JP3510948B2 - 高周波用誘電体磁器組成物および誘電体共振器 - Google Patents

高周波用誘電体磁器組成物および誘電体共振器

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、マイクロ
波,ミリ波等の高周波で用いられる高周波用誘電体磁器
組成物に係わり、例えば、マイクロ波,ミリ波集積回路
等のマイクロ波,ミリ波帯域で用いられる回路素子用基
板,誘電体共振器用支持台,誘電体共振器,誘電体導波
路,誘電体アンテナ等の材料として有用な高周波用誘電
体磁器組成物、並びに誘電体磁器を支持台を介して基板
に固定した誘電体共振器に関するものである。
【0002】
【従来技術】マイクロ波,ミリ波集積回路をはじめとす
る高周波回路素子では、誘電体磁器を支持部材を介して
基板に固定する構造が採用される場合がある。例えば、
誘電体共振器制御型マイクロ波発信器は、図1に示すよ
うに、誘電体磁器1を支持部材2を介して磁器基板3に
取り付け、誘電体磁器1の外部に漏れ出る電磁界Hを利
用して磁器基板3に設けたストリップライン4に結合さ
せ、これらを金属ケ−ス5に収容させた構造を有してい
る。
【0003】この種の高周波回路においては、誘電体磁
器1の電界が支持部材2を介して漏れるのを制御するこ
とによって、無負荷Qの高い共振系が構成されることに
なるため、支持部材2には比誘電率が低く誘電損失(t
anδ)が小さい(Q値が大きい)材料を使用する必要
がある。このため、従来、支持部材材料としては比誘電
率が約7、測定周波数10GHzでのQ値が約1500
0のフォルステライトが採用され、また、磁器基板の材
料としては主として比誘電率が約10、測定周波数10
GHzでのQ値が20000以上のアルミナ磁器が採用
されていた(例えば、特開昭62−103904号公報
等参照)。
【0004】一方、比誘電率が低い材料としては、従
来、比誘電率が4〜6、測定周波数10GHzでのQ値
が1000程度のガラスセラミックが知られている(例
えば、特開昭61−234128号公報等参照)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来用
いられていたアルミナ、及びフォルステライトの比誘電
率はそれぞれ約10及び約7程度であり、近年における
高周波数帯の誘電体共振器の普及に伴い、より低い比誘
電率の材料が求められていた。
【0006】一方、低誘電率材料として用いられている
ガラスセラミック、ステアタイト等の磁器は比誘電率が
約4〜6と小さいが、Q値が10GHzにおいて100
0程度であり、近年における高周波数帯の誘電体共振器
の普及に伴い、より高いQ値の低誘電率材料が求められ
ていた。
【0007】また、共振器の磁器基板に主として使用さ
れているアルミナ磁器は比誘電率が約10と比較的高
く、高インピ−ダンスのストリップラインを形成しよう
とすると、ライン幅が小さくなりすぎて(通常1μm以
下)、断線が生じたり、相対的なライン幅のばらつきが
大きくなり、マイクロ波集積回路の不良率が増大すると
いう問題があった。
【0008】他方、この種の磁器基板におけるストリッ
プラインのインピ−ダンスは、基板の厚さが一定であれ
ば、その比誘電率及びストリップラインの幅にそれぞれ
反比例するため、ライン幅を小さくする代わりに、比誘
電率の低い基板材料を使用することによってもインピ−
ダンスを高めることができ、このため,より低誘電率材
料が求められていた。
【0009】本発明は、アルミナ,フォルステライトよ
りも低い比誘電率を有し、かつ、ガラスセラミック、ス
テアタイトよりも高いQ値を有する高周波用誘電体磁器
組成物を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、前記課題
を解決すべく鋭意検討した結果、金属元素として、M
g,Siのみからなり、これらの元素の酸化物によるモ
ル比組成式をxMgO−ySiO2 と表した時にx,y
が一定の範囲である場合には、アルミナ、フォルステラ
イトよりも低い比誘電率を有し、かつ、ガラスセラミッ
クよりも高いQ値を有する高周波用誘電体磁器組成物を
得ることができることを見い出し、本発明に至った。
【0011】即ち、本発明の高周波用誘電体磁器組成物
は、金属元素としてMg、Siからなり、原料粉末を成
形し、焼成してなる高周波用誘電体磁器組成物であっ
て、複合酸化物のモル比組成式をxMgO−ySiO2
と表した時、前記x、yが40≦x≦50、50≦y≦
60、x+y=100を満足するとともに、比誘電率が
6.07以下、かつ、10GHzにおけるQ値が200
0以上であることを特徴とする。
【0012】また、本発明の誘電体共振器は、基板上に
支持部材を介して誘電体磁器を固定してなる誘電体共振
器において、基板および/または支持部材が、金属元素
としてMg、Siからなり、原料粉末を成形し、焼成し
てなる高周波用誘電体磁器組成物であって、複合酸化物
モル比組成式をxMgO−ySiO2と表した時、前
記x、yが、40≦x≦50、50≦y≦60、x+y
=100を満足するとともに、比誘電率が6.07
下、かつ、10GHzにおけるQ値が2000以上であ
ることを特徴とする。
【0013】
【作用】本発明の誘電体磁器組成物では、比誘電率が
6.07以下、10GHzにおけるQ値が2000以上
の特性を有することができ、このような低誘電率および
高Q値の誘電体磁器を、例えば、誘電体共振器の支持部
材または基板に用いることにより、高インピーダンスの
マイクロ波用集積回路などの高周波用回路素子を信頼性
を損なうことなく製造することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の誘電体磁器組成物は、各
金属元素の酸化物によるモル比組成式をxMgO−yS
iO2 と表した時、前記x,yが40≦x≦50、50
≦y≦60、x+y=100を満足するものである。
【0015】本発明の高周波用誘電体磁器組成物の成分
組成を前記範囲に限定したのは、次の理由による。即
ち、MgOのモル百分率xを40≦x≦50(50≦y
≦60)としたのは、xが40よりも小さい場合(yが
60よりも大きい場合)は焼結体が緻密化せず、xが5
0を越えると(yが50よりも小さい場合)良好な焼結
体が得られずQ値が低くなる。MgO量を示すxは、Q
値を5000以上とするという点から44〜50(50
≦y≦56)が望ましい。
【0016】測定周波数10GHzでのQ値が2000
以上を満足するようにしたのは、Q値が2000以上あ
る場合には、近年における高周波数帯の誘電体共振器に
も十分対応することができるからである。Q値は、高け
れば高い程望ましいが、特には、測定周波数10GHz
でのQ値が5000以上であることが望ましい。
【0017】また、本発明の誘電体磁器組成物では、図
2に示すように、主結晶相がプロトエンスタタイトであ
り、他に結晶相として、クリノエンスタタイト,クリス
トバライト,トリジマイト等が析出する場合があるが、
組成によってその析出相が異なる。本発明の誘電体磁器
組成物では、プロトエンスタタイトのみからなる結晶相
(X線回折装置では検出されない程度の異相が析出する
場合も含む)であっても良い。
【0018】また、本発明の誘電体共振器は、図1に示
すように、基板3上に支持部材2を介して誘電体磁器1
を固定してなり、支持部材2または基板3、或いは支持
部材2及び基板3が、上記誘電体磁器組成物からなるも
のである。
【0019】本発明の誘電体磁器は、原料粉末として、
例えば、MgCO3 粉末、SiO2粉末を用い、所定の
割合で秤量し、湿式混合した後乾燥し、この混合物を大
気中において1100〜1300℃で仮焼した後、粉砕
した。得られた粉末に適量のバインダーを加えて成形
し、この成形体を大気中1300〜1500℃で焼成す
ることにより得られる。焼成温度については、緻密な焼
結体が得られるように最適温度で厳密に制御して焼成す
る必要がある。
【0020】尚、本発明においては、Mg,Siを含む
原料粉末は、それぞれの金属元素を含有する酸化物,炭
酸塩,酢酸塩等の無機化合物、もしくは有機金属等の有
機化合物のいずれであっても、焼成により酸化物となる
ものであれば良い。
【0021】また、本発明の誘電体磁器組成物は、金属
元素として、Mg,Siのみからなるものであるが、例
えば、粉砕ボールや原料粉末の不純物として、Al、Z
r,Ni,Fe,Cr,Ca,P,Na,Ti等が混入
する場合があるが、この場合も、上記組成を満足する限
り低誘電率で、高Q値の磁器を得ることができる。
【0022】また、本発明の誘電体磁器組成物では、低
誘電率および高Q値が求められるものであれば、例え
ば、回路素子用基板,誘電体共振器の誘電体磁器,誘電
体導波路,誘電体アンテナ等、どのようなものでも適用
できるが、上記したように、誘電体共振器の支持部材ま
たは基板に最適である。さらに、本発明の誘電体磁器組
成物では、主結晶であるプロトエンスタタイトは、平均
結晶粒径が0.5〜5μmで存在していることが望まし
い。
【0023】
【実施例】原料粉末として純度99%のMgCO3 、純
度99.4%のSiO2 粉末を用い、これらを焼結体が
表1に示す組成となるように秤量し、15時間湿式混合
した後、乾燥し、この混合物を1200℃で2時間仮焼
した後、粉砕した。得られた粉末に適量のバインダを加
えて造粒し、これを1000kg/cm2 の圧力の下で
成形して直径12mm厚さ8mmの成形体を得た。この
成形体を大気中1300〜1500℃で2時間焼成し
て、直径10mm厚さ5mmに研摩し誘電体磁器試料を
得た。
【0024】この試料を用いて誘電体円柱共振器法にて
測定周波数15〜17GHzにおいて比誘電率およびQ
値を測定した。Q値に関してはQf=一定とみなして1
0GHzにおけるQ値を求めた。その結果を表1に示
す。
【0025】
【表1】
【0026】表1によれば、本発明に係る高周波用誘電
体磁器組成物は、比誘電率が6.07以下と低く、しか
も10GHzにおけるQ値が2000以上と高い値を示
すことがわかる。
【0027】尚、図2に試料No.6のX線回折チャート
図を示す。この図2から、プロトエンスタタイトの他
に、クリノエンスタタイト,クリストバライトが析出し
ていることが判る.
【0028】
【発明の効果】本発明の高周波用誘電体磁器組成物で
は、6.07以下の低い比誘電率を有し、10GHzで
のQ値が2000以上の高いQ値を示す磁器が得られ、
例えば、誘電体共振器の支持部材または基板に用いるこ
とにより、高インピーダンスのマイクロ波用集積回路な
どの高周波用回路素子を信頼性を損なうことなく製造す
ることができる。また、低誘電率および高Q値であるた
め、例えば、マイクロ波、ミリ波集積回路等のマイクロ
波、ミリ波帯域で用いられる回路素子用基板、誘電体共
振器用支持台、誘電体共振器、誘電体導波路、誘電体ア
ンテナ等の材料として最適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】高周波用回路素子の一例を示す誘電体共振器制
御型マイクロ波発信器の概略断面図である。
【図2】試料No.6の結晶構造を示すX線回折図であ
る。
【符号の説明】
1・・・誘電体磁器 2・・・支持部材 3・・・磁器基板

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属元素としてMg、Siからなり、原料
    粉末を成形し、焼成してなる高周波用誘電体磁器組成物
    であって、複合酸化物のモル比組成式を xMgO−ySiO2 と表した時、前記x、yが 40≦x≦50 50≦y≦60 x+y=100 を満足するとともに、比誘電率が6.07以下、かつ、
    10GHzにおけるQ値が2000以上であることを特
    徴とする高周波用誘電体磁器組成物。
  2. 【請求項2】基板上に支持部材を介して誘電体磁器を固
    定してなる誘電体共振器において、前記基板および/ま
    たは前記支持部材が、金属元素としてMg、Siから
    り、原料粉末を成形し、焼成してなる高周波用誘電体磁
    器組成物であって、複合酸化物のモル比組成式をxMg
    O−ySiO2と表した時、前記x、yが 40≦x≦50 50≦y≦60 x+y=100 を満足するとともに、比誘電率が6.07以下、かつ、
    10GHzにおけるQ値が2000以上であることを特
    徴とする誘電体共振器。
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