JP3552775B2 - グレーチング - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、側溝等に被着して使用されるグレーチングに関する。
【0002】
【従来の技術】
グレーチングaには、図9に示すように、所定間隔で並列した複数の短尺状メインバーbに適数本の長尺状クロスバーcを直交状に差し渡して格子枠dを構成し、さらに該格子枠dの長手方向に沿う両側縁にサイドバーeを配設してなるものがある。
【0003】
このような従来のグレーチングaは、図10に示す方法によって製造される。
まず、図10(イ)に示すように、各メインバーbに連結孔xを、クロスバーcの数に対応させて複数形成する。ここで該連結孔xは、その横幅をクロスバーcの縦幅以上とし、縦幅をそれ以下として、さらに、中央の上下にストッパー縁fを互い違いに設けた形状とする。
【0004】
また、図10(ロ)に示すように、前記クロスバーcの上縁には嵌入溝yを、メインバーbの数に対応させて所定間隔毎に複数形成する。
【0005】
次に各メインバーbを適宜の治具により所定間隔に整列させ、図10(ハ)に示すように、クロスバーcを横向きで各連結孔x内に串刺し状に挿入し、該クロスバーcの嵌入溝yと、メインバーbの連結孔xを対向させてからクロスバーcを上向きに回転させ、その側縁が前記ストッパー縁fに当接した起立状態で各嵌入溝y内に各連結孔xの上端縁を嵌入させる。
【0006】
そして、クロスバーcとメインバーbを前記連結孔xの位置で夫々溶接により接合することにより、複数のメインバーbと適数本のクロスバーcが直交した格子枠dが構成される。
【0007】
次に、図9に示すように、前記格子枠dの長手方向に沿う両側縁にサイドバーeを溶接により接合することによりグレーチングaが製造される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来構成のグレーチングaにあっては、格子枠dを構成する各メインバーbの所定位置に複雑な形状の連結孔xを夫々穿設加工する必要があり、しかもクロスバーcを各メインバーbの連結孔xに差し通して上向きに回転させることによって、該クロスバーcの各嵌入溝yに各メインバーbの連結孔xの上端縁を同時に嵌入させなければならないので、その組付けが面倒であった。
また、クロスバーcに角棒材を用いているため、生産コストが高く、グレーチングaの重量が重くなる等の欠点があった。
【0009】
そこで、図12で示すように、コ字形、U字形、欠円形等の断面略伏U形に形成した薄肉状長尺材からなるクロスバー41の上縁に、メインバー40が直交状に嵌合される複数の嵌挿溝42を長手方向に沿って所定間隔毎に形成し、各嵌挿溝42にメインバー40を縦方向から夫々嵌入して格子状に組み合わせ、さらに各メインバー40とクロスバー41との交叉部を溶接して接合することにより格子枠を構成したものが提案された。
【0010】
この構成にあっては、従来のように各メインバー40に複雑な形状の連結孔を夫々穿設加工する必要がなく、メインバー40とクロスバー41の格子状の組付けを容易に行なうことができる利点がある。
【0011】
ところで、かかる構成は後述するように、グレーチング40に大きな荷重がかかり、その全体が湾曲した場合に、クロスバー41がその嵌挿溝42に沿って破断し易く、強度が充分ではないことが解った。そこで、その補強手段として、図12に鎖線で示すように、グレーチングの下面に、クロスバー41と平行に丸棒43を差し渡して、溶接固定することにより、補強するようにしていた。しかるに、かかる手段にあっては、丸棒43の溶接作業が面倒となり、量産性を損なうという大きな問題点があった。
本発明は、かかる従来の問題点を解消することを目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、クロスバーを、コ字形、U字形、欠円形等の断面略伏U形に形成した薄肉状長尺材からなる連結杆を内外に二片重合し、その上縁に横断方向の嵌挿溝を長手方向に沿って複数、所定間隔毎に設けることにより構成すると共に、クロスバーの各嵌挿溝に縦方向からメインバーを嵌入して格子状に組み合わせ、さらに各メインバーとクロスバーとの交叉部を溶接して接合することにより前記格子枠を組み付けたことを特徴とするものである。
【0013】
【作用】
必要本数のメインバーを、上下を逆にして適宜の治具によって所定間隔に整列させた後、クロスバーを下向きにして上方から押し下げることにより、該クロスバーの各嵌挿溝にメインバーを夫々同時に嵌入させることができる。これにより、メインバーとクロスバーが格子状に組み合わせられることとなり、所要箇所を溶接することにより、その組付け作業を極めて容易に行なうことができる。ここで、クロスバーは、断面略伏U形に形成した薄肉状長尺材からなる連結杆を内外に二片重合して構成したから、後述するように、強度が著しく向上し、丸棒等の補強を要しない。これは、各連結片の弾性作用が維持されながら、しかもその総厚が大きくなることによるものと考えられる。この二片の総厚と厚を等しくした単一の連結片からなるクロスバーとを比較した場合にも、強を向上し得る。
【0014】
【実施例】
図1〜図5について本発明の第1の実施例を説明する。
ここで本発明の、グレーチング20は、断面T字形に形成した短尺な複数本のメインバー1と、長尺状の適数本のクロスバー10によって、格子状に組み付けられる。前記クロスバー10は、コ字形を呈する如く断面略伏U形に形成した薄肉状長尺材からなる連結杆3a,3bが内外に二片重合して構成される。この連結杆3a,3bは、前記メインバー1の連結時に順次重合するようにしても良く、あらかじめ重合した後に、メインバー1と連結するようにしても良い。またこの連結杆3a,3bは帯状の薄板を曲げ加工する等の手段により形成される。
【0015】
この連結杆3a,3bは、その幅寸法が相違するが、基本形状は同じであり、その左右両側端縁4a,4bには下端縁を水平に延成した鍔状連接部5a,5bが夫々設けられている。またその上縁には、メインバー1が直交状に嵌合される複数の切り込み溝6a,6bが所定間隔毎に形成される。各切り込み溝6a,6bの幅はメインバー1の厚みと略同一寸法とし、連結杆3a,3bの下端縁近傍まで至るように形成され、連接部5a,5bを上下に重ね合わせている。
【0016】
そして、この連結杆3a,3bを重ね合わせることにより、クロスバー10が構成され、前記切り込み溝6a,6bが合致して嵌挿溝11が形成される。
【0017】
また、前記メインバー1の下縁には、クロスバー10の嵌挿溝11との嵌合時に、該クロスバー10と交叉する位置に対応させて、連接部5a,5bを収納可能な凹溝8が形成される。
【0018】
前記メインバー1とクロスバー10は次の手順で組付けられる。
まず、図4に示すように、両側に対向状に配置され相互に間隔が位置決め可能に設けられた治具30,30(一側を省略して示す。)の係止溝31に、上下を逆にしたメインバー1の両端を夫々嵌入し、該治具30,30により複数のメインバー1を保持して並列状に列設させる。
【0019】
次に、直交方向に整列したメインバー1の各凹溝8に一致する位置で連結杆3aを下向きにして上方から押し下げ、切り込み溝6aにメインバー1が夫々同時に嵌入するようにする。同じく連結杆3bを連結杆3a内に上方から嵌入し、連結杆3a,3bを重合させて、切り込み溝6bにメインバー1に嵌入する。而して、その嵌入状態で、連結杆3a,3bによりクロスバー10が構成され、メインバー1群と交叉状に組み付けられる。
【0020】
そして、クロスバー10の鍔状連接部5a,5bとメインバー1との交叉部をスポット溶接によって接合することにより、メインバー1とクロスバー10が固定され格子枠21が構成される。ここで前記スポット溶接によるメインバー1とクロスバー10の接合は、格子枠21の概形を保持させるだけのものであるため、全ての交叉部に溶接を施す必要はなく、所要部の数カ所に施せば十分である。
【0021】
上記のように構成された格子枠21の両側縁には、図5に示すように、治具30,30を取外してからサイドバー22が接合される。ここで、治具30,30を取外しても、各メインバー1はクロスバー10の嵌挿溝11に夫々嵌入されていることにより直立状態に保持されており、この状態で各メインバー1の端部にサイドバー22を当接し、その当接部をガス溶接等によって接合することにより、格子枠21の両側縁にサイドバー22が接合されてグレーチング20が完成する。かかるグレーチング20は反転させて表向きにした状態で使用される。
【0022】
尚、前記クロスバー10にあって、左右両側端縁3,3の下端縁に形成した鍔状連接部5a,5bは、上方からスポット溶接を容易に行なう得るように設けられたものであり、メインバー1とクロスバー10の交叉部の側面をガス溶接等によって接合するようにすれば、連接部5a,5bは必ずしも鍔状である必要はない。
【0023】
また、メインバー1の下縁に、クロスバー10の連接部5a,5bを収納するために形成した凹溝8は、グレーチング20の下縁を面一とし、安定的に受枠に支持されるようにするものであるから、その支持態様によっては、凹溝8を形成する必要はない。
【0024】
図6は薄肉状長尺材からなるU字形を呈する断面略伏U形に形成された連結杆3a,3bを重合してなるクロスバー10の構成を示すものである。
この連結杆3a,3bは、その左右両側端縁4a,4bには下端縁を斜め下方に延成した鍔状連接部5a,5bが設けられている。そして、該連結杆3a,3bは重合して、切り込み溝6a,6bを一致させ、これにより嵌挿溝11を生ずる。
【0025】
また、嵌挿溝11に嵌入するメインバー1の凹溝8の両側には、前記鍔状連接部5a,5bに対応させて傾斜面13,13が形成される。このようにクロスバー10の上縁を曲面形状とすると、該上縁に付着する埃塵等がグレーチング20の上部から側溝に流れ込む排水によって洗い流され易くなる作用が得られる。また、斜め下方に延成した鍔状連接部5a,5bによっても、同様の案内作用が得られる。尚、図示省略するが、クロスバー10には上記以外にもV字形、菱形等を呈する断面略伏U形の薄肉状長尺材を用いることができる。
【0026】
図7は、図6と若干異なる断面形状に形成したクロスバー10の第3の実施例を示し、薄肉状長尺材からなる連結杆3a,3bを欠円形を呈する断面略伏U形に形成したものを用いて、これを重合した構成になる。
【0027】
図8はクロスバー10に鍔状連接部5a,5bを形成しない連結杆3a,3bを重合して構成したクロスバー10の第4の実施例を示し、コ字形を呈する如く断面略伏U形に形成した薄肉状長尺材の上縁に、切り込み溝6a,6bが長手方向に沿って所定間隔毎に形成され、該切り込み溝6a,6bの下部縁を連接部5a,5bとしている。また、該連接部5a,5bを収納するためのメインバー1の凹溝8も連接部5a,5bの縦幅に対応させて深く形成している。そして、切り込み溝6a,6bにより嵌挿溝11を形成している。
【0028】
尚、上記各実施例では、メインバー1を断面T字形としたが、本発明は断面が矩形や逆L字形等に形成されたメインバーにも適用できる。
【0029】
上述の構成にあって、クロスバー10を二片の連結杆3a,3bを内外に重ね合わせて構成したものであるから、各連結杆3a,3bによる弾性を損なうことなく、肉厚を大きくでき、このためその強度が飛躍的に向上する。
【0030】
ここで、図11は、圧縮試験の結果を示すグラフであり、イ)は、図6で示した構成に係るものである。ロ)は、図12で示す単一の連結杆からなるクロスバー41を用いると共に、その構成を補強するために丸棒43を接合して補強するようにした構成に係るものである。ハ)は丸棒43を用いない図12の構成に係るものである。ニ)は、図6の連結杆3a,3bの総厚と厚みが等しい単一の連結杆からなるクロスバー41を用いたものである。この各実験で示されるように、本発明のイ)では22,000N(ニユートン)、ロ)では21,500N、ハ)では14,000N,ニ)では18,000Nで、夫々クロスバー10が破断した。
【0031】
このことから、本発明の構成が最も高い強度をもつことが解った。一方、図12の構成は、本発明に比して、強度が若干劣ると共に、丸棒43を接合しなければならないため、組み付が面倒であり、従って、本発明の方が明らかに優れるものであることが理解される。ハ)の単一の連結杆3aを用いた場合は、強度が勿論低い。また、本発明と同じ肉厚で、単一の連結杆3aを形成した場合には、弾性が小さくなるために、大荷重がかかった場合に、塑性変形して元の状態に戻らず、挫屈し易く、本発明のような強度を得ることができない。しかも、肉厚のため、曲げ加工に大荷重を要して、成形が面倒となるという問題も併せ持つ。
【0032】
【発明の効果】
本発明は上述のように、断面略伏U形に形成した薄肉状長尺材からなる連結杆連結杆3a,3bを内外に二片重ねてクロスバー10を構成したものであるから、高い強度を得ることができ、グレーチング20上に大きな荷重がかかった場合にも、嵌挿溝11に沿って亀裂,切断を生ずるようなことはなく、信頼性の高いグレーチング20を構成し得ることとなると共に、丸棒等の補強材を接合する構成のような加工の煩雑性を回避でき、この種、嵌挿溝11を備えるクロスバー10を用いたグレーチング20の組み付け容易性をさらに向上することができる、等の優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の分離状態の斜視図である。
【図2】同上の分離状態の側断面図である。
【図3】同上の組み付け状態の側断面図である。
【図4】同上の組み付け工程を示す斜視図である。
【図5】同上のメインバー1とクロスバー10を組み付けて構成した格子枠21の底面図である。
【図6】本発明の第2実施例の組み付け状態の側断面図である。
【図7】本発明の第3実施例の組み付け状態の側断面図である。
【図8】本発明の第4実施例の組み付け状態の側断面図である。
【図9】従来のグレーチングaの平面図である。
【図10】従来のグレーチングaの要部の構成の側面図及び組付け方法を示す斜視図である。
【図11】種々の構成の圧縮試験の結果を示すグラフである。
【図12】先行技術のグレーチング40の要部を示す縦断側面図である。
【符号の説明】
1 メインバー
3a,3b 連結杆
5a,5b 連接部
6a,6b 切り込み溝
8 凹溝
10 クロスバー
11 嵌挿溝
20 グレーチング
21 格子枠
【産業上の利用分野】
本発明は、側溝等に被着して使用されるグレーチングに関する。
【0002】
【従来の技術】
グレーチングaには、図9に示すように、所定間隔で並列した複数の短尺状メインバーbに適数本の長尺状クロスバーcを直交状に差し渡して格子枠dを構成し、さらに該格子枠dの長手方向に沿う両側縁にサイドバーeを配設してなるものがある。
【0003】
このような従来のグレーチングaは、図10に示す方法によって製造される。
まず、図10(イ)に示すように、各メインバーbに連結孔xを、クロスバーcの数に対応させて複数形成する。ここで該連結孔xは、その横幅をクロスバーcの縦幅以上とし、縦幅をそれ以下として、さらに、中央の上下にストッパー縁fを互い違いに設けた形状とする。
【0004】
また、図10(ロ)に示すように、前記クロスバーcの上縁には嵌入溝yを、メインバーbの数に対応させて所定間隔毎に複数形成する。
【0005】
次に各メインバーbを適宜の治具により所定間隔に整列させ、図10(ハ)に示すように、クロスバーcを横向きで各連結孔x内に串刺し状に挿入し、該クロスバーcの嵌入溝yと、メインバーbの連結孔xを対向させてからクロスバーcを上向きに回転させ、その側縁が前記ストッパー縁fに当接した起立状態で各嵌入溝y内に各連結孔xの上端縁を嵌入させる。
【0006】
そして、クロスバーcとメインバーbを前記連結孔xの位置で夫々溶接により接合することにより、複数のメインバーbと適数本のクロスバーcが直交した格子枠dが構成される。
【0007】
次に、図9に示すように、前記格子枠dの長手方向に沿う両側縁にサイドバーeを溶接により接合することによりグレーチングaが製造される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来構成のグレーチングaにあっては、格子枠dを構成する各メインバーbの所定位置に複雑な形状の連結孔xを夫々穿設加工する必要があり、しかもクロスバーcを各メインバーbの連結孔xに差し通して上向きに回転させることによって、該クロスバーcの各嵌入溝yに各メインバーbの連結孔xの上端縁を同時に嵌入させなければならないので、その組付けが面倒であった。
また、クロスバーcに角棒材を用いているため、生産コストが高く、グレーチングaの重量が重くなる等の欠点があった。
【0009】
そこで、図12で示すように、コ字形、U字形、欠円形等の断面略伏U形に形成した薄肉状長尺材からなるクロスバー41の上縁に、メインバー40が直交状に嵌合される複数の嵌挿溝42を長手方向に沿って所定間隔毎に形成し、各嵌挿溝42にメインバー40を縦方向から夫々嵌入して格子状に組み合わせ、さらに各メインバー40とクロスバー41との交叉部を溶接して接合することにより格子枠を構成したものが提案された。
【0010】
この構成にあっては、従来のように各メインバー40に複雑な形状の連結孔を夫々穿設加工する必要がなく、メインバー40とクロスバー41の格子状の組付けを容易に行なうことができる利点がある。
【0011】
ところで、かかる構成は後述するように、グレーチング40に大きな荷重がかかり、その全体が湾曲した場合に、クロスバー41がその嵌挿溝42に沿って破断し易く、強度が充分ではないことが解った。そこで、その補強手段として、図12に鎖線で示すように、グレーチングの下面に、クロスバー41と平行に丸棒43を差し渡して、溶接固定することにより、補強するようにしていた。しかるに、かかる手段にあっては、丸棒43の溶接作業が面倒となり、量産性を損なうという大きな問題点があった。
本発明は、かかる従来の問題点を解消することを目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、クロスバーを、コ字形、U字形、欠円形等の断面略伏U形に形成した薄肉状長尺材からなる連結杆を内外に二片重合し、その上縁に横断方向の嵌挿溝を長手方向に沿って複数、所定間隔毎に設けることにより構成すると共に、クロスバーの各嵌挿溝に縦方向からメインバーを嵌入して格子状に組み合わせ、さらに各メインバーとクロスバーとの交叉部を溶接して接合することにより前記格子枠を組み付けたことを特徴とするものである。
【0013】
【作用】
必要本数のメインバーを、上下を逆にして適宜の治具によって所定間隔に整列させた後、クロスバーを下向きにして上方から押し下げることにより、該クロスバーの各嵌挿溝にメインバーを夫々同時に嵌入させることができる。これにより、メインバーとクロスバーが格子状に組み合わせられることとなり、所要箇所を溶接することにより、その組付け作業を極めて容易に行なうことができる。ここで、クロスバーは、断面略伏U形に形成した薄肉状長尺材からなる連結杆を内外に二片重合して構成したから、後述するように、強度が著しく向上し、丸棒等の補強を要しない。これは、各連結片の弾性作用が維持されながら、しかもその総厚が大きくなることによるものと考えられる。この二片の総厚と厚を等しくした単一の連結片からなるクロスバーとを比較した場合にも、強を向上し得る。
【0014】
【実施例】
図1〜図5について本発明の第1の実施例を説明する。
ここで本発明の、グレーチング20は、断面T字形に形成した短尺な複数本のメインバー1と、長尺状の適数本のクロスバー10によって、格子状に組み付けられる。前記クロスバー10は、コ字形を呈する如く断面略伏U形に形成した薄肉状長尺材からなる連結杆3a,3bが内外に二片重合して構成される。この連結杆3a,3bは、前記メインバー1の連結時に順次重合するようにしても良く、あらかじめ重合した後に、メインバー1と連結するようにしても良い。またこの連結杆3a,3bは帯状の薄板を曲げ加工する等の手段により形成される。
【0015】
この連結杆3a,3bは、その幅寸法が相違するが、基本形状は同じであり、その左右両側端縁4a,4bには下端縁を水平に延成した鍔状連接部5a,5bが夫々設けられている。またその上縁には、メインバー1が直交状に嵌合される複数の切り込み溝6a,6bが所定間隔毎に形成される。各切り込み溝6a,6bの幅はメインバー1の厚みと略同一寸法とし、連結杆3a,3bの下端縁近傍まで至るように形成され、連接部5a,5bを上下に重ね合わせている。
【0016】
そして、この連結杆3a,3bを重ね合わせることにより、クロスバー10が構成され、前記切り込み溝6a,6bが合致して嵌挿溝11が形成される。
【0017】
また、前記メインバー1の下縁には、クロスバー10の嵌挿溝11との嵌合時に、該クロスバー10と交叉する位置に対応させて、連接部5a,5bを収納可能な凹溝8が形成される。
【0018】
前記メインバー1とクロスバー10は次の手順で組付けられる。
まず、図4に示すように、両側に対向状に配置され相互に間隔が位置決め可能に設けられた治具30,30(一側を省略して示す。)の係止溝31に、上下を逆にしたメインバー1の両端を夫々嵌入し、該治具30,30により複数のメインバー1を保持して並列状に列設させる。
【0019】
次に、直交方向に整列したメインバー1の各凹溝8に一致する位置で連結杆3aを下向きにして上方から押し下げ、切り込み溝6aにメインバー1が夫々同時に嵌入するようにする。同じく連結杆3bを連結杆3a内に上方から嵌入し、連結杆3a,3bを重合させて、切り込み溝6bにメインバー1に嵌入する。而して、その嵌入状態で、連結杆3a,3bによりクロスバー10が構成され、メインバー1群と交叉状に組み付けられる。
【0020】
そして、クロスバー10の鍔状連接部5a,5bとメインバー1との交叉部をスポット溶接によって接合することにより、メインバー1とクロスバー10が固定され格子枠21が構成される。ここで前記スポット溶接によるメインバー1とクロスバー10の接合は、格子枠21の概形を保持させるだけのものであるため、全ての交叉部に溶接を施す必要はなく、所要部の数カ所に施せば十分である。
【0021】
上記のように構成された格子枠21の両側縁には、図5に示すように、治具30,30を取外してからサイドバー22が接合される。ここで、治具30,30を取外しても、各メインバー1はクロスバー10の嵌挿溝11に夫々嵌入されていることにより直立状態に保持されており、この状態で各メインバー1の端部にサイドバー22を当接し、その当接部をガス溶接等によって接合することにより、格子枠21の両側縁にサイドバー22が接合されてグレーチング20が完成する。かかるグレーチング20は反転させて表向きにした状態で使用される。
【0022】
尚、前記クロスバー10にあって、左右両側端縁3,3の下端縁に形成した鍔状連接部5a,5bは、上方からスポット溶接を容易に行なう得るように設けられたものであり、メインバー1とクロスバー10の交叉部の側面をガス溶接等によって接合するようにすれば、連接部5a,5bは必ずしも鍔状である必要はない。
【0023】
また、メインバー1の下縁に、クロスバー10の連接部5a,5bを収納するために形成した凹溝8は、グレーチング20の下縁を面一とし、安定的に受枠に支持されるようにするものであるから、その支持態様によっては、凹溝8を形成する必要はない。
【0024】
図6は薄肉状長尺材からなるU字形を呈する断面略伏U形に形成された連結杆3a,3bを重合してなるクロスバー10の構成を示すものである。
この連結杆3a,3bは、その左右両側端縁4a,4bには下端縁を斜め下方に延成した鍔状連接部5a,5bが設けられている。そして、該連結杆3a,3bは重合して、切り込み溝6a,6bを一致させ、これにより嵌挿溝11を生ずる。
【0025】
また、嵌挿溝11に嵌入するメインバー1の凹溝8の両側には、前記鍔状連接部5a,5bに対応させて傾斜面13,13が形成される。このようにクロスバー10の上縁を曲面形状とすると、該上縁に付着する埃塵等がグレーチング20の上部から側溝に流れ込む排水によって洗い流され易くなる作用が得られる。また、斜め下方に延成した鍔状連接部5a,5bによっても、同様の案内作用が得られる。尚、図示省略するが、クロスバー10には上記以外にもV字形、菱形等を呈する断面略伏U形の薄肉状長尺材を用いることができる。
【0026】
図7は、図6と若干異なる断面形状に形成したクロスバー10の第3の実施例を示し、薄肉状長尺材からなる連結杆3a,3bを欠円形を呈する断面略伏U形に形成したものを用いて、これを重合した構成になる。
【0027】
図8はクロスバー10に鍔状連接部5a,5bを形成しない連結杆3a,3bを重合して構成したクロスバー10の第4の実施例を示し、コ字形を呈する如く断面略伏U形に形成した薄肉状長尺材の上縁に、切り込み溝6a,6bが長手方向に沿って所定間隔毎に形成され、該切り込み溝6a,6bの下部縁を連接部5a,5bとしている。また、該連接部5a,5bを収納するためのメインバー1の凹溝8も連接部5a,5bの縦幅に対応させて深く形成している。そして、切り込み溝6a,6bにより嵌挿溝11を形成している。
【0028】
尚、上記各実施例では、メインバー1を断面T字形としたが、本発明は断面が矩形や逆L字形等に形成されたメインバーにも適用できる。
【0029】
上述の構成にあって、クロスバー10を二片の連結杆3a,3bを内外に重ね合わせて構成したものであるから、各連結杆3a,3bによる弾性を損なうことなく、肉厚を大きくでき、このためその強度が飛躍的に向上する。
【0030】
ここで、図11は、圧縮試験の結果を示すグラフであり、イ)は、図6で示した構成に係るものである。ロ)は、図12で示す単一の連結杆からなるクロスバー41を用いると共に、その構成を補強するために丸棒43を接合して補強するようにした構成に係るものである。ハ)は丸棒43を用いない図12の構成に係るものである。ニ)は、図6の連結杆3a,3bの総厚と厚みが等しい単一の連結杆からなるクロスバー41を用いたものである。この各実験で示されるように、本発明のイ)では22,000N(ニユートン)、ロ)では21,500N、ハ)では14,000N,ニ)では18,000Nで、夫々クロスバー10が破断した。
【0031】
このことから、本発明の構成が最も高い強度をもつことが解った。一方、図12の構成は、本発明に比して、強度が若干劣ると共に、丸棒43を接合しなければならないため、組み付が面倒であり、従って、本発明の方が明らかに優れるものであることが理解される。ハ)の単一の連結杆3aを用いた場合は、強度が勿論低い。また、本発明と同じ肉厚で、単一の連結杆3aを形成した場合には、弾性が小さくなるために、大荷重がかかった場合に、塑性変形して元の状態に戻らず、挫屈し易く、本発明のような強度を得ることができない。しかも、肉厚のため、曲げ加工に大荷重を要して、成形が面倒となるという問題も併せ持つ。
【0032】
【発明の効果】
本発明は上述のように、断面略伏U形に形成した薄肉状長尺材からなる連結杆連結杆3a,3bを内外に二片重ねてクロスバー10を構成したものであるから、高い強度を得ることができ、グレーチング20上に大きな荷重がかかった場合にも、嵌挿溝11に沿って亀裂,切断を生ずるようなことはなく、信頼性の高いグレーチング20を構成し得ることとなると共に、丸棒等の補強材を接合する構成のような加工の煩雑性を回避でき、この種、嵌挿溝11を備えるクロスバー10を用いたグレーチング20の組み付け容易性をさらに向上することができる、等の優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の分離状態の斜視図である。
【図2】同上の分離状態の側断面図である。
【図3】同上の組み付け状態の側断面図である。
【図4】同上の組み付け工程を示す斜視図である。
【図5】同上のメインバー1とクロスバー10を組み付けて構成した格子枠21の底面図である。
【図6】本発明の第2実施例の組み付け状態の側断面図である。
【図7】本発明の第3実施例の組み付け状態の側断面図である。
【図8】本発明の第4実施例の組み付け状態の側断面図である。
【図9】従来のグレーチングaの平面図である。
【図10】従来のグレーチングaの要部の構成の側面図及び組付け方法を示す斜視図である。
【図11】種々の構成の圧縮試験の結果を示すグラフである。
【図12】先行技術のグレーチング40の要部を示す縦断側面図である。
【符号の説明】
1 メインバー
3a,3b 連結杆
5a,5b 連接部
6a,6b 切り込み溝
8 凹溝
10 クロスバー
11 嵌挿溝
20 グレーチング
21 格子枠
Claims (1)
- 所定間隔で並列した複数のメインバーと、各メインバーに直交状に差し渡したクロスバーとにより構成される格子枠を備えたグレーチングにおいて、
前記クロスバーを、コ字形、U字形、欠円形等の断面略伏U形に形成した薄肉状長尺材からなる連結杆を内外に二片重合し、その上縁に横断方向の嵌挿溝を長手方向に沿って複数、所定間隔毎に設けることにより構成すると共に、
クロスバーの各嵌挿溝に縦方向からメインバーを嵌入して格子状に組み合わせ、さらに各メインバーとクロスバーとの交叉部を溶接して接合することにより前記格子枠を組み付けたことを特徴とするグレーチング。
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