JP3557757B2 - 工作物駆動装置 - Google Patents
工作物駆動装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3557757B2 JP3557757B2 JP30528395A JP30528395A JP3557757B2 JP 3557757 B2 JP3557757 B2 JP 3557757B2 JP 30528395 A JP30528395 A JP 30528395A JP 30528395 A JP30528395 A JP 30528395A JP 3557757 B2 JP3557757 B2 JP 3557757B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- workpiece
- rotating member
- engagement
- rotation
- rotating
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Gripping On Spindles (AREA)
- Constituent Portions Of Griding Lathes, Driving, Sensing And Control (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、両センタ間に支持した工作物の先端部に形成された歯車の歯溝に係合爪を係合させて工作物を回転駆動する工作物駆動装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、研削盤等において、両センタ間に支持した工作物の先端部に形成された歯車の歯溝に係合爪を係合させて工作物を回転駆動する工作物駆動装置には、例えば、実開平5−16118号公報に示すものがある。
このものにおいては、図5に示すように、研削盤のテーブル100上に載置された主軸台101には主軸102が固定され、この主軸102にベアリング103を介してプーリ104が回転可能に支持されている。
【0003】
このプーリ104の前端面にはドライブプレート105を介して工作物駆動装置106の支持体107が固着され、この支持体107に、前記主軸102のテーパ穴102aに嵌着される主軸センタ111と心押センタ112とにより支持された工作物Wの工作物回転軸線と直交する直角平面内で旋回可能に駒108が枢支されている。
【0004】
そして、この駒108の右端面には係合爪109が着脱可能に取り付けられており、この係合爪109の先端は、前記駒108の左端面と前記ドライブプレート105との間に介挿されたばね110によって、常時工作物回転中心に向かって付勢されるようになっている。
前記工作物Wの端部に一体的に形成された歯車Waの歯溝Wbの大きさ(モジュール)に合致するように前記係合爪109は形成されており、前記係合爪109は前記ばね110の付勢力によって工作物Wの半径方向から歯溝Wbに係合するようになっている。
【0005】
前記プーリ104は図略の回転駆動モータに連結されており、この回転駆動モータの回転駆動を前記ドライブプレート105、前記ドライブユニット106を介して伝達して、工作物Wを回転駆動するようになっている。
一方、歯溝Wbに対する係合爪109の係合を解除するために、前記テーブル100上には係合解除シリンダ装置113が取付台114を介して設置されており、この係合解除シリンダ装置113においては、ピストンロッド115の先端に回転可能に枢支して設けられたローラ116が、ピストンロッド115の前進により、前記駒108に形成された傾斜面108aを押圧して、前記ばね110の付勢力に抗して前記駒108を回転させ、歯溝Wbとの係合を解除するようになっている。
【0006】
上記のように構成される工作物駆動装置においては、工作物Wの先端部に設けられた歯車Waの歯溝Wbに係合爪109が半径方向から常時ばね110の付勢力により係合するように構成されているので、工作物Wにおける歯車Waの歯数やモジュールの変更がある場合、係合爪109を取り替えるだけで良く、容易にかつ短時間にて対応することができる利点がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、係合爪109と歯車Waの歯溝Wbとが係合した状態で、図略の回転駆動モータにより工作物Wを回転駆動すると、図6に示すように、反作用として歯車Waから係合爪109に作用する回転力Fの回転力伝達方向に対して垂直な駆動面は、歯車の歯溝における圧力角θ分だけ傾斜しているため、工作物Wが図5に示すような平歯車である場合は、水平方向(X軸方向)と垂直方向(Y軸方向)とに各々分力FX ,FY が生じ、この内、垂直方向(Y軸方向)の分力であるFY (爪逃力)によって、係合爪109が前記ばね110の付勢力に抗して拡がってしまうため、工作物Wを回転駆動する駆動力が不安定になり易いという問題があった。
【0008】
また、工作物Wがはすば歯車である場合では、さらに工作物回転軸線方向(Z軸方向)に分力FZ が生じ、このZ軸方向分力FZ (工作物ずれ力)によって、工作物Wが心押センタ112を工作物W側に付勢する図略のばねに抗して回転軸線方向に移動してしまい、工作物Wの長手方向(Z軸方向)位置がずれてしまうといった問題があった。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1の工作物駆動装置は、上述した問題を解決するためになされたもので、両センタ間に支持した工作物の先端部に形成された歯車の歯溝に係合爪を係合させて工作物を回転駆動する工作物駆動装置において、主軸まわりに回転可能に設けられ回転駆動されるドライブプレートと、前記係合爪を有し前記ドライブプレートに前記工作物の回転軸線と直交する軸線まわりに回転可能に設けられた第1回動部材と、前記ドライブプレートと前記第1回動部材との間に設けられ前記係合爪を前記歯溝に半径方向から係合する方向に付勢する第1ばねと、前記ドライブプレートに設けられ前記係合爪と前記歯溝との係合状態で前記第1回動部材を回転不能にロックするロック手段と、前記係合爪と前記歯溝との係合状態を解除する係合解除手段と、前記ロック手段による前記第1回動部材に対するロックを解除するロック解除手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0010】
これによれば、ドライブプレートが所定位置に回転割り出され停止された状態で、次に研削加工を行う工作物が両センタにより支持されると、先ず、係合解除手段による係合解除状態を開放する。これにより、第1回動部材は第1ばねの付勢力により係合方向に回転され、係合爪と歯溝が係合される。
続いて、ロック解除手段によるロック解除状態を開放して、ロック手段により第1回動部材を回転不能にロックする。
【0011】
この状態で、ドライブプレートを回転駆動して、係合爪を介して工作物に回転駆動力を伝達する。この際、工作物から係合爪に、係合爪が拡がる方向に力が作用したとしても、第1回動部材のロックにより係合爪の拡がりが防止される。また、請求項1に記載の発明は更に、前記ロック手段を、前記ドライブプレートに設けられ前記第1回動部材の回転軸線と平行な軸線まわりに枢支された第2回動部材と、この第2回動部材に設けられ前記第1回動部材と係合することにより前記第1回動部材をロックするロックピンと、前記第2回動部材を前記第1回動部材をロックする方向に付勢する第2ばねと、この第2ばねの付勢力によって前記第2回動部材と当接し前記第2回動部材の回転を規制する回転規制部材とから構成したことを特徴とするものである。
【0012】
これによれば、前記係合爪と前記歯溝との係合が完了した後、前記ロック解除手段によるロック解除状態を開放すると、第2回動部材が第2ばねの付勢力によって回転規制部材に当接する位置まで回転され、その位置でロックピンと第1回動部材が係合して第1回動部材がロックされる。また、請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の工作物駆動装置において、前記係合解除手段と前記ロック解除手段を1つのシリンダ装置で構成し、このシリンダ装置のピストンロッドに、前記第1回動部材に係合して前記第1回動部材を第1ばねの付勢力に抗して回転させる第1当接部材と、前記第2回動部材に係合して前記第2回動部材を前記第2ばねの付勢力に抗して回転させる第2当接部材を設け、前記ピストンロッドの進退によって、先ず前記第2当接部材によって前記第2回動部材を回動させて前記ロックピンによる前記第1回動部材のロックを解除し、次いで前記第1当接部材によって前記第1回動部材を回動させて前記係合爪と前記歯溝との係合を解除することを特徴とするものである。
【0013】
これによれば、係合爪と歯溝とが係合し、第1回動部材がロックされた状態で、シリンダ装置を作動させると、先ず、第2当接部材が第2回動部材に係合し、第2回動部材を第2ばねの付勢力に抗して回転させて、ロックピンによる第1回動部材のロックを解除する。第1回動部材のロックの解除が完了した後、第1当接部材の第1回動部材に対する係合が開始され、第1ばねの付勢力に抗して第1回動部材を回転させ、係合溝と歯溝との係合を解除する。
【0014】
また、請求項3に記載の発明では、請求項1又は2に記載の工作物駆動装置において、前記歯溝に対する前記係合爪の係合位置を前記歯車の端部として前記係合爪を前記歯溝に対して前記工作物の半径方向から前記工作物に対してセンタ支持側に引き込む引込力が作用するように係合させたことを特徴とするものである。
【0015】
これによれば、工作物の歯車がはすば歯車の場合のように、工作物を回転駆動中に、工作物の回転軸線方向に工作物がずれる工作物ずれ力に対抗する力を係合爪に作用させることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1,図2において、10は研削盤におけるテーブルであり、このテーブル10上には主軸台11が載置されている。
この主軸台11には主軸12が固定され、この主軸12のテーパ穴12aには主軸センタ13が嵌着されている。
【0017】
前記テーブル10上には前記主軸台11に対向する図の右方向(Z軸方向)に所定量離間した位置に図略の心押台が設置され、この心押台の心押センタと主軸センタ11とによって、工作物Wの両端をセンタ支持するようになっている。
なお、工作物Wの前記主軸センタ13に支持される側端部にはハスバ歯車Waが形成されている。
【0018】
前記主軸12にはベアリング14を介してプーリ15が前記主軸センタ11と同心で回転可能に支承されており、このプーリ15は前記主軸台11に設置された図略の回転駆動モータによって回転駆動されるようになっている。
前記プーリ15の右端面には円板16を介してドライブプレート17が同心に固着されており、このドライブプレート17の右端面側に本発明の工作物駆動装置20が設けられている。
【0019】
前記ドライブプレート17の右端面には、工作物駆動装置20の第1取付基板21が固着されており、この第1取付基板21には図3に示すようにX軸方向(図の上下方向)に所定量離間して一対の支持ブロック22が固着されている。これら一対の支持ブロック22に第2取付基板23が固着支持されている。この第2取付基板23の右端面にはY軸方向に所定量離間して一対の第1取付ブロック24が各々固着されている。
【0020】
各第1取付ブロック24には直径方向に対向する一対の第1回動部材25が各々第1ヒンジピン26によって工作物回転軸線と直交する軸線回りに回転可能に、即ち、工作物回転軸線と直交する直角平面(XY平面)内で旋回可能に支持されている。
前記各第1回動部材25には、前記歯車Waの歯溝と係合する係合爪27aを備えた駆動金具27がボルト28によって着脱可能に固着されている。なお、前記係合爪27aは歯車Waの歯溝Wbの大きさ(モジュール)に合致する形状となっている。
【0021】
前記各係合爪27aの先端は、前記第1取付基板21に設けられた第2取付ブロック29と、前記第1回動部材25との間に介挿した第1ばね30によって、常時、工作物Wの回転中心に向かって付勢されるようになっているとともに、その係合位置は工作物Wを主軸センタ13側に引込む引込力が作用する歯車Waの右端側であり、工作物Wは係合爪27aと主軸センタ13とで挟持されるようになっている。なお、第1ばね30には係合爪27aが歯溝Wb内に挿入し得るだけの弱い付勢力のものを用いており、係合爪27aの係合動作がスムーズに行われるようにしている。
【0022】
この第1ばね30の一端は、前記第2取付ブロック29に工作物回転軸線方向に突出するように圧入固定された支持ピン31によってその内周を案内支持されるようになっており、他端は前記第1回動部材25に形成された保持凹部25aによって保持されるようになっている。
また、第1回動部材25にはストッパピン32が設けられており、このストッパピン32が前記第1取付ブロック24に当接することにより、前記第1ばね30の付勢による第1回動部材25の回転動作端を規制するようになっている。
【0023】
前記第2取付ブロック29には前記各第1回動部材25に対応する第2回動部材33が、前記第1ヒンジピン26と平行な第2ヒンジピン34によって工作物回転軸線と直交する軸線回りに回転可能に、即ち、工作物回転軸線と直交する直角平面(XY平面)内で旋回可能に各々支持されている。
前記第1取付基板21には取付具35が立設され、この取付具35の一端に第2ばね36の一端が取付られている。第2ばね36の他端は前記第2回動部材33に取り付けられている。
【0024】
これによって、第2回動部材33は、第2ばね36によって前記第1回動部材25と同回転方向に付勢されるようになっており、前記第2取付ブロック29に設けられた回転規制面29aに第2回動部材33が当接することにより、第2ばね36の付勢による第2回動部材33の回転動作端を規制するようになっている。なお、上記第2取付ブロック29が回転規制部材を構成している。
【0025】
前記第1回動部材25の左端側には工作物径方向に突出する係合突出部37が形成され、この係合突出部30に当接するロックピン38が前記第2回動部材33の右端面に工作物回転軸線と平行な方向に突出して固着されている。
前記ロックピン38の先端は、前記第2回動部材33が前記第2ばね36によって引張されて第2取付ブロック29の回転規制面29aに当接した状態で、前記第1回動部材25の係合突出部37の後端面に当接して、第2回動部材33をロックするようになっている。ここで、ロックピン38の先端は滑らかな凸曲面形状となっているため、第2ばね36の付勢力による第2回動部材33の旋回動作により第1回動部材25の係合突出部37とロックピン38とはスムーズに係合されるようになっている。
【0026】
前記ロックピン38は、前記第2回動部材33が第2ばね36の引張力により回転規制面29aに当接した状態(係合状態)では、ロックピンの突出方向が工作物回転軸線方向と平行する位置に位置決めされ、これにより、第1回動部材25に第1ばね30の付勢力による回転方向と逆方向(歯溝Wbとの係合解除方向)の回転力が作用したとしても、その回転力によって第2回動部材33に第2ヒンジピン34まわりの回転力が作用せず、その回転力は第2ヒンジピン34にて受けられる。
【0027】
このように、第1ばね30の弱い付勢力により歯溝Wb内へ係合爪27aがスムーズに挿入された係合した後、ロックピン38で第1回動部材25をロックすることにより歯溝Wbに対する係合爪27aの逃げが防止され、係合爪27aと歯溝Wbとの係合は強固なものとなる。
ここで、上記した第2回動部材33,ロックピン38,第2ばね36,第2取付ブロック29がロック手段を構成している。
【0028】
また、前記第2回動部材33には、後述する解除用シリンダ装置40の第2当接部材44と当接する係合突出部39が前記ロックピン38と直交する工作物径方向に突出して形成されている。
前記主軸台11上部と前記テーブル10上には、上記の歯車Waと係合爪27aとの係合と、第1回動部材25の係合突出部37と第2回動部材33のロックピン38との係合を解除するための解除用シリンダ装置40が各々設置されている。
【0029】
各解除用シリンダ装置40のピストンロッド41は、工作物回転軸線方向と平行な軸線方向に進退されるようになっており、各ピストンロッド41にはブラケット42を介して、前記第1回動部材25の係合突出部37と当接する第1当接部材43と、前記第2回動部材33の係合突出部39と当接する第2当接部材44が各々工作物回転軸線方向と平行な軸線方向に突出して設けられている。
【0030】
前記第1当接部材43と前記第2当接部材44との位置関係は、係合解除時に、解除用シリンダ装置40の作動によってピストンロッド41が進退されると、先ず、第2当接部材44が第2回動部材33の係合突出部39に当接し、そして、ロックピン38と第1回動部材25の係合突出部37との係合が完全に解除された状態で、第1回動部材25の係合突出部37の前端面に第1当接部材43が当接するようになっている。
【0031】
前記第1当接部材43と前記第2当接部材44とを支持する前記各ブラケット42には、図2に示すように、動作位置検出用ドグ45が取り付けられており、このドグ45に対応する近接スイッチ46が各々設けられている。
なお、図2中、47は前記第1取付基板21の回転位置検出用ドグであり、このドグ47に対応して、回転減速用近接スイッチ48aと、回転停止用近接スイッチ48bが各々配設されている。
【0032】
次に、上記のように構成された本発明の実施の形態の作動を説明する。
工作物Wに対する研削加工が終了して図示しない砥石台が後退した後、ドライブプレート17を図2に示すように第1,第2回動部材25,33の各係合突出部37,39が解除用シリンダ装置40の第1,第2当接部材43,44に各々対応する位置となるように回転割り出しして停止する。
【0033】
次いで、解除用シリンダ装置40を作動して、第1,第2当接部材43,44を各係合突出部37,39に当接する方向(X軸方向)に前進移動させる。
第1,第2当接部材43,44の前進移動により、先ず、第2当接部材44が第2回動部材25の係合突出部39の前端面に当接する。
前記ロックピン38を第1回動部材25の係合突出部39から逃して、第1回動部材25を回動可能とするために、さらに、第2当接部材44が前進すると、第2当接部材44で第2回動部材33の係合突出部39が押されて、第2ばね36の付勢力に抗して、第1ヒンジブロック25の係合突出部37とロックピン38との係合を解除する方向に第2回動部材33は第2ヒンジピン34まわりに回動される。
【0034】
そして、第2回動部材33が第2当接部材44によって所定量回動された位置で、図4(a)に示すように、第1当接部材43が第1回動部材25の係合突出部37の前端面に当接する。
さらに、第1当接部材43が前進することにより、第1当接部材43で係合突出部37が押されて、第1回動部材25は第1ヒンジピン26まわりに第1ばね30の付勢力に抗して、駆動金具27の係合爪27aと歯車Waの歯溝との係合を解除する方向に回動される。
【0035】
そして、図4(b)に示すように、第1回動部材25が第1当接部材43によって所定量回動された位置で、係合解除動作を完了する。
その後、図略の搬入出装置によって、工作物Wの搬入出が行われ、次に加工する工作物Wがその両端をセンタ支持され、長手方向(Z軸方向)の位置決めがなされる。
【0036】
この状態で、前記シリンダ装置40を作動して、前記第1,第2当接部材43,44を図4(b)に示す位置から後退移動させる。
前記第1,第2当接部材43,44の後退移動により、第1,第2回動部材25,33は各々第1,第2ばね30,36の付勢力によって、係合方向に徐々に回動される。
【0037】
そして、先ず、第1当接部材43が所定量後退することにより、駆動金具27の係合爪27aが徐々に歯車Waの歯溝に係合し、図4(a)に示す位置で完全に係合される。この時、第1回動部材25に設けられたストッパピン32の先端が第1取付ブロック24に当接され、第1回動部材25の係合方向への回動が制限され、第1ばね30による弱い付勢力で係合爪27aと歯溝とがスムーズに係合する。
【0038】
この時、係合爪27aと歯溝との係合位置は、図4(a)に示すように、歯車Waの端部で係合爪27aの一部が歯溝からはみ出るような位置で、係合爪27aが歯溝Wbに対して工作物Wの半径方向からかつ工作物Wを引き込むように傾斜した方向から係合する。
これにより、第1ばね30の弱い付勢力が工作物Wに作用して、工作物Wは主軸センタ13と係合爪27aとによって軽く挟持される。
【0039】
さらなる後退により、第1当接部材43は徐々に第1回動部材25の係合突出部37から離間し、一方、第2回動部材33のロックピン38は徐々に係合突出部37に近接され、徐々に係合突出部37に対して係合される。この時、ロックピン38の先端は滑らかな凸曲面形状となっているため、スムーズに係合される。
【0040】
そして、第2回動部材33が第2取付ブロック29の回転規制面29aに当接することにより、第2回動部材33の回動が抑止される。この時、前記ロックピン38は工作物回転軸線方向と平行な方向に位置され、前記係合突出部37の後端面と係合することにより、第1回動部材25をロックして、第1回動部材25の係合解除方向の回動を抑止する。
【0041】
さらなる後退により、第2当接部材44は第2回動部材33の係合突出部39から離間し、図1に示す後退端位置まで後退して、係合ロック動作を完了する。これにより、工作物Wから係合爪27aに係合解除方向に作用する力及び、工作物Wが軸方向に移動しようとする力の両方に対して十分耐え得る強力な係合状態となる。
【0042】
この状態で、図略の回転駆動モータにより、工作物Wを回転駆動して、次の工作物Wに対して研削加工を開始する。
この時、工作物Wに形成された歯車Waがはすば歯車であるので、図6に示すように、工作物Wの回転駆動時には、反作用として歯車Waから係合爪27aに作用する回転力Fの回転力伝達方向に対して垂直な駆動面には、係合を解除する方向(Y軸方向)への分力FY が作用するとともに、工作物Wを長手方向に移動させようとする工作物回転軸線方向(Z軸方向)への分力FZ が作用する。
【0043】
しかし、本実施の形態の工作物駆動装置においては、第1回動部材25を第2回動部材33のロックピン38にてロックすることにより、前記Y軸方向分力(爪逃力)FY に対抗する力が、ロックピン38の先端が当接する係合突出部37の後端面に作用するとともに、さらに、係合爪27aの歯溝Wbに対する係合位置を歯車Waの端部として係合爪27aを歯溝に対して工作物Wの半径方向から工作物Wに対して主軸センタ13側に引き込む引込力が作用するように係合させているため、前記Z軸方向分力(工作物ずれ力)FZ に対抗する支持力が、ロックピン38によりロックされている係合爪27aに当接する歯溝Wbに作用する。従って、工作物Wを強固に位置決めして回転駆動中の工作物Wに長手方向の位置ずれが生じることを防止するとともに、回転駆動力を安定して伝達することができる。
【0044】
なお、上記では、工作物Wの歯車Waがはすば歯車の場合について述べたが、平歯車でも良く、また、スプライン形状のものでも良い。
この場合、はすば歯車の場合のように、回転駆動中に工作物Wを長手方向に移動させようとする工作物回転軸線方向(Z軸方向)への分力FZ が作用しないため、特に、係合爪27aと歯溝Wbとは係合可能な位置であれば良い。
【0045】
【発明の効果】
本発明によれば、請求項1に記載の発明では、歯溝と係合爪とが係合した状態で第1回動部材をロック手段によってロックするようにしたので、工作物回転駆動中に工作物から係合爪に、係合爪が拡がる方向に力が作用したとしても、係合爪の拡がりが防止され、安定して回転駆動力を工作物に伝達することができる。さらに、第1回動部材を付勢する第1ばねの付勢力を歯溝と係合爪とが係合し得るだけの弱い付勢力に設定することができるので、歯溝と係合爪の係合動作をスムーズに行わせることができる。これにより、歯溝に対する係合爪のスムーズな挿入性を確保し、かつ歯溝と係合爪との係合完了後は係合爪を解除する方向の力に対して強力に係合状態を維持できるといった工作物の自動取付けに好適な装置を提供することができる。
【0046】
また、請求項1に記載の発明では、ロック手段を、第1回動部材をロックするロックピンを有する第2回動部材を第2ばねで付勢し、回転規制部材にて規制される位置まで第2回動部材を回転させて、第1回動部材の第1ばねに抗する回転方向の回転を抑止する位置にロックピンを位置させるだけの簡単な構成、即ち、ロックするために特別な駆動源を必要としない簡単な機構で、第1回動部材のロックを達成することができる。
【0047】
また、請求項2に記載の発明では、係合解除手段とロック解除手段を1つのシリンダ装置で構成し、シリンダ装置のピストンロッドに設けた第1,第2当接部材を各々所定のストローク差で第1,第2回動部材に係合させるようにしたので、簡単な機構にて2つの動作を行え、コスト低減に寄与することができる。また、請求項3に記載の発明では、第1回動部材をロックする機構に加えて、歯溝に対する係合爪の係合位置を歯車の端部として係合爪を歯溝に対して工作物の半径方向から工作物に対してセンタ支持側に引き込む引込力が作用するように係合させたので、工作物の歯車がはすば歯車の場合のように、工作物を回転駆動中に、工作物の回転軸線方向に工作物をずらす工作物ずれ力に対抗する力が作用したとしても、この工作物ずれ力に対抗する力を係合爪に作用させることができるので、工作物回転中の工作物長手方向の位置ずれが防止でき、高精度な加工を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示す工作物駆動装置の断面図である。
【図2】図1の正面図である。
【図3】図2のA−A線矢視断面図である。
【図4】係合解除における作動状態図である。
【図5】従来の工作物駆動装置の断面図である。
【図6】工作物駆動装置の係合爪と歯車の歯溝の係合状態における回転力の伝達方向を示す図である。
【符号の説明】
W 工作物
Wa 歯車
Wb 歯溝
11 主軸台
12 主軸
13 主軸センタ
17 ドライブプレート
25 第1回動部材
26 第1ヒンジピン
27a 係合爪
29a 回転規制面
30 第1ばね
33 第2回動部材
34 第2ヒンジピン
36 第2ばね
38 ロックピン
40 解除用シリンダ装置
41 ピストンロッド
43 第1当接部材
44 第2当接部材
Claims (3)
- 両センタ間に支持した工作物の先端部に形成された歯車の歯溝に係合爪を係合させて工作物を回転駆動する工作物駆動装置において、
主軸まわりに回転可能に設けられ回転駆動されるドライブプレートと、
前記係合爪を有し前記ドライブプレートに前記工作物の回転軸線と直交する軸線まわりに回転可能に設けられた第1回動部材と、
前記ドライブプレートと前記第1回動部材との間に設けられ前記係合爪を前記歯溝に半径方向から係合する方向に付勢する第1ばねと、
前記ドライブプレートに設けられ前記係合爪と前記歯溝との係合状態で前記第1回動部材を回転不能にロックするロック手段と、
前記係合爪と前記歯溝との係合状態を解除する係合解除手段と、
前記ロック手段による前記第1回動部材に対するロックを解除するロック解除手段とを備え、
前記ロック手段を、前記ドライブプレートに設けられ前記第1回動部材の回転軸線と平行な軸線まわりに枢支された第2回動部材と、この第2回動部材に設けられ前記第1回動部材と係合することにより前記第1回動部材をロックするロックピンと、前記第2回動部材を前記第1回動部材をロックする方向に付勢する第2ばねと、この第2ばねの付勢力によって前記第2回動部材と当接し前記第2回動部材の回転を規制する回転規制部材とから構成した
ことを特徴とする工作物駆動装置。 - 請求項1に記載の工作物駆動装置において、前記係合解除手段と前記ロック解除手段を1つのシリンダ装置で構成し、このシリンダ装置のピストンロッドに、前記第1回動部材に係合して前記第1回動部材を第1ばねの付勢力に抗して回転させる第1当接部材と、前記第2回動部材に係合して前記第2回動部材を前記第2ばねの付勢力に抗して回転させる第2当接部材を設け、前記ピストンロッドの進退によって、先ず前記第2当接部材によって前記第2回動部材を回動させて前記ロックピンによる前記第1回動部材のロックを解除し、次いで前記第1当接部材によって前記第1回動部材を回動させて前記係合爪と前記歯溝との係合を解除することを特徴とする工作物駆動装置。
- 請求項1又は2に記載の工作物駆動装置において、前記歯溝に対する前記係合爪の係合位置を前記歯車の端部として前記係合爪を前記歯溝に対して前記工作物の半径方向から前記工作物に対してセンタ支持側に引き込む引込力が作用するように係合させたことを特徴とする工作物駆動装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30528395A JP3557757B2 (ja) | 1995-11-24 | 1995-11-24 | 工作物駆動装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30528395A JP3557757B2 (ja) | 1995-11-24 | 1995-11-24 | 工作物駆動装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09141507A JPH09141507A (ja) | 1997-06-03 |
JP3557757B2 true JP3557757B2 (ja) | 2004-08-25 |
Family
ID=17943240
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP30528395A Expired - Fee Related JP3557757B2 (ja) | 1995-11-24 | 1995-11-24 | 工作物駆動装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3557757B2 (ja) |
-
1995
- 1995-11-24 JP JP30528395A patent/JP3557757B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH09141507A (ja) | 1997-06-03 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JPS6150722B2 (ja) | ||
US5702336A (en) | Tool magazine having grips capable of maintaining tool gripping force regardless of orientation of magazine disk | |
JP3395855B2 (ja) | タレット装置 | |
JP3557757B2 (ja) | 工作物駆動装置 | |
US3396981A (en) | Chucking apparatus | |
US6615466B1 (en) | Tool head with spindle bearing arrangement | |
JPS62271609A (ja) | 動力操作される工作物保持体を工作機械の回転スピンドルに交換可能に固定するための装置 | |
US11931816B2 (en) | Thread-cutting die head for powered pipe threader | |
JP3405081B2 (ja) | ワーク固定装置 | |
JP3068123B2 (ja) | タレットユニット | |
JPS62224541A (ja) | アングルヘツド | |
JP3252863B2 (ja) | タレットユニット | |
JP2602493Y2 (ja) | コンパクト型クランプ装置 | |
JP2002028834A (ja) | 加工振れ防止支持具 | |
JPH0217791Y2 (ja) | ||
JPS6231233Y2 (ja) | ||
JPS6236593Y2 (ja) | ||
JPH09285930A (ja) | 工具交換装置 | |
JPH0735691Y2 (ja) | クランクシャフト加工用保持装置 | |
JPH046485B2 (ja) | ||
JPH0222196Y2 (ja) | ||
JPH079221A (ja) | タレットユニット | |
JPS6140410Y2 (ja) | ||
JP2579847B2 (ja) | 自動ねじ締め工具 | |
JP4524875B2 (ja) | チャック |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20040106 |
|
A521 | Written amendment |
Effective date: 20040121 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Effective date: 20040427 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Effective date: 20040510 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 |
|
S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111 |
|
R371 | Transfer withdrawn |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R371 |
|
S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080528 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Year of fee payment: 5 Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090528 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100528 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110528 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110528 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120528 Year of fee payment: 8 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Year of fee payment: 8 Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120528 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130528 Year of fee payment: 9 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |