JP3553799B2 - 室内出入口用扉 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、住宅へ好適に使用することができる出入口用の扉に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
住宅の室内出入り用の扉としては、現在生産されているものの約99%が木製でなっており、残りが木製以外の素材でなっている。木製のものの内低価格なものはフラッシュドアの骨組みを持った張合わせドアとなっている。
このフラッシュドアの構造は、図面によって詳述すると図4に示すように、下地の骨組み(6)を両面から挟んで二枚の木質板(7)を張り合わせたパネル材を用い、これに紙あるいは布等の表面化粧材(8)を貼り合わせて形成した構成を持っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
近年森林伐採による地球環境破壊が大きな問題となっており、この森林を護るためには木材の使用を減じるのが直接的でありかつ効果的であるものと考えられている。
また、実際の使用状況においては、空調設備の充実により室内建具の表側と裏側の温・湿度差は大きく、必然的にここで起こり得るのが吸湿を大きな原因とする扉材の反り問題である。
この観点から鑑みると、前記図4のような木材を積層配備したフラッシュ構造の軽量扉材においては、骨組み(6)構造によって軽量化が果たされていても防湿性は全く考慮されていず、多湿状態では簡単に外部から前記木質板(7)が吸湿して反りを生じせしめるものであり、また前記フラッシュ構造の骨組み(6)の内部の空洞内面からも吸湿する虞があるので極めて形状の安定性に欠けるものであった。
昨今ではこのような反り対策を持たないパネル材を用いた扉から、そのパネル材の内表面あるいは外表面へアルミ箔や防湿材を張り合わせて間に合わせ的な吸湿対策を施したパネル材を用いる扉が出回り始めている。(図示していない。)
【0004】
しかしながら、前記吸湿対策を施したフラッシュ構造の扉にあっては、軽量化は果たせるが強剛性の構造材を内部に持たないので強度的に弱いものとなり、またノックとか開閉時等の生活音において重低音を期待することは該空殻構造では不可能に近く、どうしても安っぽい建材に見られあるいは感じられてしまう致命的な欠点を有している。
本発明はこのような解決されなければならない欠点に鑑みて開発されたものであり、吸湿性を排除して軽量で高剛性を持ちしかも低価格な室内出入口用扉を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決しようとする手段】
本発明は住宅の室内を出入りする室内出入口用扉であって、図1に示すように合成樹脂材あるいは無機質材などを発泡せしめて形成した軽量発泡体をコア材(1)に用い、該コア材(1)の両表面へ片面あるいは両面へ突出形成された突出リブ(2a)を持つ繊維圧縮成形板(2)を張合わせると共に、その表面へ金属箔(3)を積層する装飾シート(4)を貼り付けて内方に多くの空部の設けられたパネルを形成し、前記パネルの周縁へ軽量成形材からなる枠体(5)を配設したことを特徴としている。
【0006】
また、図3に示すように住宅の室内を出入りする室内出入口用扉であって、片面へ突出形成された突出リブ(2a)を持つ繊維圧縮成形板(2)を向い合うよう張合わせると共に、その表面へ金属箔(3)を積層する装飾シート(4)を貼り付けて内方に多くの空部の設けられたパネルを形成し、前記パネルの周縁へ軽量成形材からなる枠体(5)を配設したことを特徴としている。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明は前記のように、軽量発泡材、繊維圧縮成形板、金属箔、枠体等を用いて形成せしめることで耐湿性が充分で反りのない重厚感のある室内出入口用扉を提供するものである。
本発明は図1の如く、軽量発泡体からなるコア材(1)を用いる場合、無機質材あるいは合成樹脂材を発泡せしめてこれを形成し、このコア材(1)へ、繊維圧縮成形板(2)と、金属箔(3)と、装飾シート(4)を両表面から貼着せしめてパネルを形成し、これの縁部へ枠体(5)を配して形成されており、このような積層構造によって室内出入口用扉としての充分な剛性と耐湿性を得さしめている。
【0008】
また、コア材(1)を用いない場合は、前記繊維圧縮成形板(2)を直接芯材として用い、これへ金属箔(3)と装飾シート(4)とを両表面から貼着せしめてパネルを形成し、これの縁部へ枠体(5)を配して室内出入口用扉を形成する。
この室内出入口用扉では、硬質で高強度の繊維圧縮成形板(2)を芯材として構成しているから高い剛性が得られ、しかも軽量で薄い板厚に形成できる利点を有している。
【0009】
【実施例】
本発明の実施において、コア材(1)は、スチレン、ウレタンなどの合成樹脂材か、または炭酸カルシウム、パーライトなどの無機質材を発泡せしめて軽量発泡体を形成し、繊維圧縮成形板(2)としては、紙材あるいは再利用紙材をパルプ化し、これを圧縮成形せしめて片面あるいは両面に突出リブ(2a)の形成された空洞部を有する成形板(21)を用いるが、この成形板(21)を単体で用いるか、あるいは複数枚張合わせ内方に空部を多く形成せしめたものを用いる。(この繊維圧縮成形板の例としては、グリッドコア・日本セメント(株)製がある。)
また、金属箔(3)としては、アルミ箔、銅箔、黄銅箔等を要求性能に応じて用いるが、いずれも100μ以下の厚み寸法が防湿性を満たしかつ重量的及び造形加工的に好ましいものとなっている。
また、装飾シート(4)は、紙材、PCV、その他の表面仕上げの可能な化粧材料が選択可能である。
【0010】
本発明の室内出入口用扉は、表皮近くに配置された繊維圧縮成形板(2)へ金属箔(3)を貼り合わせて外部からの湿分を完全に遮断せしめており、一方、繊維圧縮成形板(2)は図2に示すように、片面に突出リブ(2a)の突出形成された成形板(21)を複数枚(ここでは2枚)用い、該突出リブ(2a)を向い合わせに接着形成することで突出リブ(2a)に囲まれたその内部に多くの空洞部が形成されるものとなり(ハニカム構造が強度的に好ましい)、該突出リブ(2a)によって全体の軽量化を果たしたまま充分な剛性を得さしめるものとなる。
【0011】
このようにして形成されたパネルへ枠体(5)を取り付ける実際においては、アルミニウムなどの軽量金属材または硬質合成樹脂材を押し出し成形せしめ(形状が許せば長尺枠体を形成してこれを所望寸法に切断形成する)、この枠体(5)積層形成したパネルと嵌着あるいは接着、または螺着などして一体化せしめ室内出入口用扉を完成する。
【0012】
【発明の効果】
上記のような構成で以下に示す優れた効果が得られる。
本発明の室内出入口用扉は軽量発泡材をパネルのコア材(1)として用いたり、あるいはコア材(1)を用いず、突出リブ(2a)によって多くの空部を有する繊維圧縮成形板(2)を剛性材として用いるため、表面から中程まで強い剛性を有し、かつ極めて軽量に仕上がり、これに金属箔(3)を密着させ、この周縁を枠体(5)で仕上げているので外部からの湿分移行をほぼ完璧に遮断せしめることができる。
また、軽量発泡材のコア材(1)あるいは繊維圧縮成形板(2)によって断熱性の優れたパネルとなり、温湿度差による結露を防止し得る。
従って、反りの発生を防ぎ、強度に優れ軽量でありながら重厚感を保持した低価格な室内出入口用扉が提供できるものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す部分断面図である。
【図2】本発明に至る一実施例を示す断面図である。
【図3】本発明の他の実施例を示す断面図である。
【図4】本発明を用いない従来の構造例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 コア材
2 繊維圧縮成形板
2a 突出リブ
21 成形板
3 金属箔
4 装飾シート
5 枠体
6 骨組み
7 木質板
8 表面化粧材
Claims (3)
- 住宅の室内を出入りするための室内出入口用扉において、
軽量発泡体をコア材に用い、
該コア材の両表面へ片面あるいは両面に突出形成された突出リブを持つ繊維圧縮成形板を張合わせると共に、その表面へ金属箔を張着した装飾シートを貼り付けて内方に多くの空部の設けられたパネルを形成し、
前記パネルの周縁へ軽量成形材からなる枠体を配設したことを特徴とする室内出入口用扉。 - 住宅の室内を出入りするための室内出入口用扉において、
片面へ突出形成された突出リブを持つ繊維圧縮成形板を該突出リブが向い合うよう張合わせ、その表面へ金属箔を張着した装飾シートを貼り付けて内方に多くの空部の設けられたパネルを形成し、
前記パネルの周縁へ軽量成形材からなる枠体を配設したことを特徴とする室内出入口用扉。 - 前記繊維圧縮成形板は、紙材あるいは再利用紙材をパルプ化し、
これを圧縮成形せしめて片面あるいは両面へ突出リブの形成された繊維圧縮成形板を得さしめ、
前記繊維圧縮成形板を複数枚張合わせて形成せしめたことを特徴とする請求項1または2の室内出入口用扉。
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JP14214598A JP3553799B2 (ja) | 1998-05-07 | 1998-05-07 | 室内出入口用扉 |
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JPH11324512A JPH11324512A (ja) | 1999-11-26 |
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JP4530303B1 (ja) * | 2009-10-05 | 2010-08-25 | 金剛産業株式会社 | 金属積層パネル |
-
1998
- 1998-05-07 JP JP14214598A patent/JP3553799B2/ja not_active Expired - Fee Related
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