JP3550706B2 - ディスク装置 - Google Patents

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JP3550706B2
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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、CDプレーヤやCD−ROMドライブ等のディスク装置に関し、特に、記録及び/又は再生用のディスクをディスクトレー上に載せてディスク装置本体内にローディングするものに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、CDプレーヤやCD−ROMドライブ等のディスク装置では、図40及び図41の(A)に示すように、扁平な箱型に形成されたディスク装置本体1の前面に横長の開口1aを形成し、この開口1aからディスクトレー2を矢印a、a′方向に水平に出し入れ自在に取り付けている。そして、合成樹脂等で成形されたディスクトレー2の水平な天板2a上にほぼ円形の凹所3を形成し、CDやCD−ROM等の記録及び/又は再生用のディスク4をこの凹所3内に挿入してディスク載置面3a上に水平に載せた後、図42に示すように、ディスクトレー2によってディスク4をディスク装置本体1内に矢印a方向から水平にローディングするように構成されている。
【0003】
この際、図43及び図44に示すように、ディスクトレー2の凹所3の中央部からローディング方向(矢印a方向)側の端部にかけて切欠き5が形成されており、ディスク装置本体1内の上下に、ディスクテーブル6及び光学ピックアップ7と、ディスククランパー8が配置されている。
【0004】
そして、図43に示すように、ディスクトレー2がディスク装置本体1外に矢印a′方向にイジェクトされた状態では、ディスク装置本体1内のディスクテーブル6及び光学ピックアップ7と、ディスククランパー8とがそれぞれ上下一対の支持フレーム9、10によって支点軸11、12を中心にディスクトレー2の上下方向である矢印b、c方向に退避されている。
【0005】
そして、図44に示すように、ディスクトレー2がディスク装置本体1内に矢印a方向からローディング完了された時に、上下一対の支持フレーム9、10が支点軸11、12を中心に矢印b′、c′方向に同時に回転駆動される。そして、ディスクトレー2の切欠き5内にディスクテーブル6及び光学ピックアップ7が下方から矢印b′方向に挿入されて、ディスクテーブル6がディスク4の中心穴4aに下方から嵌合しながら、ディスク4をディスクトレー2の凹所3のディスク載置面3aから上方に浮かす。そして、矢印c′方向から下降されるディスククランパー8とディスクテーブル6との間でディスク4をチャッキングすると共に、光学ピックアップ7をディスク4の下面に近接させる。
【0006】
そして、この後、ディスクテーブル6によってディスク4が回転駆動され、光学ピックアップ7によってディスク4の記録及び/又は再生が行われる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来のこの種ディスク装置は、図40及び図41の(A)に示すように、ディスクトレー2の凹所3のディスク載置面3aにディスク4を水平に載置してローディングするようにした水平使用専用機であり、垂直使用には不向きであった。
【0008】
即ち、図41の(B)に示すように、ディスクトレー2をディスク装置本体1と共に垂直に立てて使用すると凹所3が垂直になるため、この凹所3内にディスク4を垂直に載せようとしても、凹所3の外周のテーパー面3b部分でディスク4が自重で矢印d方向にすべり落ちてしまい、ディスク4をディスクトレー2上に載せることができないと言う問題があった。
【0009】
一方、特に、CD−ROMドライブ業界では、コンピュータの小型化に伴うディスク装置の狭いスペース内への設置を目的として、ディスク装置の垂直使用の要望が強まっている。
【0010】
本発明は、上記の要望に応えるべくなされたものであって、1つのディスク装置を水平及び垂直の両方に使用することができ、しかも、垂直使用時でも、ディスクをガタツキのないように安定良く垂直に保持してローディングできるようにしたディスク装置において、特に、ディスクトレーのローディング完了に伴うディスク保持手段によるディスクの保持の解除動作と、その保持が解除されたディスクのディスクテーブルへの装着動作とを簡単な機構で、タイミング良く、スムーズに行えるようにすることを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するための本発明のディスク装置は、記録及び/又は再生用のディスクを凹所内に挿入してディスク装置本体に対してローディング及びイジェクトするディスクトレーと、上記ディスクトレーに取り付けられて、上記凹所内に挿入された上記ディスクの外周を保持するディスク保持手段と、上記ディスクトレーに取り付けられて、上記ディスク保持手段による上記ディスクの保持状態を解除する解除手段と、上記ディスク装置本体内に設けられて、上記ディスクトレーによってローディングされた上記ディスクが装着されるディスクテーブルとを備えたディスク装置において、上記ディスクトレーに取り付けられて、そのディスクトレーに対してローディング方向及びイジェクト方向に移動自在に構成され、上記ディスクトレーに対するローディング方向への移動によって上記解除手段を駆動するラックレバーと、上記ラックレバーを上記ディスクトレーに対してイジェクト方向に移動付勢するラックレバー付勢手段と、上記ディスク装置本体に取り付けられて、上記ラックレバーをローディング方向及びイジェクト方向に駆動するモータ、ギアトレイン及びピニオンからなるディスクトレー駆動機構と、上記ディスク装置本体に設けられて、ローディング完了された上記ディスクトレーを停止させることによって上記ラックレバーを上記ラックレバー付勢手段に抗してオーバーストローク動作させるためのトレーローディングストッパーと、上記ディスク装置本体に取り付けられて、上記ディスクテーブルを昇降駆動するディスクテーブル昇降機構と、上記ディスク装置本体に取り付けられて、上記ディスクトレーのローディング完了後におけるラックレバーのオーバーストロークによって駆動されて、上記ディスクテーブル昇降機構を上昇駆動して上記ディスクテーブルに上記ディスクを装着するカム機構とを備えたものである。
【0012】
【作用】
上記のように構成された本発明のディスク装置は、ディスクトレーに取り付けられたラックレバーをラックレバー付勢手段によってイジェクト方向に移動付勢させることによって、ディスクトレーに取り付けられたディスク保持手段を保持状態に付勢して、ディスクトレーの凹所内に挿入されたディスクをディスク保持手段によって保持する。ディスクトレーのローディング及びイジェクトはディスク装置本体に取り付けられてラックレバーを駆動するモータ、ギアトレイン及びピニオンからなるディスクトレー駆動機構によって行う。その際、ローディング時には、ディスクトレーのローディング完了後のラックレバーのオーバーストローク駆動により、解除手段を介してディスク保持手段によるディスクの保持を自動的に解除すると共に、カム機構を介してディスク昇降機構を上昇駆動して、ディスクテーブルへのディスクの装着を自動的に行う。
【0013】
【実施例】
以下、本発明を適用したディスク装置の実施例を図1〜図39を参照して説明する。なお、図40〜図44と同一構造部には同一の符号を付して説明の重複を省く。
【0014】
[ディスクトレーの説明]
まず、図22〜図39によって、ディスクトレーについて説明する。
【0015】
[ディスクトレーの形状説明]
まず、図24〜図28に示すように、ディスクトレー2の凹所3の外周で、ローディング方向及びイジェクト方向である前後方向(矢印a、a′方向)及び左右方向(矢印a、a′方向に対して直角な方向)の4隅に4つの溝14が形成されている。そして、これらの溝14は凹所3の中心Oからの2本の放射線Pに沿って形成されている。そして、これら4つの溝14内にはディスク保持手段である4つのロックアーム15が取り付けられている。
【0016】
[ロックアームの説明]
次に、図22、図23、図29〜図34に示すように、ロックアーム15は合成樹脂等にて成形されたものであって、先端15aを凹所3の中心O側に向けて溝14内に遊嵌されていて、その先端15aが溝14を下方から上方に挿通して凹所3のテーパー面3bからディスク載置面3aの上方に突出されている。そして、ロックアーム15の他端15bがディスクトレー2の天板2aの下に配置され、その他端15bの両側に一体成形された一対のガイドピン16がディスクトレー2の天板2aの下面で溝14の両側に一体成形された一対のほぼU字状摺動ガイド17で摺動自在及び回転自在に保持されている。
【0017】
従って、ロックアーム15は溝14と一対の摺動ガイド17とによって保持されていて、一対のガイドピン16が一対の摺動ガイド17に沿って矢印e、e′方向に摺動自在に構成され、一対のガイドピン16を中心にロックアーム15が矢印f、f′方向に回転自在に構成されている。
【0018】
これにより、ロックアーム15が先端15aを溝14の上方に突出させた状態で、放射線Pに沿ってディスク載置面3aと平行な方向である矢印e、e′方向に水平に移動自在に構成されると共に、ロックアーム15の先端15aがディスク載置面3aに対してほぼ直角な方向である矢印f、f′方向に回転自在に構成されている。
【0019】
そして、溝14の遊端部でディスクトレー2の天板2aの下面に一体成形されたバネ受板18のバネ支持ピン18aとロックアーム15の他端15bの下部に一体成形されたバネ支持ピン15cとの間に付勢手段である圧縮コイルバネ19が取り付けられていて、この圧縮コイルバネ19によってロックアーム15が凹所3の中心O側である矢印e方向に移動付勢されると共に、ロックアーム15の先端15aがディスク載置面3aから上方に離間する方向である矢印f方向に回転付勢されている。
【0020】
なお、ロックアーム15の矢印e方向の前進位置規制はストッパー兼用の一対の摺動ガイド17で行われ、ロックアーム15の矢印i方向の回転位置規制は後述する解除手段によって行われる。
【0021】
そして、ロックアーム15の先端15aにはディスク載置面3aに対して直角な方向である矢印f、f′方向に沿ってほぼ山形に屈曲された第1、第2の斜面20、21が形成されている。
【0022】
そして、ロックアーム15の先端15aと他端15bとの間の上面に後述する解除アーム摺動面22が形成されていて、この解除アーム摺動面22は先端15a側に形成された水平な段部22aと、その段部22aから他端15b側に向けて次第に低くなるように形成された斜面22bとによって形成されている。
【0023】
[解除レバーの説明]
次に、図27、図35〜図39に示すように、解除手段を構成する左右一対の解除レバー24は合成樹脂等にて成形されていて、これら一対の解除レバー24がディスクトレー2の天板2aの下部で左右両側位置に平行状で対称状に取り付けられている。そして、これら一対の解除レバー24の前後方向に沿った長さ方向の両端24aから斜め前後方向に対称状に延出された一対の解除アーム25が一対のロックアーム15の解除アーム摺動面22上にほぼ直交する状態で載置されている。そして、これら一対の解除レバー24の長さ方向の中央部の上部に一体成形された垂直なカム従動ピン26がディスクトレー2の天板2aの下面に形成された左右方向(矢印g、g′方向)に沿った一対の長穴27内に遊嵌されている。
【0024】
そして、一対の解除レバー24の長さ方向の両端24aがディスクトレー2の天板2aの下面に一体成形された各一対、合計4つのボス28間に配置され、これらのボス28の下面にビス止めされた各一対、合計4つのワッシャー29で下方から支えられている。
【0025】
従って、一対の解除レバー24はディスクトレー2の天板2aの下面に沿って左右方向である矢印g、g′方向に移動自在に取り付けられている。
【0026】
そして、板金等でほぼU字状に形成されたカムレバー31の広巾の両端部31aが一対の解除レバー24の長さ方向の中央部とディスクトレー2の天板2aの下面との間に水平に介在されている。
【0027】
そして、これら広巾の両端部31aに対称状に形成されたほぼクランク形状のカム溝32に一対の解除レバー24の一対のカム従動ピン26が貫通されていて、これらカム従動ピン26とカム溝32とによってカム機構33が構成されている。
【0028】
[ラックレバーの説明]
そして、ディスクトレー2の天板2aの下面の一側部に合成樹脂等によってほぼL形に成形されたラックレバー35が水平に取り付けられている。このラックレバー34は天板2aの下面に形成されたローディング方向及びイジェクト方向である前後方向(矢印a、a′方向側)と平行なガイド溝(図示せず)に沿って矢印a、a′方向に摺動自在に構成され、一対のワッシャー29で下方から支えられている。そして、このラックレバー34の一側面に矢印a、a′方向と平行なラック35が形成されていて、ディスク装置本体1内に取り付けられた後述するディスクトレー駆動機構のモータによって回転駆動されるピニオン36がラック35に噛合されている。
【0029】
そして、ラックレバー34の矢印a′方向側の先端から水平方向に直角に一体成形された先端アーム34aの先端に、カムレバー31の長さ方向の中央部から下方に垂直に折り曲げられた連結部31bが上方から差し込まれて一体に連結されている。
【0030】
そして、ラックレバー34に一体成形されたバネ係止部34bと、ディスクトレー2の天板2aの下面に一体成形されたバネ係止部37との間にラックレバー付勢手段である引張コイルバネ38が架設されていて、この引張コイルバネ38によってラックレバー34がディスクトレー2の天板2aに対して矢印a′方向に移動付勢されて、その天板2aの前端側の下面に一体成形されたストッパー39に矢印a′方向から当接されている。
【0031】
なお、ディスクトレー2の天板2aの下面には、一対の解除レバー24の矢印g方向の位置決め用の各一対、合計4つのストッパー40やカムレバー31の広巾の両端部31aを案内する一対のガイドピン41等が一体成形されている。
【0032】
[垂直使用の説明]
次に、以上のように構成されたディスクトレー2によれば、図24〜図26に示すように、ディスク装置本体1及びディスクトレー2を垂直に立てて使用する垂直使用が可能である。
【0033】
この際、まず、図24に示すように、ディスクトレー2をディスク装置本体1から矢印a′方向にイジェクトした状態では、図35に示すように、ラックレバー34が引張コイルバネ38によって矢印a′方向に摺動されてストッパー39に当接されている。
【0034】
そして、ラックレバー34と一体にカムレバー31が矢印a′方向に移動され、一対のカム機構33の一対のカム溝32によって一対のカム従動ピン26が一対の長穴27に沿って矢印g方向に駆動される。
【0035】
従って、一対の解除レバー24が矢印g方向に平行に移動されて、各一対のストッパー40に当接され、図30〜図32に示すように、これらの解除アーム25がロックアーム15の解除アーム摺動面32上を矢印j方向に移動されて、段部22a上に達している。
【0036】
これにより、図31及び図32に示すように、4つのロックアーム15が4つの解除アーム25によって4つの圧縮コイルバネ19に抗して矢印f′方向に押えつけられて、水平状に保持される。そして、この水平状態で、4つのロックアーム15が4つの圧縮コイルバネ19によって矢印e方向に前進された保持位置に位置決めされている。
【0037】
そこで、図24に示すように、ディスク4を垂直姿勢のままで、垂直なディスクトレー2の凹所3内の中心Oに向けて水平方向である矢印h方向から平行に挿入するだけの簡単なワンタッチ装着方法により、図22及び図25に示すように、垂直姿勢のままで凹所3内に挿入されたディスク4の外周4bの4箇所が4つのロックアーム15によって同時に保持されて、ディスク4が凹所3内の中心Oにガタツキのないように安定良く正確に位置決めされる。
【0038】
即ち、図31及び図32に示すように、ディスク4を凹所3内に矢印h方向から挿入する際、1点鎖線で示すようにディスク4の外周4bが4つのロックアーム15の先端15aの4つの第1の斜面20に押圧される。
【0039】
すると、これら4つの第1の斜面20による案内作用によって4つのロックアーム15が1点鎖線で示すように4つの圧縮コイルバネ19に抗して矢印e′方向に後退されて、ディスク4の外周4bが4つのロックアーム15の先端15aの第1の斜面20から第2の斜面21側にすべり込む。
【0040】
すると、その瞬間に、4つのロックアーム15が4つの圧縮コイルバネ19によって凹所3の中心Oに向って矢印e方向に前進される。すると、今度は、4つのロックアーム15の先端15aの4つの第2の斜面21による案内作用によってディスク4の外周4bが矢印h方向に押圧されて、ディスク4が凹所3内のディスク載置面3aに平行に圧着される。
【0041】
以上の結果、図22及び図25に示すように、ディスク4が垂直姿勢のままで、4つのロックアーム15によって凹所3内にガタツキのないように安定良く保持される。そして、凹所3の中心Oに向って矢印e方向に前進する4つのロックアーム15によってディスク4の外周4bの4箇所を矢印e方向から均等に押圧することができるので、ディスク4を凹所3の中心Oに正確に位置決めすることができる。
【0042】
[ディスクローディング動作の説明]
次に、このディスク装着後にディスクトレー2のフロントパネル2bを矢印a方向に押すと、後述するイジェクトスイッチが操作されて、図35に示すように、ディスクトレー駆動機構のモータによってピニオン36が矢印i方向に正回転駆動され、ラックレバー34のラック35が矢印a方向に駆動される。
【0043】
すると、引張コイルバネ38を介してラックレバー34と一体にディスクトレー2が矢印a方向に引張られて、図26に示すように、ディスクトレー2が垂直姿勢のままでディスク装置本体1内に矢印a方向にローディングされる。
【0044】
なお、ディスク装置本体1内に矢印a方向からローディング完了されたディスクトレー2は、ディスク装置本体1内の後述するトレーローディングストッパーに当接して停止する。なお、この際、ディスク4をガタツキのないように安定良く垂直に保持してローディングすることができるので、図25に示したディスク装置本体1の垂直姿勢を上下何れに反転しても使用可能である。
【0045】
そして、このディスクトレー2の停止後に、図36に示すように、ディスクトレー駆動機構のモータによってピニオン36が引き続き矢印i方向にオーバーストロークの回転を行う。
【0046】
すると、図36に示すように、ディスクトレー2に対してラックレバー34が1点鎖線の復動位置から実線の往動位置まで引張コイルバネ38に抗してオーバーストロークSだけ矢印a方向に移動され、ラックレバー34の先端アーム34aによってカムレバー31が一対のガイドピン41で案内されながらディスクトレー2に対して矢印a方向に上記オーバーストロークSだけ移動される。
【0047】
そして、カムレバー31の一対のカム機構33の一対のカム溝32によって一対のカム従動ピン26が一対の長穴27に沿って矢印m方向に駆動されて、一対の解除レバー24が矢印g′方向に平行移動されて、図33及び図34に示すように、これらの解除アーム25がロックアーム15の解除アーム摺動面22上を段部22a上から斜面22b上へ矢印j′方向に移動する。
【0048】
すると、図33及び図34に示すように、4つのロックアーム15が4つの圧縮コイルバネ19によって4つのガイドピン16を中心に非保持位置まで矢印f方向に回転されて、4つのロックアーム15の先端15aの第2の斜面21がディスク4の外周4bから矢印f方向に離間され、ディスク4の保持が解除される。
【0049】
そして、これとほぼ同時に、後述するように、図23に示すように、ディスクテーブル6がディスク4の中心穴4aに矢印b′方向から嵌合されると共に、ディスクテーブル6のチャッキングマグネット6aによってディスククランパー8のチャッキングプレート8aが吸着されて、ディスククランパー8が矢印c′方向からディスク4の中心穴4aの外周をディスクテーブル6上にマグネットチャッキングして、ディスク4がディスクトレー2の凹所3のディスク載置面3aから矢印h′方向に浮かされる。
【0050】
この際、前述したように、4つのロックアーム15によってディスク4をディスクトレー2の凹所3の中心Oに正確に位置決めした状態でローディングしているので、ディスクテーブル6をディスク4の中心穴4aに矢印b′方向からスムーズに嵌合させることができて、ディスクテーブル6とディスククランパー8によるディスク4のマグネットチャッキング動作をスムーズに行うことができる。従って、ディスク4のチャッキングミスが発生しない。
【0051】
そして、このディスクチャッキングの完了状態では、図33及び図34に示すように、ディスクトレー2の凹所3のディスク載置面3aとディスク4との間に隙間G が形成され、ディスク4の外周4bと4つのロックアーム15の先端15aとの間に隙間G が形成される。
【0052】
従って、この後に、図23に示したスピンドルモータ44のスピンドル45によってディスクテーブル6を回転駆動し、ディスクテーブル6と一体にディスク4を回転駆動して、ディスク4の記録及び/再生を行う際、ディスク4はディスクトレー2及び4つのロックアーム15に対して非接触状態で安定良く回転することができる。
【0053】
[ディスクイジェクト動作の説明]
なお、イジェクト時には、図26に示されたディスク装置本体1のフロントパネル1bに取り付けられたイジェクト釦43を押すと、後述するイジェクトスイッチが操作されて、図36に示したピニオン36がディスクトレー駆動機構のモータによって矢印i′方向に逆回転駆動される。
【0054】
すると、前述したローディング時の逆動作で、後述するように、ディスクテーブル6とディスククランパー8がディスク4に対して矢印b、c方向に離脱されるのとほぼ同時に、図22に示すように、ディスク4の外周4aが4つのロックアーム15によって保持された後、ディスクトレー2によってディスク4が図25に示すようにディスク装置本体1外に矢印a′方向にイジェクトされる。
【0055】
なお、図25に示したイジェクト後に、ディスク4を矢印h′方向に引っ張れば、図31及び図32に1点鎖線で示すように、4つのロックアーム15の先端15aの第2の斜面21による案内作用によって、4つのロックアーム15が4つの圧縮コイルバネ19に抗して矢印e′方向に逃げるので、ディスク4を4つのロックアーム15の先端15a間から矢印h′方向にワンタッチで簡単に抜き取ることができる。
【0056】
[ディスク装置本体の説明]
次に、図1〜図21によって、ディスク装置本体について説明する。
【0057】
[ディスク装置本体の箱型構成の説明]
まず、図5に示すように、ディスク装置本体1は、合成樹脂等で成形され、横長の開口1aが形成されたフロントパネル1bと、合成樹脂等で成形された水平なシャーシ1cとこのシャーシ1cの上下、左右及び後部を覆うステンレス薄板等で形成されたカバー1dによって扁平な箱型に構成されている。そして、シャーシ1cの下部にプリント基板1dが水平に取り付けられている。
【0058】
[ディスクトレーのガイドの説明]
次に、図1〜図6に示すように、シャーシ1c上の左右両側位置に形成された左右一対のトレーガイド51によってディスクトレー2が案内されて、このディスクトレー2が開口1aを通してディスク装置本体1内のシャーシ1c上に矢印a、a′方向から水平に出し入れ自在に取り付けられている。
【0059】
[ディスクトレーのストッパーの説明]
そして、ディスク装置本体1内へ矢印a方向からローディングされたディスクトレー2のローディング完了位置を規制するトレーローディングストッパー52及びディスク装置本体1外へ矢印a′方向にイジェクトされたディスクトレー2のイジェクト完了位置を規制するトレーイジェクトストッパー53がシャーシ1c上に一体成形されている。
【0060】
[トレー駆動機構の説明]
そして、シャーシ1c上の一側部側で、フロントパネル1a側に近接された位置にディスクトレー2を矢印a、a′方向にローディング及びイジェクト駆動するためのディスクトレー駆動機構55が取り付けられている。
【0061】
このディスクトレー駆動機構55は、図14〜図17に示すように、モータ56と、ラックレバー34を駆動する出力ギアであるピニオン36と、これらモータ56とピニオン36との間を連結するギアトレイン37とによって構成されている。そして、ギアトレイン57中には、モータ56のモータ軸56aに固着されたウォーム58と、そのウォーム58に常時噛合されたウォームホイール59と一体のクラッチ可動ギア60と、そのクラッチ可動ギア60が噛合、離脱されるように定位置で回転されるクラッチ固定ギア61等が設けられている。なお、ギアトレイン57中のクラッチ固定ギア61からピニオン36までの全てのギアはシャーシ1c上の複数のギア支軸62の外周に回転自在に取り付けられている。
【0062】
[クラッチの説明]
そして、ギアトレイン57中に組み込まれたクラッチ63は、ウォームホイール59及びクラッチ可動ギア60を回転自在に保持してシャーシ1c上の支点軸64の周りに矢印k、k′方向に回転自在に取り付けられたクラッチ従動レバー65と、シャーシ1c上の支点軸66の周りに矢印m、m′方向に回転自在に取り付けられたクラッチレバー67とを備えている。
【0063】
そして、クラッチ従動レバー65とクラッチレバー67の先端どうしをほぼ直角状に交差させて、クラッチ従動レバー65の先端に取り付けられたカム従動ピン68がクラッチレバー67の先端に設けられた円弧状の長穴であるカム溝69内に上方から係合されて、これらカム従動ピン68とカム溝69によってカム機構70が形成されている。なお、カム溝69は近似的に支点軸64を中心とした円弧状に形成されているが、そのカム溝69の曲率半径はカム従動ピン68の回転半径より大きく構成されている。
【0064】
そして、支点軸66の周りに取り付けられたクラッチレバー付勢手段である捩りコイルバネ71によってクラッチレバー67が矢印m方向に回転付勢されてシャーシ1c上のストッパー72に当接されている。そして、捩りコイルバネ71によるクラッチレバー67の矢印m方向の回転力によって、カム機構70によるカム作用によってクラッチ従動レバー65が矢印k方向に回転付勢されて、クラッチ可動ギア60がクラッチ固定ギア61に噛合付勢されるように構成されている。
【0065】
なお、このトレー駆動機構55中のギアトレイン57及びクラッチ63はシャーシ1c上に形成された凹所73内に配置されていて、図2に示すように、これらギアトレイン57及びクラッチ63の上部はステンレス薄板等のギアトレインカバー74によって覆われている。
【0066】
[イジェクトバネの説明]
次に、図1、図2、図13及び図21に示すように、ディスクトレー2の下面の一側位置で矢印a方向側に偏位された位置に下向きの突起75が一体成形されていて、この突起75によって矢印a方向側に押されるイジェクトスライダー76がシャーシ1cに形成された矢印a、a′方向と平行なガイド溝77に沿って矢印a、a′方向にスライド自在に取り付けられている。
【0067】
そして、このイジェクトスライダー76の下端とシャーシ1cの下部とに一体に成形された一対のバネ係止部78、79間にイジェクトバネである引張コイルバネ80が架設されていて、この引張コイルバネ80によってイジェクトスライダー76が矢印a′方向にスライド付勢されている。
【0068】
[ディスクトレーロック機構の説明]
次に、図1、図2、図13及び図19に示すように、ディスクトレー2の下面の一側部で矢印a方向側に偏位された位置に下向きの突起82が一体成形されていて、この突起82をロック及びロック解除するディスクトレーロック機構83がシャーシ1c上で矢印a方向側に偏位された位置に取り付けられている。
【0069】
そして、このディスクトレーロック機構83は、シャーシ1c上に支点軸84を介して矢印n、n′方向に回転自在に取り付けられたロックレバー85を有し、このロックレバー85の先端の上部に突起82をロックするロック部85aが一体成形されている。そして、このロックレバー85の先端とシャーシ1c上とに一体成形された一対のバネ係止部86、87間にロックレバー付勢手段である引張コイルバネ88が架設されていて、この引張コイルバネ88によってロックレバー85が矢印n方向に回転付勢されてシャーシ1c上のストッパー82に当接されている。
【0070】
そして、ロックレバー85の支点軸84側の端部に一体成形されたカム従動ピン89と、ディスクトレー2の下面に取り付けられているラックレバー34の矢印a方向側の端部でラック35の反対側の側面に一体成形されたカム90とによってロックレバー85を矢印n、n′方向に回転駆動するカム機構91が構成されている。
【0071】
[ラックレバーロック機構の説明]
次に、図1、図2、図13、図18〜図20に示すように、ディスクトレー2の下面に取り付けられたラックレバー34の矢印a方向側の端部と、シャーシ1c上との間にプッシュ・プッシュ方式でロック及びロック解除が行われるラックレバーロック機構93が取り付けられている。
【0072】
このプッシュ・プッシュ方式のラックレバーロック機構93は、シャーシ1c上に形成された浅い凹部94内に嵌合された板バネ95と、凹部94内でシャーシ1c上に一体成形されたネジ止め用ボス96の外周に遊嵌されて板バネ95上に配置されたロックレバー97と、そのロックレバー97の先端上に垂直に固着されたロックピン98と、ラックレバー34の矢印a方向側の端部でラック35側の側部にそのラック35より上方に偏位された状態で一体成形された水平板部99と、その水平板部99の下面に成形されたロック溝100とによって構成されている。
【0073】
なお、ボス96に上からねじ止めされたフランジ付ネジ101によってロックレバー97がボス96に係止されていて、このロックレバー97はボス96を支点にして水平方向である矢印q、q′方向と、上下方向である矢印r、r′方向に回転自在に構成されている。そして、板バネ95がロックレバー97を矢印r方向に回転付勢している。なお、ロックレバー97の遊端部97aがシャーシ1c上に形成された小巾の凹部102内に遊嵌されていて、この凹部102によってロックレバー97の矢印q、q′方向の振れ巾が規制されるように構成されている。
【0074】
そして、水平板部99の下面に形成されたロック溝100は、水平板部99の矢印a方向側の端部に開放された広巾の出入口100aと、この出入口100aの一側部から矢印a′方向にラックレバー34と平行に直線状に伸びる直線経路100bと、この直線経路100bの矢印a′方向の端部から横方向にジグザグ状に伸びるジグザグ経路100cと、このジグザグ経路100cから直線経路100bに迂回された迂回経路100dとを有している。そして、ジグザグ経路100cの途中にロックピン98をロックするロック部100eが形成されている。そして、直線経路100bからジグザグ経路100cのロック部100eまでの間には、矢印a′方向に向って次第に下降する斜面100f、逆走防止用段部100gが設けられ、ジグザグ経路100cのロック部100eと迂回経路100dとの間も逆走防止用段部100hが設けられていて、直線経路100bと迂回経路100dは同じ高さで面一状に接続されている。
【0075】
[ディスクテーブル昇降機構の説明]
次に、図1、図2、図5、図8〜図10に示すように、シャーシ1cのほぼ中央部に形成された大小2つの開口104、105内にディスクテーブル6を上下方向である矢印b、b′方向に昇降駆動するディスクテーブル昇降機構106が取り付けられている。
【0076】
このディスクテーブル昇降機構106は、シャーシ1cの矢印a方向側に形成された大型開口104内に配置された主可動フレーム107と、シャーシ1cの矢印a′方向側に形成された小型開口105内に配置された副可動フレーム108とを有している。なお、これら主可動フレーム107及び副可動フレーム108は合成樹脂等にて成形されている。
【0077】
そして、主可動フレーム107の副可動フレーム108とは反対側である矢印a方向側の左右一対の端部107aが左右一対の支点部109によってシャーシ1cに上下方向である矢印b、b′方向に回転自在に取り付けられている。また、副可動フレーム108の主可動フレーム107とは反対側である矢印a′方向側の端部108aがその左右両側に一体成形された左右一対の支点軸110によってシャーシ1cに上下方向である矢印s、s′方向に回転自在に取り付けられている。そして、これら主可動フレーム107の矢印a′方向側の中央部の先端107bと、副可動フレーム108の矢印a方向側の二股状の先端108bとが矢印a、a′方向から相対向されていて、これらの先端107b、108bどうしが連結部111によって上下方向である矢印b、b′方向及び矢印s、s′方向に相互に回転自在に連結されている。
【0078】
なお、図8の(A)に示すように、連結部111は、副可動フレーム108の二股状の先端108b間に配置されたほぼ上向きコ字状の連結アーム112を有し、この連結アーム112の左右両側に左右一対の支点軸110と平行な左右一対の支点軸113が一体成形されている。そして、その左右一対の支点軸113によって連結アーム112が副可動フレーム108の二股状の先端108b間に回転自在に取り付けられている。
【0079】
そして、連結アーム112の左右方向のほぼ中央部上にネジ止め用ボス114が垂直状に一体成形されていて、このボス114の外周にゴム等で中空のドラム状に成形された振動吸収用のインシュレータ115が嵌合されている。そして、主可動フレーム107の先端107aがこのインシュレータ115の上下方向の中間の外周に形成された環状溝116に嵌合されている。なお、ボス114に上方からネジ止めされたフランジ付ネジ117によってインシュレータ115が上方から押えられてボス114の外周に保持されている。
【0080】
また、図8の(B)に示すように、左右一対の支点部109は、それぞれシャーシ1c上に垂直状に一体成形されたネジ止め用ボス118の外周にゴム等で中空のドラム状に成形された振動吸収用のインシュレータ119が嵌合され、主可動フレーム107の矢印a方向側の左右一対の端部107aがこれらのインシュレータ119の上下方向の中間の外周に形成された環状溝120に嵌合され、ボス118に上方からネジ止めされたフランジ付ネジ121によってインシュレータ119が上方から押えられてボス118の外周に保持されている。
【0081】
そして、図1、図2、図11及び図12に示すように、主可動フレーム107の矢印a′方向側に偏位された位置にスピンドルモータ44が複数のネジ123によって固着されていて、そのスピンドル45の上端にピン124によって固着されたディスクテーブル6が主可動フレーム107の上部に配置されている。
【0082】
[ディスクテーブル昇降機構のカム機構の説明]
次に、図1、図2、図7、図9及び図10に示すように、ディスクテーブル昇降機構106には、副可動フレーム108を矢印s、s′方向に回転駆動することによって、主可動フレーム107を矢印b、b′方向に回転駆動して、ディスクテーブル6を矢印b、b′方向に昇降駆動するカム機構126が設けられている。
【0083】
このカム機構126は、シャーシ1cの小型開口105の一側部でシャーシ1cの前記凹所73内の一側部上に一体成形された左右一対のガイドレール127に沿ってシャーシ1c上で矢印a、a′方向にスライド自在に構成されたスムスライダー128と、このカムスライダー128の副可動フレーム108側に形成されたカム溝129と、副可動フレーム108の矢印a、a′方向の中間部の一側面に一体成形されて、カム溝129内に遊嵌されたカム従動ピン130とを有している。なお、カムスライダー128は合成樹脂で成形されていて、このカムスライダー128とシャーシ1c上との間に架設されたカムスライダー付勢手段である引張コイルバネ131によってカムスライダー128が矢印a′方向にスライド付勢されてシャーシ1c上のストッパー132に当接されている。また、カム溝129には低所部129a、傾斜部129b及び高所部129cが形成されている。
【0084】
そして、カムスライダー128の駆動手段がラックレバー34の先端アーム34aによって構成されていて、この先端アーム34aによってカムスライダー128が矢印a方向に押されてスライドされるように構成されている。
【0085】
[ディスクテーブルの説明]
次に、図11及び図12に示すように、ディスクテーブル6は、外周の上面にディスク4が載置される環状のディスク載置面6bが形成され、中央部の上面にディスク4の中心穴4aが嵌合される円錐台形状のセンターリングハブ6cが形成され、そのセンターリングハブ6cの上面の中央部に環状のチャッキングマグネット6aが埋設されている。
【0086】
[ディスククランパーの説明]
図3〜図5、図11及び図12に示すように、シャーシ1c上に矢印a、a′方向から水平に出し入れされるディスクトレー2の上方位置を跨ぐようにして、シャーシ1cの上部にクランパーホルダー134が水平に取り付けられている。なお、クランパーホルダー134は図2に示すようにシャーシ1cの左右両側部の上端で矢印a、a′方向の中間位置に一体成形された左右一対のクランパーホルダー取付部135に左右一対のネジ136によって上方からネジ止めされている。
【0087】
そして、このクランパーホルダー134の中央部であるディスクテーブル6の真上位置に円形中空部137が水平に形成され、その中空部137の下側の中央部に円形穴138が形成されている。そして、合成樹脂等によって円盤状に成形されたディスククランパー8がその上端の外周に一体成形されたフランジ8bによって円形中空部137内に遊嵌され、このディスククランパー8は円形穴138から下方に突出されて、フランジ8bが円形中空部137の下フランジ137a上に当接されている。そして、そのディスククランパー8の外周の下面に環状のディスク押圧面8cが形成され、中央部の下面に円錐台形状の凹部8dが形成され、その凹部8dの上部にアルミ板等の磁性板で形成されたチャッキングプレート8aが水平に埋設されている。
【0088】
[イマージェンシーイジェクト機構の説明]
次に、図1、図4、図14、図15及び図17に示すように、シャーシ1cのギアトレイン57の一側部で、フロントパネル1bの近傍位置に、クラッチ63とラックレバー34とを操作するイマージェンシーイジェクト機構140が取り付けられている。
【0089】
このイマージェンシーイジェクト機構140は、板金等で形成されたイマージェンシーイジェクト操作手段であるイマージェンシーレバー141を有し、このイマージェンシーレバー141はシャーシ1cの下部に取り付けられている。そして、シャーシ1cの下部に一体成形されたガイドピン142にイマージェンシーレバー141に形成された直線形状のガイド溝143が遊嵌され、また、イマージェンシーレバー141の矢印a方向側の端部上に形成されたガイドピン143がシャーシ1cに形成されたほぼクランク形状のガイド溝145に遊嵌されている。
【0090】
そして、ガイドピン144によって矢印a方向に押される突起146がラックレバー34の一側面に一体成形されている。また、クラッチ63のクラッチレバー67の一側面に一体に形成された突片67aがシャーシ1cの凹所73の一側面に形成された切欠き147内に挿入されていて、この突片67a上に形成されたカム従動ピン148と、イマージェンシーレバー141のクラッチ63側の側面に形成されたカム面149とによってカム機構150が形成されている。
【0091】
そして、イマージェンシーレバー141は一対のガイドピン142、144及びガイド溝143、145によって案内されて、図15に示すようにガイドピン144及びカム面149が突起146及びカム従動ピン148に対して非係合状態となる非係合位置(復動位置)と、ガイドピン144及びカム面149が突起146及びカム従動ピン148に対して係合状態となる係合位置(往動位置)との間でイマージェンシーレバー141が矢印t、t′方向に移動自在に構成されている。なお、このイマージェンシーレバー141はシャーシ1cとの間に架設されたイマージェンシーレバー付勢手段である引張コイルバネ151によって矢印t′方向の非係合位置(復動位置)へ復動付勢されて、クラッチレバー67のカム従動ピン68やラックレバー34の突起146に対するイマージェンシーレバー141の不測な干渉が防止されている。
【0092】
そして、このイマージェンシーレバー141が非係合位置(復動位置)へ復動された時に、このイマージェンシーレバー141の矢印a′方向側の端部に一体に形成された被操作部141aがフロントパネル1bに形成されたイマージェンシー操作穴152の真後ろに近接されるように構成されている。
【0093】
[スイッチ類の説明]
次に、図1〜図3に示すように、ディスク装置本体1のフロントパネル1bにイジェクト釦43が取り付けられていて、このイジェクト釦43とディスクトレー2のフロントパネル2bとによってON−OFF操作されるマイクロスイッチであるイジェクトスイッチSW がプリント基板1eの矢印a′方向側の端部にマウントされている。また、ラックレバー34によってON−OFF操作されるマイクロスイッチであるローディング完了スイッチSW 及びディスクトレー2によってON−OFF操作されるマイクロスイッチであるイジェクト完了検出スイッチSW がプリント基板1eの矢印a及びa′方向側の端部上にマウントされていて、これらのスイッチSW 、SW がシャーシ1cに形成された貫通穴155を挿通してシャーシ1c上に突出されている。
【0094】
[光学ピックアップの説明]
次に、図1〜図5に示すように、主可動フレーム107にはディスクテーブル6より矢印a方向側に開口157が形成されていて、この開口157内に光学ピックアップ7の対物レンズ7aを有するキャリッジ7bが矢印a、a′方向に移動自在に取り付けられている。
【0095】
この際、開口157の左右両側で主可動フレーム107の下部に矢印a、a′方向と平行に取り付けられた一対のガイド軸158によってキャリッジ7bが案内されて矢印a、a′方向に移動自在に構成されている。そして、主可動フレーム107に取り付けられたリニアモータ159の一例を構成するステッピングモータ160及びギアトレイン161を介して正逆回転駆動されるピニオン162がキャリッジ7bの一側部に取り付けられたラック163を駆動することによって、キャリッジ7bが矢印a、a′方向に所定のピッチで駆動されるように構成されている。
【0096】
そして、主可動フレーム107に取り付けられているスピンドルモータ44及びステッピングモータ159はフレキシブルプリント基板(図示せず)等を介してプリント基板1eに電気的に接続されている。
【0097】
[ディスク装置本体の動作説明]
次に、以上のように構成されたディスク装置本体1のディスクトレー駆動機構55、ディスクテーブル昇降機構106、イマージェンシーイジェクト機構140等によるディスクトレー2の駆動動作を順に説明する。
【0098】
[ディスクトレーのイジェクト完了状態]
まず、図24及び図27に示したように、ディスクトレー2がディスク装置本体1内から矢印a′方向に完全にイジェクトされた状態では、図3に示すディスクトレー2の被当接部2cがシャーシ1cのトレーイジェクトストッパー53に矢印a′方向から当接されて停止し、図1に示すイジェクト完了検出スイッチ155がOFFとなっている。
【0099】
そして、このイジェクト完了状態では、図9に示すように、カムスライダー128が引張コイルバネ131によって矢印a′方向に復動されていて、副可動フレーム108のカム従動ピン130がカム溝129の低所部129aまで下降されている。
【0100】
これにより、図5の(A)に示すように、副可動フレーム108が支点軸110を中心に矢印s方向に回転され、主可動フレーム107がディスクテーブル6、スピンドルモータ44、光学ピックアップ7等の荷重によって支点部109を中心に矢印b方向に回転されて、ディスクテーブル6がディスクトレー2の挿入位置より下方に下降されている。
【0101】
また、このイジェクト完了状態では、図15に示すように、ディスクトレー駆動機構55のギアトレイン57中のクラッチ63を構成するクラッチ可動ギア60が捩りコイルバネ71による付勢力によってクラッチ固定ギア61に噛合されていて、このクラッチ63が伝動状態に保持されている。
【0102】
[ディスクトレーによるディスクローディング動作]
次に、このイジェクト完了状態で、図25及び図28に示したように、ディスクトレー2の凹所3内にディスク4を矢印h方向から挿入して、4つのロックアーム15によって図1に示したようにディスク4の外周4bを保持させた後、ディスクトレー2のフロントパネル2bを矢印a方向に軽く押す。
【0103】
すると、図1に示すイジェクトスイッチSW がOFF操作されて、ディスクトレー駆動機構55のモータ56が正回転駆動される。
【0104】
そして、図15に示すように、モータ55によってウォーム58、ウォームホイール59、クラッチ可動ギア60及びクラッチ固定ギア61を含むギアトレイン57を介してピニオン36が矢印i方向に正回転駆動され、そのピニオン36がラック35を矢印a方向に駆動する。
【0105】
そして、ラック35と一体のラックレバー34が矢印a方向に駆動されることによって、前述したように、ラックレバー34によって引張コイルバネ38を介してディスクトレー2が矢印a方向に引っ張られて、図1、図3〜図5の(B)に示すように、ディスクトレー2がディスク装置本体1内に矢印a方向から自動的にローディングされる。
【0106】
そして、図1及び図2に示すように、ローディング完了されたディスクトレー2の被当接部2dがシャーシ1cのトレーローディングストッパー52に当接して停止され、その時に、ラックレバー34によってローディング完了検出スイッチSW がONされて、ディスクトレー2のローディング完了が検出される。
【0107】
そして、ディスクトレー2がトレーローディングストッパー52に当接する直前に、図21に示すように、ディスクトレー2の突起75がイジェクトスライダー76に当接して、このイジェクトスライダー76をガイド溝77に沿って矢印a方向にスライドする。
【0108】
すると、イジェクトスライダー76によって引張コイルバネ80が矢印a方向に引っ張られて、この引張コイルバネ80にディスクトレー2のイジェクト力が自動的にチャージされる。
【0109】
一方、ローディング完了検出スイッチSW によってディスクトレー2のローディング完了が検出された後、ディスクトレー駆動機構55のモータ56が一定時間経過するまで正回転駆動を継続して行い、その一定時間経過後に、一度僅かに逆回転駆動してから自動停止するようなシーケンスがソフト(F/W)に組み込まれている。
【0110】
そして、ディスクトレー2のローディング完了が検出された後のモータ56の正回転駆動によって、図36で説明したようなラックレバー34のオーバーストロークSの駆動動作が行われる。そして、このラックレバー34のオーバーストロークSによる矢印a方向の移動動作によって、ディスクトレーロック機構83によるディスクトレー2のロック動作、ラックレバーロック機構93によるラックレバー34のロック動作、ディスクトレー2上のディスク4の保持状態の解除動作及びディスクテーブル昇降機構106によるディスクテーブル6の上昇動作によるディスクテーブル6へのディスク4の装着(チャッキング)動作が行われる。
【0111】
即ち、まず、ディスクトレー2がトレーローディングストッパー52に矢印a方向から当接して、ディスクトレー2が停止された後、モータ56が継続して正回転されることによって、図36に示したように、ラックレバー34がディスクトレー2に対してオーバーストロークS分引張コイルバネ38に抗して矢印a方向に移動される。
【0112】
この際、図19に示すディスクトレーロック機構83は、ディスクトレー2がトレーローディングストッパー52に当接されるのとほぼ同時に、図19に1点鎖線で示すように、ロックレバー85のカム従動ピン89がラックレバー34のカム90上に乗り上げて、このロックレバー85が引張コイルバネ88に抗して矢印n′方向に回転して逃げ、ディスクトレー2の突起82がロックレバー85のロック部85aに対して矢印a方向側に入り込む。
【0113】
次に、ラックレバー34がオーバーストロークSによる矢印a方向への移動を開始した瞬間に、図19に実線で示すように、ロックレバー85のカム従動ピン89に対してがラックレバー34のカム90が矢印a方向に外れるので、ロックレバー85が引張コイルバネ88によって矢印n方向に回転されて、そのロック部85aがディスクトレー2の突起82の矢印a′方向側に入り込む。
【0114】
この結果、ロックレバー85のロック部85aがディスクトレー2の突起82の矢印a′方向への移動を阻止することになって、ディスクトレー2がトレーローディングストッパー52に当接された位置にそのままロックされる。
【0115】
次に、図18〜図20に示すラックレバーロック機構93は、ラックレバー34のオーバーストロークSによる矢印a方向への移動と、最後の矢印a′方向の僅かな戻り動作によって、図19及び図20に示すように、ロックレバー97が矢印q、q′方向及び矢印r、r′方向に回転しながら、図19及び図20に示すように、ロックピン98がロック溝100内に相対的に矢印a′方向から挿入される。そして、この時ロックピン98はカム溝100の出入口100aから直線経路100b及びジグザグ経路100cの斜面100f及び段部100gを通って矢印u 、u 方向に進んでロック部100eに到達する。そして、そのロック部100eでロックピン98が自動的にロックされる。
【0116】
この時のラックレバーロック機構93のロックピン98のロック動作は、いわゆるプッシュ・プッシュ方式のロック動作であり、ラックレバー34がディスクトレー2に対してオーバーストロークSだけ矢印a方向に移動された位置でロックされることになる。
【0117】
そして、このラックレバー34のオーバーストロークSの矢印a方向への移動によって、図36に示した左右一対の解除レバー24が矢印g′方向に駆動されて、図23に示したように、4つのロックアーム15によるディスクトレー2上でのディスク4の外周の保持状態が自動的に解除される。
【0118】
一方、図5、図7〜図10に示すディスクテーブル昇降機構106は、ラックレバー34のオーバーストロークSによる矢印a方向への移動によって、そのラックレバー34の先端アーム34aがカム機構126のカムスライダー128を図9に示す復動位置から図10に示す往動位置まで引張コイルバネ131に抗して矢印a方向に押し出す。
【0119】
すると、図10に示すように、副可動フレーム108のカム従動ピン130がカムスライダー128のカム溝129の低所部129aから傾斜部129bを通って高所部129cまで押し上げられて、副可動フレーム108が支点軸110を中心に図5の(A)に示した下降位置から図5の(B)に示す上昇位置まで矢印s′方向に回転駆動される。
【0120】
そして、この副可動フレーム108の先端108bによって連結部111を介して主可動フレーム107の先端107bが上昇駆動されて、主可動フレーム107も図5の(A)に示した下降位置から図5の(B)に示す上昇位置まで矢印b′方向に回転駆動されて、この主可動フレーム107が水平となる。
【0121】
この結果、ディスクテーブル6及び光学ピックアップ7が図5の(A)に示す下降位置から図5の(B)に示す上昇位置まで矢印b′方向に上昇駆動されて、ディスクテーブル6及び光学ピックアップ7の対物レンズ7aがディスクトレー2の切欠き5内に矢印b′方向から挿入される。
【0122】
そして、図12に示すように、ディスクテーブル6のセンターリングハブ6cがディスクテーブル6上のディスク4の中心穴4aに矢印b′方向から嵌合されると共に、ディスクテーブル6のディスク載置面6bによってディスク4が矢印b′方向に押し上げられる。
【0123】
そして、この時、ディスク4によってディスククランパー8のディスク押圧面8cが矢印c方向に突き上げられて、ディスククランパー8のフランジ8bがクランパーホルダー134の円形中空部137の上下方向の中間位置まで押し上げられて、ディスククランパー8がクランパーホルダー134に対して非接触状態となる。
【0124】
更に、この時、ディスクテーブル6のチャッキングマグネット6aによってディスククランパー8のチャッキングプレート8aが矢印c′方向に吸引されて、ディスククランパー8によってディスク4がディスクテーブル6上にマグネッチャッキングされる。
【0125】
そして、この一連のディスク装着動作によって、図23に示したように、ディスク4がディスクテーブル6上に自動的に装着されると共に、その装着されたディスク4がディスクトレー2のディスク載置面3aから上方である矢印c方向に自動的に浮かされることになる。
【0126】
ところで、1つの駆動源であるラックレバー34のオーバーストロークSによる矢印a方向への移動によって、4つのロックアーム15によるディスク4の外周の保持状態を機械的に解除すると共に、ディスクテーブル6を機械的に上昇駆動して、ディスクテーブル6上へのディスク4の装着を行っているので、これら両者の動作タイミングの同期を機械的に正確にとるこができる。
【0127】
この結果、図11に示すように、矢印b′方向に上昇されるディスクテーブル6のセンターリングハブ6cがディスク4の中心穴4a内に矢印b′方向から浅く遊嵌された瞬間に、4つのロックアーム15によるディスク4の外周の保持状態を解除することができる。なお、この動作タイミングは、カムスライダー128のカムであるカム溝129の形状によって、容易、かつ、正確に設定できる。
【0128】
この結果、ディスクテーブル6上へのディスク4の装着時に、4つのロックアーム15によるディスク4の外周の保持状態と、ディスククランパー8によるディスク4のマグネットチャッキング動作とが互いに干渉することが全くない。従って、ディスク4の外周を4つのロックアーム15で保持したままで、ディスク4の中心穴4aをディスクテーブル6のセンターリングハブ6cに無理やり嵌合させてしまい、ディスク4を損傷させるような不都合が全く発生せず、ディスク4の中心穴4aをディスクテーブル6のセンターリングハブ6cの外周テーパー面に無理なく正確に嵌合させながら、ディスク4をディスクテーブル6上にスムーズにマグネットチャッキングすることができる。
【0129】
そして、このディスクテーブル6上へのディスク4の自動装着後には、図5の(B)に示すように、光学ピックアップ7の対物レンズ7aがディスク4の下面に近接される。
【0130】
従って、この後に、スピンドルモータ44によってディスクテーブル6及びディスククランパー8と一体にディスク4を回転駆動しながら、図1に示した光学ピックアップ7のリニアモータ159のステッピングモータ160によってギアトレイン162を介してキャリッジ7bのラック163を駆動し、キャリッジ7bを一対のガイド軸158に沿って矢印a、a′方向に駆動することにより、対物レンズ7aを矢印a、a′方向に移送して、ディスク4の所望の記録及び/又は再生を行うことができる。
【0131】
[ディスクトレーによるディスクのイジェクト動作]
ディスク4の記録及び/又は再生後に、図1及び図4に示すイジェクト釦43を押して、イジェクトスイッチSW をON操作するか、又はホストコンピュータからイジェクト指令信号が出力されると、図14〜図17に示すディスクトレー駆動機構55のモータ56がディスクローディング時の逆動作で、一度僅かに正回転駆動された後に逆回転駆動されるシーケンスとなる。
【0132】
すると、ディスクローディング時の逆動作で、ラックレバー34が一度矢印a方向に僅かに戻されてから矢印a′方向に移動されることになり、この時のラックレバー34の矢印a方向から矢印a′方向への切り換え移動動作によって、図18〜図20に示すラックレバーロック機構93がプッシュ・プッシュ方式のロック解除動作を行う。
【0133】
つまり、図19及び図20に示すように、ロックレバー97のロックピン98がロック溝100内のロック部100eからジグザグ経路100cの段部100hを通って迂回経路100dへ矢印u 方向に進んで、ラックレバー34のロックが自動的に解除される。そして、この後のラックレバー34の矢印a′方向への移動によって、ロックピン98が迂回経路100dから直線経路100bへ矢印u 方向に進んで、出入口100aから矢印a方向に抜ける。
【0134】
そして、ラックレバーロック機構93によるラックレバー34のロックが解除された時点では、ディスクトレーロック機構83はディスクトレー2のロック状態を保持しているので、モータ56の逆回転駆動によって図36に示すように、ピニオン36が矢印i′方向へ逆回転駆動され、引張コイルバネ38による付勢力との協働作用によってラックレバー34が図36に実線で示す位置から1点鎖線で示す位置までオーバーストロークS分だけディスクトレー2に対して矢印a′方向に移動される。
【0135】
すると、ディスクローディング時の逆動作で、図5の(A)に示すように、ディスクテーブル昇降機構106によってディスクテーブル6及び光学ピックアップ7が矢印b方向に下降されて、図11に示すように、ディスク4に対してディスクテーブル6及びディスククランパー8が矢印b、c方向に離脱されると共に、図22に示したように、4つのロックアーム15によってディスク4の外周が再び自動的に保持される。
【0136】
そして、ラックレバー34が図36に1点鎖線で示す位置まで矢印a′方向に移動された時に、図19に1点鎖線で示すように、ディスクトレーロック機構83のカム従動ピン89がラックレバー34のカム90上に乗り上げて、ロックレバー85が引張コイルバネ88に抗して矢印n′方向に回転されて、ディスクトレー2のロックが解除される。
【0137】
そして、図36に示すように、ピニオン36が引き続き矢印i′方向に逆回転駆動されることによって、ラックレバー34の先端アーム34aがディスクトレー2のストッパー39を矢印a′方向に押すので、ラックレバー34と一体にディスクトレー2がディスク装置本体1内から矢印a′方向に自動的にイジェクトされる。
【0138】
そして、図24及び図27に示したように、ディスクトレー2が矢印a′方向に完全にイジェクトされて、図3に示すイジェクトストッパー53にディスクトレー2の被当接部2cが矢印a′方向から当接してディスクトレー2が停止された時に、イジェクト完了検出スイッチ155が再びOFFされて、モータ56が自動的に停止される。
【0139】
[イマージェンシーイジェクト動作]
図1、図3〜図5の(B)に示すディスクトレー2のローディング状態で停電や何等かの故障で電源が切れた時のような緊急時にディスク装置本体1内からディスク4を取り出すためのイマージェンシーイジェクトを行う際には、図17に示すように、ディスク装置本体1のフロントパネル1bに形成されているイマージェンシー操作穴152にゼムクリップ等の針金状操作部材153を矢印a方向に押し込む。
【0140】
すると、その針金状操作部材153によってイマージェンシーレバー141の被操作部141aが矢印a方向に押されて、ガイドピン142、144及びガイド溝143、145によって案内されながらイマージェンシーレバー141が図15に示す非係合位置(復動位置)から図17に示す係合位置(往動位置)まで引張コイルバネ151に抗して矢印t方向に押し出される。
【0141】
そして、図17に示すように、まず最初に、イマージェンシーレバー141のカム面149によってクラッチレバー67のカム従動ピン148が矢印m′方向に押されて、クラッチレバー67が捩りコイルバネ71に抗して矢印m′方向に回転駆動される。
【0142】
すると、図17に示すように、カム機構70によってクラッチ従動レバー65が矢印k′方向に回転されて、クラッチ63のクラッチ可動ギア60がクラッチ固定ギア61から矢印k′方向に離脱されて、クラッチ63が非伝動状態に切り換えられ、ピニオン36が自由に回転できるようになる。
【0143】
そして、イマージェンシーレバー141を引き続き矢印t方向に更に押し込むと、クラッチ63が非伝動状態に保持されたまま、図17に示すように、イマージェンシーレバー141のガイドピン144がラックレバー34の突起146を矢印a方向に押して、ラックレバー34が引張コイルバネ38に抗して矢印a方向に押し出される。
【0144】
すると、通常のイジェクト時と同様に、ラックレバーロック機構93によるラックレバー34のロックが解除される。
【0145】
そこで、針金状操作部材153をイマージェンシー操作穴152から矢印a′方向に抜き取ると、イマージェンシーレバー141が図17に示す係合位置(往動位置)から図15の非係合位置(復動位置)まで引張コイルバネ151によって矢印t′方向に引き戻されると共に、ラックレバー34が引張コイルバネ38によってディスクトレー2に対して矢印a′方向に引き戻される。なお、この時、既にクラッチ63が非伝動状態に切り換えられているので、ピニオン36がラック35によって軽く空転する。
【0146】
そして、通常のイジェクト時と同様に、ラックレバー34が図36に実線で示す位置から1点鎖線で示す位置まで矢印a′方向に引き戻された時に、ディスクトレーロック機構83のロックが解除される。
【0147】
そして、ディスクトレー2のロックが解除された瞬間に、図21に示すように、引張コイルバネ80にチャージされていたイジェクト力によってイジェクトスライダー76が図21に1点鎖線で示す位置から実線で示す位置までガイド溝77に沿って矢印a′方向にスライドされて、イジェクトスライダー76がディスクトレー2の突起75を矢印a′方向に押す。
【0148】
この結果、ディスクトレー2がディスク装置本体1内から一定長さ(約15mm〜約20mm)だけ矢印a′方向に自動的にイジェクトされる。従って、この後に、ディスクトレー2のフロントパネル2bに手を掛けて、ディスクトレー2を手動で容易に矢印a′方向にイジェクトすることができるので、ディスクトレー2からディスク4を容易に取り外すことができる。
【0149】
なお、図15〜図17に示すイマージェンシーイジェクト機構140によれば、ギアトレイン57中に設けたクラッチ63のクラッチ可動ギア60をこれと一体のウォームホイール59によってウォーム58に常時噛合させておき、そのクラッチ可動ギア60をクラッチ固定ギア61に対して矢印k、k′方向に噛合、離脱自在に構成し、クラッチ可動ギア60が取り付けられたクラッチ従動レバー65とクラッチレバー67の先端どうしをほぼ直角状に交差させて、クラッチ従動レバー65のカム従動ピン68を、そのカム従動ピン68の回転半径より大きい曲率半径を有するクラッチレバー67の円弧状のカム溝69内に係合させたカム機構70によって、クラッチ従動レバー65とクラッチレバー67の先端どうしを直結している。
【0150】
そして、このカム機構70は、クラッチレバー67の矢印m、m′方向の回転操作によってクラッチ従動レバー65を矢印k、k′方向に軽く従動回転させることができる反面、クラッチ従動レバー65の矢印k、k′方向の自由回転をクラッチレバー67が拘束する機能があって、クラッチレバー67側からの操作が優先されるカム機構となっている。
【0151】
従って、このクラッチ63の構成によれば、通常動作時には、クラッチ可動ギア60がクラッチ固定ギア61から外れ難く、ギアトレイン57の伝動状態を安定良く保つことができるにも拘らず、イマージェンシーイジェクト時には、クラッチ可動ギア60をクラッチ固定ギア61から比較的軽い力(弱い力)で容易に外すことができる特徴がある。
【0152】
また、図1、図2、図5及び図7に示したディスクテーブル昇降機構106によれば、主可動フレーム107をシャーシ1cに対して一対の支点部109及び連結部111に介装した3つのインシュレータ115、119によって弾性的に支持させているので、ディスク4の記録及び/又は再生中に外部から加えられる振動をこれらのインシュレータ115、119で確実に吸収することができる。
【0153】
従って、振動によるディスク4のデータエラー等を未然に防止することができて、記録及び/又は再生の特性及び信頼性を著しく高めることができる。
【0154】
以上、本発明の一実施例に付き述べたが、本発明は上記の実施例に限定されることなく、本発明の技術的思想に基づいて各種の変更が可能である。
【0155】
【発明の効果】
以上のように構成された本発明のディスク装置は次のような効果を奏する。
【0156】
請求項1は、ディスクトレーに取り付けられたラックレバーをラックレバー付勢手段によってイジェクト方向に移動付勢させることによって、ディスクトレーに取り付けられたディスク保持手段を保持状態に付勢して、ディスクトレーの凹所内に挿入されたディスクをディスク保持手段によって保持するようにし、ディスクトレーのローディング及びイジェクトはディスク装置本体に取り付けられてラックレバーを駆動するモータ、ギアトレイン及びピニオンからなるディスクトレー駆動機構によって行うようにし、その際、ローディング時には、ディスクトレーのローディング完了後のラックレバーのオーバーストローク駆動により、解除手段を介してディスク保持手段によるディスクの保持を自動的に解除すると共に、カム機構を介してディスク昇降機構を上昇駆動して、ディスクテーブルへのディスクの装着を自動的に行うようにしたので、1つのラックレバーをディスクトレーのローディング及びイジェクトの駆動手段と、ディスク保持手段によるディスクの保持と解除の駆動手段と、ディスクテーブルの昇降駆動手段とに兼用させることができる。しかも、ディスクトレーのローディング完了後のラックレバーの引き続きのオーバーストローク動作でディスク保持手段によるディスクの保持の解除動作と、カム機構を介してディスクテーブル昇降機構の上昇駆動によるディスクテーブルへのディスクの装着動作とをスムーズに行うので、ディスクの保持の解除と、ディスクテーブルへのディスクの装着との動作タイミングの同期を機械的に正確にとることができる。従って、ディスクトレーのローディング完了に伴うディスクの保持の解除動作と、その保持が解除されたディスクのディスクテーブルへの装着動作とを簡単な機構で、タイミング良く、スムーズに行えて、ディスクが保持されたままでディスクテーブルに無理やり装着される等して、ディスクを損傷するような不都合が全く発生せず、ディスクテーブルへのディスクの装着の安全性、信頼性を著しく向上させることができる。
【0157】
請求項1は、ラックレバーにより、カム機構を介してディスク昇降機構を昇降駆動するので、カム機構のカム溝等のカムの形状によって、ディスクの保持の解除と、ディスクテーブルへのディスクの装着との動作タイミングを容易に、かつ、正確に設定することができる。
【0158】
請求項2は、上記ディスクテーブル昇降機構が、相対向する先端どうしが連結部によって相互に上下方向に回転自在に連結され、相反する側の端部が上記ディスク装置本体に上下方向に回転自在に取り付けられた主可動フレーム及び副可動フレームを有し、上記主可動フレームに上記ディスクテーブルを取り付けて昇降自在に構成し、上記カム機構によって上記副可動フレームを昇降駆動するように構成したので、カム機構によるディスクの昇降駆動動作をスムーズに行うことができる。
【0159】
請求項3は、上記ディスクテーブルが取り付けられた上記主可動フレームを上記ディスク装置本体に対して振動吸収用インシュレータによって弾性的に支持したので、ディスクの記録及び/又は再生中に外部から加えられる振動をインシュレータによって確実に吸収することができて、振動によるディスクのデータエラー等を未然に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したディスク装置の一実施例におけるディスク装置本体内部とラックレバーを説明する平面図である。
【図2】ディスク装置本体内部を説明する斜視図である。
【図3】ディスクトレーによるディスクのディスク装置本体内へのローディング完了状態を説明する平面図である。
【図4】図3の斜視図である。
【図5】図5の(A)はローディング及びイジェクトの途中を説明する図3のE−E矢視での断面側面図であり、図5の(B)はローディング完了状態を説明する図3のE−E矢視での断面図である。
【図6】ディスクトレー、ラックレバー及びカムレバーを示した斜視図である。
【図7】ディスクテーブル昇降機構の要部を示す斜視図である。
【図8】インシュレータを説明するものであって、図8の(A)は図1のF−F矢視での拡大断面図であり、図8の(B)は図1のG−G矢視での拡大断面図である。
【図9】ディスクテーブル昇降機構によるディスクテーブルの下降動作を説明する図1のH−H矢視での拡大断面図である。
【図10】ディスクテーブル昇降機構の動作を説明する図1のH−H矢視での拡大断面図である。
【図11】ディスクテーブルへのディスクの装着動作途中を説明する図1のI−I矢視での拡大断面図である。
【図12】ディスクテーブルへのディスクの装着完了を説明する図1のI−I矢視での拡大断面図である。
【図13】ラックレバーに対するディスクトレー駆動機構、ディスクトレーロック機構、ラックレバーロック機構及びイマージェンシーイジェクト機構の位置関係を説明する平面図である。
【図14】ディスクトレー駆動機構の分解斜視図である。
【図15】ディスクトレー駆動機構及びイマージェンシーイジェクト機構の拡大平面図である。
【図16】図1のJ−J矢視での拡大断面図である。
【図17】ディスクトレー駆動機構及びイマージェンシーイジェクト機構の拡大平面図であって、イマージェンシーイジェクト操作を説明している。
【図18】図18の(A)はラックレバーロック機構を説明する図1のK−K矢視での拡大側面図であり、図18の(B)は図18の(A)のL−L矢視での平面図である。
【図19】ディスクトレーロック機構及びラックレバーロック機構を説明する一部切欠き平面図である。
【図20】ラックレバーロック機構のロック動作及びロック解除動作を説明する展開断面図である。
【図21】図1のM−M矢視での拡大断面図である。
【図22】ディスクトレー上でのディスクの保持状態を説明する図28のA−A矢視での断面図である。
【図23】図22のディスクテーブルによるディスクのチャッキング状態を示す断面図である。
【図24】同上の垂直使用時でのディスクトレーのイジェクト状態を示す斜視図である。
【図25】図24のディスクトレーにディスクを垂直に装着した状態を示す斜視図である。
【図26】図24のディスク装置本体内へのディスクのローディング完了状態を示す斜視図である。
【図27】図24のディスクトレーの側面図である。
【図28】図25のディスクトレーの側面図である。
【図29】同上のロックアームの斜視図である。
【図30】図30の(A)は図29のロックアームをディスクトレーに装着した状態の平面図であり、図30の(B)は図30の(A)のB−B矢視での断面図である。
【図31】図30の(A)のC−C矢視での断面図である。
【図32】図30の(A)のD−D矢視での断面図である。
【図33】図31に示すディスク保持の解除状態を示す断面図である。
【図34】図32に示すディスク保持の解除状態を示す断面図である。
【図35】同上のロックアームと、一対の解除レバーと、カムレバー及びラックレバーの相互の関係を示す平面図である。
【図36】図35のラックレバーのオーバーストローク時のカムレバーによる一対の解除レバーの駆動状況を示す平面図である。
【図37】同上のディスクトレーへの解除レバーの取り付け構造を説明する断面図である。
【図38】同上の解除レバーとカムレバーとの間に設けられたカム機構を示す斜視図である。
【図39】同上のラックレバーとピニオンを示す斜視図である。
【図40】従来のディスク装置の水平使用時のディスクのイジェクト状態の斜視図である。
【図41】図40のE−E矢視での水平使用時と垂直使用時を示す断面図である。
【図42】従来のディスク装置の水平使用時のディスクのローディング完了状態を示した斜視図である。
【図43】ディスク装置本体内のディスクテーブル及びディスククランパーによるディスクのチャッキング解除状態を説明する側面図である。
【図44】ディスク装置本体内のディスクテーブル及びディスククランパーによるディスクのチャッキング状態を説明する側面図である。
【符号の説明】
1 ディスク装置本体
1c ディスク装置本体のシャーシ
2 ディスクトレー
3 ディスクトレーの凹所
3a ディスクトレーの凹所のディスク載置面
4 ディスク
4a ディスクの中心穴
4b ディスクの外周
6 ディスクテーブル
8 ディスククランパー
15 ロックアーム(ディスク保持手段)
24 解除レバー(解除手段)
34 ラックレバー
34a ラックレバーの先端アーム
35 ラックレバーのラック
36 ピニオン
38 引張コイルバネ(ラックレバー付勢手段)
52 トレーローディングストッパー
55 ディスクトレー駆動機構
56 モータ
57 ギアトレイン
106 ディスクテーブル昇降機構
107 主可動フレーム
107a 主可動フレームの端部
107b 主可動フレームの先端
108 副可動フレーム
108a 副可動フレームの端部
108b 副可動フレームの先端
109 主可動フレームの支点部
110 副可動フレームの支点軸
111 主可動フレームと副可動フレームの連結部
115、119 インシュレータ
126 カム機構
128 カムスライダー
129 カム溝(カム)
130 カム従動ピン
131 引張コイルバネ(カムスライダー付勢手段)
S オーバーストローク

Claims (3)

  1. 記録及び/又は再生用のディスクを凹所内に挿入してディスク装置本体に対してローディング及びイジェクトするディスクトレーと、
    上記ディスクトレーに取り付けられて、上記凹所内に挿入された上記ディスクの外周を保持するディスク保持手段と、
    上記ディスクトレーに取り付けられて、上記ディスク保持手段による上記ディスクの保持状態を解除する解除手段と、
    上記ディスク装置本体内に設けられて、上記ディスクトレーによってローディングされた上記ディスクが装着されるディスクテーブルとを備えたディスク装置において、
    上記ディスクトレーに取り付けられて、そのディスクトレーに対してローディング方向及びイジェクト方向に移動自在に構成され、上記ディスクトレーに対するローディング方向への移動によって上記解除手段を駆動するラックレバーと、
    上記ラックレバーを上記ディスクトレーに対してイジェクト方向に移動付勢するラックレバー付勢手段と、
    上記ディスク装置本体に取り付けられて、上記ラックレバーをローディング方向及びイジェクト方向に駆動するモータ、ギアトレイン及びピニオンからなるディスクトレー駆動機構と、
    上記ディスク装置本体に設けられて、ローディング完了された上記ディスクトレーを停止させることによって上記ラックレバーを上記ラックレバー付勢手段に抗してオーバーストローク動作させるためのトレーローディングストッパーと、
    上記ディスク装置本体に取り付けられて、上記ディスクテーブルを昇降駆動するディスクテーブル昇降機構と、
    上記ディスク装置本体に取り付けられて、上記ディスクトレーのローディング完了後におけるラックレバーのオーバーストロークによって駆動されて、上記ディスクテーブル昇降機構を上昇駆動して上記ディスクテーブルに上記ディスクを装着するカム機構とを備えたことを特徴とするディスク装置。
  2. 上記ディスクテーブル昇降機構は、相対向する先端どうしが連結部によって相互に上下方向に回転自在に連結され、相反する側の端部が上記ディスク装置本体に上下方向に回転自在に取り付けられた主可動フレーム及び副可動フレームを有し、
    上記主可動フレームに上記ディスクテーブルを取り付けて昇降自在に構成し、
    上記カム機構によって上記副可動フレームを昇降駆動するように構成したことを特徴とする請求項1記載のディスク装置。
  3. 上記ディスクテーブルが取り付けられた上記主可動フレームを上記ディスク装置本体に対して振動吸収用インシュレータによって弾性的に支持したことを特徴とする請求項2記載のディスク装置。
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