JP3557329B2 - 荷卸し装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数段に積み付けられた段ボール箱、シュリンク包装品、プラスチックコンテナ等の物品を段単位で荷卸しする荷卸し装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
荷卸し方法及びその装置に関する従来の技術としては、実開平6−45945号公報に記載のもの等が知られている。
【0003】
上記公報に記載されている従来の技術について説明すると、実開平6−45945号公報には、パレットを製品一段相当分ずつ持ち上げるテーブルリフタと、製品の四周を挟持して微小持ち上げる挟持装置と、該挟持装置を横送りするための横送り装置とを備える段降ろし装置が記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の従来の技術は以下のような課題を有していた。
【0005】
即ち、実開平6−45945号公報に記載されている段降ろし装置は、物品の四周を段単位で挟持して持ち上げる挟持装置を横送りするように構成されているため、挟持装置を横送りするときに挟持されている物品が荷崩れして落下することがないように、極めて強い挟持圧で物品を保持する必要があると共に、横送り速度を低く押えなければならないため、強度が低い物品、滑りやすい物品等を取り扱うことができないと共に、取り扱える物品であっても高速度で荷卸しすることはできない。
【0006】
従って、本発明の目的は、強度が低い物品、滑りやすい物品等であっても、高速度で段単位で荷卸しすることができる荷卸し装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、複数段に積み付けられた物品を段単位で荷卸しする荷卸し装置において、対向する一対の押圧具と、積み付けられた物品を昇降する物品昇降装置と、該物品昇降装置の下降の停止を制御する下降検出具と、上記押圧具の下方位置を水平方向に移動する物品受台とを備えると共に、上記下降検出具の取り付け高さと略同じ高さの位置に物品があるか否かを検出する上部検出具と、上記下降検出具の取り付け高さより下方位置に物品があるか否かを検出する下部検出具とが上記物品受台の先端部に取り付けられていることを特徴とする荷卸し装置を提供することによって上記の目的を達成したものである。
【0009】
尚、押圧具が物品受台の移動方向に回動し得るように構成されていることが好ましい。
【0010】
また、物品受台がスラットコンベヤで構成されていることが好ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の荷卸し装置の実施の形態をその実施に好適な本発明の荷卸し装置の実施例と共に説明する。
【0012】
図1〜図3は本発明の荷卸し装置の一実施例を部分的に示す概略立面図で、本発明の荷卸し装置の一実施例の動作説明図でもある。また、図4は本発明の荷卸し装置の一実施例を部分的に示す概略立面図、図5は本発明の荷卸し装置の一実施例における検出具の取り付け位置を示す概略平面図、図6〜図8は本発明の荷卸し装置の一実施例の動作説明図、図9は図1〜図3に示す荷卸し装置の要部側面図、図10及び図11は図9に示す荷卸し装置の要部拡大図、図12は図11の要部左側面図である。
【0013】
これらの図面において、2は複数段に積み付けられた物品Wを昇降するための物品昇降装置(テーブルリフタ)、3は上段側の物品Wとその下段側の物品Wとの間に形成された隙間Gに挿入される物品受台(スラットコンベヤ)で後述する押圧具34、35の下方位置を水平方向に移動するように構成されている。また、4は物品受台3に載置された物品Wを受け取る受取コンベヤで、無端回動体で構成される無端コンベヤ401を昇降手段402によって昇降して物品受台3の水平方向延長線上に位置することができるように構成されている。また、5は直方体状の枠体からなる主フレームで、主フレーム5には把持機構6が載置されており、把持機構6には対向する二対の押圧具32、33、34、35と、二対のうちの一対の押圧具32、33と同一方向に対向する一対の下段押圧具44、45と、下段押圧具44、45を昇降する昇降装置46とが備えられている。また、下段押圧具44、45を備えていない一対の押圧具34、35のうちの受取コンベヤ4側の押圧具35は物品受台3の移動方向に回動し得るように構成されている。また、8は物品受台3の先端部31に取り付けられた押圧具検出器であり、押圧具検出器8によって物品受台3の先端部31が一対の押圧具34、35のうちの受取コンベヤ4と反対側の押圧具34の略下方位置にあることを検出し得るように構成されている。また、81は物品昇降装置(テーブルリフタ)2の下降の停止を制御する下降検出具、82は下降検出具81の取り付け高さと略同じ高さの位置に物品Wがあるか否かを検出する上部検出具、83は下降検出具81の取り付け高さより下方位置に物品Wがあるか否かを検出する下部検出具であり、上部検出具82と下部検出具83とが物品受台3の先端部31に取り付けられている。また、9は受取コンベヤ4に取り出された物品Wが搬出される搬出コンベヤで上下方向に複数の搬出コンベヤ9が配設されている。而して、複数段に積み付けられた物品Wのうち上段側の物品Wを段単位で把持した状態で上段側の物品Wとその下段側の物品Wとの間に隙間Gを形成した後、隙間Gに物品受台3を挿入してその先端部31が押圧具34の略下方位置になったときに物品受台3の挿入を停止して、物品受台3上に上段側の物品Wを載置することによって物品Wを段単位で荷卸しし、段単位で荷卸しされた物品Wを上下方向に配設されている複数の搬出コンベヤ9のうちの何れかの搬出コンベヤ9に搬出するようになしてある。尚、隙間Gに物品受台3を挿入するとき、上段側の物品Wのなかに下方に抜け出ている物品Wがあるか否かを確認するようになしてある。
【0014】
上記実施例における各部について説明すると、物品昇降装置(テーブルリフタ)2は主フレーム5の中央下部に配設されており、最上段の物品Wは押圧具32、33、34、35に対峙する高さまで上昇される。
【0015】
また、物品受台3は、スラットコンベヤで構成され、上段側の物品Wとその下段側の物品Wとの間に形成された隙間Gに挿入されるように配設されており、スラットコンベヤ3は押圧具32、33、34、35の下方位置を水平方向に移動すると共に、テーブルリフタ2の側方位置を垂直方向に移動するように配設されている。また、スラットコンベヤ3の先端部31には、スラットコンベヤ3の先端部31が一対の押圧具34、35のうちの受取コンベヤ4と反対側の押圧具34の略下方位置にあることを検出する押圧具検出器8が取り付けられていると共に、下降検出具81の取り付け高さと略同じ高さの位置に物品Wがあるか否かを検出する上部検出具82と、下降検出具81の取り付け高さより下方位置に物品Wがあるか否かを検出する下部検出具83とが取り付けられている。
【0016】
また、受取コンベヤ4は、押圧具32、33、34、35の下方位置を水平方向に移動するスラットコンベヤ3に載置された物品Wを受け取って何れかの搬出コンベヤ9に搬出し得るように構成されており、無端回動体で構成される無端コンベヤ401、無端コンベヤ401を昇降してスラットコンベヤ3の水平方向延長線上またはそれぞれの搬出コンベヤ9の水平方向延長線上に位置させるための昇降手段402、スラットコンベヤ3から受け取った物品Wを無端コンベヤ401上で停止するためのストッパ403等で構成されている。尚、無端コンベヤ401に代えて駆動ローラコンベヤを用いてもよい。また、図4に示されている昇降手段402は、門型フレームに取り付けられた昇降チェン(図示省略)によって無端コンベヤ401を昇降するようになしてあるが、テーブルリフタによって無端コンベヤ401を昇降するようになしてもよい。
【0017】
また、主フレーム5は、直方体状の枠体(図9及び図10では主フレーム5の上面部のみを図示している)からなり、主フレーム5には把持機構6が載置されていると共に、テーブルリフタ2の下降の停止を制御する下降検出具81が取り付けられている。
【0018】
また、把持機構6は、十字連結部7によって水平方向に十字形に配設された案内筒20、21、案内筒20、21に摺動自在に取り付けられたスライドボス24、25、スライドボス24、25の上部突起部に伸縮ロッド端が連結されると共に基端が十字連結部7に取り付けられたスライドボス移動用シリンダ28、29、スライドボス24、25の下部に取り付けられスラットコンベヤ3の移動方向に伸延する一定高さの板状体からなる前後方向用の押圧具(押圧板)32、33、スライドボス24、25と直交する方向に配設されたスライドボスの下部に取り付けられ前後方向に伸延する一定高さの板状体からなるスラットコンベヤ3の移動方向用の押圧具(押圧板)34、35、スライドボス24、25の下部に垂直方向に取り付けられた複動形2段ストロークシリンダ47、押圧板32、33の外面に取り付けられたそれぞれ一対のリニアガイド48、2段ストロークシリンダ47の伸縮ロッド端に取り付けられた下段押圧具44、45等で構成されている。また、下段押圧具44、45はそれぞれ下段押圧体移動用シリンダ49a、一対の案内軸49b、スラットコンベヤ3の移動方向に伸延する棒状体からなる下段押圧体49c等で構成されている。また、一対の押圧板34、35のうちの受取コンベヤ4側の押圧板35は回動用シリンダ(図示省略)によってスラットコンベヤ3の移動方向に回動して上方に退避し得るように構成されている。また、36、37は前後方向用の押圧板32、33の移動を同期させるためのラックであり、スラットコンベヤ3の移動方向用の押圧板34、35の移動も同様な機構にて同期されるようになしてある。また、42はフォトスイッチ、43はリミットスイッチである。
【0019】
また、主フレーム5の四隅には、図10に示す如く、球受座101が固着されており、球受座101には一部が上面から突出するように回転球体102が収納されている。他方、球受座101に対向する把持機構6の下面には回転球体102と接する平らな受け面103が設けられている。これにより、把持機構6は、押圧板32、33、34、35が最上段の物品Wを把持するときに、回転球体102上を自由に移動して最上段の物品Wの中心位置に調心される。
【0020】
また、把持機構6を囲む主フレーム5の4辺のそれぞれには、把持機構本体押圧装置104、105が配設されている。把持機構本体押圧装置104、105は、図10に示す如く、押圧シリンダ108、押圧シリンダ108によって作動される押圧アーム109、支軸110等で構成されている。これにより、把持機構本体押圧装置104、105は、最上段の物品Wの中心位置に調心された把持機構6を主フレーム5の中心位置に調心する。
【0021】
また、押圧具検出器8はスラットコンベヤ3の先端部31に取り付けられており、スラットコンベヤ3の先端部31が押圧板34の略下方位置にあることを検出し得るようになしてあり、スラットコンベヤ3の移動により押圧具検出器8が押圧板32、33、34、35によって把持されている物品Wを検出(光軸を遮光)してから検出しなくなる(光軸が通光の状態になる)物品Wの端部(押圧板34の内面)の下方位置に達すると、スラットコンベヤ3の移動を停止するように制御する。尚、押圧具検出器8を押圧板34に取り付けて、スラットコンベヤ3の先端部31が押圧板34の略下方位置にあることを検出するようになしてもよい。
【0022】
また、下降検出具(下降検出器)81は主フレーム5に(スラットコンベヤ3の水平方向延長線上の高さで)取り付けられており、テーブルリフタ2の下降により物品Wが下降検出器81によって検出されない(光軸が通光の状態になる)位置に達すると、テーブルリフタ2の下降を停止するように制御する。
【0023】
また、上部検出具(上部検出器)82はスラットコンベヤ3の先端部31に取り付けられており、スラットコンベヤ3の水平方向の移動により下降検出器81の取り付け高さと略同じ高さの位置に物品Wがあるか否かを検出し得るようになしてある。
【0024】
また、下部検出具(下部検出器)83はスラットコンベヤ3の先端部31に取り付けられた上部検出器82の下方位置(荷卸しされる種々の物品Wの高さに基づいて決定すればよく、例えば、100mm下方位置)に取り付けられており、スラットコンベヤ3の水平方向の移動により下降検出器81の取り付け高さより100mm下方位置に物品Wがあるか否かを検出し得るようになしてある。
【0025】
また、搬出コンベヤ9は、駆動ローラコンベヤであり、上下方向に複数段(3段)配設されており、受取コンベヤ4に取り出された物品Wは3段の搬出コンベヤ9のうちの何れかの搬出コンベヤ9に搬出される。
【0026】
次に、上述の本発明の荷卸し装置を用いた本発明の荷卸し方法の一実施例について、輸送中に生じる荷崩れを防止するために、積み付けられた物品Wの底面とその下段に積み付けられた物品Wの天面とが糊付けされている場合の実施例で説明する。
【0027】
テーブルリフタ2上に物品Wを積み付けたパレットPが載置されると、テーブルリフタ2が上昇され、フォトスイッチ42がテーブルリフタ2上の物品Wの最上部を検出して一定時間が経過するまで上昇する。この一定時間は、積み付けられている物品Wの略1段分の高さだけ上昇するのに要する時間であり、制御装置によって物品Wの品種毎に制御されているので、最上段の物品Wの側面を押圧把持することができる位置、即ち最上段の物品Wが押圧板32、33、34、35によって囲まれる位置でテーブルリフタ2の上昇を停止する。尚、このときの最上段の物品Wの中心位置と把持機構6の中心位置とは一致していない。また、フォトスイッチ42に代えて、下降検出器81がテーブルリフタ2上の物品Wの最上部を検出して一定時間が経過するまでテーブルリフタ2を上昇するようにしてもよい。
【0028】
テーブルリフタ2が所定の位置まで上昇すると、スライドボス移動用シリンダ28、29が作動して、スライドボス24、25を介して押圧板32、33が、スライドボス24、25と直交する方向に配設されたスライドボスを介して押圧板34、35が、最上段の物品Wの側面を押圧把持すると共に、2段ストロークシリンダ47がスライドボス24、25を介して押圧板32、33と共に水平方向に移動される。また、2段ストロークシリンダ47のスライドボス24、25側のシリンダが作動して、下段押圧体49cが上から2段目の物品Wの側面を押圧把持することができる位置まで下降する。尚、押圧板32、33、34、35が最上段の物品Wを押圧把持するとき、把持機構6は回転球体102上を自由に移動して最上段の物品Wの中心位置に調心される。
【0029】
押圧板32、33、34、35が最上段の物品Wを押圧把持すると、下段押圧体移動用シリンダ49aが作動して、下段押圧体49cが上から2段目の物品Wの側面を押圧把持する。
【0030】
下段押圧体49cが上から2段目の物品Wの側面を押圧把持すると、テーブルリフタ2が下降すると共に、2段ストロークシリンダ47の伸縮ロッド端側のシリンダが作動して、下段押圧体49cが上から2段目の物品Wの側面を押圧把持したまま下降して、パレットP上に積み付けられた最上段の物品Wの底面と上から2段目の物品Wの天面とを接着している糊を剥がしながら、最上段の物品Wが段単位で上から2段目以下の物品Wと分離される。
【0031】
最上段の物品Wが段単位で上から2段目以下の物品Wと分離されると、下段押圧体移動用シリンダ49aと2段ストロークシリンダ47とが原点位置に戻される。
【0032】
下段押圧体移動用シリンダ49aと2段ストロークシリンダ47とが原点位置に戻されたときに、段単位で分離された最上段の物品Wのなかに下方に抜け出ている物品Wがない場合(図2参照)について先ず説明すると、下段押圧体移動用シリンダ49aと2段ストロークシリンダ47とが原点位置に戻されると共に、テーブルリフタ2が更に下降することによって上から2段目以下の物品Wが下降して、下降検出器81が上から2段目の物品Wを検出しなくなる位置、即ち下降検出器81が上から2段目の物品Wの最上部を検出する(光軸が遮光の状態から通光の状態になる)位置から一定時間が経過するまで下降して、テーブルリフタ2の下降が停止されると、最上段の物品Wの中心位置に調心されている把持機構6が把持機構本体押圧装置104、105によって主フレーム5の中心位置に調心されると共に、テーブルリフタ2の側方の垂直方向位置にあるスラットコンベヤ3が押圧板32、33、34、35の下方位置を水平方向に移動して最上段の物品Wと上から2段目の物品Wとの間に形成された隙間Gに挿入され、スラットコンベヤ3の移動によりスラットコンベヤ3の先端部31に取り付けられている押圧具検出器8が押圧板32、33、34、35によって把持されている物品Wを検出(光軸を遮光)してから検出しなくなる(光軸が通光の状態になる)物品Wの端部(押圧板34の内面)の下方位置に達すると、スラットコンベヤ3の移動を停止するように制御しているので、押圧板32、33、34、35によって把持されている段単位の物品Wの大小に応じてスラットコンベヤ3の停止位置を制御することができ、スラットコンベヤ3が必要以上に移動されることがない。即ち、図1〜図3に2点鎖線で示されるような段単位の寸法が小さい物品Wを押圧板32、33、34、35が把持している場合には、実線で示されるような段単位の寸法が大きい物品Wを押圧板32、33、34、35が把持している場合より手前の位置でスラットコンベヤ3の移動が停止されるように制御されている。従って、スラットコンベヤ3の無駄な移動が防止され動作時間が短縮されて荷卸し能力が向上すると共に、動作時間が短縮されることによって省エネルギ効果もある。尚、スラットコンベヤ3が押圧板32、33、34、35の下方位置を水平方向に移動して最上段の物品Wと上から2段目の物品Wとの間に形成された隙間Gに挿入される間、スラットコンベヤ3が水平方向に移動する高さの位置には物品Wが抜け出ていないので、上部検出部82は物品Wを検出することはない(光軸が通光された状態が続く)。また、スラットコンベヤ3が水平方向に移動する高さより100mm下方位置には上から2段目の物品Wがあるので、下部検出器83は物品Wがあることを検出し続ける(光軸が遮光された状態が続く)。このように、上部検出器82が物品Wを検出することなく、且つ下部検出器83が物品Wを検出し続けたとき、段単位で分離された最上段の物品Wのなかに下方に抜け出ている物品Wはないことが確認される。
【0033】
段単位で分離された最上段の物品Wのなかに下方に抜け出ている物品Wがなく、最上段の物品Wを押圧把持した把持機構6の下方位置にスラットコンベヤ3が移動されると、押圧板32、33、34、35が物品Wの押圧把持を解除してスラットコンベヤ3上に最上段の物品Wが載置され段単位で荷卸しされると共に、押圧板35が回動用シリンダ(図示省略)によってスラットコンベヤ3の移動方向(受取コンベヤ4方向)に回動されて上方に退避される。
【0034】
押圧板32、33、34、35が最上段の物品Wの押圧把持を解除すると共に、押圧板35が上方に退避され、且つ受取コンベヤ4の無端コンベヤ401が昇降手段402によってスラットコンベヤ3の水平方向延長線上の位置に昇降されていると、スラットコンベヤ3が押圧板32、33、34、35の下方位置を水平方向に移動して、最上段の物品Wが無端コンベヤ401に段単位で取り出され(移載され)ストッパ403で停止されると共に無端コンベヤ401も停止する。尚、スラットコンベヤ3はテーブルリフタ2の側方の垂直方向位置に移動される。
【0035】
物品Wが受取コンベヤ4の無端コンベヤ401に段単位で移載されると、物品Wを受け取った無端コンベヤ401は昇降手段402によって上下方向に配設されている3段の搬出コンベヤ9のうちの所定の搬出コンベヤ9の水平方向延長線上の位置(例えば、図4に二点鎖線で示される位置)に昇降された後、ストッパ403が解放されると共に無端コンベヤ401が運転され、無端コンベヤ401に載置されている物品Wが段単位で所定の搬出コンベヤ9に搬出される。尚、物品Wが搬出されるべき搬出コンベヤ9の水平方向延長線上の位置がスラットコンベヤ3の水平方向延長線上の位置と同一である場合には、無端コンベヤ401がスラットコンベヤ3の水平方向延長線上の位置に昇降された後、ストッパ403を解放した状態で、最上段の物品Wを無端コンベヤ401を経て搬出コンベヤ9まで連続的に搬出してもよい。
【0036】
無端コンベヤ401上の物品Wが搬出コンベヤ9に搬出されると、空になった無端コンベヤ401は、スラットコンベヤ3に載置される次の物品Wを受け取るために昇降手段402によってスラットコンベヤ3の水平方向延長線上の位置に昇降されて待機する。
【0037】
上述の動作を繰り返すことによって、パレットP上に複数段に積み付けられた物品Wを段単位で、上下方向に配設されている3段の搬出コンベヤ9のうちの所定の搬出コンベヤ9に搬出することができるので、傾斜コンベヤ、揺動コンベヤ等を用いることなく、狭いスペースで、搬送レベルの異なるコンベヤへ物品Wを搬出することができる。
【0038】
次に、最上段の物品Wが段単位で上から2段目以下の物品Wと分離されたときに、最上段の物品Wのなかに下方に抜け出ている物品Wがある場合(図6〜図8参照)について説明すると、平面視において下降検出器81の光軸上にある物品Wa(図5参照)が下方に抜け出ている(抜け落ちている)場合には、下降検出器81が抜け落ちた最上段の物品Waを検出しなくなる位置、即ち下降検出器81が物品Waの最上部を検出する(光軸が遮光の状態から通光の状態になる)位置から一定時間が経過するまで下降して、テーブルリフタ2の下降が停止される(図6参照)。このとき、上から2段目以下の物品Wは最上段の物品Wのなかに下方に抜け出ている物品Wがない場合より更に1段分だけ下方位置まで下降して停止される。テーブルリフタ2の下降が停止されると、スラットコンベヤ3が押圧板32、33、34、35の下方位置を水平方向に移動して最上段の物品Wと上から2段目の物品Wとの間に形成された隙間Gに挿入される間、スラットコンベヤ3が水平方向に移動する高さの位置には物品Wがないので、上部検出器82は物品Wを検出することはない(光軸が通光された状態が続く)。また、スラットコンベヤ3が水平方向に移動する高さより100mm下方位置には抜け落ちた最上段の物品Waがあるので、下部検出器83は物品Waがあることを検出する(光軸が遮光される)が、下部検出器83が物品Wを検出し続ける(光軸が遮光された状態が続く)ことはなく、検出時間(遮光時間)は極端に短くなる。このように、上部検出器82が物品Wを検出することなく、且つ下部検出器83が物品Wを短時間だけ検出したとき、段単位で分離され平面視において下部検出器81の光軸上にある最上段の物品Wのなかに下方に抜け落ちている物品Wがあることが確認される。
【0039】
また、平面視において下降検出器81の光軸上にない物品Wb(図5参照)が下方に抜け出ている場合には、下降検出器81が物品Wbを検出することはないので、下降検出器81が上から2段目の物品Wを検出しなくなる位置、即ち下降検出器81が上から2段目の物品Wの最上部を検出する(光軸が遮光の状態から通光の状態になる)位置から一定時間が経過するまで下降して、テーブルリフタ2の下降が停止される(図7、図8参照)。即ち、上から2段目以下の物品Wは最上段の物品Wのなかに下方に抜け出ている物品Wがない場合(図2参照)と同一の位置まで下降して停止される。テーブルリフタ2の下降が停止されると、スラットコンベヤ3が押圧板32、33、34、35の下方位置を水平方向に移動して最上段の物品Wと上から2段目の物品Wとの間に形成された隙間Gに挿入されるが、スラットコンベヤ3が水平方向に移動する高さの位置には物品Wbがあるので、上部検出器82によって物品Wbが検出されて(光軸が遮光されて)段単位で分離された最上段の物品Wのなかに下方に抜け出ている物品Wbがあることが確認され、スラットコンベヤ3の移動が緊急停止される。尚、図7は最上段の物品Wbが下方に抜け落ちて上から2段目の物品Wによって支持されている場合の例であり、図8は最上段の物品Wbが下方にずれて抜け出ているが、上から2段目の物品Wによっては支持されずに隣接する最上段の物品Wによって支持されている場合の例である。
【0040】
上述のように、下降検出器81が物品Wを検出しなくなる位置から一定時間が経過するまでテーブルリフタ2が下降することによって最上段の物品Wと上から2段目の物品Wとの間に形成された隙間Gにスラットコンベヤ3を挿入するとき、上部検出器82が物品Wを検出した(光軸が遮光された)場合には最上段の物品Wのなかに下方に抜け出ている物品Wがあることを確認できる。また、上部検出器82が物品Wを検出しない(光軸が通光された状態が続く)場合であっても、下部検出器83が物品Wを一定時間以上検出しない(一定時間以上光軸が遮光されない)場合には最上段の物品Wのなかに下方に抜け出ている物品Wがあることを確認できる。尚、上部検出器82が物品Wを検出しないで(光軸が通光された状態が続き)、下部検出器83が物品Wを一定時間以上検出した(一定時間以上光軸が遮光された)場合には最上段の物品Wのなかに下方に抜け出ている物品Wがないことを確認できる。
【0041】
以上、本発明の荷卸し装置の実施の形態をその実施に好適な本発明の荷卸し装置の実施例と共に説明したが、本発明の荷卸し装置はこれらに制限されるものではない。例えば、押圧板32、33を備えずに、一対の押圧板34、35のみによって最上段の物品Wを押圧把持するようになしてもよい。
【0042】
また、乗り移りローラ38、下段押圧具44、45を備えていなくてもよい。
【0043】
また、上下方向に複数段の搬出コンベヤ9を配設せず、搬出コンベヤ9を1個だけ設けてもよい。
【0044】
【発明の効果】
本発明の荷卸し装置は、上述のとおり構成されているので、強度が低い物品、滑りやすい物品等であっても、押圧把持されている物品が荷崩れして落下することがないので、高速度で段単位で荷卸しすることができる。また、上段側の物品のなかに下方に抜け出ている物品があるか否かを上段側の物品を段単位で把持した状態で確認することができるので、下方に抜け出ている物品があった場合には直ちにしかるべき処置をすることができ、下流側の種々の設備におけるトラブルを防止することができ、設備全体の稼動率、信頼性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の荷卸し装置の一実施例を部分的に示す概略立面図で、一実施例の動作説明図でもある。
【図2】本発明の荷卸し装置の一実施例を部分的に示す概略立面図で、本発明の荷卸し方法の一実施例の動作説明図でもある。
【図3】本発明の荷卸し装置の一実施例を部分的に示す概略立面図で、本発明の荷卸し方法の一実施例の動作説明図でもある。
【図4】本発明の荷卸し装置の一実施例を部分的に示す概略立面図で、本発明の荷卸し方法の一実施例の動作説明図でもある。
【図5】本発明の荷卸し装置の一実施例における検出具の取り付け位置を示す概略平面図である。
【図6】本発明の荷卸し装置の一実施例の動作説明図である。
【図7】本発明の荷卸し装置の一実施例の動作説明図である。
【図8】本発明の荷卸し装置の一実施例の動作説明図である。
【図9】図1〜図3に示す荷卸し装置の要部側面図で、左側の下段押圧具等を省略して図示してある。
【図10】図9に示す荷卸し装置の要部拡大図である。
【図11】図9に示す荷卸し装置の要部拡大図である。
【図12】図11の要部左側面図である。
【符号の説明】
2 物品昇降装置
3 物品受台(スラットコンベヤ)
31 先端部
34 押圧具(押圧板)
35 押圧具(押圧板)
81 下降検出具(下降検出器)
82 上部検出具(上部検出器)
83 下部検出具(下部検出器)
G 隙間
W 物品
Claims (3)
- 複数段に積み付けられた物品を段単位で荷卸しする荷卸し装置において、対向する一対の押圧具と、積み付けられた物品を昇降する物品昇降装置と、該物品昇降装置の下降の停止を制御する下降検出具と、上記押圧具の下方位置を水平方向に移動する物品受台とを備えると共に、上記下降検出具の取り付け高さと略同じ高さの位置に物品があるか否かを検出する上部検出具と、上記下降検出具の取り付け高さより下方位置に物品があるか否かを検出する下部検出具とが上記物品受台の先端部に取り付けられていることを特徴とする荷卸し装置。
- 押圧具が物品受台の移動方向に回動し得るように構成されている請求項1記載の荷卸し装置。
- 物品受台がスラットコンベヤで構成されている請求項1または2記載の荷卸し装置。
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