JP2000114816A - 非放射性誘電体線路 - Google Patents

非放射性誘電体線路

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JP2000114816A
JP2000114816A JP10371173A JP37117398A JP2000114816A JP 2000114816 A JP2000114816 A JP 2000114816A JP 10371173 A JP10371173 A JP 10371173A JP 37117398 A JP37117398 A JP 37117398A JP 2000114816 A JP2000114816 A JP 2000114816A
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Nobuki Hiramatsu
信樹 平松
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浩紀 喜井
Tetsuya Kishino
哲也 岸野
Masahiro Sato
政宏 佐藤
Hirohisa Sechi
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ターミネータやアッテネータ等として機能する
信号減衰領域を有する非放射性誘電体線路であって、複
雑な構造や高い精度を必要とせずに作製可能な量産性に
優れ、また信号減衰領域での反射の小さい優れた特性を
有する非放射性誘電体線路を提供する。 【解決手段】一対の平行平板導体1a、1b間に、セラ
ミックスからなる誘電体ストリップを介装してなる非放
射性誘電体線路Aにおいて、誘電体線路Cの途中または
終端に、前記セラミックスよりも低いQ値を有するセラ
ミックスからなる減衰用ストリップ3を、一対の平行平
板導体1a、1bによって挟持してなる信号減衰領域B
を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、マイクロ
波、ミリ波集積回路等に組み込まれ、高周波信号のガイ
ドとして用いられる非放射性誘電体線路に関し、特に高
周波信号を減衰される信号減衰領域を具備する非放射性
誘電体線路に関するものである。
【0002】
【従来技術】非放射性誘電体線路(Nonradiat
ive Dielectric Waveguide,
以下、単にNRDガイドという場合がある。)は、間隔
dの平行平板導体間に誘電体ストリップを介装し、平行
平板導体間の間隔dを、d<λ/2(λ:信号波長)と
なるように設計することによって、外部からNRDガイ
ドへのノイズの侵入をなくし、かつ外部への高周波信号
の放射をなくして信号を伝送できるものである。
【0003】従来、この種のNRDガイドにおいては、
誘電体線路を形成する誘電体ストリップの材料として、
テフロン、ポリスチレンなど比誘電率が2〜4の樹脂系
の材料が多用されている。
【0004】一方、回路を設計する上では、NRDガイ
ドに終端が存在する場合があり、また、高周波デバイス
を保護するために、入力信号の強度を減衰させる場合も
ある。具体的には、終端部に設けられて反射を防ぐター
ミネータ(無反射終端器)や、線路途中に挿入されて電
磁波を減衰させるアッテネータ(減衰器)などが用いら
れている。
【0005】従来、NRDガイド用のターミネータとし
ては、図3のように、NRDガイドにおける誘電体スト
リップ10の終端部を樹脂からなる誘電体材料中に金属
抵抗体粉や電波吸収体粉を分散混合した材料11により
構成したもの(特開平7−94916号公報)や、図4
のように誘電体ストリップ10の終端部に金属抵抗体や
電波吸収体12を貼付したもの(特開平9−18150
5号公報、”非放射性誘電体線路を用いたミリ波集積回
路”米山 務、電子情報通信学会誌C−I,vol,J
73,No.3,P87〜94,1990、”35GH
z帯NRDガイド送受信機の小型化”内田 偉津美他、
電子情報通信学会誌C−I,vol,J76,No.
7,P270〜276,1993)が知られている。
【0006】この種のターミネータは、樹脂系の誘電体
中に異なる材質、例えば、金属、磁性体、カーボン等の
電波吸収体を存在させることにより、電気抵抗による損
失や電磁波の吸収によって高周波信号を減衰させるもの
である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、比誘電
率が2〜4の樹脂系材料により誘電体ストリップを構成
した場合、高周波帯においては、誘電体ストリップ中に
曲線部を形成する際、曲線部での曲げ損失が大きいため
曲率半径の小さい曲線部を形成することができず、回路
が大型化してしまうという問題があった。また、樹脂系
材料は、経時変化により変質または変形する恐れがある
ため、誘電体ストリップ材料としての信頼性が低かっ
た。さらに、テフロンを誘電体ストリップとして用いた
場合には、テフロンと平行平板導体とを接着剤を用いて
接着することが難しいために、取扱により誘電体ストリ
ップの設置位置がずれたりして不具合が生じる場合があ
った。
【0008】また、特開平7−94916号公報のよう
に、樹脂からなる誘電体材料中に金属抵抗体粉や電波吸
収体粉を混合した材料を配置する方法では、前記樹脂の
誘電率が2〜4と低く、前記金属抵抗体粉や電波吸収体
粉の誘電率が高いために、信号減衰領域の誘電体ストリ
ップと該信号減衰領域以外の誘電体ストリップ間で誘電
率が極端に変化し、インピーダンスの不整合が起こり、
高周波信号の反射の原因となっていた。
【0009】すなわち、高周波信号を伝送するNRDガ
イドにおいては、誘電体ストリップ中の組織内にて誘電
率が急激に変化してインピーダンスの急激な変化が生じ
ると、その部分で高周波信号の反射が生じたり、入力信
号波と反射信号波とが合成されて、定在波が発生し、高
周波回路に悪影響を及ぼすという問題があった。しか
も、このNRDガイドでは、金属抵抗体粉や電波吸収体
粉を混在させた材料を配置するにあたり、線路に対して
インピーダンスの不整合を解消すべく、図3に示すよう
に複雑な形状にて配置する必要があり、組み立てが難し
く、量産性を妨げていた。
【0010】また、図4のように誘電体ストリップに金
属抵抗体や電波吸収体を貼付する方法では、インピーダ
ンスの急激な変化を抑制するために複雑な形状の金属抵
抗体や電波吸収体を精度良く貼付する必要があるため、
量産性が低く、コスト高を招いていた。また、製造時や
運搬時等の取り扱いにより、金属抵抗体や電波吸収体が
ずれたり、剥離したりして所望の特性が得られない等の
問題があった。
【0011】したがって、本発明は、良好な減衰特性を
有するとともに、簡単な構造で容易に作製できる信号減
衰領域を具備した非放射性誘電体線路を提供することを
目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
に対して検討を重ねた結果、誘電体ストリップをセラミ
ックスで作製するとともに、該誘電体線路の途中または
終端に、前記セラミックスよりも低いQ値を有するセラ
ミックスからなる誘電体ストリップを前記一対の平行平
板導体によって挟持してなる信号減衰領域を形成するこ
とにより、特にコーディライト質セラミックスについて
は、前記信号減衰領域の誘電体ストリップ中のアルカリ
金属、カーボン、炭化珪素、遷移金属およびその化合物
の群から選ばれる少なくとも1種の含有量の多いセラミ
ックスにて形成することにより、簡単な構造で反射等の
少ない良好な信号減衰特性を有する非放射性誘電体線路
が得られることを知見した。
【0013】すなわち、本発明の非放射性誘電体線路
は、一対の平行平板導体間に、セラミックスからなる誘
電体ストリップを介装してなる非放射性誘電体線路にお
いて、該誘電体線路の途中または終端に、前記セラミッ
クスよりも低いQ値を有するセラミックスからなる誘電
体ストリップを前記一対の平行平板導体によって挟持し
てなる信号減衰領域を形成したことを特徴とするもので
ある。
【0014】この時、前記信号減衰領域における誘電体
ストリップ中のQ値は、少なくとも前記信号減衰領域以
外の領域との境界部において、該信号減衰領域以外の領
域に向かって次第に増加していることが望ましい。
【0015】また、誘電体ストリップがコーディライト
質セラミックスからなる場合には、該誘電体線路の途中
または終端に、前記セラミックスよりもアルカリ金属、
特にカリウムの含有量の多いセラミックスからなる誘電
体ストリップを前記一対の平行平板導体によって挟持し
てなる信号減衰領域を形成したことを特徴とするもので
ある。
【0016】また、前記アルカリ金属以外に、カーボ
ン、炭化珪素、遷移金属またはその化合物の群から選ば
れる少なくとも1種の含有量の多いセラミックスからな
る誘電体ストリップを前記一対の平行平板導体によって
挟持してなる信号減衰領域を形成したことを特徴とする
ものである。
【0017】なお、前記信号減衰領域の誘電体ストリッ
プ中のアルカリ金属の最大含有量が酸化物換算で全量中
0.3重量%以上、また前記信号減衰領域以外の誘電体
ストリップ中のアルカリ金属の含有量が酸化物換算で全
量中0.1重量%以下であることが望ましい。
【0018】また、前記信号減衰領域の誘電体ストリッ
プ中のカーボンの最大含有量が酸化物換算で全量中0.
3重量%以上、また前記信号減衰領域以外の誘電体スト
リップ中のカーボンの含有量が全量中0.1量%以下
であることが望ましい。
【0019】さらに、前記信号減衰領域における誘電体
ストリップ中のアルカリ金属、カーボン、炭化珪素、遷
移金属およびその化合物の群から選ばれる少なくとも1
種の含有量は、少なくとも前記信号減衰領域以外の領域
との境界部において、該信号減衰領域以外の領域に向か
って次第に減少していることが望ましい。
【0020】
【作用】本発明は、NRDガイドにおいて、誘電体の誘
電損失によって高周波信号が減衰し、信号強度が低下す
る、すなわち誘電体ストリップにおけるQ値が小さいほ
ど高周波信号が減衰し、信号強度が低下するという挙動
に基づくものであり、一対の平行平板導体間に、セラミ
ックスからなる誘電体ストリップを介装してなる非放射
性誘電体線路の途中または終端に、前記セラミックスよ
りも低いQ値を有するセラミックスからなる誘電体スト
リップを設け、この低Q値の誘電体ストリップとその上
下の平行平板導体によって、線路内を伝送される信号の
強度を減衰させる信号減衰領域を形成することができる
ものである。
【0021】具体的な例としては、前記セラミックス内
にQ値を低下せしめる低Q値化材料を含有させることに
よって、誘電体ストリップのQ値を低下させることが可
能である。すなわち、その誘電体ストリップをセラミッ
クスによって形成すると、成分の制御によりQ値を容易
に変化できる。
【0022】より具体的には、誘電体ストリップをコー
ディライト質セラミックス(誘電率4.5〜8)により
構成し、Q値を低下せしめる材料として、アルカリ金
属、カーボン、炭化珪素、遷移金属およびその化合物の
群から選ばれる少なくとも1種(以下、低Q値化材料と
略す。)(誘電率5〜9)を用いることにより、信号減
衰領域において、誘電率が極端に変化することがないた
めに、インピーダンスの不整合による高周波信号の反射
がなく、高周波回路への影響を及ぼすことがない。ま
た、信号減衰領域の低Q値化材料の含有量を制御するこ
とにより、容易にQ値を制御することができるために、
容易に所望の減衰特性を得ることができる。
【0023】さらに、低Q値化材料のうち、アルカリ金
属およびカーボンについては、その大部分がコーディラ
イト結晶内に固溶し、信号減衰領域の誘電体ストリップ
中に独立した相として存在する割合が低いと推測される
ために、インピーダンスの不整合をより小さくでき、高
周波回路への影響がより低減される。
【0024】また、アルカリ金属およびカーボンについ
ては、コーディライト結晶内に格子欠陥を生成すると推
測されるが、コーディライトに対して少ない添加量で大
幅にQ値を低下させる効果があるために、低Q値化材料
として好適である。
【0025】さらに、かかる信号減衰領域の形成にあた
り、セラミックスを用いて信号減衰領域の誘電体ストリ
ップとその他の領域の誘電体ストリップとを同時焼成す
ることにより、低Q値化材料の量を拡散等によって境界
部における含有量を該信号減衰領域以外の領域した構造
に容易に形成できるために、単純な構造で容易に作製す
ることが可能である。
【0026】また、その誘電体ストリップをセラミック
スによって形成すると、60GHz以上の高周波帯にお
いても、誘電体ストリップ内に曲率半径の小さい曲線部
を形成することができるため、回路の小型化が可能であ
る。しかも、セラミックスは経時変化が無いことから、
信頼性の高い誘電体ストリップとなる。さらに、接着剤
を使用できるために、回路設計の自由度が向上する。
【0027】
【発明の実施の形態】本発明のNRDガイドによれば、
一対の平行平板導体間に、セラミックスからなる誘電体
ストリップを介装してなるものであり、該誘電体線路の
途中または終端に、前記セラミックスよりも低いQ値を
有するセラミックスからなる低Q値誘電体ストリップ
(以下、減衰用ストリップと略す。)を前記一対の平行
平板導体によって挟持してなる信号減衰領域が形成され
ている。つまり、本発明のNRDガイドにおける誘電体
ストリップは、少なくとも一般線路部を形成するための
誘電体ストリップ(以下、線路用ストリップと略す。)
と、信号減衰領域を形成するための減衰用ストリップと
から形成されている。
【0028】(ターミネータ)図1は、信号減衰領域を
誘電体線路の終端部に形成し、ターミネータとしての機
能を発揮できるように構成された一例である。図1のN
RDガイドAによれば、一対の平行平板導体1a、1b
間に、セラミックスからなる誘電体ストリップが配置さ
れた構成からなるものであるが、その終端部に位置する
誘電体ストリップを、低Q値のセラミックスからなる減
衰用ストリップ3によって形成し、その上下を平行平板
導体1a、1bによって挟持することにより、ターミネ
ータとなる信号減衰領域Bが形成されている。なお、N
RDガイドAの信号減衰領域B以外の領域には、少なく
とも線路用ストリップ2を一対の平行平板導体1a、1
bによって挟持してなる一般線路部Cが形成されてい
る。
【0029】平行平板導体1a、1bは、高い電気伝導
度を有すること、および加工性の点で、Cu、Al、F
e、SUS(ステンレス)、Ag、Au、Pt等の導体
板、あるいはこれらの材料からなる導体層を表面に形成
したセラミックス、樹脂等の絶縁体により形成される。
【0030】(ストリップ)一方、線路用ストリップ2
と減衰用ストリップ3は、誘電特性、加工性、強度など
の点で、コーディライト、アルミナ、ガラスセラミック
ス等のセラミックスによって形成されるものであるが、
線路用ストリップ2と減衰用ストリップ3との誘電率の
違いによるインピーダンスの急激な変化を避けるため
に、線路用ストリップ2と減衰用ストリップ3との誘電
率を近似させる点で、線路用ストリップ2と減衰用スト
リップ3とは主成分が同じ材料により構成されることが
望ましい。
【0031】また、線路用ストリップ2と減衰用ストリ
ップ3とは、低誘電率でQ値の制御が容易であるという
点からコーディライト質セラミックスが最も望ましい。
さらに、このコーディライト質セラミックスに対し、
Y、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Dy、H
o、Er、Tm、Yb、Luから選ばれる少なくとも1
種の酸化物を含有せしめることにより、Q値を向上させ
ることができる。
【0032】本発明においては、減衰用ストリップ3の
Q値が線路用ストリップ2のQ値よりも小さいことが重
要である。Q値の大きい(誘電損失の小さい)線路用ス
トリップ2内を通過してきた高周波信号が、Q値の小さ
い(誘電損失の大きい)減衰用ストリップ3にて熱に変
換されて減衰する。
【0033】また、線路用ストリップ2および減衰用ス
トリップ3がコーディライト質セラミックスからなる場
合には、減衰用ストリップ3を構成するセラミックス中
に低Q値化材料を含有せしめ、その含有量が線路用スト
リップ2の低Q値化材料の含有量よりも多くなるように
制御することが重要である。すなわち、コーディライト
質セラミックスにおいては、低Q値化材料の含有量が増
加するに従い、Q値が減少する傾向にあることから、こ
の低Q値化材料の含有量によって、Q値の制御を容易に
行うことができる。
【0034】なお、低Q値化材料がアルカリ金属または
カーボンである場合は、その含有量が少ない範囲ではコ
ーディライト結晶内に固溶するものと推測され、誘電体
ストリップが実質的に均一な材料からなるために、独立
した異相の存在によるインピ−ダンス不整合等が生じる
ことがないことから、高周波信号の反射をより小さくす
ることができる。また、コーディライト結晶中に固溶す
るアルカリ金属および/またはカーボンは、結晶内に格
子欠陥等を生成せしめることから少ない添加量で大幅に
Q値を低める効果がある。さらに、低Q値化材料が、炭
化珪素、遷移金属およびその化合物である場合には、コ
ーディライト結晶の粒界に存在する。
【0035】なお、前記低Q値化材料のうち、炭化珪素
をコーディライト質セラミックス中に含有せしめること
により、コーディライトの粒界を強化することができる
ためにストリップの強度を高めることができる。
【0036】なお、低Q値化材料のストリップ中の含有
量については、低Q値化材料がアルカリ金属である場合
には、減衰用ストリップ3中のアルカリ金属の最大含有
量が、酸化物換算で全量中0.3重量%以上、特に1.
0重量%以上であることが望ましく、また、低Q値化材
料がカーボンである場合には、減衰用ストリップ3中の
カーボンの最大含有量が、酸化物換算で全量中0.3重
量%以上、特に1.0重量%以上であることが望まし
い。
【0037】さらに、低Q値化材料が炭化珪素、遷移金
属およびその化合物である場合には、減衰用ストリップ
3中のカーボンの最大含有量が、酸化物換算で全量中
0.3重量%以上、特に1.0重量%以上であることが
望ましい。
【0038】また、上述した低Q値化材料については、
1種の材料のみを含有しても良いが、2種以上の組合せ
でもよく、これにより信号減衰効果を高めることができ
ることから、それぞれの含有量を上述した量よりも少な
くすることができる。
【0039】なお、前記低Q値化材料のうちアルカリ金
属としては、ナトリウム、カリウム、ルビジウムおよび
セシウムのうち少なくとも1種が使用可能であるが、少
ない添加量でQ値を大幅に変化させる少なくともカリウ
ムを含むことが望ましい。
【0040】また、コーディライト質セラミックス中に
は、コーディライ結晶の粒界に存在する非晶質相が含ま
れてもよく、また、Si系のガラスおよびそれに窒素を
含むもの、金属酸化物、ホウ素等を含有するガラスを含
有してもよいが、これらガラスは、コーディライトのQ
値を低める効果があることから、減衰用ストリップ中に
多く存在することが望ましい。また、Q値を低める上で
は、前記ガラス中にアルカリ金属、特にカリウムを含有
することが望ましい。
【0041】さらに、前記低Q値化材料のうち遷移金属
としては、4A、5A、6A、7A、8、1B族の遷移
金属が使用可能であるが、特に、低いQ値を有するW、
Mn、Cuを含有することが望ましく、また、これらは
コーディライトセラミックス中に金属または前記遷移金
属の酸化物、窒化物等の化合物として存在する。
【0042】上記の低Q値化材料により、減衰用ストリ
ップ3の60GHzにおけるQ値を500以下、特に1
00以下とすることにより、信号減衰領域Bでの充分な
減衰特性を得ることができる。
【0043】一方、線路用ストリップ2中には、高Q値
であることの要求に対しては、アルカリ金属の含有量は
0%であることが最も望ましいが、不可避的不純物とし
ての混入を考慮すれば、線路用ストリップ2中のアルカ
リ金属の含有量は、酸化物換算で全量中0.1重量%以
下、特に0.03重量%以下であることが望ましい。ま
た、前記カーボンについても、同様に、線路用ストリッ
プ2中の含有量は0%であることが最も望ましいが、不
可避的不純物としての混入を考慮すれば、線路用ストリ
ップ2中のカーボンの含有量は、酸化物換算で全量中
0.1重量%以下、特に0.03重量%以下であること
が望ましい。
【0044】線路用ストリップ2は、60GHzにおけ
るQ値が1000以上、特に2000以上とすることに
より損失が小さくなるために、優れた透過特性を有する
線路となる。
【0045】また、減衰用ストリップ3の少なくとも線
路用ストリップ2との境界部においては、該境界部の低
Q値化材の含有量が減衰用ストリップ3に向かって該信
号減衰領域以外の領域、具体的には線路用ストリップ2
側から連続的あるいは段階的に増加させて、線路用スト
リップ2と減衰用ストリップ3との境界での誘電率およ
びQ値の差を小さくすることにより、インピーダンスの
変化をさらに緩やかにすることができるため、一般線路
部Cと信号減衰領域Bとの境界での反射をさらに低減で
きる。
【0046】なお、上記ターミネータとしての信号減衰
領域における信号減衰率は、低Q値化材の含有量と信号
減衰領域の長さによって適宜調整され、特に終端部で信
号強度がゼロになるように制御されることが望ましい。
【0047】(アッテネータ)図1の非放射性誘電体線
路においては、信号減衰領域をターミネータとして用い
たものであるが、本発明によれば、信号減衰領域を誘電
体線路の途中に設け、アッテネータとして機能させるこ
とも可能である。
【0048】図2は、信号減衰領域Eを誘電体線路の途
中に形成し、アッテネータとしての機能を発揮できるよ
うに構成された一例である。図2のNRDガイドDによ
れば、減衰用ストリップ4が線路用ストリップ2、2の
間に形成されている以外は図1と同様の構成であり、こ
の場合においても減衰用ストリップ4のQ値が線路用ス
トリップ2のQ値よりも小さいことが重要である。
【0049】なお、減衰用ストリップ4中の低Q値化材
料がアルカリ金属である場合、その最大含有量は、酸化
物換算で全量中0.3重量%以上、特に1.0重量%以
上であること、カーボンである場合は、減衰用ストリッ
プ4中のカーボンの最大含有量が、酸化物換算で全量中
0.3重量%以上、特に1.0重量%以上であること、
さらに、炭化珪素、遷移金属およびその化合物である場
合には、減衰用ストリップ4中の最大含有量が、酸化物
換算で全量中0.3重量%以上、特に1.0重量%以上
であることが望ましい。
【0050】上記アッテネータとしての信号減衰領域E
における信号減衰率は、低Q値化材料の含有量と信号減
衰領域の長さによって適宜調整される。
【0051】また、減衰用ストリップ4においては、低
Q値化材の含有量が減衰用ストリップ4の少なくとも線
路用ストリップ2との両境界部において、該境界部から
低Q値化材の含有量が減衰用ストリップ4に向かって該
信号減衰領域以外の領域、具体的には線路用ストリップ
2側から連続的あるいは段階的に増加させて、線路用ス
トリップ2と減衰用ストリップ4との境界での誘電率お
よびQ値の差を小さくすることにより、インピーダンス
の変化をさらに緩やかにすることができるため、一般線
路部Cと信号減衰領域Eとの境界での反射をさらに低減
できる。
【0052】(信号減衰領域のその他の形態)本発明に
おいては、上述したように低Q値化材料の含有量の多い
セラミックスを用いたストリップをターミネータまたは
アッテネータとして機能させることができるが、かかる
構成に加え、該ストリップにおける信号の進行方向に平
行な内面および/または外面に金属抵抗体や電波吸収体
を貼付することもでき、これにより信号減衰効果が高ま
ることから、信号減衰領域の長さを短くすることができ
る。
【0053】さらに、前記構成に加え、ターミネータに
ついては、信号の進行方向に垂直な終端面に、アッテネ
ータについては、信号の進行方向に垂直で、かつ信号減
衰領域においてQ値が低い少なくとも一面に金属抵抗体
や電波吸収体を貼付することもでき、これによっても信
号減衰効果が高まることから、信号減衰領域の長さを短
くすることができる。
【0054】また、上記方法の組合せにより、さらに、
信号減衰領域の長さを短くすることができる。
【0055】(製造方法)本発明の非放射性誘電体線路
は、以下の方法によって作製される。まず、線路用スト
リップ2と減衰用ストリップ3、4とを作製する方法と
しては、例えば、MgCO3 粉末(純度99%以上)、
Al2 3 粉末(純度99%以上)、SiO2 粉末(純
度99%以上)を用いてコーディライト組成となるよう
に秤量し、これにK、Na、Rb、Cs等のアルカリ金
属の炭酸塩、硝酸塩等の粉末(純度99%以上)を添
加、混合する。
【0056】また、この混合粉末に、Y、La、Ce、
Pr、Nd、Sm、Eu、Dy、Ho、Er、Tm、Y
b、Luから選ばれる少なくとも1種の酸化物、炭酸
塩、硝酸塩等の粉末(純度99%以上)を添加すること
により、焼結温度範囲を広げるとともに、緻密化を促進
することができる。
【0057】この混合粉末を、所望により大気中110
0℃〜1300℃にて仮焼した後、粉砕し、これに、カ
ーボン粉末、炭化珪素粉末、遷移金属およびその化合物
粉末の群から選ばれる少なくとも1種を添加、混合す
る。これらの粉末は、信号減衰領域のインピーダンスの
整合性の点で、平均粒径0.5〜5.0μmであること
が望ましい。
【0058】そして、これに適量の有機バインダを添加
して、例えば、プレス成形法、CIP成形法、ドクター
ブレード法、圧延法等のテープ成形法、押し出し成形
法、射出成形法等の周知の成形方法によりストリップ形
状の成形体を作製する。
【0059】その後、該成形体を大気中、所定温度で脱
バインダ処理し、大気中1300℃〜1500℃、また
は非酸化性雰囲気中、1300℃〜1500℃で焼成す
ることにより、ストリップ形状のセラミックスを形成す
ることができる。また、焼結体の密度を高めるためにホ
ットプレス、GPS等公知の加圧焼成を用いることもで
きる。
【0060】上記焼結体のアルカリ金属およびカーボン
含有量は、原料として添加したアルカリ金属およびカー
ボンの他に、原料中の不可避的不純物あるいは製造工程
において粉砕ボール等から混入するアルカリ金属や、脱
バインダ処理後も残存する残留カーボン、あるいは焼成
雰囲気より拡散するアルカリ金属およびカーボン分が含
まれる。
【0061】この時、線路用ストリップ2と減衰用スト
リップ3、4との接続方法としては、線路用ストリップ
2と減衰用ストリップ3、4とを上記のようにして個別
に作製し、接着剤等で接続することもできるが、例え
ば、低Q値化材料の含有量の異なる少なくとも2種以上
の成形体を接続した状態で同時焼成する方法により、低
Q値化材料の含有量が段階的に増加した減衰用ストリッ
プが得られる。
【0062】さらに、他の方法としては、低Q値化材料
の含有量が段階的に異なるものを作製し、これらを接続
一体化する方法や、低Q値化材料がアルカリ金属および
/またはカーボンである場合には、線路用ストリップ2
となる成形体の端部または途中にアルカリ金属および/
またはカーボン粉末を含むペースト等を塗布して焼成す
る方法、あるいは焼成時にアルカリ金属および/または
カーボン含有物を成形体周囲に配置して焼成時に拡散さ
せる方法により、焼結体中にアルカリ金属および/また
はカーボンが拡散し、減衰用ストリップ3、4におい
て、アルカリ金属および/またはカーボンの含有量を線
路用ストリップ2側から連続的あるいは段階的に増加さ
せることができる。
【0063】これにより、線路用ストリップ2と減衰用
ストリップ3、4との境界での誘電率の差を小さくなる
ため、インピーダンスの変化をさらに緩やかにすること
ができ、一般線路部Cと信号減衰領域B、Eとの境界で
の反射をさらに低減できる。
【0064】本発明においては、線路用ストリップ2
は、焼結体中のアルカリ金属の含有量が酸化物換算で全
量中0.1重量%以下、特に0.03重量%以下、ま
た、カーボンの含有量が酸化物換算で全量中0.1重量
%以下、特に0.03重量%以下にすることが望ましい
が、アルカリ金属およびカーボンの含有量を上記範囲と
するためには、純度の高い原料を使用したり、製造工程
中の粉砕ボール等はアルカリ金属を含まないものを使用
する、脱バインダを充分に行う等、不純物としてのアル
カリ金属およびカーボンの混入を防ぐことが望ましい。
【0065】また、アルカリ金属については、焼成時に
成形体中からアルカリ金属が蒸発したり、逆に焼成雰囲
気から焼結体中にアルカリ金属が混入したりし、特に表
面の組成が変動することを避けるため、匣鉢内で焼成し
たり、アルカリ金属粉末を成形体周囲に配置して同時に
焼成する等により焼成雰囲気を一定に保つことが望まし
い。
【0066】さらに、焼成中にアルカリ金属および/ま
たはカーボンが混入または揮発し、含有量が変動した焼
結体表面を研磨してアルカリ金属および/またはカーボ
ンの含有量を調整してもよい。
【0067】また、原料中あるいは製造工程における粉
砕ボール等から混入する不純物として、Ca、Ba、Z
r、Ni、Fe、Cr、P、Ti等があるが、これらの
金属がごく微量混入しても、Q値や誘電率がほとんど変
化することがなく、誘電体線路の特性に影響を及ぼさな
いが、上記不純物のうち遷移金属については所定量添加
することにより、60GHzにおけるストリップのQ値
を、特に500以下と低めることができ、信号減衰効果
を高めることができる。
【0068】上記のようにして得られた焼結体を、一対
の平行平板導体1a、1b間に配設することにより、容
易にかつ優れた特性を有するNRDガイドが得られる。
なお、平行平板導体1a、1bと線路用ストリップ2お
よび減衰用ストリップ3、4とを所望によって接着剤等
で接着することにより、取扱等による位置ずれを防ぐこ
とができる。
【0069】このようなNRDガイドは、50GHz以
上、特に60GHz以上、さらには70GHz以上の高
周波帯で好適に使用可能である。
【0070】なお、本発明のNRDガイドによれば、減
衰用ストリップ3、4をNRDガイド中に複数設けても
よい。
【0071】また、線路用ストリップ2および減衰用ス
トリップ3、4が、コーディライト質セラミックス以外
のセラミックス材料からなる場合、前記コーディライト
質セラミックスと同様に、そのセラミックスのQ値を低
下せしめる成分を用い、その組成比率を調整して、低Q
値セラミックスを用いて信号減衰領域を形成することに
よって上記と同様の効果が得られる。
【0072】この場合でも、線路用ストリップ2および
減衰用ストリップ3、4のセラミックスの同時焼成によ
り、前述したコーディライト質セラミックスと同様な方
法によって作製でき、また、低Q値化材料の濃度の傾斜
をつけることも可能である。
【0073】
【実施例】実施例1(材料特性、アルカリ金属添加) MgCO3 粉末(純度99%、平均粒径1μm)、Al
2 3 粉末(純度99.7%、平均粒径1μm)、Si
2 粉末(純度99.4%、平均粒径1μm)、K2
3 粉末(純度99%、平均粒径1μm)およびNa2
CO3 粉末(純度99%、平均粒径1μm)を、焼結体
の組成が表1の組成となるように、秤量混合し、この混
合物を大気中1200℃で2時間仮焼した後、粉砕し
た。
【0074】次いで、これに純度99%以上、平均粒径
が1.0〜2.0μmのカーボン粉末、炭化珪素粉末
(SiC)、および表1に示す遷移金属酸化物を添加
し、適量のバインダを加えて造粒した造粒粉を作製し
た。これを1000kg/cm2 の圧力でプレス成形し
て直径12mm×厚み8mmの成形体を作製し、この成
形体に対し、600℃で2時間脱バインダ処理を行った
後、大気中、1400℃または窒素中、1400℃で2
時間焼成した。
【0075】得られた焼結体についてICP分析を行
い、表1に示した。また、得られた焼結体について、6
0GHzにおける比誘電率および誘電損失をネットワー
クアナライザ、シンセサイズドスイーパを用いて誘電体
共振器法により測定し、Q値を算出した。結果は、表1
に示した。
【0076】一方、上記の造粒粉を用いて、幅3mm×
厚み2mm×長さ120mmの成形体を作製し、600
℃で2時間脱バインダ処理を行った後、大気中1400
℃、または窒素中、1400℃で2時間焼成した。
【0077】得られた焼結体を高さ2.25mm×幅1
mm×長さ100mmに切り出し、縦100mm×横1
00mm×厚み8mmの2枚の銅からなる平行平板導体
間に配置し、図1のNRDガイドとした。そして、この
NRDガイドに対して、ネットワークアナライザを用い
て60GHzにおける高周波信号の透過特性を測定し
た。結果は表1に示した。
【0078】
【表1】
【0079】表1の結果から明らかなように、低Q値化
材料の含有量が増加するとQ値が大きく減少することが
わかる。また、高周波信号の伝送特性については、アル
カリ金属およびカーボンの含有量が少ないほど透過率が
高く、アルカ金属含有量が酸化物換算で0.05重量%
以下、カーボン含有量が0.03重量%以下では、測定
器の検出限界−0.9dBとなった。
【0080】実施例2(ターミネータ) 実施例1における造粒粉を用いて、幅3mm×厚み2m
m×長さ100mmの線路部用の成形体および幅3mm
×厚み2mm×長さ40mmの信号減衰領域用の成形体
を作製した。表2に示す2種類の材料からなる成形体
を、成形体同士を接触させた状態で、実施例1と同様に
脱バインダ処理および焼成を行った。
【0081】得られた焼結体を高さ2.25mm×幅1
mm×長さ70mm(信号減衰領域の長さ30mm)に
加工し、縦100mm×横100mm×厚み8mmの2
枚の銅からなる平行平板導体間に配置し、図1のターミ
ネータの構造のNRDガイドとした。そして、このNR
Dガイドに対して、ネットワークアナライザを用いて6
0GHzにおける入力信号に対する反射率を測定し、表
2に示した。
【0082】
【表2】
【0083】表2の結果から明らかなように、線路部の
Q値が信号減衰領域のQ値と同じ試料No.8において
は、反射率が−1.4dBと大きくなった。これに対
し、本発明の範囲内の試料については、反射率が−2.
3dB以下と小さくなり、特に信号減衰領域のアルカリ
金属の含有量が全量中1重量%以上の試料No.1〜
7、12、13については、反射率が−6.8以下の良
好な減衰特性を示した。
【0084】実施例3(アッテネータ) 実施例1の表1の材料No.3を用いて、幅3mm×厚
み2mm×長さ50mmの線路用ストリップ用の成形体
を2つと、表1の材料No.11を用いて幅3mm×厚
み2mm×長さ30mmの減衰用ストリップ用の成形体
1つを作製した。この成形体を線路用ストリップ間に減
衰用ストリップが介在するように配置し、実施例1と同
様の方法で接触させ、1400℃にて焼成し、高さ2.
25mm×幅1mm×長さ70mm(信号減衰領域の長
さ30mm)の形状に加工を行い、実施例2と同様のC
u板間に設置して図2のアッテネータ構造のNRDガイ
ドとした。そして、このNRDガイドに対して、実施例
1と同様に高周波信号の透過特性および減衰特性を測定
したところ、60GHzにおいて、透過率が−3.5d
B、反射率が−28.0dBの良好な減衰特性を示し
た。
【0085】実施例4 実施例1の表1の材料No.3を用いて、幅3mm×厚
み2mm×長さ50mmの線路用ストリップ用の成形体
と、表1の材料No.11を用いて幅3mm×厚み2m
m×長さ40mmの減衰用ストリップ用の成形体を作製
し、実施例2と同様に接触させた状態で焼成し、高さ
2.25mm×幅1mm×長さ70mm(信号減衰領域
の長さ15mm)の形状に加工を行った。この焼成体の
材料No.11側の終端部にカーボンを含有するペース
トを0.5mmの厚みに塗布し、乾燥した。
【0086】これを実施例2と同様のCu板間に設置し
て信号の進行方向に垂直な終端面に電波吸収体を貼付し
たターミネータ構造のNRDガイドとした。そして、こ
のNRDガイドに対して、実施例1と同様に高周波信号
の透過特性および減衰特性を測定したところ、60GH
zにおいて、透過率が−3.3dB、反射率が−28.
5dBの良好な減衰特性を示した。
【0087】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明によれば、N
RDガイドにおいて、信号減衰領域のQ値を線路部のQ
値よりも小さくすることにより、複雑な構造や高い精度
を必要とせずに容易に作製でき、安価で量産性の高いタ
ーミネータやアッテネータを作製することが可能であ
る。また、線路用ストリップと減衰用ストリップとの境
界部でのインピーダンスの急激な変化がないため、信号
減衰領域での反射の小さい優れた特性を有する非放射性
誘電体線路が得られる。さらに、上記構造に金属抵抗体
や電波吸収体を貼付することにより、ターミネータやア
ッテネータの小型化ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の非放射性誘電体線路の一例を示す一部
切り欠き斜視図である。
【図2】本発明の非放射性誘電体線路の他の一例を示す
一部切り欠き斜視図である。
【図3】従来の信号減衰領域を有する非放射性誘電体線
路の一例を示し、平行平板導体を省略したものの斜視図
である。
【図4】従来の信号減衰領域を有する非放射性誘電体線
路の他の一例を示し、平行平板導体を省略したものの斜
視図である。
【符号の説明】 1a、1b・・・平行平板導体 2・・・線路用ストリップ 3、4・・・減衰用ストリップ A、D・・・NRDガイド C・・・一般線路部 B・・・信号減衰領域(ターミネータ) E・・・信号減衰領域(アッテネータ)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岸野 哲也 鹿児島県国分市山下町1番4号 京セラ株 式会社総合研究所内 (72)発明者 佐藤 政宏 鹿児島県国分市山下町1番4号 京セラ株 式会社総合研究所内 (72)発明者 瀬知 啓久 鹿児島県国分市山下町1番4号 京セラ株 式会社総合研究所内 Fターム(参考) 5J013 AA02 BA01

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一対の平行平板導体間に、セラミックスか
    らなる誘電体ストリップを介装してなる非放射性誘電体
    線路において、該誘電体線路の途中または終端に、前記
    セラミックスよりも低いQ値を有するセラミックスから
    なる誘電体ストリップを前記一対の平行平板導体によっ
    て挟持してなる信号減衰領域を形成したことを特徴とす
    る非放射性誘電体線路。
  2. 【請求項2】前記信号減衰領域と前記信号減衰領域以外
    の領域との境界部における前記誘電体ストリップのQ値
    が該信号減衰領域以外の領域に向かって次第に増加して
    いることを特徴とする請求項1記載の非放射性誘電体線
    路。
  3. 【請求項3】一対の平行平板導体間にコーディライト質
    セラミックスからなる誘電体ストリップを介装してなる
    非放射性誘電体線路において、該誘電体線路の途中また
    は終端に、前記セラミックスよりもアルカリ金属含有量
    の多いコーディライト質セラミックスからなる誘電体ス
    トリップを前記一対の平行平板導体によって挟持してな
    る信号減衰領域を形成したことを特徴とする非放射性誘
    電体線路。
  4. 【請求項4】前記信号減衰領域の誘電体ストリップ中の
    アルカリ金属の最大含有量が酸化物換算で全量中0.3
    重量%以上であることを特徴する請求項3記載の非放射
    性誘電体線路。
  5. 【請求項5】前記信号減衰領域以外の誘電体ストリップ
    中のアルカリ金属の含有量が酸化物換算で全量中0.1
    重量%以下であることを特徴とする請求項3または請求
    項4記載の非放射性誘電体線路。
  6. 【請求項6】前記アルカリ金属がカリウムであることを
    特徴とする請求項3乃至5記載の非放射性誘電体線路。
  7. 【請求項7】前記信号減衰領域と前記信号減衰領域以外
    の領域との境界部における前記誘電体ストリップ中のア
    ルカリ金属の含有量が該信号減衰領域以外の領域に向か
    って次第に増加していることを特徴とする請求項3乃至
    6記載の非放射性誘電体線路。
  8. 【請求項8】一対の平行平板導体間にコーディライト質
    セラミックスからなる誘電体ストリップを介装してなる
    非放射性誘電体線路において、該誘電体線路の途中また
    は終端に、前記セラミックスよりもカーボン含有量の多
    いコーディライト質セラミックスからなる誘電体ストリ
    ップを前記一対の平行平板導体によって挟持してなる信
    号減衰領域を形成したことを特徴とする非放射性誘電体
    線路。
  9. 【請求項9】前記信号減衰領域の誘電体ストリップ中の
    カーボンの最大含有量が酸化物換算で全量中0.3重量
    %以上であることを特徴する請求項8記載の非放射性誘
    電体線路。
  10. 【請求項10】前記信号減衰領域以外の誘電体ストリッ
    プ中のカーボンの含有量が全量中0.1重量%以下であ
    ることを特徴とする請求項8または9記載の非放射性誘
    電体線路。
  11. 【請求項11】前記信号減衰領域と前記信号減衰領域以
    外の領域との境界部における誘電体ストリップ中の前記
    カーボンの含有量が該信号減衰領域以外の領域に向かっ
    て次第に増加していることを特徴とする請求項8乃至1
    0のいずれか記載の非放射性誘電体線路。
  12. 【請求項12】一対の平行平板導体間にコーディライト
    質セラミックスからなる誘電体ストリップを介装してな
    る非放射性誘電体線路において、該誘電体線路の途中ま
    たは終端に、炭化珪素、遷移金属およびその化合物の群
    から選ばれる少なくとも1種を含有する低いQ値を有す
    るコーディライト質セラミックスからなる誘電体ストリ
    ップを、前記一対の平行平板導体によって挟持してなる
    信号減衰領域を形成したことを特徴とする非放射性誘電
    体線路。
  13. 【請求項13】前記信号減衰領域と前記信号減衰領域以
    外の領域との境界部における誘電体ストリップ中の前記
    炭化珪素、遷移金属およびその化合物の群から選ばれる
    少なくとも1種の含有量が該信号減衰領域以外の領域に
    向かって次第に減少していることを特徴とする請求項1
    2記載の非放射性誘電体線路。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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