JP3550314B2 - ベンディングロールによるu曲げ方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、ベンディングロール、すなわち前後2本の平行な下ロール(以下、ボトムロールともいう)の上方に、これと平行な1本の上ロール(以下、トップロールともいう)を配置し、下ロールと上ロールの間に鋼板を供給してその鋼板を所要の形状に曲げる装置における、そのU曲げ方法及びそのU曲げし得るベンディングロールに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ベンディングロールは、鋼板(鉄板)を円筒形、楕円形などに成形するものであり、各種板状製品の成形に使用される。その成形に鋼板のU曲げがあり、これは、楕円曲げの一部と考えられ、その技術によって成形が行われている。
【0003】
その楕円曲げの従来技術として、特開平6−304664号公報及び特開平10−216843号公報等に記載のものがある。これらの技術の楕円加工は、上ロールを、前後両下ロールの中間点から前方下ロール側に一定距離だけ位置させた状態で、鋼板を後方下ロール側より供給し、下ロールにより鋼板を前方に送りながら、上ロールを成形する楕円の所要の部分の曲率に順々に合うように下降させて、その鋼板を長さ方向に順々に所要の曲率に曲げて成形する。すなわち、両端を除く楕円形状を、上下ロール間に鋼板を一回通すこと(一パス)により成形している。
【0004】
したがって、この楕円曲げ技術によってU曲げを行う場合にも、一パスによって成形することとなる。なお、同一曲率部分を複数回繰り返すローリング加工も行われる場合もあるが、その際、同一ローリング加工部分の開始及び終了位置がずれ易く、加工精度の低下を招く。このため、一般には、一パス加工が行われている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記一パスによりU曲げする方法は、一度の曲げ作用で各部分の所要の曲率を得ようとするため、材質、板厚等により、その所要の曲率を正確に得がたく、手動の場合には、作業者が加工状況を観察しながら、手動により上ロールの下降量及び鋼板の送り量を微妙に調整している。この調整には熟練が必要である。自動の場合には、その調整は困難であり、上ロールの下降量が大きくて腰折れが発生したり、一般に、成形し始め部分は、真直ぐなものからの成形のため、成形終り部分に比べて円弧部(曲率)が大きくなって精度も悪く、手動により、その補正を行う必要があり、煩わしいものとなっている。
【0006】
なお、鋼板のU曲げは、ベンディングプレス等によるプレス成形も行われているが、押型(金型)が必要であり、その押型もU字形の各態様に合わせて各種のものを用意する必要がある。このため、プレス成形は、一般に大量生産に向き、多品種小量生産には向かない。
【0007】
この発明は、上記実情の下、ベンディングロールによって鋼板のU曲げを円滑に精度よく行い得るようにすることを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、この発明は、まず、上下ロール間に鋼板を複数回通し(パスし)、そのパスごとに徐々に曲率を小さく成形するようにしたのである。このように、徐々に小さい曲率に成形すれば、鋼板も徐々に塑性変形し、腰折れも生じにくく、精度も高いものとなる。このとき、同一曲率加工においては、複数回のローリング加工をすることもできる。
【0009】
つぎに、この発明は、U曲げにあっては一部分に向かって曲率が小さくなるため、上記各パスによる成形をその最小曲率部に向かって狭めるようにしたのである。このようにすることにより、無駄なく円滑なU曲げを行い得る。
【0010】
【発明の実施の形態】
この発明の一実施形態としては、前後2本の平行な下ロールの上方に、これと平行な1本の上ロールを配置し、下ロールと上ロールの間に鋼板を供給して、その鋼板を上下ロールで挾持しながらそのロールの回転により走行させてU字状に曲げる方法において、前記上ロールの位置を前後両下ロールの中間点に位置させて鋼板を上下ロール間に供給した後、上ロールを下降して上下ロールにて鋼板をクランプし、つづいて下ロールを回して鋼板を所定の成形始まり位置まで移動し、以後、所定の円弧に成形するための上ロールの下降量を数回に分け、その各下降量に合った下ロールの回転量にてその下ロールを正逆転する複数段の成形を行うとともにその各成形を最小曲率部に向かって徐々に狭めて行う構成を採用し得る。
【0011】
この実施形態は、円弧部(R部)の両端部が直線となる成形に適している(図2及び図3の実施例参照)。
【0012】
また、他の実施形態としては、同様に、前後2本の平行な下ロールの上方に、これと平行な1本の上ロールを配置し、下ロールと上ロールの間に鋼板を供給して、その鋼板を上下ロールで挾持しながらそのロールの回転により走行させてU字状に曲げる方法において、前記上ロールの位置を両下ロールの中間点から一方側に近づけて鋼板を上下ロール間に供給した後、上ロールを下降して上下ロールにて鋼板をクランプし、つづいて下ロールを回して鋼板を所定の成形始まり位置まで移動し、以後、所定の円弧に成形するための上ロールの下降量を数回に分け、その各下降量に合った下ロールの回転量にて、その下ロールの正転時に複数段の成形を行うとともに、逆転時には上ロールを下降させずに鋼板を各成形始まり位置まで戻し、かつ、その各成形を最小曲率部に向かって徐々に狭めて行う構成とし得る。
【0013】
この実施形態は、R部の片端が直線となる成形に適している(図4、5及び図6、7の実施例参照)。この実施形態において、上ロールの位置を一方の下ロールに近づけたのは、近づけると、上ロールの下降量を少なくしてR部の曲率を小さくできるため、腰折れ現象を発生しにくくするとともに、端曲げを行うためである。また、下ロール逆転時に上ロールを下降させないのは、上ロールが両下ロールの中間からずれたことにより、鋼板往復時(下ロール正逆転時)のそれぞれの曲げ度合いが微妙に異なり、鋼板の一方向への移動時のみで所要の曲率を得るためである。このため、逆転時には上ロールを鋼板の移動にズレが生じない程度に少し上昇させて成形作用がなされないように(所要の曲率成形に支障がないように)することが好ましい。
【0014】
因みに、正逆転時の誤差が許容できれば、正逆転時にともに上ロールを下降させて成形をしてもよい。また、往時と復時の曲げ度合いが同じになるように上ロールの下降量を往時と復時とで異ならせて同一曲げ度合になるように調整すれば、逆転時に成形を行って精度の高いものを得る。
【0015】
また、この実施形態において、上ロールを一方の下ロールに近づけた曲げ加工をした後、上ロールを他方の下ロールに近づけた曲げ加工をすれば、鋼板両端部を円弧とするU曲げ品を得ることができる(図8、9の実施例参照)。このとき、両端部の曲げ方法は前方又は後方の同一方向の曲げとする。因みに、前方曲げとは、一般に、上ロールが近づいた下ロールの方向に鋼板を移動させて曲げ加工する(上ロール2の移動と同一方向で成形する)場合であり、後方曲げとは、上ロールが近づいた下ロールの逆方向に鋼板を移動させて曲げ加工する場合をいう。
【0016】
上記各実施形態において、最初の成形時には、上ロールの下降途中から下ロールを回すようにするとよい。このようにすれば、鋼板が少し曲がったところから、鋼板移動による曲げ加工が行われ、曲がりぐせが生じた後の加工となるため、腰折れが生じにくくなる。
【0017】
また、鋼板の所要のU曲げ終了後、上ロールを鋼板が自由に動き得ない程度に少し上昇させ、その状態で、下ロールを回転させて鋼板が両下ロール上に安定する位置まで移動した後、上ロールを鋼板から退避するようにするとよい。このようにすれば、成形後の鋼板を安定してベンディングロールから取出すことができ、安全な作業を行い得る。
【0018】
【実施例】
図1にこの実施例のベンディングロールを示し、(a)は左側面図、(b)は正面図である。このベンディングロールは、フレームFに前後2本の平行な下ロール1、1’を設けるとともに、この上方に、下ロール1、1’と平行な1本の上ロール2を設けたものである。この上ロール2は、油圧シリンダ13によって昇降自在であるとともに、モータ10により前後に移動する。下ロール1、1’はモータ6により所要数正逆回転される。図中、12はフレームFを外方に傾ける油圧シリンダである。
【0019】
このベンディングロールにはその作用のコントロール装置(自動制御器)5が付設されており、このコントロール装置5は、数値設定器5a、5b、5cとシーケンス制御回路5dを有する。数値設定器5aは下ロール1、1’の回転Zを距離(鋼板3の移動量L)に換算したZ1、Z2……(回転量,L1=Z1、L2=Z2……)を設定するものである。数値設定器5bは上ロール2の昇降量Y(Y1、Y2……)を設定するものであり、数値設定器5cは上ロール2の前後移動量Xを設定するものである。これらの設定値Z、Y、Xは、材料の降伏点、板厚、板幅、各円弧(各曲率)R部分の両端間距離、各曲率R(R1、R2……)などの各U曲げ態様に基づき、コントロール装置5の演算ソフトにより算出してシーケンス制御回路5dに予め入力される。
【0020】
下ロール1、1’はその回転数が回転検出器7によって検出され、シーケンス制御回路5d内にて距離Lに換算される。上ロール2の昇降は油圧制御系8により油圧シリンダー13を作動することにより行われる。その昇降量はサイドフレームに取り付けたポテンションメータ9にて検出される。上ロール2の前後移動量は下部フレームに設けたポテンションメータ11にて検出される。各モータ6、10及び油圧シリンダー13の作動はシーケンス制御回路5dの指令に基づき行われ、各ポテンションメータ9、11及び回転検出器7の検出値は、シーケンス制御回路5dに入力される。
【0021】
この構成のベンディングロールにより、図10(a)に示すシャベル用バケットBの底板Cを同図(b)に示す平面形状の鋼板3から各種曲率RのU曲げによって製作する方法を以下に説明する。
【0022】
〔中央U曲げ(両端部a、bが直線)〕
このU曲げを行う成形方法を図2及び図3に基づいて説明すると、図3のフローチャートのごとく、ベンディングロールのスタートボタンを押すと、材料(鋼板3)のストッパー4(図1省略)が前方下ロール1の前方の定位置に上昇し、作業者によって予め設定された中央U曲げの指示により、コントロール装置5がその加工態様を自動的に選択する(U自動選択する)。この動作中において、スタートの各条件がチェックされ、異常があれば、「異常メッセージ」がなされる。なお、フローチャートにおいて、同図(a)〜(c)に分かれているが、(a)のAは(b)のAに、(b)のBは(c)のBにそれぞれつづくことを意味する。以下、同じ。
【0023】
異常がなく、加工準備が終了すれば、図2(a)に示すように、上下ロール2、1、1’間に、鋼板3を後方下ロール1’から前方下ロール1の方向に供給してストッパー4にその前端を当てて、鋼板3の姿勢を正しく保持する。ストッパー4は装置の一部に、前記下ロール1と平行に固定されている。この状態から、下ロール1、1’を停止させた状態において、鋼板3の供給終了信号により、スイッチSWが自動的に入り、バックアップローラ14が上昇して定位置H1になった後、上ロール(フローチャートではトップロール、以下同じ)2を待機位置Y0からY1迄下降せしめ、鋼板3をクランプした後ストッパー4を下降させる。このストッパー4の下降は、上ロール2のY1への例えば10mm手前で開始する。その作用はタイマーTで行い、例えば5秒後とする。なお、バックアップロール14がない場合にはその昇降作用はない(以下、同じ)。
【0024】
つぎに、鋼板3を成形始まり位置(距離L1=Z1)まで移動するように下ロール(フローチャートではボトルロール、以下同じ)1、1’を回転させて所定値(成形開始位置)に送り込む。このとき、上述のようにY1、Z1は曲げ態様によって予め計算されて制御回路5d内に入力されて記憶されている値であって、その定めた位置に到達後、次工程に自動的に移行する。以下、後述のY2、Y3……,Z2、Z3……も同様に曲げ態様によって予め計算され、その値が満足されると、次工程に自動的に移行する。
【0025】
このY1、Z1の状態になると、同図(b)に示すように、上ロール2をY2迄下降する。上ロール2がY2に到達する途中に下ロール1、1’を前方に回転させ鋼板3をZ2前進させる。このタイムラグはタイマーTにより行い、例えば3秒とする。このとき、上ロール2の下降速度と下ロール1、1’の送り速度の相対的な速度差及びロール1、1’の回転始めは、鋼板3に腰折れを生じさせない範囲で設定する(以下同じ)。この成形により、最も曲率Rが大きく、鋼板3の移動量L2が大きい(長い)R1部が成形される。
【0026】
次に、同図(c)に示すように、上ロール2をY2からY3迄下降、及び下ロール1、1’を後方に回転させ鋼板3をZ3(<Z2)後退させる。この成形はL3<L2、R1>R2となる。このとき、上ロール2の下降と下ロール1、1’の回転は同時に作動する。このY3、Z3の状態になると、同図(d)に示すように、上ロール2をY4迄下降、及び下ロール1、1’を前方に回転させ鋼板3をZ4(<Z3)前進させる。この成形は、L4<L3、R2>R3となる。このとき、上ロール2の下降と下ロール1、1’の回転は同時に作動する。
【0027】
次に、同図(e)に示すように、上ロール2をY4からY5迄下降、及び下ロール1、1’を後方に回転させ鋼板3をZ5(<Z4)後退させる。この成形はL5<L4、R3>R4となる。このとき、上ロール2の下降と下ロール1、1’の回転は同時に作動する。鋼板3のZ5後退完了後(同図(f)の状態)、下ロール1、1’を停止させた状態において、上ロール2をY5からY6迄下降する。これは、材料によって経験上曲がりが弱い部分が発生した場合に、プレス成形により補正する工程である。補正の必要がない場合はY5と同じ値にしてY6の工程を省略する。
【0028】
以上の作用により、鋼板3の所要のU曲げは終了したが、次に、同図(f)に示すように、上ロール2をY6からY5−α迄上昇させ、鋼板3をZ6前進させる(同図(g))。これは、上ロール2を上昇させた時に鋼板3の重心が下ロール1と1’の中間にきて鋼板3が安定して静止するためである。このため、Z6の値はこのように静止するように適宜に設定する。その後、上ロール2をY0迄上昇させる(同図(h))。このとき、ストッパー4がタイマーTの計時後に定位置に上昇する。なお、αは鋼板3が自由に動き得ないで、鋼板3の移動により成形した曲率(R部)に支障がない程度を適宜に選択し、例えば2mm程度とする。
【0029】
〔後方U曲げ(R部左端aのみ直線)〕
このU曲げを行う成形方法を図4及び図5に基づいて説明すると、図5のフローチャートのごとく、上述と同様な加工準備が行われ、その加工準備が終了すると、図4(a)に示すように、同様に、上下ロール間に、鋼板3を後方下ロール1’から前方下ロール1の方向に供給してストッパー4にその前端を当てて、鋼板3の姿勢を正しく保持する。この後、上ロールを待機位置Y0においてX量だけ後方側に移動し、下ロール1、1’を停止させた状態において上ロール2をY1迄下降せしめ、鋼板3をクランプした後、ストッパー4を下降させる。X量は、上ロール2の偏心量であり、鋼板3の腰折れ、加工精度などを考慮して適宜に設定する。つぎに、鋼板3をZ1移動する迄下ロール1、1’を回転させて所定値(成形開始位置)に送り込む。
【0030】
このY1、Z1の状態になると、同図(b)に示すように、上ロール2をY2迄下降する。上ロール2がY2に到達する途中に下ロール1、1’を前方に回転させ鋼板3をZ2前進させる。上ロール2の下降速度と下ロール1、1’の送り速度の相対的な速度差及び下ロール1、1’の回転始めは、鋼板3の腰折れを生じさせない範囲で設定される(以下、同じ)。
【0031】
この作用により、最も曲率Rの大きく、鋼板3の移動量Lが大きいR曲げ(R1部)が終了し、つづいて、同図(c)に示すように、上ロール2をY2からY2−α迄上昇、及び下ロール1、1’を後方に回転させ鋼板3をZ3(<Z2)後退させる。このとき、αは、上述のように、鋼板3が自由に動き得ないで、鋼板3の移動により成形した曲率に支障がない程度であって、例えば2mm程度とする(以下、同じ)。
【0032】
ここで、Z3は次のR2曲げの成形始めに鋼板3が位置する距離L3に相当するものであり、次に、同図(d)に示すように、上ロール2をY2−αからY3(>Y2)迄下降、及び下ロール1、1’を前方に回転させ鋼板3をZ4(<Z3)前進させる。このとき、上ロール2の下降と下ロール1、1’の回転は同時に作動される。
【0033】
この作用によりR2(<R1)部が成形され、つづいて、同図(e)に示すように、上ロール2をY3からY3−α迄上昇、及び下ロール1、1’を後方に回転させ、鋼板3をZ5(小径R3成形位置迄、<Z4)後退させる。
【0034】
小径R3成形位置まで後退すると、同図(f)に示すように、上ロール2をY3−αからY4迄上ロール2を下降させ、鋼板3をZ6(<Z5)前進させる。このとき、上ロール2の下降と下ロール1、1’の回転は同時に作動される。
【0035】
この作用により、R3(<R2)部が成形され、以上の作用により、鋼板3の所要のU曲げは終了し、次に、同図(g)に示すように、上ロール2をY4からY3−α迄上ロール2を上昇させ、鋼板3をその重心が両下ロール1、1’の中間にくるまでZ7後退させて安定させる。その後、同図(h)に示すように、上ロール2をY0迄上昇させる。
【0036】
〔前方U曲げ(R部右端bのみ直線)〕
このU曲げを行う成形方法を図6、図7に示し、この実施例では、上述の後方U曲げに対し、上ロール2がストッパー4(前方下ロール1)側にX移動する点と、成形曲げが上ロール2の移動方向の鋼板3の移動によって行われる前方曲げの点、及び逆転時に上ロール2をα上昇しない点が異なり、他の作用はほぼ同一であり、図6(b)の作用(Y2、Z2)によりR1、同(c)に作用(Y3、Z3)によりR2、同(e)の作用(Y4、Z5)によりR3、(g)の作用(Y5、Z7)によりR4がそれぞれ成形される。このとき、R4の成形で鋼板3は下ロール1、1’に安定して支持されるため、安定化動作は行わないが、安定しない場合はその動作を行う。
【0037】
〔後方両端U曲げ(R部両端a、b曲げ)〕
このU曲げを行う成形方法を図8、図9に示し、この実施例は、上ロール2を一方の下ロール1に近づけて上述の後方U曲げによって右端bを曲げ、その後、上ロール2を他方の下ロール1に近づけて同じく後方U曲げに移行して左端aを曲げるものである。この加工作用において、Y2、Z2によりR1、Y3により右端aのプレス加工、Y4、Z4及びZ5によりR2、Y5、Z6によりR3、Y6、Z7によりR4がそれぞれ成形される。また、図8(f)において、Z=150mmとしたのは、鋼板3がロール1、1’、2上で安定する位置までの移動量であり、この値に限定されず、適宜に選定する。この安定状態では、上ロール2を2X移動させても鋼板3は動かず、その移動後、次の曲げ加工開始位置まで、鋼板3を移動させる(Z5)。図9中のTの添字はタイムラグの秒数を示す。この両端曲げは前方曲げでも可能であることは勿論である。
【0038】
図4の実施例において、図6の実施例のごとく逆転時に上ロール2をα上昇させない作用を採用でき、また、逆に、図6の実施例において、逆転時に上ロール2をα上昇させる作用も採用し得る。このことは、図8の実施例においても同様である。さらに、鋼板3の各部の上ロール2の下降によるプレス成形は必要に応じて適宜個所で行うとよい。また、上ロール2の下降段階はRの曲率変化によって適宜に選択することは勿論である。支障がなければ、同一曲率の成形は複数回のローリング加工をしてもよい。上記各スパイラル成形に代えて、上ロール2を所要量下降させた後、鋼板3を移動させる成形を採用してもよく、又は逆も適宜に採用し得る。
【0039】
なお、図11で示す形状の鋼板3の斜線部分をU曲げする場合、幅広部分の曲げのときに幅狭部分qが下ロール1又は1’に対応すると腰折れが生じ易い。例えば、前方曲げの場合、同図のように鋼板3’を送り込むと、図12に示すように幅狭い部分qが下ロール1、1’に対応して腰折れが生じる。このため、このような鋼板3’は図13に示すように、下ロール1、1’、2間に送り込む向きを変える必要がある。しかし、この種のベンディングロールは鋼板切断等の連続ラインの一部に介設されるため、その送り方向を変えることはできない場合が多い。一方、図11の向きの鋼板3の場合、図14に示すように、後方曲げとすれば支障がない。したがって、前方曲げと後方曲げを適宜に選択することにより、その幅狭部分qがあっても腰折れが生じないようにし得る。
【0040】
【発明の効果】
この発明は、以上のように、段階的に曲率の小さい円弧に成形するとともに、その最小曲率部に向かって成形するようにしたので、自動成形により精度の優れた製品を大量生産する事ができ、作業能率が良く生産性が良い。また、プレス成形と比べ金型を必要としないためコスト面で優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係るベンディングロールの一実施例を示し、(a)は概略左側面、(b)は概略正面図
【図2(a)】上記ベンディングロールによるU曲げ方法の一実施例の作用図
【図2(b)】同実施例の作用図
【図2(c)】同実施例の作用図
【図2(d)】同実施例の作用図
【図2(e)】同実施例の作用図
【図2(f)】同実施例の作用図
【図2(g)】同実施例の作用図
【図2(h)】同実施例の作用図
【図3(a)】同実施例の作用フローチャート
【図3(b)】同実施例の作用フローチャート
【図3(c)】同実施例の作用フローチャート
【図4(a)】他のU曲げ方法の一実施例の作用図
【図4(b)】同実施例の作用図
【図4(c)】同実施例の作用図
【図4(d)】同実施例の作用図
【図4(e)】同実施例の作用図
【図4(f)】同実施例の作用図
【図4(g)】同実施例の作用図
【図4(h)】同実施例の作用図
【図5(a)】同実施例の作用フローチャート
【図5(b)】同実施例の作用フローチャート
【図5(c)】同実施例の作用フローチャート
【図6(a)】他のU曲げ方法の一実施例の作用図
【図6(b)】同実施例の作用図
【図6(c)】同実施例の作用図
【図6(d)】同実施例の作用図
【図6(e)】同実施例の作用図
【図6(f)】同実施例の作用図
【図6(g)】同実施例の作用図
【図6(h)】同実施例の作用図
【図7(a)】同実施例の作用フローチャート
【図7(b)】同実施例の作用フローチャート
【図7(c)】同実施例の作用フローチャート
【図8(a)】他のU曲げ方法の一実施例の作用図
【図8(b)】同実施例の作用図
【図8(c)】同実施例の作用図
【図8(d)】同実施例の作用図
【図8(e)】同実施例の作用図
【図8(f)】同実施例の作用図
【図8(g)】同実施例の作用図
【図8(h)】同実施例の作用図
【図8(i)】同実施例の作用図
【図8(j)】同実施例の作用図
【図8(k)】同実施例の作用図
【図8(l)】同実施例の作用図
【図9(a)】同実施例の作用フローチャート
【図9(b)】同実施例の作用フローチャート
【図9(c)】同実施例の作用フローチャート
【図10】(a)はシャベル用バケットの側面図、(b)は同バケットの底板展開図
【図11】U曲げ作用説明図であり、(a)は正面図、(b)は平面図
【図12】同作用平面図
【図13】同作用平面図
【図14】他のU曲げ作用説明図であり、(a)は正面図、(b)は平面図

Claims (7)

  1. 前後2本の平行な下ロール1、1'の上方に、これと平行な1本の上ロール2を配置し、下ロール1、1'と上ロール2の間に鋼板3を供給して、その鋼板3を上下ロールで挾持しながらそのロールの回転により移動させて少なくとも3個以上の円弧を有するU字状に曲げるベンディングロールによるU曲げ方法であって、
    上記上ロール2の位置を前後両下ロール1、1'の中間点に位置させて鋼板3を上下ロール間に供給した後、上ロール2を下降して上下ロールにて鋼板3をクランプし、つづいて下ロール1、1'を回して鋼板3を所定の成形始まり位置まで移動し、以後、上記各所定の円弧に成形するための上ロール2の下降量をその各円弧に対応した数回に分け、その各下降量に合った下ロール1、1’の回転量にてその下ロール1、1’を正逆転させて前記各円弧に対応した複数段の成形を行い、かつその2段以降の各成形を、前段の成形円弧内において行って最小曲率部に向かって徐々に狭めて行うベンディングロールによるU曲げ方法。
  2. 前後2本の平行な下ロール1、1'の上方に、これと平行な1本の上ロール2を配置し、下ロール1、1'と上ロール2の間に鋼板3を供給して、その鋼板3を上下ロールで挾持しながらそのロールの回転により移動させて少なくとも3個以上の円弧を有するU字状に曲げるベンディングロールによるU曲げ方法であって、
    上記上ロール2の位置を両下ロール1、1'の中間点から一方側に近づけて鋼板3を上下ロール間に供給した後、上ロール2を下降して上下ロールにて鋼板3をクランプし、つづいて下ロール1、1'を回して鋼板3を所定の成形始まり位置まで移動し、以後、上記各所定の円弧に成形するための上ロール2の下降量をその各円弧に対応した数回に分け、その各下降量に合った下ロール1、1’の回転量にて、その下ロール1、1’の正転時に前記各円弧に対応した複数段の成形を行うとともに、逆転時には上ロール2を下降させずに鋼板3を各成形始まり位置まで戻し、かつ、その2段以降の各成形を、前段の成形円弧内において行って最小曲率部に向かって徐々に狭めて行うベンディングロールによるU曲げ方法。
  3. 請求項2に記載のベンディングロールによるU曲げ方法において、逆転時には上ロールを少し上昇させて鋼板を各成形始まり位置まで戻すことを特徴とするベンディングロールによるU曲げ方法。
  4. U字状下部の一方の屈曲部を、上ロール2を一方の下ロール1に近づけて、請求項2又は3に記載のベンディングロールによるU曲げ加工をした後、U字状下部の他方の屈曲部を、上ロール2を他方の下ロールに近づけて、請求項2又は3に記載のベンディングロールによるU曲げ加工を行うことを特徴とするベンディングロールによるU曲げ方法。
  5. 請求項1乃至4のいずれか一つに記載のU曲げ方法において、最初の成形時には、上ロール2の下降途中から下ロール1、1'を回すようにしたことを特徴とするベンディングロールによるU曲げ方法。
  6. 鋼板3の所要のU曲げ加工終了後、上ロール2を鋼板3が自由に動き得ない程度に少し上昇させ、その状態で、下ロール1、1'を回転させて鋼板3が両下ロール1、1'上に安定する位置まで移動した後、上ロール2を鋼板3から退避することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一つに記載のベンディングロールによるU曲げ方法。
  7. 請求項1乃至6のいずれか一つに記載のU曲げ方法を自動制御器の指令に基づき行い得るベンディングロール。
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