JP3558248B2 - ゴマージュ化粧料 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は新しいタイプの化粧料であるゴマージュ化粧料に関する。さらに詳しくは、皮膚の汚れと重層化した角層を肌に負担無く取り去って、次に使用するスキンケア化粧料の作用を相乗的に増強することを目的とするゴマージュ化粧料に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、健康な皮膚では表皮層、角質層のバランスがとれているが、肌荒れもしくは老化により角質層は表皮層に比べ過度に重層化し、その結果、外観的にくすみやしわが生じる。また、皮膚に皮脂などの汚れが詰まることも、くすみが生じる原因である。
【0003】
したがって、健康な皮膚を維持するためには、重層化した古い角質層及び皮膚の汚れを常に取り除く必要がある。
【0004】
従来、皮脂の汚れを除去することを目的とした化粧料にはパック化粧料があるが、重層化した古い角質層及び皮膚の汚れを同時に取り除くことを目的とした化粧料については詳しく検討されていなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者等は、上述の観点に基づき、皮膚の汚れ及び重層化した角層を同時に取り除くことを目的としたゴマージュ化粧料という新しいタイプの化粧料を開発し、本発明を完成するに至った。
【0006】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、固形油分とシリコーン油と粉末とを含有し、前記粉末の結晶状態が球状形態でない粉末であることを特徴とするゴマージュ化粧料(但し硫黄またはエタノールを含有するものを除く)を提供するものである。
【0007】
また、本発明は、固形油分とシリコーン油と粉末とを含有し、前記固形油分がパラフィン及び/又はマイクロクリスタリンワックスであり、前記粉末の結晶状態が球状形態でない粉末であることを特徴とするゴマージュ化粧料を提供するものである。
【0008】
さらに、本発明は、前記粉末の結晶状態が球状形態でない粉末が、単斜型又は平板状の結晶であることを特徴とする前記のゴマージュ化粧料を提供するものである。
【0009】
また、本発明は、前記シリコーン油がオクタメチルシクロテトラシロキサン及び/又はデカメチルシクロペンタシロキサンであることを特徴とする前記のゴマージュ化粧料を提供するものである。
【0010】
さらに、本発明は、前記固形油分の含有量が、ゴマージュ化粧料中、10〜50重量%の範囲にあることを特徴とする前記のゴマージュ化粧料を提供するものである。
【0011】
また、本発明は、前記粉末の含有量が、ゴマージュ化粧料中、0.01〜50重量%の範囲にあることを特徴とする前記のゴマージュ化粧料を提供するものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の構成について詳述する。
【0013】
本発明のゴマージュ化粧料とは、ゴマージュを行う時に専用に用いる全く新しいタイプの化粧料である。ゴマージュとは、顔面にクリーム若しくは乳液状の化粧料を塗布し、塗布した化粧料をマッサージを行うようにしてこすり落とす化粧行為を意味し、本発明のゴマージュ化粧料とは、ゴマージュを行う時に使用するクリーム状、乳液状若しくはジェル状の形態を有する新規な化粧料であって、顔面の皮脂などの汚れ及び古い角質を化粧料と一緒にケシゴムのカスの如くこすり落とすことを目的とするものである。
【0014】
本発明のゴマージュ化粧料の特徴は、固形油分とシリコーン油とを配合することにより、皮膚上にシリコーン油の膜を形成し皮膚を滑らかしてマッサージを容易にして、皮膚の汚れ及び古い角質層を固形油分とともにこすり落とすもので、皮膚に適度の「潤い」を与え肌に負担の無いゴマージュを行うために使用する新しいタイプの化粧料である。また、粉末を配合して粉末の皮脂吸着効果によりさらに洗浄効果が高いゴマージュ化粧料を提供するものである。
【0015】
本発明において使用する固形油分とは、常温で固形状態の油分であれば特に限定されず、例えば、パラフィン、マイクロクリスタリンワックス、サラシミツロウ、カルナバロウ、高級アルコールなどが挙げられるが、本発明においては、パラフィン又はマイクロクリスタリンワックスが特に好ましく使用される。
【0016】
固形油分の配合量は、ゴマージュ化粧料全量中、0.01〜50重量%、好ましくは0.1〜30重量%である。ゴマージュ化粧料は、マッサージを行いながら、塗布した化粧料を乾燥させて皮脂及び角質とともに顔面からケシゴムのカスのようにぼろぼろと落とすための化粧料であり、固形油分の配合量が0.01%重量未満では即時乾燥性が失われゴマージュ化粧料として機能しなくなり、また、50重量%を越えると使用性の点できしみが生じるため好ましくない。
【0017】
本発明で使用されるシリコーン油とは、シロキサン結合を有する有機ケイ素化合物であれば特に限定されず、例えば、メチルポリシロキサン、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体等が挙げられる。好ましくは、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサンなどの揮発性シリコーン油である。
【0018】
シリコーン油の配合量は、ゴマージュ化粧料全量中、0.01〜50重量%、好ましくは0.1〜30重量%である。0.01重量%未満では、マッサージがしにくくなり、また、50重量%を越えると即時乾燥性の点で好ましくない。
【0019】
本発明においては、上記必須成分に加えさらに粉末を配合することが好ましい。これは、粉末の皮脂吸着作用によってゴマージュ化粧料の洗浄効果をさらに向上させることができるからである。使用する粉末は、結晶状態が球状形態をとらない粉末が好ましく、例えば、単斜型や平板状の結晶を有する粉末があり、その代表として、例えば、結晶セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、セリサイト、ナイロン末などが挙げられる。最も好ましい粉末は、セルロース粉末である。
【0020】
粉末の配合量は、ゴマージュ化粧料全量中、0.01〜50重量%、好ましくは0.1〜30重量%である。0.01%重量未満ではゴマージュ化粧料としての機能が発揮されず、また、50重量%を越えると使用性の点で粉末残り感が生じるため好ましくない。
【0021】
本発明のゴマージュ化粧料は、上記必須成分の他に、本発明の効果を損なわない範囲で通常化粧料に使用されるその他の成分、例えば、界面活性剤、油分、保湿剤、紫外線吸収剤、アルコール類、キレート剤、防腐剤、増粘剤、色素、香料等を配合し、常法により、クリーム、乳液もしくはジェル状組成物等として製造することができる。なお、本発明のゴマージュ化粧料おいては、角質除去効果をさらに高めるために、トリメチルグリシンなどの角質除去剤を配合することが可能である。
【0022】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが本発明はこれらの実施例にのみ限定されるものではない。なお、配合量は重量%を表す。
【0023】
「表1」に示す処方でクリーム状のゴマージュ化粧料を製造し、ゴマージュ時の使用性について評価した。
【0024】
【表1】
「製法」
Aの油相部とBの水相部をそれぞれ70℃に加熱し完全溶解する。A相をB相に加えて、さらにCの粉末を加えた後乳化機で乳化する。乳化物を熱交換機を用いて冷却してクリーム状ゴマージュ化粧料を得た。
【0025】
女性専門パネル10名により、実施例1及び参考例1のゴマージュ化粧料及び比較例1〜5の化粧料を使用してゴマージュを行い、ゴマージュ機能(マッサージによりボロボロと化粧料が落ちる落ちやすさ)、即時乾燥性、肌負担、粉末残り感について以下の評価基準に従い官能評価した。結果を「表2」に示す。
<評価基準>
☆:10名中8名以上が良好と回答した。
◎:10名中6名以上8名未満が良好と回答した。
○:10名中4名以上6名未満が良好と回答した。
△:10名中2名以上4名未満が良好と回答した。
×:10名中2名未満が良好と回答した。
【0026】
【表2】
【0027】
女性専門パネル10名により、週2回の割合で2ケ月間、実施例1及び参考例1のゴマージュ化粧料を使用して、夜、メークを落とした後、ゴマージュを行い、皮脂及び角質の洗浄力、ゴマージュ後の肌のつるつる感、肌の透明感、翌朝の化粧のりについて「表1」の評価基準に従い官能評価した。結果を「表3」に示す。
【0028】
【表3】
【0029】
以上の結果から明らかなように、本発明のゴマージュ化粧料は、ゴマージュ機能に優れ、皮脂等の汚れ及び古い角質を効果的に除去し、肌負担及び粉末残り感がなく、肌に、透明感、つるつる感を与え、翌朝の化粧のりにも優れた効果を有するものである。特に、粉末を配合した実施例1のゴマージュ化粧料は、粉末を配合していない参考例1のゴマージュ化粧料よりも、洗浄力の点でさらに優れた効果を示している。
【0030】
次に、本発明の他のゴマージュ化粧料の実施例を示す。
【0031】
(製法)
Aの油相部とBの水相部をそれぞれ70℃に加熱し完全溶解する。A相をB相に加えて、さらにCの粉末部を加えた後乳化機で乳化する。乳化物を熱交換機を用いて冷却して乳液状のゴマージュ化粧料を得た。
【0032】
(製法)
実施例1に準じてクリーム状のゴマージュ化粧料を得た。
【0033】
【発明の効果】
本発明によれば、皮脂等の肌の汚れ及び重層化した角質細胞層を取り除き、ゴマージュ後に使用するスキンケア化粧料の効果を相乗的に発揮させ、使用性に優れた新しいタイプのゴマージュ化粧料を提供出来る。
Claims (6)
- 固形油分とシリコーン油と粉末とを含有し、前記粉末の結晶状態が球状形態でない粉末であることを特徴とするゴマージュ化粧料(但し硫黄またはエタノールを含有するものを除く)。
- 固形油分とシリコーン油と粉末とを含有し、前記固形油分がパラフィン及び/又はマイクロクリスタリンワックスであり、前記粉末の結晶状態が球状形態でない粉末であることを特徴とするゴマージュ化粧料。
- 前記粉末の結晶状態が球状形態でない粉末が、単斜型又は平板状の結晶であることを特徴とする請求項1または2記載のゴマージュ化粧料。
- 前記シリコーン油がオクタメチルシクロテトラシロキサン及び/又はデカメチルシクロペンタシロキサンであることを特徴とする請求項1、2または3記載のゴマージュ化粧料。
- 前記固形油分の含有量が、ゴマージュ化粧料中、10〜50重量%の範囲にあることを特徴とする請求項1、2、3または4記載のゴマージュ化粧料。
- 前記粉末の含有量が、ゴマージュ化粧料中、0.01〜50重量%の範囲にあることを特徴とする請求項1、2、3、4または5記載のゴマージュ化粧料。
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