JP3551466B2 - 加熱炉及び加熱炉における鋼材の抽出方法 - Google Patents
加熱炉及び加熱炉における鋼材の抽出方法 Download PDFInfo
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、炉体内においてそこに備えた移送炉床により鋼材を移送しながら、該鋼材を加熱するようにしている加熱炉に関し、詳しくは、上記移送炉床により移送された鋼材を炉外に抽出するために上記加熱炉に備えられている抽出装置及び上記加熱炉における鋼材の抽出方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
加熱炉の内部においては、鋼材の抽出のために炉内のウォーキングビームによる鋼材の移送方向と直交する状態に定められた抽出ラインに沿って複数の抽出ローラを並設し、上記ウォーキングビームにより移送されてきた鋼材を上記ウォーキングビームによって上記抽出ローラ上に上記抽出ラインに沿う状態に乗せ、然る後上記抽出ローラにより上記鋼材を抽出ラインに沿って加熱炉側壁の抽出口から送り出すようにしている。
【0003】
このようなものにあっては、炉内でのウォーキングビームによる鋼材の移送中に鋼材に斜行が生ずると、鋼材は斜行状態のまま即ち抽出ラインと交差する状態で抽出ローラ上に乗せられてしまうため、上記抽出口を通しての送り出しが困難となってしまう問題点があった。
【0004】
上記のような問題点の解決のために、図6の(A)に示す如く上記複数の抽出ローラ70相互の間に、上記ウォーキングビーム2f上において定めた移載準備ライン3fに向けて進退自在のエキストラクタ71を夫々配設し、しかも各エキストラクタ71は、図6の(B)に示す如く各エキストラクタ71の先端に備える爪72により、上記抽出基準ラインに到来した鋼材Wにおいて各々のエキストラクタで持ち上げようとする部分をその後ろ側から矢印73方向に引いてウォーキングビーム2f上でずり動かし、矯正ストッパ74で位置決するようにしてあって、鋼材Wの全体として抽出ライン4fと平行な状態となるようにし、その後その鋼材Wを持ち上げて上記抽出ローラ70上にもたらすようにしたものがある(例えば特開平2−243711号公報参照)。このような構成によれば、鋼材に斜行があってもそれを抽出ラインに真っ直ぐに沿う状態で抽出ローラ上にもたらすことが出来、抽出口からの送出を支障無く行うことが出来る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし上記構成にあっては、鋼材の下面に上記ウォーキングビーム上でずり動かすときの擦り傷がつく問題点があり、又抽出ローラ相互の間という限られた場所にエキストラクタを配設せねばならぬ為、設計が難しいという問題点や、複数の抽出ローラの他に更に複数のエキストラクタが配列されるためそれらが密接状態となって保守点検が行い難くなる問題点があった。
【0006】
本願発明の加熱炉は上記従来技術の問題点(技術的課題)を解決する為に提供するものである。
第1の目的は、炉内において移送炉床により鋼材が移載準備ラインにまで移送されてきたならば、その鋼材を支持体により持ち上げて抽出ラインにもたらすことが出来るようにすることである。
第2の目的は、鋼材を抽出ラインにもたらしたならば、その鋼材をローラでもって軽く抽出口に向けて送り出すことが出来るようにすることである。
第3の目的は、上記鋼材を移載準備ラインから抽出ラインに移動させる為の支持体を、抽出口へ向けての鋼材の送り出しの場合には、そのまま送り出し用のローラとして機能させることにより、即ち前記従来の抽出ローラの役割を果たさせることにより、その送り出し用のローラとして機能する支持体の数の分だけ抽出ラインにおいては抽出ローラの配置を不要化することが出来て、抽出ラインにおける構造を簡素化し、保守、点検を容易化出来るようにすることである。
第4の目的は、鋼材を移載準備ラインから抽出ラインにもたらす場合、移載準備ラインに到達した鋼材に斜行があっても、その斜行を修正して鋼材を抽出ラインに真っ直ぐに沿う状態にもたらすことが出来るようにすることである。
第5の目的は、上記鋼材の斜行の修正の場合、鋼材を炉床から持ち上げ炉床とは縁を断った状態で修正を行うことが出来て、鋼材に傷を発生させたりすることなく修正を行い得るようにすることである。
他の目的及び利点は図面及びそれに関連した以下の説明により容易に明らかになるであろう。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本願発明における加熱炉は、鋼材をその長手方向と直交する方向に移送する為の移送炉床が備えられている炉体の内部においては、移載準備ラインと、上記移送炉床による移送方向と直交する抽出ラインとが定められ、一方、上記鋼材を支える為の複数の支持体が上記抽出ライン方向に並設してあると共に、それらの支持体は上記移送炉床により移載準備ラインに移送された鋼材を持ち上げてそれを上記抽出ラインに移動させる為に上記移載準備ラインに向けての進退と上下動とを自在に構成してあって、上記支持体により抽出ラインに移動させた鋼材を上記炉体の側壁において上記抽出ラインの延長線上に設けられた抽出口から送り出すようにしている加熱炉において、上記各支持体において上記鋼材を支える支持部は、上記抽出口へ向けての鋼材の送り出しの為に上記抽出ラインと直交する向きのローラでもって構成したものである。
また、本願発明の加熱炉における鋼材の抽出方法は、加熱炉内部に備えられた移送炉床により移載準備ラインまで移送された鋼材を、上記移送炉床による移送方向と直交する状態に定められた抽出ラインに移動させ、更にその鋼材を抽出ラインの延長線上に設けられた抽出口から送り出す抽出方法において、上記方法は、複数の位置検出装置により、上記移載準備ラインに到来した鋼材の長手方向における間隔を隔てた複数の部分の位置を検出するステップと、上記抽出ラインの方向に並設されしかも各々において鋼材を支持するための支持部が上記抽出ラインと直交する向きのローラで構成された複数の支持体を、上記位置検出装置により検出された鋼材の位置に基づいて、各々の支持部が上記鋼材の下に到来する位置まで前進させるステップと、上記複数の支持体の支持部により鋼材を持ち上げた後、それらの支持体を鋼材が抽出ラインと平行する状態となるまで後退させて上記鋼材を上記抽出ラインにもたらすステップと、鋼材が抽出ラインに到来後上記ローラを回動させて鋼材を抽出口に向け送り出すステップとを含むものである。
【0008】
【作用】
移送炉床により鋼材が移載準備ラインまで移送されると、複数の支持体が移載準備ラインに向けて前進する。この場合、複数の位置検出装置により検出された鋼材の位置に基づいて複数の支持体の前進が行われ、各支持体における支持部が鋼材の下に到来する。然る後それらの支持体は鋼材を持ち上げ、引き続き後退して鋼材を抽出ラインにもたらす。その後、ローラでもって構成されている支持部が回動し上記鋼材を抽出ラインに沿って抽出口から送り出す。
【0009】
【実施例】
以下本願の実施例を示す図面について説明する。上記加熱炉の一例として圧延用の鋼材を加熱する為の加熱炉、特に該加熱炉の炉端部における構成を示す図1において、1は中空の炉体を示し、横臥状態の鋼材(太さは例えば最大150mm角程度、長さは例えば最大13m程度)を収容するに足る幅(図1の上下方向)で、しかもその鋼材を鋼材の長手方向と直交する方向(図1の左右方向)に多数並べた状態で収容するに足る長さの空間を有しており、また収容した鋼材を加熱する為のヒータが備えられている。2は炉体1内において上記横臥状態の鋼材をその長手方向とは直交する方向2'に移送するための例えばウォーキングビーム或いはウォーキングハース等の移送炉床の存在を示す。3は移載準備ラインで、ここに鋼材が到来すると抽出装置による鋼材の移載即ち鋼材を該ライン3から次に述べる抽出ライン4に移す操作を開始するように定めた位置であり、移送炉床2における移送方向2'の後端部に定めてある。炉体1には該移載準備ライン3に鋼材における上記移送方向の最前の部分が到来したことを検知するセンサーが備えられている。なお鋼材に斜行や曲がりがある場合、この最前の部分が到来した状態では鋼材はその全体が移載準備ライン3に到来した状態とはなっていないが、該センサーは最前の部分が移載準備ライン3に到来したことを検知するによって鋼材の到来とみて上記抽出装置の作動を開始させる作動指令の信号を出力するようになっている。4は抽出ラインで、鋼材を炉外への送り出しの為に位置させるべき基準のラインであり、炉体1における後端の壁1a近くにおいて上記移送方向2'と直交する状態に定めてある。5は鋼材を炉外へ送り出すための抽出口で、炉体の側壁において上記抽出ライン4の延長線上に設けてある。
【0010】
次に7は上記移載準備ライン3に到来した鋼材を上記抽出ライン4に移動させ更にそれを上記抽出口5から送り出す為の抽出装置を示す。以下抽出装置7について図1、2に基づき説明する。10は抽出装置7のベースをなす為の基枠、11は次に述べる支持体12を機械的に支えると共に、その支持体12に、移載準備ライン3に到来した移送炉床2上の鋼材Wを抽出ライン4に移動させる移動運動を行わせる為の駆動装置を示す。12は鋼材Wを支える為の支持体で、上記移載準備ライン3に到来した鋼材Wを支えてそれを抽出ライン4まで移動させる為の支持具(エキストラクタと称される)として機能させる(図2参照)為のものであり、鋼材Wを安定に持ち上げて移動させるのに必要な通常知られた数の支持体12が、抽出ライン4に沿って、安定な持上に適する通常知られた間隔で配列してある。該支持体12において炉内に位置する部分は炉内の高熱からの保護の為に通常知られている構成でもって水冷構造としてある。12aは該支持体12における鋼材の支持部を示す。該支持部12aは抽出ライン4から鋼材を送り出す際(図1参照)には送り出し用の抽出ローラとして機能させる為のものであり、ローラをもって構成され抽出ライン4と直交する状態に配してある。この実施例では支持体12の全体を円筒状に構成して回動自在の構成としてある。支持部12aのみを回動自在の構成にしても良い。13は上記支持体12を送り出し用の抽出ローラとして機能させる場合にそれを回転駆動するための回動装置を示す。15は移載準備ライン3に到来した鋼材の位置を検出する為の位置検出装置で、移載準備ライン3に到来した鋼材Wにおいて、移送炉床2による移送方向2'と交差する方向であって、しかも相互に離間する複数の部分の位置を検出する為に、図1に示されるように複数を夫々上記各支持体12に対応させて各々の上側に設けた例を示す。これらの位置検出装置15は前記移載準備ライン3に到来した鋼材Wにおいて各支持体12によって持ち上げる予定の部分が各支持体12の進退する方向のどこにあるかを検出する。16は上記抽出ライン4に沿って設けた固定ローラで、抽出ライン4からの鋼材の送り出しに上記抽出ローラ12aのみでは数が足りない分を補充する為に設けられたものである。抽出ライン4からの鋼材の送り出しを適切に行い得るだけの数の抽出ローラ12aを備える場合は、固定ローラ16の設置は不要である。該固定ローラ16は、その上縁が抽出ライン4に位置する状態に設けられ、炉体1外に突出する軸部16aを上記基枠10に取付けた軸受けで回動自在に支えてあって各々に回転駆動装置が付設してある。又上記固定ローラ16は周知のように水冷構造である。
【0011】
次に上記駆動装置11について説明する。20は上記支持体12を上下動させる為の昇降装置で、図1に示す二つのパート20a,20b毎に夫々設けてある。21は該昇降装置20における昇降枠で、上記基枠10に対して、昇降機構22例えば符号23〜30で示される部材により構成される通常知られた平行アーム式の昇降機構により上下動自在に備えられている。即ち、基枠10に取付けた軸受け23,24によって相互に平行なアーム25,26が上下方向へ揺動自在に支承されており、それらのアーム25,26によって昇降枠21が支えられている。各アーム25,26は各々と一体の連動アーム27,28及びそれらを連結する連動杆29によって相互に平行状態を保つようにしてあり、又アーム25と一体の軸25aにはモータ30が連結され、該モータ30の回動により上記昇降枠21が上下動すようになっている。上下の駆動は油圧シリンダによって行っても良い。
【0012】
次に32は上記駆動装置11における進退装置で、上記複数の支持体12を水平方向に個別的に進退動させる為に複数が備わっている。33は該進退装置32における進退枠で、昇降枠21に取付けたレール34上を車輪35によって進退動する。36は進退枠33を駆動するための進退機構で、昇降枠21に取付けた駆動モータ37の回動軸にピニオン38を取付け、一方進退枠33に取付けた持出部材39にラック40を取付け、該ラック40を上記ピニオン38に噛み合わせて、上記モータ37の回動により進退枠33が進退動するようにしたものを例示する。該進退機構36は上記構成のものに代えて油圧シリンダを用いることも可能である。
【0013】
次に43は上記支持体12において駆動装置11による機械的な支持を受けるための軸部で、進退枠33に取付けた軸受け44により回動自在に支持されている。次に上記回動装置13は、上記進退枠33にモータ47を取付け、上記軸部43に取付けたスプロケット48と上記モータ47の回動軸に取付けたスプロケットとをチェーン49で連動させた構成を例示する。
【0014】
次に上記位置検出装置15について説明する。53は検出棒で、進退枠33に取付けた支持体51に対して、複数の支持ローラ52でもって支持体12の進退方向と平行な方向への進退を自在に支持されている。該検出棒53は炉内の高熱に耐えるよう水冷構造となっている。54は進退棒53を進退駆動するための駆動装置で、支持体51に取付けたエアシリンダを例示し、自体のピストンロッドと上記進退棒53とを連結部材55で連結してある。56は進退棒53が鋼材Wに当接したことを検出する為の検出スイッチで、検出棒53が支持体51に対して相対的に動いたことを検出できるよう、本体56aを上記支持体51に取付け、検出用の可動部56bを上記検出棒53に備えさせた操作部材例えば上記連結部材55の移動経路に沿わせて配置してある。尚上記位置検出装置15は上記構成のものに代えてテレビカメラ或いはレーザによる位置検出装置を用いてもよい。
【0015】
次に61は炉端部の壁1aにおいて上記支持体12や検出棒53が貫通する透孔1bを塞ぐ為の蓋で、上記支持体12や検出棒53が進退自在に挿通されている。該蓋61は上記支持体12や検出棒53の上下動に伴って上下動できるよう、炉体1に取付けた保持具により上下動自在に保持され、昇降枠21に取付けた支持部材62により下部を支えられている。
【0016】
次に図3は上記駆動装置11や回動装置13及び位置検出装置15とその作動を制御する為の制御装置65との関連を示すものである。制御装置65は抽出予定の鋼材Wの幅寸法L0(図4の(A)参照)を予め設定する為の幅寸法設定部66を備えており、又各装置に図の如く連繋させてある。尚図示はせぬが複数の支持体12及びそれに関連する構成の何れもが上記制御装置65に連繋させてある。
【0017】
上記構成の加熱炉の大まかな動作は次の通りである。炉体1内に周知の如く次々と装入された鋼材は、各々の長手方向と直交する方向に次々と並んだ状態(間隔は例えば70mm程度)で、移送炉床2によって炉体1内を移送されながら加熱を受ける。鋼材Wが移載準備ライン3に到来したことが検出されると、上記抽出装置7への動作指令により抽出装置7が作動し、移送炉床2上の鋼材Wを抽出ライン4に移動させ、更にその鋼材Wを抽出口5から炉外に送り出す。
【0018】
次に上記抽出装置7の動作を説明する。上記支持体12は、昇降装置20と進退装置32とが制御装置65により制御されて作動することにより、支持部12aの周縁部において上側となっている部分の先端12a'が図4の(A)の矢印Y0の軌跡を描く経路で進退及び上下動を行う。この場合、昇降枠21の上下動により支持体12は上記矢印Y0の経路の内の円弧部分の運動を行い、進退枠33の進退動により支持体12は上記矢印Y0の経路の内の直線部分の運動を行う。移載準備ライン3への鋼材Wの到来が未だ検出されぬ場合、上記支持体12及び検出棒53は図4の(A)の状態にある。尚2aは移送炉床2における鋼材の受面を示す。
【0019】
移載準備ライン3への鋼材Wの到来が検出されて抽出装置7に作動指令が与えられると、制御装置65によって駆動装置11の作動が制御されることにより、複数の支持体12の各々が以下のような作動を行う。即ち、昇降枠21が下降し支持体12は図4の(B)の矢印Y1のように下降する。下降寸法L1は例えば100mmである。次に進退枠33が前進し、支持体12は矢印Y2のように前進する。この動きの場合、位置検出装置15により鋼材W(鋼材Wにおいて支持体で支えることになる予定の部分)における移送方向の前面Waの位置が検出される。即ち昇降枠21の下降及び進退枠33の前進により、検出棒53は矢印Y1’,Y2’のように動く。検出棒53は支持枠51に対し軽く進退出来るように保持されているのでその先端が鋼材Wの前面Waに当接すると前進が遮られ、検出棒53は支持体51に対して相対的に後退し、スイッチ56の可動部56aが操作部材に操作されて検出信号を出力する。
【0020】
上記のようにして鋼材Wの前面Waの位置が検出された後は、制御装置65により制御される進退枠33の前進が継続することにより、支持体12は図4の(C)の矢印Y3方向に、幅寸法設定部66に設定された数値に基づき鋼材Wの幅寸法L0に対応した所定寸法だけ前進する。その間において検出棒53はその後の鋼材Wとの接触を防止する為、駆動装置54によって矢印Y3’の如く後退される。次に昇降枠21の上昇により支持体12は矢印Y4の如く上昇してその支持部12aが鋼材Wの下面に接触する。この場合、上記支持体12の前進が上述のように鋼材Wの幅寸法L0に対応した寸法だけ行われている為、支持体12の先端12a'が鋼材Wにおける移送方向の後面Wbよりも後方に出張らぬ状態で鋼材Wに接触する。その後支持体12は昇降枠21の引き続く上昇、進退枠33の後退(抽出ライン4に対応する位置までの後退)、及び昇降枠21の下降により、図4の(D)の矢印Y5,Y6,Y7の如く作動し、鋼材Wを受面2aから持ち上げ(持上寸法L2は例えば100mm)、抽出ライン4の上方位置に向けて移動させ、抽出ライン4まで下降させる。尚上記矢印Y4〜Y7の過程においては、検出棒53は上記支持体12と同一の位置関係を保ったまま、並行的な運動を行う。
【0021】
上記のようにして鋼材Wが抽出ライン4の上に位置されると、支持部12aは送り出しローラとして作用し、抽出ライン4上の鋼材Wを抽出口5を通して送り出す。即ち、回動装置13により上記支持体12が回転駆動され、又固定ローラ16も同様に回転駆動され、上記抽出ライン4上に位置された鋼材Wを抽出口5を通して送り出す。その送出後、検出棒53は駆動装置54により支持体12に対して図4の(A)の位置関係となる状態まで戻される。尚この鋼材の送り出しの場合、駆動装置11は複数の支持体12を安定に支える支持装置として機能する。
【0022】
上記のような抽出装置7の動作の場合における複数の支持体12と鋼材Wとの関係を模式的に示す図5について説明する。前記進退枠33の進退動による支持体12の前進、後退の寸法は、各々の支持体12に対応して設けられている位置検出装置15により検出される鋼材の位置に対応した個別の寸法で行われる。従って、図5の(A)のように鋼材Wが斜行や曲がりの無い状態で移載準備ライン3に到来した場合には、各支持体12は何れも同寸法だけ前進及び後退を行い、鋼材Wはその全長が抽出ライン4に位置する状態に移動される。一方図5の(B)のように鋼材Wが斜行した状態で移載準備ライン3に到来した場合は、各支持体12の前進、後退は、例えば寸法L1<L2<・・<L5の関係で行われ、鋼材Wは斜行が修正されて、その全長が抽出ライン4に位置する状態に移動される。又図5の(C)のように鋼材Wが曲がった状態で移載準備ライン3に到来した場合においても同様の動作が行われ、即ち各支持体12が鋼材において各々が支える予定の部分の位置に対応したストロークで前進及び後退を行い、鋼材Wは曲がりが修正されて、その全長が真っ直ぐの状態となって抽出ライン4に位置する状態に移動される。上記図5の(B)、(C)の場合、鋼材Wの斜行や曲がりの修正は、支持体12が鋼材Wを移送炉床2の受面2aから持ち上げた後、後退する過程において行う為、鋼材Wの下面に擦り傷を作るようなことは無い。
【0023】
次に、上記のように移載準備ライン3に到来した鋼材Wを抽出ライン4への移動の為に受面2aから持ち上げる場合、図4の(C)に示すように移載準備ライン3に到来した鋼材Wのすぐ後ろに後続の鋼材W’が隙間の無い状態で到来していても、上述のように支持体12はその先端12a'が最前の鋼材Wにおける後側の面Wbよりも後方に出張らぬ状態で鋼材Wを持ち上げる為、支持体12の先端12a'が後続の鋼材W’に誤って引っ掛ったりすること無く、最前の鋼材Wのみを適切に持ち上げてそれを抽出ライン4に移動させることができる。
【0024】
次に、前記複数の位置検出装置の位置は、移載準備ライン3に到来した鋼材Wにおける長手方向において、相互に間隔を隔てた複数の部分の位置を検出する位置であれば、何れも支持体12と対応しない位置に設けてもよい。その場合、それらの検出装置により検出された鋼材の位置のデータに基づいて、各支持体12によって持ち上げる予定の部分の位置を演算によって求めるようにすると良い。又位置検出装置の数は、上記のような鋼材の修正が単純な斜行に対して行われればよい場合には最低二つあればよいが、検出精度の向上のためにより多く備えさせても良い。
【0025】
次に、上記実施例の内、一部の実施態様は次のように理解しても良い。即ち、鋼材Wをその長手方向と直交する方向に移送する為の移送炉床2が備えられている炉体1の内部においては、移載準備ライン3と、上記移送炉床2による移送方向2'と直交する抽出ライン4とが定められ、上記炉体1内においては、上記鋼材Wを支える為の複数の支持体12が上記抽出ライン4に沿わせて並設してあると共に、それらの支持体12は上記移送炉床2により移載準備ライン3に移送された鋼材Wを持ち上げてそれを上記抽出ライン4に移動させる為に上記移載準備ラインに向けての進退と上下動とを自在に構成してあり、上記支持体12により抽出ライン4に移動させた鋼材Wを上記炉体1の側壁において上記抽出ライン4の延長線上に設けられた抽出口5から送り出すようにしてある。上記各支持体12において上記鋼材Wを支える支持部12aは、上記抽出口5へ向けての鋼材Wの送り出しの為に上記抽出ライン4と直交する向きのローラでもって構成してある。上記各支持体12に沿わせて検出棒53が支持体12の進退方向と平行な方向に進退自在に備えられている。上記支持体12と上記検出棒53とは図4の(B)のように検出棒53が鋼材Wに当接するまでは一体前進手段によって両者を一体に前進させるようにしてあり、又上記当接後は支持体前進手段によって検出棒53をそこよりも前に前進させることなく支持体12のみを前進させるようにしてある。前記矢印Y2,Y2’で示される動作の場合における進退装置32及びその作動を制御する制御装置65は、上記一体前進手段として機能する。又前記矢印Y3,Y3’で示される動作の場合における進退装置32、検出棒53の駆動装置54及びそれらの作動を制御する制御装置65は、上記支持体前進手段として機能する。
【0026】
上記実施例により、前記目的の他に次の目的、即ち、鋼材を持ち上げるために支持体12を前進させる場合、支持部12aを正確に鋼材Wの下に位置させること、及び、そのような動作を簡易な制御で行いうるようにすることも達成される。上記構成によれば検出棒53が鋼材Wに当接するまでは一体前進手段を機能させるのみで良く、又当接後は支持体前進手段を機能させるのみで良く、何れもその制御は容易である。更に鋼材の検出は鋼材に対する検出棒の物理的な当接により行うため確実性が高く、しかも支持体の前進寸法のカウントは、上記検出があった後、支持部12aを鋼材の下に到達させるまでの短い距離を行えばよい(支持体12の全前進寸法をカウントする必要はない)為、精度高くカウントでき、支持部12aを正確に鋼材の下に位置させることが出来る。
【0027】
【発明の効果】
以上のように本願発明は、請求項1の構成によって第1から第3の目的を達成して、次の効果がある。即ち、
炉内において移送炉床2により鋼材Wが移載準備ライン3にまで移送されてきたならば、その鋼材Wを支持体12により持ち上げて抽出ライン4にもたらし、更にその鋼材Wをローラ12aでもって軽く抽出口5に向けて送り出すことが出来る。
しかも上記鋼材Wを移載準備ライン3から抽出ライン4に移動させる為の支持体12を、抽出口5へ向けての鋼材Wの送り出しの場合には、そのまま送り出し用のローラとして機能させることが出来る。即ち前記従来の抽出ローラの役割を果たさせることができる。その結果、送り出し用のローラとして機能する支持体12の数の分だけ抽出ライン4においては抽出ローラの配置を不要化することが出来、抽出ラインにおける構造を簡素化し、保守、点検を容易化することが出来る。
更に請求項2の構成により第4の目的を達成して、移載準備ライン3に到達した鋼材Wに斜行があっても、その斜行を修正して鋼材Wを抽出ライン4に真っ直ぐに沿う状態にもたらすことが出来、しかもその修正の場合、鋼材Wを炉床2から持ち上げ炉床2とは縁を断った状態で修正を行うことが出来て、鋼材Wに傷を発生させたりすることなく修正を行い得る効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】加熱炉における炉端部の構成を示す水平断面図(支持体の支持部が送り出しローラとして機能する場合の状態を示す図)。
【図2】図1におけるII−II線位置の断面図(支持体が移送炉床上の鋼材の持上のために前進した状態を示す図)。
【図3】制御系を示す系統図。
【図4】(A)〜(D)は支持体が鋼材を移載準備ラインから抽出ラインに移動させる動作を説明する図。
【図5】(A)〜(C)は支持体と鋼材との関係を夫々模式的に示す平面図。
【図6】(A)は従来の抽出装置を略示する平面図、(B)はエキストラクタが鋼材を位置決するときの状態を示す側面図。
【符号の説明】
1 炉体
2 移送炉床
3 移載準備ライン
4 抽出ライン
5 抽出口
12 支持体
12a 支持部
15 位置検出装置
Claims (2)
- 鋼材をその長手方向と直交する方向に移送する為の移送炉床が備えられている炉体の内部においては、移載準備ラインと、上記移送炉床による移送方向と直交する抽出ラインとが定められ、一方、上記鋼材を支える為の複数の支持体が上記抽出ライン方向に並設してあると共に、それらの支持体は上記移送炉床により移載準備ラインに移送された鋼材を持ち上げてそれを上記抽出ラインに移動させる為に上記移載準備ラインに向けての進退と上下動とを自在に構成してあって、上記支持体により抽出ラインに移動させた鋼材を上記炉体の側壁において上記抽出ラインの延長線上に設けられた抽出口から送り出すようにしている加熱炉において、上記各支持体において上記鋼材を支える支持部は、上記抽出口へ向けての鋼材の送り出しの為に上記抽出ラインと直交する向きのローラでもって構成したことを特徴とする加熱炉。
- 加熱炉内部に備えられた移送炉床により移載準備ラインまで移送された鋼材を、上記移送炉床による移送方向と直交する状態に定められた抽出ラインに移動させ、更にその鋼材を抽出ラインの延長線上に設けられた抽出口から送り出す抽出方法において、上記方法は、複数の位置検出装置により、上記移載準備ラインに到来した鋼材の長手方向における間隔を隔てた複数の部分の位置を検出するステップと、上記抽出ラインの方向に並設されしかも各々において鋼材を支持するための支持部が上記抽出ラインと直交する向きのローラで構成された複数の支持体を、上記位置検出装置により検出された鋼材の位置に基づいて、各々の支持部が上記鋼材の下に到来する位置まで前進させるステップと、上記複数の支持体の支持部により鋼材を持ち上げた後、それらの支持体を鋼材が抽出ラインと平行する状態となるまで後退させて上記鋼材を上記抽出ラインにもたらすステップと、鋼材が抽出ラインに到来後上記ローラを回動させて鋼材を抽出口に向け送り出すステップとを含むことを特徴とする加熱炉における鋼材の抽出方法。
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JP06010094A JP3551466B2 (ja) | 1994-03-04 | 1994-03-04 | 加熱炉及び加熱炉における鋼材の抽出方法 |
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