JP3557362B2 - 半導体パッケージ用リードフレームの収納装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体パッケージ用リードフレームの収納装置に係り、特に、サーディプ(C−DIP)型半導体パッケージ用リードフレームの収納装置の分流搬出シュートに関する。
【0002】
【従来の技術】
図11、図12に示すように、サーディプ型半導体パッケージ用リードフレーム(以下、リードフレーム100という)は、例えば、ニッケル及び鉄の合金からなって、中央部に帯状の金属薄膜層102が設けられてロール状に巻かれた金属薄板101から製造される。金属薄板101は、図13に示すように、パンチングプレス金型103(順送り金型装置)によって複数回の打ち抜き、折り曲げ加工がされ、図12に示すように、矢印Aの方向から見て溝型形状となって連続的に送り出される。リードフレーム100は、外周に設けられたガイドフレーム104及びガイドフレーム104の内側に設けられたリード本体105からなり、リード本体105の基側の足部106はそれぞれガイドフレーム104によって支持され、先部107はそれぞれ切り離された状態となっている。
パンチングプレス金型103から送り出されたリードフレーム100は、図示しないベルトコンベア上を移動する。そして、ベルトコンベアの横に待機している作業者のハンドリング(手作業)によってリードフレーム100は収納トレー108の底部に設けられたレール状突起109に嵌入され収納されていた。作業者は、収納トレー108に所定個数が収納されたことを確認して、製品収納済みとなった収納トレー108を回収し、必要がある場合には収納されたリードフレーム100を収納トレー108ごと洗浄した後、出荷用外装箱に挿入していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来の収納作業は、ハンドリングで行うため、リードフレームを手に引っ掛けて曲げてしまい、不良品が生じるという問題があった。また、パンチングプレス金型の性能向上に伴ってリードフレームの搬送速度が速くなり、1人の作業者では挿入作業が困難になっていた。このため1台の装置に対し、複数の作業者が挿入作業を行う必要があったが、金型のペースに合わせて連続して挿入作業を行うため、作業者への負担は大きかった。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、半導体パッケージ用リードフレームを収納する際のハンドリングをなくして、高品質の半導体パッケージ用リードフレームを生産し、且つ、効率よく分流収納することができる半導体パッケージ用リードフレームの収納装置を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
前記目的に沿う本発明に係る半導体パッケージ用リードフレームの収納装置は、溝形に折り曲げられた半導体パッケージ用リードフレームが被さった状態で収納されるフレーム収納部を縦方向に複数備えた収納部群を、横方向に所定ピッチで複数列備える収納トレーに、前記半導体パッケージ用リードフレームを1個ずつ収納する半導体パッケージ用リードフレームの収納装置であって、前記半導体パッケージ用リードフレームを前記収納トレーに向けて搬送する主搬送シュートと、前記主搬送シュートから搬送される前記半導体パッケージ用リードフレームを所定の収納部群のそれぞれの前記フレーム収納部に別々にガイドする分岐搬送シュートと、前記収納トレーを前記収納部群の配列ピッチで横方向に間欠的に搬送して、前記収納トレーの次の収納部群の位置を、前記半導体パッケージ用リードフレームを搬送するそれぞれの前記分岐搬送シュートの位置に移動させる間欠搬送手段とを有している。このように構成することによって、半導体パッケージ用リードフレームを収納トレーの各フレーム収納部に順次自動的に収納することが可能となる。
【0005】
ここで、好ましくは、前記半導体パッケージ用リードフレームは、順送り金型装置でワイヤボンディング領域に金属薄膜層を設けた素材から不要部分の打ち抜きと直角の曲げ加工が順次行われることにより所要の形状を形成した単一のサーディプ型の半導体パッケージ用リードフレームであり、前記半導体パッケージ用リードフレームの収納装置は、前記順送り金型装置を用いた形状加工装置の下流に搬送コンベアを介して接続配置するのがよい。このように構成することによって、形状加工装置で製造された半導体パッケージ用リードフレームを、ハンドリングせずに直接収納することが可能となる。
また、好ましくは、前記間欠搬送手段は、その上流側に多段に積層された前記収納トレーを下方から吸引して吸着支持する吸着手段が設けられた収納トレー供給手段を有し、該収納トレー供給手段によって前記収納トレーを前記間欠搬送手段に1枚ずつ搬送するのがよい。収納トレー供給手段によって収納トレーを自動的に供給することができるので、供給トレーの交換時にリードフレームの供給を停止しなくてもよい。
【0006】
さらに、好ましくは、それぞれの前記分岐搬送シュートは、その下端部を回動自在に支持し、その上端部と前記主搬送シュートとの離接によって前記主搬送シュートと分岐搬送シュートの分岐を切り替えるのがよい。収納トレーに近接する分岐搬送シュートの下端部を回動自在に支持することによって、収納トレーと下端部の位置ずれを小さくすることが可能となる。
さらに、前記複数の分岐搬送シュートと主搬送シュートとの分岐の切り替えは、前記分岐搬送シュートに取付けられたスプリングによって前記主搬送シュートに密接又は離反した前記分岐搬送シュートを前記主搬送シュートに設けられたエアシリンダ等のアクチュエータによって前記スプリングの引張り方向と逆方向に作動させることによって行うことも可能である。このような構成にすることによって、アクチュエータの作動と停止によって主搬送シュートと分岐搬送シュートとの分岐の切り替えを行うことが可能となる。
【0007】
そして、好ましくは前記主搬送シュート及び複数の分岐搬送シュートには、前記リードフレームのジャミングを防止するエアー間欠吐出ノズルをそれぞれ設けるのがよい。このように構成することによって、リードフレームが主搬送シュート又は複数の分岐搬送シュートに張り付くことを防止し、後続するリードフレームとのジャミングを防止することが可能となる。
また、前記主搬送シュートと複数の分岐搬送シュートとの離接、前記収納トレーの供給及び該収納トレーの搬送を制御する制御装置を備えることも可能である。制御装置を備えることによって、リードフレームと収納トレーの搬送時間のタイミングを最適化して収納のペースを速くすることが可能となる。
【0008】
【発明の実施の形態】
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態について説明し、本発明の理解に供する。
【0009】
図1に示すように、本発明の一実施の形態に係る半導体パッケージ用リードフレームの収納装置10は、溝形に折り曲げられた半導体パッケージ用のリードフレーム11を被さった状態で収納するフレーム収納部12〜14を縦方向(図1では横方向)に備えた収納部群15を、横方向に所定ピッチで複数列備える収納トレー16(収納トレー108と同形状)に、リードフレーム11を1個ずつ収納するものである。以下、詳しく説明する。
図12に示す従来例にかかるリードフレーム100と同形状であるリードフレーム11は、中央部に帯状に設けられたワイヤボンディング領域に金属薄膜層を設けた、例えば、鉄−ニッケル合金、無酸素銅、脱酸銅等からなる素材から不要部分の打ち抜きと直角の曲げ加工を順送り金型装置で順次行うことにより所要の形状(溝形状)が形成された単一のサーディプ型のものである。
【0010】
収納装置10は、順送り金型装置を用いた形状加工装置17の下流にベルトコンベア18を介して接続配置され、また、リードフレーム11を収納トレー16に向けて搬送する主搬送シュート19と、主搬送シュート19から搬送されるリードフレーム11を所定の収納部群15のそれぞれのフレーム収納部12〜14に別々にガイドする分岐搬送シュート20、21と、収納トレー16を収納部群15の配列ピッチで横方向に間欠的に搬送して、分岐搬送シュート20、21から搬送されるリードフレーム11を次の収納部群15に切り替える間欠搬送手段22とを有している。そして、収納トレー16は、水平面からベルトコンベア18の方向に5〜15度の角度で上向きに傾斜配置されているので、リードフレーム11の挿入を容易にすることができる。
次に、主搬送シュート19、及び分岐搬送シュート20、21についてさらに詳しく説明する。
【0011】
図2に示すように、主搬送シュート19は、溝形状のリードフレーム11がその上部から嵌入可能な角柱状の主レール23と、主レール23の下部に連接し、収納トレー16への案内角度を収納トレー16の底面を基準として上方に10〜30度、又は水平面を基準として上方に15〜45度の角度となるように調整された副レール24を有している。そして、主搬送シュート19は、その上端部25をベルトコンベア18の下流側の端部に連接し、その下端部26を、傾斜配置された収納トレー16の一つの収納部群15のフレーム収納部12〜14のうち最上流側のフレーム収納部12に近接して設けられている。
【0012】
それぞれの分岐搬送シュート20、21は、副レール24に略平行に配置され、フレーム収納部13、14に近接するそれぞれの下端部を回動支持部27、28によって回動自在に支持され、それぞれの上端部29、30と主搬送シュート19との離接によって主搬送シュート19と分岐搬送シュート20、21の分岐を切り替える構成となっている。このとき、分岐シュート20、21の上端部29、30と主搬送シュート19が離れたときの距離は、上端部29、30と主搬送シュート19の間の隙間31、32をリードフレーム11が通過できるだけ、即ちリードフレーム11の厚み(約0.1〜0.3mm)以上であればよい。このように縦方向に分岐する構成にしているので、分岐させるときの分岐搬送シュート20、21の移動距離を小さくして迅速な切り替えを可能としている。
【0013】
図2、図3に示すように、主搬送シュート19の下部には、シリンダ設置プレート37が取付けられている。分岐搬送シュート20、21と主搬送シュート19との分岐の切り替えは、分岐搬送シュート20、21に取付けられた図示しないスプリングによって主搬送シュート19に密接又は離反する分岐搬送シュート20、21を、主搬送シュート19に設けられたアクチュエータの一例であるエアシリンダ38によってスプリングの引張り方向と逆方向に作動させることによって行う。例えば、スプリングの一端を分岐搬送シュート21の上側の下部に設けられた押圧プレート39に取付けておき、他端を下方に引っ張った状態でシリンダ設置プレート37に取付けておくと、通常は、隙間32が閉じた状態となり(図2中の分岐搬送シュート21を二点鎖線で示した状態)、リードフレーム11は分岐搬送シュート21を通過する。そして、シリンダ設置プレート37に取付けたエアシリンダ38を駆動させて分岐搬送シュート21に取付けた押圧プレート39を上方に押圧し、隙間32を開けた状態にするとリードフレーム11は主搬送シュート19を通過することになる。そして、エアシリンダ38の駆動を停止するとスプリングの力で分岐搬送シュート21は下方に移動する。このように切り替えのときにエアシリンダ38を逆方向に駆動しなくてよいので、構造を簡単にすることができる。なお、アクチュエータとして、エアシリンダ38の代わりに電動モータ、ギヤボックス及びリンク機構の組み合わせも使用可能であり、また、電磁石を利用して切り替えることも可能である。
また、図示しないが、分岐搬送シュート20の下部にも押圧プレートが設けられ、シリンダ設置プレート37にはこの押圧プレートを押し上げる図示しないエアシリンダが設けられている。
【0014】
さらに、図2に示すように、主搬送シュート19及び複数の分岐搬送シュート20、21には、リードフレーム11のジャミング(絡み)を防止するエアー間欠吐出ノズル33〜35を、ベルトコンベア18と主搬送シュート19の連接部の上方、分岐搬送シュート21の上方、及び主搬送シュート19の主レール23と副レール24の連接部の上方にそれぞれ設けている。ベルトコンベア18から約45度下方に屈曲した主搬送シュート19にリードフレーム11が移動するときには、リードフレーム11はその先端を下方に約45度回動して溝底面36を主搬送シュート19に当接させてから傾斜に沿って移動するが、エアー間欠吐出ノズル33でリードフレーム11の上面にエアーを吹き付けることによって、リードフレーム11を一定の位置で回動させることができるので、リードフレーム11がベルトコンベア18から主搬送シュート19に移動するタイミングを一定にして、リードフレーム11の搬送ピッチを安定させることができる。また、分岐搬送シュート21の上方、及び主搬送シュート19の主レール23と副レール24の連接部の上方に設けられたエアー間欠吐出ノズル34、35からエアーを吹きつけることによって、リードフレーム11に勢いを付けて滑りを良くすると共に、搬送されるリードフレーム11と、これに後続するリードフレーム11との間隔を調整することができ、さらに搬送ピッチを安定させることができる。
なお、図2に示す主搬送シュート19及び分岐搬送シュート20、21の両側にはリードフレーム11の収納時にリードフレーム11が側方に横転するのを防止し、上下に間欠作動する図示しないガイド板を設けている。
【0015】
次に、主搬送シュート19と分岐搬送シュート20、21の動作について図4を参照して説明する。本説明においては、順次送られてくるリードフレームの符号を順に40、41、42、43とする。
図4(A)〜(D)に示すように、主搬送シュート19の中央部で分岐搬送シュート21との当接部よりも上流側、分岐搬送シュート21、20の上側、主搬送シュート19の副レール24にはそれぞれリードフレーム40〜43を検知可能なセンサーの一例である光電式センサー44〜47が設けられている。
(A)に示すように、収納トレー16の収納部群15にリードフレーム11が1つも収納されていないとき、分岐搬送シュート20、21は主搬送シュート19に当接した状態となり、リードフレーム40は主搬送シュート19から分岐搬送シュート21に分岐する。
【0016】
(B)に示すように、リードフレーム40は、光電式センサー44に感知されると搬送数としてカウントされる。また、リードフレーム40が光電式センサー45に感知されると、分岐搬送シュート21が主搬送シュート19から離反する。そして、後続するリードフレーム41は、光電式センサー44で検知され搬送数としてカウントされた後、分岐搬送シュート21の下方を通過して分岐搬送シュート20に分岐して搬送される。
(C)に示すように、リードフレーム40は収納トレー16に収納される。一方、リードフレーム41が光電式センサー46に感知されると、分岐搬送シュート20が主搬送シュート19から離反する。
(D)に示すように、リードフレーム41は収納トレー16に収納される。一方、リードフレーム42は、光電式センサー44に感知されて搬送数としてカウントされた後、光電式センサー47に感知されると、分岐搬送シュート20、21は主搬送シュート19に当接する。光電式センサー47がリードフレーム42を検知する前にリードフレーム43が搬送されてくる場合があるが、このときには、光電式センサー44がリードフレーム42を検知した後に分岐搬送シュート21の下方を通過するまでの時間を予め計測しておき、この時間に合わせて分岐搬送シュート21を主搬送シュート19に当接させるとよい。
リードフレーム42が収納トレー16に収納された後は、収納トレー16を移動させて次の収納部群15にリードフレーム43を同様にして収納していく。
なお、本実施の形態では光電式センサーを使用したが、光電式センサーに替えて近接センサーも使用でき、また、リードフレームの通過を検知できる他の種類のセンサーも当然使用することができる。
【0017】
次にリードフレーム11を次の収納部群15に案内する間欠搬送手段22について図5、図6を用いて説明する。
間欠搬送手段22は、搬送方向の両側に搬送レール76、77を、その上流側に多段に積層された収納トレー16を下方から吸引して吸着支持する吸着手段の一例であるノズル51、51a、52、52a付きのエアシリンダ48が設けられた収納トレー供給手段50を、中央部に収納トレー供給手段50から供給された収納トレー16を搬送方向に移動させるピッチ送り装置65を有しており、また、間欠搬送手段22の下流側には製品搬送コンベア84が連接されている。まず、収納トレー供給手段50について詳しく説明する。
収納トレー供給手段50は収納トレー16を間欠搬送手段22の搬送レール76、77上に1枚ずつ降ろすものである。この収納トレー供給手段50は、平面視してコ字状のトレー収納枠53、54を有しており、対向するトレー収納枠53、54には、中央に向かって(図5、図6中の矢印Pの方向)、対となって突出可能な幅広板状の掛止板55、56を有している。積層した収納トレー16は、トレー収納枠53、54に設けられた掛止板55、56によって保持された状態となっていて、この掛止板55、56は支持ブラケット57、58を介して設けられたエアシリンダ59、60によって図5、図6中に示す矢印Pの方向、又は矢印Pと逆の方向に移動可能に設けられている。
【0018】
収納トレー16を1枚取り出すときには、エアシリンダ48を作動し、ノズル51、51a、52、52aを収納トレー16の裏面に当接し、真空吸引を行う。そして、掛止板55、56を矢印Pの逆方向に移動して、ノズル51、51a、52、52aを下方に移動させる。図5中の拡大図に示すように、最下段の収納トレー16の下端が掛止板55の下面より下がったところで掛止板55、56を矢印Pの方向に移動して、さらにノズル51、51a、52、52aを下方に移動させる。すると最下段の収納トレー16を除く収納トレー16は掛止板55、56に掛止するので、最下段の収納トレー16だけを取り出して、収納トレー16を下側から支持する搬送レール76、77上に降ろすことができる。
次にピッチ送り装置65について説明する。
図6に示すように、間欠搬送手段22の下部には、ガイドロッド63、64に沿って送り方向(図6中の矢印Q)に進退可能なピッチ送り装置65が設けられ、ピッチ送り装置65には、収納トレー16の底部に設けられた突起部(図13のレール状突起109参照)に下方から嵌入する右搬送パッド61、62及び左搬送パッド66、67を有している。ガイドロッド63、64は、溝付き丸孔を有する固定具69によって固定されていて、右搬送パッド61、62及び左搬送パッド66、67は、中央に吸引手段の一例である吸引ノズル72〜75が設けられ、エアシリンダ70、71によって上下方向にそれぞれ別個に昇降可能な構造となっている。なお、符号16a、16bは、それぞれ収納トレー供給手段50からの収納トレー16の受け取り位置と、リードフレーム11の収納終了時の収納トレー16の位置を示している。
図5に示すように、ピッチ送り装置65の下部には検知片82が取付けられ、間欠搬送手段22には検知片82を検知する光電スイッチ83が取付けられており、この光電スイッチ83が検知片82を検知した時のピッチ送り装置65の位置が原点となるように設定している。また、間欠搬送手段22には図示しない別の光電スイッチが取付けてあり、これを使用してピッチ送り装置65の移動方向の制御を行うことができる。
【0019】
例えば、左搬送パッド66、67を使用して収納トレー16を搬送するときには、まず、エアシリンダ70、71によって左搬送パッド66、67を上昇させ、収納トレー16の突起部に裏側から嵌入する。このとき左搬送パッド66、67に設けられた吸引ノズル74、75によって収納トレー16を裏側から吸着する。次に、収納トレー16を吸着した状態でピッチ送り装置65を図示しないサーボモータ及びボールねじによって搬送方向(矢印Qの方向)に収納部群15のピッチだけ搬送する。そして、吸引ノズル74、75による吸引を停止し、エアシリンダ70、71によって左搬送パッド66、67を下降させ、収納トレー16をピッチ送り装置65から分離してピッチ送り装置65だけを搬送方向と逆方向(矢印Qの逆方向)に搬送して元の位置に戻す。これを繰り返すことによって、収納トレー16を所定ピッチずつ移動させることができる。
【0020】
収納トレー16が収納トレー供給手段50から間欠搬送手段22の搬送レール76、77上の位置16aに載置されたとき、収納トレー16の突起部には右搬送パッド61、62だけが嵌入している。そして、収納トレー16の前方(矢印Qの方向)には、リードフレーム11が収納済みの収納トレー16が位置16bに連接して載置された状態となっている。右搬送パッド61、62及び左搬送パッド66、67の間隔は、位置16bにある収納トレー16の最後列の収納部群15と位置16aにある収納トレー16の最前列の収納部群15の間の間隔(約35mm)と等しく、これは、同一の収納トレー16の隣り合う収納部群15のピッチ(約20mm)とは異なっている。従って、図6中の位置16aにある収納トレー16の搬送を始めるときには、初回だけ該収納トレー16の最端収納部群15(図では最左列)を右搬送パッド61、62で図6中の左搬送パッド66、67の位置まで搬送し、その後は左搬送パッド66、67によって各収納部群15のピッチに合わせて搬送する。
【0021】
主搬送シュート19から供給されるリードフレーム11は、収納トレー16に順に収納され、収納トレーの収納部群15の各フレーム収納部12〜14にリードフレーム11が収納されると収納トレー16が自動的にピッチ送りされる。これを繰り返すことによってリードフレーム11を収納トレー16に自動的に収納することができる。なお、搬送レール76、77のリードフレーム11の供給位置には収納トレー16の端部を上から押える収納トレーガイド78、79が設けられている。これによって収納トレー16の振動を抑えて、リードフレーム11の挿入を確実に行うことができる。また、搬送レール77の外側で主搬送シュート19の下方には内側に突出可能なロッドを備えたトレー押えシリンダ81が設けられている。これによって収納トレー16を側方から押えてがた寄せをすることができるので、さらにリードフレーム11の挿入を確実に行うことができる。
なお、図1に示すように、主搬送シュート19と複数の分岐搬送シュート20、21との離接、収納トレー16の供給及び収納トレー16の搬送を制御する制御装置80は、間欠搬送手段22の下部に備えられている。
【0022】
次に、本実施の形態に係る半導体パッケージ用リードフレームの収納装置10の制御方法について、図7〜図10を用いて説明する。なお、図中に示す丸付き数字1、2は、図中の同じ丸付き数字へ続くものとする。
収納装置10の制御は、通常は図1に示す制御装置80を用いて行い、非常時には、作業者に音や光を用いたアラームで注意を促すと共に機械を停止する。そして作動不良からの復帰は作業者が行う。
まず、レール部(主搬送シュート19及び分岐搬送シュート20、21)の制御方法について図4、図7を参照して説明する。
制御装置10は、図4に示す光電式センサー44〜47に連動して作動し、製品が上レール(分岐搬送シュート21)の光電式センサー45を通過するまでは、上レールを下降した状態に保持し(ステップ1)、通過すると上レールを押し上げて上昇させる(ステップ2)。次に製品が中レール(分岐搬送シュート20)の光電式センサー46を通過するまで中レールを下降した状態に保持し(ステップ3)、通過すると中レールを押し上げて上昇させる(ステップ4)。そして製品が下レール(主搬送シュート19)の光電式センサー47を通過するまでそのままの状態で待ち(ステップ5)、通過すると上レール及び中レールを下降させ(ステップ6)、ステップ1に戻る。
【0023】
次に、収納トレー供給手段50の制御方法について図5、図6、図8を参照して説明する。図6に示す二点鎖線Rより右側に設けられた図示しないセンサーが先行する収納トレー16に反応しないとき、すなわち先行する収納トレー16が二点鎖線Rより左側にあってノズル51a、52aの邪魔にならないとき、トレー取上げ許可(ステップ7)がYESとなる。トレー取上げ許可がYESとなった後、ノズル51、51a、52、52aを上死点まで上昇させる(ステップ8)。上死点とは、掛止板55、56の上面の高さよりわずかに高い位置で、ノズル51、51a、52、52aを上死点まで上昇させることによって掛止板55、56に保持されていた複数の収納トレー16をノズル51、51a、52、52aによって持ち上げることができる(図5中の拡大図参照)。次に、掛止板55、56を矢印Pの逆方向に開き、ノズル51、51a、52、52aによって最下段の収納トレー16を吸着し(ステップ9)、収納トレー16が確実に吸着されているか確認する(ステップ10)。ここで、吸着されていない場合(ステップ10でNOの場合)には作業者に知らせるためにアラームが鳴る。作業者は収納トレー供給手段50に確実に収納トレー16をセットし(ステップ16)、アラームをリセットして(ステップ17)、再度機械を始動し(ステップ18)、ステップ7から制御を再開する。収納トレー16が吸着されているとき(ステップ10でYESの場合)は、吸着したままの状態で最下段の収納トレー16の底面が掛止板55、56の下面より低くなる位置(中間点)までノズル51、51a、52、52aを下降させる(ステップ11)。
【0024】
ステップ11の後には、掛止板55、56を矢印Pの方向に閉じ(ステップ12)、最下段以外の収納トレー16が掛止板55、56の位置より下方に下降しないようにしてからノズル51、51a、52、52aの下死点までの下降許可の判定を行う(ステップ13)。下降許可の判定は、図6に示す二点鎖線Sと二点鎖線Rの間に設けられた図示しないセンサーが先行する収納トレー16に反応しないとき、すなわち、ノズル51、51a、52、52aに吸引されている収納トレー16を下降させても先行する収納トレー16にぶつからない位置まで先行する収納トレー16が移動したときに下降許可の判定はYESとなる。下降が許可されたときは、収納トレー16を下死点まで下降させて(ステップ14)、ノズル51、51a、52、52aの吸引を停止して真空破壊を行う(ステップ15)。そして、再度ステップ7に戻って次の収納トレー16の取上げ許可を待つ。
【0025】
次に、間欠搬送手段22の制御方法について図6、図9、図10を参照して説明する。
まず、二点鎖線Sと二点鎖線Rの間に設けられた図示しないセンサーによって位置16aの収納トレー16(以下、収納トレー16Aという)の有無を確認し(ステップ19)、有りと判断した場合(このとき位置16bにも製品収納済みの収納トレー16(以下、収納トレー16Bという)が有る)、左搬送パッド66、67、右搬送パッド61、62を上昇させる(ステップ20)。このとき、右搬送パッド61、62は製品を収納しようとする収納トレー16Aに、左搬送パッド66、67は製品収納後の収納トレー16Bにそれぞれ裏側から嵌入する。それから、左搬送パッド66、67を収納トレー16Bと共に移動させると同時に右搬送パッド61、62を製品受け取り位置(図6中の左搬送パッド66、67の位置)まで収納トレー16Aと共に移動させる(ステップ21)。そして、移動完了(ステップ22)後にトレー押えシリンダ81を作動させ収納トレー16Aを固定し、主搬送シュート19及び分岐搬送シュート20、21の両側に設けられリードフレーム11の横転を防止するガイド板を下降させる(ステップ23)。ここで、製品搬送コンベア84及びエアブロー(エアー間欠吐出ノズル33〜35)が動いているか確認し(ステップ24)、動いていない場合には製品搬送コンベア84を起動して、エアブローを開始するためにソレノイドバルブを開放し(ステップ28)、ステップ24に戻る。製品搬送コンベア84及びエアブローが動いているときは、左搬送パッド66、67、右搬送パッド61、62を下降して(ステップ25)、左搬送パッド66、67を原点に移動させる(ステップ26)。原点とは、図6に示す左搬送パッド66、67の位置で、主搬送シュート19及び分岐搬送シュート20、21の下方で製品受け取り可能な位置である。製品収納後の収納トレー16Bは、左搬送パッド66、67が下降したときに、製品搬送コンベア84によって下流に搬送され、作業者により梱包される。
【0026】
左搬送パッド66、67が原点へ移動完了した後(ステップ27)は、トレー下死点下降許可の判定を行う(ステップ29)。ステップ29は図8を用いて説明したステップ13と同様の判定を行う。この判定でYESとなった場合は、収納トレー16Aへ製品の収納が終了したときなのでステップ19に戻る。
NOの場合は、左搬送パッド66、67を上昇して収納トレー16Aに嵌入させ(ステップ30)、左搬送パッド66、67を送る許可の判定を行う(ステップ31)。図7で説明したステップ5で製品が下レールを通過した後、製品が収納トレー16に収納されるまでの所定時間が経過すると、ここでの判定がYESになる。ステップ31でYESとなった後はトレー押えシリンダ81を作動させて収納トレー16Aを開放し、ガイド板を上昇させる(ステップ32)。そして、左搬送パッド66、67を各収納部群15の間のピッチ(定寸)に合わせて定寸送りして移動させ(ステップ33)、移動完了後(ステップ34)にトレー押えシリンダ81を作動させて収納トレー16Aを固定し、ガイド板を下降させる(ステップ35)。次に、左搬送パッド66、67を下降させて(ステップ36)、原点に移動し(ステップ37)、移動完了後(ステップ38)はステップ29に戻って、収納トレー16Aに製品が満たされるまでこれを繰り返す。
【0027】
以上説明してきたように、制御装置80によって制御するので、リードフレーム11の収納を確実に行うことができ、また、収納時間を短縮することができるようになった。
【0028】
【発明の効果】
請求項1〜7記載の半導体パッケージ用リードフレームの収納装置においては、分岐搬送シュート及び間欠搬送手段が設けられているので、リードフレームを各フレーム収納部に自動的に収納することが可能となり、作業効率をよくすることができる。
特に、請求項2記載の半導体パッケージ用リードフレームの収納装置においては、形状加工装置の下流に接続配置されるので、製造後の製品を別途集積する手間を省くことができ、また、半製品の状態で放置されることがないので品質が向上する。
請求項3記載の半導体パッケージ用リードフレームの収納装置においては、収納トレー供給手段によって収納トレーを自動的に供給するので、リードフレームの供給を停止することなく収納トレーの交換ができ、作業効率をさらに向上させることができる。
請求項4記載の半導体パッケージ用リードフレームの収納装置においては、分岐搬送シュートは下端部を回動自在に支持されるので、収納トレーとの位置ずれを小さくすることが可能となり、収納トレーにリードフレームを収納するときの作業不良を軽減することができる。
請求項5記載の半導体パッケージ用リードフレームの収納装置においては、スプリング及びアクチュエータを使用して分岐の切り替えを行うので、アクチュエータの作動と停止によって簡単に分岐を切り替えることができる。
請求項6記載の半導体パッケージ用リードフレームの収納装置においては、エアー間欠吐出ノズルが設けられているので、ジャミングを防止し、機械を連続して運転することができる。
そして、請求項7記載の半導体パッケージ用リードフレームの収納装置においては、制御装置を備えることによって、リードフレームと収納トレーの搬送時間のタイミングを最適化することができ、また、不良処理からの復旧を迅速に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】
本発明の一実施の形態に係る半導体パッケージ用リードフレームの収納装置の側面図である。
【図2】
同収納装置の主搬送シュート及び分岐搬送シュートの側面図である。
【図3】
同収納装置の主搬送シュートの平面図である。
【図4】
(A)〜(D)は、同収納装置の主搬送シュート及び分岐搬送シュートの動作説明図である。
【図5】
同収納装置の間欠搬送手段の側面図である。
【図6】
同収納装置の間欠搬送手段の平面図である。
【図7】
同収納装置を使用した収納方法を示すフローチャートである。
【図8】
同収納装置を使用した収納方法を示すフローチャートである。
【図9】
同収納装置を使用した収納方法を示すフローチャートである。
【図10】
同収納装置を使用した収納方法を示すフローチャートである。
【図11】
従来例に係るリードフレームの製造前の状態を示す斜視図である。
【図12】
従来例に係るリードフレームの斜視図である。
【図13】
従来例に係るリードフレームの収納方法を示す説明図である。
【符号の説明】
10:収納装置、11:リードフレーム、12〜14:フレーム収納部、15:収納部群、16:収納トレー、16a、16b:位置、17:形状加工装置、18:ベルトコンベア、19:主搬送シュート、20、21:分岐搬送シュート、22:間欠搬送手段、23:主レール、24:副レール、25:上端部、26:下端部、27、28:回動支持部、29、30:上端部、31、32:隙間、33〜35:エアー間欠吐出ノズル、36:溝底面、37:シリンダ設置プレート、38:エアシリンダ(アクチュエータ)、39:押圧プレート、40〜43:リードフレーム、44〜47:光電式センサー、48:エアシリンダ(吸着手段)、50:収納トレー供給手段、51、51a、52、52a:ノズル、53、54:トレー収納枠、55、56:掛止板、57、58:支持ブラケット、59、60:エアシリンダ、61、62:右搬送パッド、63、64:ガイドロッド、65:ピッチ送り装置、66、67:左搬送パッド、69:固定具、70、71:エアシリンダ、72〜75:吸引ノズル、76、77:搬送レール、78、79:収納トレーガイド、80:制御装置、81:トレー押えシリンダ、82:検知片、83:光電スイッチ、84:製品搬送コンベア
Claims (7)
- 溝形に折り曲げられた半導体パッケージ用リードフレームが被さった状態で収納されるフレーム収納部を縦方向に複数備えた収納部群を、横方向に所定ピッチで複数列備える収納トレーに、前記半導体パッケージ用リードフレームを1個ずつ収納する半導体パッケージ用リードフレームの収納装置であって、
前記半導体パッケージ用リードフレームを前記収納トレーに向けて搬送する主搬送シュートと、
前記主搬送シュートから搬送される前記半導体パッケージ用リードフレームを所定の収納部群のそれぞれの前記フレーム収納部に別々にガイドする分岐搬送シュートと、
前記収納トレーを前記収納部群の配列ピッチで横方向に間欠的に搬送して、前記収納トレーの次の収納部群の位置を、前記半導体パッケージ用リードフレームを搬送するそれぞれの前記分岐搬送シュートの位置に移動させる間欠搬送手段とを有することを特徴とする半導体パッケージ用リードフレームの収納装置。 - 請求項1記載の半導体パッケージ用リードフレームの収納装置において、
前記半導体パッケージ用リードフレームは、順送り金型装置でワイヤボンディング領域に金属薄膜層を設けた素材から不要部分の打ち抜きと直角の曲げ加工が順次行われることにより所要の形状を形成した単一のサーディプ型の半導体パッケージ用リードフレームであり、
前記半導体パッケージ用リードフレームの収納装置は、前記順送り金型装置を用いた形状加工装置の下流に接続配置されることを特徴とする半導体パッケージ用リードフレームの収納装置。 - 請求項1又は2記載の半導体パッケージ用リードフレームの収納装置において、前記間欠搬送手段は、その上流側に多段に積層された前記収納トレーを下方から吸引して吸着支持する吸着手段が設けられた収納トレー供給手段を有し、該収納トレー供給手段によって前記収納トレーを前記間欠搬送手段に1枚ずつ搬送することを特徴とする半導体パッケージ用リードフレームの収納装置。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の半導体パッケージ用リードフレームの収納装置において、それぞれの前記分岐搬送シュートは、その下端部を回動自在に支持され、その上端部と前記主搬送シュートとの離接によって前記主搬送シュートと分岐搬送シュートの分岐を切り替えることを特徴とする半導体パッケージ用リードフレームの収納装置。
- 請求項4記載の半導体パッケージ用リードフレームの収納装置において、前記複数の分岐搬送シュートと主搬送シュートとの分岐の切り替えは、前記分岐搬送シュートに取付けられたスプリングによって前記主搬送シュートに密接又は離反した前記分岐搬送シュートを前記主搬送シュートに設けられたアクチュエータによって前記スプリングの引張り方向と逆方向に作動させることによって行うことを特徴とする半導体パッケージ用リードフレームの収納装置。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の半導体パッケージ用リードフレームの収納装置において、前記主搬送シュート及び複数の分岐搬送シュートには、前記リードフレームのジャミングを防止するエアー間欠吐出ノズルをそれぞれ設けたことを特徴とする半導体パッケージ用リードフレームの収納装置。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載の半導体パッケージ用リードフレームの収納装置において、前記主搬送シュートと複数の分岐搬送シュートとの離接、前記収納トレーの供給及び該収納トレーの搬送を制御する制御装置を備えたことを特徴とする半導体パッケージ用リードフレームの収納装置。
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