JP3556045B2 - 固体電解コンデンサ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、有機半導体を固体電解質として用いた固体電解コンデンサに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子情報機器の高度化に伴い、電子部品の小形化、高性能化が求められるようになってきており、電解コンデンサでも、従来の駆動用電解液を含浸した電解コンデンサよりも小形化の可能なTCNQ錯体からなる有機半導体を固体電解質として用いた固体電解コンデンサが実用化されている。
【0003】
従来、TCNQ錯体からなる有機半導体を固体電解質として用いた固体電解コンデンサは次のようにして作製されていた。すなわち、アルミニウム、タンタル又はニオブなどの弁作用金属箔表面をエッチング液で粗面化して表面積を拡大した後、陽極酸化皮膜を生成した陽極箔と、同様にして弁作用金属箔表面を粗面化して表面積を拡大した陰極箔との間にクラフト紙又はマニラ紙などからなるスペーサを挟み込み、前記陽極箔及び陰極箔の任意な箇所に陽極引出端子及び陰極引出端子を取着した状態で巻回してコンデンサ素子を形成していた。一方、予熱状態とした金属ケースにTCNQ錯体からなる有機半導体を入れ、この有機半導体を加熱・溶融した状態の中に前記コンデンサ素子に挿入して有機半導体を含浸し、直ちに冷却固化し、前記金属ケース開口部をエポキシ樹脂等からなる封口樹脂にて密閉していた。
【0004】
このようにして作製した固体電解コンデンサは、固体電解質として用いるTCNQ錯体は、その伝導度が約10S/cmと、従来の電解コンデンサの電解液の伝導度(約0.01S/cm)に比べ非常に高く、このTCNQ錯体を固体電解質として用いることにより、インピーダンスの周波数、漏れ電流、温度などの諸特性が優れているものである。
【0005】
しかしながら、上記の構成からなる固体電解コンデンサでは、金属ケース開口部の密閉を1回の封口樹脂注入で行っており、かつ、封口樹脂材として高硬度の樹脂を使用するので樹脂硬化時に大きな応力が残留し、この応力が作用してコンデンサ使用中に封口樹脂と金属ケースの間に隙間を生じさせていた。この結果、内部の有機半導体が外気と接することとなり、有機半導体と外気中の酸素や水蒸気が反応して有機半導体が劣化し、静電容量が急激に減少したり、tanδが増加するなど、時間の経過とともにコンデンサとしての機能が低下し、信頼性が劣る欠点を有していた。
【0006】
このような問題を解決するために、金属ケースの開口部内壁面に表面処理剤を塗布し、金属ケースの開口部内壁面と封口樹脂との密着性を高める手段を講じることも試みられているが、表面処理剤がコンデンサ特性に悪影響を及ぼすので、根本的な解決とは成り得なかった。
【0007】
また、他の解決手段として一層目の封口樹脂を柔軟性に富む可撓性樹脂、二層目の封口樹脂を機械的強度の大きい高硬度樹脂からなる二層構造も提案されているが、微量な樹脂の配合、吐出量管理など作業や管理が困難であり、さらに生産性の面からも一回の封口樹脂注入が望まれていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
以上述べたように、固体電解質としてTCNQからなる有機半導体を用いた従来の固体電解コンデンサでは、封口樹脂と金属ケース内壁面との間に生じた隙間から侵入した外気中の酸素や水蒸気がTCNQ錯体と反応するのでTCNQ錯体が劣化し、このTCNQ錯体の劣化によってコンデンサ特性が経時劣化するので、信頼性に欠ける欠点を有していた。
【0009】
本発明は、上記の問題を解決するために成されたものであり、金属ケース開口部を密閉する封口樹脂構造を改良することによって、コンデンサ特性劣化の要因となるTCNQ錯体の劣化を防止した高信頼性の固体電解コンデンサを提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明になる固体電解コンデンサは、引出端子を取着した陽極箔と陰極箔との間にスペーサを挟んで巻回したコンデンサ素子を、溶融液化したTCNQ錯体からなる有機半導体を有する金属ケース内に収容して有機半導体を含浸し、前記金属ケース開口部をゴム硬度で20℃においてD−80以上、かつ100℃においてA−90以下の硬度を有する封口樹脂で密閉したことを特徴とする。
【0011】
本発明における封口樹脂の硬度を、ゴム硬度で20℃においてD−80以上、かつ100℃においてA−90以下とした理由を以下に述べる。すなわち、金属ケースと封口樹脂の熱膨張差の大きい高温側においては、ゴム硬度でA−90以下の可撓性を有する樹脂を使用したため柔軟性に富み、硬化時の残留応力の発生を最低限に抑え、例えば応力が残留した場合でも封口樹脂が柔軟性を有しているので残留応力を吸収し、封口樹脂と金属ケースの間に隙間が生じることはない。したがって、良好な密閉性が確保でき、有機半導体が外気にさらされることはなく、有機半導体の劣化要因が解消される。
【0012】
また、この封口樹脂は、20℃においてゴム硬度でD−80以上の高硬度を有しているため、通常使用される温度での引出端子の保持強度を維持する。したがって、引出端子に対する物理的な外力がコンデンサ素子を構成する陽極箔に形成した誘電体酸化皮膜に作用して誘電体酸化皮膜を破壊することがないので、漏れ電流が増加することはない。
【0013】
なお、100℃での封口樹脂の硬度をゴム硬度でA−90以下としたのは、A−90を越えた場合、樹脂硬化時の残留応力の吸収性能が低下し、樹脂と金属ケース内壁面との間に隙間が生じるという理由に基づくものである。
【0014】
また、20℃での封口樹脂の硬度をゴム硬度でD−80以上としたのは、D−80未満の場合は、外部からの物理的な衝撃に対し、引出端子の保持強度を維持することができず、漏れ電流が増加するためである。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施例について図面を参照して説明する。すなわち、アルミニウム箔表面を粗面化して表面積を拡大した後、誘電体酸化皮膜を生成した陽極箔と、アルミニウム箔表面を粗面化して表面積を拡大した陰極箔との間にクラフト紙又はマニラ紙などからなるスペーサを挟み込み、任意な箇所それぞれに陽極引出端子1及び陰極引出端子2を取着した状態で巻回して定格16V−33μFのコンデンサ素子3を構成した。このコンデンサ素子3を3%のアジピン酸アンモニウム水溶液中で電圧56Vを印加し、素子3構成時の巻回により破壊された誘電体皮膜を修復した。一方、アルミニウムからなる円筒形の金属ケース4(φ6.3mm×7mm)にTCNQ錯体5を入れて、約300℃に加熱した平面ヒーター上に乗せて加熱し、TCNQ錯体5を溶融液化させた。この金属ケース4の中に、予め約300℃に予備加熱してある前記コンデンサ素子3を挿入してコンデンサ素子3にTCNQ錯体5を含浸し、即座に金属ケース4を冷却水に浸して、TCNQ錯体5を冷却固化させた。次に、ゴム硬度で100℃においてA−86、かつ20℃でD−87の硬度を有するエポキシ樹脂6、例えばサンユレジン株式会社製の可撓性エポキシ樹脂型式RC−2170を金属ケース4開口部に必要量注入し90℃で2時間加熱後、さらに120℃で2時間加熱して硬化させた。しかる後、125℃中で陽極引出端子1及び陰極引出端子2間に定格電圧 (16V)を1時間印加しエージングを行って固体電解コンデンサとした。
【0016】
以上のような構成になる固体電解コンデンサでは、上記エポキシ樹脂からなる封口樹脂6がゴム硬度で100℃においてA−90以下の可撓性を有する硬度からなるので、硬化時に内部に残留する応力が小さく、また、残留応力を吸収してしまうために封口樹脂6と金属ケース4内壁面との間に隙間が生じ難い特徴がある。したがって、有機半導体が外気と接することがないので、劣化を阻止できるから、静電容量の減少率改善に大きく寄与するものである。
【0017】
また、この封口樹脂6がゴム硬度で20℃においてはD−80以上の硬い樹脂からなっているため、陽極引出端子1及び陰極引出端子2の保持強度が維持される。このことにより、陽極引出端子1及び陰極引出端子2に物理的外力が加わった場合でも、コンデンサ素子1を構成する陽極箔に形成した誘電体酸化皮膜に作用することがないので、誘電体酸化皮膜が破壊することはなく、漏れ電流特性の劣化を抑えることができる。
【0018】
次に、上記構成において、封口樹脂6の硬度をゴム硬度で20℃でD−80以上、かつ100℃においてA−90以下とする理由について説明する。
【0019】
前記のようにして作製した固体電解コンデンサの封口樹脂について、100℃における硬度が異なるものを各種用意し、これらの封口樹脂を充填した場合のコンデンサを145℃中に100時間放置した後、さらにアルコール液に30秒浸漬した時、静電容量がプラス10%以上変化したものを不良と見做し、この密閉不良率を調べた。この結果は図2に示す通りで、封口樹脂の硬度がゴム硬度で100℃においてA−90を越えると密閉性が悪く、100℃でA−90以下にする必要があることが確認された。
【0020】
また、封口樹脂の20℃における硬度の違いによる外部からの物理的な衝撃に対する引出端子の保持強度を調べた結果、D−80以上必要であることが確認された。
【0021】
次に、前述の本発明による実施例と従来技術による従来例との特性比較について述べる。
【0022】
なお、従来例は、封口樹脂として、100℃における硬度がゴム硬度でA−90を超える通常の熱硬化性エポキシ樹脂を使用した他は本発明と同じ材料・方法により作製した試料を用いた。
【0023】
上記実施例と従来例各100個(定格16V−33μF)を105℃中に2000時間無負荷放置した後の静電容量減少率の平均値とバラツキを比較したところ、表1に示すような結果が得られた。
【0024】
【表1】
Figure 0003556045
【0025】
表1から明らかなように、従来例は静電容量減少率の平均値及びバラツキが非常に大きく、長期的な使用に対する信頼性に欠けるものである。これは、封口樹脂として硬度の硬い樹脂を使用しているために、最初の樹脂硬化時に内部に応力が残留し、その後長時間高温雰囲気にさらされていることにより、金属ケース内壁面と封口樹脂との間に隙間が生じ、TCNQ錯体と外気が接して劣化し、静電容量が大幅に低下することによるものである。
【0026】
これに対して実施例は、密閉性を左右する封口樹脂が可撓性を有しているため、残留応力を吸収・緩和して隙間の発生を抑えており、長期的な使用においても静電容量減少率が小さいという効果を実証した。
【0027】
【発明の効果】
本発明によれば、密閉性良好にして、長期間の使用においても諸特性劣化のない高信頼性の有機半導体を固体電解質として用いた固体電解コンデンサを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明になる固体電解コンデンサを示す正断面図である。
【図2】封口樹脂の硬度と密閉不良率との関係を示す曲線図である。
【符号の説明】
1…陽極引出端子
2…陰極引出端子
3…コンデンサ素子
4…金属ケース
5…TCNQ錯体
6…エポキシ樹脂

Claims (1)

  1. 引出端子を取着した陽極箔と陰極箔との間にスペーサを挟んで巻回したコンデンサ素子と、このコンデンサ素子を収納する金属ケースと、この金属ケース内で加熱液化し前記コンデンサ素子に含浸してなる有機半導体と、前記金属ケース開口部を密閉する封口樹脂からなる固体電解コンデンサにおいて、前記封口樹脂が、ゴム硬度で20℃においてD−80以上、かつ100℃においてA−90以下の硬度を有することを特徴とする固体電解コンデンサ。
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