以下、図面を参照して、本発明に係る封止部材および現像剤収容容器の好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。
まず、本発明に係る封止部材を備えた現像剤補給容器としてのトナー補給容器が装着される画像形成装置の一例である電子写真画像形成装置の構成について図1に基づいて説明する。
[電子写真画像形成装置]
図1に示す電子写真複写機本体(以下、「装置本体」という)100において、原稿101が原稿台ガラス102の上に置かれると、原稿101の画像情報に応じた光像が光学部103の複数のミラーMとレンズLnにより、像担持体としての電子写真感光体ドラム(以下、「感光体ドラム」という)104上に結像する。カセット105,106,107,108に積載された記録媒体(以下、「用紙」という)Pのうち、図2に示す操作部100aから使用者(ユーザー)が入力した情報もしくは原稿101の紙サイズから最適な用紙Pをカセット105〜108の用紙サイズ情報から選択する。ここで、記録媒体としては用紙に限定されずに、例えばOHPシート等適宜選択できる。
そして、給紙・分離装置105A,106A,107A,108Aにより搬送された1枚の用紙Pを、搬送部109を経由してレジストローラ110まで搬送し、更にレジストローラ110により用紙Pを感光体ドラム104の回転と、光学部103のスキャンのタイミングを同期させて転写部に搬送する。転写部では、転写放電器111によって、感光体ドラム104上に形成されたトナー像を用紙Pに転写する。そして、分離放電器112によって、トナー像の転写された用紙Pを感光体ドラム104から分離する。
この後、搬送部113により定着部114へ搬送された用紙Pは、定着部114において熱と圧力により用紙P上のトナー像を定着させた後、片面コピーの場合には、排紙反転部115を通過し、排紙ローラ116により排紙トレイ117へ排出される。又、両面コピーの場合には、排紙反転部115のフラッパ118の制御により、再給紙搬送部119,120を経由してレジストローラ110まで搬送された後、片面コピーの場合と同様の経路をたどって排紙トレイ117へ排出される。
又、多重コピーの場合には、用紙Pは排紙反転部115を通り、一度排紙ローラ116により一部が装置外へ排出される。そして、この後、用紙Pの終端がフラッパ118を通過し、排紙ローラ116にまだ挟持されているタイミングでフラッパ118を制御すると共に排紙ローラ116を逆回転させることにより、再度装置本体100内へ搬送される。更にこの後、再給紙搬送部119,120を経由してレジストローラ110まで搬送された後、片面コピーの場合と同様の経路をたどって排紙トレイ117へ排出される。
ところで、上記構成の装置本体100において、感光体ドラム104の回りには現像手段としての現像装置201、クリーナ装置202、一次帯電器203等が配置されている。
現像装置201は、原稿101の画像情報に基づいて一様に帯電された感光体ドラム104上を光学部103により露光して形成された静電潜像を、トナーを用いて現像するものである。そして、この現像装置201へ現像剤としてのトナーを補給するためのトナー補給容器1が使用者によって装置本体100に着脱可能に装着されている。なお、トナー補給容器からトナーのみを画像形成装置側へ補給する場合や、トナー及びキャリアを補給する場合であっても本発明を適用できる。本実施例では前者の例についての説明である。
又、現像装置201は、収容手段としてのトナーホッパー201aと現像器201bとを有している。トナーホッパー201aは、トナー補給容器1から補給されたトナーを撹拌するための撹拌部材201cを有している。そして、この撹拌部材201cにより撹拌されたトナーは、マグネットローラ201dにより現像器201bに送られる。現像器201bは、現像ローラ201fと、送り部材201eを有している。そして、マグネットローラ201dによりトナーホッパー201aから送られたトナーは、送り部材201eにより現像ローラ201fに送られて、この現像ローラ201fにより感光体ドラム104に供給される。
尚、クリーナ装置202は、感光体ドラム104に残留しているトナーを除去するためのものである。又、一次帯電器203は、感光体ドラム104を帯電するためのものである。
図2に示す外装カバーの一部であるトナー補給容器交換用前カバー15(以下、「交換用前カバー」という)を図3に示すように使用者が開けると、装着手段の一部である容器受け台50が、駆動系(不図示)によって所定の位置まで引き出される。そして、この容器受け台50上にトナー補給容器1を載置する。使用者がトナー補給容器1を装置本体100から取り出す際には、容器受け台50を引き出し、容器受け台50に載っているトナー補給容器1を取り出す。ここで、交換用前カバー15はトナー補給容器1を着脱(交換)するための専用カバーであって、トナー補給容器1を着脱するためだけに開閉される。尚、装置本体100のメンテナンスは、前面カバー100cを開閉することによって行われる。
尚、容器受け台50を介することなく、トナー補給容器1を装置本体100に直接装着し、又、装置本体100から取り外してもよい。
[トナー補給動作]
先ず、図4(a)〜図4(c)を用いてトナー補給容器(以下、「トナーボトル」という)のトナー補給動作について説明する。図4(a)〜図4(c)はトナーボトル1を装置本体100内に挿入してトナー補給を行う過程の状態を各段階毎に示した図である。
同図に示すように、装置本体100にはトナー補給装置400が設けられ、更にトナー補給装置400には、トナーボトル1と連結してトナーボトル1を回転駆動させる係合部材としての駆動部20(カップリング部)が具備されている。駆動部20は不図示のベアリングによって回転可能に支持され、装置本体100内に設けた不図示の駆動モータにより回転駆動する構成になっている。
又、装置本体100には、ホッパー201aに連通するトナー補給路24を形成する隔壁25が設けられ、この隔壁25には、トナーボトル1の一部を回転可能に支持し、かつトナー補給路24を密封する内外ベアリング26a,26bが固着されている。更に、トナー補給路24には補給トナーをホッパー201aに搬送するためのスクリュー部材27が配置されている。
図4(a)には、トナーボトル1を装置本体100に挿入させる状態が示されている。トナーボトル1先端の一端面には、円筒状とされる排出口としての開口部(以下、単に「開口部」という)1aが設けてあり、開口部1aは、その先端開口が封止部材2により封止された状態にある。
この状態から、トナーボトル1の挿入が進み、封止部材2の先端部に設けられたスナップフック部材としてのスナップフィット部が装置本体側の駆動部20とオーバーラップしながら、このスナップフィット部の先端側に設けた係合突起3が駆動部20の被係止部である係止穴に係止/係合(抜け止め)されることになる。図4(b)にはこの状態が示されている。
この駆動部20とスナップフィット部との係止は、ユーザーがトナーボトル1を挿入する動作に伴い、駆動部20が係合突起3の上面(係止力受け部)と接触し、さらに挿入すると駆動部20により係合突起3を押し下げる(変位させる)ことにより行われる。その後、駆動部20による押し下げが解除されると、係合突起3を支えている領域が自らの弾性力によって復帰し、押し下げた状態から開放されて係止が完了する。即ち、本実施形態では、係止させる方式として、所謂、「スナップフィット」を採用している。
この時、封止部材2は、係合突起3に設けた係止部としての係止面3bが駆動部20の係止穴にスラスト方向(軸方向)に係止されているため、封止部材2はこの係止を解除しない限り、駆動部20に位置的に固定された状態にある(多少のガタがあっても良い)。
図4(c)には、封止部材2のスナップフィット部と駆動部20との係止/係合が完了した後、交換用前カバー15の閉動作に連動して、スライド部材300が矢印b方向に後退することでトナーボトル1も後退するが封止部材は装置本体側の駆動部20に係止固定されているので、相対的に封止部材2がトナーボトル1から離れて開口部1aが開き、トナー補給が可能となった状態が示されている。
この状態で不図示のモータを駆動させると回転駆動力は本体駆動部20から封止部材2の係合突起3の駆動力受け部としての駆動力受け面3aへと伝達され、更に封止部材2からトナーボトル1へと伝わることでトナーボトル1が回転しトナーを搬送、排出する構成になっている。すなわち、この封止部材2のスナップフィット部は、開口部1aを封止すると共に画像形成装置本体側から回転駆動力を受ける機能、この回転駆動力をトナーボトル1側に伝達させる機能を持っている。
又、トナーボトル1は容器受け台50に設けられたボトル受けローラ23により回転可能に支持されているため、わずかな駆動トルクでもスムーズに回転することが可能である。このボトル受けローラ23はボトル本体1Aに対して鞍となる位置に4ケ所配設されている。ボトル受けローラ23は装置本体100のトナー補給装置400に回転自在に設けてある。このようにトナーボトル1が回転することでトナーボトル1の内部に収容されていたトナーが開口部1aから順次排出され、トナー補給路24に設けられたスクリュー部材27によって装置本体100側のホッパー201aへと搬送され、トナー補給が行われる。
[トナー補給容器の交換方法]
次に、本発明におけるトナーボトルの交換方法について説明する。
画像形成のプロセスに伴い、トナーボトル1内のトナーが略全量消費されると、装置本体100に設けられたトナー補給容器空検知手段(不図示)によってトナーボトル1内のトナーが無くなったことが検知され、その旨が液晶等の表示手段100b(図2参照)によりユーザーに知らされる。
本実施形態においてトナーボトル1の交換はユーザー自身が行い、その手順は以下の通りである。
先ず、閉じられた状態の交換用前カバー15をヒンジ18を中心に回動させて図2に示すように開く。この交換用前カバー15を開く動作に連動して不図示のトナー補給部開閉手段により、上述の図4(c)の状態にあるボトル本体1Aが矢印bと反対方向の図4(a)に示す矢印a方向に移動して、それまでボトル本体1Aと離間した、トナー補給開口部1aを開放する状態にあった封止部材2がトナー補給開口部1aに圧入嵌合され、トナー補給開口部1aが閉止され、上記図4(b)に示す状態となる。このとき、封止部材2は画像形成装置本体と係止状態を維持しており、その後、後述(図5参照)の解除部材21が解除突起4に解除力を付与することで、解除突起4が係合突起3と共に押し下げられ係止状態が解除される。そして、ボトル本体1Aをボトル長手方向に後退させることによって封止部材2と画像形成装置本体100との係止解除動作が完了する。
次に、ユーザーは、装置本体100との係止が解除された空のトナーボトル1を図4(a)に示す矢印a方向と逆方向に、即ち、図4(c)に示す矢印b方向に引き出し、装置本体100から取り外す。この後、ユーザーは新しいトナーボトル1を図4(a)に示す矢印aの向きに装置本体100へと挿入した後、交換用前カバー15を閉じる。そして、上述のように、この交換用前カバー15を閉める動作に連動してトナー補給部開閉手段により画像形成装置本体に係止された状態の封止部材2が容器本体1Aから離間され、トナー補給開口部1aが開封される(図4(c))。以上が、トナー補給容器の交換手順である。
[トナーボトル]
次に、本実施形態の現像剤補給容器1について図6乃至図7を用いて説明する。現像剤補給容器1は略円筒形状に形成され、その一端面のほぼ中央にそのボトル本体、即ち、ボトル本体1Aの円筒部より小径の補給ポートとしての開口部1aが突設されている。開口部1aには開口部1aを閉じる封止部材2が設けてあり、図4(a)〜(c)に関連した説明にて理解されるように、この封止部材2が現像剤現像剤補給容器1の長手方向(矢印a−b方向)に対して相対的にスライド移動することにより、開口部1aの開閉動作を自動的に行う構成になっている。
封止部材2の先端部には係合突起3と、係合突起3の装置本体側の駆動部20との係合を解除する解除突起4とが設けられた円筒部が形成されており、これら係合突起3及び解除突起4を支持している円筒部の領域は弾性変形可能な構成となっている(後述するが、この弾性変形を補助、促進するために、上記領域の両側に円筒部先端に至るスリットが設けられている)。この係合突起3は、駆動部20と係合して、現像剤補給容器1に回転駆動を伝達する機能を果たす構成になっている。この封止部材2の係合突起3の構成については後で詳細に述べる。
先ず、現像剤補給容器1内部の構成について図6を用いて説明する。上述のように、現像剤補給容器1は略円筒形状を有しており、装置本体100内に略水平に配置され、装置本体100から回転駆動を受けて、回転する構成になっている。
そしてボトル本体内部には、トナーを搬送する搬送部としての板状のバッフル部材40がボトルに対し実質的に回転不可となるよう固定されており、バッフル部材40の表裏両面に現像剤補給容器1の回転軸線方向に対して傾斜した傾斜突起40aを複数設けており、この傾斜突起40aの一端は開口部1aに達している。
トナーは最終的にこの傾斜突起40aから開口部1aを通って排出される構成になっている。
トナーが排出する原理は、スナップフィット部が受けた回転力による現像剤補給容器1の回転に伴って、バッフル部材40にて上方に掻き揚げられたトナーがバッフル部材40表面上を滑り落ち、傾斜突起40aによって現像剤補給容器1の前方へ(開口部1a側へ)搬送される。この動作を繰り返すことによって、現像剤補給容器1内部のトナーは順次、撹拌・搬送されて開口部1aから排出される。また、この板状のバッフル部材40は現像剤補給容器1とは別部材で構成されており、容器本体1Aとは固定リブ51によって固定され、容器本体1Aと一体となって回転する構成である。
本発明における現像剤補給容器1内部の構成については、現像剤補給容器1が画像形成装置本体から駆動力を受けることにより、トナーが排出するボトル形状であれば、特にその内部の形状や構成について限定するものではない。
また、上記例の他に、現像剤補給容器1は画像形成装置に実質的に回転不可に固定された状態で装置本体100の駆動部20からスナップフィット部が受けた回転駆動力を搬送部としての回転スクリューなどの部材に伝達する構成であっても構わない。つまり、現像剤補給容器1の内部構成については、本実施形態のようにバッフル部材40によるトナー搬送部材を形成したものや、その他の構成のものであっても構わない。
例えば、本実施形態の変形例として図7に示すようなボトル内部の構成でも良い。本変形例では、所謂、螺旋ボトルの例を示しており、このトナー補給容器1の内面には搬送部としての螺旋状の突起1cが設けてある。トナー補給容器1が回転することにより、この螺旋状の突起1cに沿ってトナーが軸方向に搬送され、トナー補給容器1端面に設けた開口部1aからトナーが排出される構成になっている。
次に図8を用いてボトル本体1Aについて説明する。ボトル本体1Aには、その長手方向一端面に開口部1aが設けてあり、開口部1aの内面にはボトル本体1Aと一体に設けられた駆動力受部1bが形成されている。この駆動力受部1bは後述する封止部材2に設けた駆動伝達部(伝達部)5によって駆動力を受けて、ボトル本体1Aを回転させる為の機能を果たしている。なお、本実施例では対向方向に2ヶ所の駆動力受部1bを設けた例を示しているが、その配置場所、個数、形状の寸法(突起高さ、長さ等)は任意に設定してよく特に限定はしない。
また、図8の詳細図に示したように開口部1aの内周面には段差面1gを形成しており、この段差面1gは後述する駆動伝達部5に設けた係止面5bと係止して封止部材2のスライド量を規制する為の役割を果たしている。
[封止部材]
次に、本発明の特徴を最もよく表す封止部材2の構成について図9乃至及び図11を用いて更に説明する。
図9(a)は本実施形態における封止部材2の右斜視図、(b)は左斜視図を示している。図10は本実施形態における封止部材の(a)正面図、(b)左側面図、(c)右側面図、(d)上面図、(e)A−A断面図である。
図11は本実施形態におけるトナー補給容器1が装置本体100の駆動部20と係合し、トナーを補給している状態の部分断面斜視図である。
同図9及び図10において、封止部材2は現像剤補給容器1の開口部1aを開封可能に封止する封止部2b、及び装置本体100の駆動部20と係合する略円筒状のスナップフック部としてのカップリング係合部2cを備えている。封止部2bの大径部の外径は開口部1aの内径よりも適当量大きく設定されたシール部2aを備えている。このシール部2aは開口部1aと圧入することにより密着してシールしていることから適度な弾性を有することが好ましく、本実施形態においては封止部材2とは異なる材質であるエラストマーを2色成形した場合の例を示している。
そして、封止部2bを開口部1aに圧入嵌合することにより、封止部材2によって開口部1aであるトナー補給口が密封される。
この封止部材2にはトナー補給容器1としての機能を満たす為の役割を果たしている。そのおもな機能としては、(1)画像形成装置本体100に係合し封止部材2を開封させる機能、(2)画像形成装置本体100から回転駆動力を受ける機能、(3)その受けた駆動力をボトル本体1Aへ伝達する機能、(4)画像形成装置100と係止した封止部材2の係止状態解除する機能、である。
このように封止部材2は一つの部材で複数の重要な機能を果たすために本実施例にて説明されるような独自の構成を有しているのである。
以下に、それぞれの機能を達成するための封止部材2の各構成について詳細に説明する。
[カップリング係合部]
次に本発明に係る封止部材2に設けたカップリング係合部2cの構成について図9及び図11を用いて説明する。
本発明において封止部材2は、本実施形態では円筒状に形成されたカップリング係合部2cを備えており、上述したように駆動受け部材としての機能を併せもっており、トナー補給装置400の駆動部20からの駆動力を受けるようになっている。
封止部材2の円筒状のスナップフック部としてのカップリング係合部2cは4つの係合突起3が設けられた4つの各領域が弾性変形可能な構成となっており、係合突起3のテーパ部3cが駆動部20によって押圧されることでその領域が容易に弾性変形可能な状態にある。更に、このスナップフィット部の外周面には、係合突起3を変位させて駆動部20との係止状態を解除するための解除力を前記画像形成装置から受ける解除力受け部としての解除突起4が設けられている。本実施形態では、係合突起3及び解除突起4を円周方向に4分割した位置にそれぞれペアとなるように4箇所設けている。
一方、装置本体100側に設けた駆動部20の係止穴20hは封止部材2の係合突起3(係止面3b)と係止するように構成されており、封止部材2が駆動部20に挿入された時に滑らかに挿入できるように駆動部20の先端内径部は内径が徐々に縮径するようなテーパ面(不図示)が設けてある。このテーパ面により封止部材2は滑らかに駆動部20へと挿入される。
又、駆動部20にはトナーボトル1を回転駆動させるための係合リブ20aが設けられており、この係合リブ20aは、係合突起3が係止穴20hに係止された後、係合突起3の駆動受け面3aに当接して回転駆動力を封止部材2へ伝達するためのものである。なお、本実施形態では、係合リブ20aを円周方向に2箇所設けている。
[スナップフィット部]
次に、スナップフィット部について図9〜図11を用いてさらに詳しく説明する。
<係合突起>
封止部材2には装置本体100からの駆動力を受けるためスナップフィット部先端に係合突起3を設けている。係合突起3はカップリング係合部2cの円筒面よりも半径方向外側に向かって突出している。この係合突起3は、装置本体より回転駆動力を受ける駆動力受け部としての駆動力受け面3aと、トナーボトル1と封止部材2とを離間させる(開口部を閉状態から開状態にする)際に、封止部材2を装置本体の被係止部としての係止穴20hにスナップフィット的に係止させるための係止部として作用する係止面3bとを有している。
すなわち、係合突起3は、装置本体から回転駆動力を受けるべく連結するカップリング的な機能と、ボトル本体1Aと封止部材2とを相対的にスライド移動させて開口部を自動開閉するために装置本体側に係止される係止機能(抜け止め機能)との2つの異なる働きを、それぞれ駆動受け面3a、係止面3bとで果たしている。
また、この係止面3bは本体駆動部20と係止した状態で駆動力を受ける際に、封止部材2とトナーボトル1の離間距離を一定に保つことにより、トナーボトル1と封止部材2との開口が確保され、トナー排出量が一定量に保たれ、非常に定量排出性に優れたトナーボトル1を提供できる。さらに封止部材2は装置本体駆動部20に確実に係止されているため、トナー排出中において封止部材2が駆動部20から脱落するおそれも無く、確実にトナー排出を行うことができる。
上記のような構成によれば、封止部材2の自動開閉動作と駆動力の受け動作、伝達動作を一つの封止部材でできるのでコンパクトで安価な構成のトナー補給容器を提供できる。
係合突起3は、係止機能と共に駆動力受け機能をも有していることから、ある程度の剛性を有していることが望ましい。そこで、係合突起3の円周方向両側にスリット溝2e等を設けて、係合突起3が設けられているカップリング係合部2cの領域のみが自由に内側へ弾性変形できるような構成としている。その理由は、この係合突起3が装置本体100からの作用によって変位することで後述する装置本体との係止解除動作を行うためである。
尚、本実施形態においては、係合突起3は封止部材2と一体に構成した。このようにスナップフィット部としての係合突起3を封止部材2と一体形成しても良いが、本発明はこれに限定されるものではなく、両部材3,2を別個に形成しても良い。
又、係合突起3の先端部は封止部材2が装置本体100の駆動部20に挿入される際に、スムーズに挿入されるように係止力受け部としてのテーパ面3cを有している。このテーパ面3cは、図11、図12に示すように、駆動部20の係止穴20hに対して相対的に近づく際、係合突起3(スナップフィット部)を内側へ変位させて係止穴20hに係止させるために駆動部20の内面から係止力を受ける部分(係止力受け部)である。その後、係止面3bと係止穴20hとが更に近づき、テーパ部3cが駆動部20内面との当接が解除されると、即ち、係止力が解除されると、係合突起を支持している領域は変位された状態から復帰し、封止部材(スナップフィット部)と画像形成装置本体(被係止部)との「係止」が完了する。
そして、「係止」が完了した後、封止部材2とボトル本体1Aとを相対的に離間させるスライド移動を自動的に行うことで、開口部1aが閉状態から開状態とされ、トナー排出可能状態となる。なお、本実施形態では、封止部材2を装置本体側に係止させてスライド方向の移動を規制した状態において、ボトル本体側を後退、前進させることで、開口部の自動開封、密封を行っている。
<解除突起>
次に係合突起3と対を成して設けている解除突起4について説明する。この解除突起4はトナー補給容器1を交換する際に、本体駆動部20に係合した封止部材2の係止状態を解除する為の突起であって、この係止を解除して古いトナー補給容器を取り出して新しいトナー補給容器に交換するためのものである。
この解除突起4は係合突起3に対応した位置にそれぞれ設けてあり、画像形成装置本体100の解除部材21のスライド動作により、解除突起4が押圧されることで係合突起3が内側に弾性変形することで係止状態を解除する役割を果たしている。
なお、本実施例では、係合突起3及び解除部4を円周方向に4分割した位置にそれぞれペアとなるように4箇所設けたが、1箇所あるいは2箇所あるいは3箇所などその配置や数については任意に設定することはもちろんかまわない。
これらの封止部材2の係合動作と解除動作の詳細な説明は図12と図13を用いて後で詳細に説明する。
次に封止部材2のもう一つの機能である、画像形成装置本体からの駆動力をボトル本体へ伝達する駆動伝達部5について詳しく説明する。
図9及び図10に示すように、この封止部材2の端部には画像形成装置本体からの回転駆動力を容器本体1Aに伝達するための駆動伝達部5を備えている。この駆動伝達部5は封止部2bから容器本体の開口部1a内部に向って突出した状態で設けてあり、本実施例においては対向方向に2箇所設けている。この駆動伝達部5の形状や配置個数については本例の構成に特に限定されるものではなく任意に適宜設定すればよい。例えば、駆動伝達部5を3つあるいは4つ配置してもかまわないし1つでも構わない
また駆動伝達部5の側面部には回転方向に駆動力を伝えるための駆動面5aを有しており、この駆動面5aが後述する駆動力受部1bに当接して駆動伝達を行うものである。
<封止部材と駆動部の係合の説明>
次に本実施形態における駆動部20と封止部材2との係合の様子について図12を用いて説明する。図12(a)はユーザーが新しい現像剤補給容器1を装置本体100にセットするために、矢印a方向に現像剤補給容器1を挿入する際の様子を示したものであり、装置本体内の駆動部20と係止する前の状態である。
現像剤補給容器1の挿入が進むと、図12(b)に示すように、封止部材2に設けた係合突起3のテーパ面3cが駆動部20に接触し、係合突起3は徐々に内側に撓みながら弾性変形し挿入される。
図12(c)に示すように、現像剤補給容器1の挿入が更に進み、駆動部20のテーパ面に続くストレート部を通過した係合突起3は係合リブ20a(図11参照)のない空間部分である係止穴20hで撓みが解放され、ここで係合突起3が駆動部20と係止した状態になる。この状態において係合突起3は駆動部20としっかり係止されており、封止部材2のスラスト方向(軸方向)の位置は装置本体側に実質的に固定された状態となる。
従って、その後、図12(c)に示すように、現像剤補給容器1を矢印b方向に後退させても、封止部材2は現像剤補給容器1と一緒に引きつられて後退することなく、しっかり駆動部20に固定される。一方、現像剤補給容器1だけが後退するため、封止部材2と現像剤補給容器1が確実に離間され開口部1aが開封する。尚、現像剤補給容器1の後退動作は装置本体100の交換用前カバー15の開閉動作に連動して現像剤補給容器1をスライドさせるような構成にしてもよい。
また、前記スライド動作については、前述したように封止部材2を固定して、現像剤補給容器1をスライドさせてもよいし、逆に現像剤補給容器1を固定して、封止部材2をスライドさせてもよいし、或いは封止部材2と現像剤補給容器1の両者を互いに離間する方向にスライドさせても構わない。また、現像剤補給容器1内のトナーが空の状態になり、新しい現像剤補給容器と交換するために、現在装着されている空の現像剤補給容器を取り出す工程は上記のボトル装着(係止・開封)工程を逆の順序で行えばよい。
詳述すると、操作者が上述の交換用前カバー15を開けると、これに連動して次の工程が行われる。まず、封止部材2が装置本体に係止された状態を維持したまま、現像剤補給容器1本体側が封止部材2へ向けて前進し、開口部1aを封止部材2によって自動密封させる。そして、後述の解除部材21によって解除突起4を押し込み、係合突起3と係止穴20hとの係止状態を解除させた状態で、開口部1aに圧入嵌合された封止部材2と共に現像剤補給容器本体1Aを後退させることにより封止部材2と装置本体100との係止を解除し、装置本体100より現像剤補給容器1を取り出す準備が終了する。
[係合の解除方法]
トナー補給が終了し、現像剤補給容器1が空になると、古い現像剤補給容器1を取り外し、新しい現像剤補給容器1に交換しなければならない。その際にそれまで係止していた封止部材2と駆動部20との係止を解除する必要がある。次に係合突起3と本体駆動部20との係合解除について図13を用いて説明する。
図13に示すように、装置本体100内部、詳しくは駆動部20の内部に解除部材(中空円筒部材)21が設けられている。解除部材21は現像剤補給容器1の軸線方向と同方向に移動可能な構成になっている。図13(a)は、トナー補給が終わり、現像剤補給容器1の開口部1aが開口した状態を示している。この状態から図13(b)に示すように、交換用前カバー15を開くと、その動作に連動して容器本体1Aが矢印b方向にスライドし、開口部1aを封止し、さらに解除部材21が矢印a方向にスライドする。駆動部20と封止部材2の係止を解除する際は封止部材2の先端に設けた解除突起4に解除部材21を矢印a方向に進入させることで解除部材21がスライドすると解除突起4は、図13(b)に示すように、解除突起4は内側に撓み、同時にこの解除突起4と一体になっている係合突起3も内側に倒れる。これにより係合突起3と本体駆動部20との係合が解除される。
その後更に前カバーの開閉動作にともなって解除部材21が矢印a方向に進むことで、図13(c)に示すように、現像剤補給容器本体は矢印c方向にスライドし、解除部材21は封止部材2を開口部1aへ圧入させ、ここで現像剤補給容器1の開口部1aを密封する。更に解除部材21が矢印a方向へ進むことで、今度は現像剤補給容器1自体を押し出して、ユーザーが取出しやすい位置まで現像剤補給容器1をスライドさせる。
この解除部材21の駆動構成については、装置本体100の交換用前カバー15の開閉動作に連動させて、交換用前カバー15を開けた時に解除部材21が矢印a方向に移動して、駆動部20と現像剤補給容器1の封止部材2の分離を行い、交換用前カバー15を閉じると矢印db方向に移動するといった構成にしてもよいし、あるいは別途駆動モータ等を用いて、独立した分離動作を行うような構成にしてもよい。あるいは装置本体100の交換用前カバー15との連動動作ではなく、別途手動レバーを設け、これに連動して分離動作を行うような構成にする等、どのような方法でも構わない。
上記のように、本実施形態によれば、トナーボトル1を挿入するだけで確実に電子写真画像形成装置本体にスナップフィット的に係止でき、且つ取り出す時には解除突起4を押圧するだけの動作でこのスナップフィット的に係止された状態を容易に解除することができるので、非常に簡単な動作及び構成でトナーボトル1の補給動作を行なうことができる。従って、操作性の高いトナーボトルを提供できる。
又、トナー開口部の開閉を担う封止部材がボトルの回転駆動伝達機能も果たしていることから、封止部材の開閉機構とボトルの回転駆動機構とを別々に設ける必要が無く、一箇所に集約させることができるため、極めてコンパクトで安価な機構に抑えることができる。
更に、このように非常に簡単な動作、かつ簡単で安価でコンパクトな構成にも拘らず、確実で信頼性の高い駆動伝達を実現できる。
また、円筒部(カップリング係合部)2cの外周面に係合突起3だけでなく解除突起4も設けることで、封止部材2を樹脂の射出成形で製作したときに型が抜き易くなるため、生産性を向上させるにはより好適である。
また、上記係合突起3の幅(円周方向の幅)は解除突起4の幅よりも長くなっており、封止部材2を自動開封するべくボトル本体1Aを後退させる際に、係合突起3(係止面)と駆動部20との係止が外れないように充分に耐え得るように構成されている。解除突起4はこのような機能を持たないため、幅を短くし、これを製造するにあたっての樹脂材料費を可及的に抑えている。
また、係合突起3及び解除突起4が設けられているスナップフィット部の根本部分がより撓み易いように、本実施形態では図14に示すように薄肉部としている(肉厚=tの部分)。このような構成とすることで、回転駆動力を受ける係合突起3を含む封止部材2の剛性を維持しつつも係止部の係止および係止解除をさらに確実に行うことができる。
[封止部材の機械的物性値]
このように本例におけるスナップフィット部は上述したような「スナップフィット係合(係止)」する機能の他に「回転駆動力」を受ける機能を担っているのでこの2つの機能を高レベルで満足させるためには、適度な弾性と且つ適度な剛性という相反する性質が要求される。
例えば、係合突起3の剛性を上げれば、係合突起3の耐久性が向上し、高トルクがかかる大容量のトナーボトル(現像剤補給容器)にも対応できるが、逆に該トナーボトルを画像形成装置本体に係合する際の挿入力及び解除するときの解除力が高くなり、トナーボトルの着脱時の操作力が上がり補給操作性が悪化してしまう。
一方、係合突起3の剛性を下げると、耐久性が低下したり本体駆動部20との係止が容易に外れて係止不良になったりといった不具合が予想される。
したがって、できるだけ軽い操作力で弾性変形でき、且つ十分なトルクにも耐えうるような弾性と剛性を兼ね備えたバランスの良い材質を選定することが非常に重要である。
こうした材質の機械的物性値として本例では「曲げ弾性率」を挙げて以下説明する。
スナップフィット部は、スナップフィット係合のための径方向への弾性変形(弾性復帰)のし易さが求められ、回転駆動力を安定して確実に受けるための回転方向に対する剛性が求められる。
そこで、本例では、スナップフィット部の曲げ弾性率が1400〜20000MPaの範囲内の材質のものを使用している。より好ましくは2600〜5590MPaの範囲である。
あまり曲げ弾性率が低いと、弾性変形した後の回復速度が遅いため、本発明のように画像形成装置本体側の駆動部(被係止部)に係止した直後にトナーボトルがすぐに後退するような構成においては、弾性回復する前にトナーボトルと一緒に封止部材が後退してしまい、正しく係止できずに係止不良になってしまう可能性がある。一方、曲げ弾性率が極端に高い場合は、材料の剛性が高くなりすぎ、弾性変形させるには非常に大きな力が必要で、操作力が大きくなり、ユーザビリティが悪化することになるため、適度な範囲の曲げ弾性率を設定することが好ましい。
このように封止部材2はプラスチック等の樹脂を射出成形して製造するのが好ましいが、他の材料及び製造方法であっても、任意に分割、接合しても構わない。
例えば先に説明したように封止部材2の主要材質としては、適度な弾性・剛性を有するABS樹脂とし、シール部のみは軟質で弾性に富んだエラストマーを二色成形するといった構成にしても良い。こうすることで高い耐久性と高いトナーシール性を有する封止部材を提供することができる。
又、できるだけ低コストに抑えたい場合などは、単一樹脂材料による構成でも、もちろん可能である。例えば比較的、弾性に優れたポリエチレン系樹脂等による、単一材質での成形品でも十分実用可能である。
本例での好適な樹脂材料としては、ABS樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン樹脂、直鎖状ポリアミド樹脂(例えば商品名ナイロン)、ポリエステル樹脂、等が好ましく利用でき、本例ではこれらの樹脂材料の処方や配合等を適宜調整することで所望の曲げ弾性率を得ることが可能である。
上記のように、係合突起3を支持している領域及び解除突起4を弾性変形可能な弾性部材とすることにより、弾性変形・復帰を利用して駆動部20と係合突起3との係止・係止解除を簡単な構成で行うことができる。又、上記の材料は、適度な弾性を有しているので、駆動部20及び係合突起3の係合離脱を容易に行うことができ、且つ、十分な耐久性を有している。
<スナップフィット部の各部の寸法関係>
前述した封止部材の機械的物性値とともにその他の重要な要素として「スナップフィット部の形状・寸法」が挙げられる。これはスナップフィット部の形状や寸法が弾性や剛性にある程度影響を及ぼすためである。
先に示した曲げ弾性率の範囲内であり、尚且つ以下に説明するスナップフィット部の形状・寸法を満足することが好ましい。
図10及び図14にスナップフィット部の各部の寸法関係を示した。同図において、係合突起3の幅(回転方向の長さ)をb、係合突起3を除き係合時に撓んでいるスナップフィット部の可動部の長さをL、スナップフィット部の可動部の根元領域の厚みをt、係合突起3の高さをh、解除突起4の高さをH、とした。これらの各部分の寸法値を最適化することにより係合突起3の弾性変形特性を任意に設定することができる。本発明においてはこれらの各寸法関係の比率について検討した結果、以下のようなことがわかっている。
まず「b」は封止部材2が駆動部20から回転駆動力を受けた際の係合突起の強度に関係する。この回転方向の長さである幅bが大きいほど強度が強くなり耐久性に優れるが、あまり極端に幅bが大きいと、装置本体側の駆動部20に係合する時に、係止不良になる可能性が高くなるため、必要最小限の寸法に留めることが重要である。
次に「L」であるが、コンパクト化という観点では短いほうが好ましいが、あまり短いと弾性変形しにくくなるため、これも適度なバランスが必要である。
また「t」に関してはスナップフィット部の強度に影響を与える要素であり、長さLとも関係が強い。tが厚いとスナップフィット部の剛性が高くなる。
また「h」は係合突起の変形量に等しい。つまりその高さ分だけ弾性変形することで、駆動リング20に係止することが可能となる。従って、できるだけ少ない変形量で係止したい場合には高さhを低くするほうが好ましいが、あまり低くすると引っ掛りが少なくなり、容易に外れてしまう可能性があるため、これも適度なバランスが必要になる。
また「H」は係合突起3の高さhよりは高いことが必要である(H>h)。それは先に中空円筒状の解除部材21内面に接触して係合突起3の係止状態を解除するには係合突起3よりも高くなければならないからである。
上述したように本例では、スナップフィット部の各部の寸法関係を以下のように設定するのが好ましい。
つまり、幅bと長さLの比率が、b/L=0.11〜0.5の範囲内であることが望ましい。
さらに肉厚tと長さLの比率が、t/L=0.05〜0.15の範囲であることが好ましい。
そして、高さhと長さLの比率が、h/L=0.04〜0.25の範囲であることが好ましい。
上述した以外の範囲であると、スナップフィット部の強度が弱すぎたり、あるいは強すぎたりして不具合が発生する可能性が高くなる。
<封止部材の機械的物性値の検証>
上述した封止部材の曲げ弾性率、各部の寸法関係についての検証結果を以下に説明する。以下に示す各条件にて封止部材2を射出成形にて製作し、(1)封止部材2の弾性変形力:P、(2)画像形成装置本体に繰り返しトナー容器を100回装脱着させたときの封止部材の着脱不良の確率、(3)画像形成装置本体に装着し、トナー容器を間欠的に回転駆動させたときのスナップフィット部の耐久性、について調べた。その結果を図15にまとめて示す。この図15を参照しつつ、実施例1〜6及び比較例1〜2について順に説明する。
《実施例1》
<封止部材>
実施例1では、封止部材の材質については、材質:HD−PE樹脂、メーカー&グレード:サンテックHD(J310)、曲げ弾性率:1400MPa、とした。
そして、スナップフィット部の各寸法は、幅:b=5mm、長さ:L=21mm、肉厚:t=2mm、高さ:h=2.5mm、高さ:H=2.75mm、係合突起の数:4個(形状は図10参照)、とした。また、封止部材と開口部との嵌合部外径=φ30.4mm、カップリング係合部外径=φ20mmとした。
<トナー容器本体>
材質:HI−PS樹脂、ボトル外径=φ120mm、ボトル長さ=320mm、肉厚=2mmの円筒形状のボトルを射出成形にて製作し、それにフランジ部材を溶着して図6に示すような形状のトナーボトル1を製作した。そして前記トナーボトル1に封止部材2を圧入した後に、2000gの磁性トナーを充填しトナーボトルを完成させた。
まず、作成した封止部材2のスナップフィット部の弾性変形力:Pを測定するために、前記封止部材2を下記に示す圧縮−引張試験機にセットして、図14に示したようにスナップフィット部の係合突起3を所定の位置(矢印Pの位置)に荷重をかけて、係合突起3の高さ:hだけ弾性変形させた時の、弾性変形力:Pを測定した。
そのときの弾性変形力:Pは3.81N(0.38kgf)であった。
次に、前記封止部材2を画像形成装置本体100に着脱させた時の着脱不良の確率を調べる為に、該封止部材2を備えたトナーボトル1を、画像形成装置本体100に繰り返し100回装脱着させた。
その結果、全てにおいて正しく着脱が行われ、着脱不良は発生しなかった。故に着脱不良の確率は0%であった。
次に、前記トナー2000g入りのトナーボトル1を画像形成装置本体100に装着し、トナーを排出させずに以下の条件で駆動させたときの、スナップフィット部の耐久性を評価した。条件とは、(1)ボトル回転数:40rpm、(2)間欠駆動条件:3秒−ON、1秒−OFF、(3)耐久時間:70時間、である。
その結果、耐久後のスナップフィット部の根元は非常にわずかな変形した形跡が見られたが、実用上は全く問題ないレベルであった。また破損は見られず開始時と同じ状態でボトルの駆動伝達は良好に行われていた。
なお、ここでいう、弾性変形力:Pとは図14に示すような状態で係合突起3の係止面直近部を矢印方向にスナップフィット部に対して、垂直方向に押して、係合突起3の高さ:hのぶんだけ弾性変形させた時の最大荷重(N)を示す。
さらに、この弾性変形力の測定方法及び条件は以下のとおりである。その条件とは、(1)測定機:圧縮−引張試験機(メーカ:オリエンテック、型番:RTC−1225A)、(2)ダウンスピード:10mm/sec、である。
また、上述した曲げ弾性率については、JIS−K7203またはASTM−D790に準拠した測定値のものとする。
《実施例2》
実施例2では、封止部材の材質については、材質:ABS樹脂、メーカー&グレード:テクノポリマー(330)、曲げ弾性率:2600MPa、とした。
そして、スナップフィット部の各寸法は、幅:b=5mm、長さ:L=21mm、肉厚:t=2mm、高さ:h=2.5mm、高さ:H=2.75mm、係合突起の数:4個(形状は図10参照)、とした。
このような条件の封止部材2を射出成形にて製作し、実施例1と同様なトナーボトルを製作し、実施例1と同様な評価を行った。
その結果、スナップフィット部の弾性変形力:Pは7.08N(0.72kgf)であった。
また前記封止部材2を画像形成装置本体100に着脱させた時の着脱不良の確率を調べる為に、該封止部材2を備えたトナーボトル1を、画像形成装置本体100に繰り返し100回装脱着させた。
その結果、全てにおいて正しく着脱が行われ、着脱不良は発生しなかった。故に着脱不良の確率は0%であった。
さらに実施例1と同様に、前記トナー2000g入りのトナーボトル1を画像形成装置本体100に装着し、トナーを排出させずに実施例1と同じ条件で駆動させたときの、スナップフィット部の耐久性を評価した。
その結果、耐久後もスナップフィット部の破損、変形は見られず開始時と同じ状態でボトルの駆動伝達は良好に行われていた。
《実施例3》
実施例3では、封止部材の材質については、材質:ABS樹脂、メーカー&グレード:テクノポリマー(F5451G10)、曲げ弾性率:4020MPa、とした。
そして、スナップフィット部の各寸法は、幅:b=5mm、長さ:L=21mm、肉厚:t=2mm、高さ:h=2.5mm、高さ:H=2.75mm、係合突起の数:4個(形状は図10参照)、とした。
このような条件の封止部材2を射出成形にて製作し、実施例1と同様なトナーボトルを製作し、実施例1と同様な評価を行った。
その結果、スナップフィット部の弾性変形力:Pは10.95N(1.11kgf)であった。
また前記封止部材2を画像形成装置本体100に着脱させた時の着脱不良の確率を調べる為に、該封止部材2を備えたトナーボトル1を、画像形成装置本体100に繰り返し100回装脱着させた。
その結果、全てにおいて正しく着脱が行われ、着脱不良は発生しなかった。故に着脱不良の確率は0%であった。
さらに実施例1と同様に、前記磁性トナー2000g入りのトナーボトル1を画像形成装置本体100に装着し、トナーを排出させずに実施例1と同じ条件で駆動させたときの、スナップフィット部の耐久性を評価した。
その結果、耐久後もスナップフィット部の破損、変形は見られず開始時と同じ状態でボトルの駆動伝達は良好に行われていた。
《実施例4》
実施例4では、封止部材の材質については、材質:ABS樹脂、メーカー&グレード:テクノポリマー(130G20)、曲げ弾性率:5590MPa、とした。
そして、スナップフィット部の各寸法は、幅:b=5mm、長さ:L=21mm、肉厚:t=2mm、高さ:h=2.5mm、高さ:H=2.75mm、係合突起の数:4個(形状は図10参照)、とした。
このような条件の封止部材2を射出成形にて製作し、実施例1と同様なトナーボトルを製作し、実施例1と同様な評価を行った。
その結果、スナップフィット部の弾性変形力:Pは15.22N(1.55kgf)であった。
また前記封止部材2を画像形成装置本体100に着脱させた時の着脱不良の確率を調べる為に、該封止部材2を備えたトナーボトル1を、画像形成装置本体100に繰り返し100回装脱着させた。
その結果、全てにおいて正しく着脱が行われ、着脱不良は発生しなかった。故に着脱不良の確率は0%であった。
さらに実施例1と同様に、前記トナー2000g入りのトナーボトル1を画像形成装置本体100に装着し、トナーを排出させずに実施例1と同じ条件で駆動させたときの、スナップフィット部の耐久性を評価した。
その結果、耐久後もスナップフィット部の破損、変形は見られず開始時と同じ状態でボトルの駆動伝達は良好に行われていた。
《実施例5》
実施例5では、封止部材の材質については、材質:PPS樹脂、メーカー&グレード:出光PPS(C−130SC)、曲げ弾性率:11000MPa、とした。
そして、スナップフィット部の各寸法は、幅:b=5mm、長さ:L=21mm、肉厚:t=2mm、高さ:h=2.5mm、高さ:H=2.75mm、係合突起の数:4個(形状は図10参照)、とした。
このような条件の封止部材2を射出成形にて製作し、実施例1と同様なトナーボトルを製作し、実施例1と同様な評価を行った。
その結果、スナップフィット部の弾性変形力:Pは29.96N(3.06kgf)であった。
また前記封止部材2を画像形成装置本体100に着脱させた時の着脱不良の確率を調べる為に、該封止部材2を備えたトナーボトル1を、画像形成装置本体100に繰り返し100回装脱着させた。
その結果、全てにおいて正しく着脱が行われ、着脱不良は発生しなかった。故に着脱不良の確率は0%であった。
さらに実施例1と同様に、前記トナー2000g入りのトナーボトル1を画像形成装置本体100に装着し、トナーを排出させずに実施例1と同じ条件で駆動させたときの、スナップフィット部の耐久性を評価した。
その結果、耐久後もスナップフィット部の破損、変形は見られず開始時と同じ状態でボトルの駆動伝達は良好に行われていた。
《実施例6》
実施例6では、封止部材の材質については、材質:PPS樹脂、メーカー&グレード:出光PPS(C160SL)、曲げ弾性率:20000MPa、とした。
そして、スナップフィット部の各寸法は、幅:b=5mm、長さ:L=21mm、肉厚:t=2mm、高さ:h=2.5mm、高さ:H=2.75mm、係合突起の数:4個(形状は図10参照)、とした。
このような条件の封止部材2を射出成形にて製作し、実施例1と同様なトナーボトルを製作し、実施例1と同様な評価を行った。
その結果、スナップフィット部の弾性変形力:Pは54.48N(5.5kgf)であった。
また前記封止部材2を画像形成装置本体100に着脱させた時の着脱不良の確率を調べる為に、該封止部材2を備えたトナーボトル1を、画像形成装置本体100に繰り返し100回装脱着させた。
その結果、全てにおいて正しく着脱が行われ、着脱不良は発生しなかった。故に着脱不良の確率は0%であった。
さらに実施例1と同様に、前記トナー2000g入りのトナーボトル1を画像形成装置本体100に装着し、トナーを排出させずに実施例1と同じ条件で駆動させたときの、スナップフィット部の耐久性を評価した。
その結果、耐久後もスナップフィット部の破損、変形は見られず開始時と同じ状態でボトルの駆動伝達は良好に行われていた。
《比較例1》
比較例1では、封止部材の材質については、材質:HD−PE樹脂、メーカー&グレード:京葉ポリエチレン(M6940)、曲げ弾性率:1100MPa、とした。
そして、スナップフィット部の各寸法は、幅:b=5mm、長さ:L=21mm、肉厚:t=2mm、高さ:h=2.5mm、高さ:H=2.75mm、係合突起の数:4個(形状は図10参照)、とした。
このような条件の封止部材2を射出成形にて製作し、実施例1と同様なトナーボトルを製作し、実施例1と同様な評価を行った。
その結果、スナップフィット部の弾性変形力:Pは2.99N(0.31kgf)であった。
また前記封止部材2を画像形成装置本体100に着脱させた時の着脱不良の確率を調べる為に、該封止部材2を備えたトナーボトル1を、画像形成装置本体100に繰り返し100回装脱着させた。
その結果、5/100個で着脱不良が発生した。故に着脱不良の確率は5%であった。
さらに実施例1と同様に、前記トナー2000g入りのトナーボトル1を画像形成装置本体100に装着し、トナーを排出させずに実施例1と同じ条件で駆動させたときの、スナップフィット部の耐久性を評価した。
その結果、耐久後のスナップフィット部を観察してみると、4箇所あるうちの2ヶ所のスナップフィット部の根元にひび割れ及び破損が発生していた。
《比較例2》
比較例2では、封止部材の材質については、材質:PPS樹脂、メーカー&グレード:出光PPS(C−600SG)、曲げ弾性率:23000MPa、とした。
そして、スナップフィット部の各寸法は、幅:b=5mm、長さ:L=21mm、肉厚:t=2mm、高さ:h=2.5mm、高さ:H=2.75mm、係合突起の数:4個(形状は図10参照)、とした。
このような条件の封止部材2を射出成形にて製作し、実施例1と同様なトナーボトルを製作し、実施例1と同様な評価を行った。
その結果、スナップフィット部の弾性変形力:Pは62.6N(6.38kgf)であった。
また前記封止部材2を画像形成装置本体100に着脱させた時の着脱不良の確率を調べる為に、該封止部材2を備えたトナーボトル1を、画像形成装置本体100に繰り返し100回装脱着させた。
その結果、24/100で着脱不良が発生した。これは曲げ弾性率が高すぎるためにスナップフィット部の剛性が増加して、本体側に係止しにくくなったためと思われる。故に着脱不良の確率は24%であった。
さらに実施例1と同様に、前記トナー2000g入りのトナーボトル1を画像形成装置本体100に装着し、トナーを排出させずに実施例1と同じ条件で駆動させたときの、スナップフィット部の耐久性を評価した。
その結果、耐久後もスナップフィット部の破損、変形は見られず開始時と同じ状態でボトルの駆動伝達は良好に行われていた。
<幅:bと長さ:Lの比率=b/Lをふった場合の検証>
次にスナップフィット部の各寸法(幅:bと長さ:L)をふった場合の弾性変形力、着脱不良の確率、スナップフィット部の耐久性について、先に述べた実施例1と同様に評価を行った。その結果を図16にまとめて示す。この図16を参照しつつ、実施例7〜10及び比較例3〜4について順に説明する。
《実施例7》
<封止部材>
実施例7では、封止部材の材質については、材質:ABS樹脂、メーカー&グレード:テクノポリマー(330)、曲げ弾性率:2600MPa、とした。
そして、スナップフィット部の各寸法は、幅:b=5mm、長さ:L=10mm、肉厚:t=2mm、高さ:h=2.5mm、高さ:H=2.75mm、係合突起の数:4個(形状は図10参照)、とした。したがってこのときのb/L=0.5である。
また、封止部材と開口部との嵌合部外径=φ30.4mm、カップリング係合部外径=φ20mmとした。
<トナー容器本体>
材質:HI−PS樹脂、ボトル外径=φ120mm、ボトル長さ=320mm、肉厚=2mmの円筒形状のボトルを射出成形にて製作し、それにフランジ部材を溶着して図6に示すような形状のトナーボトル1を製作した。そして前記トナーボトル1に封止部材2を圧入した後に、2000gの磁性トナーを充填しトナーボトルを完成させた。
まず、作成した封止部材2のスナップフィット部の弾性変形力:Pを測定するために、前記封止部材2を下記に示す圧縮−引張試験機にセットして、図14に示したような状態でスナップフィット部の係合突起3を所定の位置(矢印Pの位置)に荷重をかけて、係合突起3の高さ:hだけ弾性変形させた時の、弾性変形力:Pを測定した。
そのときの弾性変形力:Pは58N(5.91kgf)であった。
次に、前記封止部材2を画像形成装置本体100に着脱させた時の着脱不良の確率を調べる為に、該封止部材2を備えたトナーボトル1を、画像形成装置本体100に繰り返し100回装脱着させた。
その結果、全てにおいて正しく着脱が行われ、着脱不良は発生しなかった。故に着脱不良の確率は0%であった。
次に、前記トナー2000g入りのトナーボトル1を画像形成装置本体100に装着し、トナーを排出させずに以下の条件で駆動させたときの、スナップフィット部の耐久性を評価した。その条件は、(1)ボトル回転数:40rpm、(2)間欠駆動条件:3秒−ON、1秒−OFF、(3)耐久時間:70時間、である。
その結果、耐久後のスナップフィット部の根元は非常にわずかな変形した形跡が見られたが、実用上は全く問題ないレベルであった。また破損は見られず開始時と同じ状態でボトルの駆動伝達は良好に行われていた。
《実施例8》
実施例8では、封止部材の材質については、材質:ABS樹脂、メーカー&グレード:テクノポリマー(330)、曲げ弾性率:2600MPa、とした。
そして、スナップフィット部の各寸法は、幅:b=5mm、長さ:L=15mm、肉厚:t=2mm、高さ:h=2.5mm、高さ:H=2.75mm、係合突起の数:4個(形状は図10参照)、とした。したがってこのときのb/L=0.333である。
このような条件の封止部材2を射出成形にて製作し、実施例1と同様なトナーボトルを製作し、実施例1と同様な評価を行った。
その結果、スナップフィット部の弾性変形力:Pは19.4N(1.98kgf)であった。
また前記封止部材2を画像形成装置本体100に着脱させた時の着脱不良の確率を調べる為に、該封止部材2を備えたトナーボトル1を、画像形成装置本体100に繰り返し100回装脱着させた。
その結果、全てにおいて正しく着脱が行われ、着脱不良は発生しなかった。故に着脱不良の確率は0%であった。
さらに実施例1と同様に、前記トナー2000g入りのトナーボトル1を画像形成装置本体100に装着し、トナーを排出させずに実施例1と同じ条件で駆動させたときの、スナップフィット部の耐久性を評価した。
その結果、耐久後もスナップフィット部の破損、変形は見られず開始時と同じ状態でボトルの駆動伝達は良好に行われていた。
《実施例9》
実施例9では、封止部材の材質については、材質:ABS樹脂、メーカー&グレード:テクノポリマー(330)、曲げ弾性率:2600MPa、とした。
そして、スナップフィット部の各寸法は、幅:b=5mm、長さ:L=25mm、肉厚:t=2mm、高さ:h=2.5mm、高さ:H=2.75mm、係合突起の数:4個(形状は図10参照)、とした。したがってこのときのb/L=0.20である。
このような条件の封止部材2を射出成形にて製作し、実施例1と同様なトナーボトルを製作し、実施例1と同様な評価を行った。
その結果、スナップフィット部の弾性変形力:Pは4.19N(0.43kgf)であった。
また前記封止部材2を画像形成装置本体100に着脱させた時の着脱不良の確率を調べる為に、該封止部材2を備えたトナーボトル1を、画像形成装置本体100に繰り返し100回装脱着させた。
その結果、全てにおいて正しく着脱が行われ、着脱不良は発生しなかった。故に着脱不良の確率は0%であった。
さらに実施例1と同様に、前記トナー2000g入りのトナーボトル1を画像形成装置本体100に装着し、トナーを排出させずに実施例1と同じ条件で駆動させたときの、スナップフィット部の耐久性を評価した。
その結果、耐久後もスナップフィット部の破損、変形は見られず開始時と同じ状態でボトルの駆動伝達は良好に行われていた。
《実施例10》
実施例10では、封止部材の材質については、材質:ABS樹脂、メーカー&グレード:テクノポリマー(330)、曲げ弾性率:2600MPa、とした。
そして、スナップフィット部の各寸法は、幅:b=5mm、長さ:L=45mm、肉厚:t=2mm、高さ:h=2.5mm、高さ:H=2.75mm、係合突起の数:4個(形状は図10参照)、とした。したがってこのときのb/L=0.111である。
このような条件の封止部材2を射出成形にて製作し、実施例1と同様なトナーボトルを製作し、実施例1と同様な評価を行った。
その結果、スナップフィット部の弾性変形力:Pは0.72N(0.07kgf)であった。
また前記封止部材2を画像形成装置本体100に着脱させた時の着脱不良の確率を調べる為に、該封止部材2を備えたトナーボトル1を、画像形成装置本体100に繰り返し100回装脱着させた。
その結果、全てにおいて正しく着脱が行われ、着脱不良は発生しなかった。故に着脱不良の確率は0%であった。
さらに実施例1と同様に、前記トナー2000g入りのトナーボトル1を画像形成装置本体100に装着し、トナーを排出させずに実施例1と同じ条件で駆動させたときの、スナップフィット部の耐久性を評価した。
その結果、耐久後のスナップフィット部の根元は非常にわずかな変形した形跡が見られたが、実用上は全く問題ないレベルであった。また破損は見られず開始時と同じ状態でボトルの駆動伝達は良好に行われていた。
《比較例3》
比較例3では、封止部材の材質については、材質:ABS樹脂、メーカー&グレード:テクノポリマー(330)、曲げ弾性率:2600MPa、とした。
そして、スナップフィット部の各寸法は、幅:b=5mm、長さ:L=5mm、肉厚:t=2mm、高さ:h=2.5mm、高さ:H=2.75mm、係合突起の数:4個(形状は図10参照)、とした。したがってこのときのb/L=1.00である。
このような条件の封止部材2を射出成形にて製作し、実施例1と同様なトナーボトルを製作し、実施例1と同様な評価を行った。
その結果、スナップフィット部の弾性変形力:Pは524.7N(53.5kgf)であった。
また前記封止部材2を画像形成装置本体100に着脱させた時の着脱不良の確率を調べる為に、該封止部材2を備えたトナーボトル1を、画像形成装置本体100に繰り返し100回装脱着させた。
その結果、スナップフィット部の弾性変形力が高すぎる為、画像形成装置本体に係止することが全くできなかった。故に着脱不良の確率は100%であった。
さらに実施例1と同様に、前記トナー2000g入りのトナーボトル1を画像形成装置本体100に装着し、トナーを排出させずに実施例1と同じ条件で駆動させたときの、スナップフィット部の耐久性を評価しようと試みたが、装着できないために、耐久性を評価することはできなかった。
《比較例4》
比較例4では、封止部材の材質については、材質:ABS樹脂、メーカー&グレード:テクノポリマー(330)、曲げ弾性率:2600MPa、とした。
そして、スナップフィット部の各寸法は、幅:b=5mm、長さ:L=50mm、肉厚:t=2mm、高さ:h=2.5mm、高さ:H=2.75mm、係合突起の数:4個(形状は図10参照)、とした。したがってこのときのb/L=0.10である。
このような条件の封止部材2を射出成形にて製作し、実施例1と同様なトナーボトルを製作し、実施例1と同様な評価を行った。
その結果、スナップフィット部の弾性変形力:Pは0.52N(0.05kgf)であった。
また前記封止部材2を画像形成装置本体100に着脱させた時の着脱不良の確率を調べる為に、該封止部材2を備えたトナーボトル1を、画像形成装置本体100に繰り返し100回装脱着させた。
その結果、全てにおいて正しく着脱が行われ、着脱不良は発生しなかった。故に着脱不良の確率は0%であった。
さらに実施例1と同様に、前記トナー2000g入りのトナーボトル1を画像形成装置本体100に装着し、トナーを排出させずに実施例1と同じ条件で駆動させたときの、スナップフィット部の耐久性を評価した。
その結果、耐久後約1時間程度で、トナーボトル1が回転しなくなった。原因を調べてみると、スナップフィット部の根元が完全に破断しており、本体駆動部20との係合関係が保たれておらず、駆動力を受ける状態ではなかったことが判明した。
<肉厚:tと長さ:Lの比率=t/Lをふった場合の検証>
次にスナップフィット部の各寸法(肉厚:tと長さ:L)をふった場合の弾性変形力、着脱不良の確率、スナップフィット部の耐久性について、先に述べた実施例1と同様に評価を行った。その結果を図17にまとめて示す。この図17を参照しつつ、実施例11〜14及び比較例5〜6について順に説明する。
《実施例11》
<封止部材>
実施例11では、封止部材の材質については、材質:ABS樹脂、メーカー&グレード:テクノポリマー(330)、曲げ弾性率:2600MPa、とした。
そして、スナップフィット部の各寸法は、幅:b=5mm、長さ:L=21mm、肉厚:t=1.5mm、高さ:h=2.5mm、高さ:H=2.75mm、係合突起の数:4個(形状は図10参照)、とした。したがってこのときのt/L=0.071である。
また、封止部材と開口部との嵌合部外径=φ30.4mm、カップリング係合部外径=φ20mmとした。
<トナー容器本体>
材質:HI−PS樹脂、ボトル外径=φ120mm、ボトル長さ=320mm、肉厚=2mmの円筒形状のボトルを射出成形にて製作し、それにフランジ部材を溶着して図6に示すような形状のトナーボトル1を製作した。そして前記トナーボトル1に封止部材2を圧入した後に、2000gの磁性トナーを充填しトナーボトルを完成させた。
まず、作成した封止部材2のスナップフィット部の弾性変形力:Pを測定するために、前記封止部材2を下記に示す圧縮−引張試験機にセットして、図14に示したような状態でスナップフィット部の係合突起3を所定の位置(矢印Pの位置)に荷重をかけて、係合突起3の高さ:hだけ弾性変形させた時の、弾性変形力:Pを測定した。そのときの弾性変形力:Pは1.79N(0.18kgf)であった。
次に、前記封止部材2を画像形成装置本体100に着脱させた時の着脱不良の確率を調べる為に、該封止部材2を備えたトナーボトル1を、画像形成装置本体100に繰り返し100回装脱着させた。
その結果、全てにおいて正しく着脱が行われ、着脱不良は発生しなかった。故に着脱不良の確率は0%であった。
次に、前記トナー2000g入りのトナーボトル1を画像形成装置本体100に装着し、トナーを排出させずに以下の条件で駆動させたときの、スナップフィット部の耐久性を評価した。その条件は、(1)ボトル回転数:40rpm、(2)間欠駆動条件:3秒−ON、1秒−OFF、(3)耐久時間:70時間、である。
その結果、耐久後のスナップフィット部の根元は非常にわずかな変形した形跡が見られたが、実用上は全く問題ないレベルであった。また破損は見られず開始時と同じ状態でボトルの駆動伝達は良好に行われていた。
《実施例12》
実施例12では、封止部材の材質については、材質:ABS樹脂、メーカー&グレード:テクノポリマー(330)、曲げ弾性率:2600MPa、とした。
そして、スナップフィット部の各寸法は、幅:b=5mm、長さ:L=21mm、肉厚:t=2mm、高さ:h=2.5mm、高さ:H=2.75mm、係合突起の数:4個(形状は図10参照)、とした。したがってこのときのt/L=0.095である。
このような条件の封止部材2を射出成形にて製作し、実施例1と同様なトナーボトルを製作し、実施例1と同様な評価を行った。その結果、スナップフィット部の弾性変形力:Pは5.66N(0.58kgf)であった。
また前記封止部材2を画像形成装置本体100に着脱させた時の着脱不良の確率を調べる為に、該封止部材2を備えたトナーボトル1を、画像形成装置本体100に繰り返し100回装脱着させた。
その結果、全てにおいて正しく着脱が行われ、着脱不良は発生しなかった。故に着脱不良の確率は0%であった。
さらに実施例1と同様に、前記トナー2000g入りのトナーボトル1を画像形成装置本体100に装着し、トナーを排出させずに実施例1と同じ条件で駆動させたときの、スナップフィット部の耐久性を評価した。
その結果、耐久後もスナップフィット部の破損、変形は見られず開始時と同じ状態でボトルの駆動伝達は良好に行われていた。
《実施例13》
実施例13では、封止部材の材質については、材質:ABS樹脂、メーカー&グレード:テクノポリマー(330)、曲げ弾性率:2600MPa、とした。
そして、スナップフィット部の各寸法は、幅:b=5mm、長さ:L=21mm、肉厚:t=2.5mm、高さ:h=2.5mm、高さ:H=2.75mm、係合突起の数:4個(形状は図10参照)、とした。したがってこのときのt/L=0.119である。
このような条件の封止部材2を射出成形にて製作し、実施例1と同様なトナーボトルを製作し、実施例1と同様な評価を行った。その結果、スナップフィット部の弾性変形力:Pは11.08N(1.13kgf)であった。
また前記封止部材2を画像形成装置本体100に着脱させた時の着脱不良の確率を調べる為に、該封止部材2を備えたトナーボトル1を、画像形成装置本体100に繰り返し100回装脱着させた。
その結果、全てにおいて正しく着脱が行われ、着脱不良は発生しなかった。故に着脱不良の確率は0%であった。
さらに実施例1と同様に、前記トナー2000g入りのトナーボトル1を画像形成装置本体100に装着し、トナーを排出させずに実施例1と同じ条件で駆動させたときの、スナップフィット部の耐久性を評価した。
その結果、耐久後もスナップフィット部の破損、変形は見られず開始時と同じ状態でボトルの駆動伝達は良好に行われていた。
《実施例14》
実施例14では、封止部材の材質については、材質:ABS樹脂、メーカー&グレード:テクノポリマー(330)、曲げ弾性率:2600MPa、とした。
そして、スナップフィット部の各寸法は、幅:b=5mm、長さ:L=21mm、肉厚:t=3.0mm、高さ:h=2.5mm、高さ:H=2.75mm、係合突起の数:4個(形状は図10参照)、とした。したがってこのときのt/L=0.143である。
このような条件の封止部材2を射出成形にて製作し、実施例1と同様なトナーボトルを製作し、実施例1と同様な評価を行った。その結果、スナップフィット部の弾性変形力:Pは19.14N(1.95kgf)であった。
また前記封止部材2を画像形成装置本体100に着脱させた時の着脱不良の確率を調べる為に、該封止部材2を備えたトナーボトル1を、画像形成装置本体100に繰り返し100回装脱着させた。
その結果、全てにおいて正しく着脱が行われ、着脱不良は発生しなかった。故に着脱不良の確率は0%であった。
さらに実施例1と同様に、前記トナー2000g入りのトナーボトル1を画像形成装置本体100に装着し、トナーを排出させずに実施例1と同じ条件で駆動させたときの、スナップフィット部の耐久性を評価した。
その結果、耐久後もスナップフィット部の破損、変形は見られず開始時と同じ状態でボトルの駆動伝達は良好に行われていた。
《比較例5》
比較例5では、封止部材の材質については、材質:ABS樹脂、メーカー&グレード:テクノポリマー(330)、曲げ弾性率:2600MPa、とした。
そして、スナップフィット部の各寸法は、幅:b=5mm、長さ:L=21mm、肉厚:t=1.0mm、高さ:h=2.5mm、高さ:H=2.75mm、係合突起の数:4個(形状は図10参照)、とした。したがってこのときのt/L=0.048である。
このような条件の封止部材2を射出成形にて製作し、実施例1と同様なトナーボトルを製作し、実施例1と同様な評価を行った。その結果、スナップフィット部の弾性変形力:Pは0.7N(0.07kgf)であった。
また前記封止部材2を画像形成装置本体100に着脱させた時の着脱不良の確率を調べる為に、該封止部材2を備えたトナーボトル1を、画像形成装置本体100に繰り返し100回装脱着させた。
その結果、全てにおいて正しく着脱が行われ、着脱不良は発生しなかった。故に着脱不良の確率は0%であった。
さらに実施例1と同様に、前記トナー2000g入りのトナーボトル1を画像形成装置本体100に装着し、トナーを排出させずに実施例1と同じ条件で駆動させたときの、スナップフィット部の耐久性を評価した。
その結果、耐久後約1.5時間程度で、トナーボトルが回転しなくなった。原因を調べてみると、スナップフィット部の根元が完全に破断しており、本体駆動部20との係合関係が保たれておらず、駆動力を受ける状態ではなかったことが判明した。
《比較例6》
比較例6では、封止部材の材質については、材質:ABS樹脂、メーカー&グレード:テクノポリマー(330)、曲げ弾性率:2600MPa、とした。
そして、スナップフィット部の各寸法は、幅:b=5mm、長さ:L=21mm、肉厚:t=5.0mm、高さ:h=2.5mm、高さ:H=2.75mm、係合突起の数:4個(形状は図10参照)、とした。したがってこのときのt/L=0.238である。
このような条件の封止部材2を射出成形にて製作し、実施例1と同様なトナーボトルを製作し、実施例1と同様な評価を行った。その結果、スナップフィット部の弾性変形力:Pは88.6N(9.04kgf)であった。
また前記封止部材2を画像形成装置本体100に着脱させた時の着脱不良の確率を調べる為に、該封止部材2を備えたトナーボトル1を、画像形成装置本体100に繰り返し100回装脱着させた。
その結果、スナップフィット部の弾性変形力が高すぎる為、画像形成装置本体に係止すること非常に困難で、85/100で着脱不良が発生してしまった。
さらに実施例1と同様に、前記トナー2000g入りのトナーボトル1を画像形成装置本体100に装着し、トナーを排出させずに実施例1と同じ条件で駆動させたときの、スナップフィット部の耐久性を評価した。
その結果、耐久後もスナップフィット部の破損、変形は見られず開始時と同じ状態でボトルの駆動伝達は良好に行われていた。
<高さ:hと長さ:Lの比率=h/Lをふった場合の検証>
次にスナップフィット部の各寸法(係合突起高さ:hと長さ:L)をふった場合の弾性変形力、着脱不良の確率、スナップフィット部の耐久性について、先に述べた実施例1と同様に評価を行った。その結果を図18にまとめて示す。この図18を参照しつつ、実施例15〜18及び比較例7〜8について順に説明する。
《実施例15》
<封止部材>
実施例15では、封止部材の材質については、材質:ABS樹脂、メーカー&グレード:テクノポリマー(330)、曲げ弾性率:2600MPa、とした。
そして、スナップフィット部の各寸法は、幅:b=5mm、長さ:L=21mm、肉厚:t=2.0mm、高さ:h=2.5mm、高さ:H=2.75mm、係合突起の数:4個(形状は図10参照)、とした。したがってこのときのh/L=0.119である。
また、封止部材と開口部との嵌合部外径=φ30.4mm、カップリング係合部外径=φ20mmとした。
<トナー容器本体>
材質:HI−PS樹脂、ボトル外径=φ120mm、ボトル長さ=320mm、肉厚=2mmの円筒形状のボトルを射出成形にて製作し、それにフランジ部材を溶着して図6に示すような形状のトナーボトル1を製作した。そして前記トナーボトル1に封止部材2を圧入した後に、2000gの磁性トナーを充填しトナーボトルを完成させた。
まず、作成した封止部材2のスナップフィット部の弾性変形力:Pを測定するために、前記封止部材2を下記に示す圧縮−引張試験機にセットして、図14に示したような状態でスナップフィット部の係合突起3を所定の位置(矢印Pの位置)に荷重をかけて、係合突起3の高さ:hだけ弾性変形させた時の、弾性変形力:Pを測定した。そのときの弾性変形力:Pは7.08N(0.72kgf)であった。
次に、前記封止部材2を画像形成装置本体100に着脱させた時の着脱不良の確率を調べる為に、該封止部材2を備えたトナーボトル1を、画像形成装置本体100に繰り返し100回装脱着させた。
その結果、全てにおいて正しく着脱が行われ、着脱不良は発生しなかった。故に着脱不良の確率は0%であった。
次に、前記トナー2000g入りのトナーボトル1を画像形成装置本体100に装着し、トナーを排出させずに以下の条件で駆動させたときの、スナップフィット部の耐久性を評価した。その条件は、(1)ボトル回転数:40rpm、(2)間欠駆動条件:3秒−ON、1秒−OFF、(3)耐久時間:70時間、である。
その結果、耐久後のスナップフィット部の根元は非常にわずかな変形した形跡が見られたが、実用上は全く問題ないレベルであった。また破損は見られず開始時と同じ状態でボトルの駆動伝達は良好に行われていた。
《実施例16》
実施例16では、封止部材の材質については、材質:ABS樹脂、メーカー&グレード:テクノポリマー(330)、曲げ弾性率:2600MPa、とした。
そして、スナップフィット部の各寸法は、幅:b=5mm、長さ:L=21mm、肉厚:t=2mm、高さ:h=1.0mm、高さ:H=2.75mm、係合突起の数:4個(形状は図10参照)、とした。したがってこのときのh/L=0.048である。
このような条件の封止部材2を射出成形にて製作し、実施例1と同様なトナーボトルを製作し、実施例1と同様な評価を行った。その結果、スナップフィット部の弾性変形力:Pは2.83N(0.28kgf)であった。
また前記封止部材2を画像形成装置本体100に着脱させた時の着脱不良の確率を調べる為に、該封止部材2を備えたトナーボトル1を、画像形成装置本体100に繰り返し100回装脱着させた。
その結果、全てにおいて正しく着脱が行われ、着脱不良は発生しなかった。故に着脱不良の確率は0%であった。
さらに実施例1と同様に、前記トナー2000g入りのトナーボトル1を画像形成装置本体100に装着し、トナーを排出させずに実施例1と同じ条件で駆動させたときの、スナップフィット部の耐久性を評価した。
その結果、耐久後もスナップフィット部の破損、変形は見られず開始時と同じ状態でボトルの駆動伝達は良好に行われていた。
《実施例17》
実施例17では、封止部材の材質については、材質:ABS樹脂、メーカー&グレード:テクノポリマー(330)、曲げ弾性率:2600MPa、とした。
そして、スナップフィット部の各寸法は、幅:b=5mm、長さ:L=21mm、肉厚:t=2mm、高さ:h=4.0mm、高さ:H=2.75mm、係合突起の数:4個(形状は図10参照)、とした。したがってこのときのh/L=0.19である。
このような条件の封止部材2を射出成形にて製作し、実施例1と同様なトナーボトルを製作し、実施例1と同様な評価を行った。その結果、スナップフィット部の弾性変形力:Pは11.3N(1.15kgf)であった。
また前記封止部材2を画像形成装置本体100に着脱させた時の着脱不良の確率を調べる為に、該封止部材2を備えたトナーボトル1を、画像形成装置本体100に繰り返し100回装脱着させた。
その結果、全てにおいて正しく着脱が行われ、着脱不良は発生しなかった。故に着脱不良の確率は0%であった。
さらに実施例1と同様に、前記トナー2000g入りのトナーボトル1を画像形成装置本体100に装着し、トナーを排出させずに実施例1と同じ条件で駆動させたときの、スナップフィット部の耐久性を評価した。
その結果、耐久後もスナップフィット部の破損、変形は見られず開始時と同じ状態でボトルの駆動伝達は良好に行われていた。
《実施例18》
実施例18では、封止部材の材質については、材質:ABS樹脂、メーカー&グレード:テクノポリマー(330)、曲げ弾性率:2600MPa、とした。
そして、スナップフィット部の各寸法は、幅:b=5mm、長さ:L=21mm、肉厚:t=2mm、高さ:h=5.0mm、高さ:H=2.75mm、係合突起の数:4個(形状は図10参照)、とした。したがってこのときのh/L=0.238である。
このような条件の封止部材2を射出成形にて製作し、実施例1と同様なトナーボトルを製作し、実施例1と同様な評価を行った。その結果、スナップフィット部の弾性変形力:Pは14.16N(1.44kgf)であった。
また前記封止部材2を画像形成装置本体100に着脱させた時の着脱不良の確率を調べる為に、該封止部材2を備えたトナーボトル1を、画像形成装置本体100に繰り返し100回装脱着させた。
その結果、全てにおいて正しく着脱が行われ、着脱不良は発生しなかった。故に着脱不良の確率は0%であった。
さらに実施例1と同様に、前記トナー2000g入りのトナーボトル1を画像形成装置本体100に装着し、トナーを排出させずに実施例1と同じ条件で駆動させたときの、スナップフィット部の耐久性を評価した。
その結果、耐久後もスナップフィット部の破損、変形は見られず開始時と同じ状態でボトルの駆動伝達は良好に行われていた。
《比較例7》
比較例7では、封止部材の材質については、材質:ABS樹脂、メーカー&グレード:テクノポリマー(330)、曲げ弾性率:2600MPa、とした。
そして、スナップフィット部の各寸法は、幅:b=5mm、長さ:L=21mm、肉厚:t=2mm、高さ:h=0.5mm、高さ:H=2.75mm、係合突起の数:4個(形状は図10参照)、とした。したがってこのときのh/L=0.024である。
このような条件の封止部材2を射出成形にて製作し、実施例1と同様なトナーボトルを製作し、実施例1と同様な評価を行った。その結果、スナップフィット部の弾性変形力:Pは1.41N(0.14kgf)であった。
また前記封止部材2を画像形成装置本体100に着脱させた時の着脱不良の確率を調べる為に、該封止部材2を備えたトナーボトル1を、画像形成装置本体100に繰り返し100回装脱着させた。
その結果、64/100で着脱不良が発生した。原因は係合突起3の高さ:hが低すぎる為に、本体駆動部20に係止できない場合が数多く発生したためと思われる。
さらに実施例1と同様に、前記トナー2000g入りのトナーボトル1を画像形成装置本体100に装着し、トナーを排出させずに実施例1と同じ条件で駆動させたときの、スナップフィット部の耐久性を評価した。
その結果、耐久初期からトナーボトルが回転したり、しなかったりと非常に不安定な駆動状態を示した。この原因は係合突起3の高さ:hが低すぎる為、本体駆動部20との引っ掛りが適正に保てないためであったと思われる。
《比較例8》
比較例8では、封止部材の材質については、材質:ABS樹脂、メーカー&グレード:テクノポリマー(330)、曲げ弾性率:2600MPa、とした。
そして、スナップフィット部の各寸法は、幅:b=5mm、長さ:L=10mm、肉厚:t=2mm、高さ:h=5.0mm、高さ:H=2.75mm、係合突起の数:4個(形状は図10参照)、とした。したがってこのときのh/L=0.50である。
このような条件の封止部材2を射出成形にて製作し、実施例1と同様なトナーボトルを製作し、実施例1と同様な評価を行った。その結果、スナップフィット部の弾性変形力:Pは131.1N(13.3kgf)であった。
また前記封止部材2を画像形成装置本体100に着脱させた時の着脱不良の確率を調べる為に、該封止部材2を備えたトナーボトル1を、画像形成装置本体100に繰り返し100回装脱着させた。
その結果、スナップフィット部の弾性変形力が高すぎる為、画像形成装置本体に係止することが全くできなかった。故に着脱不良の確率は100%であった。
さらに実施例1と同様に、前記トナー2000g入りのトナーボトル1を画像形成装置本体100に装着し、トナーを排出させずに実施例1と同じ条件で駆動させたときの、スナップフィット部の耐久性を評価しようと試みたが、装着できないために、耐久性を評価することはできなかった。
《検証結果》
上記検証結果から、封止部材の機械的物性値は以下の条件であることが好ましいことがわかる。
封止部材の曲げ弾性率は、比較例1に示すようにあまり低い(1100MPa以下)と着脱不良が発生し、逆に比較例2に示すように極端に高く(23000MPa以上)ても着脱不良が発生している。図15からも明らかなように、実施例1〜6に示す曲げ弾性率のときに着脱不良が発生せず、着脱が良好であったことから、封止部材の曲げ弾性率としては1400〜20000MPaの材質が好ましいことがわかる。より好ましい範囲としては実施例2〜実施例4の範囲である2600〜5590MPa程度が好適である。この理由は実施例5〜6と比較して、弾性変形力が小さいにも関わらず、耐久性と着脱不良のバランスが良いためである。実施例5〜6も実用上全く問題ないし、耐久性もより優れているが、そのぶん弾性変形力が29.96〜54.48Nと実施例1〜4に比較して数値が高いため、操作力がやや高くなってしまうためである。したがって、十分な耐久性が確保できているならば、できるだけ弾性変形力は小さいほうが好ましいと考えるため、より好適な範囲としては2600〜5590MPaである。
また、幅bと長さLの比率(b/L)は、比較例3に示すように等倍(b/L=1.0)あるいは長さLに対して幅bが大きいとスナップフィット部の剛性が強すぎて、装置本体の駆動部20に係止できずに装着不良が発生してしまう。逆に比較例4に示すように幅bに対して長さLが極端に長い(b/L=0.1)場合は、スナップフィット部の剛性が低下して回転トルクが掛かった時にスナップフィット部の根元が破断してしまい駆動伝達不良が発生している。図16からも明らかなように、実施例7〜10に示す、幅bと長さLの比率のときに着脱及び駆動伝達不良が発生せず、良好な機能を発揮していたことから、幅bと長さLの比率は、b/L=0.11〜0.5の範囲内であることが望ましいことがわかる。
また、肉厚tと長さLの比率(t/L)は、比較例5に示すようにあまり小さい(t/L=0.048)とスナップフィット部の剛性が低下して駆動伝達不良が発生し、逆に比較例6に示すように極端に大きく(t/L=0.238)てもスナップフィットの剛性が高くなり過ぎて、容易に弾性変形できなくなり着脱不良が発生している。図17からも明らかなように、実施例11〜14に示す厚tと長さLの比率のときに着脱不良が発生せず、着脱及び駆動伝達不良が発生せず、良好な機能を発揮していたことから、肉厚tと長さLの比率は、t/L=0.05〜0.15の範囲であることが好ましいことがわかる。
また、高さhと長さLの比率(h/L)は、比較例7に示すようにあまり小さい(h/L=0.024)と本体駆動部20への引っ掛りが保てずに、封止部材が空回りしてしまい駆動伝達不良が発生し、逆に比較例8に示すように極端に大きく(t/L=0.5)てもスナップフィットの剛性が高すぎて、容易に弾性変形できなくなり着脱不良が発生している。図18からも明らかなように、実施例15〜18に示す高さhと長さLの比率のときに着脱不良が発生せず、着脱が良好であったことから、高さhと長さLの比率は、h/L=0.04〜0.25の範囲であることが好ましいことがわかる。
以上説明したように、スナップフィット部の曲げ弾性率を上記の範囲内に設定することにより、スナップフィット部が装置本体の駆動部と良好にかつ確実にスナップフィット係合し、更に装置本体の駆動部からの回転駆動力を安定して受けることができ、操作者に負担をかけることのない、優れた補給操作性および確実な着脱性を実現することができる。
〔他の実施形態〕
前述した実施形態では、スナップフィット部の係合突起3が回転駆動力受け部と係止力受け部の双方を一体に有した例について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、画像形成装置本体の駆動部から回転駆動力を受ける突起と、画像形成装置本体の駆動部からスラスト方向(軸方向)の力を受ける突起を別々に設けても構わない。また、装置本体の駆動部と連結するスナップフィット部が封止部を一体に有した上述の構成に限らず、封止部をスナップフィット部別体に設けても構わない。
また、前述した実施形態では、画像形成装置に着脱自在な現像剤補給容器が1つである場合を例示したが、現像剤補給容器の使用個数はこれに限定されるものではなく、必要に応じて適宜設定すれば良い。更に前述した実施形態では、モノクロ画像が記録可能な画像形成装置を例示したが、これに限定されるものではなく、カラー画像が記録可能な画像形成装置であってもよく、該画像形成装置に着脱自在な現像剤補給容器および該現像剤補給容器に用いる封止部材に本発明を適用することで同様の効果を得ることができる。
また、前述した実施形態では、画像形成装置として複写機を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えばプリンタ、ファクシミリ装置等の他の画像形成装置や、或いはこれらの機能を組み合わせた複合機等の他の画像形成装置や、転写材担持体を使用し、該転写材担持体に担持された転写材に各色のトナー像を順次重ねて転写する画像形成装置や、中間転写体を使用し、該中間転写体に各色のトナー像を順次重ねて転写し、該中間転写体に担持されたトナー像を転写材に一括して転写する画像形成装置であっても良く、該画像形成装置に着脱自在な現像剤補給容器および該現像剤補給容器に用いる封止部材に本発明を適用することにより同様の効果を得ることができる。
また、前述した実施形態では、駆動連結部材として封止部材の例を示したが、本発明はこれに限定されるものでなく、その他の形態であっても良い。例えば、トナー補給容器本体に、本実施形態にて説明された駆動連結部材を直接設けても同様な効果を発揮することができる。
また、先に説明した封止部材特有の効果としては、従来は封止部材の開封時に抜け止め力がかかり、スナップフィット部が外れる可能性があったが、本発明の曲げ弾性率であれば、こうした外れるといった現象を防止することができる。