JP3550799B2 - 排気浄化装置の診断装置 - Google Patents

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【0001】
【産業上の利用分野】
この発明はエンジンの排気浄化装置の診断装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
エンジンの排気通路を分岐してその一方の主通路にNOx浄化用触媒を設けるとともに、主通路とバイパス通路の分岐部に設けた通路切換バルブにより、排気温度が低いときにはNOx浄化用触媒の側に排気を流し、排気温度が高くなるとNOx浄化用触媒の熱劣化を防ぐために排気をバイパス通路の側に流すようにした排気浄化装置がある。
【0003】
このものでは、切換バルブに排気中の未燃焼ガスやカーボン等が付着することによって、あるいはバルブの機械的、電気的な故障により、NOx浄化用触媒およびバイパス通路の双方に排気を流すような中間開度でバルブが固着してしまうと、NOx浄化用触媒に高温の排気が流れて触媒の早期劣化を招き、また空燃比がリーン側に制御されているときに排気の一部がバイパス通路に流れてNOx成分の浄化が不十分になる。
【0004】
そこで、切換バルブの開度を検出するセンサーを設けておき、該開度センサーによって検出されるバルブ開度とバルブ制御手段によって設定されるバルブ開度との比較により、両開度が不一致のときに通路切換バルブが中間開度のような特定の開度で固着したと診断している(特開平5−340238)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、バルブ故障の中には、弁体の熱変形や摩耗による開口面積の変化に起因してバルブの漏れ量が多くなる場合があり、排気が高温のためNOx浄化用触媒の側を全閉としている場合に漏れ量が多いときは、触媒が高温の排気にさらされ劣化が急速に進んでしまうおそれがある。反対に排気の低温域でバイパス通路を全閉としている場合に漏れ量が大きいと、NOxの浄化率が悪くなるおそれもある。
【0006】
しかしながら、従来装置にあっては、切換バルブの開度を検出することによって、バルブ固着を診断する構成であるため、弁体の熱変形や摩耗による開口面積の変化に起因してバルブの漏れ量が多くなっているような場合について診断することができない。
【0007】
そこでこの発明は、切換バルブの漏れ診断を可能とすることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
第1の発明は、図10に示すように、排気管31に位置する触媒32と、この触媒32をバイパスして排気を流すバイパス通路33と、このバイパス通路33と前記触媒32側通路とを切換可能なバルブ34と、吸入負圧(スロットルバルブ下流の吸気管負圧のこと)を検出する手段35と、前記バイパス通路33の全開状態から全閉状態へと前記切換バルブ34を切換える手段36と、このバルブ切換後の前記吸入負圧検出値の低下に基づいて前記切換バルブに漏れがあるかどうかを判定する手段37とを設けた。
【0009】
第2の発明は、第1の発明において、定常時に前記漏れがあるかどうかの判定を行う。
【0010】
第3の発明では、第1または第2の発明において、前記バルブ漏れ判定手段が、前記バルブ切換前後での前記吸入負圧検出値の減少量をサンプリングする手段と、この吸入負圧検出値の減少量に応じて前記切換バルブの漏れ量を推定する手段と、この漏れ量と判定しきい値との比較により漏れ量が判定しきい値を超えた場合に漏れ故障があると判定する手段とからなる。
【0011】
第4の発明では、第3の発明において、前記バルブ切換のタイミングより所定の遅れ時間後にバルブ切換後の前記吸入負圧検出値をサンプリングする。
【0012】
第5の発明では、第1または第2の発明において、前記バイパス通路の分岐部上流の排気の一部を吸気管に導入するEGRバルブの開度をエンジン運転状態に応じて調整することによってEGR制御を行う場合に、前記EGRバルブ開度が一定となる運転状態で前記漏れがあるかどうかの判定を行う。
【0013】
第6の発明では、第3または第4の発明において、前記バイパス通路の分岐部上流の排気の一部を吸気管に導入するEGRバルブの開度をエンジン運転状態に応じて調整することによってEGR制御を行う場合に、前記EGRバルブ開度が一定となる運転状態で前記漏れがあるかどうかの判定を行う。
【0014】
第7の発明では、第5の発明において、前記バルブ漏れ判定手段が、前記バルブ切換前後での前記吸入負圧検出値の減少量をサンプリングする手段と、この吸入負圧検出値の減少量と前記EGRバルブ開度とに応じて前記切換バルブの漏れ量を推定する手段と、この漏れ量と判定しきい値との比較により漏れ量が判定しきい値を超えた場合に漏れがあると判定する手段とからなる。
【0015】
第8の発明では、第7の発明において、前記バルブ切換のタイミングより所定の遅れ時間後にバルブ切換後の前記吸入負圧検出値をサンプリングする。
【0016】
【作用】
弁体の熱変形や摩耗による開口面積の変化に起因して切換バルブの漏れ量が多くなる場合があり、排気が高温のため触媒側通路を全閉としている場合に漏れ量が多いときは、触媒が高温の排気にさらされ劣化が急速に進み、この反対に排気の低温域でバイパス通路を全閉としている場合に漏れ量が大きいと、漏れによってバイパス通路を流れる排気が浄化されない。この場合に、従来装置にあっては、切換バルブの開度を検出することによってバルブ固着を診断する構成であるため、弁体の熱変形や摩耗による開口面積の変化に起因してバルブの漏れ量が多くなっているような場合について診断することができない。
【0017】
このとき、第1の発明では、バイパス通路の全開状態から全閉状態へと切換バルブを切換え、この切換後の吸入負圧検出値の低下に基づいて切換バルブに漏れがあるがあるかどうかを判定する。バイパス通路の全開状態から全閉状態へのバルブ切換により、触媒担体による抵抗分だけ排圧が上昇して吸入負圧が低下し、バルブ漏れ量が多くなるほどその吸入負圧の低下量が小さくなるので、バルブ切換後の吸入負圧が判定しきい値を超えて低下しない場合に切換バルブに漏れがあると判断でき、これによって弁体の熱変形や摩耗による開口面積の変化に起因してバルブの漏れ量が多くなっているような場合を診断することができるのである。
【0018】
第2の発明では、定常時に漏れがあるかどうかの判定を行うので、故障診断が安定する。
【0019】
第3の発明では、バルブ切換前後の吸入負圧検出値の減少量に応じて切換バルブの漏れ量を推定するので、漏れがあるかどうかの判定精度がよくなる。
【0020】
吸入負圧検出手段自体には応答遅れがあるので、バルブ切換のタイミングより所定のディレイ時間を待たずにバルブ切換後の吸入負圧検出値をサンプリングしたのでは、正確な吸入負圧の低下を検出することができないが、第4の発明では、バルブ切換のタイミングより所定のディレイ時間後にバルブ切換後の吸入負圧検出値をサンプリングするので、正確な吸入負圧の低下を検出できる。
【0021】
EGR制御を行う場合にはEGRバルブ開度の変化の影響を受けて吸入負圧が変化してしまうので、EGRバルブ開度が変化する運転状態においてまで漏れがあるかどうかの判定を行ったのでは、判定精度が低下することになるが、第5と第6の発明では、EGRバルブ開度が一定となる運転条件においてだけ漏れがあるかどうかの判定を行うので、EGR制御の影響を受けて判定精度が低下することがない。
【0022】
第7の発明では、バルブ切換前後の吸入負圧検出値の減少量に加えてEGRバルブ開度に応じても切換バルブの漏れ量を推定するので、EGR制御を行っている場合における判定精度がよくなる。
【0023】
EGR制御を行う場合には、吸入負圧検出手段自体の応答遅れのほか、切換バルブの切換直後には排圧変化によるEGR流量の増減が吸気管容積による一次遅れによりなまされ、吸入負圧に反映されるのが遅れるので、バルブ切換のタイミングより所定のディレイ時間を待たずにバルブ切換後の吸入負圧検出値をサンプリングしたのでは、正確な吸入負圧の低下を検出することができないが、第8の発明では、バルブ切換のタイミングより所定のディレイ時間後にバルブ切換後の吸入負圧検出値をサンプリングするので、EGR制御を行っている場合においても、正確な吸入負圧の低下を検出できる。
【0024】
【実施例】
図1において、排気マニフォールド1集合部と吸気側のコレクター部2を連通するEGR通路3にEGRバルブ4が設けられている。ステップモーター(アクチュエーター)4Aにより駆動されるEGRバルブ4では、コントロールユニット21からのステップ数に応じてステップモーター4Aが回転すると、このモーター回転が、ねじ機構(図示しない)により直線運動に変換され、バルブ4Bが開方向に駆動される。バルブ4Bの開方向駆動量(つまりEGRバルブ開度)がステップモーター4Aに与えるステップ数により制御されるわけである。
【0025】
コンピューターからなるコントロールユニット21には、エアフローメーター22、クランク角度の単位角度ごとの信号と基準位置信号(Ref信号)とを出力するクランク角センサー23、エンジンの冷却水温Twを検出するセンサー24、スロットル開度センサー25からの信号などが入力され、コントロールユニット21ではエンジンの回転数と負荷に応じた燃料噴射量をエンジン回転に同期して噴射弁5から供給することで空燃比制御を行うとともに、エンジンの回転数と負荷からEGRバルブ4の目標開度を演算し、これをパルス信号に変換してステップモーター4Aに出力する。
【0026】
一方、排気マニホールド1に接続される排気管11は排気マニホールド1のすぐ下流で主通路11Aとバイパス通路11Bに分岐され、主通路11Aに三元触媒からなるサブ触媒13が介装され、サブ触媒13上流の主通路11Aとバイパス通路11Bの排気流れを切換えるためのバルブ14が設けられる。
【0027】
この切換バルブ14はコントロールユニット21からの信号により駆動される。バルブアクチュエーター14Aとバタフライ状の弁体14B、14Cからなる切換バルブ14では、バルブアクチュエーター14Aへの出力がOFF状態のとき弁体14Bによりバイパス通路11Bが全開にかつ弁体14Cにより主通路11Aが全閉にされているが、バルブアクチュエーター14Aへの出力がOFFからONに切換わると、弁体14Bによりバイパス通路11Bが全閉とされかつ弁体14Cにより主通路11Aが全開にされる。なお、切換バルブ14は主通路11Aとバイパス通路11Bの分岐部または合流部に設けることもできる。12は三元触媒であるメイン触媒である。
【0028】
コントロールユニット21では、バイパス通路と主通路の分岐部上流でEGR通路の合流部下流に設けた温度センサー26からの信号に基づいて排気が比較的低温のときサブ触媒13に排気を導入するため、バルブアクチュエーター14AにON信号を出力し、排気が極めて高温となる高回転高負荷条件になると、バルブアクチュエーター14Aへの出力をONからOFFに切換え、これによって、主通路11Aへの排気流れを遮断(バイパス通路11Bは全開状態)し、サブ触媒13の熱劣化を防止する。
【0029】
なお、EGR領域かつ定常時であれば、切換バルブ14についての自己診断処理(後述する)により、バイパス通路11Bが全開状態から全閉状態となるようにバルブの切換を行い、このバルブ切換前後での吸入負圧の減少量を計測するのであるが、この自己診断処理中は、サブ触媒13についての上記劣化防止処理を禁止する(つまりバイパス通路11Bを全開状態にするためバルブ14を切換えない)。EGR領域かつ定常時であり、同時に高回転高負荷条件でもある場合には、自己診断処理のためバイパス通路11Bが全閉状態に切換えられた後でサブ触媒の劣化防止処理によりバイパス通路11Bが全開状態に戻されたのでは、自己診断処理を行うことができなくなるからである。
【0030】
ただし、自己診断には吸入負圧の変化を計測するわずかな時間があれば足りるので、このわずかな時間、サブ触媒13の劣化防止のためバルブ14の切換を禁止するのであれば、サブ触媒13の劣化はほとんど進行しないと考えられる。
【0031】
さて、切換バルブ14の故障の中には、弁体14B、14Cの熱変形や摩耗による開口面積の変化に起因してバルブの漏れ量が多くなる場合があり、排気が高温のため主通路11Aを全閉としている場合に漏れ量が多いときは、触媒13が高温の排気にさらされて劣化が急速に進むし、この反対に排気の低温域でバイパス通路11Bを全閉としている場合に漏れ量が大きいと、触媒13を流れることなく排気の一部が排出されて浄化率が悪くなる。
【0032】
しかしながら、従来装置のように、切換バルブの開度を検出することによって、バルブ固着を診断する構成であるのでは、弁体の熱変形や摩耗による開口面積の変化に起因してバルブの漏れ量が多くなっているような場合について診断することができない。
【0033】
これに対処するため、本発明では、次のようにして切換バルブ14の漏れ故障の診断を行う。バイパス通路11Bを全閉にして触媒13に排気が流れている状態では、その逆に主通路11Aを全閉にしてバイパス通路11Bを排気が流れる状態と比べて、触媒13担体による抵抗分だけ排圧が上昇し、その影響を受けて吸入負圧(スロットルバルブ下流の吸気管負圧のこと)が減少する(大気圧に近づく)。この場合に、吸入負圧の減少量は切換バルブの漏れ量が多くなるほど小さくなるので、コレクター部2に吸入負圧センサー27(図1参照)を設けておくことで、バルブ切換前後の吸入負圧の減少を検出することができ、この吸入負圧の減少に基づいて切換バルブに漏れ故障が生じたかどうかを診断することができる。
【0034】
詳細には、切換バルブに漏れのない場合にバイパス通路が全開状態から全閉状態となるようにバルブを切換えると、そのバルブ切換前後で吸入負圧センサー出力が大きく変化する(図2中段の実線参照)のに対して、切換バルブに多くの漏れが生じているときの吸入負圧センサー出力の変化は小さなものとなる(図2中段の一点鎖線参照)ので、図示の位置に故障判定しきい値を設けておけば、この判定しきい値とバルブ切換後の吸入負圧センサー出力との比較により吸入負圧センサー出力が判定しきい値を超えない場合に切換バルブに漏れ故障が生じていると判断できるわけである。なお、図2は定常時のもので、故障検出判定領域においては、EGRバルブ開度が一定となっている。
【0035】
コントロールユニット21で実行されるこの制御の内容を、以下のフローチャートにしたがって説明する。
【0036】
図3のフローチャートは自己診断条件を判定するためのもので、10msec周期で実行する。
【0037】
まずステップ1、2で冷却水温Twとアイドルスイッチを読み込み、TwがEGR許可水温を超えておりかつアイドルスイッチがOFFの条件であればEGR領域(EGRを行う領域)であると判断し、ステップ4以降に進む。
【0038】
ステップ4ではエンジン回転数Neとエンジン負荷としての基本噴射パルス幅Tpを読み込み、これらNe、Tpの10msec当たりの時間微分値をそれぞれ回転微分値ΔNe(=Ne−Neo)、負荷微分値ΔTp(=Tp−Tpo)として演算する。ここで、NeoとTpoはそれぞれNe、Tpの前回値を入れるメモリーである。ステップ5ではまた、次回の微分処理に備えて最新のNe、TpをそれぞれNeo、Tpoに移して保存する。
【0039】
ステップ6では各微分値ΔNe、ΔTpとこれらに対応する定常判定しきい値SNESH、STPSHとを比較し、ΔNe≦SNESHかつΔTp≦STPSHであれば定常時であると判断して、自己診断開始許可フラグFLGBPCを“1”にセットする。また、定常時でないときや定常時でなくなったときはステップ6からステップ10に進んで自己診断開始許可フラグを“0”にリセットする。
【0040】
ステップ8ではNe、Tpより図4を内容とするマップを検索することによりEGRバルブ4の目標開度を求め、この目標開度をステップ9においてSTAにストアして今回のルーチンを終了する。STAは目標開度を入れるメモリーである。目標開度は冷却水温Twにより補正することもできる。
【0041】
一方、EGR領域でないとき(つまりステップ2で冷却水温TwがEGR許可水温以下であるとき、ステップ3でアイドルスイッチがONのとき)や途中からEGR領域でなくなったときは、ステップ11において自己診断開始許可フラグFLGBPCを“0”にリセットする。ステップ12、9ではEGRカット時の目標開度を読み込み、これを目標開度STAとしてストアする。
【0042】
なお、ステップモーター駆動の流量制御バルブでは、モーターの絶対位置を決定するためのストッパー位置と弁体が弁座に着座する位置(全閉位置)とがあるのが一般的(モーターは弁体と弁座が着座状態のまま全閉位置からストッパー位置まで駆動することができる)であるため、EGRカット時の目標開度というのは、全閉を確保しつつストッパーに当たらない位置のことであり、弁体が弁座に着座する位置のことではない。
【0043】
図5のフローチャートは自己診断処理を行うためのもので、4msecごとに実行する。
【0044】
まずはじめにステップ21において自己診断終了フラグFLGBPENDをみる。ここで、自己診断終了フラグFLGBPENDはエンジン始動時に“1”にセットされているため、今回の運転当初は、ステップ21からステップ22に進み、自己診断開始許可フラグFLGBPCをみる。
【0045】
前述した図3のフローチャートにおいて自己診断開始許可フラグFLGBPCが“1”にセットされる前は、ステップ22からステップ23以降に進む。
【0046】
ステップ23〜30は自己診断を行う際の前処理である。まず、ステップ23では、切換バルブ状態フラグFLGBPOPをみる。
【0047】
ここで、切換バルブ状態フラグFLGBPOPは、
FLGBPOP=1:バイパス通路側が全閉状態
FLGBPOP=0:バイパス通路側が全開状態
を表すようにしているので、FLGBPOP=1のときは、ステップ24において切換バルブへの出力をONからOFFに切換えてバイパス通路11Bを全開にし、切換バルブ状態フラグFLGBPOPをステップ25において“0”にリセットする。
【0048】
ステップ26ではディレイタイマーTMBPCに初期値の0を入れる。ディレイタイマーは切換バルブへの出力をOFFからONに切換えたタイミングからの経過時間を計測するためのものである。
【0049】
ステップ27ではEGRバルブへの駆動出力処理を行い(つまり目標開度となるようにEGRバルブ4を駆動する)、こうして駆動されたEGRバルブ開度をステップ28においてSMONに入れることでEGRバルブ開度を更新する。
【0050】
ステップ29、30では吸入負圧センサー出力を入力し、これをPinoとして保存した後に今回の処理を終了する。このときPinoにはバイパス通路が全開状態での吸入負圧センサー出力が入る。
【0051】
次回以降もFLGBPC=0であればステップ23からステップ24、25を飛ばしてステップ26以降に進んで、自己診断の前処理を繰り返す。
【0052】
なお、途中でEGR領域や定常時でなくなったときも、ステップ22からステップ23以降に流れることになり、このときも、前述の処理を繰り返す。
【0053】
一方、図3のフローチャートにおいて自己診断開始許可フラグFLGBPCが“1”にセットされたときは、図5のステップ22からステップ31に進み、切換バルブ状態フラグFLGBPOPをみる。前述のように、ステップ24、25を経過した後では、FLGBPOP=0(バイパス通路が全開)となっているので、ステップ32に進み、自己診断の開始のため切換バルブへの出力をOFFからONに切換えてバイパス通路を全閉にし、切換バルブ状態フラグFLGBPOPをステップ33において“1”にセットする。
【0054】
ステップ34ではディレイタイマーTMBPCと吸入負圧センサー遅れ時間BPJDSHを比較する。自己診断開始のため初めてステップ34に進んだときはTMBPC<BPJDSHであるため、ステップ35に流れ、ディレイタイマーTMBPCをインクリメントして今回の処理を終了する。
【0055】
FLGBPC=1の条件が続く限り、ステップ31からステップ32、33を飛ばして、ステップ34、35へと流れることになり、ディレイタイマーTMBPCが増加してゆき、やがてTMBPC>BPJDSHとなれば過渡応答終了とみなし、ステップ36以降に進む。
【0056】
ここで、吸入負圧センサー遅れ時間BPJDSHだけ待ってステップ36以降に進ませるのは、吸入負圧センサー自体に応答遅れがあり、さらに切換バルブの切換直後には排圧変化によるEGR流量の増減がコレクター容積による一次遅れによりなまされ、吸入負圧に反映されるのが遅れるので(図2中段参照)、正確に吸入負圧の低下を検出するためには、TMBPC≦BPJDSHである場合を過渡応答中であると判断する必要があるからである。
【0057】
ステップ36では、吸入負圧センサー出力Pinを入力する。このときのPinは、ステップ29でのPinと相違して、バイパス通路が全閉状態での吸入負圧センサー出力である。このPinと前回値Pinoとの差の絶対値ΔPinをステップ37において計算し、このΔPinとEGRバルブ開度SMONとからステップ38において、図6を内容とするマップを検索して、切換バルブの漏れ量BPLKを求める。図6に示したように、BPLKの値は、SMONが一定であればΔPinが大きいほど小さくなり(漏れ量はほぼΔPinの平方根に比例する)、またΔPinが一定であればSMONに比例して大きくなる。こうした特性における具体的数値は、エンジン機種、切換バルブの容量などが相違すると異なってくるので、予め設定しておく。なお、図6は管路抵抗の増大分も考慮した特性である。
【0058】
ステップ39では切換バルブの漏れ量BPLKと故障判定しきい値BPOUTSHを比較し、BPLK≧BPOUTSHであれば、切換バルブに漏れが生じていると判断し、ステップ40に進んで故障警報を出力し、BPLK<BPOUTSHであるときはステップ33で故障警報解除の出力をする(つまり故障警報をしない)。
【0059】
ステップ42、43、44は後処理である。ステップ42では自己診断処理を終了するため、切換バルブへの出力をONからOFFに切換えてバイパス通路を全開にし、切換バルブ状態フラグFLGBPOPをステップ43において“0”にリセットする。さらに、一回の自己診断開始判定に対して複数回の診断を行うことを禁止するため、自己診断終了フラグFLGBPENDを“0”にリセットして今回の処理を終了する。
【0060】
このFLGBPENDの“0”へのリセットにより次からは、図5のステップ21よりステップ26以降へ飛ぶことになる。すでに今回のエンジン定常状態での自己診断が終了しているときは、その後に自己診断開始許可フラグFLGBPCが“1”にセットされることがあっても、ステップ31以降に進むことはないのである。
【0061】
なお、FLGBPENDの“0”へのリセット後(自己診断の終了後)も、ステップ26以降に進ませるようにしているのは次の理由からである。バルブ14についての自己診断とEGRバルブ4の駆動とは同期をとりながら行う必要があるため、同じ4msルーチンに存在する。しかしながら、EGRバルブを駆動してのEGR制御は自己診断領域以外でも行わなければならない。したがって、自己診断の終了によって、ステップ26〜30をキャンセルしたのでは、自己診断の終了後にEGRバルブの駆動を行うことができなくなるからである。
【0062】
このように、本発明ではEGR領域かつ定常時を診断条件とすることで、EGRバルブ開度が一定となり、EGRバルブ開度が一定の状態でバイパス通路が全開状態から全閉状態になるようにバルブの切換を行い、このバルブ切換前後での吸入負圧の減少量ΔPinをサンプリングし、その減少量ΔPinとそのときのEGRバルブ開度SMONとに応じてバルブの漏れ量BPLKを推定し、この漏れ量BPLKが判定しきい値BPOUTSH以上となった場合に漏れがあると判定することで、弁体の熱変形や摩耗による開口面積の変化に起因して切換バルブの漏れ量が多くなっているような場合を診断することができる。
【0063】
また、一般的に開度センサーは高温下での使用に適さないため高温に晒される切換バルブへの取り付けが難しく、また摺動による特性変化を無視できないが、本発明において設けられる吸入負圧センサーの特性劣化は極めて少ないので、信頼のおける診断結果を得ることができる。
【0064】
図7と図9のフローチャートは第2実施例で、それぞれ図3と図5に対応する。図3、図5と相違するのは、次の2点である。
【0065】
▲1▼EGR制御の部分(図3のステップ8、9、12、図5のステップ27)がない。ただし、第2実施例ではEGR制御を行わないというのではなく、たとえばEGRバルブがいわゆるBPT(Back Pressure Transducer)バルブにより駆動されるようになっている。このEGR制御システムは、排圧コントロール方式と呼ばれ、EGR量が吸入空気量に比例する形で与えられるものである。また、EGRバルブ開度を検出するセンサーを設けており、このセンサー信号を入力してSMONの更新を行う(図9のステップ28)。
【0066】
なお、エアフローメーターにより検出される吸入空気量QaからEGRバルブ開度を推定することで、EGRバルブ開度を検出するセンサーを省略することが可能である。広範囲で概略一定のEGR率を設定(限界設定といわれる)した場合には、EGRバルブ開度が吸入空気量にほぼ比例するため、SMONを
SMON=Qa×k
ただし、k:比例定数
の式によって与えればよいわけである。
【0067】
▲2▼図7においてステップ15、16が新たに加わっている。詳細には、ステップ15、16においてNe,Tpから図8を内容とするEGR一定領域マップを検索してその結果をFENBPに入れ、FENBPに入った値が“1”である場合はステップ7で自己診断開始許可フラグFLGBPCを“1”にセットし、FENBPに入った値が“0”であるときはステップ10で自己診断開始許可フラグFLGBPCを“0”にリセットする。図8に示すように、EGR一定領域マップでは全運転域を30個の少領域に分割し、EGRバルブ開度が全開に貼りつく状態などEGRバルブ開度の変化量が極めて小さい領域に対しては“1”を、そうでない領域には“0”を設定しており、定常時であることに加えて、EGRバルブ開度の変化量が小さい領域(つまりEGRバルブ開度がほぼ一定となる領域)であることをも自己診断条件としているわけである。
【0068】
第2実施例では、EGRバルブ開度がほぼ一定となる領域において切換バルブの漏れ故障を診断するようにしているので、EGRバルブの駆動方式によらないことになり、機械式のEGR制御システム(たとえば排圧コントロール方式や負圧コントロール方式)においても、切換バルブの漏れ診断を行うことができる。実施例ではサブ触媒が三元触媒の場合で説明したが、従来例のようにNOx浄化用触媒であってもかまわないことはいうまでもない。
【0069】
【発明の効果】
第1の発明では、弁体の熱変形や摩耗による開口面積の変化に起因してバルブの漏れ量が多くなっているような場合を診断することができる。
【0070】
第2の発明では、漏れがあるかどうかの判定が安定する。
【0071】
第3の発明では、漏れがあるかどうかの判定精度がよくなる。
【0072】
第4の発明では、正確な吸入負圧の低下を検出できる。
【0073】
第5と第6の発明では、EGR制御の影響を受けて判定精度が低下することがない。
【0074】
第7の発明では、EGR制御を行っている場合における判定精度がよくなる。
【0075】
第8の発明では、EGR制御を行っている場合においても、正確な吸入負圧の低下を検出できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施例の制御システム図である。
【図2】漏れ診断を説明するための波形図である。
【図3】診断条件の判定を説明するためのフローチャートである。
【図4】切換バルブの目標開度の特性図である。
【図5】自己診断処理を説明するためのフローチャートである。
【図6】バルブ漏れ量のマップ特性図である。
【図7】第2実施例の診断条件の判定を説明するためのフローチャートである。
【図8】第2実施例のEGR一定領域のマップ特性図である。
【図9】第2実施例の自己診断処理を説明するためのフローチャートである。
【図10】第1の発明のクレーム対応図である。
【符号の説明】
4 EGRバルブ
11A 主通路
11B バイパス通路
13 サブ触媒
14 切換バルブ
21 コントロールユニット
27 吸入負圧センサー
31 排気管
32 触媒
33 バイパス通路
34 切換バルブ
35 吸入負圧検出手段
36 バルブ切換手段
37 バルブ漏れ判定手段

Claims (8)

  1. 排気管に位置する触媒と、
    この触媒をバイパスして排気を流すバイパス通路と、
    このバイパス通路と前記触媒側通路とを切換可能なバルブと、
    吸入負圧を検出する手段と、
    前記バイパス通路の全開状態から全閉状態へと前記切換バルブを切換える手段と、
    このバルブ切換後の前記吸入負圧検出値の低下に基づいて前記切換バルブに漏れがあるかどうかを判定する手段と
    を設けたことを特徴とする排気浄化装置の診断装置。
  2. 定常時に前記漏れがあるかどうかの判定を行うことを特徴とする請求項1に記載の排気浄化装置の診断装置。
  3. 前記バルブ漏れ判定手段は、前記バルブ切換前後での前記吸入負圧検出値の減少量をサンプリングする手段と、この吸入負圧検出値の減少量に応じて前記切換バルブの漏れ量を推定する手段と、この漏れ量と判定しきい値との比較により漏れ量が判定しきい値を超えた場合に漏れがあると判定する手段とからなることを特徴とする請求項11または2に記載の排気浄化装置の診断装置。
  4. 前記バルブ切換のタイミングより所定の遅れ時間後にバルブ切換後の前記吸入負圧検出値をサンプリングすることを特徴とする請求項3に記載の排気浄化装置の診断装置。
  5. 前記バイパス通路の分岐部上流の排気の一部を吸気管に導入するEGRバルブの開度をエンジン運転状態に応じて調整することによってEGR制御を行う場合に、前記EGRバルブ開度が一定となる運転状態で前記漏れがあるかどうかの判定を行うことを特徴とする請求項1または2に記載の排気浄化装置の診断装置。
  6. 前記バイパス通路の分岐部上流の排気の一部を吸気管に導入するEGRバルブの開度をエンジン運転状態に応じて調整することによってEGR制御を行う場合に、前記EGRバルブ開度が一定となる運転状態で前記漏れがあるかどうかの判定を行うことを特徴とする請求項3または4に記載の排気浄化装置の診断装置。
  7. 前記バルブ漏れ判定手段は、前記バルブ切換前後での前記吸入負圧検出値の減少量をサンプリングする手段と、この吸入負圧検出値の減少量と前記EGRバルブ開度とに応じて前記切換バルブの漏れ量を推定する手段と、この漏れ量と判定しきい値との比較により漏れ量が判定しきい値を超えた場合に漏れがあると判定する手段とからなることを特徴とする請求項5に記載の排気浄化装置の診断装置。
  8. 前記バルブ切換のタイミングより所定の遅れ時間後にバルブ切換後の前記吸入負圧検出値をサンプリングすることを特徴とする請求項7に記載の排気浄化装置の診断装置。
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