JP3559305B2 - 膝関節用サポータ - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、もっぱら膝関節の治療に用いられる膝関節用サポータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
膝関節は人体の体重を受けた状態で屈曲する部位であるため、とりわけ運動時においては捻ったりして損傷しやすい。それを治療するには、無理な力がかからないように膝関節を固定する必要があるが、その装具として例えば図5に示すようなサポータが使用されている。
【0003】
すなわち、このサポータ1は膝関節を包むように形成された伸縮性の布地からなる幅広のサポータ本体2を有し、同サポータ本体2には膝関節に巻回したときに膝の両側に位置し、その曲がる方向を規制して損傷部に負担がかからないようにする補強部材3,3が設けられている。
【0004】
サポータ本体2の一方の端部の表面には、面状ファスナ4の一方、例えば雄側4aが設けられているとともに、他方の端部の裏面には面状ファスナ4の雌側4bが設けられ、両者で固定部を構成している。なお、面状ファスナ4の雌側4bは、通常、起毛パイル地で代用されている。
【0005】
補強部材3,3は所定長さの偏平な帯状体からなり、その面に直交する方向には弾性変形可能であるが、その面に平行な方向には変形し難いように形成され、膝に巻いたときに例えば膝関節部の両側部に位置するように設けられている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
このように、この種のサポータ1では、膝関節に沿って巻き付けたときに補強部材3,3が膝関節部の両側部に位置するように設定されているが、脚部の太さが個人ごとに異なることから、サイズの異なるサポータを多数用意しておく必要があった。
【0007】
また、サイズが合ったとしても補強部材3,3の位置までぴったりと合うことは少なく、サイズおよび補強部材3,3の位置がどの患者にも合うような装具が望まれていた。
【0008】
さらには、損傷の状態によっては、固定箇所を変える必要があるが、従来の補強部材3,3はその位置が決められているため、そのような場合には、別途にギプス用包帯などを用いて、例えばサポータ本体2の上からさらに患部を締め付けるようにしなければならない、という不便さがあった。
【0009】
本発明は、このような従来の装具の実情に鑑みてなされたもので、その目的は、脚の関節部の太さや固定すべき位置に関係なく、所望の保持が可能な膝関節用サポータを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明は、伸縮性を有する布地からなり、膝関節に沿って巻回されるサポータ本体と、上記膝関節の所定方向の動きを制限する少なくとも2つの補強部材とを備えてなる膝関節用サポータにおいて、上記補強部材は上記サポータ本体と別体に形成された偏平な帯状体からなり、その内部にはコイルばねを側方に押し潰した形状のスパイラルばねからなる弾性材が備えられ、かつ、表面には上記サポータ本体を相手方とする面状ファスナが設けられているとともに、上記帯状体の全長が上記膝関節の上下2箇所の周りをそれぞれ巻回し得る長さであることを特徴としている。
【0011】
【作用】
使用にあたっては、まず、サポータ本体を患部である膝関節部に巻き付けて、その両端に設けられている固定部によって固定する。この固定は、例えばサポータ本体の表面に形成された面状ファスナの雄側を、同サポータ本体の裏面に形成されている面状ファスナの雌側に重ねることにより行なわれる。
【0012】
しかる後、膝関節の患部の状態に応じ、曲がってはいけない方向に補強部材の面が平行になるように面状ファスナを利用して、補強部材をサポータ本体の特定の位置に取り付ける。これによって、関節の動きが規制され、必要な保持が保証される。
【0013】
その際、サポータ本体は面状ファスナなどの固定部によってサイズに規制されずに巻回でき、補強部材は制限する位置と制限する方向を勘案して、サポータ本体の任意の個所に取り付け可能なので、補強部材の機能を適確に発揮することができる。
【0014】
【実施例】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施例について説明する。図1は本発明の一実施例に係る膝関節用サポータ1Aの斜視図である。なお、以下の説明において、先に説明した図5の従来例と同等な各部には同一の参照符号を付し、重複する説明は省略する。
【0015】
本発明において前述の従来例と異なる個所は、図5の従来例においては、補強部材3はサポータ本体2の所定個所にあらかじめ固定されていたが、本発明においては、補強部材5はサポータ本体2とは別体の偏平な所定長さの帯状体として独立して形成されており、その表面の一側にはサポータ本体2の裏面に設けられている起毛パイル地を相手方とする面状ファスナ5aが形成されている。
【0016】
図2の要部を切り欠いた斜視図に示されているように、この補強部材5の内部には、例えば2条にわたってばね6が平行に設けられている。これらのばね6は、同図からも分かるように線状のばね材を巻いてコイル状にし、そのコイル状にしたものを横にずらして潰したような形状をしており、一般的にはスパイラルばねと称されている。その他、特に説明しない各部はすべて前述の従来例と同等に構成されている。
【0017】
このように構成されたサポータ1Aは、図3の使用状態を示す説明図から分かるように、膝関節部7の回りにサポータ本体2を巻回し、固定部としての面状ファスナ4a,4b(図5参照)によって固定される。
【0018】
しかる後、補強部材5を患部の状態に合わせて最適であると考えられる部位に面状ファスナ5aを利用して取り付ける。この実施例では、脚部8の長さ方向とほぼ並行な方向に取り付けてある。なお、通常は図3では見えない反対側にも同じ補強部材5が接着され、両者で膝関節部7の動きを規制し、膝関節部7への負担を軽減している。
【0019】
図4は、この膝関節用サポータ1Aの他の使用状態を示す説明図で、図3の場合とは補強部材5の取付方向が異なる例である。この場合には、補強部材5は、脚部8の長さ方向に対して直交する方向に巻回するような形で、すなわち膝の上下2箇所の位置で補強部材5が面状ファスナ5aにより接着されて膝関節部7の動きを規制し、膝関節部7への負担を軽減している。その他、特に説明しない各部は、すべて図3に示した実施例と同等に構成してある。
【0020】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば以下のような効果が奏される。すなわち、サポータ本体の表面には面状ファスナの一方が全面的に設けられ、補強部材の内部には方向性をもって弾性変形可能な弾性材であるコイルばねを側方に押し潰した形状のスパイラルばねが備えられ、かつ、その表面には上記面状ファスナの一方に付着する面状ファスナの他方が設けられているとともに、補強部材の全長を上記膝関節の上下2箇所の周りをそれぞれ巻回し得る長さとしたことにより、サポータ本体を膝関節部に巻回した後、任意の方向(例えば、図3もしくは図4の方向)に取り付けて膝関節部を保持できるので、膝の関節部の太さや固定すべき位置に関係なく、所望の保持が可能となる。
【0021】
また、弾性材としてコイルばねを側方に押し潰した形状のスパイラルばねを用いたことにより、補強部材の面に平行な方向の弾性変形も若干許容するので、適切な保持力を有した上で、不自然な保持力を発揮することなく自然な装着感を得ることができ、使用者への負担を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る膝関節用サポータの分解斜視図。
【図2】同実施例に係る補強部材の内部構造を示す一部切り欠き斜視図。
【図3】同実施例に係る膝関節用サポータを膝関節部に装着した状態を示す斜視図。
【図4】同実施例に係る膝関節用サポータを膝関節部に装着した他の状態を示す斜視図。
【図5】従来例に係る膝関節用サポータの斜視図。
【符号の説明】
1A 膝関節用サポータ
2 サポータ
4 面状ファスナ
4a 面状ファスナの一方
4b 面状ファスナの他方
5 補強部材
5a 面状ファスナ
6 ばね
7 膝関節部
8 脚部

Claims (1)

  1. 伸縮性を有する布地からなり、膝関節に沿って巻回されるサポータ本体と、上記膝関節の所定方向の動きを制限する少なくとも2つの補強部材とを備えてなる膝関節用サポータにおいて、
    上記補強部材は上記サポータ本体と別体に形成された偏平な帯状体からなり、その内部にはコイルばねを側方に押し潰した形状のスパイラルばねからなる弾性材が備えられ、かつ、表面には上記サポータ本体を相手方とする面状ファスナが設けられているとともに、上記帯状体の全長が上記膝関節の上下2箇所の周りをそれぞれ巻回し得る長さであることを特徴とする膝関節用サポータ。
JP06904694A 1994-03-14 1994-03-14 膝関節用サポータ Expired - Lifetime JP3559305B2 (ja)

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