JP3553746B2 - 写真フイルムカートリッジ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、写真フイルムを収納するカートリッジ本体を複数のプラスチック成形部品で構成し、これらの成形部品をスナップ結合により一体化した写真フイルムカートリッジに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、未使用状態では写真フイルムの先端までもカートリッジ本体内に巻き込んでおくようにし、使用時にはスプールを回転させることによって写真フイルムの送り出しを行うようにした写真フイルムカートリッジがIX240カートリッジフイルムとして本出願人から提供されている。このような機能を持つ写真フイルムカートリッジでは、特開平6−266053号公報に記載されたように、カートリッジ本体を2つの樹脂成形部品で構成し、これらの2つの成形部品を係止爪と被係止部とのスナップ結合により、一体に連結している。係止爪と被係止部との対は、フイルム送出口の両端に近接して設けられ、これらの幅はフイルム送出口のスリットに沿って幅広にしている。これによれば、フイルム送出口の両端での遮光性が向上する。
【0003】
ところが、単なるスナップ結合では、特開平8−146561号公報の従来技術に記載されたように、2mの高さから鉄板上に落下させる落下テストの結果、結合が外れてしまうものが多発した。そこで、スナップ結合の強度を補うために、この公報に記載した写真フイルムカートリッジでは、被係止部を係止爪の抜け止め用の凸部と突起部が嵌入する凹部とで構成し、係止爪が凹部に落ち付いたときに突起部が凹部に向けて押圧した形態となる寸法で係止爪を形成している。そして、このような形態となる寸法で係止爪を形成するために、この公報では、係止爪の突起部までの高さ、係止爪が凸部を乗り越えるための変位量、及び、前記変位量を維持するために係止爪の爪部を支持する起立部の断面積をそれぞれ規定している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述した項目だけ規定しても、被係止部の高さが規定されていないため、係止爪と被係止爪との間にガタが生じたり、逆に係止できないものが発生することが分かった。そこで、係止爪の高さと被係止部の高さとを規定すればよいが、規定したとしてもこれらにはそれぞれ寸法公差が与えられており、別々の金型で形成される上下ケースがランダムに組み合わされると、組み付けた後にはこれらの寸法公差の累積が寸法誤差となって生じる。このため、寸法誤差を極力少なくすると、寸法公差を狭める結果となり、これに伴って金型加工コストがアップする欠点が生じる。
【0005】
本発明は、このような背景を考慮してなされたもので、寸法公差を含めた寸法誤差に係わらず、係止爪の高さと被係止部の高さを一致させて確実なスナップ結合が維持できるようにした写真フイルムカートリッジをローコストで提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明では、係止爪が進入してくる側から順に配列された係止爪抜け止め用の凸部と、係止爪の先端に設けられた突起部が嵌入する凹部とから被係止部を構成し、且つ前記凹部の表面に、係止爪の進入方向に沿って一連に延ばされ、係止爪の突起部に摺接する突条が設けられているとともに、上下ケースの合わせ目を基準にして前記突条までの高さをh、突起部までの高さをH、前記凹部までの高さをhとしたときに、条件式h>H≧hを満たすようにしたものである。これによれば、条件式h>H≧hを満たすようにしたから、結合した後に係止爪が被係止部を押圧し、突起部により突条が潰れ、突起部が突条に食い込んだ形態となる。
【0007】
ところで、外観から係止爪が見えると、係止爪を不正に外される恐れがある。このため、請求項2記載の発明では、開口から係止爪の上面までの深さをd、係止爪の進入方向に対して直交する方向に沿った開口の幅をWとしたときに、条件式√(16−((W/4))≧4−dを満たすようにして、不正の防止を図った。これによれば、上記条件式を満たせば、外部から開口に指を挿入しても係止爪の上面にとどくことはない。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の写真フイルムカートリッジの構造について、図面を参照して説明する。図1において、カートリッジ本体10は、各々プラスチックで形成された上ケース11、下ケース12から構成されている。カートリッジ本体10の内部にはスプール13が回動自在に収納され、このスプール13に写真フイルム14がロール状に巻き付けられる。
【0009】
上下ケース11,12はそれぞれ略半円筒形状をしており、その一部にはそれぞれポート部15が突出して形成されている。上ケース11と下ケース12とを嵌合させるときに、ポート部15内に遮光蓋16が回転自在に嵌め込まれる。遮光蓋16には平坦なフイルム通路17が形成され、遮光蓋16が開き位置に回動したときにはカートリッジ本体10内から送り出されてくる写真フイルム14の通路となる。また、遮光蓋16が閉じ位置に回動したときには、ポート部15の先端部分に形成される開口(フイルム送出口)15aが完全に閉じられ、カートリッジ本体10内は遮光状態となる。
【0010】
下ケース12のポート部15の奥には、突起18が形成されている。この突起18は、スプール13に巻かれた写真フイルム14の先端部をすくい上げてフイルム通路17に導くためのガイドである。
【0011】
フランジ19、20には、それぞれ開口19a,20aが形成されており、スプール13を各開口19a,20aに挿通することによりスプール13の所定位置に嵌め込まれ、スプール13に対して回転可能に軸着される。フランジ19,20の外周には、リップ21がそれぞれ向き合うように突出し、スプール13に巻かれた写真フイルム14の最外周を両端面側から部分的に包み込むようになっている。
【0012】
フランジ20は、使用表示部品23がスプール13に嵌め込まれると、クラッチ爪24とフランジ20の係止穴25とが、スプール13をフイルム送り出し方向に回転したときに互いに係止して、フランジ20を強制的に回転できるようになる。また、フイルム巻き込み方向にスプール13を回転したときには、クラッチ爪24とフランジ20の係止穴25とは係止せずにフランジ20は自由に回転できる。また、他方のフランジ19はスプール13に対し回転自在のままである。なお、使用表示部品23には扇形の表示板23aが一体化され、その位置をカートリッジ本体10に形成された表示窓を通して確認することによって、この写真フイルムカートリッジの使用状態が判別できるようになっている。
【0013】
上ケース11、下ケース12の側面内壁には側面リブ26が設けられ、フランジ19,20が互いに広がらないように規制している。スプール13には扇形板27が固定され、その表面にはデータディスクラベル28が貼付される。このラベル28には放射状にバーコードが記されており、バーコードはスプール13を回転したときにカートリッジ本体10の側面に形成された窓29を通して光電検出される。これにより、カートリッジ本体10内に収納された写真フイルム14の品種情報,撮影枚数情報などを電気的に検知することができる。なお、カートリッジ本体10に貼付されるラベル30には、フイルム品種表示やカートリッジの固有番号などが表示される。また、データディスクラベル28は、箔押しによりスプール13に直接設けることもできる。
【0014】
スプールロック部品31は、遮光蓋16が閉じ位置に回動したときに、スプール13が回転しないようにロックする。このロックは、遮光蓋16が開き位置に移動したときに解除される。なお、符号32は上ケース11に一体に成形されたロックポールを示し、このロックポール32によって遮光蓋16は閉じ位置に回動したときにロックされる。このロックは、写真フイルムカートリッジをカメラやディスプレイ装置等の装置にセットしたときに、これらの装置に設けられた遮光蓋16の開放機構によって解除される。
【0015】
図2に示したように、写真フイルム14がカートリッジ本体10内に完全に巻き込まれている状態では、写真フイルム14の最外周はフランジ19,20のリップ21,21によって部分的に包み込まれ、スプール13からの巻き緩みが防止されている。これにより、スプール13が写真フイルム14の送り出し方向に回転したとき、写真フイルム14はスプール13とともに一体となって回転するようになる。
【0016】
上下ケース11,12の側面内壁に設けられた側面リブ26は、フランジ19,20が互いに広がらないように規制しているが、ポート部15の奥ではその規制が解除されるように、対面し合った側面リブ26相互間の間隔が広げられている。このため、突起18で写真フイルム14の先端がすくい上げられた後、フイルム通路17に進むときには、フランジ19,20がわずかに外側に広がり、写真フイルム14はリップ21,21の間から樋状カールを作って送り出されるようになる。
【0017】
上記写真フイルムカートリッジをカメラに装填すると、カメラ側の機構によってロックポール32による遮光蓋16の係止が解除された後、遮光蓋16が開き方向に回動される。その後、スプール13が送り出し方向に駆動され、写真フイルム14の送り出しが開始される。フランジ19,20の外周に形成したリップ21,21が写真フイルム14の巻き緩みを防いでいるため、写真フイルム14はスプール13と一体となって回転する。この回転中に、写真フイルム14の先端が突起18ですくい上げられ、フイルム通路17に導かれる。
【0018】
こうして写真フイルム14の先端がフイルム通路17に導かれると、リップ21,21は写真フイルム14により両側に押し広げられるため、フイルム通路17の奥では写真フイルム14の包み込みが解除される。なお、一方のフランジ20はクラッチ爪24と係止穴25との係合により強制的に送り出し方向に回転されるため、写真フイルム14を送り出す力が強められる。こうして写真フイルム14がカートリッジ本体10外に送り出されるようになる。
【0019】
巻戻し時にはスプール13が逆向きに回転される。写真フイルム14の後端はスプール13に係止されているため、写真フイルム14はスプール13の逆転によりカートリッジ本体10内に巻き込まれる。このとき、フイルム通路17の奥ではフランジ19,20が広げられ、写真フイルム14はフランジ19,20間に引き込まれ、スプール13に巻き付けられる。
【0020】
上・下ケース11,12の連結は、正面側合わせ目と背面側合わせ目とで行われている。背面側合わせ目は、下ケース12に突設された一対の係止爪33,34と上ケース11に設けた一対の被係止部(図3に一方側だけ記載)33aとの係合により保持され、また、正面側合わせ目は、下ケース12のポート部15の両側にそれぞれ設けた一対の係止爪35,36と、上ケース11のポート部15の両側にそれぞれ設けた一対の被係止部37,38との係合で保持される。
【0021】
上・下ケース11,12を組み合わせるときには、先に背面側の係止爪33,34を被係止部33aに係合させた後、又は係合させると同時に、正面側の係止爪35,36を被係止部37,38に係合させる。このため、係止爪35,36は、下ケース12の背面側合わせ目を中心とする回転方向に沿って、又はスプール13を露呈させる開口12aを通る側面合わせ目11b,12bを互いに平行にして挿入され、この方向に対する法線方向、又は直交する方向に沿って弾性自在な爪とされている。
【0022】
この例では、図4に示すように、フイルム送出口15aが左側に寄って配置されていることに伴って左側の係止爪35と被係止部37よりも右側の係止爪36と被係止部38の方がスプール13の軸方向に沿った長さ(以下「幅」と称す。)を長くして形成されている。
【0023】
上・下ケース11,12には、両側面側の内部にそれぞれ遮光壁39〜42(図2参照)が対向する向きで突設されている。遮光壁39〜42は、上下ケース11,12の結合により、スプール13の一端側と他端側の使用表示部品23とを回動自在に支持し、且つ、内部の写真フイルム14が収納される室を光密にする。また、遮光壁39〜42は、このうち下ケース12の遮光壁41,42を図5に記載したように、係止爪33,34及びこれに対応する被係止部の内側を通って背面側でつながっており、これらの遮光壁39〜42は凹凸状に嵌合するラビリンス形状となっている。なお、係止爪35,36は、図示したように遮光壁41,42の位置の延長線上にかかるように設けられており、上下ケース11,12の遮光壁39〜42を隙間無く結合する。
【0024】
図6に示すように、係止爪35の先端の底面には、断面三角形状の突起部35aが形成されている。なお、他方側の係止爪36も同じ断面形状とされており、先端の底面に突起部が形成されている。係止爪35は、図7に示すように、フイルム送出口15aの側に抜き勾配が取られており、正面側から見るとフイルム送出口15aの側の面が傾斜した形状とされている。また、図8に示すように、他方側の係止爪36にもフイルム送出口15aの側に抜き勾配が取られている。
【0025】
図9に示すように、被係止部37,38は、上ケース11の外径輪郭に設けた開口48,49から一段凹んだ位置に設けられている。開口48,49は、ポート部15に向けた正面に切り欠かれている。一方側の被係止部37は、図10に示すように、係止爪35の突起部35aを弾性変形させる誘い部37a、突起部35aの抜け止め用の凸部37b、及び突起部35aが嵌入する凹部37cとから構成されている。なお、他方側の被係止部38も誘い部、凸部、及び凹部が設けられた同じ断面形状であり、以下には一方側の被係止部37と同じ部分は詳しい説明を省略する。
【0026】
被係止部37の凹部37cは、蓋部材16の両端を露呈させる開口11cを通る側面合わせ目11dと略平行に形成されており、この面37cには、係止爪35の挿入方向に沿って突出した断面三角形状の突条50が一体に形成されている。突条50は、突起部35aにより潰されて突起部35aをくわえ込む。なお、側面合わせ目11dは、図3で説明した側面合わせ目11bと略平行とされている。凹部37cは、側面合わせ目11dに対して、ポート口15の側に向けて漸増する方向に傾斜してもよい。したがって、角度としては0〜30度が好ましい。
【0027】
この例では、図11及び図12に示すように、突条50を各被係止部37,38に各々2個ずつ形成している。これらの突条50は、進入してくる突起部35aにより潰れる形状でれば、断面三角形状に限らず、何れの形状でもよい。また、突条50の個数としては、被係止部37,38に対して1個でもよく、また複数個設けてもよいが、幅が狭いから上限としては10個位である。
【0028】
係止爪35は、結合後でも被係止部37に向けて押圧状態となる寸法で形成されている。このため、突起部35aの先端が尖っていると削れる恐れがある。これを防止するために、突起部35aの先端には丸み部R(図6参照)が形成されている。また、相手側の突条50にも先端に丸み部Rが形成されている。
【0029】
突条50は、僅かな幅で僅かに突出した断面形状である。このため、上ケース11と下ケース12とを結合すると、係止爪35が被係止部37に向けて押圧状態となる寸法で形成されているから、図13に示すように、突起部35aが突条50を潰しながら係止爪35が挿入される。したがって、突条50の高さ(h−h) 分で係止爪35と被係止部37との寸法誤差を吸収することができる。そこで、係止爪35の高さと被係止部37の高さとを一致させるために、側面合わせ目11dを基準として突条50までの高さをh、突起部35aまでの高さをH、凹部37cまでの高さをhとしたときに、条件式h>H≧hを満足するようにすれば、係止爪35と突条50とが確実に食い込んで係止され、寸法誤差を考慮することなく確実なスナップ結合が得られる。
【0030】
また、突起部35aが凹部37cに落ち付くと、突起部35aが突条50に十字状(直交状態)で噛み込み、上・下ケース11,12のガタ付きを防止することができる。
【0031】
係止爪35,36は、上面が上ケース11の開口48,49から外部に露呈している。これらの開口48,49の部分はラベル30で覆われていない。このため、外部から不正にスナップ結合が解除される恐れがある。そこで、これを防止するために、開口48,49から指を挿入しても係止爪35,36に引っ掛からないような寸法にしておくのが望ましい。
【0032】
図14は、上ケース11の開口48に指52を挿入して指の爪52aを係止爪35の上面35bに引っ掛けようとしている状態を示している。引っ掛け方向は図13に示す矢印A方向であり、指の爪52aの引っ掛かる角部としては図13に示した上面35bの角部(図13に黒点で示した部分)である。そこで、開口48から係止爪35の上面35bまでの深さをd、係止爪35の進入方向に対して直交する方向に沿った開口48の幅をW、指の爪52aの先端の曲率半径をrとしたときに、条件式√(r−((W/4))>r−dを満たすようにすれば、指の爪52aが上面35bよりも下方に入り込むことが防止できる。ここで、指の爪52aの先端の曲率半径rとしては、約4mmが最小値と考えられるため、rを4mmに仮定した場合には、条件式√(16−((W/4))>4−dを満たせばよいことになる。
【0033】
また、図15に示すように、入り込んだ指の爪52aが上面35bと一致する場合にも、引っ掛けることができないから、条件式としては√(r−((W/4))≧r−dを満たせばよい。なお、条件式が√(r−((W/4))<r−dの場合には、図16に示すように、指の爪52aが上面35bよりも下方に入り込むため、引っ掛かってしまう。
【0034】
さらに、係止爪35の上面35bと上ケース11の上面11eとの角度φ(図13参照)にある程度の角度を持たすことで、開口48から係止爪35の上面35bまでの深さdが深くなり、指の爪52aの入り込みを阻止することができる。また、開口48の端部から上面35bの右側角部までの長さuを短くすることでも引っ掛け防止となる。さらにまた、上面35bの両端角部に、指の爪52aが引っ掛からないように丸み部を設けるが好適である。
【0035】
【実施例】
上記実施形態の好ましい寸法を表1に示す。しかしながら、本発明では、これらの寸法に限定されることはない。
【0036】
【表1】
Figure 0003553746
Figure 0003553746
Figure 0003553746
【0037】
次に、スナップ結合の強度を確認するために、突条50の潰れ量(h−H)と、突起部35a,36aと凹部37c,38cとの間の隙間(H−h)を変えて落下テストを行った。
【0038】
〔実験1〕
突条50の潰れ量(h−H)=0.2mm、突起部35a,36aと凹部37c,38cとの間の隙間(H−h)=−0.05mmとした写真フイルムカートリッジのサンプルを10個用意して、1mの高さから鉄板上に落下させる。落下させる回数としては10回とした。結果は全てのサンプルにおいて結合が外れたものはなかった。
【0039】
〔実験2〕
突条50の潰れ量(h−H)=0.1mm、突起部35a,36aと凹部37c,38cとの間の隙間(H−h)=0.05mmとした写真フイルムカートリッジのサンプルを10個用意して、1mの高さから鉄板上に落下させる。落下させる回数としては40回とした。結果は全てのサンプルにおいて結合が外れたものはなかった。
【0040】
〔実験3〕
突条50の潰れ量(h−H)=0、突起部35a,36aと凹部37c,38cとの間の隙間(H−h)=0.15mmとした写真フイルムカートリッジのサンプルを10個用意して、1mの高さから鉄板上に落下させる。落下させる回数としては40回とした。結果は全てのサンプルにおいて結合が外れたものはなかった。
【0041】
〔実験4〕
突条50の潰れ量(h−H)=0.2mm、突起部35a,36aと凹部37c,38cとの間の隙間(H−h)=−0.05mmとした写真フイルムカートリッジのサンプルを10個用意して、2mの高さから鉄板上に落下させる。落下させる回数としては10回とした。結果は、1回目の落下時に他方側の係止爪36が外れたサンプルが1個あった。
【0042】
〔実験5〕
突条50の潰れ量(h−H)=0.1mm、突起部35a,36aと凹部37c,38cとの間の隙間(H−h)=0.05mmとした写真フイルムカートリッジのサンプルを10個用意して、2mの高さから鉄板上に落下させる。落下させる回数としては10回とした。結果は全てのサンプルにおいて結合が外れたものはなかった。
【0043】
〔実験6〕
突条50の潰れ量(h−H)=0mm、突起部35a,36aと凹部37c,38cとの間の隙間(H−h)=0.15mmとした写真フイルムカートリッジのサンプルを10個用意して、2mの高さから鉄板上に落下させる。落下させる回数としては10回とした。結果は全てのサンプルにおいて結合が外れたものはなかった。
【0044】
〔実験7〕
突条50の潰れ量(h−H)=−0.05mm、突起部35a,36aと凹部37c,38cとの間の隙間(H−h)=0.15mmとした写真フイルムカートリッジのサンプルを10個用意して、2mの高さから鉄板上に落下させる。落下させる回数としては10回とした。突条50の潰れ量(h−H)=−0.05mmの場合、突起部35aと突条50との間に隙間が生じている。しかしながら、結果は全てのサンプルにおいて結合が外れたものはなかった。これは、隙間が0.05mmと微細なため、突起部35aの外れ方向に突条50が位置し、突条50に突起部35aが引っ掛かって外れなかったと考察することができる。
【0045】
〔実験8〕
突条50の潰れ量(h−H)=0.2mm、突起部35a,36aと凹部37c,38cとの間の隙間(H−h)=−0.05mmとした写真フイルムカートリッジのサンプルを10個用意して、これらを摂氏50度の環境に保存しておいて、環境から取り出した直後に1mの高さから鉄板上に落下させる。落下させる回数としては10回とした。結果は7回目の落下時に他方側の係止爪36が外れたサンプルが1個確認された。
【0046】
〔実験9〕
突条50の潰れ量(h−H)=0.1mm、突起部35a,36aと凹部37c,38cとの間の隙間(H−h)=0.05mmとした写真フイルムカートリッジのサンプルを10個用意して、これらを摂氏50度の環境に保存しておいて、環境から取り出した直後に1mの高さから鉄板上に落下させる。落下させる回数としては10回とした。結果は全てのサンプルにおいて結合が外れたものはなかった。
【0047】
〔実験10〕
突条50の潰れ量(h−H)=0、突起部35a,36aと凹部37c,38cとの間の隙間(H−h)=0.15mmとした写真フイルムカートリッジのサンプルを10個用意して、これらを摂氏50度の環境に保存しておいて、環境から取り出した直後に1mの高さから鉄板上に落下させる。落下させる回数としては10回とした。結果は全てのサンプルにおいて結合が外れたものはなかった。
【0048】
〔実験11〕
突条50の潰れ量(h−H)=0.2mm、突起部35a,36aと凹部37c,38cとの間の隙間(H−h)=−0.05mmとした写真フイルムカートリッジのサンプルを10個用意して、これらを摂氏50度の環境に保存しておいて、環境から取り出した直後に2mの高さから鉄板上に落下させる。落下させる回数としては10回とした。結果は、1回目の落下時に係止爪35が外れたサンプルが1個、4回目の落下時に係止爪35が外れたサンプルが1個、9回目の落下時に係止爪35が外れたサンプルが1個、8回目の落下時に係止爪35が外れたサンプルが1個、3回目の落下時に係止爪35が外れたサンプルが2個確認された。
【0049】
〔実験12〕
突条50の潰れ量(h−H)=0.1、突起部35a,36aと凹部37c,38cとの間の隙間(H−h)=0.05mmとした写真フイルムカートリッジのサンプルを10個用意して、これらを摂氏50度の環境に保存しておいて、環境から取り出した直後に2mの高さから鉄板上に落下させる。落下させる回数としては10回とした。結果は全てのサンプルにおいて結合が外れたものはなかった。
【0050】
〔実験13〕
突条50の潰れ量(h−H)=0、突起部35a,36aと凹部37c,38cとの間の隙間(H−h)=0.15mmとした写真フイルムカートリッジのサンプルを10個用意して、これらを摂氏50度の環境に保存しておいて、環境から取り出した直後に2mの高さから鉄板上に落下させる。落下させる回数としては10回とした。結果は全てのサンプルにおいて結合が外れたものはなかった。
【0051】
実験11から実験13では、摂氏50度の環境に保存しておいて、環境から取り出した直後に2mの高さから10回落下させる過酷なテストである。ここまでの品質は必要としないまでも、実験1から実験10の結果ではほとんどにおいてスナップ結合の信頼性が確認された。したがって、突条50の潰れ量(h−H)は−0.05〜0.2mmの範囲、また突起部35a,36aと凹部37c,38cとの間の隙間(H−h)は−0.05〜0.15mmの範囲で好適であることが分かった。
【0052】
しかしながら、突条50の潰れ量(h−H)をマイナスにすると、上・下ケース11,12の間にガタが生じて遮光性の面で不適である。このため、表1に記載したように、突条50の潰れ量(h−H)は0〜0.2mmの範囲としている。また、突起部35a,36aと凹部37c,38cとの間の隙間(H−h)をマイナスにすると結合し難くなるため、表1に記載したように、突起部35a,36aと凹部37c,38cとの間の隙間(H−h)を0〜0.15mmの範囲としている。
【0053】
図18及び図19は、従来技術で説明した写真フイルムカートリッジのサンプルを複数用意し、高さを変えて各々落下テストを行った結果を、落下回数に対する残存率で示したグラフである。これらのサンプルは、係止爪と被係止部とを超音波溶着にて溶着している。
【0054】
図18に示したように、1mの高さから落下させたときには、落下回数40回まで結合状態を維持したサンプルの残存率が約74%である。また、図19に示したように、2mの高さから落下させたときには、落下回数3回で結合状態を維持したサンプルの残存率が約70%となる。これらと比較して実験2〜実験7で説明したように、本発明のサンプルは、はるかに耐落下性が向上しており、スナップ結合の強度を向上させる効果があることが分かった。
【0055】
なお、係止爪35,36と被係止部37,38との結合をより強固に行う場合、又は上・下ケース11,12の間のガタを防止する場合には、超音波溶着を施してもよい。溶着すると、超音波ホーンによって突起部35aと突条50とが溶融されて係止爪35が凹部37cに密着される。このように溶着する場合には、突起部35aと突条50とが、溶解する分を見越して肉付けされるエネルギーダイレクターの役目をする。
【0056】
溶着は、超音波ホーンを開口48,49を通して係止爪35,36を上方から凹部37c,38cに向けて所定量だけ押圧し、所定量に達した時点で超音波ホーンの押し付けを停止する。この間、超音波が発振されており、超音波ホーンの押し付け停止と同時に超音波の発振を停止して作業が完了する。超音波ホーンは、1本のホーンで2つの係止爪35,36に同時に押し当てるのが望ましい。しかしながら、2本のホーンを用いて各々の係止爪35,36を同時又は順次に押し当てるようにしてもよい。この場合には、溶着後の結合力が異ならないように溶着条件を管理する必要がある。また、2つの係止爪35,36のうちいずれか一方だけを溶着してもよい。
【0057】
上記実施例では、突条50を設けているが、外部から不正にスナップ結合が解除されることを防止することだけが目的の場合には、突条50を省略してもよい。この場合には、凹部35aを側面合わせ目11dに対して略平行にし、且つ、表2に示した寸法に規定する必要がある。なお、表2に記載した記号は図17に示した記号である。図17に示した二点鎖線は、結合前の係止爪35の形態を示しており、結合した後に係止爪35が被係止部37に向けて押圧する寸法で形成されているから、係止爪35が被係止部37に結合することで実線に示した位置に変形する。また、係止爪35は、高さの1/2のところが最も厚みが厚くされている。
【0058】
【表2】
Figure 0003553746
【0059】
上記実施例では、上ケース11の側に被係止部37,38を、また下ケース12の側に係止爪35,36をそれぞれ一体に形成しているが、本発明ではこれに限らず、上ケース11の側に係止爪を、また下ケース12の側に被係止部をそれぞれ形成してもよい。
【0060】
また、カートリッジ本体の樹脂材料としては、大量製造適性や価格等の点で熱可塑性樹脂材料が好ましく、遮光性付与剤としてカーボンブラックを0.05重量%〜3.00重量%含有するものを用いればよい。また、このような樹脂に必要に応じてシリコーンオイル等の滑剤、帯電防止剤、酸化チタン等の無機あるいは有機顔料、ステアリン酸亜鉛等の加工助剤、酸化防止剤、核剤、可塑剤等を含有させてもよい。
【0061】
樹脂としては、ポリスチレン樹脂、耐衝撃製ポリスチレン樹脂、スチレン−アクリロニトリル共重合体樹脂、スチレン−アクリロニトリル−ブタジエン共重合体樹脂、ポリプロピレン樹脂、高密度ポリエチレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ塩化ビニール樹脂あるいは、それらの変性樹脂等が好適である。特に寸法精度確保、物理強度確保、超音波溶着適性向上等を考慮した場合には、メルトフローレートが1.0 〜10.0g/10分、好ましくは2.0 〜8.0g/10 分、特に好ましくは2.5 〜7g/10 分の合成ゴムが0.1 〜10重量%含まれている耐衝撃性ポリスチレン樹脂が好ましい。この樹脂のその他の好ましい必要特性は、変形防止の点から曲げ弾性率15,000〜30,000kg/cm、好ましくは1,8000〜28,000kg/cm、特に好ましくは20,000〜28,000kg/cmであり、ビカット軟化点(15kg 荷重) は80°C 以上、好ましくは85°C 以上、特に好ましくは、90°C 以上である。
【0062】
このような樹脂に含有されるカーボンブラックは、遮光性確保のために添加されるものである。カーボンブラックの製造法による分類としては、ファーネス法カーボンブラック、チャンネル法カーボンブラック、サーマル法カーボンブラック等があるが、写真的悪作用(カブリの発生、感度低下または感光度の増加等)が少ない、あるいは遮光性の点で、平均粒子径が10〜80 mμ、PH5 〜9 のファーネスカーボンブラックが好ましく、特に15〜50 mμ、PH6 〜8 のファーネスカーボンブラックが好ましい。
【0063】
市販品としては、例えば三菱化成製のカーボンブラック#20(B),#30(B),#33(B),#40(B),#41(B),#44(B),#45(B),#50,#55,#100,#600,#2200(B),#2400(B),MA8,MA11,MA100 等があげられる。海外の製品としては、例えばキャボット社のBlack Pearls 2 ,46,70,71,74,80,81,607 等、Regal 300,330,400,660,991,SRF−S 等、Sterling 10,SO,V,S,FT−FF,MT−FF等があげられる。さらに、アシュランド・ケミカル社のUniteel R,BB,15,102,3001,3004,3006,3007,3008,3009,3011,3012,XC−3016,XC−3017,3020等があげられるが、これらに限定されるものではない。
【0064】
ファーネスカーボンブラックの粒子径が10 mμ未満であると樹脂との混練性が悪く遮光性、物理強度が悪化する。逆に100mμを越えると分散は良くとも遮光能力が劣り、遮光性確保のためにカーボン濃度を上げると物理強度の低下、成形性の悪化を起こし実用に耐えなかった。また、PHが5 〜9 の範囲を越えるカーボンブラックの多くは、写真的悪作用を起こしやすく使用不可であった。
【0065】
写真フイルムの写真性に悪影響を与えないようにするためには、上記カーボンブラック中の遊離硫黄分は0.6%以下、好ましくは0.3%以下、特に好ましくは0.1%以下とするのがよい。また、シアン化合物含有量は0.01%以下、好ましくは0.005%以下、特に好ましくは0.001%以下とするのがよい。さらに、アルデヒド化合物含有量は0.1%以下、好ましくは0.05%以下、特に好ましくは0.01%以下である。これらの物質は少量でも写真性に悪影響を及ぼすので注意が必要である。
【0066】
ファーネスカーボンブラックの添加量は、遮光性確保、射出成形性、カートリッジ本体の物理強度確保の点から、0.05重量% 〜3.00重量% が好ましい。カーボンブラックの添加量が0.05重量% 未満であると遮光性が不十分であり、3.00重量% を越えるとカートリッジ本体の物理強度が低下し、かつ吸水率が高まるために射出成形時ウエルドマーク、銀条等が発生し、外観不良、表面強度の劣化を引き起こす。また、遮光性物資としては、カーボンブラック以外に酸化チタン、ベンガラ、炭酸カルシユウム等の無機顔料あるいは有機の染料を併用してもよい。
【0067】
カートリッジ本体に滑性を与える方法としては、これを成形する樹脂に滑剤を添加して成形する方法と、成形品に滑剤を塗布する方法とがある。滑剤としては、シリコーンオイル類、オレイン酸アミドやエルカ酸アミド等の高級脂肪酸アミド、ステアリン酸亜鉛等の高級脂肪酸の金属塩、高級アルコールエステル、多価アルコールのエステルの脂肪酸エステル等があるが、特に限定されるものではない。
【0068】
カートリッジ本体に添加されるシリコーンオイルとしては、特開昭62−286043号公報、あるいは特開昭62−284355号公報に記載されているジメチルポリシロキサンとカルボキシル変性シリコーンオイルが好ましい。シリコーンオイルの添加量は、0.05重量% 〜5.0 重量% 、好ましくは1.0 重量% 〜3.0 重量% の間である。
【0069】
0.05重量% 以下では、目的の滑性効果が得られないし、添加量が5.0 重量% を越えると射出成形機のスクリュウ内で樹脂がスリップを起こし、成形サイクルが長くなるばかりでなく、成形品表面に染みだすシリコーン量が多くなり、染みだしたオイルがカートリッジ本体内で写真フイルムに転写し、写真フイルム現像時に現像処理液の写真フイルムへの拡散を妨げる等の写真的悪作用が発生する。また、超音波シールにおいて上ケースと下ケースとの接着低下が起こる。
【0070】
シリコーンオイルは、25°C の粘度が1000〜60000CS であることが好ましい。25°C の粘度が1000CS未満では、ブリードアウトが激しく、写真性能に枠影響を及ぼす。60000CS を越えると、樹脂との混練性が悪く使用に耐えない。また、シリコーンオイルには、上記以外にもフッソ変性シリコーンオイル等各種変性シリコーンオイルが市販されているが、その多くは写真フイルムの写真性に悪影響を与えるので、厳選して使用することが重要である。滑性付与が不十分、あるいは射出成形時熱分解が激しい等の理由で写真フイルムカートリッジ用には使用できなかった。
【0071】
このような樹脂としては、例えばK樹脂の#3350、電気化学工業製のデンカスチロールPSM991Y−14、あるいは三菱化成製の三菱ポリテックYH061−00802*1等があげられる。K樹脂の#3350は、粒子径が0.95μm、ゴム成分が7.2重量%、重量平均分子量が19.35MWであり、カーボンブラック及びシリコーンオイルは含有していない。またデンカスチロールPSM991Y−14は、粒子径が1.48μm、ゴム成分が4.4〜5.0重量%、重量平均分子量が20.4MWであり、カーボンブラックが0.5重量%、シリコーンオイルが2.0重量%である。さらに三菱ポリテックYH061−00802*1は、粒子径が0.9μm、ゴム成分が5.7〜6.4重量%、重量平均分子量が20.8MWであり、カーボンブラックが1.0重量%、シリコーンオイルが2.0重量%である。
【0072】
また、樹脂の酸化分解等を防止し、写真フイルムの写真性に対する悪影響物質としての分解生成物(例えばアルコール、アルデヒド、ケトン、カルボン酸等)の生成を防止するために、酸化防止剤を添加することができる。酸化防止剤の代表例を以下に示す。
【0073】
(イ)フェノール系酸化防止剤
ビタミンE、ビタミンEカルボン酸エステル、6−t−ブチル−3−メチルフェニール誘導体、2・6−ジ−t−ブチル−Pクレゾール、2・2’−メチレンビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4・4’−ブチリデンビス(6−t−ブチル−m−クレゾール)、4・4’−チオビス(6−t−ブチル−m−クレゾール)、4・4’−ジヒドロキシジフェニルシクロヘキサン、アルキル化ビスフェノール、スチレン化フェノール、2・6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、n−オクタデシル−3−(3’・5’ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2・2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4・4’−テオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4・4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、ステアリルβ(3・5−ジ−4−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、1・1・3−トリス(2−メチル−4ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1・3・5−トリメチル−2・4・6−トリス(3・5−ジ−t−ブチル−4ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス〔メチレン−3(3’・5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン等。
【0074】
(ロ)ケトンアミン縮合系酸化防止剤
6−エトキシ−2・2・4−トリメチル−1・2−ジヒドロキノリン、2・2・4−トリメチル−1・2−ジヒドロキノリンの重合物、トリメチルジヒドロキノリン誘導体等。
(ハ)アリルアミン系酸化防止剤
フェニル−α−ナフチルアミン、N−フェニル−β−ナフチルアミン、N−フェニル−N’−イソプロピル−P−フェニレンジアミン、N・N’−ジ−フェニル−P−フェニレンジアミン、N・N’−ジ−β−ナフチル−P−フェニレンジアミン、N−(3’ヒドロキシブチリデン)−1−ナフチルアミン等。
(ニ)イミダゾール系酸化防止剤
2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾールの亜鉛塩、2−メルカプトメチルベンゾイミダゾール等。
【0075】
(ホ)ホスファイト系酸化防止剤
アルキル化アリルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト亜リン酸ソーダ、トリノニルフェニルホスファイト、トリフェニルホスファイト等。
(ヘ)チオ尿素系酸化防止剤
チオ尿素誘導体、1・3−ビス(ジメチルアミノプロピル)−2−チオ尿素等。
(ト)その他空気酸化に有用な酸化防止剤
チオジプロピオン酸ジラウリル等。
【0076】
(チ)ヒンダートフェノール系酸化防止剤
1・3・5−トリメチル−2・4・6−トリス(3・5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベルジル)ベンゼン、テトラキス〔メチレン(3・5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナメート)〕メタン、オクタデシル−3・5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナメート、2・2’・2’−トリス〔(3・5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕イソシアヌレート、テトラキス(2・4−ジ−tert−ブチルフェニル)4・4’−ビフェニレンジ亜リン酸エステル、4・4’−チオビス−(6−tert−ブチル−O−クレゾール)、2・2’−チオビス−(6−tert−ブチル−4−メチルフェノール)、トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、2・2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4・4’−メチレン−ビス−(2・6−ジ−tert−ブチルフェノール)、4・4’−ブチリデンビス−(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2・6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、4−ヒドロキシ・メチル−2・6−ジ−tert−ブチルフェノール、2・6−ジ−tert−4−n−ブチルフェノール、2・6−ビス(2’−ハイドロキシ−3’−tert−ブチル−3’−メチルベンジル)−4−メチルフェノール、4・4’−メチレン−ビス−(6−tert−ブチル−O−クレゾール)、4・4’−ブチリデンビス−(6−tert−ブチル−m−クレゾール)なとがあげられる。ブリードアウトや熱分解が少なく、写真フイルムの写真性に対する悪影響も小さい点等から融点(Meltingpoint)が100℃以上のものが好ましく、特に120℃以上のものが好ましい。
【0077】
代表的な市販酸化防止剤を以下に示す。
(1)フェノール系酸化防止剤
SUMILIZER BHT(住友化学)、IRGANOX 1076(チバガイギー)、MARK AO−50(アデカ・アーガス)、SUMILIZERBP−76(住友化学)、TOMINOX SS(吉富)、IRGANOX 565(チバガイギー)、NONOX WSP(ICI)、SANTNOX(Monsanto)、SUMILIZER WX R(住友化学)、ANTAGEGRYSTAL (川口)、IRGANOX 1035(チバガイギー)、ANTAGE W−400(川口)、NOCLIZERNS−6(大内新興)、IRGANOX 1425WL(チバガイギー)、MARK AO−80(アデカ・アーガス)、SUMILIZER GA−80(住友化学)、TOPANOL CA(ICI)、MARK AO−30(アデカ・アーガス)、MARK AO−20(アデカ・アーガス)、IRGANOX 3114(チバガイギー)、MARK AO−330(アデカ・アーガス)、IRGANOX 1330(チバガイギー)、CYANOX 1790(ACC)、IRGANOX 1010(チバガイギー)、MARK AO−60(アデカ・アーガス)、SUMILIZER BP−101(住友化学)、TOMINOX TT(吉富)、等。
【0078】
(2)燐系酸化防止剤
IRGAFOS 168(チバガイギー)、MARK 2112(アデカ・アーガス)、WESTON 618(ボルグワーナー)、MARK PEP−8(アデカ・アーガス)、ULTRANOX 626(ボルグワーナー)、MARKPEP−24G(アデカ・アーガス)、MARK PEP−36(アデカ・アーガス)、HGA(三光)等。
(3)チオエーテル系酸化防止剤
DLTDP”YOSHITOMI”(吉富)、SUMILIZER TPL(住友化学)、ANTIOX L(日油)、DMTD”YOSHITOMI”(吉富)、SUMILIZER TPT(住友化学)、ANTIOX M(日油)、DSTP”YOSHITOMI”(吉富)、SUMILIZER TPS(住友化学)、ANTIOX (日油)、SEENOX 412S(シプロ)、MARK AO−412S(アデカ・アーガス)、SUMILIZER TP−D(住友化学)、MARK AO−23(アデカ・アーガス)、SANDSTABP−EPQ(サンド)、IRGAFOS P−BPQ FF(チバガイギー)、IRGANOX 1222(チバガイギー)、MARK 329K(アデカ・アーガス)、WESTON 399(ボルグ・ワーナー)、MARK 260(アデカ・アーガス)、MARK 529A(アデカ・アーガス)等。
(4)金属不活性化剤
NAUGARD XL−1(ユニロイヤル)、MARK CDA−1(アデカ・アーガス)、MARK CDA−6(アデカ・アーガス)、LAGANOX MD−1024(チバガイギー)、CUNOX(三井東圧)等。
【0079】
好ましい酸化防止剤はフェノール系の酸化防止剤であり、特にヒンダートフェノール系酸化防止剤が好ましく、市販品としてはチバガイギー社のイルガノックス各種と住友化学化学(株)のSUMILIZER BHT、SUMILIZER BH−76、SUMILIZER WX−R、SUMILIZER BP−101等である。
【0080】
また、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール(BHT)、低揮発性の高分子量ヒンダードフェノール型酸化防止剤(商品名:Ireganox1010,Ireganox1075,TopanolCA,Ionox330等)、ジラウリルチオジプロピオネート、ジステアリルチオプロピオネート、ジアルキルフォスフェート等の1種以上、特に2種以上を併用するのが効果的である。しかし、酸化防止剤は還元物質であり、本来は写真フイルムに悪影響を及ぼす物質であり、熱分解を抑制する作用との効果バランスで種類,添加量を選択する必要がある。写真フイルムにカブリや感度異常発生等の悪影響を与えることが少ないので、フェノール系及び燐系酸化防止剤が好ましい。フェノール系酸化防止剤としてはヒンダードフェノール系酸化防止剤が特に好ましい。ヒンダードフェノール系酸化防止剤の中でも融点が100°C以上,とくに120°C以上のものが好ましい。特にフェノール系酸化防止剤及び/又は燐系酸化防止剤の2種以上を併用することが好ましい。
【0081】
さらにカーボンブラック等と併用すると酸化防止作用が相乗的に効果を発揮する。フェノール系酸化防止剤と燐系酸化防止剤とカーボンブラックを併用すると、酸化防止効果が特に発揮されるので好ましい。
【0082】
その他プラスチックデータハンドブック(KK工業調査会発行)の794〜799ページに開示された各種酸化防止剤や、プラスチック添加剤データー集(KK化学工業社)の327〜329ページに開示された各種酸化防止剤や、PLASTICS AGE ENCYCLOPEDIA進歩編1986(KKプラスチック・エージ)の211〜212ページに開示された各種酸化防止剤等を選択して用いることが可能である。
【0083】
以上のような酸化防止剤が写真フイルムに悪影響を及ぼさないようにする機構について説明する。熱可塑性樹脂の酸化分解は、CHの分岐の多い樹脂ほど多い。それは酸素吸収量が多いからである。
【0084】
炭化水素の自動酸化は酸素の存在下で脱水して一旦遊離基が生成すると、連鎖的に次のように進行するものと考えられている。
(1)RH→R・
(2)R・+O→RH→ROO・
(3)ROO・+RH→ROOH+R・
(4)ROOH→RO・+・OH
(5)RO・+RH→ROH+R・
(6)・OH+RH→HOH+R・
このようにして炭化水素の酸化が加速的にはやめられて多量のアルコール,アルデヒド,酸などを生じ、さらにこれらが相互に反応して重合物を作る。
【0085】
炭化水素の酸化を防止するには、上記連鎖反応をたちきることが必要で、そのために酸化防止剤が用いられる。その他、以下に記載するラジカル捕獲剤を添加することも好ましい。
【0086】
本発明に使用されるラジカル捕獲剤としては、1・1−ジフェニル−2−ピクリルヒドラジル、1・3・5−トリフェニルフェルダジル、2・2,6・6−テトラメチル−4−ピペリドン−1−オキシル、N−(3−N−オキシアニリノ−1・3−ジメチルブチリデン)−アニリンオキシド、塩化第二鉄などのような高原子価金属塩、ジフェニルピクリルヒドラジン、ジフェニルアミン、ハイドロキノン、t−ブチルカテコール、ジチオベンゾイルジスルフィド、p・p’−ジトリルトリスルフィド、ベンゾキノン誘導体、ニトロ化合物、およびニトロソ化合物などを挙げることができる。こらのうちでも、ハイドロキノンを用いることは特に好ましい。また、上記のラジカル捕獲剤は単独で用いてもよく、あるいは数種類を併用することもできる。ラジカル捕獲剤の含有量は、1.000〜10.000ppmである。
【0087】
酸化防止剤には、連鎖伝播体である遊離基(主としてROO・)と反応してこれを不活性化する遊離基連鎖停止剤と遊離基の主要な発生源であるヒドロペルオキシドROOHを分解してこれを安定化する過酸化物分解剤とがある。
【0088】
前者としては、アルキルフェノール系酸化防止剤と芳香族アミン系酸化防止剤がある。後者としては、硫黄系酸化防止剤とリン系酸化防止剤がある。
【0089】
各種酸化防止剤は、写真フイルムに悪影響を与える還元剤でもあるので種類、添加量は慎重に検討しないと写真フイルムの品質劣化が大きく問題になる。
【0090】
本発明の遮光性熱可塑性樹脂には、帯電防止剤を添加することができる。帯電防止剤の代表例を以下に示す。
I.ノニオン系(=非イオン系)
(1)アルキルアミン誘導体:T−B103(松本油脂)、T−B104(松本油脂)
アルキルアミド型
ポリオキシエチレンアルキルアミン:アーモスタット310(ライオン油脂)
3級アミン(ラウリルアミン):アーモスタット400(ライオン油脂)
N,N−ビス(2−ヒドロキシエチルココアミン):アーモスタット410(ライオン油脂)
3級アミン:ANTISTATIC273C、273、273E(Fine Org.Chem)
N−hydroxyhexadecyl−di−ethanol−amine:Belg.P.654.049
N−hydroxyoctadecyl−di−ethanol−amine:(National Dist.)
【0091】
(2)脂肪酸アマイド誘導体:TB−115(松本油脂)、エレガンP100(日本油脂)、エリークSM−2(吉村油化学)
ヒドロキシステアリン酸アマイド
シュウ酸−N,N’−ジステアリルアミドブチルエステル:ヘキストポリオキシエチレンアルキルアミド
【0092】
(3)エーテル型
ポリオキシエチレンアルキルエーテル
RO(CHCHO)nH
ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル
特殊非イオン型:レジスタット104,PE100,116〜118(第一工業製薬)、レジスタットPE132,139(第一工業製薬)、エレガンE115,ケミスタット1005(日本油脂)、エリークBM−1(吉村油化学)、エレクトロストリッパーTS,TS2,3,5,EA,EA2,3(花王石鹸)
【0093】
(4)多価アルコールエステル型
グリセリン脂肪酸エステル:ステアリン酸若しくはヒドロキシステアリン酸等のモノ,ジ,またはトリグリセライド,モノグリ(日本樟脳)、TB−123(松本油脂)、レジスタット113(第一工業製薬)
ソルビタン脂肪酸エステル
特殊エステル:エリークBS−1(吉村油化学)
1−ヒドロキシエチル−2−ドデシルグリオキサゾリン:ブリティッシュ・セロァン
【0094】
II.アニオン系
(1)スルホン酸類
アルキルスルホネート
RSONa
アルキルベンゼンスルホネート
アルキルサルフェート
ROSONa
(2)リン酸エステル型
アルキルホスフェート
【0095】
III.カチオン系
(1)アミド型カチオン:レジスタットPE300,401,402,406,411(第一工業製薬)
(2)四級アンモニウム塩
第4級アンモニウムクロライド
第4級アンモニウムサルフェート
第4級アンモニウムナイトレート
カチミンCSM−9(吉村油化学)、CATANAC609(アメリカン・ジアナミド)、デノン314C(丸菱油化)、アーモスタット300(ライオン油脂)、100V(アーマー)、エレクトロストリッパーES(花王石鹸)、ケミスタット2009A(日本油脂)
Stearamido propyl−dimethyl−β−hydroxyethyl ammonium nitrate:CATANAC・SN(アメリカン・ジアナミド)
【0096】
IV.両性イオン系
(1)アルキルペタイン型
(2)イミダゾリン型
レオスタット53,532(ライオン油脂)、AMS53(ライオン油脂)、AMS303,313(ライオン油脂)
アルキルイミダゾリン型
(3)金属塩型
AMS576(ライオン油脂)
レオスタット826,923(ライオン油脂)
(RNR’CHCHCHNCHCOO)MgR≧C,R’=Hまたは(CH)mCOO−(ライオン油脂)
R=C炭化水素、A=酸素またはイミノ基、M=有機アミンまたは金属
(4)アルキルアラニン型
【0097】
V.導電性樹脂
ポリビニルベンジル型カチオン
ポリアクリル酸型カチオン
【0098】
VI.その他
レジスタット204,205(第一工業製薬)、エレガン2E,100E(日本油脂)、ケミスタット1002,1003,2010(日本油脂)、エリーク51(吉村油化学)、ALROMINE RV−100(ガイギー)
以上帯電防止剤の中で写真性及び人身に与える悪影響が小さいので、非イオン(ノニオン)系帯電防止剤が特に好ましい。
【0099】
以上のような帯電防止剤の1種以上の合計添加量は、0.001〜5.0重量%、好ましくは0.005〜3.0重量%である。添加量が0.001重量%未満であると、帯電防止効果や滑性向上効果がほとんど発揮されず、混練経費増になるだけである。また、添加量が5.0重量%を越えると、増量効果がほとんどないだけでなく、経時によるブリードアウトの増加や樹脂の押出し量がスクリューとのスリップのために大きく変動し、層厚のバラツキが大きくなる等の問題が発生する。
【0100】
必要特性,使用目的に応じて各種の添加剤を写真特性に悪影響を及ぼさない種類・量を選択して含ませることができる。その他の添加剤を以下に示す。
(添加剤種類) (代 表 例)
(1)可 塑 剤:フタル酸エステル,グリコールエステル,脂肪酸エステル,リン酸エステル等
(2)安 定 剤:鉛系,カドミウム系,亜鉛系,アルカリ土類金属系,有機スズ系等
(3)難 燃 剤:燐酸エステル,ハロゲン化燐酸エステル,ハロゲン化物,無機物,含燐ポリオール等
(4)充 填 剤:アルミナ,カオリン,クレー,炭酸カルシウム,マイカ,タルク,酸化チタン,シリカ等
(5)補 強 剤:ガラスロービング,金属繊維,ガラス繊維,ガラスミルドファイバー,炭素繊維等
(6)発 泡 剤:無機発泡剤(炭酸アンモニア,重炭酸ソーダ),有機発泡剤(ニトロソ系,アゾ系)等
(7)加 硫 剤:加硫促進剤,促進助剤等
(8)劣化防止剤:紫外線吸収剤,金属不活性化剤,過酸化物分解剤等
(9)カップリング剤:シラン系,チタネート系,クロム系,アルミニウム系等
(10)各種の熱可塑性樹脂,熱可塑性エラストマー,合成ゴム等
【0101】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明では、上下ケースの合わせ目を基準にして突条までの高さをh、突起部までの高さをH、凹部までの高さをhとしたときに、条件式h>H≧hを満たすようにしたから、係止爪が被係止部を押圧して突起部が突条に食い込んだ形態で結合される。したがって、突起部により突条が潰れる量で寸法誤差を吸収することができるから、寸法公差等を考慮しなくても、確実なスナップ結合をローコストで達成することができる。
【0102】
請求項2記載の発明では、開口から係止爪の上面までの深さをd、係止爪の進入方向に対して直交する方向に沿った開口の幅をWとしたときに、条件式√(16−((W/4))≧4−dを満たすようにしたから、外部から指を挿入して係止爪を外す不正を確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の写真フイルムカートリッジの分解斜視図である。
【図2】図1に示した写真フイルムカートリッジの断面図である。
【図3】スプールの両端を露呈した開口を通る側面合わせ目を水平方向に合わせた状態の写真フイルムカートリッジの左側面図であり、一部を破断して示している。
【図4】図3に示した矢印方向から見た正面図である。
【図5】下ケースの平面図である。
【図6】図5に示した矢印X方向から見た係止爪の側面図である。
【図7】図5に示した矢印Z方向から見た係止爪の正面図である。
【図8】図5に示した矢印Z方向から見た他方側の係止爪の正面図である。
【図9】上ケースの平面図である。
【図10】図9に示したC−C線に沿って切断した要部断面図であり、矢視方向から見ている。
【図11】図9に示した矢印D方向から見た被係止部の要部を示した正面図である。
【図12】図9に示した矢印E方向から見た他方側の被係止部の要部を示した正面図である。
【図13】係止爪と被係止部とが結合した状態を示した要部側面図であり、一部を破断して示している。
【図14】被係止部の開口に外部から指を挿入したときに、指の爪が係止爪の上面に届かない状態を示した説明図である。
【図15】被係止部の開口に外部から指を挿入したときに、指の爪の挿入先端と係止爪の上面とが一致した状態を示した説明図である。
【図16】被係止部の開口に外部から指を挿入したときに、指の爪の挿入先端が係止爪の上面を越える状態を示した説明図である。
【図17】突条を省略した別の実施例の要部を示した側面図であり、一部を破断して示している。
【図18】従来技術で説明した写真フイルムカートリッジを1mの高さから落下させ、何回目の落下で結合が外れるかを、落下回数に対する残存率で示したグラフである。
【図19】従来技術で説明した写真フイルムカートリッジを2mの高さから落下させ、何回目の落下で結合が外れるかを、落下回数に対する残存率で示したグラフである。
【符号の説明】
10 カートリッジ本体
11 上ケース
12 下ケース
15 ポート口
13 スプール
33,34,35,36 係止爪
35a 突起部
37,38 被係止部
37a,38a 誘い部
37b,38b 凸部
37c,38c 凹部
50 突条

Claims (2)

  1. 写真フイルムを巻き付けたスプールを回転自在に収納するカートリッジ本体がプラスチックで成形された上ケースと下ケースとから構成され、これらのケースの一方に一体に形成された係止爪を他方に形成された被係止部にスナップ結合させることによって前記上下ケースを一体に連結するとともに、結合した後に前記係止爪が被係止部を押圧する状態となるように形成された写真フイルムカートリッジにおいて、
    前記被係止部は、係止爪が進入してくる側から順に配列された係止爪抜け止め用の凸部と、係止爪の先端に設けられた突起部が嵌入する凹部とから構成されており、且つ前記凹部の表面に、係止爪の進入方向に沿って一連に延ばされ、係止爪の突起部に摺接する突条が設けられているとともに、前記上下ケースの合わせ目を基準として前記突条までの高さをh、突起部までの高さをH、前記凹部までの高さをhとしたときに、
    >H≧h
    であることを特徴とする写真フイルムカートリッジ。
  2. 前記凹部は、上ケース又は下ケースの外部に露呈された開口の奥に形成されており、また前記係止爪は、上下ケースが組合わさった形態のときに上面が前記開口から露呈されるとともに、前記開口から係止爪の上面までの深さをd、前記係止爪の進入方向に対して直交する方向に沿った前記開口の幅をWとしたときに、
    √(16−((W/4))≧4−d
    であることを特徴とする請求項1記載の写真フイルムカートリッジ。
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