JP3551064B2 - 耐衝撃性に優れた超微細粒熱延鋼板およびその製造方法 - Google Patents

耐衝撃性に優れた超微細粒熱延鋼板およびその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車用、家電用、機械構造用、建築用等の使途に適用して有利な熱延鋼板に係り、とくに自動車が走行中に万一衝突した場合に優れた耐衝撃性が求められる部位の素材として好適な、自動車用熱延鋼板に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車用、家電用、機械構造用、建築用等に用いられる鋼材には、強度、加工性、靱性といった機械的性質が優れていることが要求される。このうち、強度については、従来から、種々の方法により高強度化した高張力鋼板が提案されている。例えば、フェライト単相組織で、Si、Mn、Pなどの固溶強化元素を添加した固溶強化型鋼板、あるいはNb、Tiといった炭窒化物形成元素を添加した析出強化型鋼板、あるいはフェライト相と、マルテンサイト、ベイナイトなどの第2相により強化した複合組織型(DP(Dual Phase))鋼板、あるいは結晶粒の微細化により強化した鋼板などが知られている。しかし、固溶強化型鋼板では、添加合金元素が多量となるため、コストアップを招くとともに、延性等の加工性が低下し、得られる強度にも限界がある等の問題があった。また、DP鋼板は、強度−延性バランスは良いが、穴拡げ性に劣ること、第2相組織の調整のため圧延後の厳密な冷却制御が要求されることなどいくつかの問題が残されていた。さらに、結晶粒微細化による高張力鋼では、降伏強さが高くなるため降伏比が高く、プレス成形性が低いという問題が残されていた。
【0003】
また、高張力鋼においては、近年、低コストと高機能特性を両立できる高張力鋼板の開発に目標が移行しつつある。また、さらに、自動車用鋼板においては、衝突時に乗員を保護するために、高強度化に加えて耐衝撃性にも優れていることが要求されている。
このようなことから、強度と、それ以外の靱性、加工性等の機械的性質を含め総合的に向上させる必要があり、高張力化に伴う延性、靱性、耐久比などの劣化を抑える目的で高張力鋼における組織の微細化が重要な課題となっている。
【0004】
組織の微細化手段としては、大圧下圧延法、制御圧延法、制御冷却法などが知られている。
大圧下圧延法については、例えば、特開昭58−123823 号公報、特公平5−65564 号公報に代表される提案がある。これらの提案における組織微細化機構の要点は、オーステナイト粒に大圧下を加え、γ→α歪誘起変態を促進させることにある。しかし、これらの方法は、ある程度の微細化は達成できるが、1パスあたりの圧下量を40%以上にするなど、一般的なホットストリップミルでは実現しがたいという問題に加えて、大圧下圧延により結晶粒が偏平となるため、機械的性質に異方性が生じたり、セパレーションにより破壊吸収エネルギーが低下するという問題もあった。
【0005】
一方、制御圧延法、制御冷却法を適用した例として、NbもしくはTiを含む析出強化型鋼板がある。これらの鋼板は、Nb、Tiの析出強化作用を利用して高張力化を図るとともに、Nb、Tiがそなえるオーステナイト粒の再結晶抑制作用を利用して低温仕上圧延を施し、未再結晶変形オーステナイト粒からのγ→α歪誘起変態によってフェライト結晶粒を微細化するものである。しかし、これらの鋼板では、機械的性質の異方性が大きいという問題がある。例えば、プレス成形を施す自動車用鋼板などでは、成形限界は最も延性の劣る方向の特性水準によって決まるため、異方性の大きい鋼板では、組織を微細化した効果が特性として全く現れない場合がある。また、構造材等に用いた場合も同様で、構造用材等で重要な靱性、疲労強度などの異方性が大きくなり、組織を微細化した効果が特性として全く現れない場合がある。
【0006】
また、特開平2−301540号公報には、素材鋼を少なくとも1部がフェライトからなる組織状態としておき、これを塑性加工を加えつつ変態点(Ac点)以上の温度域に昇温するか、この昇温に続いてAc点以上の温度域に一定時間保持して、組織の1部または全部を一旦オーステナイトに逆変態させたのち、超微細オーステナイト粒を出現させ、その後冷却し平均結晶粒径が5μm 以下の等方的フェライト結晶粒を主体とする組織とすることが記載されている。しかしながら、この方法によっても、完全には異方性を無くすことはできていない。
【0007】
また、最近では、熱間圧延前のオーステナイト粒を極度に微細化して圧延し動的再結晶とさらに制御冷却を利用し、組織を微細化する方法が、例えば、特開平9−87798 号公報、特開平9−143570号公報、特開平10−8138 号公報に記載されている。
特開平9−87798 号公報には、Mn:1.0 〜2.5 wt%、Ti:0.05〜0.30wt%、あるいはTi:0.05〜0.30wt%およびNb:0.30wt%以下を含有するスラブを950 〜1100℃の温度に加熱し、1パス当たりの圧下率が20%以上となる圧延を少なくとも2回以上行い、仕上圧延温度がAr変態点以上となる熱間圧延を行った後、20℃/s 以上の冷却速度で冷却し、350 〜550 ℃で巻き取り、平均結晶粒径10μm 未満のポリゴナルフェライト75体積%以上と、残留オーステナイト5〜20体積%の組織とする高張力熱延鋼板の製造方法が開示されている。
【0008】
特開平9−143570号公報には、Ti:0.05〜0.3 wt%、Nb:0.10wt%以下のうちの1種または2種を含有する鋼を950 〜1100℃の温度に加熱し、1パス当たりの圧下率が20%以上となる圧延を少なくとも2回以上行い、仕上圧延温度がAr変態点以上となるように熱間圧延し、Ar変態点〜750 ℃を20℃/s 以上の冷却速度で冷却し、750 ℃未満〜600 ℃の温度範囲で5 〜20sec 間滞留させたのち、再び20℃/s 以上の冷却速度で550 ℃以下の温度まで冷却し、550 ℃以下の温度で巻き取り、フェライト80体積%以上で平均フェライト粒径10μm 未満の極微細組織を有する高張力熱延鋼板の製造方法が開示されている。
【0009】
特開平10−8138 号公報には、Mn:1.0 wt%以下、Ti:0.05〜0.30wt%、あるいはTiの全部または1部に代え、その2倍量のNbを含有する鋼スラブを950 〜1100℃の温度に加熱し、1パス当たりの圧下率が20%以上となる圧延を少なくとも2回以上行い、仕上圧延温度がAr変態点以上となる熱間圧延を施した後、20℃/s 以上の冷却速度で冷却し、350 〜550 ℃で巻き取り、フェライトと残留オーステナイトからなる超微細粒組織を有する高張力熱延鋼板の製造方法が開示されている。
【0010】
また、最近では、さらに、自動車用鋼板において、衝突時に乗員を保護するために、高強度化に加えて耐衝撃性にも優れていることが要求されている。このような要求に対し、例えば、特開平10−195588 号公報には、wt%で、C:0.02〜0.2 %、Si:0.1 〜1.5 %、Mn:0.5 〜3.0 %、S:0.010 %以下を含み、P:0.03〜0.15%、Cr:0.1 〜2.0 %、Mo:0.1 〜1.0 %から選ばれた1種または2種以上を含有し、残部はFeおよび不可避的不純物からなり、平均粒径10μm 以下のフェライト相が80〜97%を占め、残部は平均直径がフェライト平均粒径の0.2 〜1.5 倍であるマルテンサイトを主体とする第2相からなる成形性と耐衝突特性に優れる熱延高張力鋼板が開示されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開平9−87798 号公報、特開平9−143570号公報、特開平10−8138 号公報に記載された技術は結晶粒の微細化に主眼をおいたものであるが、得られる粒径はせいぜい3.6 μm 程度まであった。また、これらの技術を用いて製造された鋼板では、強度および延性は向上するが、とくに自動車用鋼板の加工性という観点からは、機械的特性の異方性が大きく、強度−伸びバランスがまだ十分とは言えず、また、自動車の安全性向上に要求される耐衝撃性を本質的に改善するものではなかった。
【0012】
自動車が走行中に衝突した場合を考慮し要求される耐衝撃性は、歪速度が1 〜10(s−1)の衝撃的な変形を伴う高歪速度で変形した場合の吸収エネルギーで評価するなど、動的に評価する必要があり、従来からの静的評価では、自動車の安全性向上に対する本質的な改善とはなり得ないのである。その点、特開平10−195588 号公報に記載された技術では、動的評価を行っており、製造された高張力鋼板は、従来に比べ、成形性や耐衝撃特性は向上している。しかし、現在要求されている自動車用鋼板の加工性、耐衝撃性という観点からは、まだ十分とは言えず、強度−穴拡げ加工性バランス、強度−伸びバランスがまだ不十分であった。
【0013】
本発明は、上記した従来技術の問題を有利に解決し、超微細粒を有し、耐衝撃性に優れ、さらに強度−伸びバランス、強度−穴拡げ加工性バランスにも優れた熱延鋼板を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記した課題を達成すべく、自動車の衝突時の部材の変形について鋭意研究した結果、耐衝撃性の指標として、歪速度1000/sにおける単位体積当たりの変形エネルギーを採用することに想到した。自動車の衝突時、部材が変形する際の歪速度は1000/s以下であり、しかも変形部の歪はほとんどが真歪で0.1 以下であることから、部材の耐衝撃性を評価するには、歪速度1000/sで、歪量0.1 までに費やされる変形エネルギーが非常に重要となる。本発明者らは、さらに研究を進めた結果、歪速度1000/sで、真歪量0.1 まで変形される際に費やされる変形エネルギーが60MJ/m以上あれば、自動車衝突時の安全性の観点から十分な耐衝撃性を有しているという結論を得た。
【0015】
本発明者らは、上記した知見に基づいて、歪速度1000/sで、真歪量0.1 までに費やされる変形エネルギーと、熱延鋼板組織の関係を調査した。熱延鋼板の組織として、フェライトの平均結晶粒径、第2相の平均結晶粒径、第2相中のマルテンサイトの体積率を選び、組成、製造条件を変化しこれら要因を広範な範囲に変化した。歪速度1000/sで、真歪量0.1 までに費やされる変形エネルギーにおよぼす第2相の平均結晶粒径の影響を図1に示す。
【0016】
図1から、第2相の平均結晶粒径を5μm 以下とすることにより、変形エネルギーが顕著に増加することがわかる。また、この第2相の平均結晶粒径の微細化による変形エネルギーの増加は、主相であるフェライトの平均結晶粒径を3μm 未満とすることによりさらに顕著となる。また、フェライトの平均結晶粒径を3μm 未満とし、第2相をマルテンサイト80体積%(第2相全体に対する比率)以上とすることにより、変形エネルギーが90MJ/m まで増加する。このようなことから、本発明者らは、フェライトの平均結晶粒径を3μm 未満とし、第2相の平均結晶粒径を5μm 以下とし、さらに第2相をマルテンサイト80体積%(第2相全体に対する比率)以上を有する第2相とすることにより、安定して60MJ/m以上の変形エネルギーが得られる、耐衝撃性に優れた熱延鋼板となるという新規な知見を得た。
【0017】
本発明は、上記した知見に基づいて、さらに検討を加え完成させたものである。
すなわち、本発明は、量%で、C:0.01〜0.3 %、Si:2.0 %以下、Mn:3.0 %以下、P:0.5 %以下、Ti:0.03〜0.3 %、Al:0.10%以下を含み、残部がFeおよび不可避的不純物からなる組成と、フェライトを主相とし、主相と第2相とからなる組織を有する熱延鋼板であって、前記フェライトの平均粒径が3μm 未満、前記第2相の平均粒径が5μm 以下、前記第2相が第2相全体に対する比率(面積率)でマルテンサイトを80〜95%含み、残部がベイナイト、パーライト、残留オーステナイトのうちの1種または2種以上からなり、歪速度1000/sにおける単位体積当たりの変形エネルギーが60MJ/m3以上であることを特徴とする耐衝撃性に優れた超微細粒熱延鋼板である。
【0018】
また、本発明では、前記組成が、量%で、C:0.01〜0.3 %、Si:2.0 %以下、Mn:3.0 %以下、P:0.5 %以下、Ti:0.03〜0.3 %、Al:0.10%以下を含み、さらに、A群:Nb:0.3 %以下、V:0.3 %以下から選ばれた1種または2種を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる組成とするのが好ましい。
また、本発明では、前記組成が、量%で、C:0.01〜0.3 %、Si:2.0 %以下、Mn:3.0 %以下、P:0.5 %以下、Ti:0.03〜0.3 %、Al:0.10%以下を含み、さらに、B群:Cu:1.0 %以下、Mo:1.0 %以下、Ni:1.0 %以下、Cr:1.0 %以下から選ばれた1種または2種以上を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる組成とするのが好ましい。
【0019】
また、本発明では、前記組成が、量%で、C:0.01〜0.3 %、Si:2.0 %以下、Mn:3.0 %以下、P:0.5 %以下、Ti:0.03〜0.3 %、Al:0.10%以下を含み、さらに、C群:Ca、REM 、Bのうちの1種または2種以上を合計で0.005 %以下を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる組成とするのが好ましい。
【0020】
また、本発明では、前記組成が、量%で、C:0.01〜0.3 %、Si:2.0 %以下、Mn:3.0 %以下、P:0.5 %以下、Ti:0.03〜0.3 %、Al:0.10%以下を含み、さらに、A群:Nb:0.3 %以下、V:0.3 %以下から選ばれた1種または2種、B群:Cu:1.0 %以下、Mo:1.0 %以下、Ni:1.0 %以下、Cr:1.0 %以下から選ばれた1種または2種以上、を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる組成とするのが好ましい。
【0021】
また、本発明では、前記組成が、量%で、C:0.01〜0.3 %、Si:2.0 %以下、Mn:3.0 %以下、P:0.5 %以下、Ti:0.03〜0.3 %、Al:0.10%以下を含み、さらに、A群:Nb:0.3 %以下、V:0.3 %以下から選ばれた1種または2種、C群:Ca、REM 、Bのうちの1種または2種以上を合計で0.005 %以下、含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる組成とするのが好ましい。
【0022】
また、本発明では、前記組成が、量%で、C:0.01〜0.3 %、Si:2.0 %以下、Mn:3.0 %以下、P:0.5 %以下、Ti:0.03〜0.3 %、Al:0.10%以下を含み、さらに、B群:Cu:1.0 %以下、Mo:1.0 %以下、Ni:1.0 %以下、Cr:1.0 %以下から選ばれた1種または2種以上、C群:Ca、REM 、Bのうちの1種または2種以上を合計で0.005 %以下、含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる組成とするのが好ましい。
【0023】
また、本発明では、前記組成が、量%で、C:0.01〜0.3 %、Si:2.0 %以下、Mn:3.0 %以下、P:0.5 %以下、Ti:0.03〜0.3 %、Al:0.10%以下を含み、さらに、A群:Nb:0.3 %以下、V:0.3 %以下から選ばれた1種または2種、B群:Cu:1.0 %以下、Mo:1.0 %以下、Ni:1.0 %以下、Cr:1.0 %以下から選ばれた1種または2種以上、C群:Ca、REM 、Bのうちの1種または2種以上を合計で0.005 %以下、を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる組成とするのが好ましい。
また本発明は、量%で、C:0.01〜0.3 %、Si:2.0 %以下、Mn:3.0 %以下、P:0.5 %以下、Ti:0.03〜0.3 %、Al:0.10%以下を含み、残部が Fe および不可避的不純物からなる組成の圧延用素材に熱間圧延を施し熱延鋼板とするにあたり、前記熱間圧延が、動的再結晶温度域で5パス以上の繰り返し圧下を施しかつ最小圧下率を4〜 20 %とし、圧延仕上げ温度をAr3 変態点以上とする熱間圧延であり、該熱間圧延終了後 sec 以内に冷却を開始し、 30 ℃/s以上の冷却速度で冷却し、350 〜550 ℃の温度範囲で巻き取ることを特徴とする耐衝撃性に優れた超微細粒熱延鋼板の製造方法とするのが好ましい。
また、本発明の超微細粒熱延鋼板の製造方法においては、前記圧延用素材が前記組成に加えて、次A〜C群
A群: Nb 0.3 %以下、V: 0.3 %以下から選ばれた1種または2種
B群: Cu 1.0 %以下、 Mo 0.1 %以下、 Ni 1.0 %以下、 Cr 1.0 %以下から選ばれた1種または2種以上
C群: Ca REM 、Bのうちの1種または2種以上を合計で 0.005 %以下のうちの1群または2群以上を含有してもよい。
【0024】
【発明の実施の形態】
本発明の熱延鋼板は、変形に際し、歪速度1000/sにおける単位体積当たりの変形エネルギーが60MJ/m以上である熱延鋼板である。変形エネルギーが60MJ/m未満では、耐衝撃性が低く、自動車の衝突安全性の確保のために多量の鋼材を要する。
【0025】
まず、本発明の熱延鋼板の化学組成の限定理由について説明する。
C:0.01〜0.3 %、
Cは、安価な強化成分であり、所望の鋼板強度に応じ必要量を含有させる。C含有量が0.01%未満では、結晶粒が粗大化し、本発明で目的とするフェライトの平均粒径3μm 未満を達成できなくなる。また、C含有量が0.3 %を超えると、加工性が劣化するとともに溶接性も劣化する。このため、Cは0.01〜0.3 %の範囲とする。より好ましくは、0.05〜0.2 %の範囲である。
【0026】
Si:2.0 %以下
Siは、固溶強化成分として良好な強度−伸びバランスを維持しながら強度上昇に有効に寄与する。また、フェライトの生成を抑制し所望の第2相体積率を有する組織を得るうえで有効に作用するが、過剰な添加は、Ar変態点を上昇させるため好適な圧延温度範囲を狭くするうえ、過剰なマルテンサイトを生成しやすくし、穴拡げ性を劣化させる。このため、Siは2.0 %以下とする。なお、好ましくは0.1 〜1.0 %である。
【0027】
Mn:3.0 %以下
Mnは、Ar変態点を低下させる作用を通じ結晶粒の微細化に寄与し、また、第2相の形成を進展させる作用を通じ、耐衝撃性、強度−延性バランスを高める作用を有する。さらに、有害な固溶SをMnS として無害化する作用を有する。しかし、多量の添加は鋼を硬質化し、却って強度−延性バランスを劣化させる。このようなことから、Mnは3.0 %以下とする。なお、より好ましくは0.05%以上、さらに好ましくは0.5 〜2.0 %である。
【0028】
P:0.5 %以下
Pは、強化成分として有用であり、所望の鋼板強度に応じ添加することができるが、過剰の添加は、Pが粒界に偏析し脆化の原因となる。このため、Pは0.5 %以下とする。なお、過剰な低減はコスト高となることもあり、好ましくは0.001 〜0.2 %、より好ましくは0.005 〜0.2 %である。
【0029】
Ti:0.03〜0.3 %
Tiは、TiC として存在して、熱間圧延加熱段階での初期オーステナイト粒を微細化し、それ以降の熱間圧延過程での動的再結晶を誘起させるために有効に作用する。また、TiC として析出することにより主相であるフェライトを強化する。この主相の強化により、耐衝撃性が向上する。このような作用を発揮させるためには、少なくとも0.03%以上の含有が必要であるが、0.3 %を超えて含有しても、効果が飽和し含有量に見合う効果が期待できない。このため、Tiは0.03〜0.3 %の範囲とする。なお、より好ましくは、0.05〜0.20%である。
【0030】
Al:0.10%以下
Alは、脱酸剤として作用し、0.10%以下に限定する。本発明ではSi、Tiを比較的多量に添加するため、その1部を利用してSi脱酸、Al−Si複合脱酸、Si−Ti脱酸とすることもできる。このような場合は、Al添加量は減少することができるが、0.0005%以上とするのが好ましい。
【0031】
A群:Nb:0.3 %以下、V:0.3 %以下から選ばれた1種または2種
Nb、Vは、いずれも炭窒化物を形成し、熱間圧延加熱段階での初期オーステナイト粒を微細化する作用を有しており、必要に応じ、Tiと重畳して含有することにより、さらに動的再結晶の発生に有効に作用する。しかし、0.3 %を超えて多量に含有しても効果が飽和し含有量に見合う効果が期待できない。このため、Nb、Vとも0.3 %以下とするのが望ましい。
【0032】
B群:Cu:1.0 %以下、Mo:1.0 %以下、Ni:1.0 %以下、Cr:1.0 %以下から選ばれた1種または2種以上
Cu、Mo、Ni、Crは、いずれも強化成分として、必要に応じ、含有することができるが、多量の含有はかえって強度−延性バランスを劣化させる。このため、Cu、Mo、Ni、Crは、いずれも1.0 %以下とするのが望ましい。なお、上記した作用効果を十分に発揮するためには、少なくとも0.01%以上含有させるのが好ましい。
【0033】
C群:Ca、REM 、Bのうちの1種または2種以上を合計で0.005 %以下
Ca、REM 、Bは、いずれも硫化物の形状制御や粒界強度の上昇を通じ加工性を改善する効果を有しており、必要に応じ含有させることができる。しかし、過剰な含有は、清浄度や再結晶性に悪影響を及ぼす恐れがあるため、合計で0.005 %以下とするのが望ましい。
【0034】
本発明の熱延鋼板は、上記した組成以外は、残部Feおよび不可避的不純物からなる。不可避的不純物としては、S:0.003 %以下、N:0.005 %以下許容できる。Sは、MnS 等の非金属介在物を形成し、延性を低下させるため、できるだけ低減するのが望ましいが、経済性の観点からは0.003 %まで許容できる。なお、好ましくは0.002 %以下である。
【0035】
つぎに、本発明の熱延鋼板の組織について説明する。
本発明の熱延鋼板の組織は、フェライトを主相とし、主相と第2相から成る組織である。主相のフェライトの平均粒径を3μm 未満、第2相の平均粒径を5μm 以下とする。
フェライトの平均粒径が3μm 以上では、延性、靱性の向上が少なく、さらに高歪速度での変形エネルギーが小さく、耐衝撃性の改善が少ない。このため、フェライトの平均粒径は3μm 未満とした。
【0036】
また、第2相の平均粒径が5μm を超えると、高歪速度での変形エネルギーが小さく、耐衝撃性が劣化するとともに、延性、靱性の向上が少ない。このため、第2相の平均粒径は5μm 以下とした。
本発明の熱延鋼板においては、第2相は、マルテンサイトを主とし、残部がベイナイト、パーライト、残留オーステナイトのうちの1種または2種以上からなる。第2相中には、マルテンサイトが、第2相全体に対する比率(体積率)で80〜95%含まれる。第2相中のマルテンサイトが80体積%未満では、高歪速度での変形エネルギーが低下し耐衝撃性が低下する。また、第2相中のマルテンサイトが95体積%を超えると、TS−穴拡げバランスが劣化する。このため、第2相中のマルテンサイトの量は、第2相全体に対する比率(体積率)で80〜95%の範囲に限定した。
【0037】
マルテンサイト以外の第2相の残部は、ベイナイト、パーライト、残留オーステナイトのうちの1種または2種以上とする。
なお、本発明においては、フェライト、第2相の平均粒径は、常法に従い、圧延方向断面における平均粒径とする。
つぎに、本発明の熱延鋼板の製造方法について説明する。
【0038】
上記した成分組成範囲に調整した溶鋼を、連続鋳造または造塊−分塊圧延により圧延素材とし、この圧延素材に熱間圧延を施し熱延鋼板とする。
熱間圧延は、圧延素材を、一旦冷却したのち再加熱する再加熱圧延としても、直送圧延やホットチャージローリングとしてもよい。また、薄スラブ連続鋳造法のような、連続鋳造されたスラブを直接熱間圧延してもよい。再加熱する場合には、初期オーステナイト粒を微細化するために、1150℃以下に加熱するのが望ましい。また、直送圧延する場合も、1150℃以下まで冷却したのち圧延を開始するのが動的再結晶を促進するために好ましい。
【0039】
上記した温度の圧延素材に熱間圧延を施す際に、本発明では、動的再結晶温度域、好ましくは動的再結晶低温域で少なくとも5パス以上の繰り返し圧下を施すのが好ましい。動的再結晶域で繰り返し圧下を施すことにより、オーステナイト粒が微細化される。比較的低温で動的再結晶を起こさせる回数が多くなるほどオーステナイト粒の微細化が進行するため、動的再結晶低温域で少なくとも5パス以上、しかも連続する5パス以上で圧下するのが好ましい。5パス未満では、オーステナイト粒の微細化の程度が小さく、平均フェライト粒径3μm 未満の微細粒を達成しにくい。
【0040】
また、動的再結晶温度域での圧下率は、動的再結晶が生ずる範囲であれば特に限定されるものではないが、動的再結晶域での最終圧下を除き、1パス当たり4〜20%、好ましくは20%未満とするのが望ましい。1パス当たりの圧下率が4%未満では、動的再結晶が生じない。一方、1パス当たりの圧下率が20%を超えると、機械的特性、とくに伸びの異方性が高くなる。なお、動的再結晶温度域での最終圧下は、第2相の微細化を図るため、圧下率13〜30%とするのが好ましい。圧下率が13%未満では、圧下による微細化の効果は少なく、一方、30%を超えても微細化の増加程度は少なく、却って圧延負荷が増大する。
【0041】
本発明でいう動的再結晶温は、温度、歪が独立して制御できる測定装置(例えば、富士電波工機製「加工フォーマスター」)により、圧延条件をシミュレーションすることにより得られる歪−応力の関係から決定するものとする。動的再結晶温度は、鋼組成、加熱温度、圧下率、圧下配分等で変化するが、850 〜1100℃の温度範囲内で、通常250 〜100 ℃の幅で存在するといわれている。なお、動的再結晶温度域の温度幅は、1パス当たりの圧下率が高いほど、拡大する。
【0042】
ところで、組織微細化の点からは、動的再結晶温度域のできるだけ低い温度域での圧延が、γ→α変態の変態サイトが増加し有利である。
そこで、本発明では、動的再結晶温度域での圧延に際し、動的再結晶低温域において、5パス以上の圧下を行なうのが好ましい。ここで動的再結晶低温域とは、(動的再結晶温度域の下限温度)+80℃以下、好ましくは50℃以下とする。
【0043】
なお、第2相が凝集状に存在することは材質の異方性を低減する上で好ましくなく、島状(第2相の粒径以下の間隔で他の第2相が存在する比率が20%以下)に分布していることが好ましい。上記熱延条件により、島状の第2相分布を得ることができる。
なお、熱間圧延時においては、潤滑を施しつつ圧下を行ってもよいことは、いうまでもない。
【0044】
本発明では、動的再結晶温度域、好ましくは動的再結晶低温域での圧延以外の圧延条件はとくに限定されないが、圧延仕上げ温度はAr変態点以上とする。圧延仕上げ温度(FDT)がAr変態点未満では、鋼板の延性、靱性が劣化するためである。
上記した条件で熱間圧延を終了した熱延鋼板においては、この時点でのオーステナイト粒はほぼ等軸の結晶粒となっており、熱間圧延終了後直ちに冷却する直近急冷を行えば、γ→α変態の変態核が多く、フェライト粒の粒成長が抑制され組織が微細化される。このため、圧延終了後2sec 以内、好ましくは1sec 以内に冷却を開始するのが好ましい。冷却開始が圧延終了後2sec を超えると、γ→α変態核のサイトが減少し、α粒の粒成長が起こり、3μm 未満のフェライト粒を得ることが困難となる。
【0045】
また、冷却速度は30℃/sec 以上とするのが好ましい。冷却速度が30℃/sec 未満では、フェライト粒の粒成長が生じ、微細化が達成できないうえ、第2相を微細にすることが難しくなる。圧延終了後、急冷することにより、巻き取りまでにTi系析出物の析出が促進されフェライトが析出強化される。また、γ→α変態が促進されフェライト粒の微細化が促進される。
【0046】
本発明では、熱延板は、熱間圧延終了後、2sec 以内に冷却を開始し、30℃/s 以上の冷却速度で冷却し、好ましくは350 〜550 ℃の温度範囲でコイルに巻き取るものとする。この範囲の温度で巻取ることにより、第2相がマルテンサイト主体の組織となる。しかし、巻取温度が550 ℃より高いと、第2相がパーライト主体の組織となりフェライト粒の粒成長が起こりやすくなる。一方、巻取温度が350 ℃未満と低すぎると、巻き取りが困難となる。このようなことから、巻取温度は350 〜550 ℃の温度範囲内とするのが望ましい。
【0047】
ところで、第2相のマルテンサイト量を所定の目標値に制御するには、上記に述べた要件の他に、従来知見に従い熱間圧延後の冷却パタ−ンを調整すればよいが、主相であるフェライトの平均粒径が3μm 未満、第2相の平均粒径が5μm 以下という要件を満足させるためには仕上圧延直後の結晶粒径も細かくする必要があり、このためオ−ステナイト形成元素の濃縮が起きにくく、第2相の80〜95体積%をマルテンサイトすることは、従来容易でなかった。
【0048】
本発明者らは、上記各組織要件を達成すべく種々調査した結果、前記の熱間圧延条件のうち、とりわけ動的再結晶域における圧下率および圧下回数、ならびに巻取り温度の管理がマルテンサイトの形成促進に影響が大きいとの知見に至った。
すなわち、動的再結晶域における最小圧下率が4 〜20%、好ましくは20%未満であり、かつ動的再結晶域におけるパス数が5回以上であり、さらには巻取り温度が550 ℃以下であるという条件下で上記要件を満たす組織を安定して得ることができる。
【0049】
このような熱間圧延条件が必要とされる理由は次の如く推測される。低温巻取りおよび動的再結晶における軽圧下・多数回圧下には、巻取り前の熱延鋼板の結晶粒径を細粒化する効果の他に、歪の蓄積・保持により粒内へのC濃化を促進させる効果もあり、この結果、細粒でありながらマルテンサイト比率を高める効果があるものと考えられる。
【0050】
【実施例】
表1に示す組成を有する溶鋼を、連続鋳造法によりスラブ(圧延素材)とした。これらスラブを表2に示す種々の条件で加熱、熱間圧延、圧延後冷却を行って熱延鋼板(板厚1.6 〜3.6 mm)とした。なお、製造条件No. 3、No. 5は、潤滑圧延を実施した。また、圧延仕上温度はすべてAr 変態点以上とした。
【0051】
得られたこれらの鋼板について、組織、引張特性、耐衝撃性、穴拡げ加工性を調査し、表3に示す。
組織は、鋼板の圧延方向断面について、光学顕微鏡あるいは電子顕微鏡を用いて、フェライトの体積率、全厚にわたる平均粒径および第2相の組織、体積率、粒径を測定した。
【0052】
また、引張特性は、鋼板の圧延方向について、JIS 5号試験片により引張特性(降伏点YS、引張強さTS、伸びEl)を測定した。
耐衝撃性は、鋼板の圧延方向について、JIS 13号B試験片により、引張試験機を用いて歪速度1000/sで引張変形を実施し、応力−歪曲線から真歪0.1 までの変形エネルギーを求め、評価した。
【0053】
また、穴拡げ加工性は、鋼板に10mmφ(D)の打抜き穴を加工したのち、頂角60°の円錐ポンチで押し広げる加工を施し、割れが板厚を貫通した直後の穴径Dを求め、λ= {(D−D)/D}×100 %から求められるλ値で評価した。
これらの結果を表3に示す。
【0054】
【表1】
Figure 0003551064
【0055】
【表2】
Figure 0003551064
【0056】
【表3】
Figure 0003551064
【0057】
本発明例の鋼板は、いずれもフェライトの平均粒径が3μm 未満で、かつ第2相の平均粒径が5μm 以下で、第2相中のマルテンサイト量が80〜95体積%である組織を有し、歪速度1000/sで真歪0.1 までの変形エネルギーが60MJ/m 以上とと耐衝撃性に優れ、TS×El値が22000MPa・%以上と高く、さらにλ値が90%以上と強度に対し高い穴拡げ加工性を有しTS×λ値が 54000MPa ・%以上と強度−穴拡げ加工性に優れ、耐衝撃性に優れた超微細粒熱延鋼板となっている

【0058】
これに対し、組成範囲が外れ、フェライト平均粒径が大きく、さらに第2の平均粒径が大きく、第2相中のマルテンサイト量が少ない、本発明の範囲を外れる比較例(鋼板No.1、No.4、No.5 No.11 〜15、No.18 、No.19 )は、高歪速度における変形エネルギーが60MJ/m未満と少なく、耐衝撃性が劣化しており、さらにTS×El値、TS×λ値が低くなっている。
【0059】
【発明の効果】
本発明によれば、超微細粒を有し、良好な機械的特性を具備し、さらに優れた強度−伸びバランス、強度−穴拡げ加工性バランスを有し、耐衝撃性に優れた超微細粒熱延鋼板を安価に製造でき、産業上格段の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】高歪速度での変形エネルギーにおよぼす第2相の平均粒径の影響を示すグラフである。

Claims (4)

  1. 量%で、
    C:0.01〜0.3 %、 Si:2.0 %以下、
    Mn:3.0 %以下、 P:0.5 %以下、
    Ti:0.03〜0.3 %、 Al:0.10%以下
    を含み、残部がFeおよび不可避的不純物からなる組成と、フェライトを主相とし、主相と第2相とからなる組織を有する熱延鋼板であって、前記フェライトの平均粒径が3μm 未満、前記第2相の平均粒径が5μm 以下、前記第2相が第2相全体に対する比率(体積率)でマルテンサイトを80〜95%含み、残部がベイナイト、パーライト、残留オーステナイトのうちの1種または2種以上からなり、歪速度1000/sにおける単位体積当たりの変形エネルギーが60MJ/m3以上であることを特徴とする耐衝撃性に優れた超微細粒熱延鋼板。
  2. 前記組成に加えて、さらに、量%で、下記A〜C群のうちの1群または2群以上を含有することを特徴とする請求項1に記載の耐衝撃性に優れた超微細粒熱延鋼板。

    A群:Nb:0.3 %以下、V:0.3 %以下から選ばれた1種または2種
    B群:Cu:1.0 %以下、Mo:0.1 %以下、Ni:1.0 %以下、Cr:1.0 %以下から選ばれ た1種または2種以上
    C群:Ca、REM 、Bのうちの1種または2種以上を合計で0.005 %以下
  3. 量%で、
    C:0.01〜0.3 %、 Si:2.0 %以下、
    Mn:3.0 %以下、 P:0.5 %以下、
    Ti:0.03〜0.3 %、 Al:0.10%以下
    を含み、残部が Fe および不可避的不純物からなる組成の圧延用素材に熱間圧延を施し熱延鋼板とするにあたり、前記熱間圧延が、動的再結晶温度域で5パス以上の繰り返し圧下を施しかつ最小圧下率を4〜 20 %とし、圧延仕上げ温度をAr3 変態点以上とする熱間圧延であり、該熱間圧延終了後 sec 以内に冷却を開始し、 30 ℃/ s 以上の冷却速度で冷却し、 350〜 550℃の温度範囲で巻き取ることを特徴とする耐衝撃性に優れた超微細粒熱延鋼板の製造方法。
  4. 前記圧延用素材が、前記組成に加えて、さらに質量%で、下記A〜C群のうちの1群または2群以上を含有することを特徴とする請求項3に記載の耐衝撃性に優れた超微細粒熱延鋼板の製造方法。

    A群: Nb 0.3 %以下、V: 0.3 %以下から選ばれた1種または2種
    B群: Cu 1.0 %以下、 Mo 0.1 %以下、 Ni 1.0 %以下、 Cr 1.0 %以下から選ばれた1種または2種以上
    C群: Ca REM 、Bのうちの1種または2種以上を合計で 0.005 %以下
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