JP3553916B2 - 携帯電話機 - Google Patents
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、主として、折畳可能な携帯電話機に係り、特に、聴取性を改善した携帯電話機に関する。
【０００２】
【従来の技術】
一般に、折畳可能な携帯電話機は、携帯時に折畳んで小型化でき、しかも、折畳んだ状態では各種キーが内側に位置し、不用意に操作されないため、携帯に非常に便利であり、多くの使用者で用いられている。
【０００３】
ところで、この種の折畳可能な携帯電話機は、いずれも、筐体のヒンジ部より遠い部分にそれぞれ送話器、受話器を取付け、着信音発生用のスピーカは、表示器を有する側の筐体の裏面側に取付けられている。したがって、筐体を閉じて携帯していても、着信があれば、着信音が筐体の裏面から放出されよく聞こえ、筐体を開いて、送話器、受話器をそれぞれ口、耳に近づけて容易に使用することが可能であり、前述の通り、非常に便利である。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、最近では、このような使用だけではなく、前記スピーカより時報、天気予報、その他の相手からの音声を出力させたり、通話相手からの音声を直接出力させたりして、前記スピーカを、いわゆる、ハンズフリー用のスピーカとして使用したりすることが要請されており、前記構成では必ずしも充分なものではなかった。すなわち、前記スピーカが筐体の裏面に取付けられているため、筐体を開いた状態では、前記スピーカからの音声が使用者より遠ざかる後方に放射され、使用者に充分伝わらなかったり、仮に伝わっても、筐体の外周を回り込んで伝わるため、音質が著しく悪化し、聞きづらかったりするなど、非常に大きな問題があった。
【０００５】
本発明は、以上のような従来の問題を解決するものであり、簡単な構成で、時報、天気予報、その他、通話相手からの音声を、使用者に直接到達させ、聴取性に優れた携帯電話機を提供することを目的とする。また、本発明は、特に、折畳可能な携帯電話機において、筐体を開いた状態でも充分に前方に放出できること、さらに、着信音も筐体を閉じた状態でも充分に聴取できる携帯電話機を提供することを目的とするものである。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記目的を達成するために、ヒンジ部と、このヒンジ部を介して互いに開閉自在に枢着した第１、第２の筐体とを備え、前記第１、第２の筐体の、前記第１、第２の筐体を閉じたとき内側に位置する表面側の中央部には、それぞれ表示器、操作部を設け、前記第１、第２の筐体の前記表面側の前記ヒンジ部より遠い側には、それぞれ受話器、送話器を設け、前記第１、第２の少なくともいずれか一方の筐体の前記表面側の前記ヒンジ部に近い部分には、着信音及び通話音を共に発生するスピーカを前記表面側に向けて設けた。この構成により、第１、第２の筐体を互いに開いた状態で、前記スピーカが使用者側にあり、前記スピーカからの音声を直接使用者に到達させることができる。
【０００７】
また、本発明は、前記目的を達成するために、前記第１、第２の筐体を、前記第１、第２の筐体を閉じたときでも、ヒンジ部に近い部分に前記第１、第２の筐体の表面間に空間が形成されるようにヒンジ部に枢着し、前記第１、第２の筐体を閉じたときの状態では、前記スピーカからの着信音および通話音を前記空間を通して前記第１、第２の筐体の両側方に放射するように構成した。この構成により、第１、第２の筐体を閉じた状態では、第１、第２の筐体の表面間の空間を通して両側方に着信音が放出され、着信音を充分に検知することができる。
【０００８】
また、本発明は、前記第２の筐体に、前記第１、第２の筐体を閉じたとき、前記空間を見えなくする突堤を形成し、この突堤に前記空間からの着信音および通話音を放出する放音孔を形成している。この構成により、第１、第２の筐体を閉じた状態では、突堤に設けた放音孔から着信音が放出され、着信音を充分に検知することができる。
【０００９】
また、本発明は、前記スピーカを、前記送話器と共に、動作可能なように構成している。この構成により、操作部の操作により、前記スピーカを相手からの音声出力に使用し、この状態で送話器の動作を停止して相手からの音声を効果的に出力することができる。
【００１０】
また、本発明は、前記第１の筐体、前記ヒンジ部のいずれか一方に電子カメラを装着し、前記電子カメラが動作可能な状態で、前記スピーカを通話相手からの通話音を発生するスピーカとして動作するように構成した。この構成により、電子カメラを用いて映像を撮影したり、それを通信相手に送信したりしている状態では、必ず、ハンズフリー状態で使用することができ、携帯電話機を耳元より離して使用することができる。
【００１１】
また、本発明は、前記表示器を、通話相手からの映像を表示できるように構成し、前記表示器が前記通話相手からの映像を表示している動作状態で、前記スピーカを前記通話相手からの通話音を発生するスピーカとして動作するように構成した。この構成により、通信相手から伝送されてきた映像を見ながら通信する場合も、携帯電話機を耳元より離し、ハンズフリー状態で効率的に使用することができる。
【００１２】
【発明の実施の形態】
以下、実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。
図１は、本発明の第１の実施の形態における携帯電話機の正面図、図２は、同携帯電話機の側面図、図３は、同携帯電話機の第１、第２の筐体を閉じた状態の側面図、図４、同閉じた状態の正面図、図５は、同閉じた状態の前方から見た図、図６は、同閉じた状態の背面図である。
【００１３】
図１〜図６において、前記携帯電話機は、第１の筐体１と、第２の筐体２と、これらを互いに回動自在に枢着するヒンジ部３で構成されている。
【００１４】
第１の筐体１には、第１、第２の筐体１、２を閉じた状態で内側になる表面側の中央部に表示器４が設けられ、前記表面のヒンジ部３より遠い側には受話器用の音孔５が形成されている。
【００１５】
第２の筐体２には、第１、第２の筐体１、２を閉じた状態で内側になる表面側の中央部にそれぞれ各種の操作を行うテンキー６、各種機能キー７が設けられ、前記表面のヒンジ部３より遠い側には送話器用の音孔９が設けられている。また、第２の筐体の前記表面のヒンジ部３に近い側には、更に、着信音、通話相手からの音声などを比較的大きく発生させるためのスピーカ用放音孔１２が形成されている。
【００１６】
なお、前記音孔５、１４、放音孔１２に対向する前記筐体１、２の内部には、図示していないが、それぞれ受話器、送話器、スピーカが装着されていることは言うまでもないことである。
【００１７】
ところで、第２の筐体２には、伸縮可能なアンテナ１０がヒンジ部３に近い側の端部から出入可能なように取付けられている。また、ヒンジ部３は、図２に示すように、第２の筐体２の前記表面側において前記表面より突出する状態で形成され、第１、第２の筐体１、２を閉じた状態でも、第２の筐体２のスピーカ用放音孔１２を有する表面部は第１の筐体１の表面部に当接せず、両者の間に適当な空間が形成されるように構成されている。
【００１８】
そして、前記第２の筐体１の前記表面の両側部には、前記ヒンジ部３の両端部に至る三角形状の突堤１１、１１が形成され、これらの突堤１１，１１のヒンジ部３に近い側には、第１、第２の筐体１、２を閉じたときでも、スピーカからの着信音を放出可能にするための放音孔１２，１２が形成されている。すなわち、第１の筐体の両側部にはテーパ状の平面部１３，１３が形成され、第１、第２の筐体１、２を閉じたとき、図３、図５に示すように、前記突堤１１、１１の内側に当接、あるいは、密着に近い状態で挿入されるように構成されている、前記突堤１１，１１にはそれぞれ放音孔１２，１２が形成されているため、スピーカからの音声は、前記第１、第２の筐体１、２の間に形成された前記空間、および、前記放音孔１２，１２を通して筐体１，２の側方に充分大きく放出させることができるようになっている。
【００１９】
また、第２の筐体２の、第１、第２の筐体１、２を閉じた状態で外側になる表面の、前記スピーカに対応する部分には、図２、図６に示すように、前記スピーカからの音声を前記表面側に放出する音孔１４が形成されており、この音孔１４の両側、及び、近接する位置には、それぞれ突堤１５、１５、１６が形成されている。
【００２０】
前記第１の実施の形態において、次に、その動作、作用について説明する。
前記スピーカは、第１、第２の筐体１、２を閉じた状態でも、開いた状態でも、共に動作可能に構成されている。したがって、着信があった場合、その着信音は、前記スピーカより発せられる。第１、第２の筐体１、２を開いた状態では、スピーカ用の放音孔９が露出しているため、スピーカからの音声は、そのまま前記放音孔９を通して前方に放出される。第１、第２の筐体１、２を閉じた状態では、第１の筐体１のテーパ状の平面部１３、１３が第２の筐体２に形成した突堤１１、１１の間に挿入されるが、前記筐体１、２の間には、空間が形成され、前記突堤１１、１１には放音孔１２，１２が形成されているため、これらの空間、放音孔１２，１２を通してスピーカからの音声を大きく側方に放出することができる。そして、第２の筐体の、第１、第２の筐体１，２を閉じた状態で、外側に位置する表面にも、音孔１４を形成しているため、この音孔１４からもスピーカからの音声を出力することができ、このことが結果として、スピーカの駆動を容易にし、スピーカの前面側にある放音孔９からの音声をより音質の良いものとすることができる。
【００２１】
また、音孔１４に近接する位置に突堤１５、１５、１６が形成されているため、図４、図５に示すように、前記音孔１４を有する面を下にして机上などに載置した場合でも、音孔１４からスピーカの音声を同様に放出することができ、前記と同様の効果を得ることができる。
【００２２】
また、前記実施の形態では、予め定めたキー（テンキー６，機能キー７などのいずれかのキー）を操作することによって、スピーカより着信音以外に、通信相手からの音声も出力されるように構成されている。したがって、前記予め定めたキーを操作することによって、たとえは、時報、天気予報など、通信相手からの音声を、前記スピーカを通して周りのみんなと共に大きな音声で聴取することができる。そして、このような場合には、着信音と違い、音質としてもそれなりに良好なものが求められるが、前記実施の形態によれば、前述したように、比較的優れた音質を得ることができ、前記音声を正確に心地よく聴取することができるという効果を有する。
【００２３】
次に、本発明の第２の実施の形態における携帯電話機について説明する。
図７は、本発明の第２の実施の形態における携帯電話機の斜視図、図８は、同携帯電話機の断側面図である。
図７、図８において、第１の実施の形態と同一の番号を付したものは、第１の実施の形態と実質的に同一のものを示している。
【００２４】
この実施の形態では、ヒンジ部３に回動可能に電子カメラ２０が取付けられ、この電子カメラ２０は、予め定めたカメラ駆動用キー（テンキー６、機能キー７、あるいは、別に設けたキーのいずれかの予め定めたキー）を操作することによって動作可能な状態になり、その前方を撮影できるように構成されている。そして、撮影された映像は表示器４に表示され、また、予め定めたシャターキーを操作することによって、その時の映像を記憶手段に記憶し、更に予め定めた送信キーを操作することによって任意に前記映像を通信相手に送信することができるように構成されている。
【００２５】
また、この実施の形態では、通信相手から映像が送信されると、これを受信できるように構成され、受信された前記映像は、前記表示器４で表示されるように構成されている。そして、この映像は、予め定めたメモリー用のキーを操作することによって前記記憶手段に記憶可能に構成され、また、予め定めた読み出しキーを操作することによって任意に呼出し、表示器４に表示できるように構成されている。
【００２６】
更に、この実施の形態では、予め定めたハンズフリー用のキーを操作することによって、前記第２の筐体２に設けた送話器８と前記スピーカ用放音孔９に対向して前記第２の筐体２に内蔵されたスピーカ２１とを同時に動作可能にし、ハンズフリー通話を可能なように構成している。
【００２７】
また、この実施の形態では、電子カメラ２０で撮影した映像、あるいは、通信相手から送信された映像を、表示器４に表示し通話する状態、すなわち、これらのための前記予め定めたキーを操作したときに、自動的に前記予め定めたハンズフリー用キーを操作したのと同じように、前記送話器８と前記スピーカ２１とでハンズフリー通話可能なように構成している。
【００２８】
したがって、前記第２の実施の形態では、電子カメラ２０を用いて映像を撮影したり、それを通信手に相手に送信したり、あるいは、通信相手から映像を受信したりしながら通話するときに、必ず、自動的に、ハンズフリー通話になり、携帯電話機を口や耳から離して、そのまま表示器４を見ながら通話できる。
【００２９】
なお、第２の実施の形態では、第１の実施の形態のように、第１、第２の筐体１、２を閉じた状態で、両者間に特別な空間が形成されるようには構成されていないが、それに代えて、第２の筐体２の側面に音孔２２を形成しているため、この音孔２２を通して、前記第１の実施の形態と同様、スピーカ２１からの音声は、前記筐体２の側方に効果的に放出することができる。
【００３０】
また、第２の実施の形態では、電子カメラ２０をヒンジ部３に設けたが、第１、第２の筐体１、２に設けても良いことは言うまでもないことである。
【００３１】
【発明の効果】
本発明は、以上説明した実施の形態より明らかなように、ヒンジ部と、このヒンジ部を介して互いに開閉自在に枢着した第１、第２の筐体とを備え、前記第１、第２の筐体の、前記第１、第２の筐体を閉じたとき内側に位置する表面側の中央部には、それぞれ表示器、操作部を設け、前記第１、第２の筐体の前記表面側の前記ヒンジ部より遠い側には、それぞれ受話器、送話器を設け、前記第１、第２の少なくともいずれか一方の筐体の前記表面側の前記ヒンジ部に近い部分には、着信音及び通話音を共に発生するスピーカを前記表面側に向けて設けたものであり、前記スピーカが使用者の側にあるため、前記スピーカからの着信音、通話音を直接使用者に到達させることができるため、前記スピーカからの着信音、通話音を充分に聴取することができる。
【００３２】
また、本発明は、前記第１、第２の筐体を、前記第１、第２の筐体を閉じたときでも、ヒンジ部に近い部分に前記第１、第２の筐体の表面間に空間が形成されるようにヒンジ部に枢着し、前記第１、第２の筐体を閉じたときの状態では、前記スピーカからの着信音および通話音を前記空間を通して前記第１、第２の筐体の両側方に放射するように構成したものであり、第１、第２の筐体を互いに閉じ、その状態で前記筐体を机上などの載置した場合でも、前記スピーカからの着信音、通話音を第１、第２の筐体の表面間の空間を通して外部に充分放出することができ、前記スピーカからの着信音、通話音を充分に聴取することができる。
【００３３】
さらに、本発明は、前記第２の筐体に、前記第１、第２の筐体を閉じたとき、前記空間を見えなくする突堤を形成し、この突堤に前記空間からの着信音および通話音を放出する放音孔を形成したものであり、第１、第２の筐体を互いに閉じ、その状態で前記筐体を机上などの載置した場合でも、前記スピーカからの着信音、通話音を前記突堤に設けた放音孔より外部に充分放出することができ、前記スピーカからの着信音、通話音を充分に聴取することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の第１の実施の形態における携帯電話機の正面図。
【図２】本発明の第１の実施の形態における携帯電話機の側面図。
【図３】本発明の第１の実施の形態における携帯電話機の第１、第２の筐体を閉じた状態の側面図。
【図４】本発明の第１の実施の形態における携帯電話機の第１、第２の筐体を閉じた状態の正面図。
【図５】本発明の第１の実施の形態における携帯電話機の第１、第２の筐体を閉じた状態の前方から見た図。
【図６】本発明の第１の実施の形態における携帯電話機の第１、第２の筐体を閉じた状態の背面図。
【図７】本発明の第２の実施の形態における携帯電話機の斜視図。
【図８】本発明の第２の実施の形態における携帯電話機断側面図。
【符号の説明】
１ 第１の筐体
２ 第２の筐体
３ ヒンジ部
４ 表示器
５ 受話器用音孔
６ テンキー
７ 機能キー
８ 送話器
９ 送話器用音孔
１２ スピーカ用放音孔
１０ アンテナ
１１ 突堤
１２ 放音孔
１３ テーパ状平面
１４ 音孔
１５、１６ 突堤
２０ 電子カメラ
２１ スピーカ
２２ 音孔
【発明の属する技術分野】
本発明は、主として、折畳可能な携帯電話機に係り、特に、聴取性を改善した携帯電話機に関する。
【０００２】
【従来の技術】
一般に、折畳可能な携帯電話機は、携帯時に折畳んで小型化でき、しかも、折畳んだ状態では各種キーが内側に位置し、不用意に操作されないため、携帯に非常に便利であり、多くの使用者で用いられている。
【０００３】
ところで、この種の折畳可能な携帯電話機は、いずれも、筐体のヒンジ部より遠い部分にそれぞれ送話器、受話器を取付け、着信音発生用のスピーカは、表示器を有する側の筐体の裏面側に取付けられている。したがって、筐体を閉じて携帯していても、着信があれば、着信音が筐体の裏面から放出されよく聞こえ、筐体を開いて、送話器、受話器をそれぞれ口、耳に近づけて容易に使用することが可能であり、前述の通り、非常に便利である。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、最近では、このような使用だけではなく、前記スピーカより時報、天気予報、その他の相手からの音声を出力させたり、通話相手からの音声を直接出力させたりして、前記スピーカを、いわゆる、ハンズフリー用のスピーカとして使用したりすることが要請されており、前記構成では必ずしも充分なものではなかった。すなわち、前記スピーカが筐体の裏面に取付けられているため、筐体を開いた状態では、前記スピーカからの音声が使用者より遠ざかる後方に放射され、使用者に充分伝わらなかったり、仮に伝わっても、筐体の外周を回り込んで伝わるため、音質が著しく悪化し、聞きづらかったりするなど、非常に大きな問題があった。
【０００５】
本発明は、以上のような従来の問題を解決するものであり、簡単な構成で、時報、天気予報、その他、通話相手からの音声を、使用者に直接到達させ、聴取性に優れた携帯電話機を提供することを目的とする。また、本発明は、特に、折畳可能な携帯電話機において、筐体を開いた状態でも充分に前方に放出できること、さらに、着信音も筐体を閉じた状態でも充分に聴取できる携帯電話機を提供することを目的とするものである。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記目的を達成するために、ヒンジ部と、このヒンジ部を介して互いに開閉自在に枢着した第１、第２の筐体とを備え、前記第１、第２の筐体の、前記第１、第２の筐体を閉じたとき内側に位置する表面側の中央部には、それぞれ表示器、操作部を設け、前記第１、第２の筐体の前記表面側の前記ヒンジ部より遠い側には、それぞれ受話器、送話器を設け、前記第１、第２の少なくともいずれか一方の筐体の前記表面側の前記ヒンジ部に近い部分には、着信音及び通話音を共に発生するスピーカを前記表面側に向けて設けた。この構成により、第１、第２の筐体を互いに開いた状態で、前記スピーカが使用者側にあり、前記スピーカからの音声を直接使用者に到達させることができる。
【０００７】
また、本発明は、前記目的を達成するために、前記第１、第２の筐体を、前記第１、第２の筐体を閉じたときでも、ヒンジ部に近い部分に前記第１、第２の筐体の表面間に空間が形成されるようにヒンジ部に枢着し、前記第１、第２の筐体を閉じたときの状態では、前記スピーカからの着信音および通話音を前記空間を通して前記第１、第２の筐体の両側方に放射するように構成した。この構成により、第１、第２の筐体を閉じた状態では、第１、第２の筐体の表面間の空間を通して両側方に着信音が放出され、着信音を充分に検知することができる。
【０００８】
また、本発明は、前記第２の筐体に、前記第１、第２の筐体を閉じたとき、前記空間を見えなくする突堤を形成し、この突堤に前記空間からの着信音および通話音を放出する放音孔を形成している。この構成により、第１、第２の筐体を閉じた状態では、突堤に設けた放音孔から着信音が放出され、着信音を充分に検知することができる。
【０００９】
また、本発明は、前記スピーカを、前記送話器と共に、動作可能なように構成している。この構成により、操作部の操作により、前記スピーカを相手からの音声出力に使用し、この状態で送話器の動作を停止して相手からの音声を効果的に出力することができる。
【００１０】
また、本発明は、前記第１の筐体、前記ヒンジ部のいずれか一方に電子カメラを装着し、前記電子カメラが動作可能な状態で、前記スピーカを通話相手からの通話音を発生するスピーカとして動作するように構成した。この構成により、電子カメラを用いて映像を撮影したり、それを通信相手に送信したりしている状態では、必ず、ハンズフリー状態で使用することができ、携帯電話機を耳元より離して使用することができる。
【００１１】
また、本発明は、前記表示器を、通話相手からの映像を表示できるように構成し、前記表示器が前記通話相手からの映像を表示している動作状態で、前記スピーカを前記通話相手からの通話音を発生するスピーカとして動作するように構成した。この構成により、通信相手から伝送されてきた映像を見ながら通信する場合も、携帯電話機を耳元より離し、ハンズフリー状態で効率的に使用することができる。
【００１２】
【発明の実施の形態】
以下、実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。
図１は、本発明の第１の実施の形態における携帯電話機の正面図、図２は、同携帯電話機の側面図、図３は、同携帯電話機の第１、第２の筐体を閉じた状態の側面図、図４、同閉じた状態の正面図、図５は、同閉じた状態の前方から見た図、図６は、同閉じた状態の背面図である。
【００１３】
図１〜図６において、前記携帯電話機は、第１の筐体１と、第２の筐体２と、これらを互いに回動自在に枢着するヒンジ部３で構成されている。
【００１４】
第１の筐体１には、第１、第２の筐体１、２を閉じた状態で内側になる表面側の中央部に表示器４が設けられ、前記表面のヒンジ部３より遠い側には受話器用の音孔５が形成されている。
【００１５】
第２の筐体２には、第１、第２の筐体１、２を閉じた状態で内側になる表面側の中央部にそれぞれ各種の操作を行うテンキー６、各種機能キー７が設けられ、前記表面のヒンジ部３より遠い側には送話器用の音孔９が設けられている。また、第２の筐体の前記表面のヒンジ部３に近い側には、更に、着信音、通話相手からの音声などを比較的大きく発生させるためのスピーカ用放音孔１２が形成されている。
【００１６】
なお、前記音孔５、１４、放音孔１２に対向する前記筐体１、２の内部には、図示していないが、それぞれ受話器、送話器、スピーカが装着されていることは言うまでもないことである。
【００１７】
ところで、第２の筐体２には、伸縮可能なアンテナ１０がヒンジ部３に近い側の端部から出入可能なように取付けられている。また、ヒンジ部３は、図２に示すように、第２の筐体２の前記表面側において前記表面より突出する状態で形成され、第１、第２の筐体１、２を閉じた状態でも、第２の筐体２のスピーカ用放音孔１２を有する表面部は第１の筐体１の表面部に当接せず、両者の間に適当な空間が形成されるように構成されている。
【００１８】
そして、前記第２の筐体１の前記表面の両側部には、前記ヒンジ部３の両端部に至る三角形状の突堤１１、１１が形成され、これらの突堤１１，１１のヒンジ部３に近い側には、第１、第２の筐体１、２を閉じたときでも、スピーカからの着信音を放出可能にするための放音孔１２，１２が形成されている。すなわち、第１の筐体の両側部にはテーパ状の平面部１３，１３が形成され、第１、第２の筐体１、２を閉じたとき、図３、図５に示すように、前記突堤１１、１１の内側に当接、あるいは、密着に近い状態で挿入されるように構成されている、前記突堤１１，１１にはそれぞれ放音孔１２，１２が形成されているため、スピーカからの音声は、前記第１、第２の筐体１、２の間に形成された前記空間、および、前記放音孔１２，１２を通して筐体１，２の側方に充分大きく放出させることができるようになっている。
【００１９】
また、第２の筐体２の、第１、第２の筐体１、２を閉じた状態で外側になる表面の、前記スピーカに対応する部分には、図２、図６に示すように、前記スピーカからの音声を前記表面側に放出する音孔１４が形成されており、この音孔１４の両側、及び、近接する位置には、それぞれ突堤１５、１５、１６が形成されている。
【００２０】
前記第１の実施の形態において、次に、その動作、作用について説明する。
前記スピーカは、第１、第２の筐体１、２を閉じた状態でも、開いた状態でも、共に動作可能に構成されている。したがって、着信があった場合、その着信音は、前記スピーカより発せられる。第１、第２の筐体１、２を開いた状態では、スピーカ用の放音孔９が露出しているため、スピーカからの音声は、そのまま前記放音孔９を通して前方に放出される。第１、第２の筐体１、２を閉じた状態では、第１の筐体１のテーパ状の平面部１３、１３が第２の筐体２に形成した突堤１１、１１の間に挿入されるが、前記筐体１、２の間には、空間が形成され、前記突堤１１、１１には放音孔１２，１２が形成されているため、これらの空間、放音孔１２，１２を通してスピーカからの音声を大きく側方に放出することができる。そして、第２の筐体の、第１、第２の筐体１，２を閉じた状態で、外側に位置する表面にも、音孔１４を形成しているため、この音孔１４からもスピーカからの音声を出力することができ、このことが結果として、スピーカの駆動を容易にし、スピーカの前面側にある放音孔９からの音声をより音質の良いものとすることができる。
【００２１】
また、音孔１４に近接する位置に突堤１５、１５、１６が形成されているため、図４、図５に示すように、前記音孔１４を有する面を下にして机上などに載置した場合でも、音孔１４からスピーカの音声を同様に放出することができ、前記と同様の効果を得ることができる。
【００２２】
また、前記実施の形態では、予め定めたキー（テンキー６，機能キー７などのいずれかのキー）を操作することによって、スピーカより着信音以外に、通信相手からの音声も出力されるように構成されている。したがって、前記予め定めたキーを操作することによって、たとえは、時報、天気予報など、通信相手からの音声を、前記スピーカを通して周りのみんなと共に大きな音声で聴取することができる。そして、このような場合には、着信音と違い、音質としてもそれなりに良好なものが求められるが、前記実施の形態によれば、前述したように、比較的優れた音質を得ることができ、前記音声を正確に心地よく聴取することができるという効果を有する。
【００２３】
次に、本発明の第２の実施の形態における携帯電話機について説明する。
図７は、本発明の第２の実施の形態における携帯電話機の斜視図、図８は、同携帯電話機の断側面図である。
図７、図８において、第１の実施の形態と同一の番号を付したものは、第１の実施の形態と実質的に同一のものを示している。
【００２４】
この実施の形態では、ヒンジ部３に回動可能に電子カメラ２０が取付けられ、この電子カメラ２０は、予め定めたカメラ駆動用キー（テンキー６、機能キー７、あるいは、別に設けたキーのいずれかの予め定めたキー）を操作することによって動作可能な状態になり、その前方を撮影できるように構成されている。そして、撮影された映像は表示器４に表示され、また、予め定めたシャターキーを操作することによって、その時の映像を記憶手段に記憶し、更に予め定めた送信キーを操作することによって任意に前記映像を通信相手に送信することができるように構成されている。
【００２５】
また、この実施の形態では、通信相手から映像が送信されると、これを受信できるように構成され、受信された前記映像は、前記表示器４で表示されるように構成されている。そして、この映像は、予め定めたメモリー用のキーを操作することによって前記記憶手段に記憶可能に構成され、また、予め定めた読み出しキーを操作することによって任意に呼出し、表示器４に表示できるように構成されている。
【００２６】
更に、この実施の形態では、予め定めたハンズフリー用のキーを操作することによって、前記第２の筐体２に設けた送話器８と前記スピーカ用放音孔９に対向して前記第２の筐体２に内蔵されたスピーカ２１とを同時に動作可能にし、ハンズフリー通話を可能なように構成している。
【００２７】
また、この実施の形態では、電子カメラ２０で撮影した映像、あるいは、通信相手から送信された映像を、表示器４に表示し通話する状態、すなわち、これらのための前記予め定めたキーを操作したときに、自動的に前記予め定めたハンズフリー用キーを操作したのと同じように、前記送話器８と前記スピーカ２１とでハンズフリー通話可能なように構成している。
【００２８】
したがって、前記第２の実施の形態では、電子カメラ２０を用いて映像を撮影したり、それを通信手に相手に送信したり、あるいは、通信相手から映像を受信したりしながら通話するときに、必ず、自動的に、ハンズフリー通話になり、携帯電話機を口や耳から離して、そのまま表示器４を見ながら通話できる。
【００２９】
なお、第２の実施の形態では、第１の実施の形態のように、第１、第２の筐体１、２を閉じた状態で、両者間に特別な空間が形成されるようには構成されていないが、それに代えて、第２の筐体２の側面に音孔２２を形成しているため、この音孔２２を通して、前記第１の実施の形態と同様、スピーカ２１からの音声は、前記筐体２の側方に効果的に放出することができる。
【００３０】
また、第２の実施の形態では、電子カメラ２０をヒンジ部３に設けたが、第１、第２の筐体１、２に設けても良いことは言うまでもないことである。
【００３１】
【発明の効果】
本発明は、以上説明した実施の形態より明らかなように、ヒンジ部と、このヒンジ部を介して互いに開閉自在に枢着した第１、第２の筐体とを備え、前記第１、第２の筐体の、前記第１、第２の筐体を閉じたとき内側に位置する表面側の中央部には、それぞれ表示器、操作部を設け、前記第１、第２の筐体の前記表面側の前記ヒンジ部より遠い側には、それぞれ受話器、送話器を設け、前記第１、第２の少なくともいずれか一方の筐体の前記表面側の前記ヒンジ部に近い部分には、着信音及び通話音を共に発生するスピーカを前記表面側に向けて設けたものであり、前記スピーカが使用者の側にあるため、前記スピーカからの着信音、通話音を直接使用者に到達させることができるため、前記スピーカからの着信音、通話音を充分に聴取することができる。
【００３２】
また、本発明は、前記第１、第２の筐体を、前記第１、第２の筐体を閉じたときでも、ヒンジ部に近い部分に前記第１、第２の筐体の表面間に空間が形成されるようにヒンジ部に枢着し、前記第１、第２の筐体を閉じたときの状態では、前記スピーカからの着信音および通話音を前記空間を通して前記第１、第２の筐体の両側方に放射するように構成したものであり、第１、第２の筐体を互いに閉じ、その状態で前記筐体を机上などの載置した場合でも、前記スピーカからの着信音、通話音を第１、第２の筐体の表面間の空間を通して外部に充分放出することができ、前記スピーカからの着信音、通話音を充分に聴取することができる。
【００３３】
さらに、本発明は、前記第２の筐体に、前記第１、第２の筐体を閉じたとき、前記空間を見えなくする突堤を形成し、この突堤に前記空間からの着信音および通話音を放出する放音孔を形成したものであり、第１、第２の筐体を互いに閉じ、その状態で前記筐体を机上などの載置した場合でも、前記スピーカからの着信音、通話音を前記突堤に設けた放音孔より外部に充分放出することができ、前記スピーカからの着信音、通話音を充分に聴取することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の第１の実施の形態における携帯電話機の正面図。
【図２】本発明の第１の実施の形態における携帯電話機の側面図。
【図３】本発明の第１の実施の形態における携帯電話機の第１、第２の筐体を閉じた状態の側面図。
【図４】本発明の第１の実施の形態における携帯電話機の第１、第２の筐体を閉じた状態の正面図。
【図５】本発明の第１の実施の形態における携帯電話機の第１、第２の筐体を閉じた状態の前方から見た図。
【図６】本発明の第１の実施の形態における携帯電話機の第１、第２の筐体を閉じた状態の背面図。
【図７】本発明の第２の実施の形態における携帯電話機の斜視図。
【図８】本発明の第２の実施の形態における携帯電話機断側面図。
【符号の説明】
１ 第１の筐体
２ 第２の筐体
３ ヒンジ部
４ 表示器
５ 受話器用音孔
６ テンキー
７ 機能キー
８ 送話器
９ 送話器用音孔
１２ スピーカ用放音孔
１０ アンテナ
１１ 突堤
１２ 放音孔
１３ テーパ状平面
１４ 音孔
１５、１６ 突堤
２０ 電子カメラ
２１ スピーカ
２２ 音孔
Claims (6)
- ヒンジ部と、このヒンジ部を介して互いに開閉自在に枢着された第１、第２の筐体とを備え、前記第１、第２の筐体の、前記第１、第２の筐体を閉じたとき内側に位置する表面側の中央部には、それぞれ表示器、操作部が設けられ、前記第１、第２の筐体の前記表面側の前記ヒンジ部より遠い側には、それぞれ受話器、送話器を設けられ、前記第１、第２の少なくともいずれか一方の筐体の前記表面側の前記ヒンジ部に近い部分には、着信音及び通話音を共に発生するスピーカが前記表面側に向けて設けられていることを特徴とする携帯電話機。
- 前記第１、第２の筐体は、前記第１、第２の筐体を閉じたときでも、ヒンジ部に近い部分に前記第１、第２の筐体の表面間に空間が形成されるようにヒンジ部に枢着されており、前記第１、第２の筐体を閉じたときの状態では、前記スピーカからの着信音および通話音が前記空間を通して前記第１、第２の筐体の両側方に放射されることを特徴とする請求項１記載の携帯電話機。
- 前記第２の筐体に、前記第１、第２の筐体を閉じたとき、前記空間を見えなくする突堤を形成し、この突堤に前記空間からの着信音および通話音を放出する放音孔を形成したことを特徴とする請求項２記載の携帯電話機。
- 前記スピーカは、前記送話器と共に、動作可能なように構成されていることを特徴とする請求項１又は２記載の携帯電話機。
- 前記第１の筐体、前記ヒンジ部のいずれか一方に電子カメラが装着され、前記電子カメラが動作可能な状態で、前記スピーカが通話相手からの通話音を発生するスピーカとして動作するように構成されていることを特徴とする請求項１乃至３記載の携帯電話機。
- 前記表示器は、通話相手からの映像を表示できるように構成され、前記表示器が前記通話相手からの映像を表示している動作状態で、前記スピーカが前記通話相手からの通話音を発生するスピーカとして動作するように構成されていることを特徴とする請求項１乃至３記載の携帯電話機。
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