JPH1152516A - 写真フイルムカートリッジ - Google Patents

写真フイルムカートリッジ

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Publication number
JPH1152516A
JPH1152516A JP20413897A JP20413897A JPH1152516A JP H1152516 A JPH1152516 A JP H1152516A JP 20413897 A JP20413897 A JP 20413897A JP 20413897 A JP20413897 A JP 20413897A JP H1152516 A JPH1152516 A JP H1152516A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
nylon
photographic film
flange
film
polymerization
Prior art date
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Pending
Application number
JP20413897A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazunori Mizuno
和則 水野
Tadashi Mochizuki
正 望月
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
Priority to JP20413897A priority Critical patent/JPH1152516A/ja
Publication of JPH1152516A publication Critical patent/JPH1152516A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フイルム給送時の削り屑の発生、及び摺動音
が少なく、スラスト力が高くて耐衝撃性に優れ、かつ成
形性の優れたフランジを有する写真フイルムカートリッ
ジを提供する。 【解決手段】 フランジ27,28は、平均重合度の異
なる2種類のナイロン樹脂を混合して形成される。これ
らナイロン樹脂は、一方のナイロン樹脂の平均重合度が
他方のナイロン樹脂の平均重合度よりも2〜10倍高い
ものが用いられ、最大厚さが0.3mm以下、最小厚さが
0.05mm以上になるように射出成形される。この内、
一方のナイロン樹脂の平均重合度は100〜300であ
り、他方のナイロン樹脂の平均重合度は700〜100
0である。このようなナイロン樹脂としては、例えば、
6ナイロン、及び6−6ナイロンが挙げられる。そし
て、これら重合度の異なる2種類ナイロン樹脂の混合比
は、30対70〜70対30の範囲である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、スプール軸の回転によ
って写真フイルムをカートリッジ本体外部に送り出す写
真フイルムカートリッジに関し、さらに詳しくは、写真
フイルムが巻回されるスプール軸の両端に取り付けられ
るフランジに関するものである。
【0002】
【従来の技術】最近では、米国特許第5296887号
明細書、特開平2−18545号公報、特開平4−32
0258号公報等に記載されているように、カートリッ
ジ本体を樹脂成形品で組み立てるとともに、スプール軸
の回転によって写真フイルムをカートリッジ本体外に送
り出す機能をもった写真フイルムカートリッジが開発さ
れている。また、現像済み写真フイルムの収納や保管を
容易にするために、上記の機能をもったカートリッジ本
体を現像済み写真フイルムの収納容器として用いること
が特開平3−179341号公報等で提案されている。
【0003】これらの写真フイルムカートリッジでは、
スプール軸の回転を写真フイルムに確実に伝達させるた
めに、スプール軸の両端に取り付けられる一対のフラン
ジの周縁にリップを形成し、これらのリップによって写
真フイルムの最外周の側縁を包み込んで写真フイルムの
巻き緩みを防止するようにしている。
【0004】写真フイルムを送り出す際には、フイルム
通路の付近で一対のフランジを写真フイルムにより押し
広げ、リップの包み込みを解除する必要がある。したが
ってフランジは常に変形して回転するから、薄肉に形成
される。しかもフランジは剛性や耐摩耗性等の所定の特
性を備える必要がある。
【0005】フランジに剛性や耐摩耗性等の所定の特性
を持たせるためには、先ず材料の選定を行う必要があ
る。しかも、この材料の選定に当たっては成形方法を考
慮する必要がある。これらの両者を充分考慮した上で好
ましい材料及び成形法が、例えば、特開平4−2518
41号公報や特開平6−148808号公報に記載され
ている。これら公報記載のものでは、押し出し形成され
た薄肉のポリエチレン系樹脂シート(厚み0.3mm )を加
熱軟化させて、真空又は圧空成形により熱成形させ、そ
の後に打ち抜き工程で所定の形状に打ち抜いてフランジ
を形成するようにしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
たフランジを用いてもなお、反復給送によりフランジが
削れて破損し、写真フイルムの送り出しができなくなる
ことがあった。そして、フランジが削れることにより削
り屑が発生し、この削り屑が写真撮影時に影となって写
り込んだり、カメラの磁気記録性能に影響を与える。ま
た、現像所等、多くの本数の写真フイルムカートリッジ
を処理する場所においては、接合機やフイルム抜き取り
機等に削り屑が多く溜まるようになるため、削り屑の清
掃を頻繁に行わなければならず、作業性が悪化するとい
う問題も発生している。
【0007】また、温度が低い状態で写真フイルムカー
トリッジを誤って落下させたりすると、写真フイルムロ
ールがフランジに衝撃を与え、フランジに亀裂が入って
給送耐久回数が著しく低下することもある。更に、高湿
度下ではフランジが軟化するため、写真フイルムを送り
出そうとすると、写真フイルムの剛性により、送り出し
力が低下したり、フランジが潰れてしまうこともあっ
た。
【0008】このため、例えば、特開平8−14656
2号公報では、ナイロン変性ポリフェニレンエーテルを
使用したフランジが記載されているが、フランジの材質
として通常の6ナイロンや6−6ナイロンを単独で使用
すると、成形途中で樹脂が固化し、フランジが正しい形
状に成形されないという問題がある。また、成形条件を
変更して樹脂温度を高くして成形すると、材料樹脂の分
解が発生し、ヤケ、バリ、フランジの強度低下等の原因
となる。
【0009】また、フランジの材質として12ナイロン
を使用すると、フランジの耐削れ性が悪化して、写真フ
イルムとフランジが擦れることより耳障りな騒音が発生
するという問題が起こる。
【0010】本発明は上記問題点を解決するためになさ
れたもので、フイルム給送時の削り屑の発生、及び摺動
音が少なく、スラスト力が高くて耐衝撃性に優れ、かつ
成形性の優れたフランジを有する写真フイルムカートリ
ッジを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために、写真フイルムの巻き緩みを防止するリップ
を有するフランジの素材として、ポリフェニレンエーテ
ル樹脂とナイロン樹脂とを含むナイロン変性ポリフェニ
レンエーテルを用いたものであり、このナイロン樹脂
は、一方のナイロン樹脂の平均重合度が他方のナイロン
樹脂の平均重合度よりも2〜10倍高い、少なくとも平
均重合度の異なる2種類のナイロン樹脂であり、最大厚
さが0.3mm以下、最小厚さが0.05mm以上になるよ
うに射出成形したものである。
【0012】請求項2においては、前記一方のナイロン
樹脂の平均重合度を100〜300とするとともに、前
記他方のナイロン樹脂の平均重合度を700〜1000
にしたものである。また、請求項3においては、前記ナ
イロン樹脂を、6ナイロン、又は6−6ナイロン、若し
くはその両方としたものである。更に、請求項4におい
ては、前記一方のナイロン樹脂と他方のナイロン樹脂と
の混合比を、30対70〜70対30の範囲としたもの
である。
【0013】
【発明の実施の形態】図1に示すように、本発明の写真
フイルムカートリッジ10は、カートリッジ本体11の
内部に、写真フイルム12を巻き付けたスプール13を
回動自在に収納しており、スプール13を写真フイルム
送り出し方向に回転させることにより写真フイルム12
をその先端からカートリッジ本体11の外部に送り出す
ように構成されている。
【0014】カートリッジ本体11は、樹脂の一体成型
品からなる上ケース14と下ケース15とから構成され
ている。これらケース14,15は、下ケース15に設
けた4つの係合爪16を上ケース14に係止させること
により、嵌め合わされ一体化される。このカートリッジ
本体11の外周にはラベル17が貼着される。
【0015】カートリッジ本体11の内部は情報室1
8、フイルム室19、及び表示室20の3つの部屋に仕
切られている。また、各ケース14,15の接合面の一
部には写真フイルム12を送り出すためのフイルム通路
21が形成されている。フイルム通路21には、ここか
らの入光を防止するためにフイルム通路21を開閉する
蓋部材22と、奥で写真フイルム13の先端を分離する
分離爪23とが設けられている。蓋部材22の両端部に
はキー24,25が形成されている。キー24,25
は、写真フイルムカートリッジ10がカメラに装填され
た際に、カメラ側の開閉用駆動軸と連結され、この駆動
軸の回動によって蓋部材22はフイルム通路21を塞ぐ
位置と開く位置とにセットされる。
【0016】スプール13は、スプール軸26、一対の
フランジ27,28、及び回転部材29とから構成され
ており、これら部品は全て樹脂の一体成型品である。ス
プール軸26には、データ板30、フランジ取り付け用
の一対の受け鍔31,32、写真フイルム後端係止用の
スリット33、回転部材支持部34、キー35,36が
一体に形成されている。キー35,36は、写真フイル
ムカートリッジ10がカメラに装填された際に、カメラ
側の駆動軸と連結され、この駆動軸の回動によってスプ
ール軸26は回動される。
【0017】前記スリット33には、弾性を有する押さ
えリブ33a,33bと、係止爪33c,33dとが設
けられている。係止爪33c,33dには、写真フイル
ム12の後端12aに設けた2つの係止孔12b,12
cが係止する。また、押さえリブ33a,33bには、
係止孔12b,12cとの間に設けた長孔12dが嵌ま
り込む。更に、押さえリブ33a,33bは、係止孔1
2b,12cから係止爪33c,33dが脱落すること
のないように写真フイルム12の後端12aを押さえ
る。この状態で、写真フイルム12がスプール軸26に
巻回される。
【0018】回転部材29には、ラチェット爪37を設
けた円板38、ギヤ39、及び表示板40が一体に形成
されており、これらはスプール軸26と一体に回転す
る。写真フイルム12が巻回されたスプール13をカー
トリッジ本体11に組み込むと、フランジ27,28が
写真フイルム12と共にフイルム室19に収納され、デ
ータ板30が情報室18に、また表示板40とギヤ39
とが表示室20にそれぞれ収納される。
【0019】図1に示すように、データ板30の外面に
は、バーコード41aを印刷した粘着ラベル41が貼り
付けられている。このバーコード41aは、フイルム感
度,撮影枚数,写真フイルムの種類等を表している。こ
のバーコード41aはカメラや写真プリンタに設けた読
取りセンサによって読み取られる。この読み取りは、ス
プール13がフイルム送り出し方向に回転したときに行
われ、図2に示すように、上ケース14の側面に形成さ
れた読取り開口42から読み取られる。なお、粘着ラベ
ル41を省略し、バーコード41aをパッド印刷、又は
箔押しホットスタンプ等でデータ板30に直接に印刷し
てもよい。
【0020】表示板40は、カートリッジ本体11に収
納されている写真フイルム12が露光済みであるか否
か、また現像済みであるか否か等の状態を表示するため
に用いられる。表示板40は、図3に示すように、表示
室20側の側面に形成された形の異なる4つの表示窓4
3〜46のいずれか1つに位置決めされる。この表示板
40が位置決めされた表示窓43〜46から、写真フイ
ルム12の各状態が識別可能になる。
【0021】表示室20の内部には、ギヤ39と噛み合
うようにスプールロック47が収納されている。このス
プールロック47は、蓋部材22が開き位置の時にスプ
ール13の回動を許容し、蓋部材22が閉じ位置の時に
スプール13の回動を規制してこれをロックする。この
ため、図3に示すように、スプールロック47は、本体
部47aの両端に、弾性変形するアーム47b,47c
を、本体部47aの中央部に係合爪47dを備えてい
る。アーム47bは蓋部材22が閉じ位置のときにキー
48に当接しており、これにより係合爪47dをギヤ3
9側に押し付け、ギヤ39と係合爪47dとを噛み合せ
て、スプール13の回動を規制している。したがって、
写真フイルムカートリッジ10が未使用状態である時に
は、蓋部材22が閉じ位置になっているので、スプール
13の回動が阻止される。
【0022】アーム47cは、表示室20内に形成され
た係合突起49に当接して、係合爪47dとギヤ39と
の噛み合いを解除する方向に本体部47aを付勢してい
る。そして、蓋部材22が開き位置の時にはキー48に
よるアーム47bへの押圧が解除されると、アーム47
cによって、係合爪47dとギヤ39との噛み合いが解
除され、スプール13はフリー状態になる。したがっ
て、カメラ側の開閉用駆動軸によって蓋部材22が開き
位置に回転操作されると、スプール13の回動が可能に
なり、フイルムの送り出しや巻き取りが行われる。
【0023】図4に示すように、一対のフランジ27,
28は、データ板30と回転部材29との間で、且つ写
真フイルム12の幅分だけ間隔を持たせた状態で一対の
受け鍔31,32に取り付けられる。この取り付けに際
して、自動組み立てが容易に行えるように、一対のフラ
ンジ27,28を一方向から挿入できるようにしてい
る。
【0024】このため、スプール軸26の一対の受け鍔
31,32をそれぞれ大径と小径とし、これに対応させ
て一対のフランジ27,28に大径開口27aと小径開
口28aとを形成している。したがって、一方側のフラ
ンジ27はこれの大径開口27aが小径の受け鍔32を
通り抜けて挿入方向の反対側の大径の受け鍔31に回動
自在に嵌合され、また他方側のフランジ28は、これに
設けた小径の開口28aが小径の受け鍔32に回動自在
に嵌合される。
【0025】他方側のフランジ28には、スプール軸2
6の軸方向に対して直交する円周壁にこれの円周方向に
沿って所定ピッチで4個の穴28bが形成されている。
これらの穴28bには、スプール軸26が写真フイルム
送り出し方向に回転した際に回転部材29のラチェット
爪37が係合する。ラチェット爪37は、前記穴28b
に係合した際にスプール軸26の回転をフランジ28に
伝達させ、また、スプール軸26が写真フイルム巻き込
み方向(写真フイルム送り出し方向とは逆方向)に回転
した際には前記穴28bに係合せず、スプール軸26の
回転をフランジ28に伝達させることはない。
【0026】図4に示すように、一対のフランジ27,
28には、外周縁にリップ27b,28cがそれぞれ一
体に形成されている。これらのリップ27b,28c
は、スプール軸26が写真フイルム送り出し方向に回転
した際に写真フイルム12の最外周の両側縁部を包み込
んで、スプール軸26の回転を写真フイルム12の最外
周に伝達させるとともに、写真フイルム12が巻き緩む
ことを防止する。また、写真フイルム12を巻き取る際
には、他方側のフランジ28が回転しないことからこれ
のリップ28cが写真フイルム12との間で滑りを生じ
させて写真フイルム12の巻き緩みを防止する。
【0027】なお、写真フイルム12は、スプール軸2
6の写真フイルム送り出し方向への回転の際に分離爪2
3によって写真フイルム12の先端がフイルム通路21
に向けて掬われ、フランジ27,28のリップ27b,
27cを押し広げながらカートリッジ本体11の外部に
送り出される。また、上・下ケース14,15のフイル
ム室19内には、フイルム通路21以外の範囲でフラン
ジ27,28が外側に向けて折れ曲がるのを防止するた
めのフランジ規制リブ50(図1参照)が一体に形成さ
れている。
【0028】フランジ27,28は、図5及び図6に示
すように、側面から見た輪郭形状が円形をしている。フ
ランジ27,28の厚みとしては、容易に変形でき、し
かもフランジ規制リブ50(図1参照)との摩擦抵抗を
低減させるために、最大で0.3mm以下が好適である。
しかもこれらのフランジ折れ曲がり規制リブ50や写真
フイルム12との摩擦によって摩擦粉が生じないように
耐摩耗性の有する材質で形成する必要がある。
【0029】また、フランジ27,28の特性として
は、写真フイルム12の巻き緩みを防止するために、あ
る程度の剛性が必要である。また、本発明の写真フイル
ムカートリッジ10は、未露光写真フイルム12及び現
像済み写真フイルム12も収納することを考慮されてい
るため、長期間使用される。このため、フランジ27,
28の特性としては耐久性が要求され、しかも高温環境
下に数時間置かれても変形しないような耐熱性も要求さ
れ、充分に満たす樹脂でフランジ27,28が成形され
る。
【0030】このようなフランジ27,28は、ポリフ
ェニレンエーテル樹脂(PPE)と、平均重合度の異な
る2種類のナイロン樹脂を混合して形成される。これら
ナイロン樹脂は、一方のナイロン樹脂の平均重合度が他
方のナイロン樹脂の平均重合度よりも2〜10倍高いも
のが用いられ、最大厚さが0.3mm以下になるように射
出成形される。この内、一方のナイロン樹脂の平均重合
度は100〜300であり、他方のナイロン樹脂の平均
重合度は700〜1000である。このようなナイロン
樹脂としては、例えば、6ナイロン、及び6−6ナイロ
ンが挙げられる。そして、これら重合度の異なる2種類
ナイロン樹脂の混合比は、30対70〜70対30の範
囲である。
【0031】
【実施例】本発明の実施例として、フランジを構成する
樹脂である2種類のナイロン樹脂の組み合わせを変えて
作成したサンプルと従来のフランジとの比較を以下の表
1に示す。なお、表中の条件等は、表の後に纏めて記載
する。
【0032】
【表1】 〔測定方法〕 1、平均重合度 ・溶液粘度法により平均分子量Mを求め、単量体の分子
量m(構造式より求める)を使って、式「M=m×P」
より平均重合度を求めた。 ・「新版高分子分析ハンドブック、704(199
5)」(紀伊国屋書店)に掲載のナイロン重合度測定法
を参照した。 2、成形性 ・金型の構造を、最大部分の隙間が0.18mm、ゲートから
最も離れた部分までの距離が12mmの円形ディスクとし
た。 ・成形は、住友重機械工業株式会社製「SG75M−H
P」型成形機を使用して、射出速度600mm/sec 、金型温
度80℃、樹脂温度280 ℃で、200ショット成形した。 200ショットとも正常に成形できた場合「○」 200ショット中、正常な形にならないものが5ショッ
ト以内の場合「△」 200ショット中、正常な形にならないものが6ショッ
ト以上の場合「×」 3、スラスト力 ・富士写真フィルム株式会社製「ネクシアA」25枚撮
りの写真フイルムを使用し、サンプルのフランジを使用
して写真フイルムカートリッジを組み立て密封袋中で50
℃16時間経時させた後、フイルム先端が170mm を押せ
る力を5本測定し、その最大値の平均をとった。(単
位:g) 4、耐久性 ・カートリッジ本体から写真フイルムを全量引き出し、
その後巻き戻す動作を600回反復して行い、10本中
10本とも写真フイルムの出し入れができた場合を
「○」とし、1本でも途中でストップした場合を「×」
とした。 5、削れ性 ・カートリッジを富士写真フィルム株式会社製APSカ
メラ「エピオン10」に順番に装填し、1本あたり全長
撮影後巻き戻し、合計50本実施した。そして、カメラ
の裏蓋を開けて、テイクアップローラに付着した削れ粉
を観察し、粉の発生が散発している程度であれば
「○」、フイルム端部接触位置が連続的に白くなってい
れば「×」とした。
【0033】以上の結果より、写真フイルムカートリッ
ジのフランジに、一方の平均重合度が100〜300
で、他方の平均重合度が700〜1000の2種類のナ
イロン樹脂を、30対70〜70対30の範囲で混合し
た樹脂を用いることにより、フイルム給送時の削り屑の
発生、及び摺動音が少なく、スラスト力が高くて耐衝撃
性に優れ、かつ成形性の優れたフランジとすることがで
きる。
【0034】また、写真フイルム12やスプール軸26
等に接触するフランジ27,28部分に型跡がつくと写
真フイルム12の傷等やフイルム給送のトラブル等が生
じるおそれがある。型跡としては、パーティングライン
とゲート跡等である。パーティングラインには、生産数
が増えるにつれてバリが生じやすい。そこで、これらの
フランジ27,28には、図4に示すように、金型同士
の接触及び分離を行う部分としてリップ27b,28c
の外周縁に僅かな鍔27c,28dを設けた形状とし
た。これにより、パーティングラインがこれらの鍔27
c,28dの外周部分に生じることになり、万が一バリ
が発生しても容易に除去できる。
【0035】上記射出成形で作られたフランジ61の肉
厚は、必ずしも均一である必要はなく、むしろフランジ
61に要求される性能に応じて積極的に肉厚を部分的に
変動させることが好ましい。この変動幅としては、図8
に示すように、スプール軸取付部61f、段差部61
g、フランジ本体61e、リップ61c、鍔61dの各
肉厚t1,t2,t3,t4,t5が0.10〜0.3
0mmの範囲内で、これらを連続するコーナー部C1,C
2,C3,C4の肉厚tc1〜tc4が0.05〜0.
25mmの範囲内で用いられる。より好ましくは、肉厚t
1〜t5が0.13〜0.25mmの範囲内で、コーナー
部C1〜C4の肉厚tc1〜tc4が0.08〜0.2
0mmの範囲内で用いられる。
【0036】各部の肉厚t1〜t5は0.1mm未満にす
ると射出成形が困難になる。また、各部の肉厚t1〜t
5が0.3mmを越えると、写真フイルムカートリッジ内
にフランジ61を組み込んで用いた場合にフイルム引き
出し抵抗が極端に大きくなり、実用上使用することがで
きなくなる。また、最大肉厚/最小肉厚をkとすると、
このkは1≦k≦6、好ましくは1≦k≦2.7の範囲
内にする。また、各コーナーC1〜C4の肉厚tc1〜
tc4は各部の肉厚t1〜t5と同じにしてもよい。ま
た、ゲート部の厚みを変化させてもよい。このゲート部
厚みを大きくすると、樹脂の流れの抵抗が減少して成形
しやすくなる。
【0037】図8では、スプール軸取付部61f、段差
部61g、フランジ本体61e、リップ61c、鍔61
dの各肉厚t1〜t5を0.15mmとし、これらを連続
するコーナー部C1,C2,C3の各肉厚tc1〜tc
3を0.10mmとしている。また、リップ61cの外周
に形成した鍔61dとフランジ本体61eの内面とのな
す角度θ1は0°〜30°とされ、本実施例では10°
の角度になっている。この角度θ1を0°とすること
で、鍔61dがフランジ本体61eと平行になり、射出
成形用金型の加工が容易になる。
【0038】リップ61cと鍔61dとの角部C4は、
フイルムとフランジ61とが直接接触するため、この角
部C4の丸め量R1は写真フイルムの円滑な送り出しや
引き出し抵抗等に与える影響が大きい。このため、この
角部C4の面取りによる丸め量は半径R1=0.10〜
0.60mmとされ、本実施例では0.40mmとされてい
る。
【0039】また、リップ61cとフランジ本体61e
とのなす角度は、内側でθ2=81°〜89°とされ、
外側では抜き勾配程度の角度θ3=90°以上とされ、
本実施例ではθ2=85°、θ3=90°にしている。
このため、リップ61cとこれに続く角部C4とは他の
部分に比べて少し肉厚になってしまうが、これによっ
て、写真フイルムを給送するときに、写真フイルムの側
縁と角部C4とが接触することによる耐久性に対し優れ
たものとなる。また、フランジ本体61eと段差部61
gとのなす角度θ4は90°〜135°とされ、本実施
例では100°とされている。
【0040】図8に示す各部の肉厚t1〜t5を0.1
5mmとし、各肉厚tc1〜tc3を0.10mmとし、θ
1=90°、θ2=85°、θ3=90°、θ4=10
0°としたフランジを用いた写真フイルムカートリッジ
では、フイルムの引き出し抵抗が約200g から約15
0g となり、約25%減少した。また、写真フイルムを
全長分繰り返して出し入れする耐久性テストでは約25
0回から約500回以上となり、約2倍ほど耐久性が向
上した。また、写真フイルムをカートリッジ内に巻き込
むときにバックテンションをかけないで巻き込んだ場合
の成功率は約50%から約75%となり,約1.5倍ほ
ど向上した。
【0041】なお、本実施例では、ゲートとしてダイレ
クトゲートであるスプルーゲートを示したが、ピンゲー
ト系のピンゲート,トンネルゲート,サブマリーンゲー
トを用いたり、フイルムゲート系のフイルムゲートやリ
ングゲートあるいはディスクゲートを用いることもでき
る。また、図10に拡大して示すように、基準突起72
には逆テーパー部分75が設けてあり、この逆テーパー
部分75により成形後の成形品の取出しが容易になるよ
うにしてある。
【0042】このようなフランジに添加する帯電防止剤
としては、例えばポリ(オキシエチレン)アルキルアミ
ン、ポリ(オキシエチレン)アルキルアミド、ポリ(オ
キシエチレン)アルキルエーテル、ポリ(オキシエチレ
ン)アルキルフェニルエーテル、グリセリン脂肪酸エス
テル、ソルビタン脂肪酸エステル、アルキルスルホネー
ト、アルキルベンゼンスルホネート、アルキルサルフェ
ート、アルキルホスフェート、第4級アンモニウムクロ
ライド、第4級アンモニウムサルファイト、第4級アン
モニウムナイトレート、アルキルベタイン型、アルキル
イミダゾリン型、アルキルアラニン型、ポリビニルベン
ジン型カチオン、ポリアクリル酸型カチオン等がある。
【0043】また写真フイルム12との摩擦抵抗を更に
少なくするために、また写真フイルム12に光カブリ等
の悪影響を与えないようにするために、フランジ27,
28を成形する樹脂には、本発明の効果を損なわない範
囲で滑剤、遮光性物質、酸化防止剤、熱安定剤、さらに
は適宜の可塑剤や充填剤を必要に応じて加えることがで
きる。
【0044】フランジ27,28を成形する樹脂に用い
ることができる代表的な滑剤名と製造メーカー名を以下
に挙げる。 (1)シリコーン系滑剤 各種グレードのジメチルポリシロキサン及びその変性物
(信越シリコーン、東レシリコーン) (2)オレイン酸アミド滑剤 アーモスリップCP(ライオン・アクゾ)、ニュートロ
ン(日本精化)、ニュートロンE−18(日本精化)、
アマイドO(日東化学)、アルフロE :10(日本油
脂)、ダイヤミッドO−200(日本化成)、ダイヤミ
ッドC−200(日本化成)等
【0045】(3)エルカ酸アミド系滑剤 アルフロ−F−10(日本油脂)等 (4)ステアリン酸アミド系滑剤 アルフロ−S−10(日本油脂)、ニュートロン2(日
本精化)、ダイヤミッド200(日本化成)等 (5)ビス脂肪酸アミド系滑剤 ビスアマイド(日本化成)、ダイヤミッド200ビス
(日本化成)、アーモワックスBBS(ライオン・アク
ゾ)等 (6)非イオン界面活性剤系滑剤 エレクトロストリッパーTS−2、エレクトロストリッ
パー−TS−3(花王石鹸)等
【0046】(7)炭化水素系滑剤 流動パラフィン、天然パラフィン、マイクロワックス、
合成パラフィン、ポリエチレンワックス、ポリプロピレ
ンワックス、塩素化炭化水素、フルオロカーボン (8)脂肪酸系滑剤 高級脂肪酸(C12以上が好ましい)、オキシ脂肪酸 (9)エステル系滑剤 脂肪酸の低級アルコールエステル、脂肪酸の多価アルコ
ールエステル、脂肪酸のポリグリコールエステル、脂肪
酸の脂肪アルコールエステル
【0047】(10)アルコール系滑剤 多価アルコール、ポリグリコール、ポリグリセロール (11)金属石けん ラウリン酸、ステアリン酸、リシノール酸、ナフテン
酸、オレイン酸等の高級脂肪酸とLi、Mg、Ca、S
r、Ba、Zn、Cd、Al、Sn、Pb等の金属との
化合物
【0048】また、遮光性を確保するために添加される
遮光性物質としては以下のものが挙げられる。なお、現
像済み写真フイルム12だけを収納するタイプの写真フ
イルムカートリッジ10では遮光性物質を添加する必要
はない。 (1)無機化合物 A.酸化物 シリカ、ケイ藻土、アルミナ、酸化チタン、酸化鉄、酸
化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化アンチモン、バリウム
フェライト、ストロンチウムフェライト、酸化ベリリウ
ム、軽石、軽石バルーン、アルミナ繊維等 B.水酸化物 水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、塩基性炭酸
マグネシウム等 C.炭酸塩 炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ドロマイト、ドー
ソナイト等
【0049】D.(亜)硫酸塩 硫酸カルシウム、硫酸バリウム、硫酸アンモニウム、亜
硫酸カルシウム等 E.ケイ酸塩 タルク、クレー、マイカ、アスベスト、ガラス繊維、ガ
ラスバルーン、ガラスビーズ、ケイ酸カルシウム、モン
モリロナイト、ベントナイト等 F.炭素 カーボンブラック、グラファイト、炭素繊維、炭素中空
球等 G.その他 鉄粉、銅粉、鉛粉、錫粉、ステンレス粉、パール顔料、
アルミニウム粉、硫化モリブデン、ボロン繊維、炭化ケ
イ素繊維、黄銅繊維、チタン酸カリウム、チタン酸ジル
コン酸鉛、ホウ酸亜鉛、メタホウ酸バリウム、ホウ酸カ
ルシウム、ホウ酸ナトリウム、アルミニウムペースト、
タルク等 (2)有機化合物 木粉(松、樫、のこぎり屑等)、穀繊維(アーモンド、
ピーナッツ、モミ殻等)、着色した各種の繊維例えば木
綿、ジュート、紙細片、セロハン片、ナイロン繊維、ポ
リプロピレン繊維、デンプン、芳香族ポリアミド繊維等
【0050】これらの遮光性物質の中で、ブリードアウ
ト量を減少させることができるのでカーボンブラックが
好ましい。含有量としては0.01重量%以上が好適で
ある。特に好ましいカーボンブラックの原料による分類
例を挙げると、ガスブラック、ファーネスブラック、チ
ャンネルブラック、アントラセンブラック、アセチレン
ブラック、ケッチェンカーボンブラック、ランプブラッ
ク、油煙、松煙、アニマルブラック、ベジタブルブラッ
ク等がある。
【0051】遮光性、コスト、物性向上の目的ではファ
ーネスカーボンブラックが好ましく、高価であるが帯電
防止効果を有する遮光性物質としてはアセチレンカーボ
ンブラック、変性合成カーボンブラックであるケッチェ
ンカーボンブラックが好ましい。必要により、前者と後
者とを必要特性にしたがってミックスすることも好まし
い。
【0052】遮光性物質を配合する形態は種々あるが、
マスターバッチ法がコスト、作業場の汚染防止等の点で
好ましい。特公昭40−26196号公報には有機溶媒
に溶解した重合体の溶液中にカーボンブラックを分散さ
せて重合体−カーボンブラックのマスターバッチを作る
方法が記載され、特公昭43−10362号公報にはカ
ーボンブラックをポリエチレンに分散してマスターバッ
チを作る方法が記載されている。
【0053】フランジ27,28等の写真感光材料用成
形品として使用する上で写真フイルム12等の写真感光
材料に対してカブリの発生がなく、感光度の増減の発生
が少なく、遮光能力が大きく、樹脂組成物中に添加した
場合でもカーボンブラックの塊(ブツ)の発生やフィッ
シュアイ等によるピンホールが発生しにくい点で、カー
ボンブラックの中でもpH6.0〜9.0、平均粒子径
10〜120μmのものが好ましく、これらの中でも特
に揮発成分が2.0%以下、吸油量が50ml/100
g以上のファーネスカーボンブラックが好ましい。チャ
ンネルカーボンブラックは高価な上に、写真フイルム1
2にカブリを発生させるものが多く好ましくない。どう
しても使用する必要がある場合でも、写真性に及ぼす影
響を調査して選択すべきである。
【0054】好ましいカーボンブラックの市販品として
は、例えば三菱化学製のカーボンブラック♯20
(B)、♯30(B)、♯33(B)、♯40(B)、
♯44(B)、♯45(B)、♯50、♯55、♯10
0、♯600、♯950、♯1000、♯2200
(B)、♯2400(B)、MA8、MA11、MA1
00等が挙げられる。
【0055】海外の製品としては、例えばキャボット社
のBlack Pearls 2、46、70、71、74、80、
81、607等、Regal 300、330、400、66
0、991、SRF−S等、Vulcan 3、6等、Sterli
ng 10、SO、V、S、FT−FF、MT−FF等が
挙げられる。さらに、アシュランドケミカル社のUni-te
d R、BB、15、102、3001、3004、3
006、3007、3008、3009、3011、3
012、XC−3016、XC−3017、3020が
挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0056】遮光性物質の添加量は、好ましくは0.1
〜15重量%、より好ましくは0.5〜10重量%、最
も好ましくは1.0〜7.0重量%の範囲である。
【0057】また、樹脂の熱劣化防止及びフィッシュア
イやブツ(塊状の不均一故障)の発生を防止するため
に、酸化防止剤を添加することが好ましい。酸化防止剤
の代表例を以下に示す。
【0058】(イ)フェノール系酸化防止剤 6−t−ブチル−3−メチルフェニール誘導体、2・6
−ジ−t−ブチル−Pクレゾール、2,6−t−ブチル
−4−エチルフェノール、2・2’−メチレンビス−
(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4・4’
−ブチリデンビス(6−t−ブチル−m−クレゾー
ル)、4・4’−チオビス(6−t−ブチル−m−クレ
ゾール)、4・4−ジヒドロキシジフェニルシクロヘキ
サン、アルキル化ビスフェノール、スチレン化フェノー
ル、2・6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、
n−オクタデシル−3−(3’・5’−ジ−t−ブチル
−4’−ヒドロキシフェニル)プロピネート、2・2’
−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノー
ル、
【0059】4・4’−チオビス(3−メチル−6−t
−ブチルフェニール)、4・4’−ブチリデンビス(3
−メチル−6−t−ブチルフェノール)、ステアリル−
β(3・5−ジ−4−ブチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロピオネート、1・1・3−トリス(2−メチル
−4ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1
・3・5トリメチル−2・4・6−トリス(3・5−ジ
−t−ブチル−4ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テト
ラキス〔メチレン−3(3’・5’−ジ−t−ブチル−
4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン
【0060】(ロ)ケトンアミン縮合系酸化防止剤 6−エトキシ−2・2・4−トリメチル−1・2−ジヒ
ドロキノリン、2・2・4−トリメチル−1・2−ジヒ
ドロキノリンの重合物、トリメチルジヒドロキノリン誘
導体 (ハ)アリルアミン系酸化防止剤 フェニル−α−ナフチルアミン、N−フェニル−β−ナ
フチルアミン、n−フェニル−N’−イソピロピル−P
−フェニレンジアミン、N・N’−ジ−β−ナフチル−
P−フェニレンジアミン、N−(3’−ヒドロキシブチ
リデン)−1−ナフチルアミン
【0061】(ニ)イミダゾール系酸化防止剤 2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−メルカプトベ
ンゾイミダゾールの亜鉛塩、2−メルカプトメチルベン
ゾイミダゾール (ホ)ホスファイト系酸化防止剤 アルキル化アリルホスファイント、ジフェニルイソデシ
ルフォスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファ
イト亜リン酸ソーダ、トリノニルフェニルフォスファイ
ト、トリフェニルフォスファイト (ヘ)チオ尿素系酸化防止剤 チオ尿素誘導体、1・3−ビス(ジメチルアミノプロピ
ル)−2−チオ尿素 (ト)その他空気酸化に有用な酸化防止剤 チオジプロピオン酸ジラウリル
【0062】次に、代表的な市販酸化防止剤を以下に示
す。 (1)フェノール系酸化防止剤 SUMILIZER BHT(住友) 、IRGANOX 1076( チバガイギー)
、MARK AO-50 (アデカ・アーガス) 、SUMILIZER BP-76
(住友) 、TOMINOX SS (吉富) 、IRGANOX 565(チバガイ
ギー) 、IONOX WSP(ICI)、SANTONOX(Monsanto)、SUMILI
ZER WX R (住友)、ANTAGECRYSTAL(川口) 、IRGANOX 103
5 (チバガイギー) 、ANTAGE W-400 (川口) 、NOCLIZER
HS-6(大内新興) 、IRGANOX 1425 WL(チバガイギー) 、M
ARK AO-80(アデカ・アーガス) 、SUMILIZER GA-80(住
友) 、TOPANOL CA(ICI) 、MARK AO-30 (アデカ・アーガ
ス) 、MARK AO-20 (アデカ・アーガス) 、IRGANOX 3114
(チバガイギー) 、MARK AO-330(アデカ・アーガス) 、
IRGANOX 1330 (チバガイギー) 、CYANOX 1790(ACC)、IR
GANOX 1010 (チバガイギー) 、MARK AO-60 (アデカ・ア
ーガス) 、SUMILIZER BP-101 (住友) 、TO-MINOX (吉
富)
【0063】(2)燐系酸化防止剤 IRGAFOS 168(チバガイギー) 、MARK 2112(アデカ・アー
ガス) 、WESTON 618(ボルグワーナー) 、MARK PEP-8
(アデカ・アーガス) 、ULTRANOX 626 (ボルグ・ワーナ
ー) 、MARK PEP-24G(アデカ・アーガス) 、HCA(三光) (3)チオエーテル系酸化防止剤;DLTDP "YOSHITOMI"
(吉富) 、SUMILIZER(住友) 、ANTIOX L (日油) 、DMTD
"Y-OSHITOMI"(吉富) 、SUMILIZER TPM(住友) 、ANTIOX
M (日油) 、DSTP "YOSHITO-MI"(吉富) 、SUMILIZER TPS
(住友) 、ANTIOX S (日油) 、SEENOX 412S(シプロ)、MA
RK AO-412 S(アデカ・アーガス) 、SUMILIZER TP-D (住
友) 、MARK AO-23(アデカ・アーガス) 、SANDSTABP-EPQ
(サンド) 、IRGAFOS P-EPQ FF (チバガイギー) 、IRGAN
OX 1222 (チバガイギー) 、MARK 329K(アデカ・アーガ
ス) 、WES T-ON399(ボルグ・ワーナー) 、MARK 260 (ア
デカ・アーガス) 、MARK 522A(アデカ・アーガス) (4)金属不活性化剤 NAUGARD XL-1 (ユニロイヤル) 、MARK CDA-1 (アデカ・
アーガス) 、LRGANOX-MD-1024(チバガイギー) 、CUNOX
(三井東圧)
【0064】特に好ましい酸化防止剤は、フェノール系
の酸化防止剤であり、市販品としてはチバガイギー社の
イルガノックス各種と住友化学(株)のSumilizer BHT
、S-umilizer BH-76、Sumilizer WX-R、Sumilizer BP-
101等である。又フェノール系の酸化防止剤及び/又は
燐系酸化防止剤を2種類以上ミックスして用いると酸化
防止効果が大きくなるので好ましい。
【0065】本発明に最も好ましいヒンダードフェノー
ル系酸化防止剤の代表例を以下に示す。1,3,5−ト
リメチル2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチ
ル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス
〔メチレン−3−(3’・5’−ジ−tert−ブチル−
4’−ヒドロキシフェニル)プロビオネート〕メタン、
オクタデシル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロ
キシ−ヒドロシンナメート、2,2’,2’−トリス
〔(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロピオニルオキシ〕エチルイソシアヌレート、
1,3,5−トリス(4−tert−ブチル−3−ヒドロキ
シ−2,6−ジ−メチルベンジル〕イソシアヌレート、
テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)4,
4’−ビフェニレンジ亜リン酸エステル、
【0066】4,4’:チオビス−(6−tert−ブチル
−O−クレゾール)、2−2’チオビス(6−tert−ブ
チル−4−メチルフェノール)、トリス−(2−メチル
−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタ
ン、2,2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−te
rt−ブチルフェノール)、4,4’−メチレン−ビス−
(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、4,4’−
ブチリデン−ビス−(3−メチル−6−tert−ブチルフ
ェノール)、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフ
ェノール、4−ヒドロキシ・メチル−2,6−ジ−tert
−ブチルフェノール、2,6−ジ−tert−4−n−ブチ
ルフェノール、
【0067】2,6−ビス(2’−ハイドロキシ−3’
−tert−ブチル−5’−メチルベンジル)−4−メチル
フェノール、4,4’−メチレン−ビス−(6−tert−
ブチル−O−クレゾール、4,4’−ブチリデン−ビス
(6−tert−ブチル−m−クレゾール)、3・9−ビス
{1・1−ジメチル−2−〔β−(3−t−ブチル−4
−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキ
シ〕エチル}2,4・8,10−テトラオキサスピロ
〔5,5〕ウンデカン等が挙げられる。これらの中でも
融点が100°C以上、特に120°C以上のものが好
ましい。また、燐系酸化防止剤と併用することが効果的
である。
【0068】その他、本発明では必要により各添加剤を
用いることができる。次に、添加剤の代表例を以下に記
載するが、本発明ではこれに限定されるものではなく、
公知のあらゆるものの中から選択できる。 (添加剤種類);(代表例) (1)可塑剤;フタル酸エステル、グリコールエステ
ル、脂肪酸エステル、リン酸エステル等 (2)安定剤;鉛系、カドミウム系、亜鉛系、アルカリ
土類金属系、有酸スズ系等 (3)難燃剤;燐酸エステル、ハロゲン化燐酸エステ
ル、ハロゲン化物、無酸物、含燐ポリオール等 (4)充填剤;アルミナ、カオリン、クレー、炭酸カル
シウム、マイカ、タルク、酸化チタン、シリカ等 (5)補強剤;ガラスロービング、金属繊維、ガラス繊
維、ガラスミルドファイバー、炭素繊維等
【0069】(6)発泡剤;無機発泡剤(炭酸アンモニ
ア、重炭酸ソーダ)、有機発泡剤(ニトロン系、アゾ
系)等 (7)加硫剤;加硫促進剤、促進助剤等 (8)劣化防止剤;紫外線吸収剤、酸化防止剤、金属不
活性化剤、過酸化物分解剤等 (9)カップリング剤;シラン系、チタネート系、クロ
ム系、アルミニウム系等 (10)各種の熱可塑性樹脂;ゴム系 (11)造核剤;有機造核剤(ジベンジリデンソルピト
ール化合物等)、無機造核剤(炭酸カルシウム等)
【0070】さらに、本発明に含まれる好適な実施態様
としては、以下のものがある。 (1)ナイロン変性PPEは、ナイロンを30〜70重量
%、PPEを20〜70重量%、熱可塑性エラストマーを0
〜20重量%の組成比で構成されていることを特徴する請
求項1記載の写真フイルムカートリッジ。 (2)ポリオレフィン変性PPEは、ポリオレフィンを
30〜70重量%、PPEを20〜70重量%、熱可塑性エラス
トマーを0〜20重量%の組成比で構成されていることを
特徴する請求項1記載の写真フイルムカートリッジ。
【0071】なお、上記実施例では、スプール軸26に
取り付けるフランジ27,28のリップ27b,28c
は同じ長さで形成したが、この長さは左右で変えるよう
にしてもよい。同じ長さにする場合には、ラチェット用
穴28bを有する側のフランジ28が穴28bを形成し
た分だけ、他方の穴の無いフランジ27bに比べて剛性
が低下してしなやかになる。このため、写真フイルムを
巻き取る時に、写真フイルムが穴28bのあるフランジ
28側に寄り、写真フイルムの蛇行を少なくすることが
できる。これにより、蛇行が少なくなるため、写真フイ
ルムの巻き姿がよくなる。また、左右のフランジのリッ
プの長さを意識的に変えることにより、左右のフランジ
でしなやかさを変えフイルムの偏りが一定になるように
してもよい。
【0072】
【発明の効果】以上に説明したとおり、本発明では、写
真フイルムの巻き緩みを防止するリップを有するフラン
ジの素材として、ポリフェニレンエーテル樹脂とナイロ
ン樹脂とを含むナイロン変性ポリフェニレンエーテルを
用いたものであり、このナイロン樹脂は、一方のナイロ
ン樹脂の平均重合度が他方のナイロン樹脂の平均重合度
よりも2〜10倍高い、少なくとも平均重合度の異なる
2種類のナイロン樹脂であり、最大厚さが0.3mm以
下、最小厚さが0.05mm以上になるように射出成形し
たので、フイルム給送時の削り屑の発生、及び摺動音が
少なく、スラスト力が高くて耐衝撃性に優れ、かつ成形
性の優れたフランジを有する写真フイルムカートリッジ
を提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の写真フイルムカートリッジを示す分解
斜視図である。
【図2】写真フイルムカートリッジの左側面図である。
【図3】写真フイルムカートリッジの右側面図であり、
一部を破断して示している。
【図4】スプールの断面図である。
【図5】一方側のフランジの側面図である。
【図6】他方側のフランジの側面図である。
【図7】型内ゲートカットの概略説明図である。
【図8】同フランジの断面図である。
【図9】射出成形した後に打ち抜き加工する別の実施例
における射出成形品と、打ち抜き加工により切り離され
たフランジとスクラップ部分とを示す斜視図である。
【図10】同実施例における射出成形品の一例を示し、
(A)は平面図、(B)は断面図である。
【符号の説明】
10 写真フイルムカートリッジ 11 カートリッジ 12 写真フイルム 13 スプール 26 スプール軸 27,28,54,61,70 フランジ 27a,28a 開口 27b,28c,61c リップ 27g,28g,61g 段差部 28b,53,60 穴

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 写真フイルムをロール状に巻回したスプ
    ール軸と、このスプール軸に取り付けられる一対のフラ
    ンジと、写真フイルムの最外周側縁部を包み込むように
    少なくとも一方のフランジの外周に一体に形成され、写
    真フイルムの巻き緩みを防止するリップとを備えた写真
    フイルムカートリッジにおいて、 前記リップを有するフランジは、ポリフェニレンエーテ
    ル樹脂とナイロン樹脂とを含むナイロン変性ポリフェニ
    レンエーテルであり、前記ナイロン樹脂には、一方のナ
    イロン樹脂の平均重合度が他方のナイロン樹脂の平均重
    合度よりも2〜10倍高い、少なくとも平均重合度の異
    なる2種類のナイロン樹脂を用い、最大厚さが0.3mm
    以下、最小厚さが0.05mm以上になるように射出成形
    されたことを特徴とする写真フイルムカートリッジ。
  2. 【請求項2】 前記一方のナイロン樹脂の平均重合度は
    100〜300であり、前記他方のナイロン樹脂の平均
    重合度は700〜1000であることを特徴とする請求
    項1記載の写真フイルムカートリッジ。
  3. 【請求項3】 前記ナイロン樹脂は、6ナイロン、又は
    6−6ナイロン、若しくはその両方であることを特徴と
    する請求項1及び2記載の写真フイルムカートリッジ。
  4. 【請求項4】 前記一方のナイロン樹脂と他方のナイロ
    ン樹脂との混合比は、30対70〜70対30の範囲で
    あることを特徴とする請求項1ないし3いずれか1つ記
    載の写真フイルムカートリッジ。
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