JP3555315B2 - 電気特性検査装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は電気特性検査装置に係り、特に、テープ状のフレキシブル基板に形成された複数の電気回路を順次検査する場合に好適な装置の構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、時計に内蔵される電子回路としては、テープ状のフレキシブル基板に種々の回路パターンを基板の延長方向に複数形成し、このフレキシブル基板上に必要に応じて集積回路チップや水晶発振子その他の電子部品を搭載して成るテープ状回路基板を用いた製造方法が採用されている。
【0003】
この製造方法においては、テープ状回路基板をリールから引き出し、電子部品の実装や電気特性検査等を行うことができるので、特に小型回路の場合に大量の電子回路を効率良く製造できるという利点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のテープ状回路基板を用いて時計回路を構成する場合には、回路の電気特性検査を行う際に、搭載された水晶発振子に電力を供給してから発振周波数が落ち着くまで数秒程度が必要となるため、電気特性検査は水晶発振子に電力を供給してから発振周波数が落ち着くまで検査を行わずに待機する必要があり、この待機時間の存在によって検査装置の検査サイクルが長くなってしまうという問題点がある。
【0005】
また、時計回路以外の各種回路においても、検査回路に電力を供給してから回路動作等が安定するまでにある程度の待機時間を必要とする場合があり、この場合にも検査サイクルの短縮に限界があるという問題点がある。
【0006】
さらに、テープ状回路基板を用いた複数の回路の検査方法においては、各回路を検査前にそれぞれ検査ヘッドに対して正確に位置決めする必要があり、この位置決めのための時間も検査サイクルの短縮化を妨げる要因となる。
【0007】
そこで本発明は上記問題点を解決するものであり、その課題は、電気特性検査装置において、回路検査の前の待機時間や位置決め時間を不要とすることによって、検査サイクルの短縮を図ることのできる装置構造を実現することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明が講じた手段は、複数の電気的構造を配列し
た基板に対して電気特性を検査する電気特性検査装置であって、
前記複数の電気的構造が配列する配列方向に沿って複数設けられ、前記基板を表裏から挟持し、一対の開閉可能な可動顎部とを備えたグリップ機構と、
前記グリップ機構を電気的構造の前記配列方向に往復移動可能とする移動機構と、
初期位置において前記可動顎部を閉鎖して前記基板を挟持した後、前記グリップ機構を前記配列方向に移動させて前記基板とともに検査位置に移送し、その後、前記可動顎部を開放して前記基板を解放した後、前記グリップ機構を初期位置に復帰させるために前記グリップ機構及び移動機構を制御駆動する機構制御手段と、
前記検査位置にて前記グリップ機構に挟持された前記基板の電気的構造を検査するための検査手段とを有し、
前記グリップ機構は、少なくとも一方における前記基板に対する接触部に電力を供給するための導電構造を備えており、前記基板を検査位置まで送る間に、前記基板に対する前記接触部に前記グリップ機構を介して電力を予め供給しておくことを特徴とする電気特性検査装置。
【0009】
この手段によれば、グリップ機構により初期位置から検査位置まで基板を挟持しながら送るようにしたので、基板の位置決めを行いながらグリップ機構により基板を搬送することができる。したがって、位置決め時間を短縮し、かつ確実な位置決めを行うことができる。
【0010】
ここで、前記可動顎部の少なくとも一方における前記基板に対する接触部には、前記電気的構造に対して電力を供給するための導電構造を形成することが好ましい。
【0011】
この手段によれば、検査位置までの送り期間においてグリップ機構を介して電力を予め供給しておくことにより電気的構造の動作状態の安定化を図ることができるから、検査前に必要となる回路動作の安定化のための待機時間を搬送完了以前に確保することができるため、従来よりも検査サイクルを短縮できる。
【0012】
また、前記グリップ機構は前記配列方向に沿って複数設けられ、前記機構制御手段は、複数の前記グリップ機構が前記基板の挟持、移送及び解放の各動作を順次実行するように制御するように構成することが好ましい。
【0013】
この手段によれば、複数のグリップ機構により順次基板を送りながら検査を行うので、搬送の時間間隔をなくすことができ、連続的に検査を実行することが可能になるため、検査サイクルをさらに短縮できる。
【0014】
なお、この場合にグリップ機構を介して電力を予め供給しておくことにより、電気的構造の動作の安定化を図るための待機時間を完全に不要とすることができる。
【0015】
さらに、前記グリップ機構は、前記可動顎部が前記基板を挟持している状態で、前記検査手段の検査ヘッドを前記可動顎部の挟持している前記電気的構造に対して検査可能にするためのヘッド受入部を備えていることが好ましい。
【0016】
この手段によれば、検査ヘッドを検査可能とするヘッド受入部を可動顎部に設けたので、可動顎部が挟持している電気的構造に対して検査を行うことが可能になる。
【0017】
この場合に、前記ヘッド受入部は前記可動顎部に形成された貫通孔であることが好ましい。
【0018】
この手段によれば、検査ヘッドを可動顎部に形成された貫通孔に挿入することによって可動顎部が挟持している電気的構造に対して直接に接触することが可能になるので、検査を確実かつ正確に実施することができる。
【0019】
また、前記グリップ機構には、前記基板に対する位置決め手段と、該位置決め手段によって少なくとも前記基板の表面方向に移動可能に取り付けられたコンタクトブロックとを備えていることが好ましい。
【0020】
この手段によれば、コンタクトブロックは位置決め手段によって基板の所定位置に対応するように表面方向に移動できるので、基板に対してコンタクトブロックを高精度に位置決めして接触させることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
次に、添付図面を参照して本発明に係る電気特性検査装置の実施形態について説明する。
【0022】
図1は本実施形態における電気特性検査装置の検査部近傍を示す拡大斜視図である。この電気特性検査装置は、延長方向に複数の時計回路(図示せず)が配列形成されたテープ状に形成されたフレキシブル基板10を所定の経路に沿って配設し、このフレキシブル基板10の各時計回路に対して論理緩急測定(水晶発振子の発振チェック、クロック信号の発振周波数測定等)やその他の電気特性検査を行うように構成されている。フレキシブル基板10には、所定の配線パターンが予め形成され、この配線パターンに集積回路チップや水晶発振子等の電子部品が搭載されている。
【0023】
フレキシブル基板10の経路には、フレキシブル基板10を上下から挟むように配置されたグリップ機構20,30が設けられ、その上方には検査機構40が昇降自在に取付けられている。
【0024】
グリップ機構20,30は後述する移動機構上に取付けられ、それぞれ昇降可能に構成された可動顎部21,22及び31,32から構成されている。フレキシブル基板10の上方に配置された可動顎部21,31には、それぞれ2つずつのコンタクトブロック23,24及び33,34が設けられ、これらのコンタクトブロックは後述するように可動顎部21,31の本体に対して水平方向に僅かに移動可能に取付けられている。
【0025】
コンタクトブロック23,24,33,34には、それぞれフレキシブル基板10に穿設された図示しないガイド孔を挿通して可動顎部22,32の上面に固定された受け治具25,35の図示しない嵌合穴に嵌合し、コンタクトブロックと時計回路との位置決めを行う基準ピン26,36と、フレキシブル基板10上に形成された時計回路に実装された水晶発振子を押さえるための水晶押えピン27,37と、時計回路の接点に接触して所定の電圧を供給するための給電プローブ28,38とが下面からそれぞれ突出するように設けられている。
【0026】
コンタクトブロックの中央部には、コンタクトブロックを上下に貫通する長円形の開口断面を備えた検査孔29,39が形成され、また、コンタクトブロックの上面には後述する検査ヘッドの挿入部を位置決めするための基準穴23a,24a,33a,34aが穿設されている。
【0027】
上記水晶押えピン27,37、給電プローブ28,38、及び検査孔29,39は、各コンタクトブロック23,24,33,34毎にそれぞれ4組ずつ設けられ、それぞれのコンタクトブロックが同時に4つの時計回路に対してコンタクトできるように構成されている。
【0028】
検査機構40においては、コンタクトブロックの上方に配置される検査ヘッド41が後方に配置された駆動部42によって昇降可能に構成されている。検査ヘッド41の先端部には検査ブロック43が水平方向に僅かに移動可能に取付けられ、この検査ブロック43の下面には一つのコンタクトブロックに対応した4つの挿入部44が突出形成されている。各挿入部44からはそれぞれ時計回路の電気特性検査のための複数の検査プローブ45が下方に伸びるように植設されている。検査ブロック43からは基準ピン46が下方に突出し、この基準ピン46は、上記コンタクトブロックの基準穴23a,24a,33a,34aに挿入されて検査ブロック43の位置決めを行うように構成されている。
【0029】
図2及び図3は上記グリップ機構20,30の平面動作を示すものである。グリップ機構20,30はいずれもフレキシブル基板10の延長方向に沿って移動可能に構成されており、図2(a)に示す状態では、グリップ機構20は、図2に示す第1領域Iにおいて可動顎部21を下降させるとともに可動顎部22を上昇させることによってフレキシブル基板10を可動顎部21と可動顎部22の間に挟持する。
【0030】
この状態で、基準ピン26,36をフレキシブル基板10を通して可動顎部22,32の受け治具25,35に嵌合させることにより、コンタクトブロックをフレキシブル基板10に対して位置決めする。フレキシブル基板10が可動顎部21と22により挟持されると、水晶押えピン27,37が時計回路に搭載された水晶発振子を上方から押さえるとともに、給電プローブ28,38が時計回路の電源端子に接触し、所定の電力が時計回路に供給され、例えば水晶発振子が発振を始める。
【0031】
グリップ機構20が第1領域Iにてフレキシブル基板10を挟持しているとき、グリップ機構30は第2領域IIにてフレキシブル基板10を挟持している。このとき、コンタクトブロック34は第2領域IIの検査位置IIaに位置しており、図1に示す検査ヘッド41が下降して、検査ブロック43の挿入部44がコンタクトブロック34の検査孔39に挿入され、コンタクトブロック34に挟持された4つの時計回路に検査プローブ45を接触させ、電気特性の検査を行う。ここで、検査ブロック43の基準ピン46は、図1に示すコンタクトブロック34の基準穴34aに挿入され、検査ブロック43を位置決めしている。
【0032】
検査ブロック43がコンタクトブロック34に挿入されて電気特性の検査が行われ、検査が終了すると、検査ヘッド41は上昇して検査ブロック43はコンタクトブロック34から離反する。すると第1領域Iにあるグリップ機構20及び第2領域IIにあるグリップ機構30は、共にフレキシブル基板10を挟持したまま図示右側に移動し、図2(a)に示す状態から図2(b)に示す状態に移行して停止する。
【0033】
図2(b)の状態では、コンタクトブロック33が検査位置IIaに配置され、上記と同様に検査ブロック43が挿入され、検査が行われる。検査が終了すると再びグリップ機構20及び30はフレキシブル基板10を挟持したまま図示右側に移動し、図3(a)に示すようにグリップ機構20が第2領域IIに、グリップ機構30が第3領域III にそれぞれ配置された状態で停止する。このとき、コンタクトブロック24が検査位置IIaに配置され、上記と同様にして電気特性検査が実施される。
【0034】
コンタクトブロック24に対して検査が行われている間に、可動顎部31は上昇し、可動顎部32は下降して、グリップ機構30は第3領域III において挟持していたフレキシブル基板10を解放する。次に、グリップ機構30はフレキシブル基板10の送り方向とは逆に移動し、第1領域Iに到達して停止する。
【0035】
第1領域Iにグリップ機構30が配置されると、可動顎部31は下降し、可動顎部32は上昇して、フレキシブル基板10を上下から挟持する。その後は、コンタクトブロック24の検査が終了すると、上述と同様にグリップ機構30と20は図示右側にフレキシブル基板10とともに移動し、コンタクトブロック23を検査位置IIaに位置決めし、当該部分の電気特性の検査を行う。
【0036】
上述のように、グリップ機構20,30は、検査終了毎にフレキシブル基板10を図示右側に移動させながら、第1領域から第3領域まで移動し、第3領域まで到達するとフレキシブル基板10を一旦解放して再び第1領域に戻るという動作を交互に繰り返す。
【0037】
図4は本実施形態の全体構成の概略を示す概略平面図である。フレキシブル基板10は図示左端から右端に向かって、公知のテンション保持機構を備えたローラ列からなる搬送経路に沿って順次搬送されるように構成されている。この搬送経路上には、上述の図1と同様のグリップ機構20,30及び検査機構40からなる2つの検査ユニットA,Bが順次配設されている。検査ユニットAには論理緩急測定用チェッカーCが設けられ、当該ユニット内の検査機構40を介して得られた検査結果を判定する。また、検査ユニットBには電気特性測定用チェッカーDが設けられ、当該ユニット内の検査機構40を介して得られた検査結果を判定するようになっている。
【0038】
検査ユニットAはフレキシブル基板10の時計回路の論理緩急測定を行うためのものであり、水晶発振子の発振周波数を直接若しくは間接的に測定する。一方、検査ユニットBは時計回路のその他の電気特性を検査するためのものであり、所定回路部分の直流値、発信周波数及び交流値を測定する。
【0039】
検査ユニットA,Bにおいてそれぞれ検査機構40の下流側に配置されたパンチ機構50は、検査機構40によって検査されたフレキシブル基板10の時計回路の検査結果に応じて、当該時計回路に対応したフレキシブル基板10の所定位置にパンチ孔を穿孔するためのものである。
【0040】
ここで、検査ユニットAのパンチ機構50は、当該ユニット内の検査機構40によって測定された論理緩急(水晶発振子から得られるクロック信号の発振周波数)の値に応じて、時計回路内に構成された図示しない緩急調整回路部の所定部分を穿孔することによりクロック信号の発振周波数を調整する。一方、検査ユニットBのパンチ機構50は、当該ユニット内の検査機構40によって測定された電気特性が不良である場合には、フレキシブル基板10の所定部分を穿孔し、不良品であることを表示する。
【0041】
上記検査装置全体は所定の動作プログラムを内蔵するマイクロコンピュータユニット(MPU)を備えた図示しない中央制御装置によって制御される。特にこの中央制御装置は、各検査ユニットA,Bに設けられたグリップ機構20,30、検査機構40、及び移動機構60が相互に協調した動作を行うように制御する。移動機構60はグリップ機構20,30のそれぞれを水平面方向に移動できるように構成されている。
【0042】
図5は当該装置のグリップ機構20,30及び移動機構60をフレキシブル基板10の進行方向に向かって見た様子を示す機構説明図である。図4にも示すように、グリップ機構20,30は移動機構60の上に搭載されている。移動機構60は、グリップ機構20,30をフレキシブル基板10の進行方向に往復動作させる搬送方向移動部61と、この搬送方向移動部61の上に搭載され、グリップ機構20,30をフレキシブル基板10の搬送方向とは直交する水平方向に移動させる水平位置調節部62とから成る。
【0043】
水平位置調節部62の上には、グリップ機構20,30の一部を構成する支持部20A、30Aと、この支持部に対して外側と内側においてそれぞれ昇降可能に構成された昇降部20B,20C,30B,30Cが設けられている。昇降部20Bは可動顎部21に接続され、昇降部20Cは可動顎部22に接続され、昇降部30Bは可動顎部31に接続され、昇降部30Cは可動顎部32に接続されている。
【0044】
以上説明したグリップ機構20,30及び移動機構60により、可動顎部でフレキシブル基板10を上下から挟持したり解放したりすることが可能となり、また、グリップ機構自体をフレキシブル基板10の延長方向に沿って往復動作させることが可能となる。
【0045】
本実施形態により電気特性検査を行った動作タイミングを示すものが図6である。図中(a)〜(c)は検査ユニットA内における第1領域Iにあるフレキシブル基板10の時計回路の状態、第2領域IIにある時計回路の状態、及びパンチ機構50の位置にある時計回路の状態を示すものであり、図中(d)〜(f)は検査ユニットB内における第1領域Iにあるフレキシブル基板10の時計回路の状態、第2領域IIにある時計回路の状態、及びパンチ機構50の位置にある時計回路の状態を示すものである。
【0046】
検査ユニットAの第1領域Iでは、図6(a)に示すように、グリップ機構20,30のいずれかがフレキシブル基板10を挟持することによって給電プローブから発振回路を発振させるのに必要な電力が供給され、電力供給状態▲1▼となる。この電力供給状態▲1▼は、図6(b)に示すように第2領域IIにおいても継続している。第2領域IIにおいては、当初、時計回路内の発振状態をチェックし(▲2▼)、発振が確認されると発振周波数測定▲3▼、▲4▼を実施する。これらの発振周波数測定の結果に応じて、図6(c)に示す期間内にフレキシブル基板10の穿孔を行う(緩急調整パンチ)。
【0047】
一方、検査ユニットBの第1領域Iでは、図6(d)に示すようにグリップ機構20,30のいずれかがフレキシブル基板10を挟持することによって給電プローブから発振回路を発振させるのに必要な電力が供給され、電力供給状態▲1▼となる。この電力供給状態▲1▼は、図6(e)に示すように第2領域IIにおいても継続している。第2領域IIにおいては、当初、時計回路内の発振状態をチェックし(▲2▼)、発振が確認されると回路内の電流測定▲5▼、▲6▼を実施する。その後、発振周波数を測定し(▲7▼)、さらに回路信号の交流値測定▲8▼を実施する。そして、これらの測定結果に応じて、回路の電気特性が不良である場合には、図6(f)に示す期間内にフレキシブル基板10の穿孔を行う(不良パンチ)。
【0048】
このように装置を動作させることにより、時計回路を検査する前に予め時計回路に電力を供給した状態とし、その状態を維持しながら搬送して検査位置に位置決めし、検査を実施することができるので、電力供給時から検査時までに確保する必要のある発振回路部の安定化時間を待機時間とする必要がなく、検査サイクルを短縮することができる。
【0049】
図6の例では、上記実施形態と同様に2つのグリップ機構を設け、一つのグリップ機構毎にそれぞれ4個の時計回路に対応したコンタクトブロックを2つ採用した場合、一つの領域毎のサイクルタイムは約9.5秒となった。従来は検査期間の間にこのサイクルタイムとほぼ同時間の待機時間を挟んでいたため、コンタクトブロックが同一であっても、本実施形態では従来の半分の検査時間で処理できることとなる。
【0050】
また、本実施形態では、グリップ機構によってフレキシブル基板10を挟持して搬送しているので、別途搬送機構が不要になるとともに、グリップ機構によって検査前にフレキシブル基板10とグリップ機構20,30との位置決めが完了しており、間接的にはフレキシブル基板10と検査機構40との位置決めもほぼ完了していると見做せるので、検査開始時における位置決め時間を短縮、或いは不要にできるとともに、位置決め時間に対する制約が少ないため、位置決めの確実性、信頼性を向上することができる。
【0051】
上記実施形態では2つのグリップ機構20,30を用いてフレキシブル基板10の搬送と電力供給とを行っているが、搬送時間内に電力を供給することで待機時間を低減するだけの効果(上記実施形態とは異なり搬送時間が必要となる。)で充分ならば単一のグリップ機構でもよく、また、検査サイクルを上記実施形態よりもさらに短縮したい場合には3つ以上のグリップ機構を設けることもできる。単一のグリップ機構或いは3以上のグリップ機構の動作は基本的に上述の実施形態の場合と同様である。
【0052】
図7は3つのグリップ機構を備えた検査装置により検査を行う場合の時計回路の状態を示すものである。図中(a)〜(c)はグリップ機構のいずれかが検査ユニットA内の第1領域I、第2領域II、第3領域III にある場合の状態を順次示し、このグリップ機構は、上記実施形態よりも一つ多い第4領域IVに移動した後に第1領域Iに復帰するように動作する。図中(d)は検査後にパンチ機構50に処理される時計回路の状態を示すものである。
【0053】
また、図中(e)〜(g)はグリップ機構のいずれかが検査ユニットB内の第1領域I、第2領域II、第3領域III にある場合の状態を順次示し、このグリップ機構も、上記実施形態よりも一つ多い第4領域IVに移動した後に第1領域Iに復帰するように動作する。図中(h)は検査後にパンチ機構50に処理される時計回路の状態を示すものである。
【0054】
検査ユニットAの第1領域Iでは、図7(a)に示すように、グリップ機構20,30のいずれかがフレキシブル基板10を挟持することによって給電プローブから発振回路を発振させるのに必要な電力が供給され、電力供給状態▲1▼となる。この電力供給状態▲1▼は、図7(b),(c)に示すように第2領域II及び第3領域III においても継続している。第2領域IIにおいては、時計回路内の発振状態をチェックし(▲2▼)、発振を確認する。第3領域III においては図7(c)に示すように発振周波数測定▲3▼、▲4▼を実施する。そして、これらの発振周波数測定の結果に応じて、図7(d)に示す期間内にフレキシブル基板10の穿孔を行う(緩急調整パンチ)。
【0055】
一方、検査ユニットBの第1領域Iでは、図7(e)に示すようにグリップ機構20,30のいずれかがフレキシブル基板10を挟持することによって給電プローブから発振回路を発振させるのに必要な電力が供給され、電力供給状態▲1▼となる。この電力供給状態▲1▼は、図7(f),(g)に示すように第2領域II及び第3領域III においても継続している。第2領域IIにおいては、時計回路内の発振状態をチェックし(▲2▼)、発振を確認する。第3領域III においては図7(g)に示すように回路内の電流測定▲5▼、▲6▼を実施し、その後、発振周波数を測定し(▲7▼)、さらに回路信号の交流値測定▲8▼を実施する。そして、これらの測定結果に応じて、回路の電気特性が不良である場合には、図7(h)に示す期間内にフレキシブル基板10の穿孔を行う(不良パンチ)。
【0056】
この図7に示す例においては、3つのグリップ機構が4つの領域において順次移動し、予め電力を印加しておく期間は2つの検査サイクルに亘って取ることができるので、検査サイクルを短くすることができる。この例では電力印加時間ではなく検査時間によって検査サイクルの時間が制約されているために、短縮化の程度は少ないものの、約8秒となって図6に示す場合よりも効率よく検査を実施することができる。
【0057】
図8は上記実施形態におけるグリップ機構20の挟持部のより詳細な構造を示す縦断面図である。可動顎部21にはコンタクトブロック23が支持機構70を介して接続されている。コンタクトブロック23には前述の通り基準ピン26、水晶押えピン27、給電プローブ28が固定され、これらピンの上部は可動顎部21を遊嵌状態に挿通している。
【0058】
図9は支持機構70を拡大して示すものである。支持機構70は、可動顎部21からコンタクトブロック23の内部へと挿通された支持ピン71と、支持ピン71の下端部に対してコンタクトブロック23の内部で結合された固定ピン72と、支持ピン71の上部に形成されたフランジ部71aと可動顎部21との間に介挿された皿バネ73と、コンタクトブロック23の上面における支持ピン71の挿通部の周囲に取付けられたベアリング支持部74と、このベアリンク支持部74と可動顎部21の下面との間に配置される球ベアリング75とから構成される。
【0059】
この支持機構70は皿バネ73によって可動顎部21とコンタクトブロック23とを上下方向に僅かに移動可能に結合するとともに、支持ピン71が可動顎部21を遊びを持って挿通していることにより、支持ピン71は皿バネ73によって垂直姿勢に軽く保持された状態で水平方向に移動可能に配置され、この結果、コンタクトブロック23は可動顎部21に対して水平方向に移動可能に結合している。
【0060】
したがって、コンタクトブロック23と受け治具25との間にフレキシブル基板10を挟持する場合、基準ピン26をフレキシブル基板10を挿通して受け治具25の嵌合穴25a(図8を参照)に挿入することによって、コンタクトブロック23は可動顎部21に対して水平方向に僅かに移動し、フレキシブル基板10及び受け治具25との相対的な平面方向の位置決めがなされる。
【0061】
この支持機構70の構造は、上記検査機構40における検査ヘッド41と検査ブロック43との間の支持機構と全く同様であり、検査ブロック43はその基準ピン46をコンタクトブロック23に設けられた基準穴23aに挿通する際に、検査ヘッド41に対して水平方向に移動可能に支持されている。
【0062】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば以下の効果を奏する。
【0063】
請求項1によれば、グリップ機構により初期位置から検査位置まで基板を挟持しながら送るようにしたので、基板の位置決めを行いながらグリップ機構により基板を搬送することができる。したがって、位置決め時間を短縮し、かつ確実な位置決めを行うことができる。
【0064】
請求項2によれば、検査位置までの送り期間においてグリップ機構を介して電力を予め供給しておくことにより電気的構造の動作状態の安定化を図ることができるから、検査前に必要となる回路動作の安定化のための待機時間を搬送時間内に確保することができるため、従来よりも検査サイクルを短縮できる。
【0065】
請求項3によれば、複数のグリップ機構により順次基板を送りながら検査を行うので、搬送の時間間隔をなくすことができ、連続的に検査を実行することが可能になるため、検査サイクルをさらに短縮できる。
【0066】
請求項4によれば、この場合にグリップ機構を介して電力を予め供給しておくことにより、電気的構造の動作の安定化を図るための待機時間を完全に不要とすることができる。
【0067】
請求項5によれば、検査ヘッドを検査可能とするヘッド受入部を可動顎部に設けたので、可動顎部が挟持している電気的構造に対して検査を行うことが可能になる。
【0068】
請求項6によれば、検査ヘッドを可動顎部に形成された貫通孔に挿入することによって可動顎部が挟持している電気的構造に対して直接に接触することが可能になるので、検査を確実かつ正確に実施することができる。
【0069】
請求項7によれば、コンタクトブロックは位置決め手段によって基板の所定位置に対応するように表面方向に移動できるので、基板に対してコンタクトブロックを高精度に位置決めして接触させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電気特性検査装置の実施形態の主要部の構造を示す概略斜視図である。
【図2】同実施形態におけるグリップ機構の動作を順次に示す説明図(a)及び(b)である。
【図3】同実施形態におけるグリップ機構の動作を順次に示す説明図(a)及び(b)である。
【図4】同実施形態の全体構成を示す概略平面図である。
【図5】同実施形態のグリップ機構及び移動機構の構造を示す概略説明図である。
【図6】同実施形態の動作タイミングを示す説明図である。
【図7】同実施形態とは異なる構造例の動作タイミングを示す説明図である。
【図8】同実施形態のグリップ機構の挟持部を示す拡大縦断面図である。
【図9】同実施形態のコンタクトブロックの支持機構を示す拡大断面図である。
【符号の説明】
10 フレキシブル基板
20,30 グリップ機構
21,22,31,32 可動顎部
28 給電プローブ
29 検査孔
40 検査機構
41 検査ヘッド
50 パンチ機構
60 移動機構
70 支持機構
Claims (6)
- 複数の電気的構造を配列した基板に対して電気特性を検査する電気特性検査装置であって、
前記複数の電気的構造が配列する配列方向に沿って複数設けられ、前記基板を表裏から挟持し、一対の開閉可能な可動顎部とを備えたグリップ機構と、
前記グリップ機構を電気的構造の前記配列方向に往復移動可能とする移動機構と、
初期位置において前記可動顎部を閉鎖して前記基板を挟持した後、前記グリップ機構を前記配列方向に移動させて前記基板とともに検査位置に移送し、その後、前記可動顎部を開放して前記基板を解放した後、前記グリップ機構を初期位置に復帰させるために前記グリップ機構及び移動機構を制御駆動する機構制御手段と、
前記検査位置にて前記グリップ機構に挟持された前記基板の電気的構造を検査するための検査手段とを有し、
前記グリップ機構は、少なくとも一方における前記基板に対する接触部に電力を供給するための導電構造を備えており、前記基板を検査位置まで送る間に、前記基板に対する前記接触部に前記グリップ機構を介して電力を予め供給しておくことを特徴とする電気特性検査装置。 - 請求項1において、前記機構制御手段は、複数の前記グリップ機構が前記基板の挟持、移送及び解放の各動作を順次実行するように制御することを特徴とする電気特性検査装置。
- 請求項1において、前記可動顎部の少なくとも一方における前記基板に対する接触部には、前記電気的構造に対して電力を供給するための導電構造を形成したことを特徴とする電気特性検査装置。
- 請求項1において、前記グリップ機構は、前記可動顎部が前記基板を挟持している状態で、前記検査手段の検査ヘッドを前記可動顎部の挟持している前記電気的構造に対して検査可能にするためのヘッド受入部を備えていることを特徴とする電気特性検査装置。
- 請求項4において、前記ヘッド受入部は前記可動顎部に形成された貫通孔であることを特徴とする電気特性検査装置。
- 請求項1において、前記グリップ機構には、前記基板に対する位置決め手段と、該位置決め手段によって少なくとも前記基板の表面方向に移動可能に取り付けられたコンタクトブロックとを備えていることを特徴とする電気特性検査装置。
Priority Applications (1)
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JP07373096A JP3555315B2 (ja) | 1996-03-28 | 1996-03-28 | 電気特性検査装置 |
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JP07373096A JP3555315B2 (ja) | 1996-03-28 | 1996-03-28 | 電気特性検査装置 |
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JPH09264925A JPH09264925A (ja) | 1997-10-07 |
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CN105892273A (zh) * | 2014-08-29 | 2016-08-24 | 无锡百科知识产权有限公司 | 石英钟表成品机芯综合检测系统 |
-
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- 1996-03-28 JP JP07373096A patent/JP3555315B2/ja not_active Expired - Lifetime
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JPH09264925A (ja) | 1997-10-07 |
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