JPH10142740A - 写真フイルムカートリッジ - Google Patents

写真フイルムカートリッジ

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JPH10142740A
JPH10142740A JP30213796A JP30213796A JPH10142740A JP H10142740 A JPH10142740 A JP H10142740A JP 30213796 A JP30213796 A JP 30213796A JP 30213796 A JP30213796 A JP 30213796A JP H10142740 A JPH10142740 A JP H10142740A
Authority
JP
Japan
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locking claw
photographic film
locked portion
cartridge
locked
Prior art date
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Pending
Application number
JP30213796A
Other languages
English (en)
Inventor
Norio Okawa
規男 大川
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
Priority to JP30213796A priority Critical patent/JPH10142740A/ja
Publication of JPH10142740A publication Critical patent/JPH10142740A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 係止爪と被係止部との嵌合後に、カートリッ
ジ本体に衝撃や振動が加わっても嵌合部分が破損するこ
とがなく、また、嵌合時に係止爪から削れ屑が生じるこ
とを防止した写真フイルムカートリッジを提供する。 【解決手段】 下ケース12から板状に突出した係止爪
35の幅(記号d)は、被係止部37の幅(記号D)よ
りも、0.05〜0.4mmの範囲で細くなるように形
成されている。係止爪35の幅を被係止部37の幅より
も、0.05〜0.4mmの範囲で細くなるように形成
することにより、係止爪35と被係止部37との隙間が
適正に保たれ、嵌合後に、カートリッジ本体に衝撃や振
動が加わっても嵌合部分が破損することがなく、また、
組立時の嵌合ミスや削れ屑の発生を防止することができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、写真フイルムを収
納するカートリッジ本体を複数の成形品で構成し、これ
らの成形品を係止爪と被係止部との嵌合により一体化し
た写真フイルムカートリッジに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、未使用状態では写真フイルムの先
端までもカートリッジ本体内に巻き込んでおくように
し、使用時にはスプールを回転させることによって写真
フイルムの送り出しを行うようにした写真フイルムカー
トリッジがIX240カートリッジフイルムとして本出
願人等から提供されている。
【0003】このような機能を持つ写真フイルムカート
リッジは、例えば、特開平8−146561号公報に記
載されているように、カートリッジ本体を、上下2つの
ケースからなる樹脂成形部品で構成し、これらの2つの
成形部品を係止爪と被係止部とのスナップ結合により、
一体に連結している。この係止爪は、カートリッジ本体
と一体に形成され、先端に凸部を有する板状突起であ
り、また、被係止部は、このような係止爪が進入して嵌
合する溝形状部である。そして、上述した係止爪と被係
止部とを結合させた後、超音波融着処理を行い上下2つ
のケースを密着させ、カートリッジ本体が形成される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たような従来の写真フイルムカートリッジでは、上下2
つのケースにおける、係止爪と被係止部との嵌合ガタが
多い場合、超音波融着処理の前にカートリッジ本体に衝
撃や振動が加わった時に、係止爪と被係止部とからなる
嵌合部分に亀裂等が入って破損し、カートリッジ本体内
に光密に収納されている写真フイルムにカブリが生じる
等の、遮光性の低下が起きるという問題があった。
【0005】また、一方では、係止爪と被係止部との嵌
合ガタが全く無い場合、写真フイルムカートリッジの自
動組立工程において、係止爪と被係止部との仮嵌合ミス
が多発し、生産上の問題が生じる。更に、例えば特開平
8−146561号公報に記載されているように、係止
爪が被係止部を押圧するような形状に形成すると、係止
爪と被係止部との仮嵌合の際にエッジに亀裂が生じて、
超音波融着処理時に糸状の削れ屑が発生し、この削れ屑
が写真フイルムパトローネ内に侵入してスポット故障の
原因になるという問題もあった。
【0006】本発明は、このような背景を考慮してなさ
れたもので、係止爪と被係止部との嵌合後に、カートリ
ッジ本体に衝撃や振動が加わっても嵌合部分が破損する
ことがなく、また、嵌合時に係止爪から削れ屑が生じる
ことを防止した写真フイルムカートリッジを提供するこ
とを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の写真フイルムカートリッジにおいては、写
真フイルムを巻き付けたスプールを回転自在に収納する
カートリッジ本体を構成する上ケースと下ケースの何れ
か一方に、カートリッジ本体の周面に沿って板状に延び
た係止爪が一体に形成されるとともに、他方に、この係
止爪全体が進入して嵌合する溝状の被係止部が形成さ
れ、これら係止爪と被係止部とを嵌合させることによっ
て前記上ケースと下ケースとが一体に結合する写真フイ
ルムカートリッジにおいて、係止爪の横幅が、被係止部
の溝幅よりも0.05〜0.4mmの範囲で細くなるよ
うに、係止爪と被係止部とを形成したものである。ま
た、請求項2においては、前記上ケースと下ケースと
は、前記係止爪と被係止部との嵌合後に、超音波接合し
たものである。
【0008】
【発明の実施の形態】図2は、本発明の写真フイルムカ
ートリッジを示す外観斜視図であり、図2はその分解斜
視図、図3は断面図である。写真フイルムカートリッジ
2のカートリッジ本体10は、各々プラスチックで形成
された略半円筒状の上ケース11、下ケース12から構
成されている。このカートリッジ本体10の内部にはス
プール13が回動自在に収納され、このスプール13に
写真フイルム14がロール状に巻き付けられる。
【0009】上下ケース11,12はそれぞれ略半円筒
形状をしており、その一部にはそれぞれポート部15が
突出して形成されている。上ケース11と下ケース12
とを嵌合させるときに、ポート部15内に遮光蓋16が
回転自在に嵌め込まれる。遮光蓋16には平坦なフイル
ム通路17が形成され、遮光蓋16が開き位置に回動し
たときにはカートリッジ本体10内から送り出されてく
る写真フイルム14の通路となる。また、遮光蓋16が
閉じ位置に回動したときには、ポート部15の先端部分
に形成される開口(写真フイルム出入り口)が完全に閉
じられ、カートリッジ本体10内は遮光状態となる。
【0010】下ケース12のポート部15の奥には、突
起18が形成されている。この突起18は、スプール1
3に巻かれた写真フイルム14の先端部をすくい上げて
フイルム通路17に導くためのガイドである。
【0011】フランジ19、20には、それぞれ開口1
9a,20aが形成されており、スプール13を各開口
19a,20aに挿通することによりスプール13の所
定位置に嵌め込まれ、スプール13に対して回転可能に
軸着される。フランジ19,20の外周には、リップ2
1がそれぞれ向き合うように突出し、スプール13に巻
かれた写真フイルム14の最外周を両端面側から部分的
に包み込むようになっている。
【0012】フランジ20は、使用表示部品23がスプ
ール13に嵌め込まれると、クラッチ爪24とフランジ
20の係止穴25とが、スプール13をフイルム送り出
し方向に回転したときに互いに係止して、フランジ20
を強制的に回転できるようになる。また、フイルム巻き
込み方向にスプール13を回転したときには、クラッチ
爪24とフランジ20の係止穴25とは係止せずにフラ
ンジ20は自由に回転できる。また、他方のフランジ1
9はスプール13に対し回転自在のままである。なお、
使用表示部品23には扇形の表示板23aが一体化さ
れ、その位置をカートリッジ本体10に形成された表示
窓を通して確認することによって、この写真フイルムカ
ートリッジの使用状態が判別できるようになっている。
【0013】上ケース11、下ケース12の側面内壁に
は側面リブ26が設けられ、フランジ19,20が互い
に広がらないように規制している。スプール13には扇
形板27が固定され、その表面にはデータディスクラベ
ル28が貼付される。このラベル28には放射状にバー
コードが記されており、バーコードはスプール13を回
転したときにカートリッジ本体10の側面に形成された
窓29を通して光電検出される。これにより、カートリ
ッジ本体10内に収納された写真フイルム14の品種情
報,撮影枚数情報などを電気的に検知することができ
る。なお、カートリッジ本体10に貼付されるラベル3
0には、フイルム品種表示やカートリッジの固有番号な
どが表示される。また、データディスクラベル28は、
箔押しによりスプール13に直接設けることもできる。
【0014】スプールロック部品31は、遮光蓋16が
閉じ位置に回動したときに、スプール13が回転しない
ようにロックする。このロックは、遮光蓋16が開き位
置に移動したときに解除される。なお、符号32は上ケ
ース11に一体に成形されたロックポールを示し、この
ロックポール32によって遮光蓋16は閉じ位置に回動
したときにロックされる。このロックは、写真フイルム
カートリッジをカメラやディスプレイ装置等の装置にセ
ットしたときに、これらの装置に設けられた遮光蓋16
の開放機構によって解除される。
【0015】写真フイルム14がカートリッジ本体10
内に完全に巻き込まれている状態では、写真フイルム1
4の最外周はフランジ19,20のリップ21,21に
よって部分的に包み込まれ、スプール13からの巻き緩
みが防止されている。これにより、スプール13が写真
フイルム14の送り出し方向に回転したとき、写真フイ
ルム14はスプール13とともに一体となって回転する
ようになる。
【0016】上下ケース11,12の側面内壁に設けら
れた側面リブ26は、フランジ19,20が互いに広が
らないように規制しているが、ポート部15の奥ではそ
の規制が解除されるように、対面し合った側面リブ26
相互間の間隔が広げられている。このため、突起18で
写真フイルム14の先端がすくい上げられた後、フイル
ム通路17に進むときには、フランジ19,20がわず
かに外側に広がり、写真フイルム14はリップ21,2
1の間から樋状カールを作って送り出されるようにな
る。
【0017】上記写真フイルムカートリッジをカメラに
装填すると、カメラ側の機構によってロックポール32
による遮光蓋16の係止が解除された後、遮光蓋16が
開き方向に回動される。その後、スプール13が送り出
し方向に駆動され、写真フイルム14の送り出しが開始
される。フランジ19,20の外周に形成したリップ2
1,21が写真フイルム14の巻き緩みを防いでいるた
め、写真フイルム14はスプール13と一体となって回
転する。この回転中に、写真フイルム14の先端が突起
18ですくい上げられ、フイルム通路17に導かれる。
【0018】こうして写真フイルム14の先端がフイル
ム通路17に導かれると、リップ21,21は写真フイ
ルム14により両側に押し広げられるため、フイルム通
路17の奥では写真フイルム14の包み込みが解除され
る。なお、一方のフランジ20はクラッチ爪24と係止
穴25との係合により強制的に送り出し方向に回転され
るため、写真フイルム14を送り出す力が強められる。
こうして写真フイルム14がカートリッジ本体10外に
送り出されるようになる。
【0019】巻戻し時にはスプール13が逆向きに回転
される。写真フイルム14の後端はスプール13に係止
されているため、写真フイルム14はスプール13の逆
転によりカートリッジ本体10内に巻き込まれる。この
とき、フイルム通路17の奥ではフランジ19,20が
広げられ、写真フイルム14はフランジ19,20間に
引き込まれ、スプール13に巻き付けられる。
【0020】カートリッジ本体を構成する上・下ケース
11,12相互の連結は、正面側合わせ目と背面側合わ
せ目とで行われている。背面側合わせ目は、下ケース1
2に突設された一対の係止爪33,34と上ケース11
に設けた一対の被係止部(図示せず)との嵌合により保
持され、また、正面側合わせ目は、下ケース12のポー
ト部15の両側にそれぞれ設けた一対の係止爪35,3
6と、上ケース11のポート部15の両側にそれぞれ設
けた一対の被係止部37,38との嵌合で保持される。
【0021】上・下ケース11,12には、両側面側の
内部にそれぞれ遮光壁39〜42が対向する向きで突設
さられており、前述した正面側合わせ目と背面側合わせ
目とが連結されるとこれらの遮光壁39〜42でスプー
ル13の一端側と使用表示部品23とを回動自在に支持
し、且つ、内部の写真フイルム14が収納される室を光
密にする。なお、各ケース11,12の遮光壁39〜4
2は、係止爪33,34及びこれに対応する被係止部の
内側を通って背面側でつながっている。このような上・
下ケース11,12を組み合わせるときには、先に背面
側の係止爪33,34を被係止部に嵌合させた後に、正
面側の係止爪35,36を被係止部37,38に嵌合さ
せる。
【0022】図5は、本発明の写真フイルムカートリッ
ジを側面から見た一部破断図であり、図6は、その係止
爪と被係止部との嵌合部分を拡大して示す断面図であ
る。なお、係止爪36、及び被係止部38は、係止爪3
5、及び被係止部37と各々同じ形状であるため、ここ
では係止爪36、及び被係止部38の説明を省略する。
【0023】係止爪35は、下ケース12の外径面から
板状に突出し、法線方向に沿って弾性自在な爪とされて
いる。そして、係止爪35の先端の底面には、被係止部
37と嵌合する三角形状の突起部35aがそれぞれ形成
されている。この係止爪35は、ポート部15の両側の
合わせ目を隙間無く突き合わせておくために、結合後で
も被係止部37に向けて押圧状態となるように形成され
ている。
【0024】このような係止爪35と嵌合する被係止部
37は、上ケース11の外径輪郭から溝状に凹むように
設けられている。そして、その端部には、係止爪35の
突起部35aが嵌入する凹面37aが形成されている。
【0025】図1は、係止爪と被係止部との嵌合部分を
上面からみた平面図である。下ケース12から板状に突
出した係止爪35の幅(図1中の記号d)は、被係止部
37の幅(図1中の記号D)よりも、0.05〜0.4
mm,更に好ましくは0.05〜0.2mm細くなるよ
うに形成されている。
【0026】例えば、係止爪35の幅dは2.0mm
で、被係止部37の幅Dは2.2mmであり、係止爪3
5を被係止部37に嵌合させたときの、係止爪35と被
係止部37との隙間は、左右あわせて0.2mmとな
る。
【0027】このような、係止爪35と被係止部37と
の隙間を0.4mmよりも大きくすると、上・下ケース
11,12を嵌合させて超音波溶着を行う前に、このカ
ートリッジ本体10に振動や衝撃が加わった時に、係止
爪35と被係止部37との嵌合部分に亀裂が入り、カー
トリッジ本体10内に光密に収納されている写真フイル
ム14にカブリが生じることが多くなる。
【0028】また、係止爪35と被係止部37との隙間
を0にすると、上・下ケース11,12を自動組立によ
り嵌合させる際に遊びがないため嵌合ミスが多発し、ま
た、嵌合部分に削れ屑等が発生する。
【0029】このように、係止爪35の幅を被係止部3
7の幅よりも、0.05〜0.4mm,更に好ましくは
0.05〜0.2mm細くなるように形成することによ
り、係止爪35と被係止部37との隙間が適正に保た
れ、嵌合後に、カートリッジ本体に衝撃や振動が加わっ
ても嵌合部分が破損することがなく、また、組立時の嵌
合ミスや削れ屑の発生を防止することができる。
【0030】なお、上記実施形態では、上ケース側に被
係止部を、また下ケース側に係止爪をそれぞれ一体に形
成しているが、本発明ではこれに限らず、上ケース側に
係止爪を、また下ケース側に被係止部をそれぞれ形成し
てもよい。
【0031】以上のような構成のカートリッジ本体を形
成する樹脂材料としては、大量製造適性や価格等の点で
熱可塑性樹脂材料が好ましく、遮光性付与剤としてカー
ボンブラックを0.05重量%〜3.00重量%含有するものを
用いればよい。また、このような樹脂に必要に応じてシ
リコーンオイル等の滑剤、帯電防止剤、酸化チタン等の
無機あるいは有機顔料、ステアリン酸亜鉛等の加工助
剤、酸化防止剤、核剤、可塑剤等を含有させてもよい。
【0032】樹脂としては、ポリスチレン樹脂、耐衝撃
製ポリスチレン樹脂、スチレン−アクリロニトリル共重
合体樹脂、スチレン−アクリロニトリル−ブタジエン共
重合体樹脂、ポリプロピレン樹脂、高密度ポリエチレン
樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレン
テレフタレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ塩化
ビニール樹脂あるいは、それらの変性樹脂等が好適であ
る。特に寸法精度確保、物理強度確保、超音波溶着適性
向上等を考慮した場合には、メルトフローレートが1.0
〜10.0g/10分、好ましくは2.0 〜8.0g/10 分、特に好ま
しくは2.5 〜7g/10 分の合成ゴムが0.1 〜10重量%含ま
れている耐衝撃性ポリスチレン樹脂が好ましい。この樹
脂のその他の好ましい必要特性は、変形防止の点から曲
げ弾性率15,000〜30,000kg/cm2、好ましくは1,8000〜2
8,000kg/cm2、特に好ましくは20,000〜28,000kg/cm2
あり、ビカット軟化点(15kg 荷重) は80℃以上、好まし
くは85℃以上、特に好ましくは、90°C 以上である。
【0033】このような樹脂に含有されるカーボンブラ
ックは、遮光性確保のために添加されるものである。カ
ーボンブラックの製造法による分類としては、ファーネ
ス法カーボンブラック、チャンネル法カーボンブラッ
ク、サーマル法カーボンブラック等があるが、写真的悪
作用(カブリの発生、感度低下または感光度の増加等)
が少ない、あるいは遮光性の点で、平均粒子径が10〜80
μm、PH5 〜9 のファーネスカーボンブラックが好まし
く、特に15〜50μm、PH6 〜8 のファーネスカーボンブ
ラックが好ましい。
【0034】市販品としては、例えば三菱化学製のカー
ボンブラック#20(B),#30(B),#33(B),#40(B),#41(B),#44
(B),#45(B),#50,#55,#100,#600,#2200(B),#2400(B),MA
8,MA11,MA100 等があげられる。海外の製品としては、
例えばキャボット社のBlack Pearls 2 ,46,70,71,74,8
0,81,607 等、Regal 300,330,400,660,991,SRF-S 等、S
terling 10,SO,V,S,FT-FF,MT-FF等があげられる。さら
に、アシュランド・ケミカル社のUniteel R,BB,15,102,
3001,3004,3006,3007,3008,3009,3011,3012,XC-3016,XC
-3017,3020等があげられるが、これらに限定されるもの
ではない。
【0035】ファーネスカーボンブラックの粒子径が10
μm未満であると樹脂との混練性が悪く遮光性、物理強
度が悪化する。逆に100 μmを越えると分散は良くとも
遮光能力が劣り、遮光性確保のためにカーボン濃度を上
げると物理強度の低下、成形性の悪化を起こし実用に耐
えなかった。また、PHが5 〜9 の範囲を越えるカーボン
ブラックの多くは、写真的悪作用を起こしやすく使用不
可であった。
【0036】写真フイルムの写真性に悪影響を与えない
ようにするためには、上記カーボンブラック中の遊離硫
黄分は0.6%以下、好ましくは0.3%以下、特に好
ましくは0.1%以下とするのがよい。また、シアン化
合物含有量は0.01%以下、好ましくは0.005%
以下、特に好ましくは0.001%以下とするのがよ
い。さらに、アルデヒド化合物含有量は0.1%以下、
好ましくは0.05%以下、特に好ましくは0.01%
以下である。これらの物質は少量でも写真性に悪影響を
及ぼすので注意が必要である。
【0037】ファーネスカーボンブラックの添加量は、
遮光性確保、射出成形性、カートリッジ本体の物理強度
確保の点から、0.05重量% 〜3.00重量% が好ましい。カ
ーボンブラックの添加量が0.05重量% 未満であると遮光
性が不十分であり、3.00重量% を越えるとカートリッジ
本体の物理強度が低下し、かつ吸水率が高まるために射
出成形時ウエルドマーク、銀条等が発生し、外観不良、
表面強度の劣化を引き起こす。
【0038】遮光性物資としては、カーボンブラック以
外に酸化チタン、ベンガラ、炭酸カルシユウム等の無機
顔料、あるいは有機性染料を併用してもよい。
【0039】カートリッジ本体に滑性を与える方法とし
ては、これを成形する樹脂に滑剤を添加して成形する方
法と、成形品に滑剤を塗布する方法とがある。滑剤とし
ては、シリコーンオイル類、オレイン酸アミドやエルカ
酸アミド等の高級脂肪酸アミド、ステアリン酸亜鉛等の
高級脂肪酸の金属塩、高級アルコールエステル、多価ア
ルコールのエステルの脂肪酸エステル等があるが、特に
限定されるものではない。
【0040】カートリッジ本体に添加されるシリコンオ
イルとしては、特開昭62−286043号公報、ある
いは特開昭62−284355号公報に記載されている
ジメチルポリシロキサンとカルボキシル変性シリコーン
オイルが好ましい。シリコーンオイルの添加量は、0.05
重量% 〜5.0 重量% 、好ましくは1.0 重量% 〜3.0 重量
% の間である。
【0041】0.05重量% 以下では、目的の滑性効果が得
られないし、添加量が5.0 重量% を越えると射出成形機
のスクリュー内で樹脂がスリップを起こし、成形サイク
ルが長くなるばかりでなく、成形品表面に染みだすシリ
コーン量が多くなり、染みだしたオイルがカートリッジ
本体内で写真フイルムに転写し、写真フイルム現像時に
現像処理液の写真フイルムへの拡散を妨げる等の写真的
悪作用が発生する。また、超音波シールにおいて上ケー
スと下ケースとの接着低下が起こる。
【0042】シリコーンオイルは、25℃の粘度が1000〜
60000CS であることが好ましい。25℃の粘度が1000CS未
満では、ブリードアウトが激しく、写真性能に枠影響を
及ぼす。60000CS を越えると、樹脂との混練性が悪く使
用に耐えない。また、シリコーンオイルには、上記以外
にもフッ素変性シリコーンオイル等、各種変性シリコー
ンオイルが市販されているが、その多くは写真フイルム
の写真性に悪影響を与えるので、厳選して使用すること
が重要である。滑性付与が不十分、あるいは射出成形時
熱分解が激しい等の理由で写真フイルムカートリッジ用
には使用できなかった。
【0043】このような樹脂としては、例えばK樹脂の
#3350、電気化学工業製のデンカスチロールPSM
991Y−14、あるいは三菱化学製の三菱ポリテック
YH061−00802*1等があげられる。K樹脂の
#3350は、粒子径が0.95μm、ゴム成分が7.
2重量%、重量平均分子量が19.35MWであり、カ
ーボンブラック及びシリコーンオイルは含有していな
い。またデンカスチロールPSM991Y−14は、粒
子径が1.48μm、ゴム成分が4.4〜5.0重量
%、重量平均分子量が20.4MWであり、カーボンブ
ラックが0.5重量%、シリコーンオイルが2.0重量
%である。さらに三菱ポリテックYH061−0080
2*1は、粒子径が0.9μm、ゴム成分が5.7〜
6.4重量%、重量平均分子量が20.8MWであり、
カーボンブラックが1.0重量%、シリコーンオイルが
2.0重量%である。
【0044】また、樹脂の酸化分解等を防止し、写真フ
イルムの写真性に対する悪影響物質としての分解生成物
(例えばアルコール、アルデヒド、ケトン、カルボン酸
等)の生成を防止するために、酸化防止剤を添加するこ
とができる。酸化防止剤の代表例を以下に示す。
【0045】(イ)フェノール系酸化防止剤 ビタミンE、ビタミンEカルボン酸エステル、6−t−
ブチル−3−メチルフェニール誘導体、2・6−ジ−t
−ブチル−Pクレゾール、2・2’−メチレンビス−
(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4・4’
−ブチリデンビス(6−t−ブチル−m−クレゾー
ル)、4・4’−チオビス(6−t−ブチル−m−クレ
ゾール)、4・4’−ジヒドロキシジフェニルシクロヘ
キサン、アルキル化ビスフェノール、スチレン化フェノ
ール、2・6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノー
ル、n−オクタデシル−3−(3’・5’ジ−t−ブチ
ル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2・
2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェ
ノール)、4・4’−テオビス(3−メチル−6−t−
ブチルフェノール)、4・4’−ブチリデンビス(3−
メチル−6−t−ブチルフェノール)、ステアリルβ
(3・5−ジ−4−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)
プロピオネート、1・1・3−トリス(2−メチル−4
ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1・3
・5−トリメチル−2・4・6−トリス(3・5−ジ−
t−ブチル−4ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラ
キス〔メチレン−3(3’・5’−ジ−t−ブチル−
4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン
等。
【0046】(ロ)ケトンアミン縮合系酸化防止剤 6−エトキシ−2・2・4−トリメチル−1・2−ジヒ
ドロキノリン、2・2・4−トリメチル−1・2−ジヒ
ドロキノリンの重合物、トリメチルジヒドロキノリン誘
導体等。 (ハ)アリルアミン系酸化防止剤 フェニル−α−ナフチルアミン、N−フェニル−β−ナ
フチルアミン、N−フェニル−N’−イソプロピル−P
−フェニレンジアミン、N・N’−ジ−フェニル−P−
フェニレンジアミン、N・N’−ジ−β−ナフチル−P
−フェニレンジアミン、N−(3'ヒドロキシブチリデ
ン)−1−ナフチルアミン等。 (ニ)イミダゾール系酸化防止剤 2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−メルカプトベ
ンゾイミダゾールの亜鉛塩、2−メルカプトメチルベン
ゾイミダゾール等。
【0047】(ホ)ホスファイト系酸化防止剤 アルキル化アリルホスファイト、ジフェニルイソデシル
ホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト
亜リン酸ソーダ、トリノニルフェニルホスファイト、ト
リフェニルホスファイト等。 (ヘ)チオ尿素系酸化防止剤 チオ尿素誘導体、1・3−ビス(ジメチルアミノプロピ
ル)−2−チオ尿素等。 (ト)その他空気酸化に有用な酸化防止剤 チオジプロピオン酸ジラウリル等。
【0048】(チ)ヒンダートフェノール系酸化防止剤 1・3・5−トリメチル−2・4・6−トリス(3・5
−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベルジル)ベ
ンゼン、テトラキス〔メチレン(3・5−ジ−tert
−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナメート)〕メ
タン、オクタデシル−3・5−ジ−tert−ブチル−
4−ヒドロキシ−ヒドロシンナメート、2・2’・2’
−トリス〔(3・5−ジ−tert−ブチル−4−ヒド
ロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕イソシアヌレー
ト、テトラキス(2・4−ジ−tert−ブチルフェニ
ル)4・4’−ビフェニレンジ亜リン酸エステル、4・
4’−チオビス−(6−tert−ブチル−O−クレゾ
ール)、2・2’−チオビス−(6−tert−ブチル
−4−メチルフェノール)、トリス−(2−メチル−4
−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタ
ン、2・2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t
ert−ブチルフェノール)、4・4’−メチレン−ビ
ス−(2・6−ジ−tert−ブチルフェノール)、4
・4’−ブチリデンビス−(3−メチル−6−tert
−ブチルフェノール)、2・6−ジ−tert−ブチル
−4−メチルフェノール、4−ヒドロキシ・メチル−2
・6−ジ−tert−ブチルフェノール、2・6−ジ−
tert−4−n−ブチルフェノール、2・6−ビス
(2'−ハイドロキシ−3’−tert−ブチル−3’−
メチルベンジル)−4−メチルフェノール、4・4’−
メチレン−ビス−(6−tert−ブチル−O−クレゾ
ール)、4・4’−ブチリデンビス−(6−tert−
ブチル−m−クレゾール)なとがあげられる。ブリード
アウトや熱分解が少なく、写真フイルムの写真性に対す
る悪影響も小さい点等から融点(Meltingpoi
nt)が100℃以上のものが好ましく、特に120℃
以上のものが好ましい。
【0049】代表的な市販酸化防止剤を以下に示す。 (1)フェノール系酸化防止剤 SUMILIZER BHT(住友化学)、IRGAN
OX 1076(チバガイギー)、MARK AO−5
0(アデカ・アーガス)、SUMILIZERBP−7
6(住友化学)、TOMINOX SS(吉富)、IR
GANOX565(チバガイギー)、NONOX WS
P(ICI)、SANTNOX(Monsanto)、
SUMILIZER WX R(住友化学)、ANTA
GEGRYSTAL (川口)、IRGANOX 10
35(チバガイギー)、ANTAGE W−400(川
口)、NOCLIZERNS−6(大内新興)、IRG
ANOX 1425WL(チバガイギー)、MARK
AO−80(アデカ・アーガス)、SUMILIZER
GA−80(住友化学)、TOPANOLCA(IC
I)、MARK AO−30(アデカ・アーガス)、M
ARK AO−20(アデカ・アーガス)、IRGAN
OX 3114(チバガイギー)、MARK AO−3
30(アデカ・アーガス)、IRGANOX 1330
(チバガイギー)、CYANOX 1790(AC
C)、IRGANOX 1010(チバガイギー)、M
ARK AO−60(アデカ・アーガス)、SUMIL
IZER BP−101(住友化学)、TOMINOX
TT(吉富)、等。
【0050】(2)燐系酸化防止剤 IRGAFOS 168(チバガイギー)、MARK
2112(アデカ・アーガス)、WESTON 618
(ボルグワーナー)、MARK PEP−8(アデカ・
アーガス)、ULTRANOX 626(ボルグワーナ
ー)、MARKPEP−24G(アデカ・アーガス)、
MARK PEP−36(アデカ・アーガス)、HGA
(三光)等。 (3)チオエーテル系酸化防止剤 DLTDP”YOSHITOMI”(吉富)、SUMI
LIZER TPL(住友化学)、ANTIOX L
(日油)、DMTD”YOSHITOMI”(吉富)、
SUMILIZER TPT(住友化学)、ANTIO
X M(日油)、DSTP”YOSHITOMI”(吉
富)、SUMILIZER TPS(住友化学)、AN
TIOX (日油)、SEENOX 412S(シプ
ロ)、MARK AO−412S(アデカ・アーガ
ス)、SUMILIZER TP−D(住友化学)、M
ARK AO−23(アデカ・アーガス)、SANDS
TABP−EPQ(サンド)、IRGAFOS P−B
PQ FF(チバガイギー)、IRGANOX 122
2(チバガイギー)、MARK 329K(アデカ・ア
ーガス)、WESTON 399(ボルグ・ワーナ
ー)、MARK 260(アデカ・アーガス)、MAR
K 529A(アデカ・アーガス)等。 (4)金属不活性化剤 NAUGARD XL−1(ユニロイヤル)、MARK
CDA−1(アデカ・アーガス)、MARK CDA
−6(アデカ・アーガス)、LAGANOXMD−10
24(チバガイギー)、CUNOX(三井東圧)等。
【0051】好ましい酸化防止剤はフェノール系の酸化
防止剤であり、特にヒンダートフェノール系酸化防止剤
が好ましく、市販品としてはチバガイギー社のイルガノ
ックス各種と住友化学化学(株)のSUMILIZER
BHT、SUMILIZER BH−76、SUMI
LIZER WX−R、SUMILIZER BP−1
01等である。
【0052】また、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレ
ゾール(BHT)、低揮発性の高分子量ヒンダードフェ
ノール型酸化防止剤(商品名:Ireganox101
0,Ireganox1075,TopanolCA,
Ionox330等)、ジラウリルチオジプロピオネー
ト、ジステアリルチオプロピオネート、ジアルキルフォ
スフェート等の1種以上、特に2種以上を併用するのが
効果的である。しかし、酸化防止剤は還元物質であり、
本来は写真フイルムに悪影響を及ぼす物質であり、熱分
解を抑制する作用との効果バランスで種類,添加量を選
択する必要がある。写真フイルムにカブリや感度異常発
生等の悪影響を与えることが少ないので、フェノール系
及び燐系酸化防止剤が好ましい。フェノール系酸化防止
剤としてはヒンダードフェノール系酸化防止剤が特に好
ましい。ヒンダードフェノール系酸化防止剤の中でも融
点が100°C以上,とくに120°C以上のものが好
ましい。特にフェノール系酸化防止剤及び/又は燐系酸
化防止剤の2種以上を併用することが好ましい。
【0053】さらにカーボンブラック等と併用すると酸
化防止作用が相乗的に効果を発揮する。フェノール系酸
化防止剤と燐系酸化防止剤とカーボンブラックを併用す
ると、酸化防止効果が特に発揮されるので好ましい。
【0054】その他プラスチックデータハンドブック
(KK工業調査会発行)の794〜799ページに開示
された各種酸化防止剤や、プラスチック添加剤データー
集(KK化学工業社)の327〜329ページに開示さ
れた各種酸化防止剤や、PLASTICS AGE E
NCYCLOPEDIA進歩編1986(KKプラスチ
ック・エージ)の211〜212ページに開示された各
種酸化防止剤等を選択して用いることが可能である。
【0055】以上のような酸化防止剤が写真フイルムに
悪影響を及ぼさないようにする機構について説明する。
熱可塑性樹脂の酸化分解は、CH3 の分岐の多い樹脂ほ
ど多い。それは酸素吸収量が多いからである。
【0056】炭化水素の自動酸化は酸素の存在下で脱水
して一旦遊離基が生成すると、連鎖的に次のように進行
するものと考えられている。 (1)RH→R・ (2)R・+O2 →RH→ROO・ (3)ROO・+RH→ROOH+R・ (4)ROOH→RO・+・OH (5)RO・+RH→ROH+R・ (6)・OH+RH→HOH+R・ このようにして炭化水素の酸化が加速的にはやめられて
多量のアルコール,アルデヒド,酸などを生じ、さらに
これらが相互に反応して重合物を作る。
【0057】炭化水素の酸化を防止するには、上記連鎖
反応をたちきることが必要で、そのために酸化防止剤が
用いられる。その他、以下に記載するラジカル捕獲剤を
添加することも好ましい。
【0058】本発明に写真フイルムカートリッジの樹脂
に使用されるラジカル捕獲剤としては、1・1−ジフェ
ニル−2−ピクリルヒドラジル、1・3・5−トリフェ
ニルフェルダジル、2・2,6・6−テトラメチル−4
−ピペリドン−1−オキシル、N−(3−N−オキシア
ニリノ−1・3−ジメチルブチリデン)−アニリンオキ
シド、塩化第二鉄などのような高原子価金属塩、ジフェ
ニルピクリルヒドラジン、ジフェニルアミン、ハイドロ
キノン、t−ブチルカテコール、ジチオベンゾイルジス
ルフィド、p・p’−ジトリルトリスルフィド、ベンゾ
キノン誘導体、ニトロ化合物、およびニトロソ化合物な
どを挙げることができる。こらのうちでも、ハイドロキ
ノンを用いることは特に好ましい。また、上記のラジカ
ル捕獲剤は単独で用いてもよく、あるいは数種類を併用
することもできる。ラジカル捕獲剤の含有量は、1.0
00〜10.000ppmである。
【0059】酸化防止剤には、連鎖伝播体である遊離基
(主としてROO・)と反応してこれを不活性化する遊
離基連鎖停止剤と遊離基の主要な発生源であるヒドロペ
ルオキシドROOHを分解してこれを安定化する過酸化
物分解剤とがある。
【0060】前者としては、アルキルフェノール系酸化
防止剤と芳香族アミン系酸化防止剤がある。後者として
は、硫黄系酸化防止剤とリン系酸化防止剤がある。
【0061】各種酸化防止剤は、写真フイルムに悪影響
を与える還元剤でもあるので種類、添加量は慎重に検討
しないと写真フイルムの品質劣化が大きく問題になる。
【0062】本発明の写真フイルムカートリッジに使用
される遮光性熱可塑性樹脂には、帯電防止剤を添加する
ことができる。帯電防止剤の代表例を以下に示す。 I.ノニオン系(=非イオン系) (1)アルキルアミン誘導体:T−B103(松本油
脂)、T−B104(松本油脂) アルキルアミド型 ポリオキシエチレンアルキルアミン:アーモスタット3
10(ライオン油脂) 3級アミン(ラウリルアミン):アーモスタット400
(ライオン油脂) N,N−ビス(2−ヒドロキシエチルココアミン):ア
ーモスタット410(ライオン油脂) 3級アミン:ANTISTATIC273C、273、
273E(Fine Org.Chem) N−hydroxyhexadecyl−di−eth
anol−amine:Belg.P.654.049 N−hydroxyoctadecyl−di−eth
anol−amine:(National Dis
t.)
【0063】(2)脂肪酸アマイド誘導体:TB−11
5(松本油脂)、エレガンP100(日本油脂)、エリ
ークSM−2(吉村油化学) ヒドロキシステアリン酸アマイド シュウ酸−N,N’−ジステアリルアミドブチルエステ
ル:ヘキストポリオキシエチレンアルキルアミド
【0064】(3)エーテル型 ポリオキシエチレンアルキルエーテル RO(CH2 CH2 O)nH ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル 特殊非イオン型:レジスタット104,PE100,1
16〜118(第一工業製薬)、レジスタットPE13
2,139(第一工業製薬)、エレガンE115,ケミ
スタット1005(日本油脂)、エリークBM−1(吉
村油化学)、エレクトロストリッパーTS,TS2,
3,5,EA,EA2,3(花王石鹸)
【0065】(4)多価アルコールエステル型 グリセリン脂肪酸エステル:ステアリン酸若しくはヒド
ロキシステアリン酸等のモノ,ジ,またはトリグリセラ
イド,モノグリ(日本樟脳)、TB−123(松本油
脂)、レジスタット113(第一工業製薬) ソルビタン脂肪酸エステル 特殊エステル:エリークBS−1(吉村油化学) 1−ヒドロキシエチル−2−ドデシルグリオキサゾリ
ン:ブリティッシュ・セロァン
【0066】II.アニオン系 (1)スルホン酸類 アルキルスルホネート RSO3 Na アルキルベンゼンスルホネート アルキルサルフェート ROSO3 Na (2)リン酸エステル型 アルキルホスフェート
【0067】III.カチオン系 (1)アミド型カチオン:レジスタットPE300,4
01,402,406,411(第一工業製薬) (2)四級アンモニウム塩 第4級アンモニウムクロライド 第4級アンモニウムサルフェート 第4級アンモニウムナイトレート カチミンCSM−9(吉村油化学)、CATANAC6
09(アメリカン・ジアナミド)、デノン314C(丸
菱油化)、アーモスタット300(ライオン油脂)、1
00V(アーマー)、エレクトロストリッパーES(花
王石鹸)、ケミスタット2009A(日本油脂) Stearamido propyl−dimethy
l−β−hydroxyethyl ammonium
nitrate:CATANAC・SN(アメリカン
・ジアナミド)
【0068】IV.両性イオン系 (1)アルキルペタイン型 (2)イミダゾリン型 レオスタット53,532(ライオン油脂)、AMS5
3(ライオン油脂)、AMS303,313(ライオン
油脂) アルキルイミダゾリン型 (3)金属塩型 AMS576(ライオン油脂) レオスタット826,923(ライオン油脂) (RNR’CH2 CH2 CH2 NCH2 COO)2 Mg
R≧C,R’=Hまたは(CH2 )mCOO−(ライオ
ン油脂) R=C3 N 炭化水素、A=酸素またはイミノ基、M=
有機アミンまたは金属 (4)アルキルアラニン型
【0069】V.導電性樹脂 ポリビニルベンジル型カチオン ポリアクリル酸型カチオン
【0070】VI.その他 レジスタット204,205(第一工業製薬)、エレガ
ン2E,100E(日本油脂)、ケミスタット100
2,1003,2010(日本油脂)、エリーク51
(吉村油化学)、ALROMINE RV−100(ガ
イギー) 以上帯電防止剤の中で写真性及び人身に与える悪影響が
小さいので、非イオン(ノニオン)系帯電防止剤が特に
好ましい。
【0071】以上のような帯電防止剤の1種以上の合計
添加量は、0.001〜5.0重量%、好ましくは0.
005〜3.0重量%である。添加量が0.001重量
%未満であると、帯電防止効果や滑性向上効果がほとん
ど発揮されず、混練経費増になるだけである。また、添
加量が5.0重量%を越えると、増量効果がほとんどな
いだけでなく、経時によるブリードアウトの増加や樹脂
の押出し量がスクリューとのスリップのために大きく変
動し、層厚のバラツキが大きくなる等の問題が発生す
る。
【0072】必要特性,使用目的に応じて各種の添加剤
を写真特性に悪影響を及ぼさない種類・量を選択して含
ませることができる。その他の添加剤を以下に示す。 (添加剤種類) (代 表 例) (1)可 塑 剤:フタル酸エステル,グリコールエステル,脂肪酸エステル, リン酸エステル等 (2)安 定 剤:鉛系,カドミウム系,亜鉛系,アルカリ土類金属系,有機ス ズ系等 (3)難 燃 剤:燐酸エステル,ハロゲン化燐酸エステル,ハロゲン化物,無 機物,含燐ポリオール等 (4)充 填 剤:アルミナ,カオリン,クレー,炭酸カルシウム,マイカ,タ ルク,酸化チタン,シリカ等 (5)補 強 剤:ガラスロービング,金属繊維,ガラス繊維,ガラスミルドフ ァイバー,炭素繊維等 (6)発 泡 剤:無機発泡剤(炭酸アンモニア,重炭酸ソーダ),有機発泡剤 (ニトロソ系,アゾ系)等 (7)加 硫 剤:加硫促進剤,促進助剤等 (8)劣化防止剤:紫外線吸収剤,金属不活性化剤,過酸化物分解剤等 (9)カップリング剤:シラン系,チタネート系,クロム系,アルミニウム系等 (10)各種の熱可塑性樹脂,熱可塑性エラストマー,合成ゴム等
【0073】
【実施例】図7に、本発明の写真フイルムカートリッジ
の落下試験の結果を纏めたグラフを示す。なお、図7に
結果を示す落下試験の条件は、以下の通りである。 サンプルカートリッジ数: 50個 落下条件: 鉄板面に、1mの高さより自由落下さ
せる。 フイルムカブリ: 光量10万ルクスの光量の光を
2時間照射後に、フイルムに僅かでもカブリが生じてい
た写真フイルムカートリッジの発生率(単位:%) 嵌合ズレ量: 係合爪と被係合部との嵌合部分のズ
レ量(単位:mm)
【0074】図8に、係合爪と被係合部との幅の差であ
る嵌合部分の隙間量(図1中のD−d)と、嵌合ズレ
量、及び組立時の仮嵌合ミスの発生率との関係を表すグ
ラフを示す。この図8に示すグラフによれば、嵌合部分
の隙間量を0.05mm以上にすれば、嵌合ズレ量をフ
イルムカブリの危険のない0.02mm以下に抑えられ
る。また、嵌合部分の隙間量を0.4mm以下にすれ
ば、仮嵌合ミスの発生率を8%以下に抑えられる。特に
嵌合部分の隙間量を0.3mm以下にすれば、仮嵌合ミ
スの発生率を3%以下に抑えられるようになることがわ
かる。
【0075】
【発明の効果】以上説明したように、本発明では、写真
フイルムを巻き付けたスプールを回転自在に収納するカ
ートリッジ本体を構成する上ケースと下ケースの何れか
一方に、カートリッジ本体の周面に沿って板状に延びた
係止爪が一体に形成されるとともに、他方に、この係止
爪全体が進入して嵌合する溝状の被係止部が形成され、
これら係止爪と被係止部とを嵌合させることによって前
記上ケースと下ケースとが一体に結合する写真フイルム
カートリッジにおいて、係止爪の横幅が、被係止部の溝
幅よりも0.05〜0.4mmの範囲で細くなるよう
に、係止爪と被係止部とを形成したので、係止爪と被係
止部との嵌合後に、カートリッジ本体に衝撃や振動が加
わっても嵌合部分が破損することがなく、また、嵌合時
に係止爪から削れ屑が生じることを防止した写真フイル
ムカートリッジを提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の写真フイルムカートリッジにおける、
嵌合部分を上面から見た時の拡大平面図である。
【図2】図1に示した写真フイルムカートリッジの外観
斜視図である。
【図3】図1に示した写真フイルムカートリッジの分解
斜視図である。
【図4】図1に示した写真フイルムカートリッジの断面
図である。
【図5】図1に示した写真フイルムカートリッジを側面
から見た時の一部破断図である。
【図6】図5における嵌合部分の拡大図である。
【図7】本発明の写真フイルムカートリッジの落下試験
の結果を纏めたグラフである。
【図8】本発明の写真フイルムカートリッジにおける、
嵌合部分の隙間量と嵌合ズレ量、及び組立時の仮嵌合ミ
スの発生率との関係を表すグラフを示す。
【符号の説明】
10 カートリッジ本体 11 上ケース 12 下ケース 33,34,35,36 係止爪 35a 突起部 37,38 被係止部 37a 凹面

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 写真フイルムを巻き付けたスプールを回
    転自在に収納するカートリッジ本体を構成する上ケース
    と下ケースの何れか一方に、カートリッジ本体の周面に
    沿って板状に延びた係止爪が一体に形成されるととも
    に、他方に、この係止爪全体が進入して嵌合する溝状の
    被係止部が形成され、これら係止爪と被係止部とを嵌合
    させることによって前記上ケースと下ケースとが一体に
    結合する写真フイルムカートリッジにおいて、 前記係止爪の横幅が、前記被係止部の溝幅よりも0.0
    5〜0.4mmの範囲で細くなるように、前記係止爪と
    前記被係止部とを形成したことを特徴とする写真フイル
    ムカートリッジ。
  2. 【請求項2】 前記上ケースと下ケースは、前記係止爪
    と被係止部との嵌合後に、超音波接合されることを特徴
    とする請求項1記載の写真フイルムカートリッジ。
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