JP3552566B2 - 廃プラスチックの資源化方法 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、一般家庭等から排出されるプラスチック類廃棄物(以下、「廃プラスチック」という)を、資源として有効利用するための資源化方法、特に、小径のプラスチックを回収するための方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般家庭から排出される廃プラスチックを再利用する方法が多数検討されている。
【0003】
廃プラスチックの再利用手段として、例えば、プラスチックを油化して再生する方法が知られている。しかし、この場合には、PVC(ポリ塩化ビニル)およびPVDC(ポリ塩化ビニリデン)等中に含まれる塩素分を予め除去する必要がある。
【0004】
また、同じく廃プラスチックの再利用手段として、製鉄工場における高炉の還元剤として利用する方法等が開発されている。しかし、この場合にも、塩化水素ガスによる炉の腐食を防止するために、利用前に予めPVCおよびPVDC等の塩素含有プラスチックを除去することが必要とされている。
【0005】
廃プラスチックの再資源化方法の従来技術として、例えば、特開平10−225930号公報(特願平9−30597号)が提案されている。(以下、「先行技術1」という)。
【0006】
図4に示すように、先行技術1は、破袋機9により廃プラスチックを袋から取出し、揺動反発式選別機1によって、プラスチックボトル等の固形プラスチック(固体系プラスチック)と、フィルム、トレー等の軽量プラスチックと、残渣分とに分別する方法である。
【0007】
分別後の軽量プラスチックは、破砕機15、混合槽16、分離槽17を備える湿式分離工程において、破砕後、塩素含有プラスチックと塩素を含まないプラスチックとに分別される。
【0008】
固形プラスチックは、磁選機10により金属類を除去した後、通常整列装置11、センサー12、情報処理装置13、仕分け装置14を備える乾式選別工程によって、塩素含有プラスチックが分離し除去され、塩素を含有しない固形プラスチックが取り出される。
【0009】
先行技術1によれば、従来は湿式比重分離方法では困難とされていた固形プラスチック中のPET(ポリエチレンテレフタレート)製プラスチックボトルと塩素含有プラスチック(PVC等)との分離が可能となり、効率的な塩素含有プラスチックの除去が可能である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、先行技術1によれば、揺動反発式選別機の篩下に集まった残渣は、そのまま残渣として最終処分されているため資源化されていなかった。この残渣分を詳細に分析してみると、金属類やガラス・土砂類に混じってボトルのキャップ等のプラスチック類が含まれていることが分かった。そのため、廃プラスチック全体の資源化率の低下を招いていた。
【0011】
従って、この発明の目的は、従来、揺動反発式選別機によって篩分けられ廃棄処分されていた残渣から資源化可能なプラスチックを取出すことにより、廃プラスチックの資源化率を向上させ、また、廃棄処分される量を減少させることができる廃プラスチックの資源化方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、混合状態の廃プラスチックを、揺動反発式選別機によって、固形プラスチックと、軽量プラスチックと、所定値以下の小径に篩分けされた小径プラスチックとに分別する廃プラスチックの資源化方法において、分別された前記小径プラスチックに風力選別を施して、プラスチックと、前記プラスチック以外の重量物とに分別し、重量物と分別された前記プラスチックを、プラスチックの比重差を利用する湿式比重分離からなる塩素含有プラスチック除去工程に導入して塩素含有プラスチックを分離し除去することに特徴を有するものである。
【0013】
請求項2記載の発明は、混合状態の廃プラスチックから分別された前記小径プラスチックに前記風力選別を施す前に、前記小径プラスチックに金属選別を施して金属を除去することに特徴を有するものである。
【0014】
請求項3記載の発明は、前記小径プラスチックを篩分けするための前記揺動反発式選別機の篩分けの寸法を20mm以上50mm以下とすることに特徴を有するものである。
【0016】
請求項4記載の発明は、塩素含有プラスチックが除去された前記廃プラスチックを高炉の原料として用いることに特徴を有するものである。
【0017】
混合状態の廃プラスチックを、揺動反発式選別機によって、PETボトル等の固形プラスチックと、フィルム類およびトレー類等の軽量プラスチックと、所定値以下の小径に篩分けされた小径プラスチックとに分別する。小径プラスチックとして分別された廃プラスチックの中には、プラスチック以外の重量物、即ち、金属、ボルト・ナット等の金属類、ガラス片や陶磁器片および土砂類が混じっている。これらに風力選別や金属選別を施して重量物とプラスチックとを分別し回収したプラスチックを再利用に供する。ただし、回収されたプラスチックは塩素含有プラスチックの分離、除去がまだなされていないので、塩素含有プラスチック除去工程に導入し塩素含有プラスチックを分離し除去する。これには湿式比重分離工程が好適である。このとき分別されたプラスチックと揺動反発式選別機によって分別された軽量プラスチックとを一緒にして脱塩素処理すると効率が良い。これらの脱塩素された廃プラスチックを造粒し製鉄所における高炉の原料(還元剤)として用いることにより塩化水素ガスによる炉の腐食は起こらない。
【0018】
【発明の実施の形態】
次に、この発明の廃プラスチックの資源化方法の実施の形態を図面を参照しながら説明する。
【0019】
図1に示すように、混合状態の廃プラスチック2は、必要に応じて破袋機9に投入され袋内から出された後、揺動反発式選別機1に投入される。揺動反発式選別機1には、廃プラスチックをフィルム系(軽量プラスチック)と固体系(固形プラスチック)との2種類に分ける形態選別型と、更に、スクリーンに設けられた孔による篩分けを同時に行う本実施の形態で用いた3種選別型とがある。本実施の形態においては、3種選別型を用い3種類に分別される。
【0020】
図1に示すように、混合状態の廃プラスチック2は、揺動反発式選別機1に投入され、重量物側にボトルプラスチックを主体とする固形プラスチック2aが、軽量物側にフィルム系およびトレー系の軽量プラスチック2bが軽量プラスチックとして分別される。更に、反発板上に設定された篩穴による篩い分け効果により、小径プラスチック2cが分別される。
【0021】
分別された固形プラスチック2aは、固形プラスチック選別工程(塩素含有プラスチックの除去手段)4に導入され、塩素含有プラスチックが除去される。固形プラスチックから塩素含有プラスチックを除去する方法として、例えば、近赤外線スペクトルの波長によるプラスチックの材質判定方法等を用いる。
【0022】
軽量プラスチック2bは、塩素含有プラスチック除去工程3に送られる。軽量プラスチック2bから塩素含有プラスチックを除去する方法としては、図2に示すような装置構成からなる湿式の比重分離工程が広く用いられておりこれを用いる。湿式比重分離工程は、プラスチックの比重差を利用して塩素含有プラスチックを除去する方法である。水より比重の大きい塩素含有プラスチック(PVCおよびPVDC)を水中に沈降させ、浮上分のみを原料化プラスチックとして再利用する。PETは、PVCおよびPVDCとほぼ比重が等しい(1.3〜1.4)ため塩素含有プラスチックと一緒に排出される。しかしながら、PETのほとんどはボトルとして市中に出回っているため、上記の固形プラスチックの側に回収されている。従って、この湿式比重分離工程においては、PETは沈降分として殆ど排出されない。また、PS(ポリスチレン)は、水より若干比重が大きい(1.1程度)が、PVCおよびPVDCとの比重差が大きいので比重液を用いた湿式分離によって十分回収が可能である。
【0023】
小径プラスチック2cは、揺動反発式選別機のスクリーンに設けられた孔により篩分けられる。一般廃棄物に揺動反発式選別機を適用する場合、経験上篩分けの篩孔の直径または代表寸法は、20〜50mm程度が最適である。こうした篩孔径で篩われた小径プラスチック2cは、ボルト・ナット等の金属類、ガラス片や陶磁器片、土砂類およびプラスチック小片類等を含んでいるのでこれらを以下の工程により分別する。
【0024】
まず、小径プラスチック2cから金属選別工程5によって金属類を回収する。金属選別工程5には、磁選機や渦電流式選別機等を適用する。磁選機を用いれば鉄類の回収が可能である。渦電流式選別機を用いれば鉄類の他にアルミニウムおよび銅等の非磁性金属も回収可能である。
【0025】
金属類を回収後、風力選別機による風力選別工程6によって風選重量物(残渣)2eと風選軽量物(プラスチック)2dとに分別する。風力選別工程には、図3に示すようなサイクロン7を備える竪型のジグザグ風力選別機8を用いるのが最適である。選別時の風速は、経験上10m/s以下が好ましい。この風力選別工程6によって、風選軽量物2dとしてプラスチックが回収され、風選重量物2eとして残渣、即ち、土砂やガラス、陶磁器類が回収される。
【0026】
このようにして、風選軽量物2dとして回収されたプラスチックは、揺動反発式選別機1によって選別された軽量プラスチック2bとともに上述の塩素含有プラスチック除去工程3に導入されここで塩素含有プラスチックが分離し除去され、資源化される。
【0027】
なお、金属選別工程は、本実施の形態においては風力選別工程の前に配置したが、風力選別工程の重量物側に設置してもよい。この場合は、金属選別工程に軽量物(プラスチック)が入ってこないため、金属類への軽量物の巻き込みがなく、金属類の純度が高くなる効果がある。
【0028】
【実施例】
次に、この発明の実施例を説明する。
【0029】
図1に示す本発明工程によって、一般廃棄物(ごみ)として収集された混合状態の廃プラスチック1000kgを、固形プラスチックと、軽量プラスチックと、小径プラスチック(小径物)とに分別処理し、小径物については、更に、重量物(金属、残渣)と風選軽量物に分別した。そして、分別した固形プラスチック、軽量プラスチックおよび小径物(金属、風選軽量物および残渣)のそれぞれに含まれるものの内訳を、プラスチック、紙類、金属およびその他に分けて調査した。その結果を表1に示す。
【0030】
【表1】
【0031】
表1に示すように、一般廃棄物1000kgの処理に対して102kg(A参照)の小径物が回収された。これは従来方法では、残渣として最終処分されている分である。この量は投入量の約10%にもなった。
【0032】
これに対して、本発明では、小径物から更に金属(B参照)および残渣(C参照)を分別したので残渣分は28kg(D参照)と従来の1/3以下の量となった。また、資源化されるプラスチック(風選軽量物:E参照)の回収量は25kg(F参照)になり、その分プラスチック回収量が約3%増加した。
【0033】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、従来残渣として処分されていた小径物(金属、残渣およびプラスチック)からプラスチックを回収することにより、廃プラスチックの資源化率が向上するとともに廃棄される残渣量が減少し、かくして有用な効果がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態に係る工程図である。
【図2】この発明の実施の形態に係る塩素含有プラスチックの除去工程を示す工程図である。
【図3】この発明の実施の形態に係る風力選別機を示す説明図である。
【図4】従来の廃プラスチックの資源化方法の一例を示す工程図である。
【符号の説明】
1 揺動反発式選別機
2 廃プラスチック
2a 固形プラスチック
2b フィルム系プラスチック
2c 小径プラスチック
2d 風選軽量物(プラスチック)
2e 風選重量物(残渣)
3 塩素含有プラスチック
4 固形プラスチック選別工程
5 金属選別工程
6 風力選別工程
7 サイクロン
8 ジグザグ風力選別機
9 破袋機
10 磁選機
11 通常整列装置
12 センサー
13 情報処理装置
14 仕分け装置
15 破砕機
16 混合槽
17 分離槽
【発明の属する技術分野】
この発明は、一般家庭等から排出されるプラスチック類廃棄物(以下、「廃プラスチック」という)を、資源として有効利用するための資源化方法、特に、小径のプラスチックを回収するための方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般家庭から排出される廃プラスチックを再利用する方法が多数検討されている。
【0003】
廃プラスチックの再利用手段として、例えば、プラスチックを油化して再生する方法が知られている。しかし、この場合には、PVC(ポリ塩化ビニル)およびPVDC(ポリ塩化ビニリデン)等中に含まれる塩素分を予め除去する必要がある。
【0004】
また、同じく廃プラスチックの再利用手段として、製鉄工場における高炉の還元剤として利用する方法等が開発されている。しかし、この場合にも、塩化水素ガスによる炉の腐食を防止するために、利用前に予めPVCおよびPVDC等の塩素含有プラスチックを除去することが必要とされている。
【0005】
廃プラスチックの再資源化方法の従来技術として、例えば、特開平10−225930号公報(特願平9−30597号)が提案されている。(以下、「先行技術1」という)。
【0006】
図4に示すように、先行技術1は、破袋機9により廃プラスチックを袋から取出し、揺動反発式選別機1によって、プラスチックボトル等の固形プラスチック(固体系プラスチック)と、フィルム、トレー等の軽量プラスチックと、残渣分とに分別する方法である。
【0007】
分別後の軽量プラスチックは、破砕機15、混合槽16、分離槽17を備える湿式分離工程において、破砕後、塩素含有プラスチックと塩素を含まないプラスチックとに分別される。
【0008】
固形プラスチックは、磁選機10により金属類を除去した後、通常整列装置11、センサー12、情報処理装置13、仕分け装置14を備える乾式選別工程によって、塩素含有プラスチックが分離し除去され、塩素を含有しない固形プラスチックが取り出される。
【0009】
先行技術1によれば、従来は湿式比重分離方法では困難とされていた固形プラスチック中のPET(ポリエチレンテレフタレート)製プラスチックボトルと塩素含有プラスチック(PVC等)との分離が可能となり、効率的な塩素含有プラスチックの除去が可能である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、先行技術1によれば、揺動反発式選別機の篩下に集まった残渣は、そのまま残渣として最終処分されているため資源化されていなかった。この残渣分を詳細に分析してみると、金属類やガラス・土砂類に混じってボトルのキャップ等のプラスチック類が含まれていることが分かった。そのため、廃プラスチック全体の資源化率の低下を招いていた。
【0011】
従って、この発明の目的は、従来、揺動反発式選別機によって篩分けられ廃棄処分されていた残渣から資源化可能なプラスチックを取出すことにより、廃プラスチックの資源化率を向上させ、また、廃棄処分される量を減少させることができる廃プラスチックの資源化方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、混合状態の廃プラスチックを、揺動反発式選別機によって、固形プラスチックと、軽量プラスチックと、所定値以下の小径に篩分けされた小径プラスチックとに分別する廃プラスチックの資源化方法において、分別された前記小径プラスチックに風力選別を施して、プラスチックと、前記プラスチック以外の重量物とに分別し、重量物と分別された前記プラスチックを、プラスチックの比重差を利用する湿式比重分離からなる塩素含有プラスチック除去工程に導入して塩素含有プラスチックを分離し除去することに特徴を有するものである。
【0013】
請求項2記載の発明は、混合状態の廃プラスチックから分別された前記小径プラスチックに前記風力選別を施す前に、前記小径プラスチックに金属選別を施して金属を除去することに特徴を有するものである。
【0014】
請求項3記載の発明は、前記小径プラスチックを篩分けするための前記揺動反発式選別機の篩分けの寸法を20mm以上50mm以下とすることに特徴を有するものである。
【0016】
請求項4記載の発明は、塩素含有プラスチックが除去された前記廃プラスチックを高炉の原料として用いることに特徴を有するものである。
【0017】
混合状態の廃プラスチックを、揺動反発式選別機によって、PETボトル等の固形プラスチックと、フィルム類およびトレー類等の軽量プラスチックと、所定値以下の小径に篩分けされた小径プラスチックとに分別する。小径プラスチックとして分別された廃プラスチックの中には、プラスチック以外の重量物、即ち、金属、ボルト・ナット等の金属類、ガラス片や陶磁器片および土砂類が混じっている。これらに風力選別や金属選別を施して重量物とプラスチックとを分別し回収したプラスチックを再利用に供する。ただし、回収されたプラスチックは塩素含有プラスチックの分離、除去がまだなされていないので、塩素含有プラスチック除去工程に導入し塩素含有プラスチックを分離し除去する。これには湿式比重分離工程が好適である。このとき分別されたプラスチックと揺動反発式選別機によって分別された軽量プラスチックとを一緒にして脱塩素処理すると効率が良い。これらの脱塩素された廃プラスチックを造粒し製鉄所における高炉の原料(還元剤)として用いることにより塩化水素ガスによる炉の腐食は起こらない。
【0018】
【発明の実施の形態】
次に、この発明の廃プラスチックの資源化方法の実施の形態を図面を参照しながら説明する。
【0019】
図1に示すように、混合状態の廃プラスチック2は、必要に応じて破袋機9に投入され袋内から出された後、揺動反発式選別機1に投入される。揺動反発式選別機1には、廃プラスチックをフィルム系(軽量プラスチック)と固体系(固形プラスチック)との2種類に分ける形態選別型と、更に、スクリーンに設けられた孔による篩分けを同時に行う本実施の形態で用いた3種選別型とがある。本実施の形態においては、3種選別型を用い3種類に分別される。
【0020】
図1に示すように、混合状態の廃プラスチック2は、揺動反発式選別機1に投入され、重量物側にボトルプラスチックを主体とする固形プラスチック2aが、軽量物側にフィルム系およびトレー系の軽量プラスチック2bが軽量プラスチックとして分別される。更に、反発板上に設定された篩穴による篩い分け効果により、小径プラスチック2cが分別される。
【0021】
分別された固形プラスチック2aは、固形プラスチック選別工程(塩素含有プラスチックの除去手段)4に導入され、塩素含有プラスチックが除去される。固形プラスチックから塩素含有プラスチックを除去する方法として、例えば、近赤外線スペクトルの波長によるプラスチックの材質判定方法等を用いる。
【0022】
軽量プラスチック2bは、塩素含有プラスチック除去工程3に送られる。軽量プラスチック2bから塩素含有プラスチックを除去する方法としては、図2に示すような装置構成からなる湿式の比重分離工程が広く用いられておりこれを用いる。湿式比重分離工程は、プラスチックの比重差を利用して塩素含有プラスチックを除去する方法である。水より比重の大きい塩素含有プラスチック(PVCおよびPVDC)を水中に沈降させ、浮上分のみを原料化プラスチックとして再利用する。PETは、PVCおよびPVDCとほぼ比重が等しい(1.3〜1.4)ため塩素含有プラスチックと一緒に排出される。しかしながら、PETのほとんどはボトルとして市中に出回っているため、上記の固形プラスチックの側に回収されている。従って、この湿式比重分離工程においては、PETは沈降分として殆ど排出されない。また、PS(ポリスチレン)は、水より若干比重が大きい(1.1程度)が、PVCおよびPVDCとの比重差が大きいので比重液を用いた湿式分離によって十分回収が可能である。
【0023】
小径プラスチック2cは、揺動反発式選別機のスクリーンに設けられた孔により篩分けられる。一般廃棄物に揺動反発式選別機を適用する場合、経験上篩分けの篩孔の直径または代表寸法は、20〜50mm程度が最適である。こうした篩孔径で篩われた小径プラスチック2cは、ボルト・ナット等の金属類、ガラス片や陶磁器片、土砂類およびプラスチック小片類等を含んでいるのでこれらを以下の工程により分別する。
【0024】
まず、小径プラスチック2cから金属選別工程5によって金属類を回収する。金属選別工程5には、磁選機や渦電流式選別機等を適用する。磁選機を用いれば鉄類の回収が可能である。渦電流式選別機を用いれば鉄類の他にアルミニウムおよび銅等の非磁性金属も回収可能である。
【0025】
金属類を回収後、風力選別機による風力選別工程6によって風選重量物(残渣)2eと風選軽量物(プラスチック)2dとに分別する。風力選別工程には、図3に示すようなサイクロン7を備える竪型のジグザグ風力選別機8を用いるのが最適である。選別時の風速は、経験上10m/s以下が好ましい。この風力選別工程6によって、風選軽量物2dとしてプラスチックが回収され、風選重量物2eとして残渣、即ち、土砂やガラス、陶磁器類が回収される。
【0026】
このようにして、風選軽量物2dとして回収されたプラスチックは、揺動反発式選別機1によって選別された軽量プラスチック2bとともに上述の塩素含有プラスチック除去工程3に導入されここで塩素含有プラスチックが分離し除去され、資源化される。
【0027】
なお、金属選別工程は、本実施の形態においては風力選別工程の前に配置したが、風力選別工程の重量物側に設置してもよい。この場合は、金属選別工程に軽量物(プラスチック)が入ってこないため、金属類への軽量物の巻き込みがなく、金属類の純度が高くなる効果がある。
【0028】
【実施例】
次に、この発明の実施例を説明する。
【0029】
図1に示す本発明工程によって、一般廃棄物(ごみ)として収集された混合状態の廃プラスチック1000kgを、固形プラスチックと、軽量プラスチックと、小径プラスチック(小径物)とに分別処理し、小径物については、更に、重量物(金属、残渣)と風選軽量物に分別した。そして、分別した固形プラスチック、軽量プラスチックおよび小径物(金属、風選軽量物および残渣)のそれぞれに含まれるものの内訳を、プラスチック、紙類、金属およびその他に分けて調査した。その結果を表1に示す。
【0030】
【表1】
【0031】
表1に示すように、一般廃棄物1000kgの処理に対して102kg(A参照)の小径物が回収された。これは従来方法では、残渣として最終処分されている分である。この量は投入量の約10%にもなった。
【0032】
これに対して、本発明では、小径物から更に金属(B参照)および残渣(C参照)を分別したので残渣分は28kg(D参照)と従来の1/3以下の量となった。また、資源化されるプラスチック(風選軽量物:E参照)の回収量は25kg(F参照)になり、その分プラスチック回収量が約3%増加した。
【0033】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、従来残渣として処分されていた小径物(金属、残渣およびプラスチック)からプラスチックを回収することにより、廃プラスチックの資源化率が向上するとともに廃棄される残渣量が減少し、かくして有用な効果がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態に係る工程図である。
【図2】この発明の実施の形態に係る塩素含有プラスチックの除去工程を示す工程図である。
【図3】この発明の実施の形態に係る風力選別機を示す説明図である。
【図4】従来の廃プラスチックの資源化方法の一例を示す工程図である。
【符号の説明】
1 揺動反発式選別機
2 廃プラスチック
2a 固形プラスチック
2b フィルム系プラスチック
2c 小径プラスチック
2d 風選軽量物(プラスチック)
2e 風選重量物(残渣)
3 塩素含有プラスチック
4 固形プラスチック選別工程
5 金属選別工程
6 風力選別工程
7 サイクロン
8 ジグザグ風力選別機
9 破袋機
10 磁選機
11 通常整列装置
12 センサー
13 情報処理装置
14 仕分け装置
15 破砕機
16 混合槽
17 分離槽
Claims (4)
- 混合状態の廃プラスチックを、揺動反発式選別機によって、固形プラスチックと、軽量プラスチックと、所定値以下の小径に篩分けされた小径プラスチックとに分別する廃プラスチックの資源化方法において、分別された前記小径プラスチックに風力選別を施して、プラスチックと、前記プラスチック以外の重量物とに分別し、重量物と分別された前記プラスチックを、プラスチックの比重差を利用する湿式比重分離からなる塩素含有プラスチック除去工程に導入して塩素含有プラスチックを分離し除去することを特徴とする廃プラスチックの資源化方法。
- 混合状態の廃プラスチックから分別された前記小径プラスチックに前記風力選別を施す前に、前記小径プラスチックに金属選別を施して金属を除去する請求項1記載の廃プラスチックの資源化方法。
- 前記小径プラスチックを篩分けするための前記揺動反発式選別機の篩分けの寸法を20mm以上50mm以下とする請求項1または2記載の廃プラスチックの資源化方法。
- 塩素含有プラスチックが除去された前記廃プラスチックを高炉の原料として用いる請求項1から3のうちの何れか1項に記載の廃プラスチックの資源化方法。
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JP3552566B2 true JP3552566B2 (ja) | 2004-08-11 |
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JPH1058451A (ja) * | 1996-08-20 | 1998-03-03 | Nkk Corp | 廃棄物から塩素含有プラスチックを除去する方法および塩素含有プラスチックを含まない燃料を製造する方法 |
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1999
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