JP3523463B2 - 高周波用誘電体磁器組成物および誘電体共振器並びに誘電体導波路 - Google Patents
高周波用誘電体磁器組成物および誘電体共振器並びに誘電体導波路Info
- Publication number
- JP3523463B2 JP3523463B2 JP26005797A JP26005797A JP3523463B2 JP 3523463 B2 JP3523463 B2 JP 3523463B2 JP 26005797 A JP26005797 A JP 26005797A JP 26005797 A JP26005797 A JP 26005797A JP 3523463 B2 JP3523463 B2 JP 3523463B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- dielectric
- high frequency
- value
- resonator
- dielectric ceramic
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Description
波、ミリ波等の高周波で用いられる高周波用誘電体組成
物に係わり、例えば、マイクロ波、ミリ波集積回路等の
マイクロ波、ミリ波帯域で用いられる回路素子用基板、
誘電体共振器、誘電体共振器用支持部材、誘電体導波
路、誘電体アンテナ等の材料として有用な高周波用誘電
体磁器組成物、および基板上に支持部材を介して誘電体
磁器を固定した誘電体共振器、並びに一対の平行平板導
体の間に誘電体磁器を介装した誘電体導波路に関するも
のである。
る高周波用回路素子では、誘電体磁器を支持部材を介し
て基板に固定する構造が採用される場合がある。例え
ば、誘電体共振器制御型マイクロ波発信器は、図1に示
すように、誘電体磁器1を支持部材2を介して磁器基板
3に取り付け、誘電体磁器1の外部に漏れ出る電磁界H
を利用して磁器基板3に設けたストリップライン4に結
合させ、これらを金属ケース5に収容させた構造を有し
ている。
電体磁器1の電界が支持部材2を介して漏れるのを制御
することによって、無負荷Qの高い共振系が構成される
ことになるため、支持部材2には比誘電率が低く誘電損
失(tanδ)が小さい(Q値が大きい)材料を使用す
る必要がある。このため、従来、支持部材2の材料とし
ては比誘電率が約7、測定周波数10GHzでのQ値が
約15000のフォルステライトが採用され、また、磁
器基板3の材料としては主として比誘電率が約10、測
定周波数10GHzでのQ値が20000以上のアルミ
ナ磁器が採用されていた(例えば、特開昭62−103
904号公報等参照)。
来、比誘電率が4〜6、10GHzでのQ値が1000
程度のガラスセラミックが用いられている(例えば、特
開昭63−89454号公報等参照)。
いられていたアルミナ、及びフォルステライトの比誘電
率はそれぞれ約10及び約7程度であり、近年における
高周波数帯の誘電体共振器の普及に伴い、より低誘電率
材料が求められていた。
ガラスセラミック等の磁器は比誘電率が約4〜6と小さ
いが、Q値が10GHzで1000程度であり、近年に
おける高周波数帯の誘電体共振器の普及に伴い、より高
いQ値の低誘電率材料が求められていた。
れているアルミナ磁器は比誘電率が約10と比較的高
く、高インピーダンスのストリップラインを形成しよう
とすると、ライン幅が小さくなりすぎて(通常1μm以
下)、断線が生じたり、相対的なライン幅のばらつきが
大きくなり、マイクロ波集積回路の不良率が増大すると
いう問題があった。他方、この種の磁器基板におけるス
トリップラインのインピーダンスは、基板の厚さが一定
であれば、その比誘電率及びストリップラインの幅にそ
れぞれ反比例するため、ライン幅を小さくする代わり
に、比誘電率の低い基板材料を使用することによっても
インピーダンスを高めることができ、このため、より低
誘電率材料が求められていた。
10GHzにおいて高いQ値を有する高周波用誘電体磁
器組成物および誘電体共振器並びに誘電体導波路を提供
することを目的とする。
磁器組成物は、金属元素としてB、Siからなる複合酸
化物であって、各金属元素の酸化物による重量比組成式
をxB2 O3 ・ySiO2 と表した時、前記x、yが
0.1≦x≦20、80≦y≦99.9、x+y=10
0を満足する主成分と、該主成分100重量部に対して
希土類元素のうち少なくとも1種を酸化物換算で0.1
〜15重量部含有するものである。ここで、比誘電率が
4以下、かつ10GHzにおけるQ値が2000以上で
あることが望ましい。
支持部材を介して誘電体磁器を固定してなる誘電体共振
器において、前記基板および/または前記支持部材が上
記高周波用誘電体磁器組成物からなるものである。
平行平板導体の間に誘電体磁器を介装してなる誘電体導
波路において、前記誘電体磁器が上記高周波用誘電体磁
器組成物からなるものである。
Siからなる特定組成の複合酸化物に対して、希土類元
素の少なくとも一種を所定量含有することにより、比誘
電率が4以下、10GHzでのQ値が2000以上の低
誘電率および高Q値を得ることができる。特に、希土類
元素の少なくとも一種を所定量含有することにより、Q
値を向上することができる。
成物を、例えば、誘電体共振器の支持部材または基板に
用いることにより、高インピーダンスのマイクロ波用集
積回路などの高周波用回路素子を信頼性を損なうことな
く製造することができる。さらに、一対の平行平板導体
の間に介装された誘電体磁器に用いることにより、伝送
損失が少なく、かつ安価で高精度な誘電体線路を作製で
きる。
物は、金属元素としてB、Siからなる複合酸化物であ
って、各金属元素の酸化物による重量比組成式をxB2
O3 ・ySiO2 と表した時、前記x、yが0.1≦x
≦20、80≦y≦99.9、x+y=100を満足す
るものを主成分とする。
分組成を前記範囲に限定したのは、次の理由による。即
ち、B2 O3 の重量百分率xを0.1≦x≦20(80
≦y≦99.9)としたのは、xが0.1重量%よりも
小さい場合(yが99.9重量%よりも大きい場合)は
焼結体が緻密化せず、20重量%を越えると(yが80
重量%よりも小さい場合)良好な焼結体が得られずQ値
が低くなるからである。特に、B2 O3 量を示すxはQ
値を3000以上とする点から0.2≦x≦10(90
≦y≦99.8)が望ましい。
量部に対して、さらに希土類元素のうち少なくとも1種
を酸化物換算で0.1〜15重量部含有するものであ
る。主成分100重量部に対して、さらにYおよび希土
類元素のうち少なくとも1種を酸化物換算で0.1〜1
5重量部含有せしめたのは、この範囲ならばQ値がさら
に向上するからである。一方、0.1重量部よりも少な
い場合にはその添加効果が小さく、また15重量部より
も多くなると比誘電率が4よりも大きくなるからであ
る。
いう観点から、上記主成分100重量部に対して酸化物
換算で0.1〜10重量部含有することが望ましい。
e、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、D
y、Ho、Er、Tm、Yb、Luがあり、これらのう
ちY、La、Nd、Sm、Dy、Yb、Luが高Q値と
いう理由で最も望ましい。
以上を満足するようにしたのは、Q値が2000以上あ
る場合には、近年における高周波数帯の誘電体共振器に
も十分対応することができるからである。Q値は、高け
れば高い程望ましいが、特には、測定周波数10GHz
でのQ値が3000以上であることが望ましい。
料粉末として、例えば、B2 O3 粉末、SiO2 粉末、
希土類元素のうち少なくとも1種の酸化物粉末を用い、
所定の割合で秤量し、湿式混合した後乾燥し、得られた
粉末に適量のバインダを加えて成形し、この成形体を大
気中1250〜1400℃で焼成することにより得られ
る。
では、主相がガラス相であり、他に結晶相として、クリ
ストバライト、トリジマイト、クオーツ、希土類元素と
Siとが化合した酸化物等が析出する場合があるが、組
成によってその析出相が異なる。
すように、基板3上に支持部材2を介して誘電体磁器1
を固定してなり、支持部材2または基板3、或いは支持
部材2及び基板3が、上記高周波用誘電体磁器組成物か
らなるものである。
示すように、一対の平行平板導体11の間に誘電体磁器
12を介装したものであり、誘電体磁器12が上記高周
波用誘電体磁器組成物からなるものである。
誘電率および高Q値が求められるものであれば、例え
ば、回路素子用基板、誘電体共振器の誘電体磁器、誘電
体導波路、誘電体アンテナ等、どのようなものでも適用
できるが、上記したように、誘電体共振器の支持部材ま
たは基板に、または平行平板導体の間により誘電体磁器
を挟持してなる誘電体導波管の前記誘電体磁器としても
最適である。
物は、図3に示すように、基板13の上下面に導体14
を形成してなる誘電体アンテナの前記基板13としても
最適である。
は、金属元素として、B、Siおよび希土類元素を含有
するものであるが、例えば、粉砕ボールや原料粉末の不
純物としてAl、Ba、Zr、Ni、Fe、Cr、C
a、P、Na、Ti等が混入する場合があるが、この場
合も、上記組成を満足する限り低誘電率で、高Q値の磁
器を得ることができる。
99%のSiO2 粉末、純度99%以上の希土類元素の
酸化物粉末を用い、これらを焼結体が表1に示す組成と
なるように秤量し、15時間湿式混合した後、乾燥し、
得られた粉末に適量のバインダを加えて造粒し、これを
1000kg/cm2 の圧力の下で成形して直径12m
m厚さ8mmの成形体を得た。この成形体を表1に示す
温度で2時間焼成して誘電体磁器試料を得た。
測定周波数20GHzにおいて比誘電率およびQ値を測
定した。Q値に関してはQf=一定とみなして10GH
zにおけるQ値を求めた。その結果を表1に示す。
率が4以下、かつ10GHzにおけるQ値が2000以
上であることが判る。また、希土類元素酸化物量を添加
することによりQ値を向上することが判る。
ト図を示す。この図4から、ガラス相の他にクリストバ
ライト、Yb2 Si2 O7 が析出していることが判る。
は、4以下の低い比誘電率を有し、10GHzでのQ値
が2000以上の高いQ値を示す磁器が得られ、例え
ば、誘電体共振器の支持部材または基板に用いることに
より、高インピーダンスのマイクロ波用集積回路などの
高周波用回路素子を信頼性を損なうことなく製造するこ
とができる。また、低誘電率および高Q値であるため、
例えば、マイクロ波、ミリ波集積回路等のマイクロ波、
ミリ波帯域で用いられる回路素子用基板、誘電体共振器
用支持部材、誘電体共振器、誘電体導波路、誘電体アン
テナ等の材料として最適である。
御型マイクロ波発振器の概略断面図である。
Claims (4)
- 【請求項1】金属元素としてB、Siからなる複合酸化
物であって、各金属元素酸化物による重量比組成式をx
B2 O3 ・ySiO2 と表した時、前記x、yが0.1
≦x≦20、80≦y≦99.9、x+y=100を満
足する主成分と、該主成分100重量部に対して希土類
元素のうち少なくとも1種を酸化物換算で0.1〜15
重量部含有することを特徴とする高周波用誘電体磁器組
成物。 - 【請求項2】比誘電率が4以下、かつ10GHzにおけ
るQ値が2000以上であることを特徴とする請求項1
記載の高周波用誘電体磁器組成物。 - 【請求項3】基板上に支持部材を介して誘電体磁器を固
定してなる誘電体共振器において、前記基板および/ま
たは前記支持部材が請求項1記載の高周波用誘電体磁器
組成物からなることを特徴とする誘電体共振器。 - 【請求項4】一対の平行平板導体の間に誘電体磁器を介
装してなる誘電体導波路において、前記誘電体磁器が請
求項1記載の高周波用誘電体磁器組成物からなることを
特徴とする誘電体導波路。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26005797A JP3523463B2 (ja) | 1997-09-25 | 1997-09-25 | 高周波用誘電体磁器組成物および誘電体共振器並びに誘電体導波路 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26005797A JP3523463B2 (ja) | 1997-09-25 | 1997-09-25 | 高周波用誘電体磁器組成物および誘電体共振器並びに誘電体導波路 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11100257A JPH11100257A (ja) | 1999-04-13 |
JP3523463B2 true JP3523463B2 (ja) | 2004-04-26 |
Family
ID=17342713
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP26005797A Expired - Fee Related JP3523463B2 (ja) | 1997-09-25 | 1997-09-25 | 高周波用誘電体磁器組成物および誘電体共振器並びに誘電体導波路 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3523463B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4534413B2 (ja) * | 2002-09-19 | 2010-09-01 | 株式会社村田製作所 | 高周波部品用低誘電率磁器組成物の製造方法 |
-
1997
- 1997-09-25 JP JP26005797A patent/JP3523463B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH11100257A (ja) | 1999-04-13 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3559495B2 (ja) | 誘電体磁器組成物およびそれを用いた誘電体共振器並びに非放射性誘電体線路 | |
JP3393776B2 (ja) | 誘電体磁器組成物および誘電体共振器 | |
JP3523463B2 (ja) | 高周波用誘電体磁器組成物および誘電体共振器並びに誘電体導波路 | |
JP3393775B2 (ja) | 誘電体磁器組成物および誘電体共振器 | |
JP3398281B2 (ja) | 高周波用誘電体磁器組成物および誘電体共振器 | |
JP3220359B2 (ja) | 高周波用誘電体磁器組成物および誘電体共振器 | |
JP4131996B2 (ja) | 誘電体磁器組成物及びこれを用いた誘電体共振器 | |
JPH11130528A (ja) | 誘電体磁器組成物及びこれを用いた誘電体共振器 | |
JP3523474B2 (ja) | 高周波用誘電体磁器組成物および誘電体共振器並びに誘電体導波路 | |
JP3510948B2 (ja) | 高周波用誘電体磁器組成物および誘電体共振器 | |
JP3554136B2 (ja) | 高周波用誘電体磁器組成物および誘電体共振器 | |
JP3523464B2 (ja) | 高周波用誘電体磁器組成物および誘電体共振器並びに誘電体導波路 | |
JP3347576B2 (ja) | 高周波用誘電体磁器組成物および誘電体共振器 | |
JP3623093B2 (ja) | 高周波用配線基板 | |
JP3346721B2 (ja) | 非放射性誘電体線路 | |
JP4038109B2 (ja) | 高周波用誘電体磁器組成物および誘電体共振器 | |
JP3336179B2 (ja) | 高周波用誘電体磁器組成物および誘電体共振器 | |
JP3377910B2 (ja) | 高周波用誘電体磁器組成物および誘電体共振器 | |
JP3393774B2 (ja) | 誘電体磁器組成物および誘電体共振器 | |
JP3350380B2 (ja) | 誘電体磁器組成物および誘電体共振器 | |
JP3510946B2 (ja) | コーディエライト質焼結体及びその製造方法並びに誘電体共振器 | |
JP3309048B2 (ja) | 高周波用誘電体磁器組成物および誘電体共振器 | |
JP2004143033A (ja) | 高周波用誘電体磁器組成物、誘電体共振器、誘電体フィルタ、誘電体デュプレクサおよび通信機装置 | |
JP3330005B2 (ja) | 高周波用誘電体磁器組成物および誘電体共振器 | |
JPH10188674A (ja) | マイクロ波誘電体磁器組成物 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20040114 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20040203 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20040206 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090220 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100220 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100220 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110220 Year of fee payment: 7 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |