JP3550765B2 - 車両用経路案内装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は運転者から見た太陽の方向が前方の信号機の方向と重なったり、前方視野と重なったりしない経路を案内するようにした車両用経路案内装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来技術として、特開平1−130299号公報に開示された起終点を指定すると最短距離経路、最短時間経路及び最少費用経路が算出され、表示装置に表示されるもの並びに特開平1−132911号に開示された現在位置と現在時刻のデータから太陽及び月の運行を算出し車両の進行方位に対する太陽及び月の見かけの方向を表示することにより、方位センサの誤りを検出可能にするものが知られている
すなわち、上記特開平1−30299号公報に開示された従来技術は、設定装置を用いて出発地、目的地を入力すると、メモリーに記録されている道路地図データを用いて、最短距離経路、最短時間経路及び最小費用経路を算出し、これらの算出結果を表示装置に表示する機能を有する車両用経路案内装置である。
【0003】
また、上記特開平1−132911号に開示された従来技術は、車両の現在位置と現在時刻から太陽又は月の方向を算出し、この算出結果を表示装置に表示することにより、表示された太陽又は月の方向と現実に見える太陽又は月の方向の比較を可能とし、この比較により、方位センサーの誤りを検出できるようにした装置である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これらの従来技術による装置では、前記の経路案内や方位センサーの誤りの検出は可能であるが、太陽光に対する防眩機能を果たすことはできない。
【0005】
すなわち、早朝や夕方において太陽が車両の前方に見える場合には、サンバイザーを使用しても眩しくて前方が見にくいという問題があり、また、運転者が信号機を診ようとする時、その方向に太陽があった場合には、信号表示を見ることが極めて困難であるという問題がある。
【0006】
例えば、朝夕の太陽光が車両前方から入斜する場合、なかでも信号機と太陽の方向が重なる場合及び自車のボンネットで反射した太陽光が車両前方の道路と重なる場合には、信号又は前方路上がほとんど見えないため、極めて運転がしづらく、安全上の大きな問題となっている。
【0007】
そこで、本発明は以上のような点に鑑みてなされたもので、上述した従来技術による問題を解決するため、太陽光が眩しくない経路を算出し、この算出結果を運転者に知らせることができるようにした車両用経路案内装置を提供することを目的としているものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明によると、複数の経路を走行した場合の各道路上における車両の位置、方向と信号機、太陽の位置から太陽が眩しいために運転に支障がある道路を検索する手段と、前記複数の経路の中から太陽の眩しさを避けて走行できる経路を選択する手段とを有する車両用経路案内装置が提供される。
【0009】
また、本発明によると、太陽が眩しい時は北又は南に向かう道路を選択する請求項1に記載の車両用経路案内装置が提供される。
また、本発明によると、太陽が眩しい時は東西の方向に対し斜めの方向に向かう道路を選択する請求項1に記載の車両用経路案内装置が提供される。
【0010】
また、本発明によると、複数の経路を走行した場合の各道路上における車両の位置、方向と信号機、太陽の位置から太陽が眩しいために運転に支障がある道路を検索する手段と、眩しさを避けるための出発時刻を算出し、これを表示する手段とを有する車両用経路案内装置が提供される。
【0011】
また、本発明によると、信号交差点の停止線の位置と信号機の位置を記憶する記憶装置と、CPUにより算出された最短経路を走行した場合に、前記停止線の手前から見て太陽の方向と前記信号機の方向が同じになる信号交差点があるかを検索し、もしあれば、その交差点を前記停止線の手前から見て前記太陽の方向と前記信号機の方向が同じになる時刻には通過しない経路を算出し、運転者に知らせる手段を有する車両用経路案内装置が提供される。
【0012】
また、本発明によると、請求項1乃至3の何れか1項に記載の車両用経路案内装置において、前記経路を選択するかどうかの問い合わせをすることにより、最終的に経路を決定する手段を有する車両用経路案内装置が提供される。
【0013】
【作用】
本発明はサンバイザによる太陽光の防眩効果には限界があることに着目し、目的地に到る複数の経路の中から太陽光が眩しくて運転に支障をきたすことがない経路を算出し、運転者に知らせることを意図する。
【0014】
このため、本発明の車両用経路案内装置においては、目的地に至る複数の経路の中から、太陽光が眩しくない経路を選択し、運転者に知らせる。
そして、眩しくない経路の選択は、出発時刻と、目的地到着予想時刻と、走行中の太陽の位置とから、車両進行方向の前方に太陽が見えない道路を選択することにより行う。
【0015】
【実施例】
以下、図面を参照して本発明の実施例について説明する。
本発明の一実施例による車両用経路案内装置は、図1に示すように、出発地、出発時刻、目的地等を入力するための設定装置6と、道路地図データと、屈曲点で分割した道路の各々の距離、制限速度、方向などの属性と、信号交差点の形状と、停止線の手前から見た信号機の方角等を記憶する記憶装置7と、時計8と、これらと接続された中央処理装置(CPU)9と、CPU9の処理結果等を表示する表示装置10とで構成される。
【0016】
以上において、記憶装置7は車両の走行可能な道路の地図データを収容すると共に、この道路の地図データを各屈曲点ごとに分割して、この分割ごとに走行距離、走行に要する時間、信号機の位置、道路の方向等の属性データを記憶している。
【0017】
そして、設定装置6により、図2に示すような起終点1,4及び出発時刻が指示されると、CPU9は属性データから起終点1,4間の最短距離経路、最短時間経路を算出すると共に、これらの経路を走行した場合の各道路A,B上における車両の位置、方向と信号機、太陽5の位置から太陽5が眩しいために運転に支障がある道路Aを検索する。
【0018】
また、CPU9は太陽が眩しい道路Aが検索された場合、この道路Aを通過しないようにするかあるいは時刻をずらして通過する最短距離経路、最短時間経路等を算出し、これらを表示装置10に表示する。
【0019】
このような構成・作動により例えば地点3を経て太陽5の眩しさをさけて運転できる道C,Dが案内されるので安全運転ができるとともに疲労を未然に軽減することができる。
【0020】
また、記憶装置7に前回の走行データを記憶しておくことにより、次回走行前に走行経路だけでなく、出発時刻を少しずらした方が良い等の案内を事前にすることも可能である。
【0021】
以下、図3,図4に示すフローチャートに沿って作用を説明する。
上述した如く設定装置6により、出発地、出発時刻、目的地を入力すると、CPU9により最短経路と、目的地への到着時刻が算出される(ステップS1,S2)。
【0022】
次に、算出された最短経路を走行した場合の走行中における太陽の位置と車両の相対位置を算出し、この算出結果をもとに、運転者から見た太陽の方向がサンバイザーの下端より下方で、進行方向の左右15度以内に見える道路があるかを検索し、もしあればその時刻にその道路を選択しないで、その道路とは方角が異なる道路を選択する(ステップS3〜S12)。
【0023】
以下に具体例にて道路選択の方法を示す。
一例として、図2のように目的地4が出発地1に対してほぼ北東の方角にある場合について説明する。
【0024】
今、CPU9により算出された最短経路は矢印Aのようにまず東向きに走行し、途中2から矢印Bのように北に進む経路であったとする。
次に、この最短経路を走行した場合の太陽と車両の相対位置をCPU9により計算した結果、矢印Aのように東に向かって走り出すと出発後しばらくの間は太陽光が低い角度で運転席に入射するため眩しいという結果が算出されたとする(ステップS3)。
【0025】
この場合には、CPU9は、出発時には矢印Cのように北の方角に進み、途中3から矢印Dのように東に進む経路を眩しくない経路として、表示または音声で運転者に知らせる(図5(a)参照)。
【0026】
前記とは逆に図2の目的地4への到着前に太陽が眩しくないという計算結果が出た場合には、出発後は矢印Aのように東へ進み、途中2から目的地4への到着前において矢印Bで示すように北に進む経路を太陽光が眩しくない経路として、表示または音声で運転者に知らせる(図5(b)参照)。
【0027】
次に、東の方角に目的地がある場合について図6により説明する。
前述のようにして最短経路を進む場合における太陽と車両の相対位置を計算した結果、出発後に太陽光が低い角度で運転席に入射し、眩しいという結果が算出されたとする。
【0028】
この場合はCPU9は、図6(a)のように出発後しばらくは東の方角に対して斜めに進む道路を選択し、右左折を交互に繰り返すことにより、ジグザグに進む経路を選択し、太陽が登った後は東に直進する経路を選択する。
【0029】
逆に、到着の直前に太陽光が低く入射する場合は、CPU9は、図6(b)のように出発直後は東へ直進し、目的地の手前ではジグザグに進む経路を選択する。
【0030】
CPU9は選択した経路と、その経路を走行した場合の目的地到着予想時刻を、表示または音声にて運転者に知らせる。
以上の例では早朝の太陽を想定して北東と東に目的地がある場合について説明したが、他の方角例えば、東北東,南東などの方角についても同様の処理をすることにより、眩しくない経路を選択することができる。
【0031】
また、夕方の太陽については、前記の方角において東を西と置き換えて同様の処理をすることにより眩しさを避ける経路を選択することができる。
なお、朝夕の太陽光が眩しいために運転者の視野が確保できないのを避ける他の方法として、前述の推奨経路を算出する手法の他に、眩しさを避けられる出発時刻を算出し、出発時刻の変更を勧める案内もできる。
【0032】
この場合、出発予定時刻の数時間以上前にあらかじめ走行計画を設定するのが望ましい。
なお、CPU9により算出された前述の推奨経路を選択するかどうかの問い合わせを運転者にすることにより、最終的に経路を決定することができる。
【0033】
例えば、「距離が1割増加しますが、よろしいですか。」とか、「時間が1割増加しますが、よろしいですか。」という問いかけをする。
これに対し、運転者は、距離や時間の増加が許される範囲であるかを確認した上で、眩しくない経路を選択することができる。
【0034】
以上の説明においては、前方の太陽光が眩しい場合を想定したが、眩しさを特に避けたい場合として、太陽の方向と見ようとする信号の方向が一致する場合がある。
【0035】
これに対しては、信号交差点の停止線の位置と信号機の位置を記憶装置7に記憶させておき、CPU9により算出された最短経路を走行した場合に、停止線の手前から見て太陽の方向と信号機の方向が同じになる信号交差点があるかを検索し、もしあれば、その交差点をその時刻には通過しない経路を算出し、運転者に知らせることができる。
【0036】
上述したように、CPU9により目的地に至る最短経路を算出した後に、太陽光が眩しい道路があるかどうかを検索し、もしあれば太陽光が眩しくない最短経路を算出し、この経路を運転者に知らせることにより、出発前に太陽光が眩しくない最短経路を選択することができる。
【0037】
また、太陽光の眩しさを避ける経路を選択すると最短経路ではなくなる場合には到着予想時刻を推奨経路とともに表示することにより、運転者に選択させることができるという効果もある。
【0038】
また、眩しさを避けるための出発時刻をCPU9により算出し、これを表示することにより、運転者は予定の経路は変えずに出発時刻を変更することにより、眩しさを避けることができるという効果もある。
【0039】
【発明の効果】
従って、以上詳述したように、本発明によれば従来技術による問題点を解決するため、太陽光が眩しくない経路を算出し、この算出結果を運転者に知らせることができるようにした車両用経路案内装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の構成を示すブロック図。
【図2】本発明の作用を説明するための図。
【図3】本発明の作用を説明するためのフローチャート。
【図4】本発明の作用を説明するためのフローチャート。
【図5】本発明の作用を説明するための図。
【図6】本発明の作用を説明するための図。
【符号の説明】
6 設定装置
7 記憶装置
8 時計
9 CPU
10 表示装置
Claims (6)
- 複数の経路を走行した場合の各道路上における車両の位置、方向と信号機、太陽の位置から太陽が眩しいために運転に支障がある道路を検索する手段と、
前記複数の経路の中から太陽の眩しさを避けて走行できる経路を選択する手段と
を有する車両用経路案内装置。 - 太陽が眩しい時は北又は南に向かう道路を選択する請求項1に記載の車両用経路案内装置。
- 太陽が眩しい時は東西の方向に対し斜めの方向に向かう道路を選択する請求項1に記載の車両用経路案内装置。
- 複数の経路を走行した場合の各道路上における車両の位置、方向と信号機、太陽の位置から太陽が眩しいために運転に支障がある道路を検索する手段と、
眩しさを避けるための出発時刻を算出し、これを表示する手段と
を有する車両用経路案内装置。 - 信号交差点の停止線の位置と信号機の位置を記憶する記憶装置と、
CPUにより算出された最短経路を走行した場合に、前記停止線の手前から見て太陽の方向と前記信号機の方向が同じになる信号交差点があるかを検索し、もしあれば、その交差点を前記停止線の手前から見て前記太陽の方向と前記信号機の方向が同じになる時刻には通過しない経路を算出し、運転者に知らせる手段
を有する車両用経路案内装置。 - 請求項1乃至3の何れか1項に記載の車両用経路案内装置において、
前記経路を選択するかどうかの問い合わせをすることにより、最終的に経路を決定する手段を有する車両用経路案内装置。
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