JP2003202007A - 保持具 - Google Patents

保持具

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JP2003202007A
JP2003202007A JP2002000639A JP2002000639A JP2003202007A JP 2003202007 A JP2003202007 A JP 2003202007A JP 2002000639 A JP2002000639 A JP 2002000639A JP 2002000639 A JP2002000639 A JP 2002000639A JP 2003202007 A JP2003202007 A JP 2003202007A
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acid
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polymerization
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Susumu Matsumoto
晋 松本
Takao Kondo
隆夫 近藤
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Mitsubishi Engineering Plastics Corp
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Mitsubishi Engineering Plastics Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 保持具の挿入力を低減させ、且つ抜け等のト
ラブルの発生を軽減し得るスナップフィット接合方法等
に利用可能な保持具を提供する。 【解決手段】 被保持部材の空隙に弾性変形を利用して
挿入され、挿入後に弾性変形量が減少する保持具であっ
て、(A)オキシメチレン基を主たる構成単位とし、炭
素数2以上のオキシアルキレン基からなる構成単位を前
記オキシメチレン基からなる構成単位100重量部に対
して0.5〜3.0重量部含有するポリアセタール系樹
脂と、(B)少なくとも1種類の潤滑剤0.01〜20
重量%(対全組成物)とを含むポリアセタール系樹脂組
成物からなる保持具である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、スナップフィット
接合方法等に用いられる保持具の技術分野に属し、より
詳細には、自動車等において部品等を相手材に装着する
ために用いられるクリップ等の保持具の技術分野に属す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、プラスチック部品の接合方法とし
て、プレスフィット接合方法とスナップフィット接合方
法等が知られている。プレスフィット接合方法は、成形
品のボス部に保持具を挿入し、その残留応力で接合する
方法である。一方スナップフィット接合方法は、プラス
チック部品の弾性変形およびバネ特性を利用した接合方
法であり、接合時のみ保持具に応力および歪みを与え、
接合完了時点では応力および歪みともに開放させる接合
方法であり、接合後も歪みを保有させその残留応力で接
合保持させるプレスフィット接合方法とは区別される。
またプレスフィット接合方法が主に部品を固定すること
を目的とするのに対して、スナップフィット接合方法は
部品を固定する以外に、固定した部品を再び脱着させる
ことを目的とする場合がある点でも異なる。この様に、
双方の接合方法は、その接合形態が異なることから、各
接合方法に適合する性質が要求される。
【0003】スナップフィット接合方法に用いられる保
持具としては、例えば、自動車その他の機器、器具にお
いて、物品または部品等を相手材に装着または着脱する
クリップがある。クリップ用プラスチック材料として
は、ポリアミド樹脂やポリアセタール樹脂が汎用的に使
用されている。このうち、ポリアミド樹脂製のものは、
柔軟性や耐衝撃性に優れ、またクリップ特性にも優れ、
クリップとして好適であるが、吸湿により柔軟性や耐衝
撃性等が変化しやすく、クリップ装着時の環境条件(温
度・湿度など)に注意が必要であり、組立作業性が悪い
ことが問題である。一方、ポリアセタール樹脂製のもの
は、吸水性による柔軟性や耐衝撃性等の変化が少なく、
安定しているためクリップ材に適する。
【0004】近年、自動車部品組立時における作業者の
負担軽減を目指して、保持具組付時の挿入力低減化が検
討されている。保持具の挿入力を低減させるため、熱可
塑性エラストマーを配合するなどにより、保持具の軟質
化が検討されているが、その場合、挿入力は低減するも
のの、クリップの規格として定められた最低抜け荷重を
保持できなくなるばかりか、取り付けられた鋼板から抜
けが生じることもあり、その対策が求められている。ま
た摺動剤の配合により挿入力を低減させる手段も考えら
れるが、摺動剤を配合することにより、各種物性が低下
し、軟質化するため、同様にクリップの最低抜け荷重を
保持できないという問題があり、実用化に至っていない
のが現状である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前記諸問題に
鑑みなされたものであって、保持具の挿入力を低減さ
せ、且つ抜け等のトラブルの発生を軽減し得るスナップ
フィット接合方法等に利用可能な保持具を提供すること
を課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意検討した結果、ある特定のポリアセタ
ール系樹脂と所定量の潤滑剤とを組み合わせることによ
り、スナップフィット接合方法に利用される保持具に要
求される特性を充分満足し得る組成物が得られることを
見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至っ
た。即ち、本発明は、被保持部材の空隙に弾性変形を利
用して挿入され、挿入後に弾性変形量が減少する保持具
であって、(A)オキシメチレン基を主たる構成単位と
し、炭素数2以上のオキシアルキレン基からなる構成単
位を前記オキシメチレン基からなる構成単位100重量
部に対して0.5〜3.0重量部含有するポリアセター
ル系樹脂と、(B)少なくとも1種類の潤滑剤0.01
〜20重量%(対全組成物)とを含むポリアセタール系
樹脂組成物からなる保持具を提供するものである。
【0007】本発明の好ましい態様として、(B)潤滑
剤がシリコーン系潤滑剤、α−オレフィンオリゴマー、
フッ素系潤滑剤、脂肪族エステル及び脂肪族アミドから
選ばれる少なくとも1種である上記保持具;スナップフ
ィットの構造を有する上記保持具;および自動車用部材
に接合されるクリップ型保持具である上記保持具が提供
される。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。なお、本明細書において「〜」はその前後に記載
される数値をそれぞれ最小値および最大値として含む範
囲を示す。まず、本発明の保持具に用いられるポリアセ
タール系樹脂組成物について説明する。本発明における
ポリアセタール系樹脂組成物は、ポリオキシメチレン基
の構成単位と、炭素数2以上のオキシアルキレン基の構
成単位とを少なくとも含む共重合体のポリアセタール系
樹脂を含有する。前記ポリアセタール系樹脂は、ポリオ
キシメチレン基を主たる構成単位とし、炭素数2以上の
オキシアルキレン基の構成単位をオキシメチレン基から
なる構成単位100重量部に対して0.5〜3.0重量
部(好ましくは、0.6〜2.5重量部)含有する。前
記炭素数2以上のオキシアルキレン基の含有量が過少の
場合は、熱あるいは薬品に対する共重合体の安定性が不
充分で強度等の諸特性の長期耐久性が劣るものとなり、
過大の場合は強度および剛性が低下する傾向を示し、い
ずれも本発明の目的を満足できない。また、本発明に用
いられるポリアセタール樹脂は、架橋や分岐状分子鎖を
有するポリマー、或いは、オキシアルキレン単位とは異
なる異種成分セグメントを含有するオキシメチレンブロ
ックコポリマーも含まれる
【0009】前記炭素数2以上(好ましくは炭素数2〜
6、より好ましくは炭素数2〜4)のオキシアルキレン
基としては、オキシエチレン基、オキシプロピレン基、
オキシブチレン基等の炭数2〜4のオキシアルキレン基
が挙げられ、中でもオキシエチレン基が好ましい。
【0010】本発明におけるポリアセタール系樹脂は、
例えば、ホルムアルデヒド又はその環状オリゴマーであ
るトリオキサンを主モノマーとし、エチレンオキシド、
プロピレンオキシド、1,3−ジオキソラン、1,3,
5−トリオキセパン、1,4−ブタンジオールホルマー
ル、ジエチレングルコールホルマール等の少なくとも1
つの炭素間結合を有する環状エーテル及び/又は環状ア
セタールの中から選ばれた一種以上のコモノマーを共重
合することで得られるものである。良好なコモノマー分
散性を得るため、ポリマー中に連鎖移動を生じさせない
1,3−ジオキソラン及び/又は1,3,5−トリオキ
セパンを使用することが特に好ましい。
【0011】また、重合の際には、共重合体の分子量調
節のために、連鎖移動剤を重合系に添加することもでき
る。このような連鎖移動剤としては、メチラール、エチ
ラール、ブチラール等が例示される。前記連鎖移動剤の
添加量については、特に制限はないが、必要となる分子
量に応じて通常、1000ppm以下の範囲に調整され
る。
【0012】また、前記ポリアセタール系樹脂の重合の
際に用いられる重合触媒としては、一般のカチオン活性
触媒が使用される。このようなカチオン活性触媒として
は、ルイス酸が挙げられる。具体的には、ホウ素、ス
ズ、チタン、リン、ヒ素及びアンチモン等のハロゲン化
物、例えば三フッ化ホウ素、四塩化スズ、四塩化チタ
ン、五塩化リン、五フッ化リン、五フッ化ヒ素、及び五
フッ化アンチモン、ならびにその錯体化合物及び塩の如
き化合物;プロトン酸、例えばトリフルオロメタンスル
ホン酸、パークロル酸;プロトン酸のエステル、特にパ
ークロル酸と低級脂肪族アルコールとのエステル(例え
ばパークロル酸エステル三級ブチルエステル);プロト
ン酸の無水物、特にパークロル酸と低級脂肪族カルボン
酸との混合無水物(特にアセチルパークロライト);イ
ソポリ酸;ヘテロポリ酸、(例えばリンモリブデン
酸);トリエチルオキソニウムヘキサフルオロホスファ
ート、トリフェニルメチルヘキサフルオロアルゼナー
ト、アセチルヘキサフルオロボラート;等が挙げられ
る。中でも三フッ化ホウ素及び三フッ化ホウ素と有機化
合物(例えばエーテル類)との配位化合物は、最も一般
的で適している。これらの触媒は一般的に原料モノマー
及びコモノマーの総量に対し10〜300ppm用いら
れる。
【0013】前記ポリアセタール系樹脂は、従来公知の
トリオキサンの共重合法と同様の設備および重合方法を
利用して製造することができる。即ち、バッチ式および
連続式いずれの方法も可能であり、又、溶融重合および
溶液塊状重合等いずれでもよいが、液体モノマーを用
い、重合の進行とともに個体粉塊状のポリマーを得る連
続式塊状重合方法が工業的には一般的であり望ましい。
【0014】重合装置としては、コニーダー、2軸スク
リュー式連続押出混合機、2軸パドルタイプの連続混合
機、その他、トリオキサンの連続重合装置が使用可能
で、密閉系であれば2段階以上に分かれていてもよい。
特に重合反応によって生成する固体重合物が微細な形態
で得られるような粉砕機能を備えたものが好ましい。重
合条件については、用いるモノマー、重合触媒の種類等
に応じて適宜設定される。一般的には、重合温度は64
〜120℃である。特にかかる温度範囲中、比較的低温
で重合が行われることが好ましい。又、重合時間は触媒
量と関係し、特に制限はないが、一般的には、0.5〜
100分である。
【0015】所定の時間モノマーを重合させた後、重合
触媒の失活化を行うことによって重合を終了させること
ができる。例えば、所定の時間モノマーを重合させた
後、重合装置の内部から粗重合体を排出し、その後、直
ちに失活剤と混合接触させて重合触媒の失活化を行うの
が好ましい。失活剤としては、例えばトリエチルアミ
ン、アリエタノールアミンなどのアミン類やフッ化ナト
リウム、フッ化カリウムなどの無機アルカリ性物質等と
混合した溶液が挙げられる。溶液としては、特に水溶液
が好ましい。重合触媒の失活された共重合体は、所望に
より、更に洗浄、未反応モノマーの分離回収、乾燥など
を経て、又は所望により更に不安定末端部の分解除去等
による末端安定化工程を経て組成物中に配合される。
【0016】本発明におけるポリアセタール系樹脂組成
物は、(B)少なくとも1種類の潤滑剤を含有する。前
記潤滑剤を配合することによって、保持具の挿入力を低
減することができる。一方、前記潤滑剤の配合量が多す
ぎると、成形性や機械的強度の低下を招き、抜け等のト
ラブルが発生する傾向がある。潤滑剤の配合量が全組成
物中0.01〜20重量%であると、抜け等のトラブル
の発生を抑制しつつ、挿入力を低減することができる。
前記潤滑剤の配合量は、好ましくは全組成物中0.1〜
20重量%であり、より好ましくは0.2〜10重量%
であり、更に好ましくは0.5〜5重量%である。
【0017】本発明において、潤滑剤は、シリコーン系
潤滑剤、α−オレフィンオリゴマー、フッ素系潤滑剤、
脂肪族エステル及び脂肪族アミドから選ばれる少なくと
も1種であるのが好ましい。以下各々の潤滑剤について
説明する。シリコーン系潤滑剤としては、ポリジメチル
シロキサン、ポリオルガノシロキサン、ポリメチルフェ
ニルシロキサン等が代表として好ましく用いられる。ま
た、変性体を使用することもでき、例えば、ポリオルガ
ノシロキサンにアクリル酸エステル及び/又はメタクリ
ル酸エステル、並びに必要に応じ、こられと共重合可能
な単量体との混合物をグラフト共重合してなるアクリル
変性ポリオルガノシロキサンなども使用可能である。前
記シリコーン系潤滑剤は、動粘度が1×10-4〜10m
2/sの範囲のものが好ましく、0.1〜10m2/sの
ものがより好ましい。
【0018】α−オレフィンオリゴマーは、主に炭素数
6〜20のα−オレフィンを単独、またはエチレンと炭
素数3〜20のα−オレフィンとを共重合した構造を有
する脂肪族炭化水素である。本発明においては、数平均
分子量が400〜4000のエチレン・α−オレフィン
オリゴマーが好ましく使用される。
【0019】フッ素系潤滑剤についてはフッ素系樹脂の
中でも、ポリテトラフルオロエチレンが特に好ましい。
【0020】脂肪族エステルとは、脂肪酸と脂肪族アル
コール(多価アルコールを含む)からなるステルをいう
が、炭素数16以上の脂肪酸と炭素数16以上の脂肪族
アルコールとからなるエステルが好ましく使用される。
かかる脂肪族エステルを構成する炭素数16以上の一価
の飽和脂肪酸としては、パルミチン酸、イゾパルミチン
酸、ステアリン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セチロ
ン酸、ヘプタコサン酸、モンタン酸、メリシン酸、ラク
セル酸、セトレイン酸、エルカ酸等が挙げられる。ま
た、炭素数16以上の一価の飽和脂肪族アルコールとし
ては、セチルアルコール、ステアリルアルコール、イソ
ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、エルシル
アルコール、ヘキシルデシルアルコール、オクチルドデ
シルアルコール等が挙げられる。
【0021】多価アルコールと脂肪酸とのエステルを使
用することもできる。多価アルコールと脂肪酸とのエス
テルには、多価アルコールの一部のみがエステル化さ
れ、ヒドロキシ基が大部分残留した部分エステルもある
が、部分エステルは、とりわけブリードアウトが激し
く、成形品外観を悪化させる傾向があるが、摺動性およ
び成形性を損なうものではなく使用可能である。前記多
価アルコールとしては、エチレングリコール、ジエチレ
ングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオー
ル、グリセリン、エリスリトール、ペンタエリスリトー
ル、ソルビタン等が挙げられる。
【0022】脂肪酸と脂肪族アルコールからなる脂肪族
エステルの中でも、価格および入手の容易性の点から特
に好ましくは、ステアリルステアレート、ベヘニルベヘ
ネート、エチレングリコールジステアレート、トリメチ
ロールプロパントリステアレート、ペンタエリスリトー
ルテトラステアレート、ジステアリルアジペート、ジス
テアリルフタレートなどである。
【0023】脂肪族アミドとしては、炭素数16以上の
脂肪族カルボン酸と、脂肪族アミンもしくは脂肪族ジア
ミンよりなる脂肪族アミド化合物が用いられる。かかる
脂肪族アミドを構成するカルボン酸としては、パルミチ
ン酸、イソパルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリ
ン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セチロン酸、ヘプタ
コサン酸、モンタン酸、メリシン酸、ラクセル酸、セト
レイン酸、エルカ酸等が挙げられる。また(ジ)アミン
としては、アンモニア、エチレンジアミン等が挙げられ
る。かかるアミド化合物の例としては、ステアロイルア
ミド、エルカ酸アミド、エチレンビスステアロイルアミ
ド等が挙げられるが、特にこれに限定されるものではな
い。
【0024】本発明におけるポリアセタール系樹脂組成
物には、各種安定剤を配合することができる。また所望
により、加工性改良剤を配合することができる。具体的
には、酸化防止剤、耐熱安定剤、帯電防止剤、紫外線吸
収剤、光安定剤、滑剤、可塑剤、その他の界面活性剤を
1種または2種以上添加含有させることが可能である。
酸化防止剤としては、例えば、2,2'−メチレンビス
(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,6−
ヘキサンジオール−ビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチ
ル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、ペン
タエリスリトールテトラキス〔3−(3,5−ジ−t−
ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、
トリエチレングリコールビス〔3−(3−t−ブチル−
5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネー
ト〕、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)
ベンゼン、n−オクタデシル−3−(4'−ヒドロキシ
−3',5'−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオネー
ト、4,4'−メチレンビス(2,6−ジ−t−ブチル
フェノール)、4,4'−ブチリデンビス−(6−t−
ブチル−3−メチルフェノール)、3,9−ビス{2−
〔3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチル
フェニル)プロピオニルオキシ〕−1,1−ジメチルエ
チル}2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5,
5〕ウンデカン、ジ−ステアリル−3,5−ジ−t−ブ
チル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート、2−t−
ブチル−6−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒド
ロキシベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、
N,N'−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチ
ル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド)等のヒンダ
ードフェノール類が挙げられる。
【0025】耐熱安定剤としては、ナイロン6・10、
ナイロン6・66・610、ポリアクリルアミド等のポ
リアミド、メラミン、ジシアンジアミド等及びホルムア
ルデヒドとの重縮合物に代表される含窒素化合物;ステ
アリン酸の如き高級脂肪酸及び水酸基などの置換基を有
する置換高級脂肪酸の塩(ナトリウム、カリウム、マグ
ネシウム、カルシウム、バリウム塩等)等の金属含有化
合物等が挙げられる。紫外線吸収剤としては、2−〔2
−ヒドロキシ−3,5−ビス−(α,α'−ジメチルベ
ンジル)フェニル〕ベンゾトリアゾール等のベンゾトリ
アゾール類、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェ
ノン等のベンゾフェノン類等が挙げられる。光安定剤と
しては、4−アセトキシ−2,2,6,6−テトラメチ
ルピペリジン、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−
4−ピペリジル)アジペート等のヒンダードアミン類等
が挙げられる。滑剤としては、グリセリンモノステアレ
ート、ペンタエリスリトールトリステアレート等の高級
脂肪酸エステル類;エチレンビス(ステアリルアミド)
等の高級脂肪酸アミド等が挙げられる。可塑剤として
は、ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレンポリ
プロピレン共重合体等が挙げられる。これらの剤から選
ばれる1種または2種以上を配合することができる。
【0026】これらの内、好ましい添加剤は、酸化防止
剤としてペンタエリスリトールテトラキス〔3−(3,
5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピ
オネート〕、トリエチレングリコールビス〔3−(3,
5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピ
オネート〕、3,9−ビス−{2−〔3−(3−t−ブ
チル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)フロピオ
ニルオキシ−〕1,1−ジメチルエチル}−2,4,
8,10−テトラオキサスピロ〔5,5〕ウンデカン等
のヒンダードフェノール類;含窒素化合物として、メラ
ミン、ジシアンジアミド等及びホルムアルデヒドとの重
縮合;金属含有化合物として、マグネシウム、カルシウ
ムの高級脂肪酸及び置換高級脂肪酸の塩;である。
【0027】ポリアセタール系樹脂組成物において、前
記安定剤等の添加剤の総量は、全組成物中、0.1〜
2.0重量%であるのが好ましく、0.1〜1.0重量
%であるのがより好ましい。
【0028】本発明におけるポリアセタール系樹脂組成
物は、一般に合成樹脂組成物の調製方法として、公知の
設備と方法により調製することができる。即ち、必要な
成分を混合し、1軸または2軸の押出機を使用して混練
して調製することができる。さらに押出して成形用ペレ
ットとした後、成形工程に付することもできる。また該
組成物の調製を成形機にて成形と同時に行うことも可能
である。また各成分の分散混合を改良するため樹脂成分
の一部または全部を粉砕した後、混合して、溶融押出し
たペレットを成形する方法等、従来公知の調製方法およ
び成形方法のいずれを用いることも可能である。また前
記潤滑剤、安定剤等の添加剤は、任意のいかなる段階で
加えてもよく、また最終成形品を得る直前で添加、混合
することももちろん可能である。
【0029】本発明におけるポリアセタール系樹脂組成
物は、シリンダー温度設定が190℃にて試験片を作製
し、ASTM測定規格に準拠して曲げ弾性率を測定した
際の曲が弾性率が2.3GPa以上であるのが好まし
い。
【0030】本発明の保持具は、前記ポリアセタール系
樹脂組成物を所望の形状に成形することよって作製する
ことができる。成形には、押出成形、射出成形、圧縮成
形、射出圧縮成形、発泡成形等いずれを用いることもで
きるが、クリップ等のスナップフィット接合方法用保持
具は、一般的には射出成形により作製することができ
る。また、射出成形は、低コストで作成可能な点でも有
利である。
【0031】本発明の保持具は、被保持具材の空隙に弾
性変形を利用して挿入され、挿入後に弾性変形量が減少
する保持具である。例えば、被保持具材への接合には、
応力および歪みが与えられるが、挿入後には応力および
歪みとも開放させるスナップフィット接合方法に用いら
れる保持具が挙げられる。被保持具材の空隙は、被保持
具材に設けられた凹部に限られず、複数の部品間に形成
された間隔等も含まれる。
【0032】本発明は、スナップフィット保持具として
知られている種々の形状の保持具に適用することができ
る。スナップフィット保持具は、一般的には接合部分の
一方に突起部を、他方にアンダーカット部を持たせ、接
合させる方法である。部品を固定する目的および着脱を
行う目的にも利用される接合方法である。本発明は、ス
ナップフィット接合方法に用いられる突起部を有する保
持具に適用するのが好ましいが、アンダーカットを有す
る保持具にも用いることもできる。本発明は、自動車の
内張りクリップ、スイッチケースの組立ばね、バンパー
等の接合、シートベルトバックル、ガスホース類のワン
タッチジョイント等の保持具に適用することができる。
【0033】
【実施例】以下、実施例により、本発明を更に具体的に
説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
なお、実施例において各特性値の評価に用いた方法は以
下の通りである。 1)曲げ弾性率特性 表1の組成物からなるペレットを用いて、シリンダー温
度設定が190℃にて試験片を作製し、ASTM測定規
格に準拠して曲げ弾性率を測定した。 2)保持具の挿入力および抜け力特性 表1の組成物からなるペレットを用いて、図1に示す形
状のクリップ10をシリンダー温度設定を190℃とし
て作製した。図1中に断面図も併せて示す。このクリッ
プ10を、引張試験機インストロン5569(東洋精機
製作所製)に取り付けられた測定用冶具に装着後、クリ
ップ10を10mm/minの速度にて、直径8.5m
mの穴にあいた冶具12に挿入する際の挿入力および引
き抜く際の引き抜き力を測定した。
【0034】[実施例1〜4、比較例1〜4]ポリアセ
タール系樹脂の重合は、通常のコポリマーの重合法を用
いたが、それぞれ特性が異なるポリアセタール系樹脂を
得るために、1,3−ジオキソランの成分比を変えて重
合を行った。具体的には、トリオキサンとトリオキサン
に対して1〜4重量部の1,3−ジオキソランをコモノ
マーとして調整し、分子量調整剤としてメチラールを用
い、フッ化ホウ素ジブチルエーテラート触媒を用いてバ
ルク重合を行った。トリオキサンと分子量調整剤のモル
比およびトリオキサンと触媒のモル比はそれぞれ1:2
×10-5〜2×10-3、1:1×10-5〜1×10-4
した。重合装置としては二軸混練機を使用し、液状の高
純度モノマー、分子量調整剤および触媒を供給して、9
0℃で重合を行った。重合設備からは塊状のポリマーが
連続的に得られ、重合装置に供給したモノマー成分比に
よって、特性の異なるポリアセタール系樹脂が得られ、
これに公知の安定剤を用いて安定化した。
【0035】さらに上述の様にして得られたポリアセタ
ール系樹脂について、表1に示す様に(A)ポリアセタ
ール系樹脂、(B)潤滑剤を添加した材料について前述
の評価を行った。尚潤滑剤の配合は、ブレンダーを用い
て混合した後、30mm二軸押出機PCM30(池貝
製)にて溶融混練することにより行った。
【0036】
【表1】
【0037】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明によれば、保
持具の挿入力を低減させ、且つ抜け等のトラブルの発生
を軽減し得るスナップフィット接合方法等に利用可能な
保持具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例で作製したクリップの形状お
よび該クリップを用いた試験の状況を示す概略図であ
る。
【符号の説明】
10 クリップ 12 治具
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 近藤 隆夫 神奈川県平塚市東八幡5丁目6番2号 三 菱エンジニアリングプラスチックス株式会 社技術センター内 Fターム(参考) 3J036 AA03 BA01 DA04 DA06 4F071 AA15 AA27 AA40 AA67 AF20 AF21 AH07 BA01 BB05 BC17 4J002 BB052 BD132 CB001 CP032 EH036 EH046 EP016 EP026 FD020 FD040 FD060 FD070 FD170 FD202 FD206 GN00

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被保持部材の空隙に弾性変形を利用して
    挿入され、挿入後に弾性変形量が減少する保持具であっ
    て、(A)オキシメチレン基を主たる構成単位とし、炭
    素数2以上のオキシアルキレン基からなる構成単位を前
    記オキシメチレン基からなる構成単位100重量部に対
    して0.5〜3.0重量部含有するポリアセタール系樹
    脂と、(B)少なくとも1種類の潤滑剤0.01〜20
    重量%(対全組成物)とを含むポリアセタール系樹脂組
    成物からなる保持具。
  2. 【請求項2】 (B)潤滑剤がシリコーン系潤滑剤、α
    −オレフィンオリゴマー、フッ素系潤滑剤、脂肪族エス
    テル及び脂肪族アミドから選ばれる少なくとも1種であ
    る請求項1に記載の保持具。
  3. 【請求項3】 スナップフィットの構造を有する請求項
    1または2に記載の保持具。
  4. 【請求項4】 自動車用部材に接合されるクリップ型保
    持具である請求項1または2に記載の保持具。
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