JP3552951B2 - 空燃比検出装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば自動車用エンジンの吸入空気と燃料との混合比(空燃比A/F)を検出するのに好適に用いられる空燃比検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、自動車用エンジン等では、排気管の途中に設けられた空燃比センサにより排気ガス中に残存する酸素濃度を吸入空気の空燃比A/Fとして検出し、例えばエンジンのアイドリング運転時には、この空燃比が理論空燃比(A/F=14.7)に近づくように、エンジン制御用のコントロールユニット等を用いて燃料噴射量の補正制御(いわゆる空燃比制御)を行う構成としている。
【0003】
この種の従来技術による空燃比検出装置は、エンジンの排気管内に設けられた空燃比センサ等によって構成されている(例えば、特開平3−167467号公報等)。そして、この空燃比センサは、ジルコニア(ZrO)等の酸素イオン伝導性を有する材料により形成されガス室と大気室とが設けられたセンサケースを有している。
【0004】
ここで、このセンサケースには、大気室側に配置した第1の電極とガス室側に配置した第2の電極との間で前記各室間の酸素濃度に応じた酸素濃度信号を出力する酸素センサ部と、ガス室側に配置した第3の電極と外部に面した第4の電極との間に酸素ポンプ信号が入力されることによりセンサケースを透過してガス室に酸素イオンを流入、流出させる酸素ポンプ部と、外部から給電されることにより酸素センサ部と酸素ポンプ部とを加熱するヒータとが設けられている。
【0005】
また、空燃比センサには、空燃比出力手段となる信号出力処理回路が付設されている。この場合、信号出力処理回路は、第1,第2の電極から出力される酸素濃度信号に応じて第3,第4の電極間に酸素ポンプ信号を出力し、該酸素ポンプ信号による第3,第4の電極間への給電量に応じてガス室の酸素濃度に対応した空燃比信号をコントロールユニット等に出力するものである。
【0006】
そして、エンジンの運転中には、その排気ガスがセンサケースのガス室内に流入すると、ガス室と大気室との間の酸素濃度差に応じて酸素イオンが酸素センサ部を透過しつつ移動することにより、第1,第2の電極間には酸素濃度信号となる起電力が発生する。
【0007】
この結果、信号出力処理回路は、第1,第2の電極間で発生する酸素濃度信号に応じて酸素ポンプ信号となる電圧信号を第3,第4の電極間に印加することにより、ガス室と大気室との間の酸素濃度差を補償するように酸素ポンプ部を透過して酸素イオンを移動させる。この結果、第3,第4の電極間では酸素イオンの移動量に応じて電流が流れ、これによって信号出力処理回路は、この電流(ポンプ電流)値や酸素ポンプ信号の電圧値等を用いて吸入空気の空燃比に対応した空燃比信号を出力する。
【0008】
従って、コントロールユニットでは、この空燃比信号により吸入空気の空燃比を連続的な値として検出でき、この検出値等を用いて吸入空気の空燃比が理論空燃比に近づくように空燃比制御を高い精度で行うことができる。
【0009】
また、従来技術による空燃比検出装置は、エンジンの始動時等に酸素センサ部と酸素ポンプ部とを早期に活性化するため、これらの部位をヒータにより加熱する構成としている。この場合、例えばエンジンの始動時には、酸素ポンプ部等を少なくとも18〜20秒の時間に亘って約550℃程度まで加熱することにより活性化させ、空燃比を検出可能な状態とするものである。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した従来技術では、例えばエンジンの始動時に酸素センサ部と酸素ポンプ部とをヒータにより加熱して約550℃程度まで温度上昇させることにより、これらの部位を活性化させる構成としている。
【0011】
このため、エンジンの始動時には、ヒータによる加熱を開始してから酸素ポンプ部等が活性化するまでに少なくとも18〜20秒程度の時間が必要となる。しかも、酸素ポンプ部が未活性状態であるときには、空燃比が理論空燃比に近いときとほぼ同様の出力状態を有する空燃比信号が信号出力処理回路から出力される構成となっているため、単にこの空燃比信号を用いて酸素ポンプ部が活性化したか否かを早期に判定するのは難しい。
【0012】
このため、従来技術では、例えばヒータによる加熱を開始してから酸素ポンプ部の活性化が完了すると思われる18〜20秒程度の時間だけ待機し、その後に空燃比の検出動作を開始する場合が多いため、エンジン始動時のアイドリング運転等では、空燃比制御を早期に開始することができず、排気ガスの浄化不良等を生じ易いという問題がある。
【0013】
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、本発明の目的は、例えばエンジンの始動時等に空燃比の検出動作を早期に開始でき、吸入空気の空燃比を安定して検出できると共に、初期状態における検出精度や信頼性を向上できるようにした空燃比検出装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するために請求項1の発明は、酸素イオン伝導性を有する材料により形成され、排気ガスが拡散層を介して流入するガス室と該ガス室とは遮断された大気室とが設けられたセンサケースと、該センサケースに設けられ、前記大気室側に配置した第1の電極と前記ガス室側に配置した第2の電極との間で前記各室間の酸素濃度に応じた酸素濃度信号を出力する酸素センサ部と、前記センサケースに設けられ、前記ガス室側に配置した第3の電極と外部に面して配置した第4の電極との間に酸素ポンプ信号が入力されることにより前記センサケースを透過して前記ガス室に酸素イオンを流入、流出させる酸素ポンプ部と、前記センサケースに設けられ、外部から給電されることにより前記酸素センサ部と酸素ポンプ部とを加熱するヒータと、前記第1,第2の電極から出力される酸素濃度信号に応じて前記第3,第4の電極間に前記酸素ポンプ信号を出力し、該酸素ポンプ信号による前記第3,第4の電極間への給電量に応じて前記ガス室の酸素濃度に対応した空燃比信号を出力する空燃比出力手段と、該空燃比出力手段から入力される空燃比信号側と前記酸素センサ部から入力される酸素濃度信号または前記第1,第4の電極間から入力される暫定酸素濃度信号側とのうち、いずれか一方側の信号を切換えて出力する信号切換手段と、該信号切換手段に接続して設けられ、前記酸素濃度信号または暫定酸素濃度信号を用いて前記酸素ポンプ部が活性化したことを判定したときに、該信号切換手段に対し空燃比信号を出力させるための切換信号を出力する切換制御手段とから構成している。
【0015】
このように構成することにより、エンジンの始動時等にヒータを用いて酸素センサ部と酸素ポンプ部への加熱を開始したときには、信号切換手段により酸素濃度信号または暫定酸素濃度信号を切換制御手段に出力しておく。そして、まず酸素センサ部が加熱により活性化したときには、酸素濃度信号または暫定酸素濃度信号を用いて切換制御手段により空燃比制御等を行うことができる。また、切換制御手段は、これと同時に酸素ポンプ部が活性化したか否かを判定しており、センサケースがさらに温度上昇して酸素ポンプ部も活性化したと判定したときには、切換制御手段は信号切換手段に切換信号を出力する。これにより、信号切換手段は切換制御手段に空燃比信号を出力し、切換制御手段は空燃比信号を用いて空燃比制御等を行うことができる。
【0016】
また、請求項2の発明によると、切換制御手段は、信号切換手段から出力される酸素濃度信号または暫定酸素濃度信号を用いて酸素センサ部が活性化したか否かを判定する活性化判定手段と、該活性化判定手段で酸素センサ部が活性化したと判定してから予め定められた時間が経過したときに信号切換手段に切換信号を出力する切換信号出力手段とにより構成している。
【0017】
これにより、ヒータの加熱により最初に酸素センサ部が活性化したときには、この活性化状態を活性化判定手段により酸素濃度信号または暫定酸素濃度信号を用いて判定でき、切換制御手段は、これらの酸素濃度信号または暫定酸素濃度信号を用いて空燃比制御等を行うことができる。次に、酸素センサ部が活性化したと判定されてから一定の時間が経過したときには、酸素ポンプ部も温度上昇して活性化したと判断でき、このとき切換信号出力手段から切換信号を出力することにより、酸素ポンプ部の活性化後には空燃比信号を切換制御手段に入力することができる。
【0018】
一方、請求項3の発明では、酸素イオン伝導性を有する材料により形成され、排気ガスが拡散層を介して流入するガス室と該ガス室とは遮断された大気室とが設けられたセンサケースと、該センサケースに設けられ、前記大気室側に配置した第1の電極と前記ガス室側に配置した第2の電極との間で前記各室間の酸素濃度に応じた酸素濃度信号を出力する酸素センサ部と、前記センサケースに設けられ、前記ガス室側に配置した第3の電極と外部に面して配置した第4の電極との間に酸素ポンプ信号が入力されることにより前記センサケースを透過して前記ガス室に酸素イオンを流入、流出させる酸素ポンプ部と、前記センサケースに設けられ、外部から給電されることにより前記酸素センサ部と酸素ポンプ部とを加熱するヒータと、前記第1,第2の電極から出力される酸素濃度信号に応じて前記第3,第4の電極間に前記酸素ポンプ信号を出力し、該酸素ポンプ信号による前記第3,第4の電極間への給電量に応じて前記ガス室の酸素濃度に対応した空燃比信号を出力する空燃比出力手段と、該空燃比出力手段の出力側に設けられ、前記空燃比信号を増幅して増幅空燃比信号を出力する信号増幅手段と、該信号増幅手段と前記空燃比出力手段とに接続して設けられ、前記増幅空燃比信号側と空燃比信号側のうち、いずれか一方側の信号を切換えて出力する信号切換手段と、該信号切換手段に接続して設けられ、前記増幅空燃比信号を用いて前記酸素ポンプ部が活性化したことを判定したときに、該信号切換手段に対し空燃比信号を出力させるための切換信号を出力する切換制御手段とから構成している。
【0019】
これにより、エンジンの始動時等にヒータを用いて酸素センサ部と酸素ポンプ部への加熱を開始したときには、信号増幅手段により空燃比信号を増幅し、この増幅空燃比信号を信号切換手段により切換制御手段に出力しておく。そして、この切換制御手段は、増幅空燃比信号を監視しており、酸素ポンプ部が加熱により活性化を開始したときには、この活性化の開始を増幅空燃比信号を用いて判定することができる。この結果、切換制御手段は、活性化したと判定したときに信号切換手段に切換信号を出力することにより、信号切換手段は、切換信号を受けて切換制御手段に増幅する前の空燃比信号を出力し、切換制御手段は、酸素ポンプ部の活性化が完了する前に空燃比制御等を開始することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態による空燃比検出装置として、自動車用エンジン等の空燃比検出装置を例に挙げ、図1ないし図8を参照して詳細に説明する。ここで、図1ないし図5は本発明による第1の実施の形態を示している。
【0021】
1はエンジンの排気管(図示せず)等に設けられる空燃比センサで、該空燃比センサ1は、従来技術とほぼ同様に、後述のセンサケース2、酸素センサ部8、酸素ポンプ部12、ヒータ16等によって構成されている。
【0022】
2は例えばジルコニア等の酸素イオン伝導性を有する材料により一体に形成されたセンサケースで、該センサケース2は、上層部2A、中間部2B、連結部2C、下層部2D等からなり、上層部2Aの上面側には後述の電極14を介して通気性の保護膜3が設けられている。
【0023】
ここで、上層部2Aの中央には、排気ガスをセンサケース2内に導くガス導入口4が設けられている。また、上層部2Aと中間部2Bとの間にはガス導入口4を取囲んでガス室5が画成され、該ガス室5は、例えば多孔質のジルコニア等からなる拡散層6を介してガス導入口4と連通している。この場合、拡散層6は、後述の如く酸素ポンプ部12により上層部2Aを透過してガス室5に酸素イオンが流入出するときに、その流入出速度と比較してガス導入口4からガス室5に流入する排気ガスの流入速度に一定の遅れを与えることにより、酸素ポンプ信号VP 等の出力状態を安定化させるものである。
【0024】
また、上層部2Aと中間部2Bとは、ガス室5の外側で連結部2Cによって一体に連結されている。さらに、中間部2Bと下層部2Dとの間にはガス室5から遮断された大気室7が画成され、該大気室7には排気管の外部から清浄な大気が導入される構成となっている。
【0025】
8はセンサケース2に設けられた酸素センサ部で、該酸素センサ部8は、センサケース2の中間部2Bと、大気室7内に位置して該中間部2Bの下面側に固着された第1の電極9と、ガス室5内に位置して中間部2Bの上面側に固着された第2の電極10等とから構成されている。
【0026】
そして、エンジンの運転中には、その排気ガスが図1中の矢示Aに示す如くガス導入口4から拡散層6を通過してガス室5に流入すると、矢示Bのように酸素イオンがセンサケース2の中間部2Bを透過しつつガス室5と大気室7との酸素濃度差に応じて移動し、これによって電極9,10間には起電力が発生する。そして、酸素センサ部8は、この起電力を酸素濃度信号Vo として後述の信号出力処理回路18に出力するものである。
【0027】
この場合、図2に示すように、例えばエンジンの吸入空気の空燃比A/Fが理論空燃比(=14.7)よりも小さくなって所謂リッチ傾向(空気過剰率λ<1)であるときには、排気ガス中の残留酸素濃度が小さくなることにより、酸素濃度信号Vo は1V程度の電圧値である高レベル電圧VH となる。これに対し、空燃比が理論空燃比よりも大きくなって所謂リーン傾向(λ>1)であるときには、酸素濃度信号Vo が0Vに近い低レベル電圧VL となる。また、酸素濃度信号Vo は、空燃比が理論空燃比に近いときに(λ≒1)、例えば400〜500mV程度の中間レベル電圧VM に保持される。
【0028】
また、酸素濃度信号Vo は、図4中に特性線11として示す如く、例えばヒータ16により常温状態から300〜360℃程度に加熱されることによって、排気ガス中の酸素濃度に応じてリッチ傾向側の特性線11Aとリーン傾向側の特性線11Bとが分岐し、これによって酸素センサ部8は活性化した状態となる。従って、後述する酸素センサ部8の活性化判定処理では、酸素濃度信号Vo を予め定められた判定値SH ,SL と比較することにより、酸素センサ部8が活性化したか否かを判定する。
【0029】
12はセンサケース2に設けられた酸素ポンプ部で、該酸素ポンプ部12は、センサケース2の上層部2Aと、ガス室5内に位置して該上層部2Aの下面側に設けられた第3の電極13と、外部に面して上層部2Aの上面側に固着された第4の電極14等とから構成されている。
【0030】
ここで、酸素ポンプ部12は、後述の如く信号出力処理回路18から電極13,14間に酸素ポンプ信号VP が電圧信号として入力されると、例えば図1中の矢示Cに示す如くセンサケース2外から上層部2Aを透過してガス室5に酸素イオンを流入させる。これに対し、酸素ポンプ信号VP による電圧の印加方向が逆向きの場合には、矢示Dに示すように酸素イオンがガス室5側から上層部2Aを透過してセンサケース2外に流出する。この場合、上層部2A内を移動する酸素イオンは、ガス室5と大気室7との間の酸素濃度差に応じた移動量となり、この移動量に比例したポンプ電流IP を電極13,14間に通電する。
【0031】
そして、これらの酸素ポンプ信号VP 、ポンプ電流IP 等を用いて信号出力処理回路18から出力される空燃比信号VOUT は、図3に示す如く、吸入空気の空燃比(ガス室5の酸素濃度)に応じて連続的に変化し、空燃比が理論空燃比に近いときには、予め定められた中間レベル電圧V1 となる。この場合、中間レベル電圧V1 は、例えば1.5〜2.5Vの大きさをもつ一定の電圧値として設定されている。
【0032】
また、酸素ポンプ部12は、図4中に特性線15として示す如く、ヒータ16により例えば550℃程度に加熱されることによって活性化する。即ち、酸素ポンプ部12が未活性状態にあるときには、空燃比信号VOUT がガス室5の酸素濃度と関係なく、中間レベル電圧V1 とほぼ等しい一定の電圧(例えば1.5Vまたは2.5Vの一定電圧値)として出力される。これに対し、酸素ポンプ部12が活性化したときには、排気ガス中の酸素濃度に応じて空燃比信号VOUT がリッチ傾向側の特性線15Aとリーン傾向側の特性線15Bとに分岐する。
【0033】
一方、酸素ポンプ部12の電極14と酸素センサ部8の電極9とは、センサケース2の上層部2A、中間部2B、連結部2C等を介して互いに対向している。このため、これらの電極9,14間には、センサケース2外の排気ガスと大気室7との酸素濃度差に応じて図1中の矢示Eに示す如く酸素イオンが移動することにより、酸素濃度信号Vo とほぼ同様に変化する暫定酸素濃度信号Vt が発生し、この暫定酸素濃度信号Vt は後述の信号切換器19に出力される。
【0034】
16はセンサケース2の下層部2D内に絶縁層17を介して埋設されたヒータで、該ヒータ16は例えば白金等の金属材料からなり、後述のコントロールユニット20から給電されることによって酸素センサ部8と酸素ポンプ部12とを加熱するものである。
【0035】
18は電極9,10,13,14にそれぞれ接続された空燃比出力手段としての信号出力処理回路で、該信号出力処理回路18は、酸素センサ部8から出力される酸素濃度信号Vo に応じた電圧の印加方向と電圧値とを有する酸素ポンプ信号VP を酸素ポンプ部12に出力する。この場合、酸素ポンプ信号VP による電圧の印加方向と電圧値とは、酸素濃度信号Vo が中間レベル電圧VM に近づくように、即ち図1に示す矢示C,D方向のうちガス室5と大気室7との酸素濃度差を補償する方向へと酸素イオンが移動するように、信号出力処理回路18によって制御される。
【0036】
そして、信号出力処理回路18は、このときの酸素ポンプ信号VP と、酸素イオンの移動によるポンプ電流IP 等とを用いてガス室5の酸素濃度を検出し、この検出結果を、図3に示す如く吸入空気の空燃比に対応して連続的に変化する空燃比信号VOUT として出力するものである。
【0037】
19は信号切換手段としての信号切換器で、該信号切換器19の入力側には、信号出力処理回路18と、電極9,14とが並列に接続されている。そして、信号切換器19は、コントロールユニット20から出力される切換信号K1 に応じて切換えられることにより、信号出力処理回路18から出力される空燃比信号VOUT と、電極9,14から出力される暫定酸素濃度信号Vt のうちいずれか一方の信号をコントロールユニット20に切換えて出力する構成となっている。
【0038】
20は信号切換器19に接続された切換制御手段としてのコントロールユニットで、該コントロールユニット20は例えばROM、RAM等からなる記憶部20Aを有し、この記憶部20Aには、後述する活性判定処理、空燃比制御等のプログラムと共に、判定値SH ,SL 、中間レベル電圧VM ,V1 、時間T0 等のデータ値が予め記憶されている。
【0039】
そして、コントロールユニット20は、例えばエンジンの始動時に信号切換器19から出力される暫定酸素濃度信号Vt を用いて後述の如く酸素センサ部8の活性化判定処理を行い、酸素センサ部8がヒータ16により活性化してから例えば4〜5秒程度の時間T0 が経過するまでは、暫定酸素濃度信号Vt を用いて吸入空気の空燃比制御を行う。
【0040】
また、酸素センサ部8の活性化後に一定の時間T0 が経過したときには、コントロールユニット20が酸素ポンプ部12も活性化したと判断して切換信号K1 を信号切換器19に出力し、これによってコントロールユニット20は空燃比信号VOUT を用いて空燃比制御を行う構成となっている。
【0041】
本実施の形態による空燃比検出装置は上述の如き構成を有するもので、次に図5を参照しつつその作動について説明する。
【0042】
まず、コントロールユニット20の電源が投入されると、ステップ1では、電極9,14から出力される暫定酸素濃度信号Vt がコントロールユニット20に入力されるように信号切換器19を初期設定し、ステップ2では、ヒータ16に給電を開始する。
【0043】
次に、ステップ3では、信号切換器19から暫定酸素濃度信号Vt を読込み、ステップ4では、酸素センサ部8がヒータ16の加熱により活性化したか否かを判定する。そして、この活性化判定処理では、例えば図4中の酸素濃度信号Vo とほぼ等しい温度特性を有する暫定酸素濃度信号Vt がリッチ側の判定値SH を越えるか、または暫定酸素濃度信号Vt がリーン側の判定値SL を一旦越えた後にこの判定値SL よりも小さくなったときに、酸素センサ部8が温度上昇によって活性化したと判定し、それ以外の場合には、酸素センサ部8が未活性状態にあると判定する。
【0044】
これにより、ステップ4で「NO」と判定したときには、ステップ3に戻って酸素センサ部8が活性化するまで待機する。この場合、酸素センサ部8と酸素ポンプ部12は両方とも未活性状態であるため、暫定酸素濃度信号Vt と空燃比信号VOUT とは、図4中の温度領域(I)に示すような出力状態である。従って、この温度領域(I)では空燃比制御を行うことはできない。
【0045】
一方、ステップ4で「YES」と判定したときには、酸素センサ部8が活性化したから、ステップ5で暫定酸素濃度信号Vt を読込む。この場合、暫定酸素濃度信号Vt と空燃比信号VOUT とは、図4中の温度領域(II)に示すような出力状態となる。
【0046】
また、次のステップ6では、この暫定酸素濃度信号Vt を用いて空燃比制御を行う。即ち、この空燃比制御では、例えば暫定酸素濃度信号Vt を中間レベル電圧VM と比較することにより、吸入空気の空燃比がリッチ傾向であるときには燃料の噴射量を減少方向に補正し、空燃比がリーン傾向であるときには燃料の噴射量を増加方向に補正すると共に、これによって例えばアイドリング運転時の空燃比を理論空燃比と近い値に保持する。
【0047】
次に、ステップ7では、酸素センサ部8が活性化してから例えば予め定められた時間T0 が4〜5秒経過したか否かを判定する。そして、ステップ7で「NO」と判定したときには、まだ酸素ポンプ部12が未活性状態であると判断し、ステップ5,6で暫定酸素濃度信号Vt を用いて空燃比制御を続行する。
【0048】
また、ステップ7で「YES」と判定したときには、酸素ポンプ部12もヒータ16の加熱により活性化したと判断し、ステップ8で信号切換器19に切換信号K1 を出力する。そして、このとき酸素センサ部8と酸素ポンプ部12は両方とも活性化した状態となり、暫定酸素濃度信号Vt と空燃比信号VOUT とは、図4中の温度領域(III) に示すような出力状態となる。
【0049】
これにより、コントロールユニット20は、信号出力処理回路18から信号切換器19を介して空燃比信号VOUT を受けるようになるので、ステップ9では空燃比信号VOUT を読込み、ステップ10では、この空燃比信号VOUT を用いて空燃比制御を行う。そして、ステップ11では、例えば電源オフ等によってコントロールユニット20による制御処理を終了するまでステップ9,10の空燃比制御を繰返し、終了時にはステップ12でヒータ16への給電を停止した後にステップ13へと移る。
【0050】
かくして、本実施の形態では、空燃比検出装置を、空燃比センサ1、信号出力処理回路18、信号切換器19、コントロールユニット20等により構成したので、例えばエンジンの始動時には、ヒータ16により酸素センサ部8と酸素ポンプ部12とを加熱しつつ、酸素センサ部8による酸素濃度信号Vo とほぼ等しい暫定酸素濃度信号Vt を用いてコントロールユニット20により酸素センサ部8が活性化したか否かを判定することができる。
【0051】
そして、酸素センサ部8が活性化したと判定したときには、例えば図4に示す温度領域(II)において暫定酸素濃度信号Vt を用いた空燃比制御を開始することができる。また、この暫定酸素濃度信号Vt による空燃比制御の開始から例えば予め定められた時間T0 が4〜5秒経過した後には、酸素ポンプ部12が温度領域(III)に達して活性化したと判断でき、これによって空燃比信号VOUT を用いた空燃比制御を開始することができる。
【0052】
然るに、従来技術では、ヒータ16による加熱を開始してから温度領域(III)に達するまでの間、例えば18〜20秒程度の時間に亘って空燃比制御を行うことができなかったのに対し、本実施の形態では、加熱の開始から温度領域(II)に達するまでの例えば6〜7秒間を待機するだけで済み、エンジンの始動時等における空燃比制御を早期に開始できることが確認できた。
【0053】
また、酸素ポンプ部12が未活性状態であるときには、電極9,14から出力される暫定酸素濃度信号Vt を用いて酸素センサ部8の活性化判定と空燃比制御とを行うので、拡散層6を通過してガス室5に流入する排気ガスを用いることなく、センサケース2外の排気ガスと大気室7との間の酸素濃度差を暫定酸素濃度信号Vt として直接的に検出でき、この検出動作の応答性を向上させることができる。
【0054】
即ち、酸素センサ部8が未活性状態である場合には、排気ガスが拡散層6を通過するときの時間的な遅れによりガス室5の酸素濃度変化に対して酸素濃度信号Vo の応答性が低下し易いのに対し、本実施の形態では、このときに暫定酸素濃度信号Vt を用いて酸素センサ部8の活性化判定を行うことができ、暫定酸素濃度信号Vt を用いて酸素センサ部8の活性化判定や温度領域(II)における空燃比制御を精度よく行うことができる。
【0055】
従って、本実施の形態によれば、エンジンの始動時等に空燃比の検出動作を早期に開始でき、その検出結果を用いて空燃比制御を安定的に行うことができると共に、排気ガスの浄化性能や空燃比検出装置としての信頼性を向上させることができる。
【0056】
次に、図6ないし図8は本発明による第2の実施の形態を示し、本実施の形態の特徴では、前記第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。しかし、本実施の形態による空燃比検出装置の特徴は、酸素ポンプ部から出力される空燃比信号を増幅することにより、この増幅空燃比信号を用いて酸素ポンプ部の活性化判定を行う構成としたことにある。
【0057】
31は空燃比センサ1に接続された空燃比出力手段としての信号出力処理回路で、該信号出力処理回路31は、第1の実施の形態による信号出力処理回路18とほぼ同様に、空燃比センサ1により検出したガス室5の酸素濃度に応じて空燃比信号VOUT を出力するものである。
【0058】
ここで、酸素ポンプ部12は、ヒータ16による加熱を開始してから図7中に示す時間t1 までの間、例えば4秒程度の間に亘って未活性状態にある。従って、未活性な状態では、信号出力処理回路31から出力される空燃比信号VOUT は、中間レベル電圧V1 とほぼ等しい大きさの電圧値、例えば1.5Vまたは2.5V程度に保持される。
【0059】
次に、酸素ポンプ部12は、加熱開始から例えば5秒程度の時間t2 が経過したときに活性化を開始する。これにより、空燃比信号VOUT は、排気ガス中の空燃比の変動等に対して僅かに反応し、中間レベル電圧V1 を約1.5Vに設定している場合に、この電圧V1 を挟んで約1.225〜1.725Vの微小な範囲で変動する。
【0060】
そして、酸素ポンプ部12は、加熱開始から例えば10秒程度の時間t3 が経過したときに活性化を完了し、空燃比信号VOUT は、排気ガス中の酸素濃度に応じてリッチ傾向側の出力値とリーン傾向側の出力値が安定的に分岐した状態となる。
【0061】
32は信号出力処理回路31の出力側に接続された信号増幅手段としての信号増幅器で、該信号増幅器32は、空燃比信号VOUT を、例えば2倍程度の予め定められた増幅率αと、一定のオフセット電圧β、例えばβ=3.45Vとをもって下記数1の式に示す如く増幅し、増幅空燃比信号Va を出力するものである。
【0062】
【数1】
Va =−α×VOUT +β
【0063】
この場合、増幅率αは、例えば空燃比信号VOUT が1.225〜1.725Vの範囲で変動するときに、増幅空燃比信号Va が約1V程度の比較的大きな変動幅ΔVで変化するように定められる。また、オフセット電圧βは、増幅空燃比信号Va が1V程度の範囲で変化するときに、その中間値が例えば400〜500mV程度、好ましくは450mV程度の大きさとなるように信号電圧をオフセットするものである。
【0064】
そして、オフセット電圧βを3.45Vに設定することにより、図8に示す増幅空燃比信号Va は、排気ガスがリッチ傾向とリーン傾向のいずれの状態にあるかに応じて、前記第1の実施の形態における酸素センサ部8の酸素濃度信号Vo(または暫定酸素濃度信号Vt )とほぼ同様の範囲で変動する。これにより、後述の如く酸素ポンプ部12の活性化を判定するときには、第1の実施の形態で酸素センサ部8の活性化判定処理に用いた判定値SH ,SL とほぼ同様の判定値SH ′,SL ′を用いて判定処理を行うことができる。
【0065】
即ち、空燃比信号VOUT が約1.225〜1.725V程度の幅で変動するときには、前記数1の式に増幅率α=2、オフセット電圧β=3.45Vを代入すると、増幅空燃比信号Va は、例えば400〜500mV程度、好ましくは450mV程度の予め定められた中間レベル電圧V2 を挟んで上,下約0〜1V程度(変動幅ΔV=1V)の範囲で変化する。
【0066】
33は信号出力処理回路31と信号増幅器32の出力側に接続された信号切換手段としての信号切換器で、該信号切換器33は、後述のコントロールユニット34から出力される切換信号K2 に応じて切換えられることにより、信号出力処理回路31から出力される空燃比信号VOUT と、信号増幅器32から出力される増幅空燃比信号Va のうちいずれか一方の信号をコントロールユニット34に切換えて出力する構成となっている。
【0067】
34は切換制御手段としてのコントロールユニットで、該コントロールユニット34の記憶部34Aには、後述する判定値SH ′,SL ′のデータ値が活性化判定処理用のプログラム等と共に予め記憶されている。
【0068】
そして、例えばエンジンの始動時には、まずコントロールユニット34がヒータ16により酸素センサ部8、酸素ポンプ部12等を加熱しつつ、信号切換器33から出力される増幅空燃比信号Va を用いて酸素ポンプ部12の活性化判定処理を行う。この場合、酸素ポンプ部12が図7中の時間t1 で活性化を開始すると、空燃比信号VOUT が例えば1.225〜1.725V程度の僅かな範囲で変動するときに、増幅空燃比信号Va は図8に示す特性線となり、約1V程度の大きな変動幅ΔVに増幅される。
【0069】
従って、コントロールユニット34は、増幅空燃比信号Va を予め定められた判定値SH ′,SL ′と比較し、例えば増幅空燃比信号Va のリッチ側の出力値が判定値SH ′を越えるか、または増幅空燃比信号Va のリーン側の出力値が判定値SL ′よりも小さくなったときには、酸素ポンプ部12が活性化を開始したと判定する。
【0070】
そして、この活性化の開始を判定すると、コントロールユニット34から切換信号K2 が信号切換器33に出力される。これにより、信号切換器33は切換えられて空燃比信号VOUT をコントロールユニット34に出力し、コントロールユニット34は、酸素ポンプ部12が活性化を完了する時間t3 よりも例えば5秒程度の時間差Δtだけ早い時間t2 に達したときに、空燃比信号VOUT を用いて空燃比制御を開始することができる。
【0071】
なお、本実施の形態では、信号出力処理回路31から出力される中間レベル電圧V1 を約1.5Vに設定した場合を例に挙げ、空燃比信号VOUT が1.225〜1.725Vの範囲で変動するものとして説明したが、本発明はこれに限らず、中間レベル電圧V1 を必要に応じて約2.5Vに設定してもよい。この場合、空燃比信号VOUT は、約2.225〜2.725V程度の範囲で変動するようになるので、前記数1の式においてオフセット電圧β=5.45Vと変更することにより、本実施の形態とほぼ同様に、増幅空燃比信号Va を中間レベル電圧V2 を挟んで上,下約0〜1V程度の範囲で変化させることができる。
【0072】
かくして、このように構成される本実施の形態でも、前記第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得ることができる。そして、特に本実施の形態では、空燃比信号VOUT を増幅した増幅空燃比信号Va を用いることにより、例えばエンジンの始動時等に酸素ポンプ部12が活性化を開始したか否かを増幅空燃比信号Va によって精度よく判定でき、この判定結果に応じて空燃比信号VOUT を用いた空燃比制御を、例えば従来技術よりも5秒程度の時間差Δtだけ早い時間t2 で、速やかに開始することができる。
【0073】
そして、活性化の開始を判定した後には、コントロールユニット34への入力信号を信号切換器33によって空燃比信号VOUT に切換えることができ、この状態で空燃比制御を行うときには、空燃比信号VOUT に大きな検出範囲(出力レンジ)を与えつつ、そのデータ量を小さく抑えることができる。
【0074】
なお、前記第1の実施の形態では、図5中に示すステップ4が活性化判定手段の具体例を示し、ステップ7,8が切換信号出力手段の具体例を示している。
【0075】
また、前記第1の実施の形態では、酸素ポンプ部12から出力される空燃比信号VOUT と、電極9,14から出力される暫定酸素濃度信号Vt のうちいずれか一方の信号を信号切換器19から切換えて出力する構成としたが、本発明はこれに限らず、例えば図9に示す変形例のように構成してもよい。
【0076】
即ち、電極9,14から出力される暫定酸素濃度信号Vt に代えて酸素センサ部8の電極9,10から出力される酸素濃度信号Vo を信号切換器19′に入力し、この酸素濃度信号Vo と空燃比信号VOUT のうちいずれか一方の信号を信号切換器19′からコントロールユニット20に出力する構成としてもよい。この場合、図5に示すコントロールユニット20の制御処理では、ステップ3,5に代えてステップ3′,5′で酸素濃度信号Vo を読込み、ステップ6に代えてステップ6′で酸素濃度信号Vo を用いて空燃比制御を行う構成とすればよい。
【0077】
また、前記各実施の形態では、コントロールユニット20,34の外部に接続して信号切換器19,33、信号増幅器32等を設ける構成としたが、本発明はこれに限らず、例えば信号出力処理回路18,31から出力される空燃比信号VOUT や電極9,14から出力される暫定酸素濃度信号Vt 等をコントロールユニットに直接入力する構成としてもよい。そして、この場合には、コントロールユニットのソフトウェア処理によって空燃比信号VOUT と暫定酸素濃度信号Vt との信号切換処理や、空燃比信号VOUT の増幅処理等を行う構成とすればよい。
【0078】
【発明の効果】
以上詳述した通り、請求項1の発明によれば、酸素ポンプ部から空燃比出力手段を介して出力される空燃比信号と酸素濃度信号または暫定酸素濃度信号のうち、いずれか一方の信号を信号切換手段により切換えて切換制御手段に出力する構成としたので、空燃比検出装置の作動開始時には、酸素濃度信号または暫定酸素濃度信号を用いて切換制御手段により酸素センサ部と酸素ポンプ部が活性化したか否かを判定することができる。これにより、酸素センサ部が活性化してから酸素ポンプ部が活性化するまでの間には、空燃比信号の出力状態が安定する前であっても、酸素濃度信号または暫定酸素濃度信号を用いて例えばエンジンの空燃比制御等を従来技術よりも早期に開始することができる。従って、エンジン始動時等における排気ガスの浄化性能や空燃比検出装置としての信頼性を向上させることができる。
【0079】
特に、酸素ポンプ部の活性化前に第1,第4の電極から出力される暫定酸素濃度信号を用いる場合には、拡散層を通過してガス室に流入する排気ガスではなく、センサケース外の排気ガスと大気室との間の酸素濃度差を暫定酸素濃度信号として直接的に検出でき、排ガス中の酸素濃度変化に対し高い応答性をもった暫定酸素濃度信号を用いて活性化判定や空燃比制御等を精度よく行うことができる。
【0080】
また、請求項2の発明によれば、切換制御手段を、酸素センサ部の活性化判定を行う活性化判定手段と、この活性化判定後に一定時間が経過してから切換信号を出力する切換信号出力手段とにより構成したので、酸素濃度信号または暫定酸素濃度信号を用いて酸素センサ部が活性化したことを判定したときには、この判定後に一定の時間が経過してから酸素ポンプ部も活性化したと判断でき、信号切換手段から空燃比信号を切換制御手段に出力できると共に、この出力タイミングで空燃比信号を用いた空燃比制御等を開始することができる。
【0081】
一方、請求項3の発明によれば、酸素ポンプ部から空燃比出力手段を介して出力される空燃比信号と該空燃比信号を増幅した増幅空燃比信号のうち、いずれか一方の信号を信号切換手段により切換えて切換制御手段に出力する構成としたので、例えばエンジンの始動時等に酸素ポンプ部の活性化が開始したか否かを増幅空燃比信号を用いて精度よく判定でき、空燃比信号を用いた空燃比制御を、酸素ポンプ部が活性化を開始する前の適切なタイミングで早期に開始することができる。そして、活性化の開始を判定した後には、切換制御手段への入力信号を信号切換手段によって空燃比信号に切換えることができ、この状態で空燃比制御を行うときには、空燃比信号に大きな検出範囲(出力レンジ)を与えつつ、そのデータ量を小さく抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態による空燃比検出装置を示す全体構成図である。
【図2】酸素センサ部から出力される酸素濃度信号と空気過剰率との関係を示す特性線図である。
【図3】酸素ポンプ部から出力される空燃比信号と空気過剰率との関係を示す特性線図である。
【図4】酸素濃度信号と空燃比信号と始動後の加熱温度との関係を示す特性線図である。
【図5】コントロールユニットによる制御処理を示す流れ図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態による空燃比検出装置を示す全体構成図である。
【図7】空燃比信号の出力状態と加熱時間との関係を示す特性線図である。
【図8】図7中のa部の空燃比信号を増幅して示す増幅空燃比信号の特性線図である。
【図9】第1の実施の形態の変形例を示す空燃比検出装置の全体構成図である。
【符号の説明】
2 センサケース
5 ガス室
6 拡散層
7 大気室
8 酸素センサ部
9,10,13,14 第1〜第4の電極
12 酸素ポンプ部
16 ヒータ
18,31 信号出力処理回路(空燃比出力手段)
19,33 信号切換器(信号切換手段)
20,34 コントロールユニット(切換制御手段)
32 信号増幅器(信号増幅手段)
OUT 空燃比信号
Vo 酸素濃度信号
Vt 暫定酸素濃度信号
Va 増幅空燃比信号

Claims (3)

  1. 酸素イオン伝導性を有する材料により形成され、排気ガスが拡散層を介して流入するガス室と該ガス室とは遮断された大気室とが設けられたセンサケースと、
    該センサケースに設けられ、前記大気室側に配置した第1の電極と前記ガス室側に配置した第2の電極との間で前記各室間の酸素濃度に応じた酸素濃度信号を出力する酸素センサ部と、
    前記センサケースに設けられ、前記ガス室側に配置した第3の電極と外部に面して配置した第4の電極との間に酸素ポンプ信号が入力されることにより前記センサケースを透過して前記ガス室に酸素イオンを流入、流出させる酸素ポンプ部と、
    前記センサケースに設けられ、外部から給電されることにより前記酸素センサ部と酸素ポンプ部とを加熱するヒータと、
    前記第1,第2の電極から出力される酸素濃度信号に応じて前記第3,第4の電極間に前記酸素ポンプ信号を出力し、該酸素ポンプ信号による前記第3,第4の電極間への給電量に応じて前記ガス室の酸素濃度に対応した空燃比信号を出力する空燃比出力手段と、
    該空燃比出力手段から入力される空燃比信号側と前記酸素センサ部から入力される酸素濃度信号または前記第1,第4の電極間から入力される暫定酸素濃度信号側とのうち、いずれか一方側の信号を切換えて出力する信号切換手段と、
    該信号切換手段に接続して設けられ、前記酸素濃度信号または暫定酸素濃度信号を用いて前記酸素ポンプ部が活性化したことを判定したときに、該信号切換手段に対し空燃比信号を出力させるための切換信号を出力する切換制御手段とから構成してなる空燃比検出装置。
  2. 前記切換制御手段は、前記信号切換手段から出力される酸素濃度信号または暫定酸素濃度信号を用いて前記酸素センサ部が活性化したか否かを判定する活性化判定手段と、該活性化判定手段で前記酸素センサ部が活性化したと判定してから予め定められた時間が経過したときに前記信号切換手段に切換信号を出力する切換信号出力手段とにより構成してなる請求項1に記載の空燃比検出装置。
  3. 酸素イオン伝導性を有する材料により形成され、排気ガスが拡散層を介して流入するガス室と該ガス室とは遮断された大気室とが設けられたセンサケースと、
    該センサケースに設けられ、前記大気室側に配置した第1の電極と前記ガス室側に配置した第2の電極との間で前記各室間の酸素濃度に応じた酸素濃度信号を出力する酸素センサ部と、
    前記センサケースに設けられ、前記ガス室側に配置した第3の電極と外部に面して配置した第4の電極との間に酸素ポンプ信号が入力されることにより前記センサケースを透過して前記ガス室に酸素イオンを流入、流出させる酸素ポンプ部と、
    前記センサケースに設けられ、外部から給電されることにより前記酸素センサ部と酸素ポンプ部とを加熱するヒータと、
    前記第1,第2の電極から出力される酸素濃度信号に応じて前記第3,第4の電極間に前記酸素ポンプ信号を出力し、該酸素ポンプ信号による前記第3,第4の電極間への給電量に応じて前記ガス室の酸素濃度に対応した空燃比信号を出力する空燃比出力手段と、
    該空燃比出力手段の出力側に設けられ、前記空燃比信号を増幅して増幅空燃比信号を出力する信号増幅手段と、
    該信号増幅手段と前記空燃比出力手段とに接続して設けられ、前記増幅空燃比信号側と空燃比信号側のうち、いずれか一方側の信号を切換えて出力する信号切換手段と、
    該信号切換手段に接続して設けられ、前記増幅空燃比信号を用いて前記酸素ポンプ部が活性化したことを判定したときに、該信号切換手段に対し空燃比信号を出力させるための切換信号を出力する切換制御手段とから構成してなる空燃比検出装置。
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