、望まれている病害の防除、そしてより一層の低薬量での使用等を実現することにある。
【0005】
【課題を解決する手段】
本発明は、
式:
【化2】
式中、R1 は炭素数1〜4のアルキル基を示し、R2 は、水素原子又はメチル基を示し、R3 は、水素原子又はメチル基を示し、Zはハロゲン原子を示す、
そして*の不斉炭素がRの絶対配置を示す、
で表される殺菌性カルボキサミド類と、
5−エチル−5,8−ジヒドロ−8−オキソ〔1,3〕ジオキソロ〔4,5−g〕キノリン−7−カルボン酸とを有効成分として含有することから成る新規混合組成物が、優れた殺菌作用を示すことを発見した。
【0006】
本発明の殺菌剤組成物は、意外にも驚くべきことには、前記式(I)の殺菌性カルボキサミド類そして公知殺菌性化合物を夫々、単独で使用した場合に比較し、本発明による混合によって、全く意外にも相乗的協力効果を発現し、それにより一層の低い薬量で顕著な殺菌効果を引き出すことが可能となる。
そして、本発明の殺菌剤組成物は、特には稲いもち病、籾枯細菌病に対し、的確な防除効果を現わす。
【0007】
本発明の殺菌剤組成物に於けるカルボキサミド類に於て、好ましくは、
R1 はメチル、エチル又はイソプロピルを示し、
R2 は水素原子又はメチルを示し、
R3 は水素原子又はメチルを示し、そして
Zはクロルを示す。
【0008】
式(I)の化合物の具体例としては、例えば、
N−(R)−〔1−(4−クロロフェニル)−エチル〕−2,2−ジクロロ−1−エチル−3t−メチル−1r−シクロプロパンカルボキサミドのジアステレオマー類の混合物、
N−(R)−〔1−(4−クロロフェニル)−エチル〕−2,2−ジクロロ−1−イソプロピルシクロプロパンカルボキサミドのジアステレオマー類の混合物、
N−(R)−〔1−(4−クロロフェニル)−エチル〕−(1S)−2,2−ジクロロ−1−エチル−3t−メチル−1r−シクロプロパンカルボキサミド、及び
N−(R)−〔1−(4−クロロフェニル)−エチル〕−(1S)−2,2−ジクロロ−1−イソプロピルシクロプロパンカルボキサミド
を例示できる。
【0009】
本発明による活性物質組合せに於て活性物質の重量割合は比較的広い範囲内で変えることができる。一般に、式(I)の殺菌性カルボキサミド類の活性物質1重量部当り、前記の公知殺菌性化合物を約0.02〜約50重量部、好ましくは約0.1〜約10重量部使用される。
本発明の殺菌剤組成物は、強力な殺菌作用を示し、実際に、望ましからざる植物病原菌を防除するために使用することができる。
【0010】
本発明の活性化合物の組合せは、一般には、殺菌(カビ)剤として、プラスモディオホロミセテス(Plasmodiophoromycetes)、オーミセテス(Oomycetes)、キトリディオミセテス(Chytridiomycetes)、ジゴミセテス(Zygomycetes)、アスコミセテス(Ascomycetes)、バシジオミセテス(Basidiomycetes)及びドイテロミセテス(Deuteromycetes)による種々の植物病害に対し、使用でき、また殺菌(バクテリア)剤として、シュードモナス科(Pseudomonadaceae)、リゾビウム科(Rhizobiaceae)、エンテロバクテリア科(Enterobacteriaceae)、コリネバクテリウム科(Corynebacteriaceae)及びストレプトミセス科(Streptomycetaceae)による種々の植物病害に対し、使用できる。
特には、本発明による活性物質の組合せは、稲いもち病(Pyricularia oryzae)、籾枯細菌病(Pseudomonas glumae)に対し、優れた防除効果を現わす。
【0011】
本発明の活性化合物の組合せは、植物病原菌を防除するに必要な活性化合物の濃度において、植物体に対し、良好な和合性を示すため、使用に際しては、植物体の地上部に対しての薬剤処理、台木及び種子に対しての薬剤処理、並びに土壌処理を可能にしている。
また、本発明化合物の組合せは温血動物に対しても低毒性であって、安全に使用することができる。
本発明の活性化合物の組合せは、殺菌性カルボキサミド類と公知殺菌性化合物との混合組成物の形あるいはその場で混合するための各々単独の通常の製剤形態にすることができる。そして斯る形態としては、液剤、水和剤、エマルジョン、懸濁剤、粉剤、泡沫剤、ペースト、粒剤、錠剤、エアゾール、活性化合物浸潤−天然及び合成物、マイクロカプセル、種子用被覆剤、燃焼装置を備えた製剤(例えば燃焼装置としては、くん蒸及び煙霧カートリッジ、かん並びにコイル)、そしてULV〔コールドミスト(cold mist)、ウオームミスト(warm mist)〕を挙げることができる。
【0012】
これらの製剤は、公知の方法で製造することができる。斯る方法は、例えば、活性化合物を、展開剤、即ち、液体希釈剤;液化ガス希釈剤;固体希釈剤又は担体、場合によっては界面活性剤、即ち、乳化剤及び/又は分散剤及び/又は泡沫形成剤を用いて、混合することによって行なわれる。
展開剤として水を用いる場合には、例えば、有機溶媒はまた補助溶媒として使用されることができる。
【0013】
液体希釈剤又は担体としては、概して、芳香族炭化水素類(例えば、キシレン、トルエン、アルキルナフタレン等)、クロル化芳香族又はクロル化脂肪族炭化水素類(例えば、クロロベンゼン類、塩化エチレン類、塩化メチレン等)、脂肪族炭化水素類〔例えば、シクロヘキサン等、パラフィン類(例えば鉱油留分等)〕、アルコール類(例えば、ブタノール、グリコール及びそれらのエーテル、エステル等)、ケトン類(例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン又はシクロヘキサノン等)、強極性溶媒(例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等)そして水も挙げることができる。
液化ガス希釈剤又は担体は、常温常圧でガスであり、その例としては、例えば、ブタン、プロパン、窒素ガス、二酸化炭素、そしてハロゲン化炭化水素類のようなエアゾール噴射剤を挙げることができる。
固体希釈剤としては、土壌天然鉱物(例えば、カオリン、クレー、タルク、チョーク、石英、アタパルガイド、モンモリロナイト又は珪藻土等)、土壌合成鉱物(例えば、高分散ケイ酸、アルミナ、ケイ酸塩等)を挙げることができる。
【0014】
粒剤のための固体担体としては、粉砕且つ分別された岩石(例えば、方解石、大理石、軽石、海泡石、白雲石等)、無機及び有機物粉の合成粒、そして有機物質(例えば、おがくず、ココやしの実のから、とうもろこしの穂軸そしてタバコの茎等)の細粒体を挙げることができる。
乳化剤及び/又は泡沫剤としては、非イオン及び陰イオン乳化剤〔例えば、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸アルコールエーテル(例えば、アルキルアリールポリグリコールエーテル、アルキルスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、アリールスルホン酸塩等)〕、アルブミン加水分解生成物を挙げることができる。
分散剤としては、例えば、リグニンサルファイト廃液、そしてメチルセルロースを包含する。
【0015】
固着剤も、製剤(粉剤、粒剤、乳剤)に使用することができ、斯る固着剤としては、カルボキシメチルセルロースそして天然及び合成ポリマー(例えば、アラビアゴム、ポリビニルアルコールそしてポリビニルアセテート等)を挙げることができる。
着色剤を使用することもでき、斯る着色剤としては、無機顔料(例えば酸化鉄、酸化チタンそしてプルシアンブルー)、そしてアリザリン染料、アゾ染料又は金属フタロシアニン染料のような有機染料そして更に、鉄、マンガン、ボロン、銅、コバルト、モリブデン、亜鉛のそれらの塩のような微量要素を挙げることができる。
該製剤は、一般には、前記活性成分を0.1〜95重量%、好ましくは0.5〜90重量%含有することができる。
【0016】
本発明の活性化合物は上記製剤又はさまざまな使用形態において、他の公知活性化合物、例えば殺虫剤、殺ダニ剤、殺センチュウ剤、除草剤、鳥類忌避剤、生長調整剤、肥料及び/又は土壌改良剤を共存させることもできる。
本発明の活性化合物を使用する場合、そのまま直接使用するか、又は散布用調製液、乳剤、懸濁剤、粉剤、ペーストそして粒剤のような製剤形態で使用するか、又は更に希釈して調製された使用形態で使用することができる。そして活性化合物は通常の方法、例えば、液剤散布(watering)、浸漬、噴霧(spraying,atomising,misting)、くん蒸(vaporing)、灌注、懸濁形成、塗布、散粉、散布、粉衣、湿衣、湿潤被覆、糊状被覆又は羽衣被覆で使用することができる。
【0017】
植物体の各部分への処理に際しては、実際の使用形態における活性化合物の濃度は、実質の範囲内で変えることができる。そして一般には0.0001〜1重量%、好ましくは、0.001〜0.5重量%である。
種子処理に際しては、活性化合物を種子1kg当り、0.001〜50g、好ましくは0.01〜10g一般に、使用することができる。
土壌処理に際しては、作用点に対し、0.00001〜0.1重量%、特には0.0001〜0.02重量%の濃度の活性化合物を一般に使用することができる。
次に実施例により、本発明の内容を具体的に説明するが、本発明はこれのみに限定されるべきものではない。
【0018】
【実施例】
生物試験:
供試化合物
(I)−a: N−(R)−〔1−(4−クロロフェニル)−エチル〕−2,2−ジクロロ−1−エチル−3t−メチル−1r−シクロプロパンカルボキサミドのジアステレオマー類の混合物、
(I)−b: N−(R)−〔1−(4−クロロフェニル)−エチル〕−2,2−ジクロロ−1−イソプロピルシクロプロパンカルボキサミドのジアステレオマー類の混合物、
(I)−c: N−(R)−〔1−(4−クロロフェニル)−エチル〕−(1S)−2,2−ジクロロ−1−エチル−3t−メチル−1r−シクロプロパンカルボキサミド、
E: 5−エチル−5,8−ジヒドロ−8−オキソ〔1,3〕ジオキソロ〔4,5−g〕キノリン−7−カルボン酸
【0019】
試験例1 イネいもち病に対する効力試験
供試化合物の調製
各活性化合物:25〜50重量部
担 体:珪藻土とカオリンとの混合物(1:5)45〜70重量部
乳化剤:ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル5重量部
上述した量の活性化合物、担体及び乳化剤を粉砕混合して水和剤とし、その所定薬量を水で希釈して混合して調製する。
【0020】
試験方法
(イ) イネいもち病に対する予防効力試験
(ポット試験)
水稲(品種:クサブエ)を直径12cmのポットに栽培し、稲の分けつ期に、本発明の混合活性化合物及び各々の単独成分を散布した。散布方法は、調整された水和剤を、水で所定濃度に希釈し、ノズルからの薬剤吐出に連動するターンテーブル上にポットをおき、薬液で葉が充分濡れるように、1.5kg/cm2 の圧力で3ポット当り50mlの薬液を散布した。
薬剤散布した水稲はその2日後、25℃、相対湿度100%の湿室に保ち、人工培養したいもち病菌胞子の懸濁液(50,000〜100,000胞子/ml)を2回噴霧接種した。接種7日後、鉢当りの罹病程度を下記の基準により評価し、防除価(%)を求めた。
【0021】
罹病度 病斑面積歩合(%)
0 0
0.5 2以下
1 3〜5
2 6〜10
3 11〜20
4 21〜40
5 41以上
【数1】
本試験は1区3鉢の結果である。その結果を第1表に示す。
【0022】
【表1】
【0023】
試験例2 籾枯細菌病に対する試験
試験方法
通常の方法に従って、育苗箱で生育させたイネ稚苗(品種:日本晴)を本田に移植し、出穂7日前及び2日前に(移植後、約80日で出穂、出穂率50%)、夫々PPG培地で培養させた籾枯細菌病菌(Pseudomonas glumae)の懸濁液(109 個/ml)を100リットル/10aの割合で夕刻散布し、接種後、籾枯細菌病を多発させるため人工的に散水した。最終接種2日後及び9日後に、試験例1と同様に調製された所定濃度の水希釈液を150リットル/10aの割合で、全自動肩掛散布器を用いて散布処理を行なった。
その結果を第2表に示す。
【0024】
【表2】
【0025】
【発明の効果】
本発明の殺菌剤組成物は、上記実施例で示される通り、病害に対し優れた防除作用を示すと共に、単独の薬量使用の際の濃度よりも、複合組成物に於てはより低い濃度で相乗的協力効果により、有効な防除作用を示す。
Claims (1)
- 殺菌性カルボキサミド類が、
(1) N−(R)−〔1−(4−クロロフェニル)−エチル〕−2,2−ジクロロ−1−エチル−3t−メチル−1r−シクロプロパンカルボキサミドのジアステレオマー類の混合物
と、
(2) 5−エチル−5,8−ジヒドロ−8−オキソ〔1,3〕ジオキソロ〔4,5−g〕キノリン−7−カルボン酸
とを、有効成分として含有することを特徴とするイネいもち病防除剤組成物
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