JP3429527B2 - 医療用支持材 - Google Patents

医療用支持材

Info

Publication number
JP3429527B2
JP3429527B2 JP13698693A JP13698693A JP3429527B2 JP 3429527 B2 JP3429527 B2 JP 3429527B2 JP 13698693 A JP13698693 A JP 13698693A JP 13698693 A JP13698693 A JP 13698693A JP 3429527 B2 JP3429527 B2 JP 3429527B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fiber
resin
rigidity
reinforced plastic
support
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP13698693A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH06319791A (ja
Inventor
家嗣 山藤
靖則 村野
勝昭 塩野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Alcare Co Ltd
Mitsubishi Chemical Corp
Mitsubishi Rayon Co Ltd
Original Assignee
Alcare Co Ltd
Mitsubishi Chemical Corp
Mitsubishi Rayon Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Alcare Co Ltd, Mitsubishi Chemical Corp, Mitsubishi Rayon Co Ltd filed Critical Alcare Co Ltd
Priority to JP13698693A priority Critical patent/JP3429527B2/ja
Publication of JPH06319791A publication Critical patent/JPH06319791A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3429527B2 publication Critical patent/JP3429527B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Materials For Medical Uses (AREA)
  • Orthopedics, Nursing, And Contraception (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は医療分野の装具類に用い
ることに適する支持材に関する。更に詳しくは、整形外
科疾患、外傷性疾患、関節炎性疾患、脈管系疾患、神経
系疾患で局所の固定又は支持あるいは免荷、変形の矯
正、機能の増進、不随意運動の制御、安定性のため支持
機能付きサポーター、ブレース、更正装具、義肢と呼ば
れる装具類の支持、カフおよび本体用の材料として有用
な熱可塑性樹脂と強化繊維からなる医療用支持材に関す
る。 【0002】 【従来の技術】医療用支持材(以下単に支持材というこ
とがある。)とは、骨格筋系を四肢、体幹の外部から支
えることにより、機能障害の治療、維持、予防および患
部の保護を目的として適用される支持機能付きサポータ
ー、ブレース、更正装具および義肢装具といわれる各種
装具類に支持機能を付与するため使用されるものであ
る。一般に支持材はサポーター生地、弾力性で腰がある
生地の単体又は複合体、キャンバス、皮革、レザー等か
らなる単体又は複合体と組み合わせて用いられ、適用す
る部位にフィットするように設計される。 【0003】従来利用されてきた支持材としては、プラ
スチック製や金属製の材料からなるものが主体であっ
た。例えば支持機能付きサポーターの一つとして膝装具
を例に挙げると膝の左右、前後の不安定性を防止する目
的や、膝の屈伸角度を制限する目的として、ポリカーボ
ネート、ポリプロピレン、ナイロンや特殊エンジニアリ
ングプラスチック等の硬質プラスチック製支持材や硬質
アルミ合金、鉄、ステンレス等の金属製支持材をサポー
ター本体に取り付けて膝の安定性や屈曲の角度を制限す
るものがある。 【0004】また、他の支持機能付きサポーターには、
足関節用サポーター、手関節用サポーター、肩関節用サ
ポーター、軽度障害用の腰痛帯等の種類があるが、これ
らも前述した膝装具と同様な支持材素材が用いられてい
る。 【0005】また、ブレースは支持機能付きサポーター
を用いる対象者より、より高い固定、矯正、抑制固定お
よび体重の支持が必要なケースに用いられる。例えば頸
椎用、胸椎用、腰椎用等の体幹用のブレース、上肢用ブ
レース、下肢用ブレース等がある。これらに用いられる
支持材は、当然支持機能付きサポーターより、より高い
支持機能が要求されるため支持材も剛性が高く、耐久性
があり、体形にフィットするものが好ましいが、前記の
支持機能付きサポーターに利用されている硬質プラスチ
ックや金属を用い設計上厚みを厚くしたり、幅を広くし
たり、リブを設ける等を行ない強度アップして使用して
いる。更に、更正装具や義肢装具は前述のブレースより
更に支持機能中に剛性やフィッテング性が求められるた
め、硬質プラスチックや金属からなる支持材は厚くなっ
たり、幅広になったり、また加工に技術力や時間が必要
となっている。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】このように従来用いら
れてきた硬質プラスチック製支持材は、剛性および耐久
性面で劣り、これを高めようとすると厚くしたり、幅を
広くしたり、リブを設ける等をしなければならず、その
ため支持材が突出する、蒸れる、金型に費用がかかると
いう欠点がある。又金属製の支持材も硬質プラスチック
製と同様の欠点を有する上に、重い、また体形にフィッ
ティング加工が容易にできないという問題点がある。 【0007】本発明の目的は、繊維強化プラスチックを
用いた医療分野の装具類に適する支持材を提供すること
にある。より詳しくは、整形外科分野、リハビリテーシ
ョン分野で主に用いられる装具類に用いる支持材で、重
要な機能である軽量で、コンパクトで、剛性が高く、且
つ耐久性があり、更に必要に応じて現場で容易にフィッ
テング加工、又は修正が可能な医療用支持材を提供する
ことにある。 【0008】 【課題を解決するための手段】本発明は上記の目的を達
成するためになされたものである。すなわち本発明は、
強化繊維とアクリル系樹脂、ポリアミド樹脂、ポリ塩化
ビニール樹脂、ポリスチレン樹脂、ABS樹脂、ポリア
セタール樹脂、ポリカーボネート樹脂またはポリエステ
ル樹脂から選択された熱可塑性樹脂からなる繊維強化プ
ラスチックであって、長手方向の曲げ剛性が1×104
〜1×107 kg/mm2 、ねじり剛性が1×104
1×107 kg/mm2 であり、強化繊維が導入された
表面層と強化繊維が導入されていない内層からなり、且
つ、強化繊維の体積含有率が0.1〜30%で、60〜
300℃の範囲に加熱することにより後加工可能である
ことを特徴とする医療用支持材にある。 【0009】以下、本発明を詳細に説明する。強化繊維
と熱可塑性樹脂からなる繊維強化プラスチックにおい
て、長手方向の曲げ剛性が1×104 〜1×107 kg
/mm2 の範囲にあり、且つ、ねじり剛性が1×104
〜1×107 kg/mm2 の範囲にあり、繊維体積含有
率が0.1〜30%で、繊維強化プラスチックの表面層
に強化繊維が導入され、内層に強化繊維が導入されてい
ない多層構造を形成しているため種々な構造を採りう
る。例えば板状物であれば板の上下の表面に強化繊維を
配向させたサンドイッチ構造体が考えられ、曲げ構造お
よびねじり剛性を発現させるのに適している。更に幅が
小さい場合には、断面の外周に強化繊維を配置させたモ
ノコック構造体にすれば厚み方向にも繊維補強がなされ
るためサンドイッチ構造体以上に強化され、剛性を効果
的に発現するため有利である。 【0010】添付の図1、図2は、本発明を理解するた
めの模式図で、図1a、2aは板状物の見取り図、図1
bは図1aのX−X面、図2bは図2aのY−Y面の断
面図である。図において1は繊維強化プラスチック、
2、3は強化繊維を含む表面層、4は熱可塑性樹脂から
なる芯材層である。 【0011】本発明において繊維強化プラスチックは、
強化繊維を表面層に導入しているが全表面層に導入しな
くともよく、表面層に強化繊維を導入する割合として
は、全表面層の65%以上100%未満が良い。この範
囲を達成し、且つ剛性を発現する構造としてはサンドイ
ッチ構造やモノコック構造が最も好ましい。材料の厚さ
は医療用支持材としてかさばらなければよい。望ましく
は13mm以下が良く、更に望ましくは6mm以下が良
い。 【0012】通常の複合材料では強化繊維体積含有率は
30〜70%で使用することが多い。これは構造材料に
使用する際、剛性と同時に強度が要求されるためにこの
様な高い含有率になっている。しかし大きな荷重がかか
らない様なところで使うときには繊維含有率を多くする
必要はない。本発明においては繊維体積含有率は0.1
〜30%とするのが好ましい。繊維体積含有率が30%
以上であると医療用支持材としては過剰仕様となり、材
料費が高くなるし製造コストも上昇する。また、加工や
熱変形が難しくなる。モノコック構造体やサンドイッチ
構造体にすれば繊維体積含有率を30%以下の範囲で効
果的に剛性を発現できる。さらに強化繊維は繊維強化プ
ラスチックの表面付近に配向させると曲げやねじり変形
に対して有効である。しかも変形の方向に適合した繊維
配向をとると更に有効である。 【0013】繊維強化プラスチックの強化繊維として
は、高弾性、高強度の繊維からなる一方向配向材、織
物、編物、チョップ、ランダムマットでこれらを2種以
上組み合わせたものでもよい。また、繊維の素材として
は、炭素繊維、ガラス繊維が好ましいが炭化珪素繊維、
アルミナ繊維、金属繊維等の無機繊維、およびアラミド
繊維、ポリエチレン繊維、ポリイミド繊維等の有機繊維
が使用できる。また、これらの2種以上の繊維を組み合
わせて使用することもできる。これらの繊維の中でも炭
素繊維を用いると比剛性が高く、高い剛性を発現させる
のに適している。 【0014】炭素繊維の引張り弾性率は、汎用タイプが
24×103 kg/mm2 で本発明の剛性は充分に得ら
れる。より好ましくは、高弾性の炭素繊維である引張り
弾性率40×103 kg/mm2 以上のものを使用する
と、より剛性の高い支持材が得られる。更にこれらの炭
素繊維は一方向配向材、チョップ、ランダムマット、編
物、織物等に加工して使用することができる。また後加
工性を重視する場合は、医療用支持材の長さ方向に強化
繊維を配置することは避け、幅方向又は斜め方向に配置
することが好ましい。 【0015】熱可塑性樹脂としては、繊維強化プラスチ
ックが60〜300℃の範囲で後加工可能な樹脂でなけ
ればならない。医療用支持材として好ましい熱可塑性樹
脂としては、使用場所、目的により異なるが加工性の
面、耐久性の面よりアクリル系樹脂、ポリアミド樹脂、
ポリ塩化ビニール樹脂、ポリスチレン樹脂、ABS樹
脂、ポリアセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ
エステル樹脂がある。 【0016】熱可塑性樹脂の選択としては、使用部位、
使用目的により剛性、摩擦特性、加工性を考慮すること
が必要である。また、患者の体型に合わせてドライヤー
等で加熱して材料が60〜300℃になった後、加工で
きることが必要である。例えば剛性を重視する場合は、
前記記載の樹脂中分子量の高い品種を選ぶと有利であ
り、また加工性を重視する場合は低軟化度の品種を選ぶ
ことが有利である。 【0017】本発明の医療用支持材を得る方法として
は、強化繊維の一方向繊維束、チョップ、ランダムマッ
ト、編布、織布等に熱可塑性樹脂を含浸し、強化繊維の
含有率の高いシートを作製する。このシートを芯材とな
る熱可塑性樹脂の表面に設置し、加熱プレス熱融着する
ことにより上述のサンドイッチ構造体やモノコック構造
体の複合材料が得られる。また必要に応じて強化繊維の
含有率の高い薄いシートを数枚を種々な方向で重ねても
良い。 【0018】この様にして得られた強化繊維複合材料
は、NCフライスやNCルーター等で種々な形状に切り
出す方法が一般的である。医療用として、また、量産性
の面より好ましい方法は前記した強化繊維の含有率の高
い薄いシートを目的にあわせた形状に切り出し、これを
射出成形型にセットし、この型に熱可塑性樹脂を射出し
て得る方法が生産性においてすぐれる。 【0019】本発明において強化繊維プラスチックは、
曲げ剛性が1×104 〜1×107kg/mm2 の範囲
内にあり、且つねじり剛性が1×104 〜1×107
g/mm2 の範囲内にあるのが望ましい。この範囲以上
になれば医療用支持材としては硬すぎ、また弾力性がな
く体になじまない。さらに患者にあわせて後加工させる
のが難しくなる。また、この範囲以下にあると軟らかす
ぎて医療用支持材として好ましくない。更に、好ましい
適正な剛性範囲は1×105 〜1×106 kg/mm2
の範囲にあり、且つねじり剛性が1×105 〜1×10
6 kg/mm2の範囲内にあるのが望ましい。 【0020】また、曲げ剛性に対するねじり剛性の比率
は、2/3〜2の範囲内にあるのが剛性のバランスから
みて望ましい。剛性レベルは強化繊維体積含有率、繊維
配向、板状物の断面形状及び寸法で自由に設計できる。
剛性レベルに合わせてバランスよく設計するのが医療用
支持材の安全性、加工性、経済性から見て好ましい。 【0021】 【作用】本発明においては、強化繊維を繊維強化プラス
チックの表面層に導入したことによって強化繊維を必要
最小限の使用で、且つ充分な曲げ剛性が得られる。また
強化繊維は繊維強化プラスチックの表面層にのみあり、
強化繊維含有率が30%以下であるため加熱により容易
に曲げ加工が可能となる。 【0022】 【実施例】次に、本発明の実施例について説明する。実
施例では本発明において用いる繊維強化プラスチック
と、従来品であるプラスチック及び金属とを同一幅、厚
み、同一長で剛性、後加工性(150℃,50℃)の比
較、及び医療用支持材としての機能性評価をおこなっ
た。 【0023】実施例1 [繊維強化プラスチックの作
製] 本発明の繊維強化プラスチックはアクリル樹脂を炭素繊
維として三菱レイヨン(株)製TR3110(商品名)
炭素繊維クロスに含浸し、厚さ0.3mm、繊維体積含
有率40%シートの熱可塑性樹脂マトリックスクロスシ
ート(クロスシート)を作製した。また炭素繊維とし
て三菱レイヨン(株)TR30 12kf(商品名)を
引き揃えた一方向炭素繊維シートにアクリル樹脂を含浸
し、厚み0.16mm繊維体積含有率51%の熱可塑性
樹脂マトリックス炭素繊維一方向シート(UDシート)
を得た。 【0024】以上2種類のシートをサンドイッチ構造体
の表面材として25mm幅、長さ200mmの形状に切
り抜き、また芯材としては三菱レイヨン(株)製アクリ
ライト(アクリル樹脂、登録商標)S3mm厚板をルー
ターで25mm幅、長さ200mmの形状に切り抜い
た。シートの繊維配向はクロスシートを±45°に、
UDシートを0°に組み合わせて積層した。これら
,間に芯材を挟み込み、150℃に加熱した金型に
入れた後、プレスし冷却するのを待って取りだし繊維強
化プラスチックを作製した。 【0025】実施例2 実施例1で作製したUDシートをアクリライト芯材の
上からシートを0°,+45°,−45°の順でプレ
スで熱融着させながら巻回し、厚さ4mm、幅25m
m、長さ200mmのモノコック構造の強化繊維プラス
チックを作製した。 【0026】実施例3 実施例1で作製したクロスシートとUDシートを、
0°/90°と0°との組み合わせで他は実施例1と同
様に板状の繊維強化プラスチックを作製した。 【0027】実施例4 実施例1で作製したクロスシートを±45°に積層し
て表面材に用い、他は実施例1,2と同様にサンドイッ
チ構造の板状の繊維強化プラスチックを作製した。 【0028】実施例5 アクリル樹脂を炭素繊維クロスに含浸させ厚さ0.3m
m、繊維体積含有率60%のシート(クロスシート)の
を作製した。また炭素繊維TR30 12kfを引き
揃えた一方向性炭素繊維シートにアクリル樹脂を含浸
し、厚さ0.16mm、繊維体積含有率70%の熱可塑
性マトリックス炭素繊維一方向(UDシート)を得
た。上記シート,各2枚づつサンドイッチ構造体の
表面材として幅25mm、長さ200mmの板状物の形
状に切り抜き、また芯材としてはアクリライトS3mm
厚板をルーターで幅25mm、長さ200mmの板状物
に切り抜き、これらシート,を2枚づつ実施例1と
同様に設置し、実施例1と同様の方法により繊維強化プ
ラスチックを作製した。 【0029】実施例6 実施例3と同じ素材で繊維体積含有率30%のクロスシ
ートと、繊維体積含有率30%のUDシートを得
た。この2種類の表面材,を実施例1と同様に加工
して繊維強化プラスチックを作製した。 【0030】実施例7 実施例4と同じ素材で芯材のアクリル樹脂の厚みを増し
て7mm厚、幅25mm、長さ200mmの繊維強化プ
ラスチックを作製した。 【0031】実施例8 実施例4と同じ素材で芯材のアクリル樹脂の厚みを増し
て14mm厚、幅25mm、長さ200mmの繊維強化
プラスチックを作製した。 【0032】実施例9 実施例1で作製した2種類のシート,をサンドイッ
チ構造体の表面材として幅25mm、長さ200mmの
形状に切り抜いた。これを25mm幅、200mm長の
射出成形金型内の上下面に片面当たりシート,をそ
れぞれ1枚づつ設置し、シートの中間にアクリル樹脂を
射出してサンドイッチ構造体板を作製した。押出機のシ
リンダー温度は250℃、射出圧は180kg/cm
2 、型内保持時間は10秒で行なった。あらかじめシー
ト,は熱融着して仮止めしたのち金型内に設置し
た。 【0033】実施例10 ポリアミド樹脂ナイロン12のペレットを粉砕して平均
粒径30μmの粉末状にし、これを炭素繊維TR311
0とTR30一方向繊維束にまぶした後、それぞれプレ
ス成形して繊維体積含有率40%、厚さ0.30mmの
クロスシートと、繊維体積含有率45%、厚さ0.1
8mmのUDシートを作製した。プレスの温度は25
0℃、圧力20kg/cm2 で1時間保持してマトリッ
クス樹脂を含浸させた。このシート,を実施例9と
同じ積層構成、同じ製造法で繊維強化プラスチックサン
ドイッチ構造体を作製した。シリンダー温度は280
℃、射出圧は800kg/cm2 、型内保持時間は20
秒で成形した。またこの繊維強化プラスチックの後加工
性の検討は250℃、50℃で実施例1〜9と同様に行
なった。 【0034】実施例11 実施例1と同じ素材および積層構成で幅20mm、厚さ
4mm、長さ170mmの繊維強化プラスチックを作製
した。 【0035】実施例12 実施例3と同じ素材および積層構成で厚さ2mm、幅6
0mm、長さ200mmの繊維強化プラスチックを作製
した。 【0036】実施例13 実施例4と同じ素材および積層構成で厚さ2mm、幅8
0mm、長さ700mmの繊維強化プラスチックを作製
した。 【0037】実施例14 実施例4と同じ素材および積層構成で厚さ2mm、幅2
50mm、長さ250mmの繊維強化プラスチックを作
製した。 【0038】比較例1 本発明と比較するためプラスチックは本発明の実施例で
用いたアクリライトS4mm厚板をルーターで幅25m
m、長さ200mmに切り抜いて作製した。 【0039】比較例2 本発明と比較するため鉄S55Cで4mm厚、25mm
幅、200mm長の板を作製した。 【0040】以上の実施例1〜10と比較例1、2繊維
体積含有率、表面材の全表面に占める割合の曲げ剛性、
ねじり剛性及び後加工性の検討結果を一括して表1に示
す。後加工性は、150℃及び50℃温度に設定した恒
温炉の中に10分放置した後、手で折り曲げたときの曲
げやすさを示す。また医療用支持材として優劣は剛性
値、厚み等から判断した。 【0041】 【表1】 【0042】実施例1、2は曲げ剛性、ねじり剛性とも
に1×104 〜1×107 kg/mm2 の範囲にあり、
後加工性、医療用支持材として申し分なかった。実施例
3は、上記剛性範囲に入っていて150℃の後加工性は
良かったが医療用支持材としての剛性バランスとしては
実施例1、2に比べ劣っていた。実施例4は、曲げ剛性
がねじり剛性に比べて低かった。実施例5、6では表面
材の繊維体積含有率の高いものと低いものを用いたが剛
性としては充分に上記範囲を満足しており、150℃の
後加工性も充分であった。 【0043】実施例7は、剛性値の水準としては非常に
高いが、厚みが7mmと厚いのでかさばる点が少し問題
であった。実施例8は、実施例7と同様に剛性値の水準
としては非常に高いが、厚みが14mmと厚く、やはり
かさばる点が問題であった。実施例9は、ばり取りを行
ない実施例1と同様のサンドイッチ構造体を作製でき
た。剛性や加工性は実施例1とほぼ同様であった。以
上、実施例1から10の50℃の後加工性はどの材料も
硬くて、手で折り曲げるのは容易ではなかった。 【0044】一方、樹脂単独で作った比較例1は、剛性
的に上記剛性範囲より低く後加工性には優れるものの医
療用支持材としては不十分であった。また、逆に金属で
作った比較例2は、剛性としては充分であるが後加工性
に劣った。 【0045】次に、本発明を各種医療用具に利用した実
施例を示す。図3は、本発明の医療用支持材を支持機能
付きサポーターに応用した例である。支持材10は前記
実施例1記載の素材及び構成により幅20mm、長さ1
70mmに作製した繊維強化プラスチックを用いた。図
3aは膝用の支持機能付きサポーターの側面図、図3b
はその正面図である。図3cは本例に用いた支持材10
の正面図、図3dは平面図で、この支持材10は、2本
の繊維強化プラスチック1、2をカギ状に加工し、互い
に向き合う一端11、12に穴をあけ、ビス13にて結
合したものである。この支持材10の両端を伸縮性で腰
のあるサポーター生地14の表面に支持材カバー15、
16、17、18を上腿部側19と下腿部20に縫合結
合させ、この支持材カバー15、16、17、18に両
端を差し込み組み合わせたものである。尚、上腿部19
の背面側上部に補助ストラップ21と、下腿部20正面
側上部と背面側下部にも補助ストラップ22、23が取
り付けられている。 【0046】図4は、別の応用例で、足関節用の支持機
能付きサポーターである。本例に用いた支持材30、3
1は前記実施例3の素材と構成で厚みを2mmに作製し
た繊維強化プラスチックを用いた。図4aは、本発明例
の足関節用支持機能付きサポーターの展開図で、図4b
は足関節に装着した状態を示している。支持材30、3
1は足関節の内、外側にフィットするように熱プレスに
て加工し、且つ足関節本体と着脱できるよう面ファスナ
ー32、33、34、35が内側に設けられている。符
号36は止め具で面ファスナー37、38を設け着脱を
容易にしている。又、符号39はサポーターを足関節に
固定するための締め具である。 【0047】図5は、足関節用の装具への別の応用例
で、図5aは見取り図、図5bは装着したところであ
る。支持材40は下腿の上部よりスパイラル状に下方に
向かい足底に達する形状の物で一体的に作られている。
この支持材は実施例4の素材と構成で厚みを2mm下肢
上部から足底43をスパイラル状に装着できる長さ約7
00mm繊維強化プラスチックからなり、これを加熱軟
化させ足型の木型に巻き付け形成したものである。支持
材40の上部には下腿に巻き付け固定するための伸縮性
バンド41がビス42より結合されている。 【0048】図6は、腰痛帯用の応用例で、図6a、6
bは装着時状態の正面見取り図、側面見取り図である。
図6cは、支持材の拡大した正面図である。この支持材
50、51は前記実施例4に記載の素材と構成により厚
み2mm幅250mm長さ250mmに形成した繊維強
化プラスチックシートである。この繊維強化プラスチッ
クシートを台形にカットし、加熱プレス機にて腰背部に
フィットするように成形し、腰背部の左右にフィットす
る支持材50、51を作製した。支持材50、51は、
腰痛帯本体52の内側で腰背部の腰椎をはさみ、左右に
設けられた内ポケット53、54に挿入されて使用され
る。 【0049】表2に、図3、図4、図5、図6の応用例
で使用した支持材の一例として実施例11、12、1
3、14の剛性、後加工性、支持材の評価を示す。後加
工性の評価は実施例1〜10と同様にして行なった。実
施例11、12、13、14の何れも支持材として充分
な性能を示していた。 【0050】 【表2】【0051】 【発明の効果】本発明によれば、強化繊維を繊維強化プ
ラスチックの表面に導入したことにより曲げ剛性、ねじ
り剛性を大幅に向上させることができ、そのため繊維強
化プラスチックを薄く、また幅も小さくでき、その結果
コンパクトで軽量、且つ厚みを薄くした支持材とするこ
とができる。また、強化繊維の体積含有率を30%以下
にすることにより医療用支持材としての曲げ剛性、ねじ
り剛性、耐久性等をクリヤーし、加工性もドライヤー程
度で可能で、簡易な支持機能付きサポーターから義肢装
具迄利用できる有能な医療用支持材である。 (追記) 上記補正において、補正事項3は、実施例10は実施例
9と同じ積層方法、同じ製造法で繊維強化プラスチック
サンドイッチ構造体を作成したものであることは表1か
らも明らかであり、「実施例9」とすべきところを「実
施例10」と誤記したものであり誤記の訂正に当たりま
す。補正事項4は、重複した文字を削除したものです。
また、補正事項5は、本発明による効果が向上している
ことは表1からも明らかで、「効果が大幅に向上」とす
べきところを「効果が大幅に構成」と誤記したものでこ
れを正したものであります。その他の補正は明らかな誤
記を正しい文字に補正したものです。以上、念のため申
し添えます。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明に用いる繊維強化プラスチックの模式図
である。 【図2】本発明に用いる繊維強化プラスチックの他の模
式図である。 【図3】本発明医療用支持材を支持機能付き膝用サポー
ターに応用した例を示す側面図、正面図及び支持材の側
面図、平面図である。 【図4】本発明医療用支持材を足関節用サポーターに応
用したサポーターの展開図、装着正面図である。 【図5】本発明医療用支持材を足関節用装具に応用した
例の正面図及び装着した側面図である。 【図6】本発明医療用支持材を腰痛帯用に応用した例の
正面図、側面図及び支持材の正面図である。 【符号の説明】 1 繊維強化プラスチック 2、3 強化繊維を含む表面層 4 芯材 10、30、31、40、50、51 支持材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 村野 靖則 愛知県名古屋市東区砂田橋四丁目1番60 号 三菱レイヨン株式会社 商品開発研 究所内 (72)発明者 塩野 勝昭 埼玉県鳩ケ谷市坂下町2丁目4番14号 (56)参考文献 特開 昭60−41969(JP,A) 特開 昭60−227762(JP,A) 特開 平4−219217(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61L 15/07 A61F 5/02 A61F 13/04 B29C 43/18

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 強化繊維とアクリル系樹脂、ポリアミド
    樹脂、ポリ塩化ビニール樹脂、ポリスチレン樹脂、AB
    S樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂ま
    たはポリエステル樹脂から選択された熱可塑性樹脂から
    なる繊維強化プラスチックであって、長手方向の曲げ剛
    性が1×104 〜1×107 kg/mm2 、ねじり剛性
    が1×104 〜1×107 kg/mm2 であり、強化繊
    維が導入された表面層と強化繊維が導入されていない内
    層からなり、且つ、強化繊維の体積含有率が0.1〜3
    0%で、60〜300℃の範囲に加熱することにより後
    加工可能であることを特徴とする医療用支持材。
JP13698693A 1993-05-17 1993-05-17 医療用支持材 Expired - Fee Related JP3429527B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13698693A JP3429527B2 (ja) 1993-05-17 1993-05-17 医療用支持材

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13698693A JP3429527B2 (ja) 1993-05-17 1993-05-17 医療用支持材

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH06319791A JPH06319791A (ja) 1994-11-22
JP3429527B2 true JP3429527B2 (ja) 2003-07-22

Family

ID=15188111

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP13698693A Expired - Fee Related JP3429527B2 (ja) 1993-05-17 1993-05-17 医療用支持材

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3429527B2 (ja)

Families Citing this family (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3559305B2 (ja) * 1994-03-14 2004-09-02 株式会社竹虎 膝関節用サポータ
JP3911645B2 (ja) * 1996-07-05 2007-05-09 中村ブレイス株式会社 手関節装具
JP4346117B2 (ja) * 1997-06-03 2009-10-21 アルケア株式会社 人体局所を支持・固定する装具用の支持部材およびこれを用いた装具
JP2001269366A (ja) * 2000-01-21 2001-10-02 Nikkiso Co Ltd 繊維強化プラスチック材及びこれを用いたキャスト材
US6464658B1 (en) * 2000-12-07 2002-10-15 Bsn Medical Inc. Custom-formable knee immobilizer product, knee immobilizer and method
KR100446556B1 (ko) * 2001-12-28 2004-09-04 주식회사 티엔알메디텍 골절고정을 위한 부목겸용 깁스부재
JP2004236811A (ja) * 2003-02-05 2004-08-26 Alcare Co Ltd 足関節サポーター
EP2520270A3 (en) * 2003-10-14 2013-03-06 ZOLL Circulation, Inc. Compression belt system for use with chest compression devices
US7410470B2 (en) 2003-10-14 2008-08-12 Zoll Circulation, Inc. Compression belt system for use with chest compression devices
US7404803B2 (en) 2003-10-14 2008-07-29 Zoll Circulation, Inc. Safety mechanisms for belt cartridge used with chest compression devices
US7354407B2 (en) 2003-10-14 2008-04-08 Zoll Circulation, Inc. Methods and devices for attaching a belt cartridge to a chest compression device
US10327940B2 (en) 2008-11-09 2019-06-25 3D Systems, Inc. Spiral brace
EP2914218B1 (en) * 2012-10-31 2019-03-20 3D Systems, Inc. Spiral brace
GB201416782D0 (en) 2014-09-23 2014-11-05 3M Innovative Properties Co Compression device
KR102298151B1 (ko) * 2019-09-30 2021-09-06 (주)라컴텍 척추 보호대 및 이의 제조방법

Also Published As

Publication number Publication date
JPH06319791A (ja) 1994-11-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3429527B2 (ja) 医療用支持材
US6146344A (en) Lower limb orthotic brace
US7749423B2 (en) Method of producing an orthotic brace or prosthetic device
US5312669A (en) Thermoplastic composite reinforcement and method for orthotic, prosthetic and other devices
US5573501A (en) Orthotic with indicia bearing layer
US7037286B1 (en) Wrist brace
US6945947B2 (en) Ankle-foot orthosis
US7597671B2 (en) Low-temperature reusable thermoplastic splint
CA2038948A1 (en) Protective outfits and their manufacturing methods
EP1114626A2 (en) Ankle-foot orthosis
US6267743B1 (en) Anatomically shaped medical bandages
ATE325589T1 (de) Orthopädisches gerät zur gangverbesserung
JP4346117B2 (ja) 人体局所を支持・固定する装具用の支持部材およびこれを用いた装具
US9751580B2 (en) Seat for bicycle saddles and the like, and method for its manufacturing
EP2679203A1 (en) Anti-migration pad for an orthopedic brace
US20150148724A1 (en) Enhanced thermoplastic materials for orthoses and prostheses
US20160074199A1 (en) Reinforced lower limb orthotic brace
JP3545523B2 (ja) 医療用支持材の成形方法
EP0970669B1 (en) Elbow brace with movable strap
JP2007162192A (ja) 身体に装着されるサポーター
US11730851B2 (en) Limb immobilization device
Edelstein et al. Orthotic Principles
EP4370076A1 (en) Ankle-foot orthosis and method for making the same
TWM628600U (zh) 可重複熱塑形之足體支撐護具
JPH0533628B2 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080516

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090516

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090516

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100516

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100516

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110516

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120516

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120516

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120516

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130516

Year of fee payment: 10

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130516

Year of fee payment: 10

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130516

Year of fee payment: 10

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees