JP3523464B2 - 高周波用誘電体磁器組成物および誘電体共振器並びに誘電体導波路 - Google Patents
高周波用誘電体磁器組成物および誘電体共振器並びに誘電体導波路Info
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Description
波、ミリ波等の高周波で用いられる高周波用誘電体組成
物に係わり、例えば、マイクロ波、ミリ波集積回路等の
マイクロ波、ミリ波帯域で用いられる回路素子用基板、
誘電体共振器、誘電体共振器用支持部材、誘電体導波
路、誘電体アンテナ等の材料として有用な高周波用誘電
体磁器組成物、および誘電体磁器を支持部材を介して基
板に固定した誘電体共振器、並びに一対の平行平板導体
の間に誘電体磁器を介装してなる誘電体導波路に関する
ものである。
る高周波用回路素子では、誘電体磁器を支持部材を介し
て基板に固定する構造が採用される場合がある。例え
ば、誘電体共振器制御型マイクロ波発信器は、第1図に
示すように、誘電体磁器1を支持部材2を介して磁器基
板3に取り付け、誘電体磁器1の外部に漏れ出る電磁界
Hを利用して磁器基板3に設けたストリップライン4に
結合させ、これらを金属ケース5に収容させた構造を有
している。
器1の電界が支持部材2を介して漏れるのを制御するこ
とによって、無負荷Qの高い共振系が構成されることに
なるため、支持部材2には比誘電率が低く誘電損失(t
anδ)が小さい(Q値が大きい)材料を使用する必要
がある。このため、従来、支持部材の材料としては比誘
電率が約7、測定周波数10GHzでのQ値が約150
00のフォルステライトが採用され、また、磁器基板3
の材料としては主として比誘電率が約10、測定周波数
10GHzでのQ値が20000以上のアルミナ磁器が
採用されていた(例えば、特開昭62−103904号
公報等参照)。
来、比誘電率が4〜6、10GHzでのQ値が1000
程度のガラスセラミックが知られている(例えば、特開
昭63−89454号公報等参照)。
いられていたアルミナ、及びフォルステライトの比誘電
率はそれぞれ約10及び約7程度であり、近年における
高周波数帯の誘電体共振器の普及に伴い、より低誘電率
材料が求められていた。
ガラスセラミック等の磁器は比誘電率が約4〜6と小さ
いが、Q値が10GHzで1000程度であり、近年に
おける高周波数帯の誘電体共振器の普及に伴い、より高
いQ値の低誘電率材料が求められていた。
れているアルミナ磁器は比誘電率が約10と比較的高
く、高インピーダンスのストリップラインを形成しよう
とすると、ライン幅が小さくなりすぎて(通常1μm以
下)、断線が生じたり、相対的なライン幅のばらつきが
大きくなり、マイクロ波集積回路の不良率が増大すると
いう問題があった。他方、この種の磁器基板におけるス
トリップラインのインピーダンスは、基板の厚さが一定
であれば、その比誘電率及びストリップラインの幅にそ
れぞれ反比例するため、ライン幅を小さくする代わり
に、比誘電率の低い基板材料を使用することによっても
インピーダンスを高めることができ、このため、より低
誘電率材料が求められていた。
りも低い比誘電率を有し、かつ、ガラスセラミックより
も高いQ値を有する高周波用誘電体磁器組成物および誘
電体共振器並びに誘電体導波路を提供することをことを
目的とする。
を解決すべく鋭意検討した結果、金属元素として、M
g、Siからなり、これらの元素の酸化物によるモル比
組成式をxMgO−ySiO2 と表した時にx、yが一
定の値である場合には、アルミナ、フォルステライトよ
りも低い比誘電率を有し、かつ、ガラスセラミックより
も高いQ値を有する高周波用誘電体磁器組成物を得るこ
とができることを見い出し、本発明に至った。
は、金属元素としてMg、Siからなる複合酸化物であ
って、各金属元素の酸化物によるモル比組成式をxMg
O・ySiO2 と表した時、前記x、yが、15≦x≦
39、61≦y≦85、x+y=100を満足するとと
もに、クリストバライトを主結晶相とし、さらに比誘電
率が5未満で、かつ10GHzにおけるQ値が2000
以上のものである。
支持部材を介して誘電体磁器を固定してなる誘電体共振
器において、前記基板および/または前記支持部材が、
上記高周波用誘電体磁器組成物からなるものである。
平行平板導体の間に誘電体磁器を介装してなる誘電体導
波路において、前記誘電体磁器が、上記高周波用誘電体
磁器組成物からなるものである。
未満、10GHzでのQ値が2000以上の低誘電率お
よび高Q値の誘電体磁器を、例えば、誘電体共振器の支
持部材または基板に用いることにより、高インピーダン
スのマイクロ波用集積回路などの高周波用回路素子を信
頼性を損なうことなく製造することができる。
物は、金属元素としてMg、Siからなる複合酸化物で
あって、各金属元素の酸化物によるモル比組成式をxM
gO・ySiO2 と表した時、前記x、yが15≦x≦
39、61≦y≦85、x+y=100を満足するもの
である。
組成を前記範囲に限定したのは、次の理由による。即
ち、MgOのモル百分率xを15≦x≦39としたの
は、xが15モル%よりも小さい場合は焼結体が緻密化
せず、39モル%を越えると比誘電率が5以上となるか
らである。MgO量を示すxはQ値を3000以上とす
る点から20≦x≦39が望ましい。特に比誘電率を小
さくかつQ値を3000以上とする点からは20≦x≦
30がより望ましい。
以上を満足するようにしたのは、Q値が2000以上あ
る場合には、近年における高周波数帯の誘電体共振器に
も十分対応することができるからである。Q値は、高け
れば高い程望ましいが、特には、測定周波数10GHz
でのQ値が3000以上であることが望ましい。
結晶相がクリストバライトであり、他に結晶相として、
クリノエンスタタイト、プロトエンスタタイト、トリジ
マイト等が析出する場合があるが、組成によってその析
出相が異なる。
すように、基板3上に支持部材2を介して誘電体磁器1
を固定してなり、支持部材2または基板3、或いは支持
部材2及び基板3が、上記高周波用誘電体磁器組成物か
らなるものである。
示すように、一対の平行平板導体11の間に誘電体磁器
12を介装したものであり、誘電体磁器12が上記高周
波用誘電体磁器組成物からなるものである。
として、例えば、MgCO3 粉末、SiO2 粉末を用
い、所定の割合で秤量し、湿式混合した後乾燥し、この
混合物を大気中において1100〜1300℃で0.5
〜3時間仮焼した後、粉砕した。得られた粉末に適量の
バインダを加えて成形し、この成形体を大気中等の酸化
性雰囲気において1400〜1500℃で0.5〜3時
間焼成することにより得られる。
において、焼結が困難であったMgOが39モル%より
も少ない範囲の組成物の焼結性を向上するため、原料粉
末や焼成条件の制御が必要となる。例えば、SiO2 粉
末として非晶質SiO2 粉末を用いることによっても焼
結性を向上できる。つまり、本発明者等が先に出願した
特願平7−339780号においては緻密化できなかっ
た上記組成物を緻密化できるのである。
は、金属元素として、Mg、Siからなるものである
が、例えば、粉砕ボールや原料粉末の不純物として、A
l、Ba、Zr、Ni、Fe、Cr、Ca、P、Na、
Ti等が混入する場合があるが、この場合も、上記組成
を満足する限り低誘電率で、高Q値の磁器を得ることが
できる。
では、低誘電率および高Q値が求められるものであれ
ば、例えば、回路素子用基板、誘電体共振器の誘電体磁
器、誘電体導波路、誘電体アンテナ等、どのようなもの
でも適用できるが、上記したように、誘電体共振器の支
持部材または基板、また、誘電体導波路の平行平板導体
間の誘電体としても最適である。また、本発明の誘電体
磁器組成物は図3に示すように、基板13の上下面に導
体14を形成してなる誘電体アンテナの前記基板13と
しても最適である。
度99%の非晶質SiO2 粉末を用い、これらを焼結体
が表1に示す組成となるように秤量し、15時間湿式混
合した後、乾燥し、この混合物を1200℃で2時間仮
焼した後、粉砕した。得られた粉末に適量のバインダを
加えて造粒し、これを1000kg/cm2 の圧力の下
で成形して直径12mm厚さ8mmの成形体を得た。こ
の成形体を表1に示す温度で2時間焼成して誘電体磁器
試料を得た。
周波数20GHzにおいて比誘電率およびQ値を測定し
た。Q値に関してはQf=一定とみなして10GHzに
おけるQ値を求めた。その結果を表1に示す。
体磁器組成物は、比誘電率が5未満と低く、しかも測定
周波数10GHzでのQ値が2000以上と高い値を示
すことがわかる。
図を示す。この図4から、クリストバライトの他にプロ
トエンスタタイトが析出していることが判る。
は、5未満の低い比誘電率を有し、10GHzでのQ値
が2000以上の高いQ値を示す磁器が得られ、例え
ば、誘電体共振器の支持部材または基板に用いることに
より、高インピーダンスのマイクロ波用集積回路などの
高周波用回路素子を信頼性を損なうことなく製造するこ
とができる。また、低誘電率および高Q値であるため、
例えば、マイクロ波、ミリ波集積回路等のマイクロ波、
ミリ波帯域で用いられる回路素子用基板、誘電体共振器
用支持台、誘電体共振器、誘電体導波路、誘電体アンテ
ナ等の材料として最適である。
御型マイクロ波発振器の概略断面図である。
Claims (3)
- 【請求項1】金属元素としてMgおよびSiからなる複
合酸化物であって、各金属元素の酸化物によるモル比組
成式を xMgO・ySiO2 と表した時、前記x、yが 15≦x≦39 61≦y≦85 x+y=100 を満足するとともに、クリストバライトを主結晶相と
し、さらに比誘電率が5未満で、かつ10GHzにおけ
るQ値が2000以上であることを特徴とする高周波用
誘電体磁器組成物。 - 【請求項2】基板上に支持部材を介して誘電体磁器を固
定してなる誘電体共振器において、前記基板および/ま
たは前記支持部材が、請求項1記載の高周波用誘電体磁
器組成物からなることを特徴とする誘電体共振器。 - 【請求項3】一対の平行平板導体の間に誘電体磁器を介
装してなる誘電体導波路において、前記誘電体磁器が、
請求項1記載の高周波用誘電体磁器組成物からなること
を特徴とする誘電体導波路。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26005897A JP3523464B2 (ja) | 1997-09-25 | 1997-09-25 | 高周波用誘電体磁器組成物および誘電体共振器並びに誘電体導波路 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP26005897A JP3523464B2 (ja) | 1997-09-25 | 1997-09-25 | 高周波用誘電体磁器組成物および誘電体共振器並びに誘電体導波路 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11100260A JPH11100260A (ja) | 1999-04-13 |
JP3523464B2 true JP3523464B2 (ja) | 2004-04-26 |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP26005897A Expired - Fee Related JP3523464B2 (ja) | 1997-09-25 | 1997-09-25 | 高周波用誘電体磁器組成物および誘電体共振器並びに誘電体導波路 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3523464B2 (ja) |
-
1997
- 1997-09-25 JP JP26005897A patent/JP3523464B2/ja not_active Expired - Fee Related
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