JP3554452B2 - 炊飯器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は炊飯器に関し、詳しくは炊飯量に応じてバーナの燃焼量を制御する炊飯器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、ガスの燃焼熱により炊飯を行なうガス炊飯器が知られている。一般にこのようなガス炊飯器には、火力調節用に2つの電磁弁が設けられており、これらの開閉制御によって火力を3段階に切替えて、炊飯を行なっている。この制御を図8の炊飯シーケンスに基づいて説明する。まず炊飯初期は中火で、釜内温度が65℃になるまで加熱する。ここで炊飯量を判定するため、釜内温度が65℃から70℃になるまでの時間をカウントする。この時間が基準時間より短い場合は炊飯量が少ないと判断して弱火、長い場合は炊飯量が多いと判断して強火に切替える。やがて釜底附近の水が殆どなくなって釜底温度が135℃以上になったところで、炊飯完了と判断してバーナを消火する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このように、判定した炊飯量に応じて火力を切替えるといった制御を行なっているが、こういった3段階の火力制御では、炊き上がりまでの時間が大きく違っていた。そのため米の含水率にバラツキが生じてしまい、炊き上がり状態にもバラツキが生じてしまうといった問題があった。
本発明の炊飯器は上記課題を解決し、炊飯量に関係なくバラツキのないおいしい御飯を炊くことを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する本発明の請求項1記載の炊飯器は、
釜を加熱するバーナと、
炊飯量を検出する炊飯量検出手段と、
米の温度を直接的或は間接的に検出する温度検出手段と、
上記炊飯量検出手段により検出した炊飯量での炊飯開始から炊飯終了までに必要な熱量を、炊飯開始から予め設定した一定時間の間に与えるように、上記バーナの燃焼パターンを決定する燃焼パターン決定手段と、
上記燃焼パターン決定手段の決定した燃焼パターンに基づいて上記バーナの燃焼量を制御して、上記温度検出手段により予め設定された温度を検出したとき燃焼を停止すると共に、上記一定時間が経過しても上記設定された温度に達しないときは上記バーナを強火力にて燃焼させる燃焼量制御手段と
を備えたことを要旨とする。
【0005】
上記課題を解決する本発明の請求項2記載の炊飯器は、
釜を加熱するバーナと、
炊飯量を検出する炊飯量検出手段と、
米の温度を直接的或は間接的に検出する温度検出手段と、
上記炊飯量検出手段により検出した炊飯量での、上記温度検出手段の検出温度が所定温度に達した時から炊飯終了までに必要な熱量を、上記温度検出手段の検出温度が所定温度に達した時から予め設定した一定時間の間に与えるように、上記バーナの燃焼パターンを決定する燃焼パターン決定手段と、
上記燃焼パターン決定手段の決定した燃焼パターンに基づいて上記バーナの燃焼量を制御して、上記温度検出手段により予め設定された温度を検出したとき燃焼を停止すると共に、上記一定時間が経過しても上記設定された温度に達しないときは上記バーナを強火力にて燃焼させる燃焼量制御手段と
を備えたことを要旨とする。
【0006】
上記課題を解決する本発明の請求項3記載の炊飯器は、
釜を加熱するバーナと、
炊飯量を検出する炊飯量検出手段と、
米の温度を直接的或は間接的に検出する温度検出手段と、
上記炊飯量検出手段により検出した炊飯量での、上記温度検出手段の検出温度が所定温度に達した時から炊飯終了までに必要な熱量を、上記温度検出手段の検出温度が所定温度に達した時から、上記炊飯量検出手段により検出した炊飯量が多いほど短く設定された所定期間の間に与えるように、上記バーナの燃焼パターンを決定する燃焼パターン決定手段と、
上記燃焼パターン決定手段の決定した燃焼パターンに基づいて上記バーナの燃焼量を制御して、上記温度検出手段により予め設定された温度を検出したとき燃焼を停止すると共に、上記所定期間が経過しても上記設定された温度に達しないときは上記バーナを強火力にて燃焼させる燃焼量制御手段と
を備えたことを要旨とする。
【0007】
上記課題を解決する本発明の請求項4記載の炊飯器は、請求項1又は2記載の炊飯器において、
上記燃焼パターン決定手段は、上記一定時間の間に上記必要な熱量を与えるように、上記バーナの異なる燃焼量での燃焼時間の割り合いを決定することを要旨とする。
また、上記課題を解決する本発明の請求項5記載の炊飯器は、請求項3記載の炊飯器において、
上記燃焼パターン決定手段は、上記所定時間の間に上記必要な熱量を与えるように、上記バーナの異なる燃焼量での燃焼時間の割り合いを決定することを要旨とする。
【0008】
上記構成を有する本発明の請求項1記載の炊飯器は、炊飯量検出手段により炊飯量を検出し、検出した炊飯量での炊飯開始から炊飯終了までに必要な熱量を、炊飯開始から予め設定した一定時間の間に与えるようにバーナの燃焼パターンを決定し、その燃焼パターンに基づいて燃焼制御を行い、予め設定された温度を検出したとき燃焼を停止する。そのため、炊飯量が異なっても炊飯開始から炊飯終了までの時間をほぼ一定にすることができる。米一粒にとって炊飯終了までに必要な熱量は、炊飯量が何合であっても一定である。そのため、炊飯量に応じて必要な熱量を変え、一定の炊飯時間で炊き上げることにより、米一粒としては一定時間の間に必要な熱量を与えられるといった同条件となり、炊き上がり状態にバラツキができることを防ぐことができる。
しかも、一定時間が経過しても予め設定された温度に達しないときはバーナを強火力にて燃焼させるため、炊飯時間の誤差を少なくすることができる。
【0009】
上記構成を有する本発明の請求項2記載の炊飯器は、炊飯量検出手段により炊飯量を検出し、検出した炊飯量での、温度検出手段の検出温度が所定温度に達した時から炊飯終了までに必要な熱量を、所定温度に達した時から予め設定した一定時間の間に与えるようにバーナの燃焼パターンを決定し、その燃焼パターンに基づいて燃焼制御を行い、予め設定された温度を検出したとき燃焼を停止する。炊飯量が同じであっても炊飯開始時の水温が異なると、水温を上昇させるのに必要な熱量の分だけ炊飯終了までに必要な熱量に差がでるが、所定温度に達した時から炊飯終了までの時間を一定とすることにより、炊飯開始時の水温が異なる場合にも同条件で炊くことができる。
しかも、一定時間が経過しても予め設定された温度に達しないときはバーナを強火力にて燃焼させるため、炊飯時間の誤差を少なくすることができる。
【0010】
上記構成を有する本発明の請求項3記載の炊飯器は、炊飯量検出手段により炊飯量を検出し、検出した炊飯量での、温度検出手段の検出温度が所定温度に達した時から炊飯終了までに必要な熱量を、所定温度に達した時から炊飯量が多いほど短く設定された所定期間の間に与えるようにバーナの燃焼パターンを決定し、その燃焼パターンに基づいて燃焼制御を行い、予め設定された温度を検出したとき燃焼を停止する。温度検出手段の検出温度が所定温度に達するまでの時間は炊飯量によって影響されるため、炊飯量が多いほど所定期間を短く設定し全体の炊飯時間を一定に近づけて、炊き上がり状態にバラツキが生じることを防ぐことができる。
しかも、所定期間が経過しても予め設定された温度に達しないときはバーナを強火力にて燃焼させるため、炊飯時間の誤差を少なくすることができる。
【0011】
上記構成を有する本発明の請求項4,5記載の炊飯器は、バーナの異なる燃焼量での時間の割り合いを制御することで、一定時間(請求項5では所定期間)の間に必要な熱量を与えることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以上説明した本発明の構成・作用を一層明らかにするために、以下本発明の炊飯器の好適な実施例について説明する。図1は本発明の第1実施例としての炊飯器の概略構成図である。この炊飯器は、米,水を収納する釜1と、釜1を燃焼加熱するバーナ2と、バーナ2にガスを供給するガス供給路3と、ガス流路の開閉を行なうメイン電磁弁4,第1電磁弁5,第2電磁弁6とから構成される。また釜1には、釜底の底面中央部に接して釜底温度を検出する釜底サーミスタ7と、内蓋8に設けられ釜内温度を検出する蓋サーミスタ9とがそれぞれ設けられる。また各電磁弁4,5,6を開閉制御するコントローラ10を備える。
【0013】
蓋サーミスタ9は、釜内温度を検出する。また、蓋サーミスタ9の検出温度が90℃以上でかつ温度上昇が20秒で1℃以下の場合には、沸騰状態であると判定する。
【0014】
コントローラ10は第1電磁弁5,第2電磁弁6をそれぞれ開閉制御することにより、バーナ2の火力を2段階に切替える。強火力で燃焼させる場合には、第1電磁弁5を開弁し第2電磁弁6を閉弁する。逆に弱火力で燃焼させる場合には、第1電磁弁5を閉弁し第2電磁弁6を開弁する。
【0015】
次にこの炊飯器の炊飯制御を図2のフローチャートを用いて説明する。図示しない炊飯スイッチがONされると(S1)、蓋サーミスタ9により初期の釜内温度Tfを検出し(S2)、メイン電磁弁4,第1電磁弁5を開弁して点火動作を行ない、バーナ2を強火で燃焼させる(S3)。このように強火力で加熱動作を開始するが、このまま70℃附近まで強火力で加熱を続けると、炊飯量が少ない場合には沸騰までの時間が短くなりすぎて米粒の中心部の吸水が不足し、御飯が硬めになってしまう。そこで、おおよその炊飯量を判定するため、蓋サーミスタ9の検出温度Tfが35℃未満の場合には(S4:YES)、釜内温度Tfが40℃から43℃に上昇する時間tcをカウントし(S5)、時間tcが13秒未満であれば(S6:YES)、炊飯量は3合未満であると判断し、第2電磁弁6を開弁し第1電磁弁5を閉弁して弱火に切替える(S7)。
【0016】
その後、釜内温度Tfが53℃に達してから(S8)25秒以内に釜内温度Tfが56℃以上に上昇しない場合には(S9:NO)、火力が足りないと判断して再び強火に切替える(S10)。一方、25秒以内に釜内温度Tfが56℃以上に上昇した場合には(S9:YES)、弱火のまま加熱を継続する。つまり、おおまかな炊飯量判定で弱火に切替えたが、この判定により温度上昇が遅いと検出した場合には、再び強火に切替えるのである。そして、蓋サーミスタ9による検出温度Tfが65℃まで上昇すると(S11:NO)、正確な炊飯量の判定を行なうため、時間tdのカウントを開始する(S12)。そして、釜内温度Tfが70℃に達した時点で(S13:YES)、カウント時間tdから炊飯量を判定する。更に、図5のグラフに示すように、炊飯量が決まることで、炊飯開始から炊飯完了までに必要な熱量b[kcal]を決定することができる。そして、所定の炊飯時間16分の間にその熱量b[kcal]を与えるため、強火力と弱火力とのそれぞれの必要燃焼時間t1,t2[h ]を算出する。つまり、図6のグラフに示すように、所定の炊飯時間16分での強火力での必要燃焼時間t1[h ]と、弱火力での必要燃焼時間t2[h ]との割合を調整することにより、所定の炊飯時間16分での熱量をb[kcal]にするのである。強火力での熱量をb1[kcal/h]、弱火力での熱量をb2[kcal/h]とすると、強火力での必要燃焼時間t1[h ]、弱火力での必要燃焼時間t2[h ]は以下の2式から求められる。
b=b1×t1+b2×t2
t1+t2=16/60
このように、必要燃焼時間t1とt2とを算出する(S14)。
【0017】
一方、ステップ4において、初期の釜内温度Tfが35℃以上の場合には(S4:NO)、釜内温度Tfが40℃から43℃に上昇する時間tcで炊飯量判定ができないため、その温度Tfに応じて以下のように炊飯量を判定する。
まず、初期の釜内温度Tfが35℃以上60℃以下の場合(S15:YES)、おおまかな炊飯量判定を行なわず、強火のまま加熱を継続する。そして、釜内温度Tfが65℃まで上昇すると(S16:YES)、前述したステップ11〜14の処理と同様に、正確な炊飯量を判定し、判定した炊飯量から必要燃焼時間t1とt2とを算出する(S17,S18,S19)。
次に、初期の釜内温度Tfが60℃より高く80℃以下である場合には(S20:YES)、釜内温度Tfが65℃から70℃まで上昇する時間tdでは正確な炊飯量が検出できないため、強火のまま初期の釜内温度Tfから5℃上昇するまで加熱する(S21)。そして、その状態から更に5℃上昇するまでの時間をカウントし(S22,S23)、その温度上昇にかかる時間から正確な炊飯量を判定し、必要燃焼時間t1とt2とを算出する(S19)。
また、初期の釜内温度Tfが80℃より高い場合には(S20:NO)、炊飯量の判定を行なわず、釜底サーミスタ7の検出温度Tsが135℃に達した時点で(S24:YES)炊飯完了と判断し、燃焼動作を停止する(S37)。
このように、初期の釜内温度Tfによって、異なった方法で炊飯量判定を行なう。
【0018】
一方、ステップ14で必要燃焼時間t1とt2とを算出すると、ここまでの弱火力での燃焼時間が、弱火力での必要燃焼時間t2[h ]に達しているかどうかをチェックする(S25)。弱火力での燃焼時間がまだ残っている場合には(S25:YES)、蓋サーミスタ9の検出温度Tfが90℃を越えるまでの間(S26:YES)、釜内温度Tfが72℃,74℃,…といったように2℃上昇する毎に(S27:YES)、その時のカウント時間tdに基づいて、判定した炊飯量の補正及び必要燃焼時間t1,t2の補正を行なう(S28)。つまり、繰り返し補正を行なうことにより、炊飯量をより正確に判定して必要な熱量b[kcal]を正確に決定しているのである。また、蓋サーミスタ9の検出温度Tfが90℃に達する前に弱火力での燃焼時間が必要燃焼時間t2に達した場合には(S25:NO)、炊飯量の補正を終了し(S29)、バーナを強火力に切替えて加熱し(S35)、釜底サーミスタ7の検出温度Tsが135℃に達した時点で(S36:YES)炊飯完了と判断し、燃焼動作を停止する(S37)。
【0019】
釜内温度Tfが90℃を越えた場合には(S26:NO)、炊飯量の補正を終了し(S30)、弱火のまま加熱を継続する。ここで、釜底サーミスタ7の検出温度Tsが135℃に達した場合には(S31:NO)炊飯完了と判断し、燃焼動作を停止する(S37)。
【0020】
また、弱火力での燃焼時間が必要燃焼時間t2に達した場合には(S32:NO)、強火力に切替え(S35)、釜底サーミスタ7の検出温度Tsが135℃に達した時点で(S36:YES)炊飯完了と判断し、燃焼動作を停止する(S37)。
【0021】
また、弱火力での加熱時に、所定の炊飯時間16分が経過したにもかかわらず(S33:YES)、釜底サーミスタ7の検出温度Tsが125℃に達していない場合には(S34:YES)、弱火力での燃焼時間が残っていても強火力に切替えて加熱し(S35)、釜底サーミスタ7の検出温度Tsが135℃に達した時点で(S36:YES)炊飯完了と判断し、燃焼動作を停止する(S37)。つまり、強火力で加熱して炊飯時間を縮め、所定の炊飯時間と実際の炊飯時間とに大きく差がでることを防いでいるのである。
【0022】
一方ステップ19において、強火力による加熱で炊飯量判定を行なった後にも、前述したステップ25〜28と同様に、判定した炊飯量の補正及び必要燃焼時間t1,t2の補正を行なう(S38,S39,S40,S41)。その後、前述したステップ29〜37と同様に、強火力での燃焼時間が必要燃焼時間t1[h ]に達するか、或は蓋サーミスタ9の検出温度Tfが90℃を越えた場合に炊飯量の補正を終了し、強火力での燃焼時間が必要燃焼時間t1に達した場合には弱火力に切替え、また釜底サーミスタ7の検出温度Tsが135℃に達した時点で炊飯完了と判断し、燃焼動作を停止する(S42,S43,S44,S45,S48)。また、強火力での燃焼中に蓋サーミスタ9の検出温度Tfにより沸騰を検出し(S46)、その時弱火力での燃焼時間が残っている場合には(S47:YES)、一旦バーナを弱火力に切替えて加熱し(S48)、弱火力での燃焼時間が必要燃焼時間t2に達した後に(S32:NO)、再び強火力での加熱を行なう(S35)。つまり、強火力での加熱を最後にすることで、決定した燃焼量の誤差による炊飯時間への影響を少なくしているのである。
【0023】
このように、おおよその炊飯量を判定後火力を切替え、釜内温度Tfが65℃から70℃に上昇する時間から正確な炊飯量を判定すると共に、強火力と弱火力とでの必要燃焼時間t1,t2を算出し、算出した必要燃焼時間t1、t2に基づいて燃焼制御を行なうことにより、炊飯開始から炊飯完了までの時間を所定の炊飯時間16分に近づけることができる。
【0024】
以上説明したように、第1実施例の炊飯器によれば、以下のような効果を生ずる。
1.所定の炊飯時間16分の間に、判定した炊飯量での炊飯開始から炊飯終了までに必要な熱量を与えることにより、炊飯量にかかわらず炊飯時間がほぼ一定となる。米一粒にとって炊飯終了までに必要な熱量は、炊飯量が何合であっても一定であるため、炊飯量に応じて必要な熱量を変え、一定の炊飯時間で炊き上げることにより、米一粒としては一定時間の間に必要な熱量を与えられるといった同条件となり、バラツキのないおいしい御飯を炊くことができる。
2.2つの電磁弁5,6の開閉により火力を2段階に切替えるといった簡単な構成のため、コストを低減できる。
3.強火力と弱火力との燃焼時間の割合を変えることによりトータル熱量を調整するため、炊飯量が例えば3.3合といった中途半端な量であっても、その炊飯量に応じた必要熱量を与えることができる。
4.炊飯量を判定した後に補正を繰り返すため、炊飯量をより正確に判定することができる。
5.弱火力での加熱時に所定の炊飯時間16分が経過し、それでもまだ釜底温度Tsが125℃以下の場合には強火力に切替えるため、炊飯時間の誤差を少なくすることができる。
6.沸騰検出後には弱火力を優先し、弱火力での燃焼時間が終了した後に強火力での燃焼を行なうため、燃焼量の誤差による炊飯時間の誤差を少なくすることができる。
7.炊飯開始後すぐにおおよその炊飯量を判断することで、炊飯開始時から強火力で加熱することができるため、炊飯量判定までにかかる時間を短くすることができる。
【0025】
尚、第1実施例では、強火力と弱火力といった2段階の燃焼量により燃焼制御を行なったが、例えば中火力も加えた3段階の燃焼量により燃焼制御を行なってもよく、また比例弁により燃焼量を連続的に制御してもよい。また、炊飯量の判定方法はこれに限ったものではなく、例えば使用者により入力するようにしてもよい。
【0026】
次に、第2実施例について説明する。第1実施例では炊飯開始から炊飯完了までの時間を一定とするように燃焼制御を行なった。しかし、炊飯開始時の水温が異なると、必要な熱量に差がでてしまう。例えば水温が5℃と30℃とでは、5℃の水を30℃まで上昇させるのに必要な熱量分だけ差がでる。そのため第2実施例では、水温の違いによる影響を少なくするため、炊飯開始後所定温度(本実施例では70℃)に達してから炊飯完了までの時間を一定(本実施例では12分)とするように燃焼制御を行なう。そのため、強火力,弱火力での燃焼時間のカウントは70℃に達してから行なう。
【0027】
第1実施例と同様に、釜内温度Tfが65℃から70℃に上昇する時間tdから炊飯量を判定し、炊飯量が決まることで、釜内温度Tfが70℃の状態から炊飯完了までに必要な熱量c[kcal]を決定する。そして、所定の炊飯時間12分の間にその熱量c[kcal]を与えるため、強火力と弱火力とのそれぞれの必要燃焼時間t3,t4[h ]を算出する。強火力での熱量をb1[kcal/h]、弱火力での熱量をb2[kcal/h]とすると、強火力での必要燃焼時間t3[h ]、弱火力での必要燃焼時間t4[h ]は以下の2式から求められる。
c=b1×t3+b2×t4
t3+t4=12/60
その後、第1実施例と同様に判定した炊飯量の補正を行ない、バーナ2の燃焼量を切替えて加熱し、釜底サーミスタ7の検出温度Tsが135℃に達したときに、炊飯完了と判断してバーナ2の燃焼を停止する。
【0028】
以上説明したように、第2実施例の炊飯器によれば、蓋サーミスタ9の検出温度Tfが70℃以上となってから炊飯が完了するまでの時間を一定とすることにより、炊飯開始時の水温の影響を少なくすることができるため、季節にかかわらずバラツキのないおいしい御飯を炊くことができる。また、水温を直接検出するといった構成では、ある一定時間以上の安定時間が必要となり、炊飯時間が延びてしまうといった不具合があるが、水温を直接検出する必要がないため炊飯時間を短くすることができ、また構成が簡単であるためコストを低減できる。
【0029】
尚、第2実施例では、炊飯量の判定温度に達した後から炊飯完了までの時間を一定とするように燃焼制御を行なったが、例えば炊飯量の判定前の所定の温度に達した後から炊飯完了までの時間を一定とするように燃焼制御を行なってもよい。また、強火力と弱火力といった2段階の燃焼量により燃焼制御を行なったが、例えば中火力も加えた3段階の燃焼量により燃焼制御を行なってもよく、また比例弁により燃焼量を連続的に制御してもよい。また、炊飯量の判定方法はこれに限ったものではなく、例えば使用者により入力するようにしてもよい。
【0030】
次に、第3実施例について説明する。第2実施例では、炊飯開始後所定温度に達してから炊飯が完了するまでの時間を一定とするように燃焼制御を行なった。しかし、炊飯開始後所定温度に達するまでの時間は、水温だけでなく炊飯量にも影響されるため、炊飯量の違いにより所定温度に達するまでの時間が大きくばらつくと、所定温度に達してから炊飯完了までの時間が一定であってもトータルの炊飯時間もばらついてしまう。そのため第3実施例では、炊飯量判定後から炊飯完了までの時間を炊飯量によって変える。
【0031】
第2実施例と同様に炊飯量を判定し、釜内温度Tfが70℃の状態から炊飯完了までに必要な熱量c[kcal]を決定する。また、判定した炊飯量から炊飯完了までの炊飯時間tkを決定する。炊飯時間tkは、図7のグラフに示すように、炊飯量が多いほど短くする。これは、炊飯量が多いほど70℃に達するまでの炊飯時間が長くなるためである。また、70℃まで加熱する火力によっても炊飯時間が異なるため、強火力と弱火力とで用いるグラフを変える。そして、時間tkの間に熱量c[kcal]を与えるため、強火力と弱火力とのそれぞれの必要燃焼時間t5,t6[h ]を算出する。強火力での熱量をb1[kcal/h]、弱火力での熱量をb2[kcal/h]とすると、強火力での必要燃焼時間t5[h ]、弱火力での必要燃焼時間t6[h ]は以下の2式から求められる。
c=b1×t5+b2×t6
t5+t6=tk
その後、第1実施例と同様にバーナ2の燃焼量を切替えて加熱し、釜底サーミスタ7の検出温度Tsが135℃に達したときに、炊飯完了と判断してバーナ2の燃焼を停止する。
【0032】
以上説明したように、第3実施例の炊飯器によれば、蓋サーミスタ9の検出温度Tfが70℃以上となってから炊飯完了までの時間を炊飯量に応じて変えるため、検出温度Tfが70℃になるまでの時間の炊飯量による影響を少なくし、炊飯開始から炊飯完了までの時間をほぼ一定に保つことができると共に、炊飯開始時の水温の影響を少なくすことができるため、季節や炊飯量に関係なく常においしい御飯を炊くことができる。
【0033】
尚、第3実施例では、炊飯量の判定後から炊飯完了までの必要燃焼量を求め燃焼制御を行なったが、例えば炊飯量の判定前の所定の温度に達した後から炊飯完了までの必要燃焼量を求め、燃焼制御を行なってもよい。また、強火力と弱火力といった2段階の燃焼量により燃焼制御を行なったが、例えば中火力も加えた3段階の燃焼量により燃焼制御を行なってもよく、また比例弁により燃焼量を連続的に制御してもよい。また、炊飯量の判定方法はこれに限ったものではなく、例えば使用者により入力するようにしてもよい。
【0034】
以上本発明の実施例について説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
【0035】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明の請求項1記載の炊飯器によれば、炊飯量が異なっても炊飯開始から炊飯終了までの時間を一定にすることにより、炊飯量に関係なくバラツキのないおいしい御飯を炊くことができる。
【0036】
更に、本発明の請求項2記載の炊飯器によれば、所定温度に達した時から炊飯終了までの時間をほぼ一定にすることにより、炊飯開始時の水温による影響を少なくすることができるため、季節に関係なくバラツキのないおいしい御飯を炊くことができる。
【0037】
更に、本発明の請求項3記載の炊飯器によれば、所定温度に達した時から炊飯終了までの時間を炊飯量に応じて変えることにより、所定温度に達するまでの炊飯量による影響を少なくすることができるため、炊飯量や季節に関係なくバラツキのないおいしい御飯を炊くことができる。
【0038】
更に、本発明の請求項4,5記載の炊飯器によれば、バーナの異なる燃焼量での時間の割り合いを制御して一定時間(請求項5では所定期間)の間に与える熱量を調整することにより、比例弁のように連続的に燃焼量を制御する構成が必要なく、電磁弁のように段階的に燃焼量を切替える構成によって所望の熱量を与えることができるため、構成を簡単にしてコストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例の炊飯器の概略構成図である。
【図2】第1実施例の炊飯器の炊飯制御を表わすフローチャートである。
【図3】第1実施例の炊飯器の炊飯制御を表わすフローチャートである。
【図4】第1実施例の炊飯器の炊飯制御を表わすフローチャートである。
【図5】炊飯量と必要熱量との関係を表わすグラフである。
【図6】熱量の調整方法を表わす説明図である。
【図7】第3実施例の炊飯量と所定温度からの炊飯時間との関係を表わすグラフである。
【図8】従来の炊飯シーケンスを表わす説明図である。
【符号の説明】
1…釜、 2…バーナ、 3…ガス供給路、 4…メイン電磁弁、
5…第1電磁弁、 6…第2電磁弁、 7…釜底サーミスタ、
9…蓋サーミスタ、 10…コントローラ。
Claims (5)
- 釜を加熱するバーナと、
炊飯量を検出する炊飯量検出手段と、
米の温度を直接的或は間接的に検出する温度検出手段と、
上記炊飯量検出手段により検出した炊飯量での炊飯開始から炊飯終了までに必要な熱量を、炊飯開始から予め設定した一定時間の間に与えるように、上記バーナの燃焼パターンを決定する燃焼パターン決定手段と、
上記燃焼パターン決定手段の決定した燃焼パターンに基づいて上記バーナの燃焼量を制御して、上記温度検出手段により予め設定された温度を検出したとき燃焼を停止すると共に、上記一定時間が経過しても上記設定された温度に達しないときは上記バーナを強火力にて燃焼させる燃焼量制御手段と
を備えたことを特徴とする炊飯器。 - 釜を加熱するバーナと、
炊飯量を検出する炊飯量検出手段と、
米の温度を直接的或は間接的に検出する温度検出手段と、
上記炊飯量検出手段により検出した炊飯量での、上記温度検出手段の検出温度が所定温度に達した時から炊飯終了までに必要な熱量を、上記温度検出手段の検出温度が所定温度に達した時から予め設定した一定時間の間に与えるように、上記バーナの燃焼パターンを決定する燃焼パターン決定手段と、
上記燃焼パターン決定手段の決定した燃焼パターンに基づいて上記バーナの燃焼量を制御して、上記温度検出手段により予め設定された温度を検出したとき燃焼を停止すると共に、上記一定時間が経過しても上記設定された温度に達しないときは上記バーナを強火力にて燃焼させる燃焼量制御手段と
を備えたことを特徴とする炊飯器。 - 釜を加熱するバーナと、
炊飯量を検出する炊飯量検出手段と、
米の温度を直接的或は間接的に検出する温度検出手段と、
上記炊飯量検出手段により検出した炊飯量での、上記温度検出手段の検出温度が所定温度に達した時から炊飯終了までに必要な熱量を、上記温度検出手段の検出温度が所定温度に達した時から、上記炊飯量検出手段により検出した炊飯量が多いほど短く設定された所定期間の間に与えるように、上記バーナの燃焼パターンを決定する燃焼パターン決定手段と、
上記燃焼パターン決定手段の決定した燃焼パターンに基づいて上記バーナの燃焼量を制御して、上記温度検出手段により予め設定された温度を検出したとき燃焼を停止すると共に、上記所定期間が経過しても上記設定された温度に達しないときは上記バーナを強火力にて燃焼させる燃焼量制御手段と
を備えたことを特徴とする炊飯器。 - 上記燃焼パターン決定手段は、上記一定時間の間に上記必要な熱量を与えるように、上記バーナの異なる燃焼量での燃焼時間の割り合いを決定することを特徴とする請求項1又は2記載の炊飯器。
- 上記燃焼パターン決定手段は、上記所定期間の間に上記必要な熱量を与えるように、上記バーナの異なる燃焼量での燃焼時間の割り合いを決定することを特徴とする請求項3記載の炊飯器。
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