JP3560562B2 - 食品洗浄装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、野菜や海藻、魚介類等の食品を殺菌、脱塩、洗浄するために用いられる食品洗浄装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、食品洗浄装置としては、内部に洗浄水を収容する洗浄槽を設け、この洗浄槽内に一端側の食品投入部から他端側の食品取出部に至る搬送洗浄路を形成させると共に、食品取出部に取出しコンベアを取り付け、搬送洗浄路の下方に、搬送洗浄路に食品投入部から食品取出部に向けて水流を生じさせるようにエアーを噴出させる搬送用エアー噴出装置を設けたものになっている。
【0003】
従って、この食品洗浄装置では、搬送用エアー噴出装置から噴出するエアーの勢いによって搬送洗浄路に食品投入部から食品取出部に向けて水流が生じるから、食品投入部に投入された食品は、エアーによる気泡を下方から浴びて洗浄されるとともに、浮沈を繰返しながら水流によって搬送洗浄路を食品取出部側へと送られ、そして、この食品取出部に搬送された食品は取出しコンベアによって洗浄槽の外部に取り下ろされるものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の食品洗浄装置では、搬送用エアー噴出装置から噴出するエアの勢いが一定しているため、洗浄効果を高めるためには、搬送洗浄路を長くする必要があり、その分、装置が大型になるし、設置スペースが広くなってしまうという問題があった。
【0005】
尚、エアー調整バルブによってエアの勢いを強く調整すると、気泡による洗浄力は向上するが、水流による搬送速度が速くなるため洗浄時間が短くなり、全体としての洗浄効果を向上させることができない。
逆に、エアー調整バルブによってエアの勢いを弱く調整すると、水流による搬送速度が遅くなるため洗浄時間が長くなるが、気泡による洗浄力が低下するため、全体としての洗浄効果を向上させることができない。
【0006】
本発明は上記のような従来の問題点を解決するためになされたもので、気泡による洗浄力を維持させながら搬送時間を長くとれるようにして、全体としての洗浄効果を向上させることができ、これにより装置の小型化を図ることができるようにした食品洗浄装置を提供することを課題としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、本発明の食品洗浄装置(請求項1)は、
内部に洗浄水を収容する洗浄槽が設けられ、
この洗浄槽内には一端側の食品投入部から他端側の食品取出部に至る搬送洗浄路が形成されると共に、食品取出部に取出しコンベアが取り付けられ、
前記搬送洗浄路の下方に、搬送洗浄路に食品投入部から食品取出部に向けて水流を生じさせるようにエアーを噴出させる搬送用エアー噴出装置が設けられている食品洗浄装置において、
前記搬送洗浄路の途中に、この搬送洗浄路の水流に制動を作用させるようにエアーを噴出させる制動用エアー噴出装置が、搬送洗浄路の搬送方向と直交する方向に延在して設けられている構成とした。
又、本発明の食品洗浄装置(請求項2)は
内部に洗浄水を収容する洗浄槽が設けられ、
この洗浄槽内には一端側の食品投入部から他端側の食品取出部に至る搬送洗浄路が形成されると共に、食品取出部に取出しコンベアが取り付けられ、
前記搬送洗浄路の下方に、搬送洗浄路に食品投入部から食品取出部に向けて水流を生じさせるようにエアーを噴出させる搬送用エアー噴出装置が設けられている食品洗浄装置において、
前記取出しコンベアの手前に、食品を強制的に潜行させ、食品から浮ゴミを分離させることができるゴミ取り用ネットコンベアが設けられると共に、そのゴミ取り用ネットコンベアの直前に、この搬送洗浄路の水流に制動を作用させるようにエアーを噴出させる制動用エアー噴出装置が、搬送洗浄路の搬送方向と直交する方向に延在して設けられている構成とした。
【0008】
本発明の食品洗浄装置では、搬送用エアー噴出装置から噴出するエアの勢いによって搬送洗浄路に食品投入部から食品取出部に向けて水流が生じるから、食品投入部に投入された食品は、エアーによる気泡を下方から浴びて洗浄されるとともに、浮沈を繰返しながら水流によって搬送洗浄路を食品取出部へと送られる。
そして、搬送洗浄路の途中には、搬送洗浄路の搬送方向と直交する方向に延在させた制動用エアー噴出装置が設けられているため、この制動用エアー噴出装置から噴出するエアーによって搬送洗浄路の水流に制動(ブレーキ)が加えられるもので、この制動によって食品の搬送速度が低下する。
このように搬送洗浄路の途中において食品の搬送速度が低下すると、ここを先頭として後続の食品が次々に渋滞していくことから、洗浄時間を長くとることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1は本発明の実施の1形態にかかる食品洗浄装置の断面図、図2はこの食品洗浄装置の切欠平面図である。
【0010】
この食品洗浄装置1には、内部に洗浄水を収容する洗浄槽2が設けられている。
この洗浄槽2内には、一端側の食品投入部31から他端側の食品取出部32に至る搬送
洗浄路3が形成され、食品取出部32に取出しコンベア4が取り付けられている。
【0011】
前記搬送洗浄路3の下方には戻り流路5を形成するための隔離板6が設けられ、この隔離板6の下方に、前記搬送洗浄路3に食品投入部31から食品取出部32に向けて水流を生じさせるようにエアーを噴出させる搬送用エアー噴出装置7が設けられている。
この搬送用エアー噴出装置7は、ブロア90に接続した空気配管70が搬送洗浄路3の搬送方向に延在して設けられ、この空気配管70に食品取出部32側に向けて傾斜させた多数のノズル管71が突設され、このノズル管71の先端が隔離板6に設けた穴60から搬送洗浄路3に臨むように形成されている。
【0012】
又、前記搬送洗浄路3の途中(実施の形態では、食品取出部32寄り位置)に、この搬送洗浄路3の水流に制動を作用させるようにエアーを噴出させる制動用エアー噴出装置8が設けられている
この制動用エアー噴出装置8は、ブロア90に接続した空気配管80が搬送洗浄路3の搬送方向と直交する方向に延在して設けられ、この空気配管80に真上に向けて多数の噴気口81が形成され、この噴気口81が隔離板6に設けた穴60から搬送洗浄路3に臨むように形成されている。
この場合、噴気口81の向きは、必ずしも真上に向ける必要はなく、搬送用エアー噴出装置7のノズル管71の向きと逆向きに傾斜(食品投入部31側に向けて傾斜)させてもよい。
【0013】
尚、図中91,92,93はそれぞれエアー調整バルブである。
エアー調整バルブ91は排気管94に取り付けられ、空気配管70及び空気配管80への全体の空気供給量を調節する。
エアー調整バルブ92は搬送用エアー噴出装置7における空気配管70への空気供給管72に取り付けられ、又、エアー調整バルブ93は制動用エアー噴出装置8における空気配管80への空気供給管82に取り付けられ、それぞれ空気配管80,90への空気供給量を調節する。
【0014】
また、図中21はオーバーフロー穴、22は排水バルブ、23は水道供給口、24は逆流防止ネットである。
又、25はゴミ取り用ネットコンベアで、取出しコンベア4の手前で食品を強制的に潜行させ、浮きゴミ(特に虫、毛髪、ワラクズ、食品クズ)をオーバーフロー穴21から排出させる。
尚、図示省略したが、洗浄槽2に洗浄水の循環路を設け、この循環路の途中にろ過装置を設け、このろ過装置によって洗浄水に含まれるゴミを除去して洗浄槽2に戻すようにしている。
【0015】
本発明の食品洗浄装置1では、搬送用エアー噴出装置7から噴出するエアの勢いによって搬送洗浄路3に食品投入部31から食品取出部32に向けて水流を生じさせることができる。
従って、食品投入部31に食品Hを投入すると、その食品Hはエアーによる気泡を下方から浴びて洗浄されるとともに、浮沈を繰返しながら水流によって搬送洗浄路3を食品取出部32へと送られる。
【0016】
そして、搬送洗浄路3の途中(ゴミ取り用ネットコンベア25の直前)に、制動用エアー噴出装置8が設けられているため、この制動用エアー噴出装置8から噴出するエアーによって搬送洗浄路3の水流に制動(ブレーキ)が加えられるもので、この制動によって食品Hの搬送速度が低下する。
このように搬送洗浄路3の途中において食品Hの搬送速度が低下すると、ここを先頭として後続の食品Hが次々に渋滞していくことから、洗浄時間を長くとることができる。
【0017】
尚、水流による制動で渋滞した食品Hは、後続の食品Hによって押されることから、搬送が完全に停滞することはなく、徐々に前進して食品取出部32に向けて搬送される。
この場合、食品取出部32の手前でゴミ取り用ネットコンベア25で浮きゴミが分離され、その後、食品取出部32に浮上して取出しコンベア4により掬い上げられ、この取出しコンベア4上を搬送されて洗浄槽2の外部に取り下ろされる。
【0018】
上記のように、制動用エアー噴出装置8から噴出するエアーの制動作用によって、搬送洗浄路3の途中において食品Hの搬送速度を低下させることができるため、気泡による洗浄力を維持させながら搬送時間を長くとることができ、全体としての洗浄効果を向上させることができる。
特に、搬送速度の低下によって食品Hが次々に渋滞していくことから、食品H同士の攪拌が生じて互いがもみ洗いされ、このもみ洗いと気泡による洗浄力によって洗浄効果を大幅に向上させることができるし、これにより装置の小型化を図ることができる。
【0019】
尚、エアー調整バルブ91,92,93の調節によって制動用エアー噴出装置8から噴出するエアーの勢いを調節することにより、洗浄対象となる食品の種類や状態等に応じた最適な洗浄時間を設定でき、洗い過ぎによる食品の痛みや洗浄不足のない良好な仕上りで洗浄することができる。
【0020】
又、実施例では、制動用エアー噴出装置8を一列に形成したが、二列、三列等の複数列に形成してもよい。
【0021】
【発明の効果】
以上、説明してきたように本発明の食品洗浄装置にあっては、制動用エアー噴出装置による制動作用によって、食品の搬送速度を低下させることができるため、気泡による洗浄力を維持させながら搬送時間を長くとることができ、全体としての洗浄効果を向上させることができる。
【0022】
又、食品が次々に渋滞していくことから、食品同士の攪拌が生じて互いがもみ洗いされ、このもみ洗いと気泡による洗浄力によって洗浄効果を大幅に向上させることができるし、装置の小型化が可能になり、設置スペース、製造コスト、ランニングコスト等の面で有利になるという効果が得られる。
【0023】
又、請求項2記載の食品洗浄装置では、取出しコンベアの手前に、食品を強制的に潜行させ、食品から浮ゴミを分離させることができるゴミ取り用ネットコンベアが設けられると共に、そのゴミ取り用ネットコンベアの直前に、この搬送洗浄路の水流に制動を作用させるようにエアーを噴出させる制動用エアー噴出装置が、搬送洗浄路の搬送方向と直交する方向に延在して設けられているので、食品から浮きゴミの分離を効率よく行うことができるという効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の1形態にかかる食品洗浄装置の断面図である。
【図2】この食品洗浄装置の切欠平面図である。
【符号の説明】
1 食品洗浄装置
2 洗浄槽
21 オーバーフロー穴
22 排水バルブ
23 水道供給口
24 逆流防止ネット
25 ゴミ取り用ネットコンベア
3 搬送洗浄路
31 食品投入部
32 食品取出部
4 取り出しコンベア
5 戻り流路
6 隔離板
60 穴
7 搬送用エアー噴出装置
70 空気配管
71 ノズル管
72 空気供給管
8 制動用エアー噴出装置
80 空気配管
81 噴気口
82 空気供給管
90 ブロア
91 エアー調整バルブ
92 エアー調整バルブ
93 エアー調整バルブ
94 排気管
H 食品
Claims (2)
- 内部に洗浄水を収容する洗浄槽が設けられ、
この洗浄槽内には一端側の食品投入部から他端側の食品取出部に至る搬送洗浄路が形成されると共に、食品取出部に取出しコンベアが取り付けられ、
前記搬送洗浄路の下方に、搬送洗浄路に食品投入部から食品取出部に向けて水流を生じさせるようにエアーを噴出させる搬送用エアー噴出装置が設けられている食品洗浄装置において、
前記搬送洗浄路の途中に、この搬送洗浄路の水流に制動を作用させるようにエアーを噴出させる制動用エアー噴出装置が、搬送洗浄路の搬送方向と直交する方向に延在して設けられていることを特徴とした食品洗浄装置。 - 内部に洗浄水を収容する洗浄槽が設けられ、
この洗浄槽内には一端側の食品投入部から他端側の食品取出部に至る搬送洗浄路が形成されると共に、食品取出部に取出しコンベアが取り付けられ、
前記搬送洗浄路の下方に、搬送洗浄路に食品投入部から食品取出部に向けて水流を生じさせるようにエアーを噴出させる搬送用エアー噴出装置が設けられている食品洗浄装置において、
前記取出しコンベアの手前に、食品を強制的に潜行させ、食品から浮ゴミを分離させることができるゴミ取り用ネットコンベアが設けられると共に、このゴミ取り用ネットコンベアの直前に、この搬送洗浄路の水流に制動を作用させるようにエアーを噴出させる制動用エアー噴出装置が、搬送洗浄路の搬送方向と直交する方向に延在して設けられていることを特徴とした食品洗浄装置。
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