JP2005136520A - 非放射性誘電体線路 - Google Patents
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Abstract
【課題】効率良く高周波信号を減衰消滅でき、従来よりも再現性があり、常に所望の特性を満たす非放射性誘電体線路を提供することを目的とする。
【解決手段】高周波信号の波長λに対して間隔がλ/2以下である一対の平行平板導体間に、前記高周波信号が伝送される誘電体線路を介装して成る非放射性誘電体線路において、前記誘電体線路に減衰器および/または終端器を設けるとともに、該減衰器および/または終端器の内部に前記平行平板導体と平行に内部電波吸収体を設け、前記電波吸収体の厚さをTとしたとき、1≦T≦1000μmとする。
【選択図】図3
【解決手段】高周波信号の波長λに対して間隔がλ/2以下である一対の平行平板導体間に、前記高周波信号が伝送される誘電体線路を介装して成る非放射性誘電体線路において、前記誘電体線路に減衰器および/または終端器を設けるとともに、該減衰器および/または終端器の内部に前記平行平板導体と平行に内部電波吸収体を設け、前記電波吸収体の厚さをTとしたとき、1≦T≦1000μmとする。
【選択図】図3
Description
発明は、例えばミリ波等の高周波帯域で用いられる非放射性誘電体線路であって、ミリ波集積回路、ミリ波レーダーモジュール等のミリ波送受信器等に組み込まれ、特に高周波信号を減衰する信号減衰領域を具備する非放射性誘電体線路に関するものである。
従来の非放射性誘電体線路(Non Radiative Dielectric Waveguideで、以下、NRDガイドという)の構成を図1に示す。図1のNRDガイドは、使用周波数において空気中を伝搬する電磁波(高周波信号)の波長λに対して、間隔dがλ/2以下である一対の平行平板導体1、3の間に誘電体線路2を介装することにより、その誘電体線路2に沿って電磁波が伝搬でき、放射波は平行平板導体1、3の遮断効果によって抑制されるという動作原理に基づいている。なお、図1において、上側の平行平板導体3は内部を透視するように一部を切り欠いて描いている。
ところで、線路を伝播する高周波信号がある部分で反射すると、高周波デバイスに悪影響を及ぼし、入力信号波と反射信号波が合成されて、定在波を作る現象が発生する。このため、回路にはできる限り反射波が発生しないように、線路の不連続部分でもインピーダンス変化を低減させるよう保たれるのが一般的である。
しかし、回路を設計する上では、NRDガイドに終端が存在する場合や、また高周波デバイスを保護するために、入力される信号電力の強度を減衰させる場合がある。具体的には、終端部に設けられて反射を防ぐターミネータ(無反射終端器)や、線路途中に挿入されて電磁波を減衰させるアッテネータ(減衰器)などが用いられている。
従来の非放射性誘電体線路では、高周波信号を減衰させたり、消滅させたりするためには、信号を減衰させる誘電体線路の減衰部や消滅させる終端部に、いわゆる減衰器や終端器を設けていた。
このような減衰器や終端器では、誘電体線路と同じ断面形状を構成する減衰用誘電体線路片、終端用誘電体線路片の上下中央部に、平行平板導体と平行に電波吸収体が内蔵されており、その信号の進行方向と反対側の中央部には、誘電体線路部分とインピーダンスをマッチングさせるため切れ込みが形成されていた。
特許文献1には、高周波信号の波長λの1/2以下の間隔をおいて配置された一対の平行平板導体の間に、誘電体線路を介装してなる非放射性誘電体線路内に、減衰器および、または終端器を設ける際には、減衰器および、または終端器の内部に平行平板導体と平行に内部電波吸収体を設け、誘電体線路部分とインピーダンスをマッチングさせるため切れ込みが形成されていることが記載されている。
このように、誘電体線路と同じ断面形状の減衰器や終端器の上下方向中央部に、平行平板導体と平行に電波吸収体のパターンを挟んでいるのは、誘電体線路の上下方向中央部が横方向の電場が最も強く、この部分に電波吸収体を内蔵することによって効率のよい減衰、消滅特性を得るためであった。
特開2000−114815号公報
しかし、上記特許文献1に記載されたものでは、内部電波吸収体の製造上の管理幅が定まっていないため、ばらつきが生じることは避けられない。特に手塗りで形成された電波吸収体は厚みが1000μmを超えたり、幅が狭くなったりパターン位置がずれたりして所望の形状を満たさないことが多く、量産時において、精度良く、かつ再現良く、高周波信号を減衰させたり、消滅させたりするためには、内部電波吸収体の各管理幅が必要であり、このような管理を行わない場合、常に所望の特性を得ることが不可能である。そのため、上記非放射性誘電体線路では、高周波信号を減衰消滅させる効率が低いことや、電波吸収体の形状や厚さなどのわずかな変化によって反射量が大きく変わってしまい、所望の特性が得難く、また量産に際して、特性の再現性が低いという問題があった。
本発明は、より効率良く高周波信号を減衰消滅でき、従来よりも再現性があり、常に所望の特性を満たす非放射性誘電体線路を提供することを目的とする。
本発明の非放射性誘電体線路では、高周波信号の波長λに対して間隔がλ/2以下である一対の平行平板導体間に、前記高周波信号が伝送される誘電体線路を介装して成る非放射性誘電体線路において、前記誘電体線路に減衰器および/または終端器を設けるとともに、該減衰器および/または終端器の内部に前記平行平板導体と平行に内部電波吸収体を設け、前記電波吸収体の厚さをTとしたとき、1≦T≦1000μmであることを特徴とする。
本発明は、上記の構成により、誘電体線路の減衰器および、終端器の内在する電波吸収体の厚さを一定に保つことで、再現性があり、常に所望の特性を得ることができる減衰器や終端器を提供するようにしたものである。
また本発明は、高周波信号の波長λに対して間隔がλ/2以下である一対の平行平板導体間に、前記高周波信号が伝送される誘電体線路を介装して成る非放射性誘電体線路において、前記誘電体線路に減衰器および/または終端器を設けるとともに、該減衰器および/または終端器の内部に前記平行平板導体と平行に内部電波吸収体を設け、前記非放射性誘電体の電波進行方向に対して、垂直となる前記電波吸収体の幅をW、誘電体線路の幅をW1としたとき、0.1mm≦W≦W1であることを特徴とする。
即ち、前記電波吸収体の幅が、要求される反射および減衰特性に与える影響が大きいため、その管理を行うことで、常に所望の特性を得ることができる減衰器や終端器を提供するようにした。
また、本発明は、高周波信号の波長λに対して間隔がλ/2以下である一対の平行平板導体間に、前記高周波信号が伝送される誘電体線路を介装して成る非放射性誘電体線路において、前記誘電体線路に減衰器および/または終端器を設けるとともに、該減衰器および/または終端器の内部に前記平行平板導体と平行に内部電波吸収体を設け、前記電波吸収体の長手方向の位置ズレをεLとしたとき、εL≦±5mmであること、あるいは幅方向の位置ズレをεWとしたとき、εWは誘電体幅を超えないことを特徴とする。
即ち、誘電体線路に対し、電波吸収体の位置ズレを小さくすることで、常に所望の特性を得ることができる減衰器や終端器を提供することをできるようにしたものである。
本発明の非放射性誘電体線路は、その終端器および減衰器において、より効率良く高周波信号を減衰消滅でき、従来よりも再現性があり、常に所望の特性を満たすことができる。
本発明のNRDガイドの基本的な全体構成を図1に基づいて説明する。同図において、1、3は高周波信号の波長λの2分の1以下に間隔dで配置した下側、上側の平行平板導体、2は平行平板導体1、3間に介装、挟持された誘電体線路である。なお、上記波長λは使用周波数における高周波信号の空気中での波長に相当する。
図2は本発明の一例を示すもので、この例では、一対の平行平板導体1の間に配置された誘電体線路2の途中には減衰器7が、終端部には終端器5が設けられており、減衰器7は、図4に示すように、誘電体線路2と同じ断面形状を有する減衰用誘電体線路片9の上下方向中央部に、平行平板導体1と平行に内部電波吸収体6が内蔵されている。また、終端器5は、図3に示すように、誘電体線路2と同じ断面形状を有する減衰用誘電体線路片9の上下方向中央部に、平行平板導体1と平行に内部電波吸収体6が内蔵されている。尚、図示しないが高周波信号の進行方向Xの両端面中央部に、誘電体線路2とインピーダンスをマッチングさせるため切れ込みを形成しても良い。
終端器5は、図3(a)に示すように、誘電体線路2と同じ断面形状を有する終端用誘電体線路片9の上下方向中央部に、平行平板導体1と平行に内部電波吸収体6が内蔵されている。尚、高周波信号の進行方向と反対側の部分の中央部に、誘電体線路2部分とインピーダンスをマッチングさせるため切れ込みを形成しても良い。
また、減衰器7は、図4(a)に示すように、誘電体線路2と同じ断面形状を有する減衰用誘電体線路片9の上下方向中央部に、平行平板導体1と平行に内部電波吸収体6が内蔵されている。尚、高周波信号の進行方向の両端面中央部に、誘電体線路2とインピーダンスをマッチングさせるため切れ込みを形成しても良い。
電波吸収体6は、例えば、抵抗体材料や電波吸収材料を蒸着したり、これらの材料を含有するペーストを塗布し、焼き付けて形成したり、また、予め抵抗体材料や電波吸収材料で形成された電波吸収体6を貼付することにより形成される。
電波吸収体6は、抵抗体材料もしくは電波吸収材料であればどのような材料でも良い。抵抗体材料としては、効率のよい減衰特性を得るためにニッケルクロム合金、カーボン等であることが望ましい。電波吸収材料としては、例えば、パーマロイ、センダスト等がある。
本発明のNRDガイドは、前記電波吸収体6の厚さをTとしたとき、1≦T≦1000μmであることを特徴とする。T<1μmの場合、電波吸収体の抵抗値が小さくなり、反射係数が大きくなる。また、T≧1000μmの場合も極端に電波吸収体の抵抗値が大きくなるため、反射係数が大きくなる。以上の理由、および、量産時のおける作製上の制約から、電波吸収体の厚さTは、好ましくは、2≦T≦100μmである。また、より好ましくは、5≦T≦50μmである。
図5に示すように、本発明のNRDガイドは、前記非放射性誘電体の電波進行方向に対して、垂直方向となる前記電波吸収体の幅をW、誘電体線路の幅をW1としたとき、0.1mm≦W≦W1であることを特徴とする。W<0.1mmの場合、電波吸収体の抵抗値が小さくなり、反射係数が大きくなる。W>W1は、現実的に存在不可能である。以上の理由より、電波吸収体の幅Wは、好ましくは、0.2mm≦W≦W1である。また、より好ましくは、0.4mm≦W≦W1である。
本発明のNRDガイドは、前記電波吸収体6の電波進行方向の位置ズレをεLとしたとき、εL≦5mmであることを特徴とする。εL>5mmの場合、電波吸収体6の抵抗値が小さくなり、反射係数が大きくなる理由のため、電波吸収体の長さ方向の位置ズレεLは、好ましくは、εL≦2mmである。また、より好ましくは、εL≦1mmである。
本発明のNRDガイドは、前記電波吸収体6の幅方向の位置ズレをεWとしたとき、εWは誘電体幅W1を超えないことを特徴とする。誘電体幅W1を超えると、電波吸収体の抵抗値が小さくなり、反射係数が大きくなる。
電波吸収体6層の厚み、幅、および、位置ずれの制御は、抵抗体材料や電波吸収材料を含有するペーストの塗布量の制御と接着加重の制御で達成可能である。ペーストの塗布方法としては、スクリーン印刷法、ディスペンサーなどを用いて塗布方法があり、電波吸収体の塗布量を制御し、電波吸収体硬化時に加重を変えて固定することで様々な厚み、幅、および、位置ずれの電波吸収体6層を形成することが可能である。
誘電体線路片9は誘電体ならどのようなものでも良いが、誘電体線路2とのインピーダンスのマッチングをとり反射を極力押さえるという観点から、誘電体線路2と同じ断面形状、材質とすることが望ましい。
誘電体線路片9、電波吸収体6の長さは、終端器5として使用する場合、十分な終端特性が得られる寸法とし、減衰器7として使用する場合、望みの減衰量を達成する寸法とされている。
以上のように構成された非放射性誘電体線路では、誘電体線路2に終端器5を設けるとともに、該終端器5の内部に平行平板導体1と平行に内部電波吸収体6を設け、小型化しても、従来の非放射性誘電体線路と同等あるいはそれ以上の高周波信号の消滅効果を得ることができる。
また、誘電体線路2の途中に減衰器7を設けるとともに、該減衰器7の内部に平行平板導体1と平行に内部電波吸収体6を設け、小型化しても、従来の非放射性誘電体線路と同等あるいはそれ以上の高周波信号の減衰効果を得ることができる。減衰器7の減衰特性は、内部電波吸収体6の高周波信号進行方向の長さにより制御することができる。
このような電波吸収体の厚み、幅、および、位置ずれの制御は、これまでの手塗りのような方法では実現することはできず、あらかじめ電波吸収体で作製したパターンを誘電体中に介装しようとしても装てん中に折れ曲がったりはみ出したりして所望のパターンは得られなかった。そこで、本発明のNRDガイドにおいては、スクリーン印刷やメタルマスクによる印刷、あるいはディスペンサー法、さらには前面印刷後にエッチングする方法により実現するが、量産製造においては、スクリーン印刷が最適である。特にスクリーン印刷であれば、100メッシュから400メッシュまでの量産に最適な製版を使うことで実現できる。
以上のように、本発明のNRDガイドは、電波吸収体の厚み、幅、位置ズレそれぞれを制御することで減衰特性が優れたものになるが、それぞれの組み合わせあるいはすべての組み合わせを満たすことでさらに減衰特性が優れた減衰器や終端器を実現することが出来る。
本発明のNRDガイド用の平行平板導体1、3は、高い電気伝導度および加工性等の点で、Cu、Al、Fe、SUS(ステンレススチール)、Ag、Au、Pt等からなり、鍛造法、鋳造法、ダイカスト法、研削法等で加工された金属板、あるいはセラミックス、樹脂等から成る絶縁板の表面にこれらの導体層を形成したものでもよい。
次に、本発明の誘電体線路2の接着部について図6および図7により説明する。図6は、NRDガイドの内部を電磁波伝送方向に平行な面で切った断面図である。図7は、間隔dで配置した平行平板導体1、3間に、複数の誘電体線路部分の端面同士を対向配置して連続的に誘電体線路を構成したNRDガイドの模式的側断面図である。複数の誘電体線路部分は平行平板導体1、3の内面の一方または両方に接着剤等により接着されている。接着剤は、エポキシ系、ポリイミド系、シリコン系など、またはそれらを混合した樹脂系接着剤、さらにはセラミックスやガラスを樹脂系接着剤に混合した接着剤が利用できるが、いずれの接着剤であっても固定することが可能である。
接着層の厚みの制御は、接着剤の塗布量の制御と接着加重の制御で達成可能である。接着剤の塗布方法としては、スクリーン印刷法、ディスペンサーなどを用いて塗布方法があり、接着剤の塗布量を制御し、接着剤硬化時に加重を変えて固定することで様々な厚みの接着層を形成することが可能である。
そして、誘電体線路2の組成および組成比は、モル比組成式をxMgO・yAl2O3・zSiO2と表した時に、x=10〜40モル%、y=10〜40モル%、z=20〜80モル%、x+y+z=100モル%とするのがよい。
即ち、xが10モル%未満では良好な焼結体が得られず、また40モル%を超えると比誘電率が大きくなる。特にxは、60GHzでのQ値を2000以上とするという点から15〜35モル%が好ましい。yが10モル%よりも小さい場合良好な焼結体が得られず、40モル%を超えると比誘電率が大きくなる。yは、60GHzでのQ値を2000以上とするという点から17〜35モル%が好ましい。zが20モル%よりも小さい場合比誘電率が大きくなり、80モル%を超えると良好な焼結体が得られずQ値が低下する。zは、60GHzでのQ値を2000以上とするという点から30〜65モル%が好ましい。
これらMgO、Al2O3、SiO2のモル%を示すx、y、zは、EPMA(Electron Probe Micro Analysis)法、XRD(X−ray Diffraction:X線回折)法等の分析方法で特定できる。
また、本発明の誘電体線路2用のセラミックスは、主結晶相がコーディエライト(2MgO・2Al2O3・5SiO2)であり、他の結晶相としてムライト(3Al2O3・2SiO2)、スピネル(MgO・Al2O3)、プロトエンスタタイト{メタ珪酸マグネシウム(MgO・SiO2)を主成分とするステアタイトの一種}、クリノエンスタタイト{メタ珪酸マグネシウム(MgO・SiO2)を主成分とするステアタイトの一種}、フォルステライト(2MgO・SiO2)、クリストバライト{珪酸(SiO2)の一種}、トリジマイト{珪酸(SiO2)の一種}、サファリン(Mg、Alの珪酸塩の一種)等が析出する場合があるが、組成によってその析出相が異なる。なお、本発明のセラミックスではコーディエライトのみからなる結晶相であってもよい。
本発明の誘電体線路2用のセラミックス(誘電体磁器組成物)は、以下のようにして製造する。原料粉末として、例えばMgCO3粉末、Al2O3粉末、SiO2粉末を用い、これらを所定割合で秤量し、湿式混合した後乾燥し、この混合物を大気中において1100〜1300℃で仮焼した後、粉砕し粉末状とする。得られた粉末に適量の樹脂バインダを加えて成形し、この成形体を大気中1300〜1450℃で焼成することにより得られる。原料粉末中に含まれるMg、Al、Siの元素から成る原料粉末は、それぞれ酸化物、炭酸塩、酢酸塩等の無機化合物、もしくは有機金属等の有機化合物のいずれであってもよく、焼成により酸化物となるものであれば良い。
なお、本発明の誘電体磁器組成物の主成分は、Mg、Al、Siの複合酸化物を主成分とし、60GHzでのQ値を1000以上であるという特性を損なわない範囲で、上記元素以外に、粉砕ボールや原料粉末の不純物が混入したり、焼結温度範囲の制御、機械的特性向上を目的に他の成分を含有させても良い。例えば、希土類元素化合物、Ba、Sr、Ca、Ni、Co、In、Ga、Ti等の酸化物、ならびに窒化ケイ素等の窒化物などの非酸化物である。これらは単独または複数種が含まれていても良い。
本発明でいう高周波帯域は、数10〜数100GHz帯域のマイクロ波帯域およびミリ波帯域に相当し、例えば30GHz以上、特に50GHz以上、更には70GHz以上の高周波帯域が好適である。
さらに、誘電体線路2のその他の材料として、テフロン(R)、ポリスチレン、ガラスエポキシ樹脂等の樹脂系のもの、アルミナセラミックス、ガラスセラミックス、フォルステライトセラミックス等のものでもよいが、誘電特性、加工性、強度、小型化、信頼性等の点でコーディエライトセラミックスが好ましい。
本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変更は何等差し支えない。
本発明のNRDガイドは、無線LAN、自動車のミリ波レーダー等に使用されるものであり、例えば自動車の周囲の障害物および他の自動車に対しミリ波を照射し、反射波を元のミリ波と合成して中間周波信号を得、この中間周波信号を分析することにより障害物及び他の自動車までの距離、それらの移動速度等が測定できる。
Cuからなる縦100×横100×厚み8mmの2枚の平行平板導体を用意し、これらの平行平板導体間に、コージェライトからなる高さ1.775mm×幅0.8mm×長さ30mmの誘電体線路を配置し、図8の非放射性誘電体線路を以下のようにして作製した。
終端器5は、誘電体線路2と同じ材質、断面形状を持つもので、長さは8.0mmとし、図のように内部にカーボン含有ペーストからなる抵抗体材料のペーストを塗布、乾燥させて電波吸収体6のパターンを形成した。ペーストの塗布方法としては、スクリーン印刷法とし、電波吸収体の塗布量を制御し、電波吸収体硬化時に加重を変えて固定することで様々な厚み、幅、および、位置ずれの電波吸収体6層を形成した。電波吸収体6の長さは、終端器用誘電体線路片の長さと同じ8.0mmで、切れ込み部の長さは4.0mm、幅は0.8mmとした。
76.5GHzの高周波信号において、電波吸収体の厚さTが、伝送損失(反射率)に与える影響を表1に示す。
本発明品は電波吸収体の膜厚を管理することで、反射率の小さな良好な終端器特性を有するものを作製可能である。
量産時のおける作製上の制約等を考慮すると、電波吸収体の厚さTは、好ましくは、2≦T≦100μmである。また、より好ましくは、5≦T≦50μmである。
また、上記と同様にしてNRDガイドを作製し、76.5GHzの高周波信号において、電磁波の進行方向に対して垂直な電波吸収体の幅Wが、伝送損失(反射率)に与える影響を表2に示す。ここで、誘電体線路の幅をW1とする。
この表2の結果から明らかなように、電波吸収体の幅Wが、0.1mm≦W≦W1の領域では、実用上十分な反射特性であった。
また、上記と同様にしてNRDガイドを作製し、76.5GHzの高周波信号において、位置ズレεLが、伝送損失(反射率)に与える影響を表3に示す。
この表3の結果から明らかなように、電波吸収体の長さ方向の位置ズレεLが、εL≦5mmの領域では、実用上十分な反射特性であった。
1:平行平板導体
2:誘電体線路
3:平行平板導体
4:接着剤層
5:終端器
6:電波吸収体
7:減衰器
8:誘電体線路パターン
9:誘電体線路片
2:誘電体線路
3:平行平板導体
4:接着剤層
5:終端器
6:電波吸収体
7:減衰器
8:誘電体線路パターン
9:誘電体線路片
Claims (4)
- 高周波信号の波長λに対して間隔がλ/2以下である一対の平行平板導体間に、前記高周波信号が伝送される誘電体線路を介装して成る非放射性誘電体線路において、前記誘電体線路に減衰器および/または終端器を設けるとともに、該減衰器および/または終端器の内部に前記平行平板導体と平行に内部電波吸収体を設け、前記電波吸収体の厚さをTとしたとき、1≦T≦1000μmであることを特徴とする非放射性誘電体線路。
- 高周波信号の波長λに対して間隔がλ/2以下である一対の平行平板導体間に、前記高周波信号が伝送される誘電体線路を介装して成る非放射性誘電体線路において、前記誘電体線路に減衰器および/または終端器を設けるとともに、該減衰器および/または終端器の内部に前記平行平板導体と平行に内部電波吸収体を設け、前記非放射性誘電体の電波進行方向に対して、垂直方向となる前記電波吸収体の幅をW、誘電体線路の幅をW1としたとき、0.1mm≦W≦W1であることを特徴とする非放射性誘電体線路。
- 高周波信号の波長λに対して間隔がλ/2以下である一対の平行平板導体間に、前記高周波信号が伝送される誘電体線路を介装して成る非放射性誘電体線路において、前記誘電体線路に減衰器および/または終端器を設けるとともに、該減衰器および/または終端器の内部に前記平行平板導体と平行に内部電波吸収体を設け、前記電波吸収体の電波進行方向の位置ズレをεLとしたとき、εL≦5mmであることを特徴とする非放射性誘電体線路。
- 高周波信号の波長λに対して間隔がλ/2以下である一対の平行平板導体間に、前記高周波信号が伝送される誘電体線路を介装して成る非放射性誘電体線路において、前記誘電体線路に減衰器および/または終端器を設けるとともに、該減衰器および/または終端器の内部に前記平行平板導体と平行に内部電波吸収体を設け、前記電波吸収体の幅方向の位置ズレをεWとしたとき、εWは誘電体幅を超えないことを特徴とする非放射性誘電体線路。
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