JP3558484B2 - 基板洗浄装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体ウェハ、液晶表示装置用ガラス基板、フォトマスク用ガラス基板、光ディスク用基板等の各種基板を、高周波を印加した純水などの洗浄液で洗浄する洗浄装置に関し、特に種々の原因によって洗浄液の高周波エネルギーが変動することを防止して安定した洗浄作業を実現することができるようにした洗浄装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、半導体ウェハ、液晶表示装置用ガラス基板、フォトマスク用ガラス基板、光ディスク用基板などの各種基板を洗浄して付着した異物、汚れ等を除去するために、高周波を印加した純水等の洗浄液を基板に向けて吐出する構成を備えた洗浄装置が使用されている。この種の洗浄装置として、例えば基板を1枚ずつカップ内に収容して回転させつつ、高周波印加用の発振子(水晶振動子等の圧電振動子)を備えたノズルから、高周波を印加した純水などの洗浄液を基板に供給するようにしたものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら従来の洗浄装置では、ノズル内部に配置した発振子からの高周波振動によって高周波が印加された純水などの洗浄液が基板に到達する段階で、洗浄液の量や、ノズル高さ位置のバラツキや、発振子に加わる電圧又は電流の変動や、使用する圧電振動子の劣化等の原因によって、洗浄液の分子の持つエネルギーが変動するという問題があった。このエネルギ−が小さ過ぎる場合には洗浄能力が低下し、またエネルギーが大き過ぎる場合には基板上の素子を破壊してしまうことが判明している。
このようなところから、ノズルから吐出された洗浄液が基板上面に到達する時の洗浄液のエネルギーを事前に測定するために、圧電振動子から成るセンサーをノズル下に仮設した上で、このセンサーに対して洗浄液を吐出させることにより、センサーによって洗浄液の振動エネルギー(高周波の振幅)の値を事前に検出することが行われていた。そして、検出したエネルギー値と基板洗浄の為の理想的な値との間にずれがある場合には、理想的な振動エネルギーを得る為に必要な電圧又は電流を振動子に印加するように振動子の発振回路を制御する作業を行っていた。しかし、この従来方法では、仮設されるセンサーの高さ方向位置やセンサー面の角度にバラツキがでるため、ノズルとセンサー面間の距離がばらついたり、洗浄液のセンサー面での衝突角度が変化する等の不具合が発生して、正確に測定することができなかった。
【0004】
本発明は上記に鑑みてなされたものであり、請求項1記載の発明は、圧電振動子を備えたセンサーを基板と同じ高さの基板と別の位置に配置して、洗浄液の持つエネルギーをリアルタイムで測定することを目的としている。
また請求項2記載の発明では請求項1記載のセンサーによる測定値によって、洗浄液の量や発振子の電圧変動や発振子の劣化によるエネルギーの変動を閉回路方式で発振子の電圧にフィードバックし、常に一定のエネルギーを得るようにした洗浄装置を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する為、請求項1の発明は、基板面に向けて高周波を印加した洗浄液を供給する発振子付きノズルを備えた洗浄装置において、上記ノズルは、基板面に洗浄液を吐出する洗浄時の位置と、圧電素子からなるセンサーに対して洗浄液を吐出する待機位置との間を可動に構成されており、上記センサーを、上記洗浄装置上であって、上記基板と同じ高さ、かつ基板から離隔した待機位置に固定配置し、上記ノズルからの洗浄液を該センサーの上面に吐出させることにより、洗浄液の持つ高周波エネルギーを洗浄液が上記基板と衝突する時と同じ条件で測定するように構成したことを特徴とする。
請求項2の発明は、上記センサーが測定した上記洗浄液の高周波エネルギー値に基づいて、上記ノズルが備えた発振子 へ印加する電圧又は電流を調整して一定した高周波エネルギーを洗浄液に印加するように構成したことを特徴とする。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図面に示した形態例により詳細に説明する。図1、図2及び図3は 本発明の洗浄装置の一形態例の斜視図、矢視Aから見た断面図、及び平面図である。符号1は上面に基板2を載置する回転自在な回転盤3を内部に備えたカッ プ、2は回転盤3の上面に載置された基板(半導体ウェハ、液晶表示装置用ガラス基板、フォトマスク用ガラス基板、光ディスク用基板等)、4は洗浄液を基板 に向けて吐出する発振子(圧電振動子)付きノズル、5は図示しない洗浄液槽からノズル4に洗浄液を供給するホース、6はノズル4を先端に支持すると共に図示しない駆動手段によって軸7を中心として可動範囲内で水平方向に回動するノズルアーム、8はカップ1を構成する外枠1Aの適所(基板2の載置範囲を回避 した位置であってノズル待機位置上に相当する位置)に配置された圧電振動子から成るセンサー、9は水しぶき飛散防止ガードである。また、符号11は、洗浄の前後に基板にリンス液を供給する為のノズルである。
【0007】
センサー8は、例えばピエゾ抵抗素子等の圧電素子(発振子)を用いて超音波振動を電気信号に変換する手段であり、ノズル4が基板2から退避した待機位置にある時にその直下位置に配置される。センサー8は、ノズル4から吐出(単なる落下である為、その圧力は無視できる程度)される洗浄液の振動エネルギー(高周波の振幅の値)を検出するために使用され、基板洗浄時におけるノズル4と基板2上面との間の距離と、待機位置におけるノズル4とセンサー8上面との間の距離が同等になる様に予め設定する。
【0008】
本発明に於ては、ノズル待機位置にノズル4が位置している状態で、高周波エネルギーを印加した洗浄液をノズル4からセンサー8に対して吐出することにより、センサー8の上面に対して洗浄液を垂直に当てる。図4に示した様に、ノズル4から落下してくる洗浄液の振動エネルギー(高周波振動の振幅の値)はセンサー8によって電気信号に変換されて制御部(CPU、ROM、RAM等)15に入力され、制御部15は得られた洗浄液の振動エネルギーをメモリ内に格納された基板洗浄に於ける適切な振動エネルギーデータと比較し、この適切な振動エネルギーデータと現実の振動エネルギーとの間にずれがある場合には、現実の振動エネルギーを適切な振動エネルギーに一致させるべく、発振子の発振回路17を制御して、ノズルに設けた発振子16を駆動する電圧値又は電流値を調整する。
【0009】
図5は、洗浄液をノズルに供給する動作と発振子を励振開始させる動作の手順を示すフローチャートであり、ステップ1で純水その他の洗浄液がノズルに対して十分な量だけ供給されていることが図示しない検知手段により検知された場合に、ノズルの発振子16を励振させるための電流、電圧を供給する発振回路17をONして、洗浄液に高周波を印加するエネルギーのあわせ込みを行う(ステップ2、3)。このエネルギーあわせ込みの段階で、待機位置にあるノズルからセンサー8に対して液を吐出し、振動エネルギーの値を確認する。このエネルギーの値に過不足がある場合には、上記のように制御部が発振回路を制御して振動子に供給する電圧又は電流を補正する(ステップ4 No)。
このようにセンサー8から得られたリアルタイムでの洗浄液についての振動エネルギーデータに基づいて、ノズルから吐出される洗浄液のエネルギー(高周波振動の振幅)が所望の値になるように、発振回路17を閉回路方式によって自動的に微調整した後で、ノズルアーム6を基板2の上方に移動させ、半径方向に移動させつつ洗浄を行う(ステップ5)。
この為、ノズルからの洗浄液の振動エネルギーや印加される高周波の振幅値を常に最適の状態にすることができ、最適な状態での洗浄を実現することができる。
【0010】
なお、上記形態例では、待機位置に圧電素子から成るセンサーを配置して洗浄液の振動エネルギーを測定し、この値をフィードバックすることによりノズルの発振子の振幅を制御するようにしたが、この方式は発振子の劣化による発振周波数の変動、種々の理由による洗浄液の流量の変動、ノズル高さの変動によるセンサー面への衝突時の圧力の変動等に起因した洗浄能力の変動に対しても同様に流用することができる。すなわち、上記待機位置に、発振周波数用のセンサー、流量検知センサー、衝突圧力検知センサー等を夫々配置し、検知した値を基準値と比較した上で、流量、ノズル位置を夫々補正する様に構成してもよい。
【0011】
【発明の効果】
以上のように、請求項1の洗浄装置では、基板と同じ高さの基板と別の位置にセンサーを固定配置することによって、高周波が印加された洗浄液が基板と衝突する時と同じ条件でエネルギー量を測定することができるようにした。また、センサーを固定してあるため、洗浄液とセンサー面の衝突角度や距離が変動せず正確に測定が可能となる。
従って、従来の様に、センサーを仮設することによって測定していた場合の不具合をすべて解消することができる。
次に、請求項2に記載する洗浄装置では、エネルギーを変動させるパラメータにフィードバック機構を設けることにより、常に一定の所望のエネルギーを提供することができる。
従来は、高周波を印加された洗浄液が基板と衝突する時のエネルギーは、発振子の劣化、発振子の電圧値又は電流値、ノズル高さによって変動したが、本発明によれば、このような諸問題を一挙に解決して安定した振動エネルギーを有した洗浄液を供給して安定した洗浄作業を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の洗浄装置の一形態例の斜視図。
【図2】矢視A方向から見た断面図。
【図3】図1の平面図。
【図4】本発明の回路構成を示すブロック図。
【図5】洗浄のための手順を示すフローチャート。
【符号の説明】
1 カップ、2 基板、3 回転盤、4 発振子(圧電振動子)付きノズル、5ホース、6 ノズルアーム、7 軸、8 センサー、9 水しぶき飛散防止ガード、11 ノズル、15 制御部、16 発振子、17 発振回路

Claims (2)

  1. 基板面に向けて高周波を印加した洗浄液を供給する発振子付きノズルを備えた洗浄装置において、
    上記ノズルは、基板面に洗浄液を吐出する洗浄時の位置と、圧電素子からなるセンサーに対して洗浄液を吐出する待機位置との間を可動に構成されており、
    上記センサーを、上記洗浄装置上であって、上記基板と同じ高さ、かつ基板から離隔した待機位置に固定配置し、上記ノズルからの洗浄液を該センサーの上面に吐出させることにより洗浄液の持つ高周波エネルギーを洗浄液が上記基板と衝突する時と同じ条件で測定するように構成したことを特徴とする基板洗浄装置。
  2. 上記センサーが測定した上記洗浄液の高周波エネルギー値に基づいて、上記ノズルが備えた発振子へ印加する電圧又は電流を調整して一定した高周波エネルギーを洗浄液に印加するように構成したことを特徴とする請求項1記載の基板洗浄装置。
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