JP3555494B2 - スピーカ用ネットの取付構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、スピーカ用ネットの取り付け構造に関し、特に、電子楽器等に用いられるスピーカ用ネットの取り付け構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の電子楽器等の機器におけるスピーカ用ネットの取り付け構造としては、例えば、スピーカ用ネットの周縁部を電子楽器等のスピーカケースの内部に溶着固定するようにしている。また、別の従来のスピーカ用ネットの取り付け構造では、スピーカ用ネットの周縁部に固定片(爪)を突設し、これをスピーカケースに貫通させて折り曲げた後、その折れ曲げた部分に接着剤を塗布してスピーカ用ネットを固定するようにしている。さらにまた、別の従来技術では、特開平2ー158800に見られるようにスピーカ用ネット一体型上ケースと下ケースとの合わせ目に弾性体を介在させている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のスピーカ用ネットの取り付け構造では、溶着や接着のための設備及び工程が必要であり、また、溶着、接着箇所の取り外しが困難であるためリサイクルや廃棄のための分解も容易でなく、作業性が悪いという問題があった。また、上記別の従来のスピーカ用ネットの取り付け構造では、部品のリサイクル時や廃棄処分時における分別上、接着剤等の異物が付着しているのは不都合であった。さらに、スピーカ用ネット周縁部における固定片がない部分では、周縁部が固定されていないためケースとのクリアランスが十分でないと、びりつきが発生しやすい。びりつきにくくするため、前記クリアランスを十分に取ると、美感が損なわれるだけでなく、このクリアランス部分から不用意に異物がケース内に進入することもあり得る。従って、これを避けるため、特開平2ー158800では、前記クリアランスをケース内に設け、さらにこのクリアランスに弾性体を圧接し、該クリアランスを実質的になくすることにより、好ましくない方向への漏れ音を防止すると共に、ケース全体及びケース設置台への音響伝導を良好にしている。
【0004】
しかしながら、この従来技術では、構成が複雑且つ組立困難になるばかりでなく、びりつきが発生しやすい上記弾性体周囲部が、組付け時に見えないので、組付けて音出しをしてだめだったらやり直すという作業の作業性が著しく落ちると言う問題があった。
【0005】
本発明は上記従来技術の問題を解決するためになされたものであり、その目的は、びりつきを回避しつつ外観を良好にすると共に、溶着や接着等のための設備を必要とせず組み付け及び分解を容易にすることができるスピーカ用ネットの取り付け構造を提供することにある。
【0006】
上記目的を達成するために本発明の請求項1のスピーカ用ネットの取付構造は、周縁部から突出する少なくとも2つの突起部を有するスピーカ用ネットと、溝部を備えこの溝部に少なくとも2つの係止部を設けたケースと、前記溝部で2つの前記係止部の間に収まるように嵌合する少なくとも1つの弾性体とを備え、前記スピーカ用ネットの突起部を前記ケースの係止部に係止させ、係止時において、前記スピーカ用ネットの周縁部の2つの前記突起部の間の部分が前記弾性体の開放端面を圧接するように構成したことを特徴とする。
【0007】
この構成によって、スピーカ用ネットのの周縁部の突起部の間の部分が弾性体の前記開放端面を圧接した状態で、該ネットを上ケースに係止させている。つまり、ネットの上ケースへの組み込み後においては、ネットと上ケースとの間に該弾性体が介在しているので、びりつきが防止される。さらに、弾性体の厚さによりスピーカ用ネットの水平方向の位置及び高さが規制されるので、外観を向上することができる。
【0008】
よって、びりつきを回避しつつ外観を良好にすると共に、溶着や接着等の設備を必要とせず組み付け及び分解を容易にすることができる。しかも、突起部と係止孔からなる係止部分が各々少なくとも2個以上であることから、前記開放端面への周囲部の圧接が一義的に決定されるので、溝部両側壁に周囲部が接触しない程度に溝部幅をより小さくし得るので美感が損なわれることがない。また、弾性体は形状の制約を受けないので、係止部の設計が容易となる。
【0009】
なお、前記突起部及び係止孔は、2以上適正数いくらでも設けてよく、その場合は弾性体を各突起部間に配置しているので作業性が良好になる。弾性体は、スピーカ用ネットを安定して支持することができる程度にその数、長さ及び位置を設定すればよい。また、前記2つの突起及び係止部は、その1ペアが鉤型突起と係止孔とからなり、他ペアが嵌合後において、各当接部(ネット周縁部と弾性体開放端面)を圧着するような構成(例えば、突起を孔に貫通後ねじり圧着)であれば、上記の作用効果が達成できる。
【0010】
同じ目的を達成するために本発明請求項2のスピーカ用ネットの取付構造は、周縁部から突出する少なくとも2つの突起部を有するスピーカ用ネットと、溝部を備えこの溝部に少なくとも2つの貫通係止孔を設けたケースと、前記溝部で2つの前記貫通係止孔の間に収まるように嵌合する少なくとも1つの弾性体とを備え、前記スピーカ用ネットの突起部を前記ケースの貫通係止孔に貫通係止させると共に、係止時において、前記スピーカ用ネットの周縁部の2つの前記突起部の間の部分が前記弾性体の開放端面を圧接するように、前記少なくとも1つの突起部を前記ケースの貫通係止孔に貫通係止後変形させたことを特徴とする。
【0011】
この構成により、スピーカ用ネットの突起部を貫通係止孔に貫通させ、貫通した部分を変形させるだけで前記突起部が係止されるので、係止部の構成が簡単になる。また、弾性体は形状の制約を受けないので、設計が容易となる。なお、前記突起部及び貫通係止孔は、2以上適正数いくらでも設けてよく、その場合は弾性体を各突起部間に配置しているので作業性が良好になる。弾性体は、スピーカ用ネットを安定して支持することができる程度にその数、長さ及び位置を設定すればよい。
【0012】
前記同じ目的を達成するために本発明請求項3のスピーカ用ネットの取付構造は、上記請求項2記載の構成において、前記溝部は、その長手方向に所定幅を有し、前記係止孔は、該溝部底面に設けられ、前記溝部の両側壁から各所定距離を有した中央部に設けられ、この係止孔に前記少なくとも1つの突起部が嵌合するように構成されたことを特徴とする。
【0013】
この構成によれば、上ケースへのネット取付をより正確に行うことができ、特に周縁部と上ケースとの間(前記両者で形成される溝幅間隔)を一定に保つことが出来る。請求項2の構成より以上に美感が損なわれることがない。
【0014】
同じ目的を達成するために本発明請求項4のスピーカ用ネットの取り付け構造は、上記請求項2または3のいずれか1項に記載の構成において、前記突起部の溝長手方向距離と係止孔の溝長手方向距離とを前記突起部と係止孔とが嵌合し得る程度に略同一長に構成したことを特徴とする。
【0015】
この構成により、本発明請求項3の構成に比べて、ケースへのネット取付がより正確に行うことが出来る。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0017】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係るスピーカ用ネットの取り付け構造が適用される電子楽器本体の外観図である。該電子楽器本体1は、左右のスピーカ部2を有する鍵盤楽器であり、本実施の形態に係るスピーカ用ネットの取り付け構造が各スピーカ部2に設けられている。
【0018】
図2は、上ケース6の部分斜視図である。図3は、スピーカ用ネット4を裏側からみた斜視図である。図2、3に示した上ケース6及びネット4はいずれも、図1に示す電子楽器本体1の右側のスピーカ部2の構成要素である。左側のスピーカ部2も同様に構成される。
【0019】
図4は、図2のA−A線に沿う上ケース6の部分断面図にネット4及び弾性体5を合わせて示した分解断面図(A−A矢視断面図)である。後述するように、ネット4は弾性体5を介して上ケース6に組み付けられる。
【0020】
ネット4は金属製であって、図3、図4に示すように4半円形の扇状に形成され、周縁部4aが全周に亘って略直角に折れ曲がっている。周縁部4aの2つの辺及び円弧部には各々2つずつ、合計6つの爪7a〜7f(突起部)が設けられている。各爪7は、矩形板状で、周縁部4aから下方(図4)に突出してネット4と一体に形成されている。各爪7の厚さはネット4の厚さと略同一である。
【0021】
また、図2、図4に示すように、ネット4の周縁部4aに対向する上ケース6の部分には、両側壁とこれに連設された底面6cからなるU字溝6aが形成されている。U字溝6aには、その底面6cにネット4の爪7が貫通可能な貫通係止孔6b(係止部)が設けられている。この係止孔6bは、溝部底面6cにおいて、前記溝部の両側壁から各所定距離W1を有した中央部に設けられ、この係止孔6bは、ネット4の各爪7に対応するU字溝6aの底面6cの適所に、合計6つ穿設されている。そして前記突起部に対応した爪7がこの係止孔に前記嵌合するように構成される。
【0022】
弾性体5は、シリコンゴム、ポロン等の弾性材料で構成され、周縁部4aの2つの辺及び円弧部に対応して合計3つ設けられる。各弾性体5は、上記溝部に嵌入された際、該溝部の両側壁に対向もしくは接する2つの側面5a、5bと溝部底面に接する下面5cと、ネット周縁部に対向する開放端面5dとからなる矩形断面を有している。各弾性体5の長手方向の長さは、ネット4の周縁部4aに設けた相隣接する2つの爪7の間(例えば爪7aと爪7bとの間)に収まる程度にそれぞれ設定されている。
【0023】
上記構成の本実施の形態のスピーカ用ネットの取り付け構造におけるネット4の上ケース6への組み付け方法を以下説明する。
【0024】
図5は、図2においてA−A線に沿って矢視方向に見たA−A断面図であって、ネット4を上ケース6に組み付けた状態を示す部分断面図である。
【0025】
まず、上ケース6の溝部6aに弾性体5を嵌入して組み付ける。嵌入後において、弾性体5の開放端面5dにネット4の周縁部4a(下面)を当接させ、この当接時に突起部(爪7)を係止孔6bに貫通させる。すなわちネット4の周縁部4aに設けた相隣接する爪7の間(爪7a及び爪7b間、爪7c及び爪7d間、爪7e及び爪7d間)において、周縁部4aを各弾性体5の開放端面5dに当接させる。各爪7は上ケース6の各係止孔6bに貫通しているので、上ケース6の下側に突出した部分をペンチ等でひねって変形させる。このひねる時にひねる方向の力が、ケースにネットが近づくような力に変換される。これによって爪7がネット4の抜け止めとして機能する。
【0026】
本第1の実施の形態によれば、ネット4を上ケースの溝部6aに嵌入した弾性体5に当接し、係止孔から爪7を突出させ、その状態で爪7をひねるだけで組み付けが完了する。溶着や接着等、組み付けや分解のために特別の設備が不要であり、作業性も良好である。
【0027】
また、ネット4の上ケース6に対する水平方向の相対的位置が、爪7とそれに対応する係止孔6bによって規制され、上下方向の相対位置が弾性部材の上下方向厚さによって、それぞれ規定されるので、ネット4の高さが安定して均一となると共に、ネット4と上ケース6とのクリアランスがほぼ均一となり、外観を良好に維持することができる。また、ネット4の周縁部4aにおける爪7の無い部分は、上下方向に弾性体5の厚さの分だけ上ケース6から隔離し、離間した状態で、上ケースとネットとが幾分かの圧接状態で当接固着され、これによって、当該部分におけるびりつきの発生が防止される。しかも、爪7の数は抜け止め用としての最低限の数に設定すればよいので、組み付け性を悪化させることもない。
【0028】
さらに、部品のリサイクル時や廃棄処分時においても、接着剤等の異物が付着しないので、分別上も好都合である。また、弾性体5をネット4の爪7が無い部分、即ち上ケース6の貫通孔6b以外の部分でU字溝6aに嵌合させるようにしたので、弾性体5を貫通可能に爪7を形成する等の形状上の制約を受けない。よって、ネット4を上ケース6に係止させるように構成する上で、爪7の設計が容易になる。
【0029】
よって、びりつきを回避しつつ外観を良好にすると共に、溶着や接着等のための設備を必要とせず組み付け及び分解を容易にすることができる。
(第2の実施の形態)
図6は、第2の実施の形態の特徴部分を示した図であって、図6(a)は、ネット4を上ケース6に組み付ける前の状態を示す分解側断面図であって、上ケース6は、断面の端面のみを表わしている。即ち、図2ではB−B矢視断面を表わし、図3ではbーb矢視断面を表わしたものである。図6(b)は、その下面図であって、(a)におけるc−c矢視図を表わしている。
第2の実施の形態は、ネット4の爪7を二股状の爪27に代えた点が第1の実施の形態と相違する。その他の構成は第1の実施の形態と同様である。
【0030】
爪27は、第1の実施の形態における爪7と同様の位置に設けられる。図6(b)は、爪27を上ケース6の貫通孔6bに貫通させた状態を示しており、爪27は、二股に形成され、係止状態において鉤部27a、27bを構成する。
【0031】
爪27を貫通孔6bに係止するには、貫通孔6bへの爪の貫通後、爪27の二股鉤部27a、27bの間にマイナスドライバーMDの先を挿入し、こじるようにして先端を変形させる。こじる時にこじる方向の力が、ケースにネットが近づくような力に変換される。これにより鉤部27a、27bが貫通孔6bの下側の開口部縁部に幾分圧接して係止され、爪27が抜け止めとして機能するようになる。
【0032】
ネット4の周縁部4a、弾性体5及び上ケース6の嵌合関係は第1の実施の形態と全く同様である。
【0033】
本実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様の効果を奏することができるのに加え、マイナスドライバーという簡単な器具にて、ネット4を上ケースに圧接固着することが出来る。
【0034】
(第3の実施の形態)
図7は、第3の実施の形態の特徴部分を示した図であって、ネット4を上ケース6に組み付ける前の状態を示す分解断面図であって、上ケース6は、ハッチングにてその断面を表わしている。即ち図7は、図2ではD−D矢視断面を、図3ではdーd矢視断面を表わしたものである。但し詳細構造において、図7は、図2とは異なるところがある。図7において、前記第1実施形態と異なる点は、上ケース6の第1溝部6aに開孔した係止孔6bの溝長手方向両側縁部に設けた突条片6cを有することである。この突条片6cは、溝中央にのみ突設させてもよいし、溝幅全体に渡って設けてもよい。溝長手方向の長さは任意でよく、突設長においては、弾性体5の開放端面5dと下面5cの距離(厚み)よりわずかに小さく設定される。なお、弾性体5は、一点鎖線で表わされ、点線は、第1溝部6aの上端辺6dを表わす。
【0035】
このようにしてなる実施の形態では、爪7c、7dが係止孔6bに貫通して上ケース6とネット4とが近設し、爪の先端をねじってケースへのネットの固着が完了する。この場合、弾性体5の弾性変形が、爪先端のねじりによって生じ、その変形は、最大でも各突条片6cにネットの周縁部4aへの当接が生じた時点で終了する。つまり、上ケース6に対するネットの上下方向の位置決めが上記突条片6cにてなされる。図6において、変形していない状態を示す弾性体は一点鎖線で、変形した状態を示す弾性体は点線で示している。上記当接が生じないくらいゆるく爪先端をねじっても、上ケース6とネット4とで弾性体を狭持することになるので、ネット4のガタツキは発生しない。上記位置決め精度も、一点鎖線と点線との寸法d1の範囲内に収まり、これを越えることはない。さらには、ネット4の上ケース6への取付前の上ケースへの弾性体5の配設においても、ラフに溝部6aへ弾性体5を置くだけで、この両者(上ケースと弾性体)の位置決め(長手方向及び短手方向)が該突条片6cにてなされる。
【0036】
また、図7において、爪7cの一側面(図の左)をテーパー状に形成(点線で図示)して、その最太部と係止孔6bの外方口(図の上)の径を同一とするか、最太部をわずかに大きく構成している。即ち、前記突起部(爪)の溝長手方向距離と係止孔の溝長手方向距離とを前記突起部と係止孔とが嵌合し得る程度に略同一長に構成した。このことにより、ネットの上ケースに対する水平方向の位置決めを確実に行うことが出来る。このような位置決め用爪は、1ネットにつき少なくとも1個所設ければよい。上記位置決め用爪以外のその他の爪7d等は、溝長手方向において、係止孔との間にわずかなクリアランスを設けておく方が作業性の面で作業しやすい。
なお、溝幅方向には、爪7cと係止部とにわずかなクリアランスがあってもよい。溝幅方向の位置決めは、第1の実施形態と同様に係止孔が溝幅の略中央に溝幅より小の係止孔とすることで、溝幅方向の位置決めが行われるようになっている。
【0037】
(第4の実施の形態)
図8は、第4の実施の形態におけるネット及び弾性体の分解斜視図である。第4の実施の形態では、弾性体の構成が第1の実施の形態と異なり、その他の構成は第1の実施の形態と同様である。
【0038】
弾性体45は、第1の実施の形態における弾性体5よりも長尺に設定され、各弾性体45にスリット45bが設けられている。スリット45bは、開放端面から底面へ貫通した孔であって、ネット4の爪7に対応する位置に設けられている。
【0039】
なお、弾性体45は、ネット4の周縁部4aの2つの辺部及び円弧部に対応して設けられるが、周縁部4a全周に亘る単一の部材として構成してもよい。
【0040】
ネット4を上ケース6に組み付けるには、溝6aに弾性体45を載置した状態で、ネット4の爪7を弾性体45のスリット45bに貫通させる。この状態で、爪7を係止孔に嵌入し、爪7のスリット45bから貫通した部分をひねって変形させ、組み付けを完了する。
【0041】
本実施の形態によれば、爪7が設計容易であるという効果を除き、第1の実施の形態と同様の効果を奏することができることに加えて、弾性体45の長さに自由度が得られるので、弾性体45の設計が容易になる。
【0042】
(第5の実施の形態)
図9は、第5の実施の形態におけるネット図であって、図9(a)は、ネットを裏面から見た斜視図、図9(b)は、上ケースの部分斜視図、図9(c)は、AーA断面の部分図である。第5の実施の形態では、上ケースへのネットの係止をできる限り簡略化した実施形態であって、両者の係止部分が第1の実施の形態と異なり、その他の構成は第1の実施の形態と同様である。
【0043】
ネット4の周縁部4aから突設した2つの突起部7g、7hは、各々の形態が異なっており、第1の突起部7gは、断面Gのところで、その先端部がL字状に折曲形成され、該突起部の長手方向の全長が、第1の実施の形態のもの(図3の7e、7f)に比べて、長く形成されている。第2の突起部7gは、第1の実施形態のものとほぼ同じであるが、その長手方向の全長が、7a〜7fに比べて、若干長く形成されている。
【0044】
また、上ケースのU字溝6aに設けられた2つの係止孔6g、7hも若干各々の形態を異にしており、突起部7gに対応する係止孔6gは、その全長が突起部7gと同じか、わずかに長く形成され、突起部7gが、挿入しやすいように上ケースの裏面側において、図9(c)に示すようにテーパー61状に形成されている。
【0045】
また、突起部7hに対応する係止孔6hは、第1の実施形態(図2)の係止孔6bに比べて、その長手方向の全長が、若干長く形成され、突起部7hの長手方向全長に対し少し長く形成され、この両者の結合時におけるクリアランスを有している。
【0046】
上ケース6へのネット4の固着手順は、次のようにする。
(第1ステップ);まず、U字溝6aにおける係止孔6g〜係止孔6hへの2つのパスに2つの弾性体5(図4のものとほぼ同様)を溝6aに載置する。あるいは、U字溝6aにおける係止孔6gの長手方向両端を始端及び終端とする遠回りパスと略同長の弾性体であって、その略中央に当たる係止孔6h対応部分のみ中抜き透孔に形成した図8に示したと同構造の単一長尺弾性体45(図9(c)参照)を溝6aに載置する。
【0047】
(第2ステップ);矢印Pに示すように突起部7gを下に7hを上に向けてネット4を保持し、係止孔6gの真上から突起部7gを係止孔6gに挿入しつつ、図において反時計方向に回転する。この時、テーパー61にて、突起部7hが係止孔6hにガイドされるので、挿入しやすくなっている。
【0048】
(第3ステップ);突起部7gの係止孔6gへの回転を伴う嵌合が終了するところで、突起部7hが係止孔6hに嵌入され、上ケース6の裏面にて、突起部7hの先端をねじれば、固着作業が完了する。
突起部7gの係止孔6gへの係止において、突起部7gの先端部(L字の折曲部)がネット主要面に対し、図のように傾斜しており、なおかつ、ケース厚みt及び弾性体の厚みt1、つまりt+t1よりわずかに小に形成した落とし込み部の寸法t2を有して先端部が形成されるようにしたので、ネットの上ケースへの上記固着作業の完了をもって、両者がしっかりと固着されるのである。
【0049】
この実施形態にあっては、前記全ての実施形態に共通した効果を有しつつ、2つの突起部と2つの係止部及び1つの弾性体だけでも、ネットの上ケースへの取付が確実にかつ正確に行うことが出来る。
【0050】
なお、第1、第2、第3の実施の形態では、爪7を弾性体5の両端に位置するように設定したが、抜け止めとしての機能を確保できるならば、配置を変え、あるいは数を削減してもよい。
【0051】
なお、上記各実施の形態では、弾性体5、45をネット4の周縁部4aの所定箇所のそれぞれに対応して設けたが、これに限るものでなく、上ケース6に弾性体5を介してネット4が安定して支持されるのに十分なように、弾性体5、45の数、長さ及び組み付け位置を適当に設定すればよい。
【0052】
なお、上記各実施の形態では、本発明の取付け構造を電子楽器に適用したが、これに限るものでなく、オーディオ機器等のスピーカを有する各種装置に適用可能である。
【0053】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のスピーカ用ネットの取り付け構造によれば、びりつきを回避しつつ外観を良好にすると共に、溶着や接着等の設備を必要とせず組み付け及び分解を容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るスピーカ用ネットの取り付け構造が適用される電子楽器本体の外観図である。
【図2】上ケースの部分斜視図である。
【図3】スピーカ用ネットを裏側からみた斜視図である。
【図4】図2のA−A線に沿う上ケースの部分断面図にネット及び弾性体を併せて示した分解断面図である。
【図5】ネットを上ケースに組み付けた状態を示す部分断面図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態を示し、ネットを上ケースに組み付ける前の状態を示す分解断面図である。
【図7】本発明の第3の実施の形態を示し、ネットを上ケースに組み付ける前の状態を示す分解断面図である。
【図8】本発明の第4の実施の形態におけるネットと弾性体と上ケースとの分解斜視図である。
【図9】本発明の第5の実施の形態を示し、ネットを上ケースに組み付ける前の状態を示す分解斜視図である。
【符号の説明】
4 スピーカ用ネット
4a 周縁部
45 弾性体
5 弾性体
5d 弾性体の開放端面
6 上ケース
6a U字溝(溝部)
6c 溝部底面
6b 貫通孔(係止部)
6g、6h 係止孔(係止部)
7 爪(突起部)
7a〜7h 爪(突起部)
w1 所定距離
Claims (4)
- 周縁部から突出する少なくとも2つの突起部を有するスピーカ用ネットと、
溝部を備えこの溝部に少なくとも2つの係止部を設けたケースと、
前記溝部で2つの前記係止部の間に収まるように嵌合する少なくとも1つの弾性体とを備え、
前記スピーカ用ネットの突起部を前記ケースの係止部に係止させ、係止時において、前記スピーカ用ネットの周縁部の2つの前記突起部の間の部分が前記弾性体の開放端面を圧接するように構成したことを特徴とするスピーカ用ネットの取付構造。 - 周縁部から突出する少なくとも2つの突起部を有するスピーカ用ネットと、
溝部を備えこの溝部に少なくとも2つの貫通係止孔を設けたケースと、
前記溝部で2つの前記貫通係止孔の間に収まるように嵌合する少なくとも1つの弾性体とを備え、
前記スピーカ用ネットの突起部を前記ケースの貫通係止孔に貫通係止させると共に、係止時において、前記スピーカ用ネットの周縁部の2つの前記突起部の間の部分が前記弾性体の開放端面を圧接するように、前記少なくとも1つの突起部を前記ケースの貫通係止孔に貫通係止後変形させたことを特徴とするスピーカ用ネットの取付構造。 - 前記溝部は、その長手方向に所定幅を有し、前記係止孔は、該溝部底面に設けられ、前記溝部の両側壁から各所定距離を有した中央部に設けられ、この係止孔に前記少なくとも1つの突起部が嵌合するように構成されたことを特徴とする請求請2記載のスピーカ用ネットの取付構造。
- 前記突起部の溝長手方向距離と係止孔の溝長手方向距離とを前記突起部と係止孔とが嵌合し得る程度に略同一長に構成したことを特徴とする請求項2または3記載のスピーカ用ネットの取付構造。
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