JP2007162192A - 身体に装着されるサポーター - Google Patents

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Abstract

【課題】特に筋繊維と交差する方向へ力が発生する新規サポーターを提供すること。
【解決手段】身体に装着されるサポーター5であって、身体装着時に、該サポーター5に、筋繊維111(が延びる方向)と交差する方向であって、内旋、又は外旋方向のいずれか一方向へ該筋繊維を動かすように力が発生する。例えば、身体のいずかの部位を基点としてサポーター5を引っ張り、引っ張ったところで(図5中の破線部参照)、該筋繊維111上方の皮膚に密着させ、このとき発生する「引っ張り応力Y’ 」を利用して、サポーター5と共に、筋繊維111を動かしながら、所定の箇所Fで固定することによって、筋繊維111と交差する一定方向へ筋繊維を動かすようにする。
【選択図】 図5

Description

本発明は、身体に装着されるサポーターに関する。より詳しくは、筋繊維と交差する一定方向へ筋繊維を動かす力が発生するサポーターに関する。
身体各部の筋肉、及び関節の痛みを軽減するために、医療分野、民間医療分野、スポーツ分野などで、身体に装着されるサポーターが広く活用されている。
筋肉、及び関節の痛みの原因は様々であるが、例えば、老化による筋肉の衰えや過度な運動、不自然な運動により、筋肉が痛んだり、関節周囲の筋肉のバランスが崩れ、関節に負担がかかることにより、関節が痛んだりする場合が考えられる。
このような痛みを軽減するために、種々の機能を備えたサポーターがある。例えば、特許文献1には、弱った膝関節周囲の筋力の補助を行うことにより痛みを軽減できるサポーターが開示されている。このサポーターは、3つの伸縮性を有する補助部材を備えることが特徴である。
特許文献2には、関節部への保温性が高く、衝撃性をやわらげ得るサポーターが開示されている。このサポーターは、その編地の編み方に特徴がある。
特許文献3には、膝のツボを圧して、膝痛を軽減できる膝用サポーターが開示されている。このサポーターは、内表面側の中央部に高弾性のパットを突設し、このパットでツボを刺激することが特徴である。
特許文献4には、赤外線治療用サポーターが開示されている。このサポーターは、赤外線の吸収効率に優れたニットからなることが特徴である。
特開2002−191629号公報。 特開2004−68235号公報。 特開2001−174662 特開2001−214348
筋肉は、身体のあらゆる動きを司る。上肢や下肢、及び体幹などの筋肉は、骨格に付いてそれを動かすので、骨格筋と呼ばれ、骨とともに姿勢を作り出し、運動を可能にする。特に、上肢や下肢の筋肉は、関節をまたいで骨と骨とをつないでおり、その収縮によって関節を動かしている。
一般に筋肉、特にここでは骨格筋は、筋繊維方向に収縮し身体を動かしている。老化や過度な運動により、筋肉に痛みが生じたときは、筋肉の保護機能を備えたサポーターを使用したり、筋繊維方向への補強機能を備えたサポーターを使用したりすることで痛みを軽減することが一般的である。
また、老化や過度な運動により、関節周囲の筋肉のバランスが崩れ、関節痛を引き起こしている場合は、関節自体を保温する機能を備えたサポーターを使用したり、関節周囲の筋肉を筋繊維方向へ補強する機能を備えたサポーターを使用したりすることで関節の負担を軽くし、痛みを軽減することが一般的である。
しかし、骨格筋は横紋筋であるため、細長い繊維状の筋繊維が束になった構造をしており、ときには、筋繊維と交差する方向にズレが生じることがある。このズレによって筋肉自体に痛みが生じ、このズレが関節のズレにもつながって関節痛が生じることがある。このような痛みは、筋繊維方向の補強をしても軽減することが困難である。
また、全身に張り巡らされたリンパ管の中をリンパ液が流れており、このリンパ液は、疲労物質や老廃物を体外へ排出する役割を担っている。従来一般のサポーターでは、身体に装着されたときに身体を締め付けて強く圧迫してしまうことから、皮膚と筋肉の間に介在する筋膜における循環系、神経系、リンパ系に悪影響を与えてしまう。このため、新陳代謝が停滞し、筋肉の疲労、コリ、痛み、むくみなどを逆に発生させてしまう原因となる。
そこで、本発明は、身体装着時に、身体に対する圧迫力を緩和するとともに、筋繊維と交差する方向であって、内旋、又は外旋方向のいずれか一方向へ筋繊維を動かす力が発生する新規サポーターを提供することを主目的とする。
一般のサポーターは、筒状になったもので、上肢や下肢を挿入して患部を覆うように装着するものや、患部に巻きつけて覆ったり、圧迫したりするように装着するものが多い。しかし、本願発明者は、従来のサポーターの機能に係わる発想を大きく転換して、患部を覆ったり、圧迫したりする目的ではなく、筋肉(筋繊維)の位置、関節のズレ、身体の歪みなどの矯正に役立つ方向への力を発生させることができるサポーターを新規に案出した。
まず、本発明は、身体に装着されるサポーターであって、身体装着時に、筋繊維と交差する方向であって、内旋、又は外旋方向のいずれか一方向へ筋繊維を動かす力が発生するように形成するサポーターを提供する。
例えば、本サポーターは、サポーターの一部を基点となるように身体の装着部に固定し、そこから身体に対し内旋、又は外旋方向へ伸張させて、筋繊維に巻きつけるように装着し固定する。
本発明に係るサポーターは、伸縮性を備えるため、例えば、サポーターを身体に対し内旋方向に伸張し、同時に装着部の筋繊維を同方向へ動かしながら固定すると、「引っ張り力」が内旋方向に発生し、この「引っ張り力」がそのまま筋繊維に加わり、筋繊維が内旋方向に引っ張られる。逆に、サポーターを身体に対し外旋方向に伸張し、同時に装着部の筋繊維を同方向へ動かしながら固定すると、外旋方向に引っ張り力が発生し、筋繊維が外旋方向に引っ張られる。
また、サポーターのみを、身体に対し内旋方向に伸張させ、伸張させたところで、筋繊維上方の皮膚に密着させる。このときサポーターには、原形状に戻ろうとする外旋方向の「引っ張り応力」が発生する。この「引っ張り応力」を利用して、サポーターと共に、筋繊維を外旋方向へ動かしながら、所定の箇所で固定する。サポーターに発生した「引っ張り応力」は、そのまま筋繊維に加わり、筋繊維が外旋方向へ引っ張られる。逆に、サポーターのみを、身体に対し外旋方向に伸張させ、このとき発生する内旋方向の「引っ張り応力」を利用して、サポーターと共に、筋繊維を内旋方向へ動かしながら、所定の箇所で固定すると、この「引っ張り応力」がそのまま筋繊維に加わり、筋繊維が内旋方向へ引っ張られる。
ここで、本発明に係るサポーターは、従来のサポーターのように、圧迫して固定するという発想を大きく転換し、身体装着時に、筋繊維と交差する方向であって、内旋、又は外旋方向のいずれか一方向へ筋繊維を動かす力が発生するように形成するサポーターである。そのため、皮膚、筋膜、筋肉を圧迫することは、ほとんどなく、特に、筋膜における循環系、神経系、リンパ系に悪影響を及ぼすことはない。むしろ、「引っ張り力」又は「引っ張り応力」が、皮膚、筋膜、筋肉の全てに好適に働き、ひいては、循環系、神経系、リンパ系にも好影響を与え、リンパ液流や毛細管を流れる体液の流れを促進する。
このような身体装着時に身体に加わる圧迫力を、より緩和するために、本発明は、弾力性を有するサポーターを提供する。
次に、本発明は、身体の関節部位に装着されるサポーターを提供する。関節を挟む上部側筋繊維に加わる力と下部側筋繊維に加わる力は、同方向又は逆方向に発生させることが可能である。
前記力が生じるサポーターであれば、その形状は特に限定されないが、一例を挙げると、関節位置に定着する部位と、関節の上部側筋繊維位置に装着される第1伸縮部と、関節の下部側筋繊維位置に装着される第2伸縮部とを備えるサポーターとすることもできる。
そして、前記第1伸縮部の前記力の働く方向が身体に対し外旋方向であり、前記第2伸縮部の前記力の働く方向が身体に対し内旋方向であるサポーターも提供できる。
本発明に係るサポーターは、通気性を有する伸縮性材料から形成されることが望ましい。装着時のムレを発生し難くするためである。また、皮膚に接触する面が、対皮膚滑り防止性を有する材料によって形成されることが望ましい。サポーターの皮膚に接触する面を滑り難くしておけば、筋繊維をより確実に捉えて、目的方向へ動かすことをより有効に行うことができるからである。
ここで、本発明に関係する主要な技術用語について説明する。本発明において、「引っ張り力」とは、伸縮性のあるサポーターを伸張させるときに、該サポーターに加わる外力を意味し、本発明では、この「引っ張り力」を、筋肉(筋繊維)の位置、関節のズレ、身体の歪みなどを矯正することに利用する。また、本発明において、「引っ張り応力」とは、伸縮性のあるサポーターを伸張させるときに、該「引っ張り力」に対し、原形状に戻ろうとする「応力」を意味し、該「引っ張り力」同様に筋肉(筋繊維)の位置、関節のズレ、身体の歪みなどを矯正することに利用する。
さらに、本発明において、サポーターの「上部側」及び「下部側」とは、人体が腕を下ろした状態で直立したときにおける上部、及び下部を指す。本発明において、「内旋方向」とは、筋繊維と交差する方向であって、右手右足の場合、自己を上から見下ろしたときに、反時計周りの方向を指し、左手左足の場合、自己を上から見下ろしたときに、時計周りの方向を指す。本発明において、「外旋方向」とは、「内旋方向」の逆周りの方向を指す。
本発明に係るサポーターは、その伸縮性に基づき、該サポーターを伸張させたときの力を筋繊維と交差する内旋又は外旋方向のいずれか一方向へ働かせて筋繊維を動かすことができる。この結果、内旋又は外旋方向の筋肉のズレ、ひいては、関節のズレ、身体の歪みなどを矯正することができる。
本発明に係る好適な実施形態について、添付した図面を参照しながら説明する。なお、本実施形態は、本発明の一実施形態を示したものであり、これにより本発明の範囲が狭く解釈されることはない。なお、図1〜3は、講談社発行、「からだの地図帳」第21版を参考に作図した。
図1は、人体の全身の筋肉1と骨格2を示す正面図である。人体の基本構造を作る骨格2に、筋肉1が何層も重なることで人体は構成されている。この図1に示されているとおり、首、肩、腕、肘、手首、胴、腰、大腿部、ふくらはぎ、かかと、足など身体のあらゆる箇所が筋肉1及び骨格2で構成されている。
筋肉の大きさは、身体のそれぞれの箇所によって様々であり、また、その筋力も身体のそれぞれの箇所によって様々である。従って、老化などによる筋力の衰え方も、身体のそれぞれの箇所で異なり、また、運動方法等によって、筋力の発達の仕方も身体のそれぞれの箇所で異なる。
これら筋肉1と骨格2は、身体及びその一部を動かすために一緒に働いている。身体及びその一部は、筋肉1が筋繊維方向に収縮し、筋肉1と結合した骨格2が動かされることによって動く。筋肉1は、細長い繊維状の筋繊維が筋束を作り、筋束がさらに集まって作られている。
通常の運動は、筋肉1が筋繊維方向に収縮することにより行われるが、老化や過度な運動、不自然な運動などによって、筋肉の大きさや力に好ましくない差が生じ、時には、筋肉1がその構造上、筋繊維と交差する方向へズレやねじれを生じることがある。ひいては、そのズレやねじれが、骨格2や身体にも悪影響を及ぼし、骨格2や骨格と骨格を繋ぐ関節にもズレやねじれを生じ、あるいは身体の歪みを招くこともある。
次に、図2及び図3を参照して詳しく説明する。図2は、人体の左側面から視た、筋肉1、及び骨格2の下半身を示す図である。
例えば、老化などにより、腓腹筋11が衰えると、膝関節3を挟んで上部側にある大腿四頭筋12との筋力に差が生じ、大腿骨21の周りに内旋力Aが生じ、脛骨22、及び腓骨23の周りに外旋力Bが生じることがある。それにより、膝関節3にズレが生じる。ここで、本発明において「内旋力」とは、身体に対し内旋方向へ生じる力を指し、「外旋力」とは、身体に対し外旋方向へ生じる力を指す。
図3は、人体の右腕を内側から視た、筋肉1、及び骨格2を示す図である。例えば、過度な運動により、上腕二頭筋13が過度に発達し、肘関節4を挟んで下部側の尺側手根屈筋14、及び橈側手根屈筋15との筋力に差が生じ、上腕骨24の周りに内旋力Cが生じ、橈骨25、及び尺骨26の周りに外旋力Dが生じることがある。それにより、肘関節4にズレが生じる。
続いて、図4、及び図5を参照することにより、本発明に係るサポーターの基本概念を説明する。図4、及び図5中の符号111は、筋繊維を模式的に示している。まず、図4では、サポーターの「引っ張り力」を利用した基本概念について説明する。該筋繊維111上方の皮膚に、本発明に係るサポーター5が矢印X方向へ伸張されながら装着されるときの様子が示されている。
このサポーター5は、その伸縮性を利用して一方向に引っ張り、同時に筋繊維も同方向へ動かしながら、所望の筋繊維部分に巻きつけるように装着し、伸張状態のままで固定する。引っ張ったときのサポーター5を図4中、破線で示す。その際、筋繊維111もサポーター5と一緒に引っ張られる(矢印X’及び破線で示す筋繊維112を参照)。
このとき、サポーター5には、引っ張り力Xが加えられており、同様に筋繊維111にも引っ張り力X’が加わっている。そして、この状態のままでサポーター5を固定することによって、筋繊維111には、引っ張り力X’が加わり続けることとなる。このようにして、ズレている筋繊維111の位置を該筋繊維111と交差する一方向へ動かして、そのズレを矯正する。
次に図5では、サポーターの「引っ張り応力」を利用した基本概念について説明する。該筋繊維111上方の皮膚に、本発明に係るサポーター5が矢印Y方向へ伸張されながら装着されるときの様子が示されている。
サポーター5は、その伸縮性を利用し、サポーター5のみを一定方向へ引っ張り、引っ張ったところで(図5中の破線部参照)、該筋繊維111上方の皮膚に密着させる。このときサポーター5には、原形状に戻ろうとする「引っ張り応力Y’ 」が発生する。この「引っ張り応力Y’ 」を利用して、サポーター5と共に、筋繊維111を動かしながら、所定の箇所Fで固定する(矢印Y’ 及び破線で示す筋繊維112を参照)。
このとき、サポーター5には、引っ張り応力Y’ が発生し、同様に筋繊維111にも引っ張り力Y’ が加わる。そして、この状態のままでサポーター5を固定することによって、筋繊維111には、引っ張り応力Y’ が加わり続けることとなる。このようにして、ズレている筋繊維111の位置を該筋繊維111と交差する一方向へ動かして、そのズレを矯正する。
本発明に係るサポーター5は、図4、及び図5中の矢印X’ Y’ に示すように、身体装着時に、筋繊維と交差する方向であって、内旋、又は外旋方向のいずれか一方向へ筋繊維を動かす力が発生するように形成するサポーターであって、身体へ加わる圧迫力を緩和するように形成する。そのため、皮膚、筋膜、筋肉を圧迫することは、ほとんどなく、特に、筋膜における循環系、神経系、リンパ系に悪影響を及ぼすことはない。むしろ、「引っ張り力」、又は「引っ張り応力」が、皮膚、筋膜、筋肉の全てに好適に働き、ひいては、循環系、神経系、リンパ系にも好影響を与え、リンパ液流や毛細管を流れる体液の流れを促進する。
図6は、本発明に係る一実施形態であるサポーターを内側(裏側)から視たときの展開平面図である。図6中では、帯状のサポーター5を例示しているが、形状、サイズ、厚さは、サポーター5の装着部位に適するように適宜変更すればよい。
サポーター5の図面右方向の端には、正面視略矩形状の面ファスナーFが設けられている。この面ファスナーFは、サポーター5の図面左方向の端の外側に形成された面ファスナーF’ をそれぞれ相手方として係止固定される。なお、サポーター5の外側表面全体を、面ファスナーFの相手方となる面ファスナーとなるよう工夫し、サポーター5の外側のどこにでも面ファスナーFを固定できるようにしてもよい。
サポーター5は、図6中、破線で示すように伸ばされて身体の所定の箇所に装着する。「引っ張り力X」、又は、「引っ張り応力Y」のどちらを利用するように固定するかは、自由である。
サポーター5は、身体へ加わる圧迫力を緩和するように形成するとより好適である。例えば、該圧迫力をより緩和するために、弾力性を備えた材料でサポーターを形成することができる。また、サポーターを、装着部の周まわりの長さよりも長く形成することもできる。
図7は、図6とは異なる実施形態の一例である膝装着用サポーターを内側(裏側)から視たときの展開平面図である。なお、本発明に係るサポーターは、膝装着用に限定するものではなく、首、肩、腕、肘、手首、胴、腰、大腿部、ふくらはぎ、かかと、足など身体のあらゆる箇所に装着されるサポーターに適用可能であるが、以下では、説明の便宜上、膝装着用途のサポーターを代表例として説明する。
図7において、符号5aで示された膝装着用サポーター(以下、サポーター)は、本発明に係るサポーター5の一実施形態例である。このサポーター5aは、大腿部から膝下にかけての身体位置へ装着された時において、膝に対応する位置に形成された楕円形の孔51が、図5左右方向やや左寄り位置に形成されている。また、このサポーター5aには、図面向かって右方向に突き出て延びる、計2本の帯状の第一伸縮部52,第二伸縮部53が設けられている。なお、この第一伸縮部52、及び第二伸縮部53の形状、サイズ、厚さ、数は、サポーター5aの装着部位に適するように適宜設計すればよい。
この第一伸縮部52,第二伸縮部53の図面右方向の端には、それぞれ正面視略矩形状の面ファスナーF1,F2が設けられている。この面ファスナーはそれぞれ図5向かって左方向の固定部521,531の外側に形成された面ファスナーF11,F21をそれぞれ相手方として係止固定される。なお、サポーター5aの外側表面全体を、面ファスナーF1,F2の相手方となる面ファスナーとなるよう工夫し、サポーター5aの外側のどこにでも面ファスナーF1,F2を固定できるようにしてもよい。
これらの固定部521,531を膝の左右側部のいずれか一方に固定してここを基点とし、第一伸縮部52,第二伸縮部53を引き伸ばしながら(伸張させながら)脚に巻きつけることによって、サポーター5aを身体(膝周辺部位)に装着し、第一伸縮部52と第二伸縮部52の面ファスナーF1,F2を固定部521,531の外側の面ファスナーF11,F21に固定する。図5の破線で表した部分は、引き伸ばした状態の第一伸縮部52x,第二伸縮部53xを示す。
サポーター5aは、伸縮性のサポーターであるため、引き伸ばした第一伸縮部52x,第二伸縮部53xには、それぞれ引っ張り力X1,X2、及び引っ張り応力Y1,Y2が発生する。「引っ張り力X」又は「引っ張り応力Y」のどちらを利用するように固定するかは、自由である。この引っ張り力X1,X2又は引っ張り応力Y1,Y2と同じ力が、皮膚下の筋繊維にも加わり、筋繊維と交差する方向へ筋繊維を動かすように働き、筋繊維のズレを矯正する。
サポーター5aは、伸縮性があれば、全体的に伸縮性を備えた材料で形成されていてもよく、例えば、図8に示された変形形態例のように、固定部521,531の部分のみ、伸縮性を有さない材料で形成し、その他の部分は、伸縮性を備えた材料で形成してもよい。
また、膝に装着するときのように、関節の上部側と下部側で筋繊維の大きさが異なる場合は、第一伸縮部52と第二伸縮部53の大きさを変えたり、意図的に伸縮性の大きさの異なる材料で形成したり、更には、厚みを変えたりして、関節の上部側と下部側の引っ張り力X1,X2若しくは引っ張り応力Y1,Y2の大きさが異なるように設計することも可能である。
次に、図9は、図7とは異なる実施形態の一例である膝装着用サポーター5bを内側(裏側)から視たときの展開平面図である。このサポーター5bでは、第一伸縮部52,第二伸縮部53が、図面向かって左右方向のそれぞれ逆に向かって突き出て延びるように設けられていることが特徴である。
固定部521を、膝関節上部側に固定し、第一伸縮部52を図面右方向に引き伸ばしながら膝関節上部側の筋繊維に巻きつけるように装着し、固定部521に係止固定する。逆に、固定部531は、膝関節下部側に固定し、帯部第二伸縮部53を図面左方向に引き伸ばしながら膝関節下部側の筋繊維に巻きつけるように装着し、固定部531に係止固定する。
膝関節上部側には引っ張り力X1、及び引っ張り応力Y1が発生し、膝関節下部側には引っ張り力X2、及び引っ張り応力Y2が発生する。「引っ張り力X」又は「引っ張り応力Y」のどちらを利用するように固定するかは、自由である。この結果、膝関節上部側と下部側の筋繊維に逆の力が加わる。ひいては、それぞれの筋繊維の内部にある骨格にも加わり、膝関節の上部側と下部側の骨格に逆方向の力が加わり、膝関節のズレを矯正することが可能となる。
図10は、図9の変形実施形態の一例である膝装着用サポーター5cを外側(表側)から視た展開平面図である。第一伸縮部52の上部は、太ももに密着するように、ややアーチ型をしており、第二伸縮部53下部は、ふくらはぎの上部に密着するように、やや中括れ形状をしており、更には、孔51が膝に密着するように立体構造をしていることが特徴である。
サポーター5cは、図10中の破線で示すところを切り取り、固定部521を図面向かって右側と、固定部531を図面向かって左側となるように形成することもできる。第一伸縮部52、及び第二伸縮部53が膝の上下前面の筋肉に密着するため、膝の上下前面の筋繊維をより確実に捉えて、目的の方向へ動かすことがより有効に行うことができる。
図11は、人体右脚Lの右膝部に図10に示す膝装着用サポーター5cを装着した時に、人体前方から見た正面図である。
膝蓋骨に孔51に定着させ、固定部521を右膝の外側側面(右側面)に固定し、第一伸縮部52を身体に対し内旋方向に引っ張り、引っ張ったところで膝上部側の筋肉上方の皮膚に密着させる。この時発生する外旋方向の「引っ張り応力Y1」を利用して、サポーター5cと共に、膝上部側の筋肉を外旋方向に動かしながら、固定部521に係止固定する。そして、固定部531を右膝の内側側面(左側面)に固定し、帯部第二伸縮部53を身体に対し外旋方向に引っ張り、引っ張ったところで膝下部側の筋肉上方の皮膚に密着させる。この時発生する内旋方向の「引っ張り応力Y2」を利用して、サポーター5cと共に、膝下部側の筋肉を内旋方向に動かしながら、固定部531に係止固定する。ここでは、「引っ張り応力」を利用するように固定する場合を例示するが、「引っ張り力X」又は「引っ張り応力Y」のどちらを利用するように固定するかは、自由である。
第一伸縮部52,第二伸縮部53は、伸縮性を有しているため、引っ張り応力Y1,Y2が発生する。すなわち、右膝上部の筋繊維には、外旋方向に引っ張り応力Y1が発生し、左膝下部の筋繊維には、内旋方向に引っ張り応力Y2が発生する。
このようにして、左膝上部側と下部側の筋繊維に対し、反対方向に引っ張り応力Y1,Y2が加わり、ひいては、骨格にも同様に引っ張り応力Y1,Y2が加わることによって、膝関節のズレを矯正することができる。
サポーター5(5a,5b,5c)は、伸縮性を備えた材料から形成すれば、その種類は特に限定しないが、通気性を有する伸縮性材料であれば、より好適である。サポーター5(5a,5b,5c)は、一般に長時間身体に装着することが多い。通気性が悪いと熱の発散や汗の蒸散が行われ難く、サポーター内でムレが生じ、湿疹等が発生することがあるため、このようなムレを発生し難くするためである。
更に、サポーター5(5a,5b,5c)が皮膚と接触する面が、対皮膚滑り防止性を有する材料によって形成されていると、より好適である。本発明に係るサポーターは、筋繊維を動かすように引っ張り力、又は、引っ張り応力を発生することが特徴であるため、滑り難くしておけば、筋繊維をより確実に捉えて、目的の方向へ動かすことがより有効に行えるからである。
本発明に係るサポーターの層構造や材料について、添付した図12〜14を参照しながら説明する。なお、図12〜14は、図7中のI−I方向矢視断面図である。以下では、サポーター5aを代表例として説明する。
サポーター5aの断面構造は、特に限定しないが、図12では、その一例として、皮膚に直接接触する内側(裏側)を、対皮膚滑り防止性を有するように形成し、全体的に通気性、伸縮性を有する一層構造のサポーター5aを示している。
対皮膚滑り防止性を有するような形成の方法は、特に限定しないが、例えば、図12中の符号54で示すように、皮膚に直接接触する内側(裏側)に凹凸を形成することも可能である。また、該内側(裏側)にシリコーン等の合成樹脂等を部分的に塗布し、対皮膚滑り防止性を有するように形成することも可能である。
通気性を備える方法は、特に限定しないが、例えば、サポーター5aの所々に、通気孔を設けることも可能である。通気孔を全体的、若しくは、部分的に密や疎にすることで、サポーター5aの伸縮率を変えることも可能である。それにより、装着部位に適するように、「引っ張り力」、又は、「引っ張り応力」の大きさを、全体的、若しくは、部分的に変えることが可能である。
図13は、図12とは異なる実施形態の一例であるサポーター5aの断面図である。外側の通気性、及び伸縮性を有する第一部材6と、この第一部材6の裏側に設けられ、皮膚に直接接触し、通気性、対皮膚滑り防止性、及び伸縮性を有する第二部材7と、からなる2層構造のサポーターを示している。
この第一部材6は、通気性、及び伸縮性を有する天然繊維や化学繊維によって形成されている。また、この第一部材の外側の表面は、例えば、その前面が、面ファスナー機能を発揮するものが望ましい。第一伸縮部52,第二伸縮部53の端に設けられた面ファスナーF1,F2(図4参照)がどこにでも固定できるようにするためである。
第一部材6の裏側に設けられ、皮膚に直接接触する第二部材7は、通気性、対皮膚滑り防止性、及び伸縮性を備える材質で形成する。第二部材7の材質は、特に限定しないが、例えば、アクリル系樹脂、ポリエチエレンなどのオレフィン系樹脂、エチレン―酢酸ビニル共重合体(EVA)樹脂などの合成樹脂によって形成することができる。この第二部材7は、マットやカーペットの滑り止めとして利用されるような合成樹脂成形体を利用することも可能である。
また、第二部材7には、通気性を確保するための貫通孔71を多数設けるようにすることも可能である。この多数の貫通孔71を介して、皮膚Sからの熱発散や汗の蒸散を促進し、サポーター装着時のムレの発生をより高度に防止するためである。
図14は、第一部材6と第二部材7の間に、通気性、弾力性、及び伸縮性を備える中間部材8を介装した3層構造のサポーター5aを示している。弾力性を有することで、身体へ加わる圧迫力を緩和することができる。中間部材8は、通気性、弾力性、及び伸縮性を有していれば、特に限定しないが、例えば、不織布、ネット状、スポンジ状に形成された天然繊維、化学繊維、合成樹脂成形体などを用いて形成する。
本発明に係るサポーターは、筋繊維の内旋、若しくは外旋方向のズレを矯正し、さらに、O脚、X脚などのような、関節や身体の内旋、若しくは外旋方向のズレや歪みを矯正するためのサポーター、あるいは、筋肉や関節の痛みを軽減することが可能なサポーターとしても利用できる。例えば、首、肩、腕、肘、手首、胴、腰、大腿部、ふくらはぎ、かかと、足など身体のあらゆる箇所に装着されるサポーターとして利用できる。
人体の全身の筋肉(1)と骨格(2)を示す正面図である。 人体の左側面から視た、筋肉(1)、及び骨格(2)の下半身を示す図である。 人体の右腕を内側から視た、筋肉(1)、及び骨格(2)の図である。 本発明に係るサポーターの「引っ張り力」を利用する基本概念を示す図である。 本発明に係るサポーターの「引っ張り応力」を利用する基本概念を示す図である。 本発明に係る一実施形態であるサポーターを内側から視た展開平面図である。 図6とは異なる実施形態の一例である膝装着用サポーターを内側から視た展開平面図である。 図7の変形形態である膝装着用サポーターを内側から視た展開平面図である。 本発明に係る変形形態である膝装着用サポーターを内側から視た展開平面図である。 本発明に係る別の変形形態である膝装着用サポーターを内側から視た展開平面図である。 人体の右膝部に図10に示す膝装着用サポーターを装着時に人体前方から見た正面図である。 図7中のI−I方向矢視断面図である。 図7中のI−I方向矢視断面図である。 図7中のI−I方向矢視断面図である。
符号の説明
1 筋肉
2 骨格
3 膝関節
4 肘関節
111,112 筋繊維
5(5a,5b,5c) サポーター
X,X’ ,X1,X2 引っ張り力
Y,Y’ ,Y1,Y2 引っ張り応力
51 膝蓋骨定着用の孔
52,52x 第一伸縮部
53,53x 第二伸縮部
521,531 固定部
F1,F2,F11,F21 面ファスナー
L 右脚
S 皮膚
6 第一部材
7 第二部材
8 中間部材
71 第二部材に形成された貫通孔

Claims (9)

  1. 身体に装着される伸縮性のサポーターであって、
    身体装着時に、該サポーターに、筋繊維と交差する方向であって、内旋、又は外旋方向のいずれか一方向へ該筋繊維を動かす力が発生するサポーター。
  2. 前記力は、前記サポーターを伸張させる引っ張り力又はその引っ張り応力であることを特徴とする請求項1記載のサポーター
  3. 前記サポーターは、身体装着時に身体に加わる圧迫力を緩和する弾力性を有することを特徴とする請求項1記載のサポーター。
  4. 身体の関節部位に装着され、
    関節周辺の筋繊維に、前記力が発生する請求項1記載のサポーター。
  5. 関節を挟む上部側筋繊維と下部側筋繊維を、同方向又は逆方向へ動かすように前記力が発生することを特徴とする請求項2記載のサポーター。
  6. 関節位置に定着する部位と、
    関節上部側筋繊維位置に装着される第1伸縮部と、
    関節下部側筋繊維位置に装着される第2伸縮部とを備え、
    該第1伸縮部と該第2伸縮部のそれぞれの前記力が同方向、又は逆方向であることを特徴とする請求項2記載のサポーター。
  7. 前記第1伸縮部の前記力の働く方向が身体に対し外旋方向であり、
    前記第2伸縮部の前記力の働く方向が身体に対し内旋方向であることを特徴とする請求項4記載のサポーター。
  8. 通気性を有する伸縮性材料から形成されたことを特徴とする請求項1記載のサポーター。
  9. 皮膚と接触する面が、対皮膚すべり防止性を有する材料によって形成されたことを特徴とする請求項1記載のサポーター。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010070871A (ja) * 2008-09-17 2010-04-02 Alcare Co Ltd サポーター
JP2012077430A (ja) * 2010-09-07 2012-04-19 Descente Ltd 運動用装具
JP2014125705A (ja) * 2012-12-27 2014-07-07 Globeride Inc アームサポータ

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