JP3552483B2 - 電子機器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、商用電源供給が一時停止され、その後再び商用電源が供給された際に、機器を元の動作状態に戻すための復帰回路を備えた電子機器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、炊飯器において、炊飯動作中と保温動作中とで異なる信号を記憶する記憶手段と、該記憶手段の信号を判定する判定手段とで停電復帰後に該判定手段の出力に基づいて元の炊飯動作中または保温動作中に復帰できるものが提案されている。
【0003】
例えば特開平3−42892号公報では、図3に示すように炊飯スイッチ57をONするとサイリスタ54がONし、直ちに充電回路56のコンデンサ55に充電されB点での信号電位がA点での信号電位より高くなり、炊飯動作が記憶される。そして、炊飯完了温度を温度センサ50が検出すると、これを温度検出回路51を通じてマイクロコンピュータ52に入力し、マイクロコンピュータ52はトランジスタQをONせしめてコンデンサ55を放電せしめ、B点の信号電位をA点の信号電位よりも低くして保温動作を記憶しておく。これにより炊飯中又は保温中に停電しても商用電源の復帰後B点の高電位、又は低電位をマイクロコンピュータ52で検出して保温用トライアック48を導通し、確実に元の炊飯回路43又は保温回路46に復帰せしめる。
【0004】
なお図中の、42は商用電源、45は炊飯用トライアック、49は電源回路、53は比較手段、58は取消スイッチである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記従来の構成の電子機器では、製品の検査工程で炊飯テストをしているときに終業し、休日明け後再び炊飯テストからテストをするような長時間の休電あるいは停電に対し、コンデンサ55の充電が保持されず再度始めから炊飯テストをスタートする必要があった。これは比較手段53の入力端子は内部に入力保護のために直流電源+Vに直列にダイオードを内蔵しているためであり、停電時、コンデンサ55の充電がこの内蔵しているダイオードで電源回路49に閉ループが出来放電するためである。
【0006】
このため長時間の停電に対し、コンデンサ55の充電が保持されることが困難となり、停電時間が長いとコンデンサ55に蓄えられた電圧が下がり、炊飯動作中の記憶維持が出来ず炊飯動作中であるにもかかわらず保温動作中と誤判別するという問題が生じる。
【0007】
また、商用電源42へのノイズによりトランジスタQが誤ってオンするとコンデンサ55に蓄えられた電圧が放電され、炊飯動作中の記憶維持が出来ず炊飯を終了していないにもかかわらず保温に切り替わるという問題が生じる。
【0008】
さらに、該判定手段(比較手段53)はヒステリシスを設けていないことから商用電源42にノイズが加わると該判定手段(比較手段53)の出力がハイレベルとローレベルを繰り返し、マイクロコンピュータ52が誤判定を起こす恐れがあり、マイクロコンピュータ52のソフトに特別な配慮が必要であるという問題が生じる。
【0009】
本発明は上記の点を考慮してなされたもので、長い時間の停電や商用電源へのノイズに対し、機器を元の状態に戻すための復帰回路を備えた電子機器を提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この課題を解決するために本発明による電子機器は、復帰回路を有する電子機器であって、前記復帰回路は、直流電源に接続された抵抗とトランジスタのベースの中点が比較手段の+側に接続されるとともに、前記比較手段の−側は基準電圧に接続され、前記比較手段の出力を前記トランジスタのエミッタにダイオードを介して接続し、前記トランジスタのコレクタに接続されたコンデンサと、一方が前記コンデンサとコレクタの中点に接続され、他方が前記直流電源と直列に接続された前記機器を操作するためのスイッチとからなる構成としたものである。この本発明によれば、前記復帰回路の働きにより、長い時間の停電や商用電源へのノイズに対し、機器がその影響を受けにくいという効果が得られる。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の発明は、機器への商用電源供給が一時停止され、その後再び商用電源が供給された際に、前記機器を元の動作状態に戻すための復帰回路を有する電子機器であって、前記復帰回路は、前記電源に接続された抵抗とトランジスタのベースの中点が比較手段の+側に接続されるとともに、前記比較手段の−側は基準電圧に接続され、前記比較手段の出力を前記トランジスタのエミッタにダイオードを介して接続し、前記トランジスタのコレクタに接続されたコンデンサと、一方が前記コンデンサとコレクタの中点に接続され、他方が前記電源と直列に接続された前記機器を操作するためのスイッチとからなる構成としたものであり、休電あるいは停電や商用電源へのノイズに対し影響を受けにくいという作用を有する。
【0012】
以下、本発明の一実施の形態について図1から図2を用いて炊飯器を例に説明する。
【0013】
(実施の形態1)
図1は本発明の第1の実施の形態における電子機器の概略構成を示すブロック図であり、図1において、1は温度センサ、2は温度検出手段、3は開始スイッチ、4は取消スイッチ、5は基準電圧、6は比較手段、7はヒータ通電手段、8は復帰回路、10は炊飯回路で構成されている。
【0014】
図2は同実施の形態における電子機器の具体的な構成を示す回路図であり、図2において、開始スイッチ3をオンする前のコンデンサCに電荷が蓄積されていない初期状態においては、抵抗RとトランジスタQのベースの中点のA点での信号電位aと、抵抗15,16で分圧されたB点の所定の信号電位bとの電位はb>aの関係であり、比較手段6の出力は「ローレベル」である。ここで、トランジスタQはエミッタがダイオード17を介して比較手段6の出力に接続されており、+Vccから抵抗Rを介してベース電流が流れており、オン状態を保持している。
次に操作者が開始スイッチ3をオンすると炊飯動作が開始される。すなわち、開始スイッチ3をオンすると復帰回路8のコンデンサCに+Vccが充電されると共に、+Vccに接続された抵抗Rが開始スイッチ3を介してトランジスタQのコレクタに接続されて、上記A点の信号電位aは略+Vccとなって、抵抗15,16で分圧されたB点の所定の信号電位bより高くなる。これにより、比較手段6の出力が「ローレベル」から「ハイレベル」に変わり、ヒータ通電手段7のトランジスタ19をオンし、リレー20が励磁されて接点21がオンすることで炊飯回路10に通電され炊飯動作が記憶される。
ここで、本実施の形態での炊飯動作の記憶は、復帰回路8のトランジスタQをnpn型とすることで可能にしている。つまり、炊飯動作は、比較手段6の出力が「ローレベル」から「ハイレベル」になることで記憶されるが、その為にはA点での信号電位aと、B点の所定の信号電位bとをa>bの関係で維持する必要が有り、トランジスタQをnpn型とすることで比較手段6の出力が「ローレベル」から「ハイレベル」になり、トランジスタQはベース電流が遮断されてオンからオフになっても、そのベースからコレクタへは順方向であり、+Vccが抵抗Rを介してコンデンサCに充電され続けることで可能にしている。
【0015】
そして温度センサ1が温度検出手段2の抵抗11,12,13で設定された炊飯完了温度を検出すると、比較手段14の出力が「ハイレベル」から「ローレベル」に変わり、復帰回路8のコンデンサCの電圧が比較手段14に放電されA点での信号電位がB点の信号電位より低電位となり、リレー20がオフすることで炊飯動作が完了する。なお、図中の18は抵抗、21はリレーの接点、22はヒータ、23は商用電源である。
【0016】
このように、本提案では長時間の停電に対し、コンデンサCと比較手段6の+側間にトランジスタQを設けているため、コンデンサCから電源回路9に閉ループが出来ることは無くコンデンサCの充電が保持される。
【0017】
またトランジスタQのエミッタを、復帰回路8の比較手段6の出力にダイオード17を介して接続しているため、温度検出手段2で設定された炊飯完了温度を検出すると、比較手段14の出力が「ハイレベル」から「ローレベル」に変わり、復帰回路8のコンデンサCが比較手段14の出力の「ローレベル」に接続されてコンデンサCに蓄積された電荷は放電されA点での信号電位がB点の信号電位より低くなる。このことで、比較手段6の出力が「ハイレベル」から「ローレベル」に変わり、トランジスタQはエミッタが「ローレベル」に接続されることでベース電流が流れてオフからオンし急激にA点での信号電位が下がるようにしている。
つまり比較手段6の出力をトランジスタQを介して比較手段6の入力に正帰還することでヒステリシスを設けた構成になり、これにより例えば商用電源にノイズが加わってもトランジスタQが今の動作状態を変えることはなく、結果として比較手段6の出力がハイレベルとローレベルを繰り返すことはない。マイクロコンピュータを使った場合、本発明の復帰回路8を用いることでマイクロコンピュータが誤判定を起こす恐れはなく、マイクロコンピュータのソフトに特別な配慮は必要ない。
【0018】
なお、本実施の形態では復帰回路8の出力でヒータ通電手段7を制御しているが、復帰回路8の出力をマイクロコンピュータに入力し、マイクロコンピュータの出力でヒータ通電手段7を制御しても同様の効果が得られる。
【0019】
また、ヒータ通電手段7はリレー20を使ったが、サイリスタにしても同様の効果が得られる。
【0020】
【発明の効果】
以上のように本発明による電子機器は、復帰回路を用いたことにより長時間の停電や商用電源のノイズに対し、復帰後に元の動作状態に戻るという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態における電子機器の概略構成を示すブロック図
【図2】同実施の形態における電子機器の具体的な構成を示す回路図
【図3】従来の記憶手段を有する電子式炊飯器の回路図
【符号の説明】
1 温度センサ
2 温度検出手段
3 開始スイッチ
4 取消スイッチ
5 基準電圧
6 比較手段
7 ヒータ通電手段
8 復帰回路
9 電源回路
10 炊飯回路

Claims (1)

  1. 機器への商用電源供給が一時停止され、その後再び商用電源が供給された際に、前記機器を元の動作状態に戻すための復帰回路を有する電子機器であって、前記復帰回路は、直流電源に接続された抵抗とトランジスタのベースの中点が比較手段の+側に接続されるとともに、前記比較手段の−側は基準電圧に接続され、前記比較手段の出力を前記トランジスタのエミッタにダイオードを介して接続し、前記トランジスタのコレクタに接続されたコンデンサと、一方が前記コンデンサとコレクタの中点に接続され、他方が前記直流電源と直列に接続された前記機器を操作するためのスイッチとからなることを特徴とする電子機器。
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