JP3559465B2 - 非放射性誘電体線路 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、マイクロ波、ミリ波集積回路等に組み込まれ、高周波信号のガイドとして用いられる非放射性誘電体線路に関し、特に高周波信号を減衰される信号減衰領域を具備する非放射性誘電体線路に関するものである。
【0002】
【従来技術】
非放射性誘電体線路(Nonradiative Dielectric Waveguide,以下、単にNRDガイドという場合がある。)は、間隔dの平行平板導体間に誘電体ストリップを介装し、平行平板導体間の間隔dを、d<λ/2(λ:信号波長)となるように設計することによって、外部からNRDガイドへのノイズの侵入をなくし、かつ外部への高周波信号の放射をなくして信号を伝送できるものである。
【0003】
従来、この種のNRDガイドにおいては、誘電体線路を形成する誘電体ストリップの材料として、テフロン、ポリスチレンなど比誘電率が2〜4の樹脂系の材料が多用されている。
【0004】
一方、回路を設計する上では、NRDガイドに終端が存在する場合があり、また、高周波デバイスを保護するために、入力信号の強度を減衰させる場合もある。具体的には、終端部に設けられて反射を防ぐターミネータ(無反射終端器)や、線路途中に挿入されて電磁波を減衰させるアッテネータ(減衰器)などが用いられている。
【0005】
従来、NRDガイド用のターミネータとしては、図3のように、NRDガイドにおける誘電体ストリップ10の終端部を樹脂からなる誘電体材料中に金属抵抗体粉や電波吸収体粉を分散混合した材料11により構成したもの(特開平7−94916号公報)や、図4のように誘電体ストリップ10の終端部に金属抵抗体や電波吸収体12を貼付したもの(特開平9−181505号公報、”非放射性誘電体線路を用いたミリ波集積回路”米山 務、電子情報通信学会誌C−I,vol,J73,No.3,P87〜94,1990、”35GHz帯NRDガイド送受信機の小型化”内田 偉津美他、電子情報通信学会誌C−I,vol,J76,No.7,P270〜276,1993)が知られている。
【0006】
この種のターミネータは、樹脂系の誘電体中に異なる材質、例えば、金属、磁性体、カーボン等の電波吸収体を存在させることにより、電気抵抗による損失や電磁波の吸収によって高周波信号を減衰させるものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、比誘電率が2〜4の樹脂系材料により誘電体ストリップを構成した場合、高周波帯においては、誘電体ストリップ中に曲線部を形成する際、曲線部での曲げ損失が大きいため曲率半径の小さい曲線部を形成することができず、回路が大型化してしまうという問題があった。また、樹脂系材料は、経時変化により変質または変形する恐れがあるため、誘電体ストリップ材料としての信頼性が低かった。さらに、テフロンを誘電体ストリップとして用いた場合には、テフロンと平行平板導体とを接着剤を用いて接着することが難しいために、取扱により誘電体ストリップの設置位置がずれたりして不具合が生じる場合があった。
【0008】
また、特開平7−94916号公報のように、樹脂からなる誘電体材料中に金属抵抗体粉や電波吸収体粉を混合した材料を配置する方法では、前記樹脂の誘電率が2〜4と低く、前記金属抵抗体粉や電波吸収体粉の誘電率が高いために、信号減衰領域の誘電体ストリップと該信号減衰領域以外の誘電体ストリップ間で誘電率が極端に変化し、インピーダンスの不整合が起こり、高周波信号の反射の原因となっていた。
【0009】
すなわち、高周波信号を伝送するNRDガイドにおいては、誘電体ストリップ中の組織内にて誘電率が急激に変化してインピーダンスの急激な変化が生じると、その部分で高周波信号の反射が生じたり、入力信号波と反射信号波とが合成されて、定在波が発生し、高周波回路に悪影響を及ぼすという問題があった。しかも、このNRDガイドでは、金属抵抗体粉や電波吸収体粉を混在させた材料を配置するにあたり、線路に対してインピーダンスの不整合を解消すべく、図3に示すように複雑な形状にて配置する必要があり、組み立てが難しく、量産性を妨げていた。
【0010】
また、図4のように誘電体ストリップに金属抵抗体や電波吸収体を貼付する方法では、インピーダンスの急激な変化を抑制するために複雑な形状の金属抵抗体や電波吸収体を精度良く貼付する必要があるため、量産性が低く、コスト高を招いていた。また、製造時や運搬時等の取り扱いにより、金属抵抗体や電波吸収体がずれたり、剥離したりして所望の特性が得られない等の問題があった。
【0011】
したがって、本発明は、良好な減衰特性を有するとともに、簡単な構造で容易に作製できる信号減衰領域を具備した非放射性誘電体線路を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題に対して検討を重ねた結果、誘電体ストリップをセラミックスで作製するとともに、該誘電体線路の途中または終端に、前記セラミックスよりも低いQ値を有するセラミックスからなる誘電体ストリップを前記一対の平行平板導体によって挟持してなる信号減衰領域を形成することにより、特にコーディライト質セラミックスについては、前記信号減衰領域の誘電体ストリップ中のアルカリ金属、カーボン、炭化珪素、遷移金属およびその化合物の群から選ばれる少なくとも1種の含有量の多いセラミックスにて形成することにより、簡単な構造で反射等の少ない良好な信号減衰特性を有する非放射性誘電体線路が得られることを知見した。
【0015】
また、誘電体ストリップがコーディライト質セラミックスからなる場合には、該誘電体線路の途中または終端に、前記セラミックスよりもアルカリ金属、カーボンの含有量の多いセラミックスからなる誘電体ストリップを前記一対の平行平板導体によって挟持してなる信号減衰領域を形成するとともに、前記アルカリ金属、カーボンがコーディライト結晶内に固溶していることを特徴とするものである。
【0016】
また、前記アルカリ金属以外に、カーボン、炭化珪素、遷移金属またはその化合物の群から選ばれる少なくとも1種の含有量の多いセラミックスからなる誘電体ストリップを前記一対の平行平板導体によって挟持してなる信号減衰領域を形成したことを特徴とするものである。
【0017】
なお、前記信号減衰領域の誘電体ストリップ中のアルカリ金属の最大含有量が酸化物換算で全量中0.3重量%以上、また前記信号減衰領域以外の誘電体ストリップ中のアルカリ金属の含有量が酸化物換算で全量中0.1重量%以下であることが望ましい。
【0018】
また、前記信号減衰領域の誘電体ストリップ中のカーボンの最大含有量が酸化物換算で全量中0.3重量%以上、また前記信号減衰領域以外の誘電体ストリップ中のカーボンの含有量が全量中0.1重量%以下であることが望ましい。
【0019】
さらに、前記信号減衰領域における誘電体ストリップ中のアルカリ金属、カーボン、炭化珪素、遷移金属およびその化合物の群から選ばれる少なくとも1種の含有量は、少なくとも前記信号減衰領域以外の領域との境界部において、該信号減衰領域以外の領域に向かって次第に減少していることが望ましい。
【0020】
【作用】
本発明は、NRDガイドにおいて、誘電体の誘電損失によって高周波信号が減衰し、信号強度が低下する、すなわち誘電体ストリップにおけるQ値が小さいほど高周波信号が減衰し、信号強度が低下するという挙動に基づくものであり、一対の平行平板導体間に、セラミックスからなる誘電体ストリップを介装してなる非放射性誘電体線路の途中または終端に、前記セラミックスよりも低いQ値を有するセラミックスからなる誘電体ストリップを設け、この低Q値の誘電体ストリップとその上下の平行平板導体によって、線路内を伝送される信号の強度を減衰させる信号減衰領域を形成することができるものである。
【0021】
具体的な例としては、前記セラミックス内にQ値を低下せしめる低Q値化材料を含有させることによって、誘電体ストリップのQ値を低下させることが可能である。すなわち、その誘電体ストリップをセラミックスによって形成すると、成分の制御によりQ値を容易に変化できる。
【0022】
より具体的には、誘電体ストリップをコーディライト質セラミックス(誘電率4.5〜8)により構成し、Q値を低下せしめる材料として、アルカリ金属、カーボン、炭化珪素、遷移金属およびその化合物の群から選ばれる少なくとも1種(以下、低Q値化材料と略す。)(誘電率5〜9)を用いることにより、信号減衰領域において、誘電率が極端に変化することがないために、インピーダンスの不整合による高周波信号の反射がなく、高周波回路への影響を及ぼすことがない。また、信号減衰領域の低Q値化材料の含有量を制御することにより、容易にQ値を制御することができるために、容易に所望の減衰特性を得ることができる。
【0023】
さらに、低Q値化材料のうち、アルカリ金属およびカーボンについては、その大部分がコーディライト結晶内に固溶し、信号減衰領域の誘電体ストリップ中に独立した相として存在する割合が低いと推測されるために、インピーダンスの不整合をより小さくでき、高周波回路への影響がより低減される。
【0024】
また、アルカリ金属およびカーボンについては、コーディライト結晶内に格子欠陥を生成すると推測されるが、コーディライトに対して少ない添加量で大幅にQ値を低下させる効果があるために、低Q値化材料として好適である。
【0025】
さらに、かかる信号減衰領域の形成にあたり、セラミックスを用いて信号減衰領域の誘電体ストリップとその他の領域の誘電体ストリップとを同時焼成することにより、低Q値化材料の量を拡散等によって境界部における含有量を該信号減衰領域以外の領域した構造に容易に形成できるために、単純な構造で容易に作製することが可能である。
【0026】
また、その誘電体ストリップをセラミックスによって形成すると、60GHz以上の高周波帯においても、誘電体ストリップ内に曲率半径の小さい曲線部を形成することができるため、回路の小型化が可能である。しかも、セラミックスは経時変化が無いことから、信頼性の高い誘電体ストリップとなる。さらに、接着剤を使用できるために、回路設計の自由度が向上する。
【0027】
【発明の実施の形態】
本発明のNRDガイドによれば、一対の平行平板導体間に、セラミックスからなる誘電体ストリップを介装してなるものであり、該誘電体線路の途中または終端に、前記セラミックスよりも低いQ値を有するセラミックスからなる低Q値誘電体ストリップ(以下、減衰用ストリップと略す。)を前記一対の平行平板導体によって挟持してなる信号減衰領域が形成されている。つまり、本発明のNRDガイドにおける誘電体ストリップは、少なくとも一般線路部を形成するための誘電体ストリップ(以下、線路用ストリップと略す。)と、信号減衰領域を形成するための減衰用ストリップとから形成されている。
【0028】
(ターミネータ)
図1は、信号減衰領域を誘電体線路の終端部に形成し、ターミネータとしての機能を発揮できるように構成された一例である。図1のNRDガイドAによれば、一対の平行平板導体1a、1b間に、セラミックスからなる誘電体ストリップが配置された構成からなるものであるが、その終端部に位置する誘電体ストリップを、低Q値のセラミックスからなる減衰用ストリップ3によって形成し、その上下を平行平板導体1a、1bによって挟持することにより、ターミネータとなる信号減衰領域Bが形成されている。なお、NRDガイドAの信号減衰領域B以外の領域には、少なくとも線路用ストリップ2を一対の平行平板導体1a、1bによって挟持してなる一般線路部Cが形成されている。
【0029】
平行平板導体1a、1bは、高い電気伝導度を有すること、および加工性の点で、Cu、Al、Fe、SUS(ステンレス)、Ag、Au、Pt等の導体板、あるいはこれらの材料からなる導体層を表面に形成したセラミックス、樹脂等の絶縁体により形成される。
【0030】
(ストリップ)
一方、線路用ストリップ2と減衰用ストリップ3は、誘電特性、加工性、強度などの点で、コーディライト、アルミナ、ガラスセラミックス等のセラミックスによって形成されるものであるが、線路用ストリップ2と減衰用ストリップ3との誘電率の違いによるインピーダンスの急激な変化を避けるために、線路用ストリップ2と減衰用ストリップ3との誘電率を近似させる点で、線路用ストリップ2と減衰用ストリップ3とは主成分が同じ材料により構成されることが望ましい。
【0031】
また、線路用ストリップ2と減衰用ストリップ3とは、低誘電率でQ値の制御が容易であるという点からコーディライト質セラミックスが最も望ましい。さらに、このコーディライト質セラミックスに対し、Y、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luから選ばれる少なくとも1種の酸化物を含有せしめることにより、Q値を向上させることができる。
【0032】
本発明においては、減衰用ストリップ3のQ値が線路用ストリップ2のQ値よりも小さいことが重要である。Q値の大きい(誘電損失の小さい)線路用ストリップ2内を通過してきた高周波信号が、Q値の小さい(誘電損失の大きい)減衰用ストリップ3にて熱に変換されて減衰する。
【0033】
また、線路用ストリップ2および減衰用ストリップ3がコーディライト質セラミックスからなる場合には、減衰用ストリップ3を構成するセラミックス中に低Q値化材料を含有せしめ、その含有量が線路用ストリップ2の低Q値化材料の含有量よりも多くなるように制御することが重要である。すなわち、コーディライト質セラミックスにおいては、低Q値化材料の含有量が増加するに従い、Q値が減少する傾向にあることから、この低Q値化材料の含有量によって、Q値の制御を容易に行うことができる。
【0034】
なお、低Q値化材料がアルカリ金属またはカーボンである場合は、その含有量が少ない範囲ではコーディライト結晶内に固溶するものと推測され、誘電体ストリップが実質的に均一な材料からなるために、独立した異相の存在によるインピ−ダンス不整合等が生じることがないことから、高周波信号の反射をより小さくすることができる。また、コーディライト結晶中に固溶するアルカリ金属および/またはカーボンは、結晶内に格子欠陥等を生成せしめることから少ない添加量で大幅にQ値を低める効果がある。さらに、低Q値化材料が、炭化珪素、遷移金属およびその化合物である場合には、コーディライト結晶の粒界に存在する。
【0035】
なお、前記低Q値化材料のうち、炭化珪素をコーディライト質セラミックス中に含有せしめることにより、コーディライトの粒界を強化することができるためにストリップの強度を高めることができる。
【0036】
なお、低Q値化材料のストリップ中の含有量については、低Q値化材料がアルカリ金属である場合には、減衰用ストリップ3中のアルカリ金属の最大含有量が、酸化物換算で全量中0.3重量%以上、特に1.0重量%以上であることが望ましく、また、低Q値化材料がカーボンである場合には、減衰用ストリップ3中のカーボンの最大含有量が、酸化物換算で全量中0.3重量%以上、特に1.0重量%以上であることが望ましい。
【0037】
さらに、低Q値化材料が炭化珪素、遷移金属およびその化合物である場合には、減衰用ストリップ3中のカーボンの最大含有量が、酸化物換算で全量中0.3重量%以上、特に1.0重量%以上であることが望ましい。
【0038】
また、上述した低Q値化材料については、1種の材料のみを含有しても良いが、2種以上の組合せでもよく、これにより信号減衰効果を高めることができることから、それぞれの含有量を上述した量よりも少なくすることができる。
【0039】
なお、前記低Q値化材料のうちアルカリ金属としては、ナトリウム、カリウム、ルビジウムおよびセシウムのうち少なくとも1種が使用可能であるが、少ない添加量でQ値を大幅に変化させる少なくともカリウムを含むことが望ましい。
【0040】
また、コーディライト質セラミックス中には、コーディライ結晶の粒界に存在する非晶質相が含まれてもよく、また、Si系のガラスおよびそれに窒素を含むもの、金属酸化物、ホウ素等を含有するガラスを含有してもよいが、これらガラスは、コーディライトのQ値を低める効果があることから、減衰用ストリップ中に多く存在することが望ましい。また、Q値を低める上では、前記ガラス中にアルカリ金属、特にカリウムを含有することが望ましい。
【0041】
さらに、前記低Q値化材料のうち遷移金属としては、4A、5A、6A、7A、8、1B族の遷移金属が使用可能であるが、特に、低いQ値を有するW、Mn、Cuを含有することが望ましく、また、これらはコーディライトセラミックス中に金属または前記遷移金属の酸化物、窒化物等の化合物として存在する。
【0042】
上記の低Q値化材料により、減衰用ストリップ3の60GHzにおけるQ値を500以下、特に100以下とすることにより、信号減衰領域Bでの充分な減衰特性を得ることができる。
【0043】
一方、線路用ストリップ2中には、高Q値であることの要求に対しては、アルカリ金属の含有量は0%であることが最も望ましいが、不可避的不純物としての混入を考慮すれば、線路用ストリップ2中のアルカリ金属の含有量は、酸化物換算で全量中0.1重量%以下、特に0.03重量%以下であることが望ましい。また、前記カーボンについても、同様に、線路用ストリップ2中の含有量は0%であることが最も望ましいが、不可避的不純物としての混入を考慮すれば、線路用ストリップ2中のカーボンの含有量は、酸化物換算で全量中0.1重量%以下、特に0.03重量%以下であることが望ましい。
【0044】
線路用ストリップ2は、60GHzにおけるQ値が1000以上、特に2000以上とすることにより損失が小さくなるために、優れた透過特性を有する線路となる。
【0045】
また、減衰用ストリップ3の少なくとも線路用ストリップ2との境界部においては、該境界部の低Q値化材の含有量が減衰用ストリップ3に向かって該信号減衰領域以外の領域、具体的には線路用ストリップ2側から連続的あるいは段階的に増加させて、線路用ストリップ2と減衰用ストリップ3との境界での誘電率およびQ値の差を小さくすることにより、インピーダンスの変化をさらに緩やかにすることができるため、一般線路部Cと信号減衰領域Bとの境界での反射をさらに低減できる。
【0046】
なお、上記ターミネータとしての信号減衰領域における信号減衰率は、低Q値化材の含有量と信号減衰領域の長さによって適宜調整され、特に終端部で信号強度がゼロになるように制御されることが望ましい。
【0047】
(アッテネータ)
図1の非放射性誘電体線路においては、信号減衰領域をターミネータとして用いたものであるが、本発明によれば、信号減衰領域を誘電体線路の途中に設け、アッテネータとして機能させることも可能である。
【0048】
図2は、信号減衰領域Eを誘電体線路の途中に形成し、アッテネータとしての機能を発揮できるように構成された一例である。図2のNRDガイドDによれば、減衰用ストリップ4が線路用ストリップ2、2の間に形成されている以外は図1と同様の構成であり、この場合においても減衰用ストリップ4のQ値が線路用ストリップ2のQ値よりも小さいことが重要である。
【0049】
なお、減衰用ストリップ4中の低Q値化材料がアルカリ金属である場合、その最大含有量は、酸化物換算で全量中0.3重量%以上、特に1.0重量%以上であること、カーボンである場合は、減衰用ストリップ4中のカーボンの最大含有量が、酸化物換算で全量中0.3重量%以上、特に1.0重量%以上であること、さらに、炭化珪素、遷移金属およびその化合物である場合には、減衰用ストリップ4中の最大含有量が、酸化物換算で全量中0.3重量%以上、特に1.0重量%以上であることが望ましい。
【0050】
上記アッテネータとしての信号減衰領域Eにおける信号減衰率は、低Q値化材料の含有量と信号減衰領域の長さによって適宜調整される。
【0051】
また、減衰用ストリップ4においては、低Q値化材の含有量が減衰用ストリップ4の少なくとも線路用ストリップ2との両境界部において、該境界部から低Q値化材の含有量が減衰用ストリップ4に向かって該信号減衰領域以外の領域、具体的には線路用ストリップ2側から連続的あるいは段階的に増加させて、線路用ストリップ2と減衰用ストリップ4との境界での誘電率およびQ値の差を小さくすることにより、インピーダンスの変化をさらに緩やかにすることができるため、一般線路部Cと信号減衰領域Eとの境界での反射をさらに低減できる。
【0052】
(信号減衰領域のその他の形態)
本発明においては、上述したように低Q値化材料の含有量の多いセラミックスを用いたストリップをターミネータまたはアッテネータとして機能させることができるが、かかる構成に加え、該ストリップにおける信号の進行方向に平行な内面および/または外面に金属抵抗体や電波吸収体を貼付することもでき、これにより信号減衰効果が高まることから、信号減衰領域の長さを短くすることができる。
【0053】
さらに、前記構成に加え、ターミネータについては、信号の進行方向に垂直な終端面に、アッテネータについては、信号の進行方向に垂直で、かつ信号減衰領域においてQ値が低い少なくとも一面に金属抵抗体や電波吸収体を貼付することもでき、これによっても信号減衰効果が高まることから、信号減衰領域の長さを短くすることができる。
【0054】
また、上記方法の組合せにより、さらに、信号減衰領域の長さを短くすることができる。
【0055】
(製造方法)
本発明の非放射性誘電体線路は、以下の方法によって作製される。
まず、線路用ストリップ2と減衰用ストリップ3、4とを作製する方法としては、例えば、MgCO3 粉末(純度99%以上)、Al2 O3 粉末(純度99%以上)、SiO2 粉末(純度99%以上)を用いてコーディライト組成となるように秤量し、これにK、Na、Rb、Cs等のアルカリ金属の炭酸塩、硝酸塩等の粉末(純度99%以上)を添加、混合する。
【0056】
また、この混合粉末に、Y、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luから選ばれる少なくとも1種の酸化物、炭酸塩、硝酸塩等の粉末(純度99%以上)を添加することにより、焼結温度範囲を広げるとともに、緻密化を促進することができる。
【0057】
この混合粉末を、所望により大気中1100℃〜1300℃にて仮焼した後、粉砕し、これに、カーボン粉末、炭化珪素粉末、遷移金属およびその化合物粉末の群から選ばれる少なくとも1種を添加、混合する。これらの粉末は、信号減衰領域のインピーダンスの整合性の点で、平均粒径0.5〜5.0μmであることが望ましい。
【0058】
そして、これに適量の有機バインダを添加して、例えば、プレス成形法、CIP成形法、ドクターブレード法、圧延法等のテープ成形法、押し出し成形法、射出成形法等の周知の成形方法によりストリップ形状の成形体を作製する。
【0059】
その後、該成形体を大気中、所定温度で脱バインダ処理し、大気中1300℃〜1500℃、または非酸化性雰囲気中、1300℃〜1500℃で焼成することにより、ストリップ形状のセラミックスを形成することができる。また、焼結体の密度を高めるためにホットプレス、GPS等公知の加圧焼成を用いることもできる。
【0060】
上記焼結体のアルカリ金属およびカーボン含有量は、原料として添加したアルカリ金属およびカーボンの他に、原料中の不可避的不純物あるいは製造工程において粉砕ボール等から混入するアルカリ金属や、脱バインダ処理後も残存する残留カーボン、あるいは焼成雰囲気より拡散するアルカリ金属およびカーボン分が含まれる。
【0061】
この時、線路用ストリップ2と減衰用ストリップ3、4との接続方法としては、線路用ストリップ2と減衰用ストリップ3、4とを上記のようにして個別に作製し、接着剤等で接続することもできるが、例えば、低Q値化材料の含有量の異なる少なくとも2種以上の成形体を接続した状態で同時焼成する方法により、低Q値化材料の含有量が段階的に増加した減衰用ストリップが得られる。
【0062】
さらに、他の方法としては、低Q値化材料の含有量が段階的に異なるものを作製し、これらを接続一体化する方法や、低Q値化材料がアルカリ金属および/またはカーボンである場合には、線路用ストリップ2となる成形体の端部または途中にアルカリ金属および/またはカーボン粉末を含むペースト等を塗布して焼成する方法、あるいは焼成時にアルカリ金属および/またはカーボン含有物を成形体周囲に配置して焼成時に拡散させる方法により、焼結体中にアルカリ金属および/またはカーボンが拡散し、減衰用ストリップ3、4において、アルカリ金属および/またはカーボンの含有量を線路用ストリップ2側から連続的あるいは段階的に増加させることができる。
【0063】
これにより、線路用ストリップ2と減衰用ストリップ3、4との境界での誘電率の差を小さくなるため、インピーダンスの変化をさらに緩やかにすることができ、一般線路部Cと信号減衰領域B、Eとの境界での反射をさらに低減できる。
【0064】
本発明においては、線路用ストリップ2は、焼結体中のアルカリ金属の含有量が酸化物換算で全量中0.1重量%以下、特に0.03重量%以下、また、カーボンの含有量が酸化物換算で全量中0.1重量%以下、特に0.03重量%以下にすることが望ましいが、アルカリ金属およびカーボンの含有量を上記範囲とするためには、純度の高い原料を使用したり、製造工程中の粉砕ボール等はアルカリ金属を含まないものを使用する、脱バインダを充分に行う等、不純物としてのアルカリ金属およびカーボンの混入を防ぐことが望ましい。
【0065】
また、アルカリ金属については、焼成時に成形体中からアルカリ金属が蒸発したり、逆に焼成雰囲気から焼結体中にアルカリ金属が混入したりし、特に表面の組成が変動することを避けるため、匣鉢内で焼成したり、アルカリ金属粉末を成形体周囲に配置して同時に焼成する等により焼成雰囲気を一定に保つことが望ましい。
【0066】
さらに、焼成中にアルカリ金属および/またはカーボンが混入または揮発し、含有量が変動した焼結体表面を研磨してアルカリ金属および/またはカーボンの含有量を調整してもよい。
【0067】
また、原料中あるいは製造工程における粉砕ボール等から混入する不純物として、Ca、Ba、Zr、Ni、Fe、Cr、P、Ti等があるが、これらの金属がごく微量混入しても、Q値や誘電率がほとんど変化することがなく、誘電体線路の特性に影響を及ぼさないが、上記不純物のうち遷移金属については所定量添加することにより、60GHzにおけるストリップのQ値を、特に500以下と低めることができ、信号減衰効果を高めることができる。
【0068】
上記のようにして得られた焼結体を、一対の平行平板導体1a、1b間に配設することにより、容易にかつ優れた特性を有するNRDガイドが得られる。なお、平行平板導体1a、1bと線路用ストリップ2および減衰用ストリップ3、4とを所望によって接着剤等で接着することにより、取扱等による位置ずれを防ぐことができる。
【0069】
このようなNRDガイドは、50GHz以上、特に60GHz以上、さらには70GHz以上の高周波帯で好適に使用可能である。
【0070】
なお、本発明のNRDガイドによれば、減衰用ストリップ3、4をNRDガイド中に複数設けてもよい。
【0071】
また、線路用ストリップ2および減衰用ストリップ3、4が、コーディライト質セラミックス以外のセラミックス材料からなる場合、前記コーディライト質セラミックスと同様に、そのセラミックスのQ値を低下せしめる成分を用い、その組成比率を調整して、低Q値セラミックスを用いて信号減衰領域を形成することによって上記と同様の効果が得られる。
【0072】
この場合でも、線路用ストリップ2および減衰用ストリップ3、4のセラミックスの同時焼成により、前述したコーディライト質セラミックスと同様な方法によって作製でき、また、低Q値化材料の濃度の傾斜をつけることも可能である。
【0073】
【実施例】
実施例1(材料特性、アルカリ金属添加)
MgCO3 粉末(純度99%、平均粒径1μm)、Al2 O3 粉末(純度99.7%、平均粒径1μm)、SiO2 粉末(純度99.4%、平均粒径1μm)、K2 CO3 粉末(純度99%、平均粒径1μm)およびNa2 CO3 粉末(純度99%、平均粒径1μm)を、焼結体の組成が表1の組成となるように、秤量混合し、この混合物を大気中1200℃で2時間仮焼した後、粉砕した。
【0074】
次いで、これに純度99%以上、平均粒径が1.0〜2.0μmのカーボン粉末、炭化珪素粉末(SiC)、および表1に示す遷移金属酸化物を添加し、適量のバインダを加えて造粒した造粒粉を作製した。これを1000kg/cm2 の圧力でプレス成形して直径12mm×厚み8mmの成形体を作製し、この成形体に対し、600℃で2時間脱バインダ処理を行った後、大気中、1400℃または窒素中、1400℃で2時間焼成した。
【0075】
得られた焼結体についてICP分析を行い、表1に示した。また、得られた焼結体について、60GHzにおける比誘電率および誘電損失をネットワークアナライザ、シンセサイズドスイーパを用いて誘電体共振器法により測定し、Q値を算出した。結果は、表1に示した。
【0076】
一方、上記の造粒粉を用いて、幅3mm×厚み2mm×長さ120mmの成形体を作製し、600℃で2時間脱バインダ処理を行った後、大気中1400℃、または窒素中、1400℃で2時間焼成した。
【0077】
得られた焼結体を高さ2.25mm×幅1mm×長さ100mmに切り出し、縦100mm×横100mm×厚み8mmの2枚の銅からなる平行平板導体間に配置し、図1のNRDガイドとした。そして、このNRDガイドに対して、ネットワークアナライザを用いて60GHzにおける高周波信号の透過特性を測定した。結果は表1に示した。
【0078】
【表1】
【0079】
表1の結果から明らかなように、低Q値化材料の含有量が増加するとQ値が大きく減少することがわかる。また、高周波信号の伝送特性については、アルカリ金属およびカーボンの含有量が少ないほど透過率が高く、アルカ金属含有量が酸化物換算で0.05重量%以下、カーボン含有量が0.03重量%以下では、測定器の検出限界−0.9dBとなった。
【0080】
実施例2(ターミネータ)
実施例1における造粒粉を用いて、幅3mm×厚み2mm×長さ100mmの線路部用の成形体および幅3mm×厚み2mm×長さ40mmの信号減衰領域用の成形体を作製した。表2に示す2種類の材料からなる成形体を、成形体同士を接触させた状態で、実施例1と同様に脱バインダ処理および焼成を行った。
【0081】
得られた焼結体を高さ2.25mm×幅1mm×長さ70mm(信号減衰領域の長さ30mm)に加工し、縦100mm×横100mm×厚み8mmの2枚の銅からなる平行平板導体間に配置し、図1のターミネータの構造のNRDガイドとした。そして、このNRDガイドに対して、ネットワークアナライザを用いて60GHzにおける入力信号に対する反射率を測定し、表2に示した。
【0082】
【表2】
【0083】
表2の結果から明らかなように、線路部のQ値が信号減衰領域のQ値と同じ試料No.8においては、反射率が−1.4dBと大きくなった。これに対し、本発明の範囲内の試料については、反射率が−2.3dB以下と小さくなり、特に信号減衰領域のアルカリ金属の含有量が全量中1重量%以上の試料No.1〜7、12、13については、反射率が−6.8以下の良好な減衰特性を示した。
【0084】
実施例3(アッテネータ)
実施例1の表1の材料No.3を用いて、幅3mm×厚み2mm×長さ50mmの線路用ストリップ用の成形体を2つと、表1の材料No.11を用いて幅3mm×厚み2mm×長さ30mmの減衰用ストリップ用の成形体1つを作製した。この成形体を線路用ストリップ間に減衰用ストリップが介在するように配置し、実施例1と同様の方法で接触させ、1400℃にて焼成し、高さ2.25mm×幅1mm×長さ70mm(信号減衰領域の長さ30mm)の形状に加工を行い、実施例2と同様のCu板間に設置して図2のアッテネータ構造のNRDガイドとした。そして、このNRDガイドに対して、実施例1と同様に高周波信号の透過特性および減衰特性を測定したところ、60GHzにおいて、透過率が−3.5dB、反射率が−28.0dBの良好な減衰特性を示した。
【0085】
実施例4
実施例1の表1の材料No.3を用いて、幅3mm×厚み2mm×長さ50mmの線路用ストリップ用の成形体と、表1の材料No.11を用いて幅3mm×厚み2mm×長さ40mmの減衰用ストリップ用の成形体を作製し、実施例2と同様に接触させた状態で焼成し、高さ2.25mm×幅1mm×長さ70mm(信号減衰領域の長さ15mm)の形状に加工を行った。この焼成体の材料No.11側の終端部にカーボンを含有するペーストを0.5mmの厚みに塗布し、乾燥した。
【0086】
これを実施例2と同様のCu板間に設置して信号の進行方向に垂直な終端面に電波吸収体を貼付したターミネータ構造のNRDガイドとした。そして、このNRDガイドに対して、実施例1と同様に高周波信号の透過特性および減衰特性を測定したところ、60GHzにおいて、透過率が−3.3dB、反射率が−28.5dBの良好な減衰特性を示した。
【0087】
【発明の効果】
以上詳述した通り、本発明によれば、NRDガイドにおいて、信号減衰領域のQ値を線路部のQ値よりも小さくすることにより、複雑な構造や高い精度を必要とせずに容易に作製でき、安価で量産性の高いターミネータやアッテネータを作製することが可能である。また、線路用ストリップと減衰用ストリップとの境界部でのインピーダンスの急激な変化がないため、信号減衰領域での反射の小さい優れた特性を有する非放射性誘電体線路が得られる。さらに、上記構造に金属抵抗体や電波吸収体を貼付することにより、ターミネータやアッテネータの小型化ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の非放射性誘電体線路の一例を示す一部切り欠き斜視図である。
【図2】本発明の非放射性誘電体線路の他の一例を示す一部切り欠き斜視図である。
【図3】従来の信号減衰領域を有する非放射性誘電体線路の一例を示し、平行平板導体を省略したものの斜視図である。
【図4】従来の信号減衰領域を有する非放射性誘電体線路の他の一例を示し、平行平板導体を省略したものの斜視図である。
【符号の説明】
1a、1b・・・平行平板導体
2・・・線路用ストリップ
3、4・・・減衰用ストリップ
A、D・・・NRDガイド
C・・・一般線路部
B・・・信号減衰領域(ターミネータ)
E・・・信号減衰領域(アッテネータ)
Claims (11)
- 一対の平行平板導体間にコーディライト質セラミックスからなる誘電体ストリップを介装してなる非放射性誘電体線路において、該誘電体線路の途中または終端に、前記セラミックスよりもアルカリ金属含有量の多いコーディライト質セラミックスからなる誘電体ストリップを前記一対の平行平板導体によって挟持してなる信号減衰領域を形成するとともに、前記アルカリ金属がコーディライト結晶内に固溶していることを特徴とする非放射性誘電体線路。
- 前記信号減衰領域の誘電体ストリップ中のアルカリ金属の最大含有量が酸化物換算で全量中0.3重量%以上であることを特徴する請求項1記載の非放射性誘電体線路。
- 前記信号減衰領域以外の誘電体ストリップ中のアルカリ金属の含有量が酸化物換算で全量中0.1重量%以下であることを特徴とする請求項1または請求項2記載の非放射性誘電体線路。
- 前記アルカリ金属がカリウムであることを特徴とする請求項1乃至3記載の非放射性誘電体線路。
- 前記信号減衰領域と前記信号減衰領域以外の領域との境界部における前記誘電体ストリップ中のアルカリ金属の含有量が該信号減衰領域以外の領域に向かって次第に増加していることを特徴とする請求項1乃至4記載の非放射性誘電体線路。
- 一対の平行平板導体間にコーディライト質セラミックスからなる誘電体ストリップを介装してなる非放射性誘電体線路において、該誘電体線路の途中または終端に、前記セラミックスよりもカーボン含有量の多いコーディライト質セラミックスからなる誘電体ストリップを前記一対の平行平板導体によって挟持してなる信号減衰領域を形成するとともに、前記カーボンがコーディライト結晶内に固溶していることを特徴とする非放射性誘電体線路。
- 前記信号減衰領域の誘電体ストリップ中のカーボンの最大含有量が酸化物換算で全量中0.3重量%以上であることを特徴する請求項6記載の非放射性誘電体線路。
- 前記信号減衰領域以外の誘電体ストリップ中のカーボンの含有量が全量中0.1重量%以下であることを特徴とする請求項6または7記載の非放射性誘電体線路。
- 前記信号減衰領域と前記信号減衰領域以外の領域との境界部における誘電体ストリップ中の前記カーボンの含有量が該信号減衰領域以外の領域に向かって次第に増加していることを特徴とする請求項6乃至8のいずれか記載の非放射性誘電体線路。
- 一対の平行平板導体間にコーディライト質セラミックスからなる誘電体ストリップを介装してなる非放射性誘電体線路において、該誘電体線路の途中または終端に、炭化珪素、遷移金属およびその化合物の群から選ばれる少なくとも1種を含有する低いQ値を有するコーディライト質セラミックスからなる誘電体ストリップを、前記一対の平行平板導体によって挟持してなる信号減衰領域を形成したことを特徴とする非放射性誘電体線路。
- 前記信号減衰領域と前記信号減衰領域以外の領域との境界部における誘電体ストリップ中の前記炭化珪素、遷移金属およびその化合物の群から選ばれる少なくとも1種の含有量が該信号減衰領域以外の領域に向かって次第に減少していることを特徴とする請求項10記載の非放射性誘電体線路。
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